「私の趣味は、夫の不倫疑惑をブログに綴ること」婚外恋愛“された”女の複雑な心模様

 pink06230 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 これまで、婚外恋愛をしている女性たちに話を聞いてきたが、一方で、夫に婚外恋愛を“されている”女性は、どんな心境にあるのだろうか。

 婚外恋愛に走ると、男女問わず、普段とは異なる行動を取りがちだという。スマホをこまめにチェックしたり、外出が増えたりなど、配偶者の些細な行動の変化に不安を募らせている側の話を聞きたくなった。

 今回お話を聞かせていただいた美和さん(仮名)に、「ご主人の変化には、敏感に気づくものなんですか?」と質問すると、彼女は静かに微笑み、こう言った。

「当たり前じゃないですか……気づきますよ。気づいたからこそ、泳がせたんです」

■夫の不倫相手は、同じ会社の独身女性

 美和さんは、ネットスラングで「され妻」と呼ばれている、「夫に不倫を“された”妻」である。

 2人の出会いは6年前。美和さんは派遣先の会社で今の夫と知り合った。

「その会社は、正社員と派遣社員の垣根が低い、アットホームな社風の会社でした。トレッキングやダーツなんかの社内サークルもたくさんあって、私はとあるスポーツ系のサークルで夫と親しくなりました」

 当時の美和さんは30代手前、ご主人となる男性は年上の正社員であった。

「大学時代に知り合った彼氏と数年付き合って、『そろそろ結婚かな』というところで別れてしまって……30歳手前にして焦っていたところもあると思います。浅ましい表現ですが、どの男性だったら将来性があるだろうと品定めした時に、一番理想だったのが主人でした」

 美和さんのご主人は営業職で、「社内では営業成績も人柄も良かった」という。地方出身の長男で兄弟思いのところがあり、スポーツマンで明るいところにも惹かれたそうだ。

 サークル活動や飲み会などの機会があるたびに、美和さんは積極的にご主人にアプローチをし、交際に発展。2年弱の交際期間を経てゴールインした時には「舞い上がるほどうれしかった」という。

「私は、何も特筆できるものがないって自覚しているんです。見た目も普通、学歴も短大卒で、仕事もできる方じゃないし、そもそも好きじゃない……かといって趣味もありません。母に似たんだと思います。けれど母は20代の早いうちに結婚して子どもを産んで『専業主婦』という肩書を手に入れました」

 女が人生を歩む時に、社会的に必須となるのが「肩書」なのかもしれない。悲しいかな現在の日本では、なんらかの夢や目標を持たずに1人で生きる女は、周囲に不審がられる場合が多い。美和さんのように「夢や目標はないけれど、たまたま1人」である女性は、周囲から「どうして結婚しないの?」といった無言の圧力を受けることもあるのだ。

「私も、母のように自分の落としどころがほしかったんです」

 結婚を機にしばらくは休職していた美和さんだが、「自宅にいてもやることがなかったんで」という理由で、再び派遣社員として会社に復帰する。

 ご主人の不倫に気づいたのは、結婚してから4年近くたった頃。相手は美和さんも知る、正社員である年上の独身女性であった。

「主人の浮気を知るきっかけになったのはLINEでした。主人がお風呂に入っている時にスマホのディスプレイを見て……IDが私も知っている名前だったので、すぐに気付きました。無関係な部署の彼女が、どうして頻繁に主人にメッセージを送ってくるんだろうって」

 ご主人は、帰宅するとリビングにスマホを置いたままにしているそうだ。美和さんは無造作に置かれたスマホの画面に常に気を配り、ディスプレイが明るくなると新着情報をチェックし、彼女からのメッセージを確認すると証拠写真を撮り続けているという。

 しかし現在のところ、決定打となる情報はなく、あくまでも美和さんの推測にしか過ぎない。ただ、彼女から、“地方のおいしい店”の情報がスマホに流れてくると、ご主人はその地方へ出張に行くという。さらに、外出も増え、帰宅時間も遅くなったそうだ。

美和さんは、そんなご主人の不審な行動を、毎日匿名のブログに綴り続けている。

「もしも『何かあった』時のための対策としてメモしています。でも、正直言って、主人は『やるな』と思いましたね……不倫相手にあの女を選ぶなんて、私を否定しているようなものですから」

 美和さんが、ご主人と「不倫をしている」と疑っている女性は、年上のご主人よりも数歳上の管理職の女性だという。

「何もかも私よりスペックが上なんですよ。四大卒だし、仕事もできるし、肌も綺麗でオシャレだし、週末はちゃんと趣味に通っていて……主人と同等のスペックなんですよ。きっと私なんかよりも彼女といる方が、主人も楽しいんだと思いますよ」

 美和さんは、今後もご主人の動向をチェックし、ブログにメモを残していくそうだ。

 ある程度の情報を集めたところで離婚を考えているのだろうか? 筆者がそう尋ねると、美和さんは曖昧な表情をした。

「迷っています。私はどうしてこんなことをしているんだろうって……主人の不倫疑惑の情報を集めることが、今の私にとっては趣味なんだと思います。仮に決定的な情報を集めて、離婚を突きつけたとしたら、主人はあっさり承諾すると思いますよ。私よりも彼女の方が主人にはふさわしいと思いますから」

 美和さんはそう言って寂しそうに笑っていた。できることであれば、一連の疑惑は美和さんの杞憂であればよいのだが、ご主人は美和さんをここまで追い詰めていることを知っているのだろうか。婚外恋愛をしている人たちにあらためて聞きたくなった。
(文・イラスト/いしいのりえ)

不倫のきっかけは「妊娠した同僚への嫉妬」――母ではなく女として求められようとした、妻の後悔

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 昔から“不倫”がテーマのドラマや映画は多く発表されているが、3年前に放送された上戸彩主演のドラマ『昼顔』(フジテレビ系)の大ヒット以降、特に“不倫モノ”の勢いが増しているように感じる。『昼顔』は来月映画が公開、また今クールも、波瑠が主演を務めるドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)が話題である。

 これまで不倫や婚外恋愛などは遠い存在であったが、あらゆるメディアで取り上げられるため、身近に感じる既婚女性も増加しているのではないだろうか。

 今回お話を聞かせていただいた真理子さん(仮名)も、そう感じていた1人である。

■きっかけは不妊治療のストレス

「もちろん私には無関係な話だと思っていましたよ。でも、いざやってみたら、案外簡単に相手が見つかることに驚きました。ああ、こんなに気軽に不倫ってできちゃうんだ、って」

 30代後半の真理子さんは、結婚して10数年。学生時代に知り合ったご主人との間に子どもはおらず、正社員としてフルタイムで働きながら、現在不妊治療中だ。

「不倫をするまで、夫以外の男の人はほとんど知りませんでした。でも、だからといって特に不満もなかったですね。夫とは学生時代からの友人で、とても気が合いますし、もともと私はそれほど恋愛体質ではありませんから」

 ご主人も、恋愛に対してあっさりしているといい、とてもウマが合ったのだそう。順調に交際を重ねて、結婚適齢期に差しかかった20代の頃に同棲を始め、結婚をした。

「主人とは同じ年ですけど、たとえるなら兄妹。性格も合うし、生活していてまったく窮屈なところがないんです。だから、主人と2人の生活が楽で、つい子作りが先送りになってしまいました」

 お互いの仕事も落ち着き、新居を構えたところで、ご主人から「そろそろ子どもを作らないか」と提案されたという。

「私もちょうどいい時期だと思って賛成しましたが、想像以上にうまくいかなくて……年齢が近い同僚が、立て続けに妊娠した時にはキツかったですね。彼女たちと私の何が違うんだろうって、正直とても嫉妬しました……そんな彼女たちへの嫉妬心が、不倫に走ったきっかけだったと思います。私はもともと物事にあまり執着がないので、自分より美人でスタイルのいい人を羨ましいと感じたり、仕事ができる人にあこがれたり、っていう気持ちが薄くて。人を羨ましく感じることがなく育ったので、こういう気持ちを抱いたのは生まれて初めてです」

 これまで何の不満もなかった真理子さんの生活に「不妊治療」というひとつの強いストレスが生まれた。

「彼女たちにできなくて、私ができることは何だろう……と考えて、その結果が“男遊び”でした」

 “母”であることを求められている彼女たちに勝つには、“女”として求められればいい――そう考えた真理子さんは、半年の間に2人の男性と関係を持った。

 もともとセックスに対して積極的ではなかった真理子さん夫婦は、ほぼセックスレス状態だったそうで、ご主人は、真理子さんがほかの男と寝ていることに「まったく気づかなかったと思います」という。

「夫には、私に対して色っぽい感情はとっくにありませんから。学生時代に消化しちゃったんじゃないかな」

 夫以外に関係を持った1人とは一度限り、もう1人とは数回の関係を持ったあとに自然消滅してしまったそうだ。

「セックスがいいとか悪いとか、体の相性が合うとか合わないとか、私にはよくわからないんです。肌が触れることもあまり好きじゃないし……こういう気持ちでいたから、相手にとっても私は『求めたくなる相手』ではなかったと思います」

 夫以外の男と寝ることは「想像していたほど楽しくなかった」と言う真理子さん。

「むしろ、自己嫌悪に陥りました。ドラマや映画のような大恋愛の上での不倫なんて、限られた人しかできませんよ。私みたいに、ルックスも何もかも平均点の凡人には無理だなって。自分の身の丈に合わないことは諦めます」

 不倫によって我を失う人もいれば、不倫によって我に返る人もいる。淡々と「不妊治療を頑張ります」と語る真理子さんの瞳は、どこか達観しているように感じられた。
(いしいのりえ)

派遣先の経営者と婚外恋愛、離婚、そして愛人へ――バツイチ女性が語る「私は女に嫉妬される」の意味

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 恋愛体質の女性にとって永遠の悩みは、恋を取るか、友情を取るか、ではないだろうか。学生時代に女友達との約束をすっぽかして恋人に会いに行く……なんてことを繰り返す女は、グループに1人は存在していたような気がする。そして、女の友情を大切にしない女は、大抵同性から嫌われる。

「嫌われてもしょうがないですよ。私の生活って、多分女にとってはあこがれだから、嫉妬されるだろうなって」

 そう話す充希さん(仮名)の表情は、あっけらかんとしていた。

■「年上の男」に強くあこがれてしまう

 今回お話を聞かせてくれた充希さんは、30代前半の独身女性。若くして結婚し、20代であった2年前に離婚を経験しているという話を聞いていたので、派手めのルックスを想像していたが、艶のあるストレートの黒髪に白い肌、グレーのニットという外見は、「婚外恋愛」「早婚」「離婚」などという突飛な言葉とは無縁のように感じられる。淡々とした穏やかな口調からは、いわゆる「お嬢様」な気品すら漂っている。筆者がそんな第一印象を話すと、充希さんは楽しそうに笑った。

「そういっていただけると、うれしいですね。私、母子家庭で育ったんですよ。離婚の原因は詳しく聞いていませんけど、多分母親の浮気だよねって妹と話しています。母は友達も大勢いたし、たぶん相当モテるんじゃないかな」

 いわゆる“バリキャリ”であった充希さんの母親は、明るく自由な性格であった。そのためか自然と人を惹き付け、自宅には女性の友人はもちろん、見知らぬ男性もちょこちょこと顔を出していたという。

「不快感はありませんでしたよ。私たちがいる前では、母は絶対に女の顔は見せませんでしたし、私たちを一番に考えてくれていましたから。物心がつくと、、『あの男の人は、母の彼氏なんだろうな』と気づくこともありましたけど、母がその男性といちゃいちゃしていたわけではなく、私たちの前では、普通のお友達みたいな感じでしたね。むしろ、連れてきた男性に、私たちのことを『宝物』と紹介してくれるのが、とてもうれしかったんです」

 充希さんは、母子家庭であることに寂しさや負い目を感じたことはなく、また金銭面でも何ひとつ不自由したことはないという。優しく働き者の母親だったそうだ。

 しかし、次第に充希さんの中で、“父親”という存在にあこがれが芽生え始める。

「小中学生の頃から、年上の男の人にばかりあこがれていました。学校の先生や塾の先生……中学時代に教育実習に来た大学生の先生は本当に好きになってしまって。教育実習が終わる日に強引に連絡先を聞き出して、しばらくは連絡取り合っていましたよ。交際には至らなかったけれど、良い思い出です」

 学生の頃から付き合う男性は全員年上。しかも5歳以上離れた男性ばかりだったという充希さん。短大を卒業後、派遣社員として働き始め、数社目の会社で運命的な出会いをする。

「社員200人くらいの規模の会社で出会った、私の直属の上司です。私よりも10歳以上年上、管理職ということもあって頼れそうな人だなと感じたんです」

 1年半の派遣を経て、次の会社へ移るタイミングでその上司と同棲を始め、すぐに籍を入れた。プロポーズは彼の方からだったという。

「最初の2年は本当に幸せでしたよ。派遣を辞めて専業主婦になり、彼のためだけに時間を使えるようになりました。ご飯を作ることも、休日に一緒に遊びに行くことも、何もかも幸せでした」

 しかし仕事の忙しさから、次第にご主人は充希さんに対して、冷たく接するようになっていく。

「おやすみのキスもなくなってしまったし、寝る時には背を向けるようになりました。帰宅してからも話を聞いてくれないし、一緒にお風呂にも入らないようになって……友達に相談したら『それ、普通だよ』なんて言われましたけどね。私は寂しくてしょうがありませんでした」

■婚外恋愛相手は、既婚の経営者

 充希さんは寂しさを紛らわせるために、再び派遣で仕事を始めた。

「今の彼と知り合ったのも派遣先です。熊みたいなルックスで、優しくて、一目惚れでしたね」

 その恋人は、彼女の派遣先の経営者、しかも彼も既婚者だというから驚きである。

「私の方から一生懸命アプローチしました。もちろん彼は私が既婚者だということは知っていましたが、それでも受け入れてくれたんです」

 入社後、彼と婚外恋愛関係になるには、そう時間がかからなかった。彼に惚れこんでしまった充希さんは、夫とのスキンシップを拒絶するようになってしまう。

「一緒にお風呂に入るのはもちろん、おはよう、おやすみのキスも、もちろんセックスも全て拒みました。だからあっさりバレちゃいましたよ」

 泥沼になるはずだったが、意気消沈してしまったご主人は、条件も何も提示せずに離婚を求めてきたという。以来充希さんは、恋人の所有するマンションで暮らし、いわゆる愛人生活を送っている。

「派遣先は辞めて、引き続きパートとして彼の会社で働いています。とはいっても週に2回、5時間だけですけど……それなりのお給料をいただいているので、みんな怪しんでいると思いますよ。でも誰も何も言いません。もともとパートの女性が多い小さな会社で、あらゆるウワサは絶えませんし、奥さんとは私が来る前から仮面夫婦だったみたいだから」

 彼の所有するマンションには、基本的に肉親以外を招き入れることは禁止されているそうだ。

「それに、今こういう生活をしているって話したら、女友達がほとんどいなくなっちゃいました。母と妹には、彼が既婚者だということは秘密にしていますけど……」

 24時間、彼の監視下にある現在の充希さんの生活だが、息苦しさを感じないのだろうか?

「全然平気ですよ! 一番下のお子さんがまだ小さいので、土日は毎週会えないのが寂しいくらいです。彼との交際で唯一イヤなのはセックスですね……私、あまりセックスが好きじゃないんです。それよりもいちゃいちゃくっついている方が、幸せを感じます」

 大勢の友達をなくし、彼と2人きりの濃密な時間を過ごす充希さん。前のご主人との生活に辟易し、婚外恋愛に走ったのも、こうした時間が得られなかったからなのかもしれない。筆者が彼女の立場であれば、とてつもなく寂しく不安な毎日に感じてしまうが、彼女の幸せは、彼女自身が一番かみしめているのだろう。
(いしいのりえ)

「私にとって彼は花沢類」不倫相手に“セックスしない”関係を求める30代主婦が夢見るモノ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 大人になっても少女漫画が楽しめるのはなぜだろう? 女は恋愛に、少女の頃から変わらない“ときめき”を求めているからかもしれない。そして、婚外恋愛は、それを体感できるものだと筆者は考える。決して相手のことを手に入れられないという、もどかしさや寂しさは、相手をより輝かせ、キラキラとした存在に変化させるのだ。

「私にとって、彼は王子様でした」

 今回お話を聞かせてくれた明香さん(仮名)は、当時の彼を振り返り、そう語ってくれた。

■アイドルとファンの関係性だった

 華奢な体形に華やかな顔立ちの明香さん。フリーランスで働いているからなのか、30代前半ではあるものの、実年齢よりも若々しく見える。

 彼と知り合ったのは20代前半の頃、まだ明香さんは独身であった。フリーランスの仲間たちが集う飲み会で出会った年上の彼は、松田龍平似で、一目見たときから心を奪われたそうだ。

「出会って3分くらいで、『私、絶対にこの人と結婚する』と直感しました。けれど、その10分くらい後に、会話の流れから、彼が既婚者だということがわかってしまい……でもどうしても彼と関わりを持ちたかったんです」

 明香さんが、1週間後に彼と2人きりで会う約束をしたのは、「別に付き合いたかったからではありません。彼はフリーランスの先輩としても魅力を感じる人だったので、どうしてもつながりたかったんです」という。しかし……

「ファンのノリで、彼に『大好きです!』『かっこいいです!』と言いまくっていたら、ホテルに誘われて……相手にされないと思っていたので、驚きましたね」

 それから半年くらいの間、週に一度のペースで彼に会うようになったという。

「会うのはいつも夜でした。飲みに行って帰るだけのときもあったし、ホテルに行くこともありました。彼は結構思ったことをズバリと言う人で、『若いからいいけど、こんなことを30になってもやってたら、イタいからね』と言われたことも。半年くらいは頻繁に会っていましたが、それからは、つかず離れず、暇なときに会うという感じになりましたね」

 決して、「彼とのセックスが良かったというわけではない」という明香さん。「イタい」とまで言われても、彼と関わりを持ち続けていた理由は何だったのだろうか?

「彼は、いわゆる“コミュニティアイドル”だったんです。ルックスも芸能人みたいですごくモテていたし、モデルやタレントなどともつるんでいました。奥さんもものすごく美人で仕事がすごくできる人。私は、そんな華やかなところに惹かれていたんですよね。ただその半面、ずっと『私とは身分が違う』と思っていました」

 明香さんにとって、彼は一緒にいながらも、手の届かない存在だったのかもしれない。

「だから彼から私に連絡が来ることすら、申し訳ないと思っていました」

 そんな明香さんだが、彼との関係を持ちながら、本命の恋人との交際も続けていたという。

「彼は私にとって“アイドル”だったので、恋人だとは思いませんでした。そんなふうに思うことすら、おこがましいと感じる存在でした」

 彼から好かれようなんて思わない。ただ、嫌われたくない。そんな思いがあったという。

「嫌われたらどうしよう、という気持ちは常にありましたね。だってアイドルに『このファン、キモい』と思われたらオシマイですから」

 しかし、明香さんにとって“身分違い”の恋愛は、次第にとても苦しいものになっていき、「私は彼には不釣り合い、身の丈に合う人と結婚しようと決心しました。彼の『30にもなって不倫してる女はイタい』という忠告を素直に聞いたんです」という。

 29歳になった明香さんは、本命の恋人との結婚を決意する。結婚後、彼とは自然と会うことはなくなっていった。

「彼と過ごしていた二十代の頃は、常に宙に浮いているような感覚でした。結婚したことでようやく地に足が着きました」

■恋愛ごっこをしていたいんです

 彼と会わない生活が日常となった数年後、ひょんなことから明香さんは彼と再会する。けれど彼は、当時明香さんが夢中になった彼ではなくなっていた。

「輝きが失せていたんです。今でもキラキラしているのですが、若い頃に感じていた眩しさはもう感じられませんでした」

 身分違いのアイドルだった彼は、月日を重ねて、親しみのある存在へと変わっていった。

「私が結婚して余裕ができ、彼を客観的に見られるようになったというのもあるかもしれませんね。ただ、以前みたいにキラキラしてはいないけれど、やっぱりかっこいいし、今も彼は、追いつこうと思っても追いつけない存在です。たとえるならば、『花より男子』(集英社)の花沢類。花沢類は、牧野つくしが道明寺司との交際に傷つくと、いつも陰ながら支えてくれるキャラなんですが、彼も、夫や結婚生活の愚痴をこぼすと励ましてくれるし、優しい言葉をかけて、キスをしてくれるんです。でもセックスはしていません」

 明香さんは、彼について「婚外恋愛相手でも不倫相手でもない」と言い、「少女漫画の世界に浸る高揚感を与えてくれる存在」と位置づける。また、以前のような関係に戻りたいとは思わないのだろうか?

「セックスしたいという気持ちはあるけれど、私と彼との関係が、ドロドロしてしまうと思うので、心の中でストッパーをかけています。ずっと彼への気持ちはキラキラさせていたい。相手がどうのこうのというより、自分の中だけで恋愛ごっこをしていたいんです」

 そう話す明香さんの表情は、彼との“身分違い”によって自己嫌悪していた過去が信じられないほど、非常に爽やかであった。
(いしいのりえ)

夫の浮気相手への慰謝料請求中、妻の不貞も発覚――ドロ沼と化した“婚外恋愛”の落とし前

<p> これまで婚外恋愛の取材をしてきたが、どのエピソードにも、あまり“修羅場”というものを感じたことがなかった。恐らく、現実的には修羅場だったのだろうが、当事者である彼女たちがあまりにも淡々と話すものだから、筆者もつい彼女たちに同調してしまうのだ。しかし今回話を聞かせていただいた京子さん(仮名)の話には驚いた。</p>

「夫の浮気と姑の嫌味」を我慢するために――保守的な主婦が、婚外恋愛に溺れた理由

<p> 既婚者と婚外恋愛をする上で、最も気になってしまうのは、相手の配偶者の存在ではないだろうか? 何よりもまず相手の配偶者にライバル心を燃やしてしまうのは、女として当然の心理だろう。容姿、性格、愛する男とどうやって日常を過ごしているのか――既婚者との恋愛をしている女性で、配偶者の存在が気にならない人はいないはずだ。“嫁”が不甲斐ないからこそ、彼は浮気をする。不倫相手としては“嫁”に負けたくない――。そう思ってしまうのも当然だろうが、「でも、奥さんと直接会った時、『奥さんには敵わない』って思いましたね」と、今回お話を聞かせてくれた夏津さん(仮名)は自虐的な微笑を浮かべて、言った。</p>

「私は輝いてるという実感は幻」婚外恋愛サイトの運営者が明かす、不倫のもたらす絶頂と絶望

<p> 決して他人に口外できない関係だからこそ、誰かにこっそりと打ち明けたくなってしまうのが婚外恋愛というもの。今ほどSNSが盛んではなかった時代に、いわゆる「ホームページ」という形で“婚外恋愛体験者”が集うことのできるサイトが存在していた。</p>

「妊活」を乗り越えられたのは、婚外セックスのおかげ――恋人を「同志」と呼ぶママの真意

<p> 「女性とセックス」について考えるとき、常につきまとうのが「妊娠・出産」ではないだろうか? 女性が男性と明らかに異なるのは「妊娠・出産」ができる点ということもあり、いやがうえにも頭をよぎってしまう。<br /> </p>

不倫相手との“交換日記ブログ”が奥さんにバレた――ネットに翻弄された主婦が欲しかったモノ

<p> 携帯電話やSNSの普及により、不倫率は急激に増加したように感じられる。実際、これまで筆者が婚外恋愛経験者にインタビューをしてきた中で、出会いや連絡方法で必ずといっていいほど話題に上るのが「ネット」や「SNS」というキーワードだ。婚外恋愛をするにあたって、家庭内で秘密の会話をするには、無言でも相手にメッセージを送ることが可能なネットは切っても切り離せない便利なツールである。</p>