婚外恋愛のオンラインデート事情とは? 「下半身はいじっちゃってますよ」「逆に燃える」……“会えない不倫”のいま

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 2度目の緊急事態宣言が発令されて早1カ月。3月7日までの延長も決まり、気軽に人と会えない日々が続く中、それでも婚外恋愛を続けている人々がいる。

「彼と会えなくなってからもうすぐ1年たちますけど、逆に気持ちは燃え上がってる感じです。多いと思いますよ、こういう会えない『コロナ婚外』してる人って。誰にも迷惑かけないストレス解消法ですし」

 そう言って明るく笑うのは、今回お話を聞かせていただいた亜希さん(仮名)だ。

 まだ30代前半の亜希さんが今の旦那さんと知り合ったのは、大学卒業後に入社したアパレルメーカーを退職して訪れた留学先。20代最後の年のことだった。

「ニュージーランドで、半年間語学留学しました。たった半年で学べることなんて何もないだろうなって思いましたけど、将来のことを考えたら今しかないと思って。『留学』という体裁を作って、半年間遊びに行ったようなものです」

 亜希さんの旦那さんは、仕事で現地と日本を行き来していたという。亜希さんいわく「顔がタイプだったからナンパした」そうだ。

「レストランから出てきた夫とその同僚を待ち伏せて、現地の女友達と一緒に声をかけました。向こうはワイシャツにスラックス姿なのに、私たちはオヘソ出したタンクトップ着て。最初、旦那は完全に私のこと『コールガールが売り込みに来た』って思っていたみたいですよ」
 
 その後、旦那さんはすぐ日本に戻り、数カ月間は遠距離恋愛をしていたものの、亜希さんが帰国すると自然と同棲する流れになり、結婚。出会いからたった1年足らずだったという。

「今でも旦那はすごく好きですよ、顔も好きだけど性格も大好き。同い年だけど、大人なんです。ただ『アッチ』がちょっと合わなくて……」

 自由奔放で賑やかなタイプの亜希さんは、結婚前「性に対しても奔放だった」そうだ。複数の男性と同時に交際した経験はないけれど、いろんな男性に「ちょっかいを出す」ことが好きだという。

「単純に『男好き』なんですよね。男の子とイチャイチャして、押したり引いたりして、っていうのが好き。その延長でエッチしたことも、まあ何度かありますけど、『付き合う』って決めた時には一人だけ。だから、今の婚外恋愛している状況は、私にとってすごく珍しいんです」

 亜希さんが婚外恋愛を始めたのは昨年のことだ。

「旦那との結婚生活で、セックスが不満でした。私は長い時間かけてイチャイチャ、ベタベタしてからセックスに持っていきたいのに、旦那は『行為そのものだけ』なんですよ……交際当時からそこはすごく揉めて、私もよく怒ってたんですけど、全然治らないです」

 婚外恋愛のお相手は、現在、亜希さんが務める会社の取引先の男性だという。

「まだコロナ禍前だった頃、接待の席で口説かれました。実際に寝たのは2回だけです。セックス自体は普通だけど、始める前の好き好きアピールがすごくカワイイんですよ」

 取引先の男性と婚外恋愛関係になった直後の4月、緊急事態宣言が発令。その後、彼との「デート」はもっぱらオンラインだという。

「私の会社は、基本的にリモートワークなので、ほとんど誰もオフィスにいないんですよ。でも使用することは許可されているので、誰もいない時間帯の会議室を独り占めして、オンライン会議システムで、彼とやりとりしてます」

 一方、独身の彼は自宅でリモートワーク中だという。

「まあ、彼のほうは毎回下半身はいじっちゃってますよ。私は男の人とセックス前のイチャイチャができれば、特に行為はなくても満足できるんで、この状態がずっと続いたらいいなと思っちゃいますね」

 なお旦那さんとの関係が悪化しているということはなく、「離婚なんて絶対しませんよ……大好きですもん」という。

「コロナ禍が明けてムラムラしたら、出張ホストとか使おうかな。そしたら浮気になりませんよね?」

 あっけらかんと笑いながら話す亜希さん。ドロドロしているイメージも強かった婚外恋愛も「ストレス解消」の時代になったのだろうか。女のしたたかさを見たような気がした。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「完全に『ママ活』ですよね」バイト先の大学生とセックスする日々……子持ち女性が「1万円を渡し続けた」ワケ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 数年前からよく耳にするようになった「パパ活」という言葉。主に大学生から20代前半の独身女性が、年上の男性とデートをする見返りに、金銭を受け取ることだが、男女が逆の「ママ活」も存在しているという。

 そして、パパ活、ママ活は基本的には「体の関係はない」とされているが、例外もあるようだ。今回お話を聞かせていただいた夏樹さん(仮名)も、肉体関係ありきで男子大学生にお小遣いを渡していた“ママ”の一人だ。

「そもそも、当時の私は、『ママ活』だとはまったく思っていませんでした。相手も同じ気持ちだったと思うのですが、はたから見ると、完全に『ママ活』ですよね……」

 肩を落としてそう答える夏樹さんは、バツイチのアラフォー独身女性。成人している子どもがいるとは思えないほど、若々しいルックスをしている。

「結婚が早かったんですよ、いわゆる『できちゃった婚』です。当時住んでいた地元ではちょっと名が知れた男性だったので、これは手放すものかって思ったんですよね」

 夏樹さんの元ご主人は、当時、地元のリーダー的存在だった。広い土地と大きな家を所有していて、地元で有名な事業を展開していた。

「例えば、祭りの時には、リーダーになって神輿を担ぐようなタイプ。その日は朝まで、地元の若い衆が彼の家に集まってお酒飲むっていう……。そういう人、田舎ではものすごくカッコよく見えちゃうんです。『田舎あるある』ですよ」

 結婚して1児を授かった夏樹さんだが、妊娠中から元ご主人は浮気を繰り返していたそうだ。

「私と子どものことは放ったらかしで、独身時代と同じように朝まで飲み歩いたりすることもしょっちゅうでした。浮気もバレバレでしたし……彼は地元では『御山の大将』だったからしょうがないんです」

 子どもが中学生になった頃、夏樹さんは隣駅にあるファミレスでバイトを始めた。

「隣町といっても都心とは違いますから、地元と比べてガラッと人脈が変わります。私のことを知っている人はほとんどいませんでした。とにかく『地元』から離れたかったんです」

 そこで夏樹さんは、一人のバイト大学生と出会う。後の「婚外恋愛」の相手だ。

「育児中で経験できなかった青春を、彼との出会いで一気に取り戻しました。見た目がとにかくタイプで……今で言うと竹内涼真みたいな身長が高くて笑顔がさわやかな人。こんな人と恋愛するのもよかったな、なんて思っていたら、ある日シフトが同じになった彼から『家まで送ってほしい』と言われたんです。当時彼は自転車、私は車通勤していて、バイトが終わると、大雨が降っていたんですね」

 彼を自宅アパートまで送り届け、招かれるままに部屋に入った。ペットボトルのお茶を飲んで世間話をする流れで、自然と体の関係になった。

「ものすごくドキドキして、素敵な経験でした。それまでは、なんとなく軽い会話をする関係でしたが、好かれてはいるんだろうなと感じていて……夫への罪悪感は、まったくありません。とにかく彼との時間がキラキラしていて、幸せで、夫のことなんて考える隙がありませんでした」

 それからも、夏樹さんはシフトが重なるたびに、彼との逢瀬を繰り返すようになる。

 彼にお小遣いをあげるようになったのは、数回セックスをした後だった。

「彼は大学生でしたし、私は夫との関係は冷え切ってるとはいえ、共働きで金銭的には余裕がありましたから。彼と一度会うたびに1万円をあげていました。1カ月で5〜8万円くらいでしょうか。セックスをする時もありましたし、お茶だけでさよならする日もありました」

 彼との関係は2年半続いたが、バイト先のファミレスが閉店したことがきっかけで、自然消滅してしまった。

「ちょうど子どもが多感な時期と重なって、時間を費やす対象を、子どもにシフトせざるを得ない状況になってしまったんです。そこへ来てバイト先の閉店だったので……彼からは何度か『会いたい』と連絡が来たけれど、私も子どものことで手一杯でしたし、うやむやに返事を返していたら、いつしか連絡がこなくなりました」

 確かに、はたから見ると、ママ活に見えてしまう2人の関係だが、夏樹さんは彼のほうから金銭を要求されたことは一度もないと強調する。では、自発的に彼と「ママ活」のような関係になったのはなぜだろうか。

「恋愛だと思いたいという半面、どこかで『割り切っている自分』でいたかったのかもしれません。『金銭のやりとりがあったんだから、これは遊びよ』っていう……」

 複雑な表情を浮かべながら、そう答える夏樹さん。元ご主人との離婚が成立した後、彼女は地元を離れ、今はお子さんも独立して職を持ち、一人時間を謳歌しているそうだ。

 今後の目標を聞くと、「ちゃんと恋愛してみたいですね」と、にこやかに答えてくれた。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「完全に『ママ活』ですよね」バイト先の大学生とセックスする日々……子持ち女性が「1万円を渡し続けた」ワケ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 数年前からよく耳にするようになった「パパ活」という言葉。主に大学生から20代前半の独身女性が、年上の男性とデートをする見返りに、金銭を受け取ることだが、男女が逆の「ママ活」も存在しているという。

 そして、パパ活、ママ活は基本的には「体の関係はない」とされているが、例外もあるようだ。今回お話を聞かせていただいた夏樹さん(仮名)も、肉体関係ありきで男子大学生にお小遣いを渡していた“ママ”の一人だ。

「そもそも、当時の私は、『ママ活』だとはまったく思っていませんでした。相手も同じ気持ちだったと思うのですが、はたから見ると、完全に『ママ活』ですよね……」

 肩を落としてそう答える夏樹さんは、バツイチのアラフォー独身女性。成人している子どもがいるとは思えないほど、若々しいルックスをしている。

「結婚が早かったんですよ、いわゆる『できちゃった婚』です。当時住んでいた地元ではちょっと名が知れた男性だったので、これは手放すものかって思ったんですよね」

 夏樹さんの元ご主人は、当時、地元のリーダー的存在だった。広い土地と大きな家を所有していて、地元で有名な事業を展開していた。

「例えば、祭りの時には、リーダーになって神輿を担ぐようなタイプ。その日は朝まで、地元の若い衆が彼の家に集まってお酒飲むっていう……。そういう人、田舎ではものすごくカッコよく見えちゃうんです。『田舎あるある』ですよ」

 結婚して1児を授かった夏樹さんだが、妊娠中から元ご主人は浮気を繰り返していたそうだ。

「私と子どものことは放ったらかしで、独身時代と同じように朝まで飲み歩いたりすることもしょっちゅうでした。浮気もバレバレでしたし……彼は地元では『御山の大将』だったからしょうがないんです」

 子どもが中学生になった頃、夏樹さんは隣駅にあるファミレスでバイトを始めた。

「隣町といっても都心とは違いますから、地元と比べてガラッと人脈が変わります。私のことを知っている人はほとんどいませんでした。とにかく『地元』から離れたかったんです」

 そこで夏樹さんは、一人のバイト大学生と出会う。後の「婚外恋愛」の相手だ。

「育児中で経験できなかった青春を、彼との出会いで一気に取り戻しました。見た目がとにかくタイプで……今で言うと竹内涼真みたいな身長が高くて笑顔がさわやかな人。こんな人と恋愛するのもよかったな、なんて思っていたら、ある日シフトが同じになった彼から『家まで送ってほしい』と言われたんです。当時彼は自転車、私は車通勤していて、バイトが終わると、大雨が降っていたんですね」

 彼を自宅アパートまで送り届け、招かれるままに部屋に入った。ペットボトルのお茶を飲んで世間話をする流れで、自然と体の関係になった。

「ものすごくドキドキして、素敵な経験でした。それまでは、なんとなく軽い会話をする関係でしたが、好かれてはいるんだろうなと感じていて……夫への罪悪感は、まったくありません。とにかく彼との時間がキラキラしていて、幸せで、夫のことなんて考える隙がありませんでした」

 それからも、夏樹さんはシフトが重なるたびに、彼との逢瀬を繰り返すようになる。

 彼にお小遣いをあげるようになったのは、数回セックスをした後だった。

「彼は大学生でしたし、私は夫との関係は冷え切ってるとはいえ、共働きで金銭的には余裕がありましたから。彼と一度会うたびに1万円をあげていました。1カ月で5〜8万円くらいでしょうか。セックスをする時もありましたし、お茶だけでさよならする日もありました」

 彼との関係は2年半続いたが、バイト先のファミレスが閉店したことがきっかけで、自然消滅してしまった。

「ちょうど子どもが多感な時期と重なって、時間を費やす対象を、子どもにシフトせざるを得ない状況になってしまったんです。そこへ来てバイト先の閉店だったので……彼からは何度か『会いたい』と連絡が来たけれど、私も子どものことで手一杯でしたし、うやむやに返事を返していたら、いつしか連絡がこなくなりました」

 確かに、はたから見ると、ママ活に見えてしまう2人の関係だが、夏樹さんは彼のほうから金銭を要求されたことは一度もないと強調する。では、自発的に彼と「ママ活」のような関係になったのはなぜだろうか。

「恋愛だと思いたいという半面、どこかで『割り切っている自分』でいたかったのかもしれません。『金銭のやりとりがあったんだから、これは遊びよ』っていう……」

 複雑な表情を浮かべながら、そう答える夏樹さん。元ご主人との離婚が成立した後、彼女は地元を離れ、今はお子さんも独立して職を持ち、一人時間を謳歌しているそうだ。

 今後の目標を聞くと、「ちゃんと恋愛してみたいですね」と、にこやかに答えてくれた。
(文・イラスト/いしいのりえ)

地味な新婚妻が、元上司と「セックスする関係」に至ったワケ――「スクールカースト1軍」への憧れが、婚外恋愛を後押しした!?

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 「独身の頃よりもモテるようになった」――既婚者からそんな話を聞くことは珍しくない。家庭を持つ身であるがゆえ、「気軽に遊べる相手」として声をかけられやすいのか、もしくは、「自分のものにならない相手」を魅力的に感じてしまう人を惹きつけているのかもしれない。しかし、後者の場合、“惚れてしまったほう”は、あらゆる苦難に苛まれそうな気もする。

「『彼は私なんか絶対釣り合わない人』という気持ちがありますね。一番しっくりくるのは旦那なんですけど……」

 今回お話を聞かせていただいた彩海さん(仮名)は、30代の既婚者である。ほっそりと色白で控えめな印象の彩海さんが結婚したのは1年半前。そろそろ新婚気分が抜けた時期ではあるが、まだ家庭に対して不満を持つ時期でもないそうだ。

 そんな彼女は、婚外恋愛中の身。「なぜ今?」と尋ねると、彩海さんは申し訳なさそうに「タイミングが悪かったんです、本当に……」とつぶやいた。

4歳年上の彼は「ルックスが好み」、夫は「とてもいい人」

 彩海さんの婚外恋愛のお相手は、以前働いていた職場の上司。4歳年上の彼は仕事が丁寧で優しく、何よりルックスが彩海さんのタイプだったという。

「自分自身が地味で目立つタイプじゃないから、昔スクールカーストで1軍だったタイプの人に憧れるんです。彼はまさにそんな人で……入社した時から彼女がいて、私がその会社を辞めた年に、その彼女と結婚をすることが決まっていました」

 彩海さんは、密かに憧れを抱いていた上司を、一度だけ誘ったことがある。

「ちょうど、彼の結婚が決まり、私もすでに退社することが決まっているという時期でしたね。どうにかこの気持ちを成仏させたくて、飲み会の帰りに、酔った勢いで誘ってみました……結果は惨敗でしたけど」

 その後、次の職場で知り合った男性と意気投合し、交際期間を経てから結婚。同い年の夫のことを、彩海さんは「とてもいい人」だという。

「穏やかで、私の料理を『おいしい』って食べてくれる人。私、結婚してから料理を始めたから本当にヘタなんですよ……旦那のほうが上手です。旦那は釣りが好きで、友人と釣りに出かけた夜にはお魚を捌いて出してくれます。新型コロナが収束したら、私も料理教室に通って、魚の捌き方を習おうかと」

 そんな順風満帆のように感じられる新婚生活の中、彩海さんはうっかり「彼」と再会した。

「以前の会社の同僚同士が結婚したんですが、その結婚式の二次会で、彼と再会しました。やっぱりかっこよくて、フォーマルな服装だったから余計まぶしく見えて……その時、彼から誘われたんです」

 二次会の帰りにキスをして、後日ホテルに行ってセックスをした。彼は既婚者となっていたが、彩海さんは彼に結婚したことは秘密にしていたそうだ。

「言い出せなかったんです。私も既婚者だと言ったら、会ってもらえないと思って」

 彼とはその後、数回肉体関係を持ったが、その後フェードアウトしてしまう。

「もともと私から連絡することはなかったので、半年以上連絡がないってことは、もう会えないのかなと思います。このご時世ですし、ホテルで会うなんて、もってのほかですし……彼とのことはそろそろ区切りをつけようかなと思って」

 自分が既婚者であることを隠し、彼には自ら連絡しない、フェードアウトされても文句のひとつも言わずに受け入れる――正直、「対等とは言えない」関係性に見えるが、そのことに彩海さんは不満を抱いていなさそうだ。

「私のようなカースト下位の人が、あんな素敵な人と関係を持てたことだけでも、良い思い出なんです」

 夫との関係が良好でも、さまざまなリスクを無視して、婚外恋愛に走る女性がいる。一見、感情的なタイプに思えるが、その実、「自分のものにならない相手」と割り切れる現実的なタイプとも言えるのかもしれない。「もう彼とは終わり」と打ち明ける彩海さんの表情は、どこか清々しく感じられた。
(文・イラスト/いしいのりえ)

地味な新婚妻が、元上司と「セックスする関係」に至ったワケ――「スクールカースト1軍」への憧れが、婚外恋愛を後押しした!?

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 「独身の頃よりもモテるようになった」――既婚者からそんな話を聞くことは珍しくない。家庭を持つ身であるがゆえ、「気軽に遊べる相手」として声をかけられやすいのか、もしくは、「自分のものにならない相手」を魅力的に感じてしまう人を惹きつけているのかもしれない。しかし、後者の場合、“惚れてしまったほう”は、あらゆる苦難に苛まれそうな気もする。

「『彼は私なんか絶対釣り合わない人』という気持ちがありますね。一番しっくりくるのは旦那なんですけど……」

 今回お話を聞かせていただいた彩海さん(仮名)は、30代の既婚者である。ほっそりと色白で控えめな印象の彩海さんが結婚したのは1年半前。そろそろ新婚気分が抜けた時期ではあるが、まだ家庭に対して不満を持つ時期でもないそうだ。

 そんな彼女は、婚外恋愛中の身。「なぜ今?」と尋ねると、彩海さんは申し訳なさそうに「タイミングが悪かったんです、本当に……」とつぶやいた。

4歳年上の彼は「ルックスが好み」、夫は「とてもいい人」

 彩海さんの婚外恋愛のお相手は、以前働いていた職場の上司。4歳年上の彼は仕事が丁寧で優しく、何よりルックスが彩海さんのタイプだったという。

「自分自身が地味で目立つタイプじゃないから、昔スクールカーストで1軍だったタイプの人に憧れるんです。彼はまさにそんな人で……入社した時から彼女がいて、私がその会社を辞めた年に、その彼女と結婚をすることが決まっていました」

 彩海さんは、密かに憧れを抱いていた上司を、一度だけ誘ったことがある。

「ちょうど、彼の結婚が決まり、私もすでに退社することが決まっているという時期でしたね。どうにかこの気持ちを成仏させたくて、飲み会の帰りに、酔った勢いで誘ってみました……結果は惨敗でしたけど」

 その後、次の職場で知り合った男性と意気投合し、交際期間を経てから結婚。同い年の夫のことを、彩海さんは「とてもいい人」だという。

「穏やかで、私の料理を『おいしい』って食べてくれる人。私、結婚してから料理を始めたから本当にヘタなんですよ……旦那のほうが上手です。旦那は釣りが好きで、友人と釣りに出かけた夜にはお魚を捌いて出してくれます。新型コロナが収束したら、私も料理教室に通って、魚の捌き方を習おうかと」

 そんな順風満帆のように感じられる新婚生活の中、彩海さんはうっかり「彼」と再会した。

「以前の会社の同僚同士が結婚したんですが、その結婚式の二次会で、彼と再会しました。やっぱりかっこよくて、フォーマルな服装だったから余計まぶしく見えて……その時、彼から誘われたんです」

 二次会の帰りにキスをして、後日ホテルに行ってセックスをした。彼は既婚者となっていたが、彩海さんは彼に結婚したことは秘密にしていたそうだ。

「言い出せなかったんです。私も既婚者だと言ったら、会ってもらえないと思って」

 彼とはその後、数回肉体関係を持ったが、その後フェードアウトしてしまう。

「もともと私から連絡することはなかったので、半年以上連絡がないってことは、もう会えないのかなと思います。このご時世ですし、ホテルで会うなんて、もってのほかですし……彼とのことはそろそろ区切りをつけようかなと思って」

 自分が既婚者であることを隠し、彼には自ら連絡しない、フェードアウトされても文句のひとつも言わずに受け入れる――正直、「対等とは言えない」関係性に見えるが、そのことに彩海さんは不満を抱いていなさそうだ。

「私のようなカースト下位の人が、あんな素敵な人と関係を持てたことだけでも、良い思い出なんです」

 夫との関係が良好でも、さまざまなリスクを無視して、婚外恋愛に走る女性がいる。一見、感情的なタイプに思えるが、その実、「自分のものにならない相手」と割り切れる現実的なタイプとも言えるのかもしれない。「もう彼とは終わり」と打ち明ける彩海さんの表情は、どこか清々しく感じられた。
(文・イラスト/いしいのりえ)

コロナ禍で「4年間の不倫生活」に終止符……「セックスが合う彼氏」を断捨離した女性の告白

 新型コロナウイルスの影響により日常生活が劇的に変わってしまった。筆者が特に強く感じた変化は「娯楽が奪われた」ことだ。

 ライブなどのイベントは軒並み自粛、居酒屋で恋人や仲間と酒を楽しむことはもちろん、カフェでお茶をすることすらままならなくなった。現在は非常事態宣言が全面解除となったが、いまだに不自由な生活を強いられている。

 今回話を聞かせていただいた彩音さん(仮名)も、「婚外恋愛」という娯楽を奪われた一人である。しかし、それを「よかった」と捉えているそうだ。

「不謹慎かもしれませんが、今回の自粛生活は私にとって本当に良い機会でした。家族と向き合うきっかけになりましたし、4年間の不倫生活にようやく終止符が打てましたから」

 彩音さんは、3年前に知人からの紹介で今のご主人と知り合い、半年の交際を経て結婚した。

「年齢が年齢だったので、当時『次に付き合う人とは結婚する』と決めていました。夫は私より4歳年下ですが、ちょうど私と同じ気持ちだったそうです。価値観が合うところもポイントが高かったですよ。例えば、インドアなところとか、食にあまり興味がないところとか……お互いミスチルが好きなのでライブに一緒に行けるところも良いですね。お互いファンクラブに入っているので、今でも足を運んでいますよ」

 そんな相性は抜群な二人であったが、セックスだけは合わなかった。もともと性欲の薄い彩音さんは、ご主人の頻繁に求めてくるところが苦痛だったのだ。

 そして彩音さんは、誰にも打ち明けていない秘密を教えてくれた。

「夫と付き合う前から付き合っている人がいました。前の会社で知り合った同僚で、彼とは4年間関係を続けていました」

 彩音さんより少し年上の「彼」とは、社内サークルで仲良くなったという。

「彼は、とにかく一緒にいて楽しい人でした。ノリが良くて楽しくお酒を飲む人で……当時、彼には恋人がいたけれどお構いなしに体の関係を持ちました。奪うつもりだったので」

 しかし彼は当時交際していた恋人と結婚してしまう。

「その後も何だかズルズルと体の関係を持ち続けていました。彼との時間は『セックス半分、おしゃべり半分』っていう感じで。ラブホテルでお酒飲みながら他愛のない話をする時間がすごく楽しくて……でもこれじゃダメだと思って夫と結婚したんですけど、結局、彼とも離れられないまま関係を続けていました」

 彼とご主人のセックスは「真逆」だと彩音さんは打ち明けてくれた。

「彼のセックスには余裕があるんです。きっと彼にとって私はセフレ感覚なんですよね、だから余裕がある。夫のセックスは濃いんです……年が離れているので『頑張らないと』っていう気持ちがあるんでしょう。『そんなに頑張らなくてもいいよ』って言いたいんですけど、私を大切に思ってくれているからこそなので、何も言えないじゃないですか。逆に『ありがとう』って思わないと」

 月に一度か二度の彼との「娯楽」も、コロナ禍の自粛によって奪われた。空いた時間で、家のものをあれこれ断捨離するようになったというが、その一つが彼の存在だったそうだ。

「お互いの会社でテレワークが導入されて、自由な時間がなくなってしまいました。夫も同じように、終日自宅にいますので、お互い自宅で真面目に仕事をしています。そんな状況下で、あらためて、彼のいない生活を考えるようになりましたね……彼との楽しいセックスとおしゃべりの時間がなくなっても、私、生きていけるんだなあって」

 今の彩音さんは、ご主人と二人きりの生活をなるべく楽しくするように努力しているという。

「二人で家飲みとか、カフェっぽいランチを作ったりとか、ミスチルのライブ映像を見たりとか……あれこれ楽しんでいますよ。この前は、夫がチューリップを買ってきてくれました。花を買ってきてくれたことなんて今までなかったからうれしかったです。1日一回、連絡を取り合っていた彼とは、もう2週間連絡していません」

 あらためて、ご主人と向き合う機会を持った彩音さんだが、やはり「夫とのセックスはいまだに苦手」だという。しかし「お互いに気持ちいいところを探っていきたい」と、前向きな発言をしていた。

この異常事態は、彩音さんにとって必要なものは何かに気付ける機会になったのだろう。自粛明け、婚外恋愛相手の関係が激変するという人は多いのかもしれない。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「早くラブホでセックスしたい」新型コロナ騒動で“自粛中”……不倫中の二児の母、魂の叫び

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

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 新型コロナウイルス感染の恐怖が、日々私たちを追い詰めている。テレワークを余儀なくされてストレスを抱える人や、仕事を失ってしまった人、ストックが残り一つしかないトイレットペーパーを眺めて途方に暮れる人など、誰もが少なからず、新型コロナ騒動の影響を受けているだろう。

 漠然とした不安に包まれる中、たった一つの希望を胸に、現状に立ち向かう女性に話を聞いた。

「私の希望は、早くラブホで彼とクタクタになるまでセックスすることです! そのために今、頑張っていますよ」

 今回お話を聞かせていただいた菜美さん(仮名)は、30代になる二児の母だ。現在はご主人と共にフルタイムのテレワークをしている。

「うちの会社、古い体質なので『いかなるときも出社、残業こそが正義』って感じなんです。私は、下の子どもが休校になっちゃったから、早い段階でテレワークになりましたけど、役職がついている上司や派遣社員さんは、いまだに平常営業していますよ」

 「ラブホで彼とセックスしたい」と語った、菜美さんは、一見「ごく普通の優しいママ」だ。派手すぎず地味すぎない、ブラウスにガウチョパンツという、ごく一般的なオフィスカジュアルファッションを身につけ、明るい色に染めたボブには柔らかいウェーブがかかっている。にっこり笑うと目尻が下がり、癒やし系の印象である。

 菜美さんがご主人と結婚したのは10年以上前のこと。

「こんなこと言うのはおこがましいんですけど、旦那と会った時に『この人は私にぴったり』って思ったんですよ。私、たぶん全てにおいて『平均点』だと思うんですね、学歴も、ルックスも、特技も、性格も。卑下しているわけでもなんでもなくて、物心ついた頃から、漠然と感じてました。だから合コンで旦那と会った時、『あ、この人は可も不可もない私と同じ』って思ったんです」

 菜美さんは合コンで知り合ったご主人と意気投合し、1年半の交際を経てゴールインした。その後、菜美さん夫婦は二人の子宝に恵まれる。実の母と義母に助けられ、二児の育休を経てから、フルタイムでの仕事に復帰。数年前には念願のマイホームも購入した。

 一見すると極上の“安定した生活”を送っているように感じられるが、菜美さんを支えていたのは「彼」の存在であった。

「相手は大学時代の元カレです……とは言っても、当時は別にがっつり付き合っていたわけじゃないので、向こうはもしかしたら私のことをセフレだと思っていたかもしれませんけど。今でも似たようなものですね」

 菜美さんの婚外恋愛相手の「彼」は、大学時代、サークル内で一目置かれる存在であった。

「背が高くて顔が小さくて、オシャレで明るくて、自然と周りに人が集まるタイプの人でした。当時、彼には特定の恋人がいたんですけど、サークルの飲み会の時に、泣きながら『好き!』って伝えたら、部屋に誘ってくれて……憧れの人に抱いてもらったあの時の気持ちは、今でも忘れません」

 大学を卒業した後、彼とは自然消滅をしたそうだが、30代に入り、同じサークルに所属していたカップルの結婚式で菜美さんと彼は再会し、再び男女の関係となる。

「彼も家庭を持っています。もちろん私もそうですが……家庭を捨てて彼と一緒になろうなんて微塵も思いませんよ。どう考えても、『平均点』の私に、彼は不釣り合いです。ただ、私は数カ月に一度ある、彼からの気まぐれな連絡に助けられてます」

 彼からの気まぐれな連絡は、いつも決まって、菜美さんの職場が忙しくなる「月末に会おう」という内容だという。「仕事が忙しい月末だと、家族にも怪しまれませんからね。それから、彼はだいたい2週間前くらいに連絡をくれるんですが、これも私が仕事を調整しやすいようにという配慮。私にも、私の家庭にも気遣ってくれるところが、ちょっとうれしい」と菜美さんははにかむ。

 彼と会う日は、それまでに仕事を片付けて、定時に退社し、たがいの職場や自宅から離れた駅で落ち合うという。軽くお酒と食事を楽しんでからラブホテルへ……というのが定番だそうだ。

「平凡な私が、唯一主人公になれる瞬間ですよ。よくファッション誌に掲載されている『1カ月コーデ』の主人公みたいな感じ。あの企画って、たいてい突拍子もなくドラマチックなことが起こるじゃないですか。そういう人生ってちょっと憧れちゃうんですよ」

 毎日の仕事と育児でバタバタしている中、唯一菜美さんの清涼剤となっているのが「サークルのアイドルだった彼との時間」なのだろう。

「だからここ最近、コロナの影響で四六時中子どもたちと一緒で、三食ごはん作って食器洗って……っていうルーチンに、もう毎日疲れ果ててますよ! 早く彼に会いたい!」

 そう電話越しに菜美さんは叫んだ。

 今は、世界的に人々が疲弊している。菜美さんの魂の声を聞いて、あらためて一刻も早い新型コロナウイルスの収束を心から願った。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「早くラブホでセックスしたい」新型コロナ騒動で“自粛中”……不倫中の二児の母、魂の叫び

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

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 新型コロナウイルス感染の恐怖が、日々私たちを追い詰めている。テレワークを余儀なくされてストレスを抱える人や、仕事を失ってしまった人、ストックが残り一つしかないトイレットペーパーを眺めて途方に暮れる人など、誰もが少なからず、新型コロナ騒動の影響を受けているだろう。

 漠然とした不安に包まれる中、たった一つの希望を胸に、現状に立ち向かう女性に話を聞いた。

「私の希望は、早くラブホで彼とクタクタになるまでセックスすることです! そのために今、頑張っていますよ」

 今回お話を聞かせていただいた菜美さん(仮名)は、30代になる二児の母だ。現在はご主人と共にフルタイムのテレワークをしている。

「うちの会社、古い体質なので『いかなるときも出社、残業こそが正義』って感じなんです。私は、下の子どもが休校になっちゃったから、早い段階でテレワークになりましたけど、役職がついている上司や派遣社員さんは、いまだに平常営業していますよ」

 「ラブホで彼とセックスしたい」と語った、菜美さんは、一見「ごく普通の優しいママ」だ。派手すぎず地味すぎない、ブラウスにガウチョパンツという、ごく一般的なオフィスカジュアルファッションを身につけ、明るい色に染めたボブには柔らかいウェーブがかかっている。にっこり笑うと目尻が下がり、癒やし系の印象である。

 菜美さんがご主人と結婚したのは10年以上前のこと。

「こんなこと言うのはおこがましいんですけど、旦那と会った時に『この人は私にぴったり』って思ったんですよ。私、たぶん全てにおいて『平均点』だと思うんですね、学歴も、ルックスも、特技も、性格も。卑下しているわけでもなんでもなくて、物心ついた頃から、漠然と感じてました。だから合コンで旦那と会った時、『あ、この人は可も不可もない私と同じ』って思ったんです」

 菜美さんは合コンで知り合ったご主人と意気投合し、1年半の交際を経てゴールインした。その後、菜美さん夫婦は二人の子宝に恵まれる。実の母と義母に助けられ、二児の育休を経てから、フルタイムでの仕事に復帰。数年前には念願のマイホームも購入した。

 一見すると極上の“安定した生活”を送っているように感じられるが、菜美さんを支えていたのは「彼」の存在であった。

「相手は大学時代の元カレです……とは言っても、当時は別にがっつり付き合っていたわけじゃないので、向こうはもしかしたら私のことをセフレだと思っていたかもしれませんけど。今でも似たようなものですね」

 菜美さんの婚外恋愛相手の「彼」は、大学時代、サークル内で一目置かれる存在であった。

「背が高くて顔が小さくて、オシャレで明るくて、自然と周りに人が集まるタイプの人でした。当時、彼には特定の恋人がいたんですけど、サークルの飲み会の時に、泣きながら『好き!』って伝えたら、部屋に誘ってくれて……憧れの人に抱いてもらったあの時の気持ちは、今でも忘れません」

 大学を卒業した後、彼とは自然消滅をしたそうだが、30代に入り、同じサークルに所属していたカップルの結婚式で菜美さんと彼は再会し、再び男女の関係となる。

「彼も家庭を持っています。もちろん私もそうですが……家庭を捨てて彼と一緒になろうなんて微塵も思いませんよ。どう考えても、『平均点』の私に、彼は不釣り合いです。ただ、私は数カ月に一度ある、彼からの気まぐれな連絡に助けられてます」

 彼からの気まぐれな連絡は、いつも決まって、菜美さんの職場が忙しくなる「月末に会おう」という内容だという。「仕事が忙しい月末だと、家族にも怪しまれませんからね。それから、彼はだいたい2週間前くらいに連絡をくれるんですが、これも私が仕事を調整しやすいようにという配慮。私にも、私の家庭にも気遣ってくれるところが、ちょっとうれしい」と菜美さんははにかむ。

 彼と会う日は、それまでに仕事を片付けて、定時に退社し、たがいの職場や自宅から離れた駅で落ち合うという。軽くお酒と食事を楽しんでからラブホテルへ……というのが定番だそうだ。

「平凡な私が、唯一主人公になれる瞬間ですよ。よくファッション誌に掲載されている『1カ月コーデ』の主人公みたいな感じ。あの企画って、たいてい突拍子もなくドラマチックなことが起こるじゃないですか。そういう人生ってちょっと憧れちゃうんですよ」

 毎日の仕事と育児でバタバタしている中、唯一菜美さんの清涼剤となっているのが「サークルのアイドルだった彼との時間」なのだろう。

「だからここ最近、コロナの影響で四六時中子どもたちと一緒で、三食ごはん作って食器洗って……っていうルーチンに、もう毎日疲れ果ててますよ! 早く彼に会いたい!」

 そう電話越しに菜美さんは叫んだ。

 今は、世界的に人々が疲弊している。菜美さんの魂の声を聞いて、あらためて一刻も早い新型コロナウイルスの収束を心から願った。
(文・イラスト/いしいのりえ)

「セックスはいまだにガッツリ」だけど……50代女性が語る、“30年以上”に及ぶ婚外恋愛の終え方

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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 婚外恋愛経験者の年齢層は幅広いが、筆者が取材をしてきた中では、40〜50代の女性が比較的多い印象である。筆者自身が同世代のため、話を聞きやすいということも当然あるが、バブル世代前後の女性は恋愛に対しても勢いがあるように感じる。

 今回話を聞かせていただいた智美さん(仮名)は、「仕事に恋に、生きることに全力投球」といった50代の女性である。

「私が人生の目標にしているのは、老後資金として1億円を貯金すること。無事に定年退職をして、旦那2人で大好きなタイに移住して、静かに余生を過ごしたいと思っています」

 輝くような笑顔で智美さんはそう打ち明けてくれた。

彼以外の男に性欲が湧かない

 智美さんは、30年以上も同じ会社の上司と不倫関係にある。

「私と彼は、会社設立当初のメンバー同士です。最初は20人足らずの従業員で、ああでもない、こうでもないと言いながら事業を大きくしていき、これまでやって来ました」

 設立当時、女性従業員は智美さんのほかに4人いたが、現在残っているのは彼女1人だけである。

「私が今の会社でずっとやって来られたのは、社長のヴィジョンに共感できたから。それと、そんな社長を直近で支えて続けてきた彼のことも、本当に尊敬できます」

 20代の頃、智美さんと彼は恋人同士だったこともあり、結婚も考えていたという。しかし、互いに「この人ではない」と感じたそうだ。1年足らずの交際と同棲期間を経て、別れてしまった。

「お互いに『これじゃない』感があったんですよね。一緒に仕事をする、恋愛をするには最高のパートナーだけど、家庭を築く相手ではないような……彼といると、カーッと燃えちゃうっていうのかな。仕事でも恋愛でも、彼が相手だと常に本気でガッツリいって、疲れちゃうんですよ」

 智美さんと彼とは、いまだにセックスも「ガッツリ」だと言う。年に数回、出張が重なる時が2人のデートタイムだ。

「彼とのセックスはスポーツみたいですよ! 時間をかけて愛されて、愛して、この歳になって恥ずかしいけど、毎回たっぷり時間をかけてしてます。終わったあとは2人ともぐったりして寝ちゃうの。旦那とはもう何年もないですね……私も彼以外の相手には性欲が湧かないし、旦那もたぶん、よそで解消していると思いますよ。風俗とかキャバクラとか昔から好きだったし、ちょこちょこ浮気してる気配も感じてたから」

 智美さんが今のご主人を結婚相手に選んだ理由は「穏やかな家庭を築けると思ったから」だそうだ。仕事関係で知り合った今のご主人は同い年で、彼と別れる前後に知り合い、交際を始めたという。

「体育会系でガンガン来る彼とは違って、牧歌的で明るいところに惹かれました。子どもたちも、私より旦那の方が好きだと思いますよ。仕事人間の私とは違って、旦那はそこそこ働いて、そこそこお金を稼いで、趣味や楽しい休日を過ごしたいタイプ。娘も息子も大学生なのに、今でも私抜きで、それぞれの恋人を交え、旦那とキャンプに行ったりしてます。今では私たちのような夫婦も珍しくないでしょうが、昔は娘に『パパとママは性別が逆に生まれてきちゃったね』なんてよく言われてました」

 そんな智美さん夫婦だが、年に一度は、夫婦水入らずでタイに旅行に行くそうだ。

「新婚旅行で行ったタイに魅了されてしまって。今でも一緒に行きます。旦那のことは嫌いじゃないんですよ、むしろ大好き。彼とは違う意味で『好き』なんです」

 彼とこんなに長い間不倫関係を続けてきたのは、「結局、仕事を頑張るためなんだと思う」と智美さん。設立当初から同じ会社にいて、会社を大きくするために働き続けた同士として、彼の存在は絶対的なのだという。

「今となっては『割り切った関係』に見えるでしょうが、30年間、家庭を持つ身でありながら、彼への思いが募ることに、悩む日も少なくありませんでした。彼が同性だったら……って、数えきれないほど想像しましたよ。そしたら私たちは大親友で、戦友で、体なんて重ねなくてもわかり合える関係になれたんだろうなって。恋愛感情なんてなければよかった。そしたら、こんなにつらくなることはなかったんです」

 智美さんは最後に、人生設計の1つとして、「定年退職を機に、彼からも卒業をすること」を付け加えた。その言葉に、智美さんの中で30年間渦巻き続けた“背徳感”を垣間見た気がした。
(文・イラスト/いしいのりえ)

妻の不倫ブログを数年間追い続ける“サレ夫”……「財産はビタ一文渡さない」離婚への執念

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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 最近、パートナーに婚外恋愛をされた夫を「サレ夫」、妻を「サレ妻」と言うらしい。これらのワードはネット上で広く知れ渡り、「サレ夫」「サレ妻」が集まる掲示板では、パートナーへの愚痴や復讐方法について、日夜盛んに意見交換がされていることもある。

 この連載では、いつも婚外恋愛をしている女性に話を聞いているが、今回は趣向を変えて「サレ夫」に取材を行った。

「ようやく私の我慢が実る時が来る……そう考えると今からワクワクしますよ。もしかしたら僕も、生涯最後の恋愛ができるかもしれない、なんて考えたりして」

 そう語る仁さん(仮名)は、現在妻と家庭内別居中だ。結婚して20数年、郊外に家を建て、2人の子宝にも恵まれた。専業主婦である3歳年上の妻と不仲になったのは、今から約2年前のことだという。

「上の子どもが独立して、自宅を出ていき、下の子が成人した頃からですね……原因は、妻の様子が次第に変わってきたこと。もともと妻は気が強い方だったのですが、年を重ねるごとにヒステリックになってきて」

 仁さんは当初「更年期障害なのかな?」と思っていたというが……。

「そうではなく、潜在的にそういう性格だったんでしょうね。最近の言葉だと『毒親』っていうんですか? 思い返せば、昔から、子どもたちに対しては威圧的な態度で接することも多かったです」

 奥さんの高圧的な態度の矛先が、子どもから仁さんに向けられるようになったということなのかもしれない。「あなたの帰りが遅くて食事の片付けができない、風呂に入れない」など、朝から晩までガミガミと仁さんに当たるようになったのだという。

「妻の言い分もわかりますが、とにかくヒステリックな態度がきつくって。下の子も、母親にあれこれ高圧的に言われるのがストレスになるようで、春からは一人暮らしをすると言っています。でも、怒りの矛先が子どもから私に向き始めたのには、上の子が家を出たから以外、別の理由があったんですよ」

 それは、奥さんが長年交際していた男性と別れたからだという。仁さんが妻の婚外恋愛を知るきっかけになったのは、近所のパパ友からの忠告であった。専業主婦である仁さんの妻を、「営業先のターミナル駅で何度か見かける」と教えてくれたそうだ。

「僕たちの住む場所とは明らかに無関係のところですしね……しかもあそこは、都内では有名なラブホ街じゃないですか。僕と妻は、年に数回はセックスをしていたし、それほど仲が悪いわけではなかったんですが、パパ友からその話を聞いた時、どこか『あぁやっぱり浮気してたんだ』と腑に落ちる部分があった。実はそれ以前から、妻の些細な行動に疑いを持っていたんですよ。携帯電話を風呂場まで持ち込んだり、無駄に元気で明るい日があったり。デイタイム会員だったジムの会員を終日会員に変更して、家で夕食を食べた後にもジムに行くようになったりとか……」

 妻の不倫に疑いを持った仁さんは、証拠を掴むために妻が使用しているSNSなどをしらみつぶしに当たった。

「決定打だったのは妻のパソコン履歴でした。妻は自分の不倫日記をブログで公開していたんですよ」

 それから仁さんは、妻のブログを日夜追い続けるようになった。2人の子どもが社会人になったら離婚し、「妻からはもちろん、相手の男からも慰謝料を取るため」だという。

「でも、今年の春から、ぱったり更新がなくなっちゃったんですよね。そして、妻のヒステリーが激しくなったのはそれからなんです」

 関係に終止符が打たれたことを確信したのは、夏が来る前に不倫ブログで公開された「最後の更新」というエントリーだったそうだ。

「ブログを知ってから、妻の行動とブログの内容を全てメモしてあります。下の子どもが来年の春に家を出たら、これを持って弁護士の方に相談しに行くつもりです。私はこう見えても、結構、収入があるんですよ。この金も財産も全て子どもたちに託したい。妻にはビタ一文も渡しません。むしろ金をふんだくってやりますよ……そのためにこの数年我慢をして、妻がほかの男と浮かれているブログを追い続けていたんです」

 そう語る仁さんの笑顔は、どこかたくましく輝いてすらあった。令和初めてとなる来年の春、仁さんには穏やかな日常が訪れているのだろうか。
(文・イラスト/いしいのりえ)