「米を送ってくださることも……」刑務所ライブ20年“受刑者のアイドル”と、懲役通算12年の元女囚が語る「受刑者と慰問」

 本誌連載「知られざる女子刑務所ライフ」が好評で、『女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)として書籍化もされている元女囚・中野瑠美さんと、刑務所や少年院でのコンサート歴20年以上、その回数は504回にも上る“受刑者のアイドル”Paix²(ペペ)の2人が、受刑者の気持ちや慰問活動の葛藤を話します。

前編はこちら

息子を少年院に行かせてしまった

――懲役12年の瑠美さんが更生されたのは、どのようなきっかけだったのですか?

中野瑠美(以下、瑠美) 私が最後に逮捕された33歳の時ですね。「これで終わりにしよう。もう絶対に逮捕されないようにしよう」と、強く思えたんです。理由はいくつかあるんですが、もうムショはホンマに行きたくないと思ったことのほかに、子どもたちに申し訳ないという気持ちもありました。

 私が懲役に行ったことで、息子も少年院に行くことになってしまったんです。やっぱり「母親がいないと子育ては難しい」というのは、その通りやなと。息子は少年院に行く時に「おかんに会いたい」と言っていたそうです。これはつらかったですね。でも、息子は少年院で鍛えられて帰ってきました。

――少年院は教育が目的なので、規則なども厳しいそうですね。

瑠美 そうですね。しょっちゅう校庭を走らされていますし、勉強もさせられます。ムショは何も考えずに刑務官の指示通りに動いていればいいんですが、少年院はとにかく「自分で」考えさせられるんです。徹底的に自分に向き合うことで、出院(少年院を出ること)後もきちんと生きられるように、ちゅうことですね。自分に向き合って反省する環境にないから、ムショのほうが更生は難しいと思います。

 息子のいた少年院では、運動会でお母さんをおんぶして走る競技がありました。息子におんぶしてもらった時は感動しましたが、お母さんが来ない子も多いんです。私も寂しい思いをさせてしまって、息子のためにもクスリ(違法薬物)はもうやったらアカンなと思いました。いろいろありましたが、最終的には「覚醒剤をやめられて助かったな」と思っています。

 子どもたちにも子どもが生まれているので、孫は9人になりました。

Paix² 9人! すごいですね。

――あらためて、Paix²のお2人のプロフィールをお聞かせください。お2人は、もともとは違うお仕事をされていたんですよね?

Manami はい。私は岡山大学固体地球研究センター(現・地球物質科学研究センター)で、技術補佐員をしていました。

Megumi 私は看護師です。

瑠美 すごい(笑)。そこからの歌手なんですね。

Manami そうですね。歌手をめざしていたんですが、1998年の「日本縦断選抜歌謡祭」の鳥取県大会に出場した時に知り合いました。それで、今のマネジャーに「デュオでやってみてはどうか」と声をかけられたんです。インディーズデビューは2000年4月で、翌年の01年4月に日本コロムビアより「風のように春のように」でメジャーデビューしました。

瑠美 もう結成20年なんですね。

Megumi はい。インディーズ時代の00年9月に地元の鳥取県警倉吉警察署の「一日警察署長」を務めさせていただいた時に、署長さんから「歌がさわやかだから、刑務所の慰問をしてはどうか」とライブを勧められたんです。そこで、同じく地元の鳥取刑務所でやってみようということになりました。

Manami 私たちは鳥取県内ではテレビやラジオにも出ていたので、職員さんとのお話もすぐにまとまりました。

――そこからの「ライブ500回超え」なんですね。100%「ボランティア」だそうで、とても大変だと思います。マネジャーさんと3人で、自動車に機材を積んで全国の施設を回られているんですよね。

Manami はい。15年4月に法務省矯正支援官を委嘱されてからは、プリズン・コンサートに関する交通費などは経費としていただいていますが、採算は合わないですね。

Megumi それでもいろんな方に支えていただいて、ここまで来られました。やりがいはあります。

――出所後に、一般のライブに来てくださる元受刑者さんもいるそうですね。

Manami はい。会場に来られてCDを買ってくださる方もいらっしゃいます。

――そういう方もおられるのですね。きっと立派に更生されているのでしょうね。

Megumi そうですね。また、私たちの音楽活動を知って、お米などを送ってくださることもあります(笑)。「食えてるのか心配」などと、家族のように見守っていただいています。プリズン・コンサートを通じて、人の心の温かかさを知ることもできました。

――温かいですね。でも、今はコロナでライブはできないんですよね。

Manami はい。ようやく21年12月8日に都内でお客様に来ていただくライブを開催することができましたが、プリズン・コンサートは2年も開催できていません。

Megumi それで、この日のライブ映像をDVDにて全国の刑務所や少年院にお送りするための経費をクラウドファンディングで募ったら、なんと200%以上のご支援をいただきました。この場を借りて皆様に御礼申し上げます。
https://camp-fire.jp/projects/view/512360

瑠美 200%はすごいですね。おめでとうございます。

――すばらしいですね。また、プリズン・コンサート以外でもご活躍ですね。出身地・鳥取県の日本酒PRソング「日本酒で乾杯!~ふるさと鳥取ver.~」も歌われています。

Manami 鳥取県の日本酒は、とてもおいしいですよ。21年3月には、インド向けに鳥取県の日本酒を宣伝するための「英語バージョン」も作ったので、ぜひ聴いてみてください。県内13の蔵元が協力して、日本酒のおいしさをアピールしています。

瑠美 おもしろいことやっているんですね。

――更生支援は社会的にも重要と思いますが、刑務所の慰問については「悪者(受刑者)を応援するのはけしからん」という批判もあるようです。

Megumi そうですね、私たちもコンサートを始めて10回目くらいから葛藤がありました。塀の外には「被害者」の方がいて、塀の中には「加害者」の皆さんがいる……。最初は喜んでいただこうと思っていましたが、10回くらいライブをやっていると、「楽しいだけじゃだめだな」と思うようになりました。

Manami 演奏を聴きながら「自分はなぜ刑務所にいるのか」を考えていただけるように、受刑者のご家族からのお手紙を紹介したりしていたんです。そうしたら、「早く社会復帰したい」というような感想文が増えてきましたね。受刑者の方にも温かい気持ちになってほしいですね。

瑠美 懲役も人間やから「居場所」が欲しいんですよね。

Manami 居場所がなければストレスがたまりますし、ストレスが増えればトラブルも増えますね。

Megumi 「当たり前」の生活を送れない人たちの更生を支援するというより、私たちが「収容者と同じ目線に立つ」ことで社会の理解も得られるかなと思います。

Manami 受刑者の皆さんと真剣に向き合うといいますか、「心のスイッチを押す」ことですね。これはうちのマネジャーの言葉なんですが、スイッチを押すのは「愛」なんですよ。

瑠美 私も刑務所で、家族への愛は大事だと思いました。これからは私も入れていただいて、Paix³(ペペペ)でどうですか?(笑)

Paix² ぜひ! ありがとうございます(笑)。

【プロフィール】
中野瑠美(なかの・るみ)
懲役通算12年(すべて覚醒剤事件)の体験をつづったサイゾーウーマンの連載が好評。現在はラウンジ経営者やユーチューバーとしても活躍する。連載記事を2018年に『女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)として刊行。
オフィシャルブログ:https://profile.ameba.jp/ameba/rumi1209n/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCBAPOeHNGhG5zznedulARog

Paix²(ぺぺ)
鳥取県出身のManami(北尾真奈美)とMegumi(井勝めぐみ)による女性デュオ。「Paix」(発音は「ペ」)はフランス語で「平和」の意味。2人なので二乗して「Paix²」に。アルバムに『しあわせ』(2015年、日本コロムビア)、著書に『塀の中のジャンヌ・ダルク Paix²プリズン・コンサート五〇〇回への軌跡』(20年、鹿砦社)。14年9月に法務省より保護司任命、15年4月に同省矯正支援官を委嘱されるなど矯正支援でも活躍中。
オフィシャルサイト:https://paix2.com/

「コスメ好きの客は独特」「新人BAは化粧が変」ーー現役BAの本音座談会

 都内の大型百貨店に勤めるBAさん3人に集まっていただき、座談会を開催。前編では、ストーカーやクレーマーなど、難しい客対応について聞きました。後編では、厳しい女社会についての本音が続々と飛び出します。

(前編はこちら)

■営業の男と付き合って、栄転し本社勤務に

――BAって、残業はあるんですか?

オン眉 あるある! 全然ありますよ! 日中はずーっと接客だから、そのほかの事務作業ができないんです。商品の補充とか発注とか、お客様への配送手続きとか。それらは全部、勤務時間が終わってからの残業になります。

――そうなんですか。結構やることが多いんですね。

ヤスコ でも、中には古株の先輩に気に入られるために、「進んで残業やります!」って人もいますよ。ファイトさんがいたときのうちの店舗は、本当に戦国時代みたいだった。古株先輩の言うことは絶対! みたいな感じで、みんな従ってましたよね。

オン眉 犠牲心の強い人が多かったですよね。上が言うことは絶対、みたいな。そういう人は、ずーっと残業してるから、店に住んでるのかな? って心配になりました。今は、上の人が一気に異動してくれたおかげで、緩やかになったけど、当時は大変でした。

――ブラック企業みたいですね。

ファイト 「帰っていいよ」と言われても帰らないのが基本スタンス。本当に帰るやつはいらない。帰らない子だけをかわいがる。

――たとえば古株の先輩に気に入られて、何かメリットがあるんですか?

ヤスコ うーん、お店の中で融通が利きやすくなる……くらいですかね? あと出世願望の強い人にとっては、メリットがあると思います。やっぱり先輩や上司に気に入られたほうが、何かとトクすることも多いですから。

――なるほど。

ヤスコ これは、別の店舗の子から聞いた話なんですが、本社営業の男と付き合って、本社勤務に栄転した人もいるらしいです。

――それって、いわゆる、“枕営業”ですよね? 

ヤスコ そうですね。あくまで聞いた話なので、真相は不明ですけど。

オン眉 そうでなくても、本社から来る営業の男の人って、モテるんですよ。BAは女だらけの職場なので、プライベートで男との関わりがない人は、営業が来るだけで舞い上がっちゃうんです。露骨に頬を赤らめてる人もいますよ。

ヤスコ 営業さんとの飲み会がある日に、わざわざ希望休(シフトの休み希望)出して、新しい洋服買ってから行くっていう人もいるくらいです。

――すごい。合コンみたいですね。

ファイト まさに、そんな感じですね。そして、そういう気合入った先輩に限って、徒党を組みたがる。お気に入りのメンバーを5人くらい囲って、味方につけるんです。それで自分の地位を確立して安心してるんですよ。

――皆さんは、お気に入りではないんですか?

ファイト 最初は飲み会とか誘われてたけど、こいつはダメだなって思われたのか、途中から何も言われなくなりました。

ヤスコ・オン眉 私も。

――まったく派閥に属さない人もいるんですね。

ファイト そういう派閥とか作っちゃう女にはなりたくない。なる前に辞めたい。

ヤスコ このまま働き続けると、ああなっちゃうって、成れの果てを見せられてる感じですよね。その前に絶対、寿退社したいなって思ってます。

――皆さん、長く続けられてますが、辞めない理由って何かあるんですか?

ファイト 理由なんかないですよ。辞められるなら、ただちに辞めたい。転職活動も何回かしてるけど、うまくいかないだけです。

オン眉 結局、人手不足だから、気軽に辞められないというのもあります。「辞めたい」って言っても、めちゃくちゃ止められますよね。

ファイト 私、「辞めたい」って言って、店長に泣かれたことがあります。「今あなたに辞められると、私が本当に困る」って。こっちも困ってるんですけど……って話。その人の涙に負けて、結局続けることになっちゃったけど。

――何が理由だったら辞められるんですかね?

3人 結婚。

ヤスコ ほとんどが寿退職です。結婚決まったら辞められるっていう、暗黙の了解みたいになってる。

ファイト 逆に言うと、結婚してまで続ける仕事じゃないってことなんですよね。家庭と両立させたい仕事と考えてる人は少ないと思う。実際に、うちの店舗は全員独身。

――そうなんですね!

ファイト 中には、熱意持って仕事してる子もいるにはいるけど。コスメが大好きだからという理由で入ってきた新人は、休みの日も「他店研究に行ってました〜」とか言ってるし。でも、そういう子は大抵おかしい。化粧も変だし。コスメ好きな子って、こだわりが強い。自分を信じすぎてるから、客観的に見ることが苦手なんだと思う。

ヤスコ お客さんでも、コスメ好きの人って独特ですよね。

――独特って、どんな感じなんですか?

ヤスコ 普通の人は、雑誌で見て気になった商品を買いに来るって感じなんですけど、コスメオタクは、コスメカウンターを物色するのが趣味。だから、こっちが声かけても無視。仲間と一緒にコスメカウンター回って、自分のお気に入りのアイテムを見つけたら「これいいの〜」って紹介が始まる。私たちは、そのプレゼンテーションを延々と見せられてます。

ファイト 「これ使ってる」って言うためだけに寄る人は多いです。逆にうちらがプレゼンされます。「これ、こんなに良くて、こんなふうに肌が変わった!」って。へ〜、よかったですね〜、みたいな……。

――想像以上に、BAの世界が面白いってことがわかりました。

ファイト でも、一口にBAと言っても、お店によってかなり毛色が違うと思います。国産か外資か、スキンケアラインかコスメラインか……とか、いろいろあるんですよ。国産のスキンケアブランドはマシって聞きます。ブランドにもよると思うけど、国産って厳格なノルマがないんです。インセンティブもないから、お客さんの奪い合いもない。でも、外資のブランドは本当に奪い合いみたいです。

――自分の売り上げを伸ばすためにですか?

ファイト そう。最初にお客さんに声かけた人の売り上げになるから、「お客さん取った!」ってなるんです。誰が一番に声かけられるかって競争。でも、ネイルを見てる客がいたら、下っ端に行かせるんだって。ネイルって単価が安いから、売り上げにならないって敬遠される。でも、高いスキンケア商品を見てる客には、先輩たちが自分で行く。単価が取れるから。

――そんな争いがあるんですね!

オン眉 同じフロアの外資ブランドの子は、「金持ちそうな客を見つけたら、自分で行く」って言ってましたよ。

ヤスコ あと、インバウンド(訪日旅行)の客に飛びつく美容スタッフもいますよね。中国人の爆買い目当てで。

――コスメも、そんなに爆買いしていくんですか?

ヤスコ 爆買いですよ! 2日間に分けて買いにきたりとか。中国人のバイヤーがまとめ買いして、現地で売ってるんですよ。

オン眉 商品券や株主優待券で買っていきますよね。

ファイト そう! できるだけ安く買ってく。それをいくらで転売してるのかは知らないけど。

ヤスコ あと、インバウンド専門みたいなBAもいますよ。インバウンドの客に寄ってきてもらうために、勝手にサンプルをたくさんつけて、顔を覚えてもらうんです。それで、次に来たときも、自分を目がけて来てもらえるようにしてる。セコいんですよ。

――なるほど。その人は今どうしてるんですか?

ヤスコ インバウンドが多く来る店に異動しました。

ファイト 今も、中国人にサンプルをたくさん配ってると思う。きっと元気でやってますよ。

「コスメ好きの客は独特」「新人BAは化粧が変」ーー現役BAの本音座談会

 都内の大型百貨店に勤めるBAさん3人に集まっていただき、座談会を開催。前編では、ストーカーやクレーマーなど、難しい客対応について聞きました。後編では、厳しい女社会についての本音が続々と飛び出します。

(前編はこちら)

■営業の男と付き合って、栄転し本社勤務に

――BAって、残業はあるんですか?

オン眉 あるある! 全然ありますよ! 日中はずーっと接客だから、そのほかの事務作業ができないんです。商品の補充とか発注とか、お客様への配送手続きとか。それらは全部、勤務時間が終わってからの残業になります。

――そうなんですか。結構やることが多いんですね。

ヤスコ でも、中には古株の先輩に気に入られるために、「進んで残業やります!」って人もいますよ。ファイトさんがいたときのうちの店舗は、本当に戦国時代みたいだった。古株先輩の言うことは絶対! みたいな感じで、みんな従ってましたよね。

オン眉 犠牲心の強い人が多かったですよね。上が言うことは絶対、みたいな。そういう人は、ずーっと残業してるから、店に住んでるのかな? って心配になりました。今は、上の人が一気に異動してくれたおかげで、緩やかになったけど、当時は大変でした。

――ブラック企業みたいですね。

ファイト 「帰っていいよ」と言われても帰らないのが基本スタンス。本当に帰るやつはいらない。帰らない子だけをかわいがる。

――たとえば古株の先輩に気に入られて、何かメリットがあるんですか?

ヤスコ うーん、お店の中で融通が利きやすくなる……くらいですかね? あと出世願望の強い人にとっては、メリットがあると思います。やっぱり先輩や上司に気に入られたほうが、何かとトクすることも多いですから。

――なるほど。

ヤスコ これは、別の店舗の子から聞いた話なんですが、本社営業の男と付き合って、本社勤務に栄転した人もいるらしいです。

――それって、いわゆる、“枕営業”ですよね? 

ヤスコ そうですね。あくまで聞いた話なので、真相は不明ですけど。

オン眉 そうでなくても、本社から来る営業の男の人って、モテるんですよ。BAは女だらけの職場なので、プライベートで男との関わりがない人は、営業が来るだけで舞い上がっちゃうんです。露骨に頬を赤らめてる人もいますよ。

ヤスコ 営業さんとの飲み会がある日に、わざわざ希望休(シフトの休み希望)出して、新しい洋服買ってから行くっていう人もいるくらいです。

――すごい。合コンみたいですね。

ファイト まさに、そんな感じですね。そして、そういう気合入った先輩に限って、徒党を組みたがる。お気に入りのメンバーを5人くらい囲って、味方につけるんです。それで自分の地位を確立して安心してるんですよ。

――皆さんは、お気に入りではないんですか?

ファイト 最初は飲み会とか誘われてたけど、こいつはダメだなって思われたのか、途中から何も言われなくなりました。

ヤスコ・オン眉 私も。

――まったく派閥に属さない人もいるんですね。

ファイト そういう派閥とか作っちゃう女にはなりたくない。なる前に辞めたい。

ヤスコ このまま働き続けると、ああなっちゃうって、成れの果てを見せられてる感じですよね。その前に絶対、寿退社したいなって思ってます。

――皆さん、長く続けられてますが、辞めない理由って何かあるんですか?

ファイト 理由なんかないですよ。辞められるなら、ただちに辞めたい。転職活動も何回かしてるけど、うまくいかないだけです。

オン眉 結局、人手不足だから、気軽に辞められないというのもあります。「辞めたい」って言っても、めちゃくちゃ止められますよね。

ファイト 私、「辞めたい」って言って、店長に泣かれたことがあります。「今あなたに辞められると、私が本当に困る」って。こっちも困ってるんですけど……って話。その人の涙に負けて、結局続けることになっちゃったけど。

――何が理由だったら辞められるんですかね?

3人 結婚。

ヤスコ ほとんどが寿退職です。結婚決まったら辞められるっていう、暗黙の了解みたいになってる。

ファイト 逆に言うと、結婚してまで続ける仕事じゃないってことなんですよね。家庭と両立させたい仕事と考えてる人は少ないと思う。実際に、うちの店舗は全員独身。

――そうなんですね!

ファイト 中には、熱意持って仕事してる子もいるにはいるけど。コスメが大好きだからという理由で入ってきた新人は、休みの日も「他店研究に行ってました〜」とか言ってるし。でも、そういう子は大抵おかしい。化粧も変だし。コスメ好きな子って、こだわりが強い。自分を信じすぎてるから、客観的に見ることが苦手なんだと思う。

ヤスコ お客さんでも、コスメ好きの人って独特ですよね。

――独特って、どんな感じなんですか?

ヤスコ 普通の人は、雑誌で見て気になった商品を買いに来るって感じなんですけど、コスメオタクは、コスメカウンターを物色するのが趣味。だから、こっちが声かけても無視。仲間と一緒にコスメカウンター回って、自分のお気に入りのアイテムを見つけたら「これいいの〜」って紹介が始まる。私たちは、そのプレゼンテーションを延々と見せられてます。

ファイト 「これ使ってる」って言うためだけに寄る人は多いです。逆にうちらがプレゼンされます。「これ、こんなに良くて、こんなふうに肌が変わった!」って。へ〜、よかったですね〜、みたいな……。

――想像以上に、BAの世界が面白いってことがわかりました。

ファイト でも、一口にBAと言っても、お店によってかなり毛色が違うと思います。国産か外資か、スキンケアラインかコスメラインか……とか、いろいろあるんですよ。国産のスキンケアブランドはマシって聞きます。ブランドにもよると思うけど、国産って厳格なノルマがないんです。インセンティブもないから、お客さんの奪い合いもない。でも、外資のブランドは本当に奪い合いみたいです。

――自分の売り上げを伸ばすためにですか?

ファイト そう。最初にお客さんに声かけた人の売り上げになるから、「お客さん取った!」ってなるんです。誰が一番に声かけられるかって競争。でも、ネイルを見てる客がいたら、下っ端に行かせるんだって。ネイルって単価が安いから、売り上げにならないって敬遠される。でも、高いスキンケア商品を見てる客には、先輩たちが自分で行く。単価が取れるから。

――そんな争いがあるんですね!

オン眉 同じフロアの外資ブランドの子は、「金持ちそうな客を見つけたら、自分で行く」って言ってましたよ。

ヤスコ あと、インバウンド(訪日旅行)の客に飛びつく美容スタッフもいますよね。中国人の爆買い目当てで。

――コスメも、そんなに爆買いしていくんですか?

ヤスコ 爆買いですよ! 2日間に分けて買いにきたりとか。中国人のバイヤーがまとめ買いして、現地で売ってるんですよ。

オン眉 商品券や株主優待券で買っていきますよね。

ファイト そう! できるだけ安く買ってく。それをいくらで転売してるのかは知らないけど。

ヤスコ あと、インバウンド専門みたいなBAもいますよ。インバウンドの客に寄ってきてもらうために、勝手にサンプルをたくさんつけて、顔を覚えてもらうんです。それで、次に来たときも、自分を目がけて来てもらえるようにしてる。セコいんですよ。

――なるほど。その人は今どうしてるんですか?

ヤスコ インバウンドが多く来る店に異動しました。

ファイト 今も、中国人にサンプルをたくさん配ってると思う。きっと元気でやってますよ。

現役BAが暴露! クレーマー、常連太客……華やかな化粧品売り場の過酷な実情

 デパートの1階にあるコスメカウンター。そこに待ち構えるのは、キラキラしたビューティーアドバイザー(BA)たち。バッチリメイクで立ち仕事は、いかにも疲れそうで、加えて女の園ゆえ、人間関係も難しいのでは……? ということで、都内の百貨店に勤めるBAさん3人に集まっていただき、座談会を開催。華やかな化粧品売り場の裏側に迫った。

<参加者プロフィール>
ファイト:33歳、BA歴8年。都内大手百貨店A勤務。他2名の参加者とは、前の店舗で一緒だった。客を引き寄せるトーク力に定評あり。
ヤスコ:32歳、BA歴5年。都内老舗百貨店B勤務。嫌いな客のタイプは、せっかちな人。
オン眉:31歳、BA歴6年。都内老舗百貨店B勤務。彼氏いない歴も6年。

■BAに会いたい……恐怖のストーカー

――今日の座談会は、「知られざるBAの裏側」について語っていただければと思います。某ブランドのBAさん、3名にお集まりいただきました。皆さん、都内の百貨店に勤務してらっしゃるということで、かなりいろいろな経験をしてこられたのではないでしょうか?

オン眉 確かに給料が安い割に、やることは多いし、人間関係も含めて、結構ハードかもしれない。私の後輩で、常に辞表を持ち歩いてる子がいますよ。

――えっ! いつでも辞められるようにということですか?

オン眉 そうそう。いつも愚痴ってる。でも、持ってるだけで、まだ辞めてないですけどね。

――やっぱり、ストレスのたまる仕事なんですね。 

ファイト たまるたまる。前にうちの百貨店に変質者が来て、大声で「死ぬ! オレはもう死ぬ!」って言いだしたんです。それ聞いた先輩が、「こっちが死にてぇよ!」ってつぶやいてるのが印象的だった。「叫んでる変質者がうらやましい」って……。その先輩はまだどこかの店で、ストレスと戦いながら続けてるはず。

――なんか、初っぱなからすごい話題ですね。具体的には、どんなことでストレスがたまるんですか?

ファイト 接客業だから、変な客は来ます。うちみたいに大型の店舗になると、それこそ平日でも100人くらいの客は来ますからね。私が今までで一番キモかった客は、ストーカー。週3回くらい来てました。

――ええ! そもそもストーカーって、どういうことですか?

ファイト 婚活パーティーで1回だけ会った人なんだけど、どういうわけか気に入られちゃって、連絡先も交換してないのに、仕事先を突き止められたんです。多分、SNSで名前検索されたんだと思う。ヤバイよね。電車の中で視線感じるなと思ったら、真後ろにいたことがありますよ。

――超怖いですね!

ファイト ストーカーネタもいろいろあるけど(笑)、とにかく、そいつが週に3回くらいお店に来るんです。「彼女に頼まれて買いに来ました」とか言うんだけど、嘘バレバレなのね。しかもそのストーカー、頭が回るので、製造中止になったネイルをわざわざ取り寄せするわけ。店まで来て、私が店頭に立ってるのを確認してから、電話してくるの。「頼んでたネイル届いてますか〜?」って。私が店にいるの知ってるから、担当させようとしてるんだよね。

ヤスコ あの時期、やばかったですよね。ファイトさん、めっちゃ狙われてた。

ファイト そうそう。でもヤスコが機転利かせてくれて、「ネイル届いてません」って言ってくれたから、難を逃れた。本当は届いてたんだけど。

オン眉 朝のミーティングのときに、共有事項として全員に周知されましたよね。「ファイトさんのストーカー来るから気をつけて」って。

――でも、お客さんとして来るから、難しいですよね。出入り禁止にできたらいいけど……。

ファイト 実害がないから、出禁は難しいんです。会社もSNSで悪口拡散されるのを恐れてるから、簡単には出禁にさせてくれないと思う。でも、スタッフが皆、優しくて、ストーカーから遠ざけてくれてた。でも結局、気持ち悪いのに耐えられなくて、店を異動させてもらった。だから今は平気。でも、また来るかもしれないって思うと、キモい。

――普通に通報していいくらいのレベルですよね。

ヤスコ ファイトさんのストーカーは、かなり特殊です。フツーにムカつく客もたくさんいますよ〜。今日も一番最後に接客した人は、すごく感じ悪かった。

――どんな人ですか? ここで吐き出して、成仏させましょう!

ヤスコ 常連さんの中には、「私のことわかってて当たり前だよね?」みたいな客が多いんですよ。そういう人には、名前を聞いちゃダメなんです。

――1回で覚えないといけないんですね。

ヤスコ そうそう。「お名前こちらでご登録ありますか?」って言うと、「当たり前でしょ!? あんた、あたしのこと知らないの!?」くらいの勢いで来る。いや、こっちは「知らないし……」って感じですよ。直接担当してない場合もあるから。これはBAの中でも“超あるある”です。

オン眉 うちらみたいに超大型店舗だと、年間30万円以上使う常連さんが何百人もいるから、いちいち覚えられないんです。

ヤスコ そうなんです! 今日来た客も、そういう感じ悪い常連で、雑誌に掲載されてた新製品があるか聞かれたから、「こちらですか?」って商品見せたら、「ハッ? 違うんだけど!」って。そんな感じ悪く言う必要ありますかね。70歳くらいのお婆さんですよ。

オン眉 私もこの前、オバサンのクレーマーに対応しました。閉店間際に走ってきて、「ファンデーション、返品したい!」って。もう、走ってきて突然そんなこと言うとか、絶対普通じゃないですよね。でも、よくよく話を聞いてると、うちのブランドの商品だけど、別の店舗で接客されて買ったものだったんです。「こっち悪くないよね……」って、心の中でひたすら思いました。

ファイト でも同じブランドだから、謝らなきゃいけないんですよね。「申し訳ありません」って。

ヤスコ 理不尽ですよね〜。殴り込みに来る店、間違えてるのに。

■即売してくれなかったら、自分に何か問題がある

――それで、どうなったんですか?

オン眉 違う店舗で買ったものなので、うちでは返品手続きできないんですよ。でも、相手は「今すぐ返品したい」と言って譲らない。仕方ないので、購入した店舗に電話して、後日返品処理するという話で、なんとか納得してもらいました。返品する際に、別のファンデを買いたいと言われたんですけど、それは丁重にお断りしました。これもBAあるあるで、クレームつけてきた客には基本的に売りません。またすぐ返品してきて面倒くさいからです。

――へえ、そうなんですね! 知りませんでした!

ファイト 「一日様子を見て、お考えください」って言って断ります。サンプルだけ渡して帰ってもらうとか。とにかく、買ってもらわないようにする。だから、お客さんたちは、BAが即売してくれなかったら、自分に何か問題があるって察してほしいですね。

――勉強になります。

(後編へ続く)

トラウマ、不倫、セフレ……不毛な恋愛を抜け出すキーワードは「脱皮」

【ハピズムより】

(前編はこちら)

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厳しい愛の御言葉、お願いします!

TO-RU Bさんの不毛な恋愛は、どのような感じなの?

B 私は過去、カラダの関係から入ってしまったフリーライターの彼がいて……。普通のカップルのように遊びにも行くし、優しいんですけど、彼は「俺たちは付き合ってはいない」「お前と結婚する気はない」って言うんです。周りから見たら、ただのセフレですよね。それでけっこう精神的にきてしまったんです。でも、「付き合ってはないけど、会ったり肌が触れ合ったりできる関係」と「別れる」の二択だったら、どちらもつらいけど、やっぱり前者を選んでしまうんです。

TO-RU Bさんは金星星座蟹座なので、優しいけど相手をコントロールしたがる傾向かも。でもね、ピタッとした相手に出会うと、結婚できると思うわよ。蟹座って愛情も深く世話好きだから、実は一番結婚向きの星座なの。本当は優しいのに、優しい自分を見られたくないのよ、あなた。マスコミ好きって言ってるけど、なんかそれってフワフワしてるでしょ。蟹座はフワフワした見せかけの流行に流されやすいの。だから、そんなフワフワした感じに自分を見せたいのよ。

B そうなんです! 料理してるところとか、頑張ってる姿を見られたくないんです。

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不毛の恋がトラウマに……それでも“だめんず”に惹かれてしまう星座とは?

【ハピズムより】

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助けて! TO-RUさ~ん!!

 「好きになるのは必ずだめんず」「どうしてあんな男と付き合うの? と友達にいわれるような男性ばかり愛してしまう」、そんな女性たちが日々増殖している。

 そこで今回はだめんずばかりを愛してしまう女性4名に、占い師でもあり、おねえ恋愛カウンセラーとして活躍するTO-RUさんを加えて座談会を行い、「どんな不毛の恋に陥ってしまったのか」「どうすれば不毛の恋からサヨナラできるのか」などをざっくばらんに話してもらい、だめんずにハマりやすい星座、不毛な恋をする女の星座などの特性を、“星座”の観点からビシッと分析してもらった。

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