夫に「12年間の不倫」がバレた40代妻――慰謝料請求に「ムカつく」と怒りにじませるワケ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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 一度婚外恋愛にはまってしまった人は5年、10年、気がつくと20年目前……と、なかなか離れられない人が多いという。

「婚外恋愛」そのものの旨味を知り、相手を変えて、恋愛から離れない人もいる一方、相手とのウマが合うために、長年離れることができない人もいるということだが、筆者がこれまでに取材してきた女性の多くが後者であった。互いに家庭を持ちながらも、30代から40代へと年代をまたいで交際し、デートやセックスがなくなってしまってからも、時間を見つけてはお茶をし、互いのパートナーの愚痴を言い合うような「異性の友達」化してしまうカップルも少なくない。

「12年の付き合いになる彼は、本当にかけがえない人ですよ……大学時代の男友達ってそんな感じじゃなかったですか? だからうちの夫にはホント頭に来てるんですよね……」

 現在、40代の里香さん(仮名)は心底うんざりした顔で言った。

私と彼の共通の話題は「子ども」

 里香さんの家庭はいわゆるDINKSだ。子どもはおらず、互いに仕事を持ち、共働きで生活を楽しんでいた。

「夫とは同じ会社に勤めていましたけど、結婚を機に私が退職しました。手に職を持っているので、まあなんとかなるかと思いましたし。30代前半の頃に退職して、次の会社で働き始めてからもう10年近くたちました。今はリモートで働いているので、家事との両立も楽ですよ……通勤の時間も取られないし、化粧する時間も省けて、パソコンの前に向かったらパジャマで仕事始められますからね。それに、彼と会う時間も取りやすくなりましたし」

 里香さんはサラリと、自身の身の上について話してくれた。

 里香さんが「彼」と知り合ったのは、今から12年前。取引先の人で、里香さんとはたまたま同じ大学だったという。

「大学時代は知り合いではなかったんですけど、同じ大学出身って盛り上がりません? タイプも似てるっていうか……それで、なんとなくそういう関係になっちゃって」

 里香さんも彼もアラサー世代の頃であった。以来、2人は仕事以外でも時間を見つけてホテルで密会する仲になる。

「とにかく話が合ったんですよ。彼は、妊活してキリキリしている嫁の愚痴を言いたくて、私は私で、夫が理解してくれない会社の愚痴を吐き出したかった」

 2人に共通していた話題は「子ども」だ。里香さんの彼は、「なぜ妻は不妊治療してまで子どもを欲しがるのか」と不満を抱いており、一方の里香さんは、子持ちの同僚に苛立ちを覚えていた。

「同僚の女性たちは、結婚と妊娠を経てバタバタと産休や育休に入り、彼女たちが残した仕事を私が担当するようになったんです。それだけでも、『なんで?』と思っていたのに、彼女たちは育休が明けても、仕事を残して、夕方にはそそくさと帰ってしまう……」

そんな同僚を疎ましく思っていた里香さんは、過去の病気により、子どもが授からない体であった。

「そういう愚痴を、夫は受け入れてくれないんですよね……『会社が定めた制度だから仕方ないでしょ』って言うだけ。そりゃそうだけど、仕事中も子どもの話をして手を止めて、さっさと夕方に帰っちゃう同僚の仕事を埋めてるのは、私なんだよって。それでも我慢して今の会社にいてよかったです。給料がいいし、リモート勤務を許可してもらえたので、同僚の子どもトークも聞かなくて済むようになりましたし」

 里香さんの婚外恋愛はストレス発散のはけ口だったのだろうか。

「たまたまですよね。たぶん、共感してくれる相手が欲しかったんだと思いますよ。同僚はもちろん、夫ですら首を傾げる私の愚痴を、彼は『うんうん』『わかるよ』って聞いてくれましたから。セックスはオプションです。裸の付き合いっていうのかな、服脱いだ方が本音で語れるじゃないですか」

 そんな梨香さんと彼の関係は次第に変化していき、「服を着ていても本音で語れるようになった」そうだ。ここ5年以上は、彼とはセックスをせず、仕事が終わってから飲みに行ったり、定期的に連絡を取り合うだけの関係になった。

 しかし事件が起きる。たまたま彼と飲みに行った帰りに、彼と腕を組みながら頰にキスをする里香さんの姿を、夫の同僚に見られてしまったのだ。

「夫が速攻で探偵に連絡をしたみたいで……私たちの関係が、昨日今日始まったものじゃないというのも、調べたようですよ。私の唯一の心の拠り所は彼なのに、ホント腹立ちますよ……もう確実に5年はセックスしてないんですけど、時効になりませんかね? それに一番ムカつくのは、私から慰謝料欲しいって言う夫ですよ。慰謝料だけ請求して離婚はしないって言うんです」

 筆者は、里香さんの自分本位とも取れる言い分にあぜんとした。それは、ご主人にはまだ里香さんへの愛情があり、その愛を裏切られたからこそ、修復のための慰謝料ではないのだろうか。

「本当に私のことを愛していて、大切に思っていたとしたら、子どもができない私に対して、ママ社員の援護をしたりしないと思うんですよね。『子どもができないこと』への葛藤って、私の核の部分だから。そこに寄り添ってもらえなかったら、1人の方がマシかなって思ってます」

 里香さんは、今回ご主人が起こした訴訟を機に、離婚を視野に入れるようになったそうだ。

 筆者は、里香さんを「強い女性」と感じたが、彼女を強くたらしめていたのは、自分の核の部分に共感してくれる彼の存在があったからなのかもしれない。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「旦那とセックス観が違った」新婚早々“上司と不倫再開”の新妻が、婚外恋愛を悪びれないワケ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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 一昔前と比べると、婚外恋愛のスタイルは少しずつ変化してきているように感じる。

 筆者が婚外恋愛を取材するようになった十年前は、文字通り「配偶者とは別の人と真剣に恋愛している」という男女が比較的多く見られた。当然セックス込みの恋愛で、人目を憚りながら野外でデートをしたり、毎日何通もメールのやりとりをして男女の会話を楽しむカップルの話も多く聞いた。双方、あるいは片方が既婚者ということを除けば、仲睦まじいカップルの姿そのものであった。

 しかし最近は、女性の方がより「婚外恋愛」というものを気軽にとらえる傾向が強くなっていると感じる。

 今回お話を聞かせていただいた麻美子さん(仮名)も、その一人である。麻美子さんが結婚したのは今から2年ほど前のことだ。

「20代のうちに結婚しようと決めていました。今の仕事を一生続けたいとも思いませんでしたし、そもそも、それほど熱心に仕事をしたいっていうタイプじゃなかったので……旦那さんの稼ぎが主で、私はお小遣い程度稼げるパートでいいかなって」

 ネットやアプリを使って婚活をしながらも、実は麻美子さんは仕事先の上司と細々と不倫関係を続けていた。

「単純に相性が良かったんです。セックスはもちろんですけど、話もすごく合いました。一緒にいて飽きない人でしたね。それに、私の方が彼よりもだいぶ年下だったので、とても可愛がってくれるんです。奥さんは同い年みたいだから、年下の私が新鮮だったのかもしれませんね」

 上司との関係を続けながらも、麻美子さんは婚活半年にして、年上の男性からプロポーズを受けた。彼からは4度目のデートでプロポーズをされ、即答したという。

「結婚と恋愛って違うじゃないですか。となると、条件で相手を探すしかありませんよ。高収入と将来性のある職業という点で、彼は合格だったし、ルックスとセックスは、まあ我慢すれば大丈夫かなって」

 しかし、結婚後わずか数カ月で、麻美子さんは独身時代に交際していた上司とよりを戻してしまう。その理由は「旦那とはセックス観が違った」からだそうだ。

「そもそも、旦那を恋愛相手としては見ていませんでしたから……将来、長い目で見て、この人とだったら『別に一緒にいてもいいかな』っていうくらいで。一緒にいて、嫌じゃないんですよ。同じリビングにいて、旦那はスマホをいじり、私はテレビを見ている。同じ空間にいて、全然別のことをしていても嫌じゃない。でも、ふと『カフェにお茶しに行こう』って誘ってくれる、その距離感がとても良いんです。たぶん一生旦那とは、こんなつながり方ができるなって……でも、恋愛ではないんです」

 まだ恋愛から卒業できない――そう感じた麻美子さんの頭に真っ先に思い浮かんだのは、かつて交際していた上司だった。

「勝手を知ってるから、楽ちんなんですよね。彼とは1年近く不倫関係を続けていましたから、会うタイミングや連絡して良い時間帯なんかも、わかるんです。それに、私が気持ちいいと思うセックスもわかっています」

 感情論で言えば、本当は結婚なんてしたくなかったと、麻美子さんはこぼした。

「でも、旦那との生活は幸せですよ。おばあちゃんになっても旦那とだったら平和に過ごせるなって自信があります」

 麻美子さんにとって、上司は最愛の人なのだろう。しかし、相手に奥さんがいたことでその思いが実らなかった。そう思ったが、続けて麻美子さんはこんなことを言い出した。

「ただ、上司とは長くて今年いっぱいですね。旦那がそろそろ子どもを欲しがっているんで」

 そうあっさりと言い切る麻美子さん。驚いて、彼女にとって上司との婚外恋愛は何かを聞いてみた。すると麻美子さんは、またしても淡々と話す。

「恋愛というか、“疑似”恋愛じゃないですかね……。家庭でセックスも恋愛もガッツリってなると、疲れちゃうじゃないですか。ムダ毛の処理もしないといけないし、ウンコだってするし。旦那に男を感じすぎていたら、恥ずかしくてできませんよね。でも上司の前だと少女マンガの主人公みたいなセリフも言えちゃったりしますから、非日常体験かな。上司が好きというより、非日常体験が好きなのかもしれません。きっと、上司もそうだと思いますよ」

 麻美子さんは、将来を見据えて結婚をし、その裏で、婚外恋愛による「ストレス発散」をしているのかもしれない。ある意味、堅実な彼女は、たぶん自身の近い将来の道筋も見えているのだろう。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「旦那とセックス観が違った」新婚早々“上司と不倫再開”の新妻が、婚外恋愛を悪びれないワケ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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 一昔前と比べると、婚外恋愛のスタイルは少しずつ変化してきているように感じる。

 筆者が婚外恋愛を取材するようになった十年前は、文字通り「配偶者とは別の人と真剣に恋愛している」という男女が比較的多く見られた。当然セックス込みの恋愛で、人目を憚りながら野外でデートをしたり、毎日何通もメールのやりとりをして男女の会話を楽しむカップルの話も多く聞いた。双方、あるいは片方が既婚者ということを除けば、仲睦まじいカップルの姿そのものであった。

 しかし最近は、女性の方がより「婚外恋愛」というものを気軽にとらえる傾向が強くなっていると感じる。

 今回お話を聞かせていただいた麻美子さん(仮名)も、その一人である。麻美子さんが結婚したのは今から2年ほど前のことだ。

「20代のうちに結婚しようと決めていました。今の仕事を一生続けたいとも思いませんでしたし、そもそも、それほど熱心に仕事をしたいっていうタイプじゃなかったので……旦那さんの稼ぎが主で、私はお小遣い程度稼げるパートでいいかなって」

 ネットやアプリを使って婚活をしながらも、実は麻美子さんは仕事先の上司と細々と不倫関係を続けていた。

「単純に相性が良かったんです。セックスはもちろんですけど、話もすごく合いました。一緒にいて飽きない人でしたね。それに、私の方が彼よりもだいぶ年下だったので、とても可愛がってくれるんです。奥さんは同い年みたいだから、年下の私が新鮮だったのかもしれませんね」

 上司との関係を続けながらも、麻美子さんは婚活半年にして、年上の男性からプロポーズを受けた。彼からは4度目のデートでプロポーズをされ、即答したという。

「結婚と恋愛って違うじゃないですか。となると、条件で相手を探すしかありませんよ。高収入と将来性のある職業という点で、彼は合格だったし、ルックスとセックスは、まあ我慢すれば大丈夫かなって」

 しかし、結婚後わずか数カ月で、麻美子さんは独身時代に交際していた上司とよりを戻してしまう。その理由は「旦那とはセックス観が違った」からだそうだ。

「そもそも、旦那を恋愛相手としては見ていませんでしたから……将来、長い目で見て、この人とだったら『別に一緒にいてもいいかな』っていうくらいで。一緒にいて、嫌じゃないんですよ。同じリビングにいて、旦那はスマホをいじり、私はテレビを見ている。同じ空間にいて、全然別のことをしていても嫌じゃない。でも、ふと『カフェにお茶しに行こう』って誘ってくれる、その距離感がとても良いんです。たぶん一生旦那とは、こんなつながり方ができるなって……でも、恋愛ではないんです」

 まだ恋愛から卒業できない――そう感じた麻美子さんの頭に真っ先に思い浮かんだのは、かつて交際していた上司だった。

「勝手を知ってるから、楽ちんなんですよね。彼とは1年近く不倫関係を続けていましたから、会うタイミングや連絡して良い時間帯なんかも、わかるんです。それに、私が気持ちいいと思うセックスもわかっています」

 感情論で言えば、本当は結婚なんてしたくなかったと、麻美子さんはこぼした。

「でも、旦那との生活は幸せですよ。おばあちゃんになっても旦那とだったら平和に過ごせるなって自信があります」

 麻美子さんにとって、上司は最愛の人なのだろう。しかし、相手に奥さんがいたことでその思いが実らなかった。そう思ったが、続けて麻美子さんはこんなことを言い出した。

「ただ、上司とは長くて今年いっぱいですね。旦那がそろそろ子どもを欲しがっているんで」

 そうあっさりと言い切る麻美子さん。驚いて、彼女にとって上司との婚外恋愛は何かを聞いてみた。すると麻美子さんは、またしても淡々と話す。

「恋愛というか、“疑似”恋愛じゃないですかね……。家庭でセックスも恋愛もガッツリってなると、疲れちゃうじゃないですか。ムダ毛の処理もしないといけないし、ウンコだってするし。旦那に男を感じすぎていたら、恥ずかしくてできませんよね。でも上司の前だと少女マンガの主人公みたいなセリフも言えちゃったりしますから、非日常体験かな。上司が好きというより、非日常体験が好きなのかもしれません。きっと、上司もそうだと思いますよ」

 麻美子さんは、将来を見据えて結婚をし、その裏で、婚外恋愛による「ストレス発散」をしているのかもしれない。ある意味、堅実な彼女は、たぶん自身の近い将来の道筋も見えているのだろう。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「旦那とセックス観が違った」新婚早々“上司と不倫再開”の新妻が、婚外恋愛を悪びれないワケ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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 一昔前と比べると、婚外恋愛のスタイルは少しずつ変化してきているように感じる。

 筆者が婚外恋愛を取材するようになった十年前は、文字通り「配偶者とは別の人と真剣に恋愛している」という男女が比較的多く見られた。当然セックス込みの恋愛で、人目を憚りながら野外でデートをしたり、毎日何通もメールのやりとりをして男女の会話を楽しむカップルの話も多く聞いた。双方、あるいは片方が既婚者ということを除けば、仲睦まじいカップルの姿そのものであった。

 しかし最近は、女性の方がより「婚外恋愛」というものを気軽にとらえる傾向が強くなっていると感じる。

 今回お話を聞かせていただいた麻美子さん(仮名)も、その一人である。麻美子さんが結婚したのは今から2年ほど前のことだ。

「20代のうちに結婚しようと決めていました。今の仕事を一生続けたいとも思いませんでしたし、そもそも、それほど熱心に仕事をしたいっていうタイプじゃなかったので……旦那さんの稼ぎが主で、私はお小遣い程度稼げるパートでいいかなって」

 ネットやアプリを使って婚活をしながらも、実は麻美子さんは仕事先の上司と細々と不倫関係を続けていた。

「単純に相性が良かったんです。セックスはもちろんですけど、話もすごく合いました。一緒にいて飽きない人でしたね。それに、私の方が彼よりもだいぶ年下だったので、とても可愛がってくれるんです。奥さんは同い年みたいだから、年下の私が新鮮だったのかもしれませんね」

 上司との関係を続けながらも、麻美子さんは婚活半年にして、年上の男性からプロポーズを受けた。彼からは4度目のデートでプロポーズをされ、即答したという。

「結婚と恋愛って違うじゃないですか。となると、条件で相手を探すしかありませんよ。高収入と将来性のある職業という点で、彼は合格だったし、ルックスとセックスは、まあ我慢すれば大丈夫かなって」

 しかし、結婚後わずか数カ月で、麻美子さんは独身時代に交際していた上司とよりを戻してしまう。その理由は「旦那とはセックス観が違った」からだそうだ。

「そもそも、旦那を恋愛相手としては見ていませんでしたから……将来、長い目で見て、この人とだったら『別に一緒にいてもいいかな』っていうくらいで。一緒にいて、嫌じゃないんですよ。同じリビングにいて、旦那はスマホをいじり、私はテレビを見ている。同じ空間にいて、全然別のことをしていても嫌じゃない。でも、ふと『カフェにお茶しに行こう』って誘ってくれる、その距離感がとても良いんです。たぶん一生旦那とは、こんなつながり方ができるなって……でも、恋愛ではないんです」

 まだ恋愛から卒業できない――そう感じた麻美子さんの頭に真っ先に思い浮かんだのは、かつて交際していた上司だった。

「勝手を知ってるから、楽ちんなんですよね。彼とは1年近く不倫関係を続けていましたから、会うタイミングや連絡して良い時間帯なんかも、わかるんです。それに、私が気持ちいいと思うセックスもわかっています」

 感情論で言えば、本当は結婚なんてしたくなかったと、麻美子さんはこぼした。

「でも、旦那との生活は幸せですよ。おばあちゃんになっても旦那とだったら平和に過ごせるなって自信があります」

 麻美子さんにとって、上司は最愛の人なのだろう。しかし、相手に奥さんがいたことでその思いが実らなかった。そう思ったが、続けて麻美子さんはこんなことを言い出した。

「ただ、上司とは長くて今年いっぱいですね。旦那がそろそろ子どもを欲しがっているんで」

 そうあっさりと言い切る麻美子さん。驚いて、彼女にとって上司との婚外恋愛は何かを聞いてみた。すると麻美子さんは、またしても淡々と話す。

「恋愛というか、“疑似”恋愛じゃないですかね……。家庭でセックスも恋愛もガッツリってなると、疲れちゃうじゃないですか。ムダ毛の処理もしないといけないし、ウンコだってするし。旦那に男を感じすぎていたら、恥ずかしくてできませんよね。でも上司の前だと少女マンガの主人公みたいなセリフも言えちゃったりしますから、非日常体験かな。上司が好きというより、非日常体験が好きなのかもしれません。きっと、上司もそうだと思いますよ」

 麻美子さんは、将来を見据えて結婚をし、その裏で、婚外恋愛による「ストレス発散」をしているのかもしれない。ある意味、堅実な彼女は、たぶん自身の近い将来の道筋も見えているのだろう。
(文・イラスト/いしいのりえ)

外資系企業に勤める夫の目を盗み……婚外恋愛にハマッたセレブ主婦が「別れられた」理由

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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 婚外恋愛をしている人にとって、最もつらい時期は年末年始だという。いわゆる婚外恋愛カップルは、夫や妻と一緒いることが少ない平日の昼間に連絡を取り合うケースが多い。年末年始や大型連休などで家族と過ごす時間が増えると、必然的に婚外恋愛相手と連絡が取りにくくなってしまうのだ。

「今年はお正月休みが長かったから、かえって良かったなと思っています。ようやく彼と別れることができたので……」

 光希さん(仮名)は呟くようにそう語った。

「裕福な奥様」の元に届いた同窓会のハガキ

 今回お話を聞かせていただいた光希さんは、スレンダーな美女。もうすぐ50代になるとは思えない抜群のスタイルを持ち、きちんと髪を巻いてアクセサリーを身につけている。「昔は家族で主婦向けの雑誌に出たこともあるんですよ」と、照れながら光希さんは言う。

 20代半ばのとき、職場恋愛の末にご主人と結婚し、翌年には一児を授かった。育児の傍ら、昔からの趣味であったパン教室を自宅で開業し、何ひとつ不自由のない主婦業とサロネーゼの生活を謳歌していた。

「楽しく仕事をして、安定した環境で育児もできて……夫には本当に感謝しています。だからこそ、彼との関係が後ろめたかったんですよね」

 外資系企業に勤めるご主人は海外出張が多く、新婚当時から留守がちであった。子どもと2人で過ごす平穏な毎日に、ふと舞い込んできたのが、学生時代の同窓会のハガキだったという。

「半年前に行われた同窓会で、そこで初恋の相手と再会して、盛り上がっちゃうっていう……不倫のきっかけには、よくあるパターンですよね」

 光希さんは、もともとセックスに対して貪欲なタイプではない。セックスの相手がほしいわけではなくて、平凡な日常に彩りが欲しいと感じた。それが、婚外恋愛であった。

 学生時代に半年ほど交際していたという彼は、吹奏楽部で同じ楽器を担当していたという。

「すごくウマの合う人で、周りに『付き合ってるんでしょ?』と、からかわれたりしていました。明るくて、部活の時に笑いが起きるといつも彼が真ん中にいて……そんな人でした」

 学生時代に交際した時は、放課後にどこかへ行ったり、カラオケやファストフード店に行ったりと「学生らしいデート」を重ねていたが、受験勉強で忙しくなるにつれて次第に関係がフェードアウトしてしまったという。

「何となく別れてしまって……同窓会の時に、つい『あなたと別れたことは心残りだった』と話したら、『俺も』って言ってくれて」

 互いに家庭を持つ身であったが、婚外恋愛の関係になるには時間がかからなかった。同窓会の時に連絡先を交換し、その1週間後に再会し、ホテルに行った。

 学生時代にやり残したことを拾い集めるように、2人は婚外恋愛を楽しんだ。遊園地に行ったり、一日中ラブホテルで抱き合ったり、ずっと手をつなぎながら映画を見たり……数十年の時を経て彼と過ごしたことは「私にとっては輝かしい宝物」だと光希さんは言う。

 彼との時間を重ねるたびに、光希さんの心の中には、ご主人への後ろめたさが蓄積されていったという。

「夫は、子どもと私を不自由なく食べさせてくれているのに、私は呑気に不貞を重ねている……やめなければいけないのに、彼から連絡が来ると、女の子に戻ったようにはしゃいでしまう。そんな自分が許せないのに、彼に会うためにおしゃれをして待ち合わせ場所へ向かってしまう自分がいました」

 まるで中毒となっていた光希さんの婚外恋愛にストップをかけたのは、今年の正月の出来事だったそうだ。

「私と娘が、同時期にインフルエンザにかかってしまったんです。本当につらくて、食べることもできなくて……夫は昨年末から海外赴任していますし、両親は遠方に住んでいるから頼れません。そんな時に、一番身近な『恋人』である彼は頼れない。彼も家族と共に『お正月』をしていますから」

 いざという時に頼れない……病気が光希さんの婚外恋愛に歯止めをかけたというわけだ。

「彼にお別れのメールを送って、彼の連絡先を全て削除しました。メールは受信拒否設定にして、電話番号もLINEのIDも削除しました……そうしないと決意がぐらついてしまうと思って」

 学生時代の恋愛を、大人になって再び謳歌した光希さん。この婚外恋愛を一言で言うと「ラッキー案件」だと語る。

「まさかこの歳になって恋愛を楽しめるとは思いませんでしたから。彼から連絡が来なくて不安になったり、嫌われちゃったんじゃないか……なんて、50代を目前にしたオバサンが、恥ずかしいでしょう? あのキラキラした半年間は、夫と子どもには内緒にしたまま、胸にしまって生きていきます」

 光希さんは静かな面持ちでそう語った。彼女にとっての「ラッキー案件」は、これからの人生の糧となるのかもしれない。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「65歳になったら結婚しよう」お嬢様育ちの50代主婦を支える“婚外恋愛”相手との約束

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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 一度、婚外恋愛にハマッてしまうと、終わることができにくい。なぜなら、独身同士の恋愛とは違って、既婚者同士の恋愛には“結婚”というゴールがないからだ。けれど、昨今は、熟年層の恋愛模様もさまざまになってきた。婚外恋愛を成就させるために、熟年離婚に踏み切る者もいるようである。

 今回お話を聞かせていただいた、現在50代の裕里香さん(仮名)は、今はまだ不確かな将来を希望に生きているという。

「同世代の女友達からは『バカだ』って言われますけどね。私ももう年だし、死ぬ前の10年くらいは、わがままに生きてもいいのかなって」

 裕里香さんは、婚外恋愛相手と「65歳になったらお互いに離婚して、結婚しよう」と約束をしているそうだ。

「恋愛結婚」だった彼と奥さんに嫉妬

 お見合い結婚をした裕里香さんと夫は、新婚当初から“さっぱり”としていたという。

「お互いに適齢期で、両親たちからせっつかれた形で結婚したんですね。私の父は会社を2つ持っていましたし、夫の実家は古くから続く家業を営んでいました。自分たちがどうこうというよりも、互いの家のための結婚だったんです」

 お父さんの会社について、「それほど必死に守るような大きい会社ではありませんよ」と、裕里香さんは笑う。しかし、質が良さそうなスーツをきちんと身にまとい、高級ブランドの小さなバッグや時計もしっくり馴染んでいる彼女からは、幼い頃より大切に育てられたのだろうという“お嬢様”感がにじみ出ている。

 裕里香さんは2人の子宝に恵まれた。30代後半に差し掛かかると、子育てから手が離れ、フルタイムで実家の会社を手伝うようになったというが、その時、裕里香さんにとって「人生最大」と呼ぶべき、出会いがあったそうだ。それが、結婚の約束をしている“彼”である。

「取引先の会社が主催するパーティで知り合いました。同い年ということもあって気が合いましたし、お酒が強くない私たちは、立食形式のパーティで、はしゃぎながらブッフェのお料理をてんこ盛りにしていたことを覚えています」

 出会った当時、彼も既婚者であった。

「彼と奥さんは、大学時代の先輩と後輩だったと聞いています。うちとは違って恋愛結婚だというところに、今でも嫉妬をしてしまいますが……夫になかった感情を、彼には覚えたんです。しっくりくるというか……出会った時から恋人同士になることが当たり前のように感じていました」

 パーティの夜に連絡先を交換してから数日後、彼の方から連絡があった。その後、数回の食事デートを経て、2人は体の関係を持つ。

「お互いにセックスレス夫婦だったんです。うちは、子どもができたのをきっかけに、セックスから縁遠くなっていましたし彼もまた、子育ての価値観の違いから、夫婦仲が悪くなってしまったとか。私はそれほどセックスが好きだとは思っていませんでしたが、彼と体を重ねた時には『こんなに気持ちよかったんだ!』と感動しましたね」

 それ以来10年以上、月に一度、彼とのデートを続けているという裕里香さん。だが「セックスをするのは年に一度」と決めているという。

「ラブホテルに行くのはどうしても恥ずかしくて……年に一度、2人が出会った日の前後の平日に、シティホテルのデイユースを彼が予約してくれます。彼も私もその日は有給休暇を取って、1日中のんびりするんです。1年間、その日のために私たちは頑張っています」

 彼の子どもは結婚して実家を巣立ち、裕里香さんの子どももすでに立派に成人している。さらに今年の夏、2人目の子どもが家を出たことにより、現在は、ご主人と2人きりの生活を送っているそうだ。

「ちょうど下の子が一人暮らしを始めたタイミングで、彼からのプロポーズがありました。彼は60歳で定年退職をしてから身辺整理をし、65歳までには身軽になって私を迎えたいと言っています」

 そんな裕里香さんの「年に一度」の逢瀬の日が来月に迫っているという。先月からパーソナルトレーニングに入会し、1年ぶりに大好きな彼に抱かれるために、体づくりをしているのだ。

「今はまだ既婚者なので、こんなことを言ってはいけないのでしょうけれど……私は今、彼との約束を希望に毎日生きています」

 将来の約束をしているとはいえ、口約束である。その約束は果たされないかもしれない。もしも傷つく結果となってしまった場合はどう考えているのか……意地悪な質問だが、裕里香さんに聞いてみた。

「約束どおりにいくことを望んでいますけど、こればかりはその時期が来るまでわかりませんね……ただ、彼と一緒になれるという将来の可能性があるっていうだけで、今は幸せを感じられるから、それでいいんですよ」

 そう打ち明けながら微笑む裕里香さんの笑顔は、まるで10代の少女のようにまぶしく感じた。その約束が無事叶うまで、あとどれくらいかかるのだろうか。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「彼が女性なら大親友になれた」独身時代、結婚中、離婚後……私が上司との婚外恋愛を続けるワケ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

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 婚外恋愛に限らず、男女の出会いの定番といえば「社内」である。一見平和に見える社内でも、男女の恋愛模様が交錯している場合が非常に多い。純粋に相手との愛を育んでいるカップルもいるが、一方で、社内恋愛による相手との関係を盾に、自分の社会的地位を守る場合もあるのだ。

「そりゃそうですよ! これから子どもをたった1人で育てていかないといけなくなりましたから。使えるものはどんどん使わないと!」

 結婚中、社内で婚外恋愛相手を見つけ、その後離婚。現在も、同じ相手と交際している七海さん(仮名)は、元気な笑顔でそう答えた。

子どもができたのは、元夫の“作為”だった?

「元旦那も、元不倫相手も、同じ社内にいます」

 取材の席について間もなく、七海さんはそんな仰天のエピソードを教えてくれた。30代前半の七海さんは小柄でスレンダーな美女。くっきりした目元には、きちんとアイメイクが施されていて、ファッションには隙がない。2歳半のお子さんがいらっしゃるようには決して見えない。

「保育園に息子を預ける時、こういうビシッとしたメイクやファッションをしていると、イヤな目をするママもいますけどね。私は会社に行く時には、なるべくハイヒールを履きたいタイプで」

 ハイヒール姿でママチャリに乗り、お子さんを預けてから出社し、夜遅くに保育園へ迎えに行って、その後、2人の時間を楽しむ――七海さんは現在、シングルマザーである。

「息子の父親は、同じ会社の同僚です。特別好きではなかったんですけど、課の飲み会の帰りに何となくそういう流れになっちゃって……」

 その夜をきっかけに頻繁に会うようになったというが、七海さんに結婚願望はなかったそうだ。

「でも、元夫は結婚したかったみたいですね。息子ができたきっかけも、思い返すと作為的なところがありましたから」

 元ご主人の“作為”がきっかけとなったのか、いわゆる、“できちゃった結婚”で、2人は半年ほどの交際を経て夫婦となる。

「これまで、それほど誇れる人生は送ってきませんでしたけど、授かった子を堕胎するという選択肢はまったくありませんでしたね。むしろ、元夫は私と違って頭の良い人でしたから、そんな彼と私の遺伝子を持った子どもは、どういう子になるんだろうっていうワクワク感もありました」

 結婚、産休を経て会社復帰をし、保育園と会社を往復する日々が続いた。そのストレスが、七海さんを“あの関係”へと導いてしまったのだという。それは、同じ会社の上司との婚外恋愛だ。

「彼とは、私が独身だった時代から関係していました。初めから、彼に家庭があることは知っていましたよ。当時は私も20代でしたけど……何で、付き合うことになったんでしょうかね? 私にも、わからないです」

シングルマザーになった今も関係を続けるワケ

 5歳以上年上の上司との恋愛は、不定期ではあるものの続けているという。

「たぶん、彼が一番私のことをよく理解してくれるからだと思います。仕事のつらさも、元夫のことも、今では子育てのことも……そこにたまたまセックスがあるってだけで、傍から見たら『不倫』っていう関係になっちゃうんじゃないかなって。彼が年上の女性だったら大親友になれたと思いますね」

 元ご主人と七海さんは、互いの気持ちのすれ違いから、数カ月前に離婚。その理由を問うと、「やっぱり、好きじゃなかったんですよ。元夫はちょっと寄り道しただけの関係で、私の気持ちはずっと彼にある」と言ってのけた。

 現在は、七海さん、元ご主人、現在も関係続行中の上司が、同じ社内にいる。そのことに抵抗はないのだろうか?

「部署が違いますから顔を合わせることは少ないですし、まったく気になりませんね。むしろ彼は、これからの私の人生の保険みたいなものです。仮に私がリストラ対象になったとしたら、彼に守ってもらえますからね。彼、人事課長なんで」

 そう、七海さんはきっぱりと言う。婚外恋愛を、自らの武器にしているのだ。子を持つ親は、たのもしい。七海さんの強い眼差しに見つめられていると、筆者の心まで射抜かれてしまいそうであった。

「既婚女性はすぐエッチできる」出会い系男の“思惑”を逆手に取る、アラフィフ主婦の婚外恋愛

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

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 最近の婚外恋愛事情は一昔前とは少々異なりつつあるように感じる。

 以前は「女は恋愛、男は性欲の捌け口」として婚外恋愛を楽しむカップルが多かったように感じていたのだが、最近ではそれが逆転しているように思えるのだ。

 これまで“夫に愛情を感じられない”寂しい妻が、家庭外での恋愛に溺れるという湿っぽいイメージで受け取られがちだった婚外恋愛も、最近ではまるで変わってきている。趣味のお稽古を楽しむように、明るく婚外恋愛を楽しんでいる女性が増えてきているようなのだ。

「まさにそんな感じです! 今の生活が一番楽しいですし、家庭も均衡保てていますしね」

 今回お話を聞かせていただいた舞香さん(仮名)は、楽しそうに手を叩いて笑った。

■婚外恋愛はストレス発散

 はやりの総レースのタイトスカートを履きこなし、足元は綺麗めのハイヒールのパンプス。指先にはジェルネイルがきちんと施されるなど、隅々まで手を抜かずにケアしているように見える舞香さん。そんなアラフィフとは到底思えないほどお洒落な彼女の婚外恋愛暦は、かなり長い。

「夫と結婚したのは20代の頃でしたけど、婚外恋愛を始めたのは長男が小学校に入った30代からですね。最初は家庭にこもっていたことで生じたストレスの発散目的でした」

 短大を卒業してからずっと仕事をしていた舞香さんにとって、「仕事を奪われて妊娠を機に退社して家庭に入ることは、一番のストレスだった」という。

「子育ては楽しかったけれど……同じくらい、仕事をすることに生きがいを感じていたんですね。本音を言うと、育児休暇を取った後、会社に復帰したかったのですが、夫に『子どもができたら、家庭を支えてほしい』と止められました」

 当時流行していた「出会い系サイト」に登録すると、既婚者女性でも数え切れないほどの誘いを受けたという。

「もちろん、顔写真も掲載しないですし、文字でのプロフィールだけ掲載しました。年齢も嘘をつかずに、そのままで……でも、1日で50件以上の誘いがありましたよ。それだけ、当時の婚外恋愛市場は女性優位だったんですね。まぁ『既婚者女性はすぐにエッチができる』って思われていたんでしょうけど」

 皮肉めいた意見だが、舞香さんにとっては好都合であった。彼女が婚外恋愛に求めるものは、単純に「ストレス発散」だったからだ。

 舞香さんが当時求めていた男性の条件は「清潔であること」そして「『抱かれてもいいかな』と感じるルックスであること」の2つ。

「さすがにストレス発散だといっても、誰でも良いわけではありませんよ。抱かれにいくとなった時、それなりにお洒落をしようと思える男性、また、楽しい時間を過ごせるかもと思える男性を選びました。あと、メールがガツガツ来るタイプは避けていましたね。会話も楽しめるような男性がよかったので」

 30代の頃とは比較にならないものの「今でもチョコチョコと婚外恋愛はしている」という。

 現在は2人のお子さんが無事に巣立ち、夫婦2人きりの生活がスタートしたそうだ。

「ついにこの時が来た、という感じでしたね……今まで子どもを介して成立していた会話が、夫と2人きりだとまったくできなくなってしまいました。もちろんセックスなんて、子どもができた頃からしていませんから……さて、どうしたものかな、と」

 そう言って笑う舞香さん。「もしかすると、離婚も視野に入れているのではないか?」と感じたが、「夫婦間の会話が成立しなくても、家庭は守りたい」という主義のようだ。

「今はパートで働いてはいますけど、独身時代ほどの収入は見込めませんし、体調を崩してまでフルタイムで働こうなんて思いません。家庭も仕事も趣味も、婚外恋愛も、うまくやりくりした上に、今の私があると思っています。今が一番安定しているんですよ。夫も陰であれこれしているようですけれど、今の生活を壊すつもりはなさそうですから」

 婚外恋愛を人生のスパイスにして生きている舞香さん。彼女のような人生をどこか「羨ましい」と感じながらも、遠巻きに「婚外恋愛はドロドロしたもの」「ハマッたら地獄」などと思い込むことで、何とか踏ん張っている女性も多いのではないだろうか。「今の生活が一番楽しい」――その言葉に、婚外恋愛というものへの世間の認識が、今後さらに変化していく気配を感じた。
(文・イラスト/いしいのりえ)

中学時代の元カレと「セックスしない婚外恋愛」続ける理由――アラサー主婦のしたたかな計画

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

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 昨年から引き続き、不倫報道がお盛んである。中でも最近の不倫報道において、注目を集めたのが、「一線を越えていない」という、元神戸市議の橋本健の言葉である。

 誰もが本気にしていないこの言葉だが、仮に2人が本当に「一線を越えていない」、つまり体の関係がまったくないとしたら、これ以上リスクの高い純愛は存在しないだろう。

 ホテルの部屋で二人一緒に一晩過ごしてセックスもせずに純愛を貫いたとしても、それを信じる者など存在するわけがない。だったらいっそのこと体の関係を持ってしまった方が気楽ではないだろうか。

「そうですよね、だから私たちは絶対に体の関係を怪しまれるような場所へは行きませんよ」

 手もつながない、キスもしない、そんな婚外恋愛をもう3年以上続けている美沙さん(仮名)は、笑顔でそう答えた。

■短大を卒業後、すぐに結婚

 小柄でトーンの高い声を持つ美沙さんは、「もうすぐ30歳」という実年齢よりもだいぶ若く見える。その愛らしいルックスは、大学を卒業したばかりと言っても通用するほどである。

 彼女の結婚歴は長く、現在のご主人と結婚をしたのは、短大を卒業して間もなくだという。

「夫は、私が学生時代にアルバイトへ行っていた会社の社員でした。わりと社員同士の仲が良くて、アルバイトも飲みに誘われることが多かったので、数回飲みに行ってデートに誘われて……っていう感じでしたね」

 当時まだ10代だった美沙さんにとって、年上のご主人は「すごく大人に感じた」そうだ。短大を卒業した翌年に結婚。恋人同士の延長のようだった結婚生活も、数年後に少しずつ崩壊へと進んでいく。

「夫が浮気していたんです。当時はガラケーでロックもしていなかったので、メールを調べたらすぐにわかりました。やっぱりな、とは感じましたね。もともと女好きですし、私に内緒でキャバクラや風俗にも行ってたみたいなので……」

 あまり男性経験のない美沙さんは、それ以来、ご主人に触れられることをしばらく拒んだ。

「当時は『そろそろ子どもを作ろうか』って話していた矢先の出来事だったので、相当凹みましたね。体重も落ちましたし」

 落ち込んでいた美沙さんの救世主となったのが、現在の恋人である男性だ。

「彼は、中学生の時に付き合っていた人です。地元に帰省した時、内輪の同窓会があって……婚外恋愛の出会いの定番だからちょっと恥ずかしいんですけど」

 彼もまた結婚をしていて、子どももいたそうだ。同窓会を終えたあと、2人で飲みに行き、交際当時によく遊びに行った神社で互いの家庭の不満を語り合っていたら「自然と『好き』みたいになりました」。

 以来、美沙さんは帰省をするたびに彼と会い、また彼も、都心に来た時には必ず美沙さんに会うという。

「中学時代に果たせなかった恋を、今実らせた感じですかね。映画を見たり、ボーリングをしたり、この前はディズニーシーにも行きました。夫はあまりアクティブな遊びが好きではないので新鮮ですし、彼といると中学生に戻った気がして……見返りを求めない恋愛ってこんなに楽しいんだ、って実感しています」

 しかし2人は、絶対に破ってはいけないルールを設けていた。それは「一線を超えないこと」だ。

「彼の子どもが成人したらお互いに離婚をして、結婚をしようと約束しています。そのためには法的に不利になるようなことは絶対にしないと誓ったんです」

 あくまでも純愛を貫き通したかったという美沙さんだが、彼はセックスをしたいと思わなかったのだろうか? そう尋ねると美沙さんは恥ずかしそうに微笑んだ。

「実は、何度も誘われました。付き合い始めた時はもちろんですが、今でもたびたび『我慢できない、ホテルに行こう』と言われますね。でも私は必死で阻止しています。本音を言えば、私だってすぐに彼に抱かれたいですけれど……」

 離婚時に慰謝料を求められるケースは「不貞が認められた時」である。体の関係はもちろん、それを匂わせる状況を作ると即アウトだ。

 しかし過去には、美沙さんのように、手もつながず、キスもしていない男女の関係を、裁判所が“不倫”認定した事例がある。夫と同僚女性の不倫関係を疑った妻が、女性に賠償を求めた裁判で、実際に裁判所から44万円の賠償命令が下ったというのだ。

「もし私たちがそうなったとしたら、逆に私は主人を訴えて、私たちが支払う額を取り返しますよ。当時の夫がした不倫の証拠は、まだ保存してありますし、キャバクラや風俗へ通うことを黙認はしていましたが、私にとっては“精神的苦痛”でしたから」

 若いうちに結婚をして、現在再び彼と純潔を守った交際をしている美沙さんは、婚外恋愛というよりも“青春をやり直している”ように筆者には感じた。果たして、美沙さんが離婚をし、彼と再婚をする日は訪れるのだろうか――。
(文・イラスト/いしいのりえ)

中学時代の元カレと「セックスしない婚外恋愛」続ける理由――アラサー主婦のしたたかな計画

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

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 昨年から引き続き、不倫報道がお盛んである。中でも最近の不倫報道において、注目を集めたのが、「一線を越えていない」という、元神戸市議の橋本健の言葉である。

 誰もが本気にしていないこの言葉だが、仮に2人が本当に「一線を越えていない」、つまり体の関係がまったくないとしたら、これ以上リスクの高い純愛は存在しないだろう。

 ホテルの部屋で二人一緒に一晩過ごしてセックスもせずに純愛を貫いたとしても、それを信じる者など存在するわけがない。だったらいっそのこと体の関係を持ってしまった方が気楽ではないだろうか。

「そうですよね、だから私たちは絶対に体の関係を怪しまれるような場所へは行きませんよ」

 手もつながない、キスもしない、そんな婚外恋愛をもう3年以上続けている美沙さん(仮名)は、笑顔でそう答えた。

■短大を卒業後、すぐに結婚

 小柄でトーンの高い声を持つ美沙さんは、「もうすぐ30歳」という実年齢よりもだいぶ若く見える。その愛らしいルックスは、大学を卒業したばかりと言っても通用するほどである。

 彼女の結婚歴は長く、現在のご主人と結婚をしたのは、短大を卒業して間もなくだという。

「夫は、私が学生時代にアルバイトへ行っていた会社の社員でした。わりと社員同士の仲が良くて、アルバイトも飲みに誘われることが多かったので、数回飲みに行ってデートに誘われて……っていう感じでしたね」

 当時まだ10代だった美沙さんにとって、年上のご主人は「すごく大人に感じた」そうだ。短大を卒業した翌年に結婚。恋人同士の延長のようだった結婚生活も、数年後に少しずつ崩壊へと進んでいく。

「夫が浮気していたんです。当時はガラケーでロックもしていなかったので、メールを調べたらすぐにわかりました。やっぱりな、とは感じましたね。もともと女好きですし、私に内緒でキャバクラや風俗にも行ってたみたいなので……」

 あまり男性経験のない美沙さんは、それ以来、ご主人に触れられることをしばらく拒んだ。

「当時は『そろそろ子どもを作ろうか』って話していた矢先の出来事だったので、相当凹みましたね。体重も落ちましたし」

 落ち込んでいた美沙さんの救世主となったのが、現在の恋人である男性だ。

「彼は、中学生の時に付き合っていた人です。地元に帰省した時、内輪の同窓会があって……婚外恋愛の出会いの定番だからちょっと恥ずかしいんですけど」

 彼もまた結婚をしていて、子どももいたそうだ。同窓会を終えたあと、2人で飲みに行き、交際当時によく遊びに行った神社で互いの家庭の不満を語り合っていたら「自然と『好き』みたいになりました」。

 以来、美沙さんは帰省をするたびに彼と会い、また彼も、都心に来た時には必ず美沙さんに会うという。

「中学時代に果たせなかった恋を、今実らせた感じですかね。映画を見たり、ボーリングをしたり、この前はディズニーシーにも行きました。夫はあまりアクティブな遊びが好きではないので新鮮ですし、彼といると中学生に戻った気がして……見返りを求めない恋愛ってこんなに楽しいんだ、って実感しています」

 しかし2人は、絶対に破ってはいけないルールを設けていた。それは「一線を超えないこと」だ。

「彼の子どもが成人したらお互いに離婚をして、結婚をしようと約束しています。そのためには法的に不利になるようなことは絶対にしないと誓ったんです」

 あくまでも純愛を貫き通したかったという美沙さんだが、彼はセックスをしたいと思わなかったのだろうか? そう尋ねると美沙さんは恥ずかしそうに微笑んだ。

「実は、何度も誘われました。付き合い始めた時はもちろんですが、今でもたびたび『我慢できない、ホテルに行こう』と言われますね。でも私は必死で阻止しています。本音を言えば、私だってすぐに彼に抱かれたいですけれど……」

 離婚時に慰謝料を求められるケースは「不貞が認められた時」である。体の関係はもちろん、それを匂わせる状況を作ると即アウトだ。

 しかし過去には、美沙さんのように、手もつながず、キスもしていない男女の関係を、裁判所が“不倫”認定した事例がある。夫と同僚女性の不倫関係を疑った妻が、女性に賠償を求めた裁判で、実際に裁判所から44万円の賠償命令が下ったというのだ。

「もし私たちがそうなったとしたら、逆に私は主人を訴えて、私たちが支払う額を取り返しますよ。当時の夫がした不倫の証拠は、まだ保存してありますし、キャバクラや風俗へ通うことを黙認はしていましたが、私にとっては“精神的苦痛”でしたから」

 若いうちに結婚をして、現在再び彼と純潔を守った交際をしている美沙さんは、婚外恋愛というよりも“青春をやり直している”ように筆者には感じた。果たして、美沙さんが離婚をし、彼と再婚をする日は訪れるのだろうか――。
(文・イラスト/いしいのりえ)