2023年4月期から放送される春ドラマも出揃い、次々とキャストが発表されている。一番の目玉は、木村拓哉が久しぶりの月9主演を担当する『風間公親─教場0─』(フジテレビ系)となりそうだ。
そのほかにも、福山雅治が主演を務める『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)が注目を受けている。
「今期のドラマは、ラブストーリーが少ない印象で、さまざまなタイプの作品が勢ぞ…
2023年4月期から放送される春ドラマも出揃い、次々とキャストが発表されている。一番の目玉は、木村拓哉が久しぶりの月9主演を担当する『風間公親─教場0─』(フジテレビ系)となりそうだ。
そのほかにも、福山雅治が主演を務める『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)が注目を受けている。
「今期のドラマは、ラブストーリーが少ない印象で、さまざまなタイプの作品が勢ぞ…
現在放送中のTBS系火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』。橘オレコの同名マンガが原作となっており、ヒロインの早梅を二階堂ふみ、早梅を奪い合う老舗旅館の御曹司兄弟の弟・壱成を眞栄田郷敦、兄・成吾を岩田剛典(EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)が演じている。
ツンデレ高校生と正統派王子様、異なるタイプのイケメン2人がヒロインを…
8月1日、TBS系火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』の撮影現場で、主演の二階堂ふみが共演中の岩田剛典に“急接近”している、などと「日刊ゲンダイDIGITAL」が報じた。
記事によると、二階堂は芸能界で“共演者キラー”と呼ばれており、大学の先輩にもあたる岩田に対して巧みな“アプローチ”を仕掛けているというのだ。二階堂は以前「役柄にのめり込むうち、公私の境目がつかなくなってしま…
二階堂ふみ主演のTBS系火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』が、今日7月13日の夜10時から放送スタートする。同ドラマの原作は、小学館のマンガ雑誌アプリ「マンガワン」で連載中の橘オレコ著の同名作。ひょんなことからアラサーバツイチホームレスとなった桂木早梅が、金持ちの性悪イケメン高校生・片岡壱成が仕掛ける“リアル人生ゲーム”に挑む、年の差ラブコメディだ。
ヒロインを務めるのは、…
日曜ドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)も17日放送の第10話で最終回。視聴率は7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)に終わりました。初回10.6%から第2話で6.1%と急落。その後、第4話で7.0%に戻してからは、ずっと7%台をキープ。特に気に入った人も少なかったけど、離脱した人もあんまりいなかったようです。
岩田剛典くんのアイドルスマイルが存分に振りまかれた同作。最終回を中心に振り返ってみます。
(前回までのレビューはこちらから)
3カ月前、どいつもこいつも、まったくやる気のない老舗ホテル「グランデ・インヴルサ」に突然やってきた“ホテル界の革命児”宇海くん(岩田)。従業員たちに無理難題を押し付けつつ、その思慮の深さと、徹底した「お客様ファースト」によって意識改革をもたらし、ホテルは大逆転に成功。そしていよいよ、インヴルサと宇海との、お別れのときが訪れました。
宇海はこの日、とある地方のホテル「スイーブル」の従業員たちを、インヴルサに招待していました。その数、11人。インヴルサの従業員数と同じです。
彼らは、まるで3カ月前、宇海がインヴルサを訪れる以前の従業員たちと瓜二つです。料理よりギャンブルにしか興味がないシェフ、無関心な客室係、備品をくすねる清掃係……その姿を見て、インヴルサの清掃係・裕子ちゃん(川栄李奈)は、宇海がインヴルサを辞めてスイーブルに行くつもりなのではないかと予感します。ちなみにこのドラマの裕子ちゃんは「いつも予感が当たる」という設定なので、この時点で宇海がインヴルサを辞めることは確定です。
宇海は、慰留しようとする支配人の佐那ちゃん(戸田恵梨香)に、辞める理由を述べます。
「怖くなってしまったんです、この場所にいるのが」
いわく、宇海は子どものころに一度ここを訪れてからというもの、インヴルサで働くのが夢だったそうです。そして夢を叶えた今、「どんなことにワクワクしていけばいいのかわからない」「夢が現実になってしまった怖さ」「だから私は、この場所を夢のままにしたい」のだそうです。
正直、ちょっと何言ってるのかわからないんですが、基本ニコニコだった岩ちゃんが真剣な表情で語る姿は、いかにも最終回っぽいです。
その後、送別会が開かれますが、宇海はなかなか顔を出しません。これに、宇海がもう次の職場に旅立ってしまったと勘違いした従業員たちが、順繰りに宇海への感謝のスピーチを行います。みんな泣いてます。宇海もドア越しに泣いてます。そのスピーチの内容は特に展開があるわけではなく、単なるセリフによるダイジェストでしかないので、まったく面白くありませんし感動もしませんが、とにかく基本ニコニコだった岩ちゃんがポロポロと涙を流す姿は、いかにも最終回っぽいです。
そして、ひとしきりスピーチを味わってから顔を出した宇海は、なぜここでワクワクできないと思ったかを、全員に告げます。
「私はホテルマンです。お客様が第一です。なのに私、みなさんのことが、お客様より、大好きになっちゃったんです」
えーと、マジで何言ってるかわからない。ここで言うセリフが宇海という人物の総決算なのに、雰囲気しかない。要するに、面白くない。「なんか素敵」という印象しか残らない。
でも、このドラマの「なんか素敵」なだけの感じは、そんなに嫌じゃなかったんですよねえ。
『崖っぷちホテル!』は、最初から最後まで上品で楽しく、良心的なドラマであろうとしていたと感じます。
特に、第1話で明確に物語の目標を提示してから、インヴルサの従業員たちの意識改革が完遂する第6話までは、やりたいことができている感じがしました。岩ちゃんのためのアイドルドラマであるにもかかわらず、脇役たちに丁寧にエピソードを振りながら、少しずつホテルがよくなっていく。それにしたがって、従業員たちの宇海に対する評価も変化し、結果、宇海の好感度も上がっていく。とりわけディテールが優れているわけでも、展開にダイナミズムがあるわけでもないけど、安定して楽しめる作品になっていました。
その反面、全員が一人前のホテルマンに成長してからの7~9話は蛇足感がありました。このドラマは「誰かが成長する」ことを感動の主軸に置いてきたので、立派な人しかいなくなったインヴルサにドラマは起こり得なくなっていたのです。最終回でみんなが語ったダイジェストが、すべて6話までに起こった出来事だったことからも、7~9話の空っぽさがよくわかります。
最終回となった第10話は「岩ちゃんが泣く」というシーンを撮るためだけの作業みたいな脚本になっていましたが、そもそもの「アイドル岩ちゃん初主演ドラマ」という企画主旨を考えれば、許容範囲かなと感じました。
好みを言ってしまえば、7~9話はそれまでのユルさから一歩進んで、大切な思い出の客室が不始末で燃えちゃったりとか、従業員の中でも信頼の厚かった人がやむにやまれぬ理由から悪事に手を染めていて悲しい別れが訪れたりとか、「みんなが一つになったと思ったのに!」みたいな、もうちょいシビアで刺激的なお話があってもよかったかなと思いますが、それはまあ、また別の話で。ニコニコだけど正装したら吐いちゃうという宇海くんが「ついにタキシードを着る」「マジでガチなお話をする」「泣いちゃう」というそれぞれの山場についても、もうちょい独自のエピソードを練って盛り上げられたんじゃないの? と思うけど、それもまあ、別の話ですね。
ちなみに、宇海の転職先であるホテル・スイーブル、フランス語の「suivre」は、英語なら「To be continued」的な意味でしょうか。「宇海の夢は続いていく」と「続編に期待してね」のダブルミーニングで、なんか素敵なエンディングでした。続編があるならホラーがいいなあ。数年後、朽ち果てたインヴルサを訪れた宇海の目の前に、佐那ちゃんの○○が……! それを目の当たりにした宇海、なぜかニコニコ……! みたいな。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
日本テレビ系の日曜ドラマ『崖っぷちホテル!』も、今夜いよいよ最終回。直前となった第9話の視聴率は7.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前回の第8話より0.8ポイント下げました。第8話、つまんなかったもんなー。
さて、このドラマは基本的に岩田剛典くんのためのアイドルドラマです。機知に富んだカリスマホテルマンでありながら、「正装すると吐いちゃう」という明確な欠点を持つ愛すべき副支配人・宇海くん(岩田)が、やる気のなかった従業員一人ひとりに意識改革をもたらしていく。そうして、やる気と生きがいを取り戻した従業員たちによって、ホテル・グランデ・インヴルサ(ポルトガル語で「大逆転」の意)が、文字通り大逆転を果たしていく。そういう物語です。
第6話までで概ね大逆転は完了し、今回はいよいよ宇海くん個人についてのお話が、ラスト2話で語られることになります。アイドル岩ちゃんがもっとも輝くべきは、まさにこの残り2話となります。
そんなわけでクライマックス直前となった第9話、ついにあの宇海くんが吐き気を克服し、タキシードに身を包むまでが描かれました。振り返りましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
結論から言って、ここまでの9話の中で、もっとも魅力のない宇海くんが描かれました。身勝手で思慮が浅く、客の都合なんてまるで考えず、エゴイスティックに自己陶酔に浸る、ただ顔面がかわいいだけの青年がそこにいました。
ここまで、大雑把にいって「客の夢」と「従業員の夢」を同時に叶えることでホテルをどんどんよくしてきた宇海くんだったわけですが、なんだろう、今回「俺の夢」のために動き出した途端に、そのカリスマ性が霧散していったように見えたんです。
その宇海くんの夢というのは「大花火大会をしたい」というものでした。ホテルの創立50周年記念日に大花火大会をしたい。天気予報ではたぶん暴風雨だけど、この日にやりたい。
このホテルで花火大会を行うとすれば、それは20年ぶりだそうです。20年前の30周年でも、花火をやってる。そういう説明とともに、楽しそうに花火を見上げる少年少女がセピア色で映し出されます。要するに宇海くんとこのホテルには昔から縁があって、20年前にここで花火を見上げたことがあるという事実が示唆されるのです。少年は宇海くんで、少女は現・総支配人の佐那ちゃん(戸田恵梨香)でしょう。そういう思い出もあって、ここで花火がしたい。ここまでは、わからんでもない。
ここから、物事が説明されるたびに謎が積み重なっていきます。
宇海くんは前職である巨大ホテルチェーン「バリストン」でも花火大会を企画していたそうです。それは「夢」だったから。夢のために、花火師の免許も取っているのだそうです。
わからないのは、何が宇海の「夢」なのか。ただ「花火を上げたい」ならホテルじゃなく花火屋さんになればいいし、「ホテルで花火を上げたい」のなら、悪天候が予想される50周年記念じゃなくても、免許持ってんだから週1とか月2とかで上げればいいし、景気がいいならTDRみたいに毎日上げたっていいでしょう。で、「佐那ちゃんとのセピア色の思い出があるから、どうしても50周年に上げたい」というなら、今度はバリストンで上げようとした意味がわからない。「あの日の思い出よ、もう一度」というのが夢だとしたら、バリストンで上げても意味がないでしょう。
ここまで誰かのために頑張ってきて、その姿が実に魅力的で、誰からも慕われるようになった主人公が、いよいよ自分の夢を語る。夢を実現する。もう周囲は、協力する気満々です。そしてテレビの前のわたしたちは、感動する気満々です。それなのに、この「主人公の夢」のフンワリ具合は、いったいなんなのか。隠してきた夢とは、そのキャラクターそのものであるはずです。
宇海くん、あんたは誰だ。
さらにわからないのが、このときに語られたバリストンでの花火企画の顛末と、転職理由です。
いわく、バリストンで花火大会を企画したものの、誰かが嫌がらせで業者に当日キャンセルの連絡をしてしまい、客をガッカリさせたとのこと。これで、なんか辞めたくなっちゃったときにインヴルサに誘われたから、すっぱり転職したのだそうです。いわく、そういうタイミングだったと。
もともと、フラっと現れて、佐那ちゃんが「一緒に働いて!」とお願いしたら、即答で「面白そうだからいいよ!」と応じるブッ飛んだ職業意識が魅力として打ち出されていたわけですが、前職を辞めたいタイミングだったとなると話が違ってきます。「バリストンという一流よりも、インヴルサでの逆転に魅力を感じた」のならホテルマンとして超絶カッコいいですが、辞めたいときにオファーをもらっただけなら、普通の転職だもん。さんざんカットインしてきた「少年少女のインヴルサでのセピアな過去」による“運命”っぽい演出の意味が、宇海くんが事実関係を説明すればするほどほど意味不明になっていくんです。インヴルサに戻りたかったのか、いつか戻る気だったのか、そもそもなんでバリストンに就職して、若くして副支配人にまで出世することができたのか。花火大会での嫌がらせがなかったら、インヴルサに戻ることはなかったのか。だったら“運命”っぽいアレはなんなんだ。
宇海くん、あんたいったい、誰なんだ。
さらに、タキシードについてもそうです。今回、なんだかんだで悪天候のために一度、宇海くんは花火の打ち上げをあきらめます。その際、客に謝るためにタキシードを着用します。バリストンでは、客に謝るためにタキシードを着ようとしたら、失神したそうです。でも、インヴルサでは着られた。
これでは、宇海くんの根っこの部分に、差別があることになってしまう。バリストンの客に謝ることより、インヴルサの客に謝ることのほうが大切・重要・価値があることになってしまう。あのときのバリストンの客が大切じゃない・重要じゃない・価値がないことになってしまう。
宇海くんにとって「タキシードが着られない」というのは、ホテルマンとして唯一の欠点だったはずです。この欠点の克服こそがドラマのクライマックスであり、主人公である宇海という人物がいったい誰で、どう生きてきて、今後どう生きていくかのすべてを象徴するはずだったんです。ドラマが全部「そう」あるべき、という話ではなく、『崖っぷちホテル!』が9話かけて「そうですよ」と言い続けてきたことなんです。
だから宇海がタキシードを着るくだりは、全話中テンション最高潮でなければならなかった。アイドルである岩ちゃんが主人公なんだから、タキシード姿の岩ちゃんが超最高に光輝く段取りを踏まなければならなかった。
それが、なんかもう、ぬるっと処理されてしまいました。いつの間にか着てるし、なんかよくわかんない“着られた理由”らしきことも、セリフでちょっと言うだけだし。
まあ白状してしまえば、わたしはこのドラマ、好きだったんですよねえ。品があって楽しくて、なんだったら各話のエピソードが平易で“ガツンとこない”ところも好きだったんですよ。平和で、丁寧で、フツーに面白い。マジメに作っていると感じていたし、何より岩ちゃんが演じる宇海という人物が好きだったんです。
わたしの好きだった宇海くんはね、例えば宇海くん以外の誰かが「俺の夢だから暴風雨でも花火やるから!」とか言い出しても、「もっと客の喜ぶことを考えろ」と言う人ですよ。「本当に今、この客は花火を望んでいるか?」と、考える人です。あの宇海は、どこへ行ったのか。
そういうわけで、今夜が最終回です。7話以降、絶望的につまらなくなった『崖っぷちホテル!』ですが、思い起こせば第1話のレビューでは、基本的に「面白い面白い」と絶賛しつつ、こんなことを書いてました。
「このドラマは面白くなりそうというか、たぶんなると思う、なればいいかな、まあコケる覚悟はしておきますけど」
まあ実際、脚本は見事にコケたなーという感じですし、もはや宇海という人物に明確な過去や未来が設定されているかどうかも疑わしいところですが、最終回も見るのは見ますよ。そんで、感想を書くのは書きますよ。はい、残念でした。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
日本テレビ系の日曜ドラマ『崖っぷちホテル!』も第8話。視聴率は7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、だいたいこのへんで安定です。
このドラマについては、ちょっと甘いし、ゆるいところもあるけど、基本的には「気持ちのいいコメディですね」といった感じで紹介してきました。岩田剛典演じる主人公のニコニコワクワクホテルマンは愛嬌があってかわいいですし、彼が起こした奇跡の数々も、脚本家の性根のよさが表れていて好印象ですし、戸田恵梨香、渡辺いっけいほかキャスト陣も安定したお芝居で楽しませてくれるし、野性爆弾・くっきー、チャド・マレーン、宮川大輔の吉本芸人3人も、嫌味なく物語世界に溶け込みつつ、しっかり面白い。軽妙な中にも、それぞれのキャラクターに苦悩があって、克己がある。“崖っぷち”からの復活を目指すホテルそのものも、その存在としての魅力を振りまいている。
なので、まあぶっちゃけ第7話からアレだなとは思っていたのですが、この第8話には驚きました。振り返りましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
はい、うんこ。全然面白くない。気持ちもよくない。驚くほどに。
前回のレビューで「物語の底が抜けた」と書きましたが、底が抜けたまま『崖っぷちホテル!』は最終回に向けて走り出したようです。例えるなら、映画『バトル・ロワイアル』からの『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』のようなものです。もう物語は終わっているのに、登場人物たちが無理やりカメラの前に引きずり出されているような感触。ホテル・グランデ・インヴルサの再生をわりと本気で願ってきた私のような良心的な視聴者には、全然関係がない、意味がない、リアリティもない、誰の魂も乗っていない、まるでホテルの抜け殻の中で人間の抜け殻たちが蠢いているような、薄気味の悪い1時間となりました。
これまでは作劇のパターンとして、ある問題が勃発すると、宇海くんがその解決に当たるべき担当者を指名し、その担当者の「本音」と「本気」を引き出すことで問題を解決するとともに、意識を改革するというものでした。
この「本音」と「本気」を引き出す宇海くんの“導き”の見事さと、それに伴って語られるホテルマンとしての理念と誇り、そして従業員それぞれに対する優しさと思いやりが、『崖っぷちホテル!』の感動ポイントだったのです。「能力があるけど、やる気がない」彼らが、ひとりずつ、生き生きと働くようになっていく。誰もが、人として再生していく。そうしてホテルがひとつになっていく。なぜなら、ホテルは人だから……みたいな、そういうとこが気持ちよかったんです。
しかし、従業員全員がホテルを愛し、ホテルをよりよくするために全力を尽くすと決心してしまったドラマには、もう課題がありません。宇海くんが意識改革を完遂してしまったのが、第6話まで。第7話で“最大の敵”として登場した前支配人(佐藤隆太)も、みんなで力を合わせてやっつけました。もうグランデ・インヴルサに、心配事は何もないのです。崖っぷちにいるんじゃなく、すでに崖を登りきっているのです。
で、今後何をするんだろうと思って待っていたのが第8話。
なんか突飛な設定の外国人が登場し、適当に課題が建て増しされ、適当に解決されました。宇海くんの“導き”も、もうその心に寄り添うべき従業員はいないので、単なるノウハウの伝授にすぎません。答えを直接教えちゃったらドラマにならないから、なんとなくヒントっぽいものを与えて、よく訓練された従業員が正解を出す。しかも、ヒントと正解も、全然ピンとこない。
外国人の客が「ベッドメイクができてない!」と不満を述べ、宇海くんが「ワクワク働こ!」と言い、フロントマンがベッドにハスの葉をばら撒く。客、満足。
何それ。
客が「部屋に大きいテレビを持ってきて」と注文し、なぜか客室係がなかなか持っていかず、宇海くんが「ワクワク働こ!」と言い、頼まれてもない母国の衛星放送(?)の契約をする。客、満足。
何それ。
ちゃんと具体的な希望を述べない客のコミュニケーション不全にも共感できないし、従業員たちの異常な察知能力(もはやテレパシー)にも共感できない。出来の悪いクイズ番組で、八百長で答えを知っている回答者を見ているみたい。
最後は停電になって、寄せ鍋を食わせて、客満足。何それ。しらねーし。全部おめーらの都合だし。
第2話のレビューで、こんなことを書きました。
「また、ここまでスーパーポジティブなハルちゃんにも今後、波乱が訪れるとすれば、それは物語の大きな振り幅になると思います。中盤の盛り上がりを支えるのは、もしかしたらハルちゃんかもしれません。」
ホテルが再生を目指す中で、唯一、宇海の薫陶を必要としなかったのが、若き天才シェフのハルちゃん(浜辺美波)でした。最初から才能にあふれ、やる気にあふれていたハルちゃんは、ともすれば宇海とともに“導き”を与える側ですらあったわけです。
だからこそ、ハルちゃんの内面(あるいは暗黒面)が描かれることがあるとするなら、それはドラマにとって大きな展開を生む要素になり得ると感じていたのです。それは、『崖っぷちホテル!』に残された、数少ない財産だったと思うんです。
それも今回、いかにも雑に処理されました。「元気印だって、落ち込むことはあるのよね」みたいな2~3のセリフ、数分のシーンでパパッと描かれ、ドラマそのものの都合に飲み込まれていく。展開の「役割」に埋没していく。ハルちゃんという一人の人物が「殺された」とさえ感じられる、残酷な処理。
こっちもすごく雑な言い方をさせてもらえば、三谷幸喜はこんなことしないんですよ。物語上の役割が終わったキャラクターにも、最後まで寄り添おうとするんです。そういうとこだと思いますよ。次回もきつそうだけど、最後まで頑張ります。頑張りましょう。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
岩田剛典主演の日曜ドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)も第7話。視聴率は7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、第4話あたりから視聴者は増えもせず、減りもせず。気に入らなかった人は早々に離れ、気に入った人は離脱することなく見続けているようです。
とはいえ、物語的には前回の第6話で、ひと段落。今回から新しいことが始まります。いったい何が始まったのか。そして、大丈夫なのか。振り返りましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
そもそもこのドラマは、ダメダメなホテルに革命児である宇海くん(岩田)がやってきて、従業員の意識を改革し、「いいホテルにする」ことを目標に始まりました。
そして、一人ひとりに丁寧なエピソードが割り振りながら、「ホテルにとって何より大切なのは、お客様の笑顔です」という哲学が繰り返し語られました。ベルボーイ、清掃係、厨房、バー、事務方、そして支配人である佐那(戸田恵梨香)……全従業員がその哲学を理解することで、とりあえず「いいホテル」になった、というのが前回まででした。
そして今回、そんな「いいホテル」になった「グランデ・インヴルサ」に存続の危機が訪れます。
もともと若い娘っこである佐那が総支配人になったのは、亡き父の跡を継いだ兄・誠一(佐藤隆太)が借金を残してトンズラしたことがきっかけでした。その消息不明だった誠一が、急にホテルに舞い戻ってきたのです。
誠一は、久しぶりに顔を見せたかと思いきや、いきなりホテルの乗っ取りを宣言。すでに取得している45%の株に加え、取引銀行の担当者・横山さんのお父さんが持っている6%も譲ってもらう算段が付いていて、合計で持ち株比率が51%になるとのこと。これを根拠に誠一は、まずは35%しか持っていない佐那から「総支配人」の立場を奪い取ります。肝心の宇海くんは「従うしかない」とニコニコ。
新支配人となった誠一は、なぜか従業員たちのポジションの大シャッフルを提案。テキトーな感じで、シェフをベルマンに、フロントを清掃係に……などなど仕事を振り分けます。肝心の宇海くんは「おもしろいじゃないですか」とニコニコ。一流ホテルでも、ジェネラリストを育成するために、さまざまな仕事を体験させるという教育があるんだそうです。
振り分けられたみんなは懸命に自分の仕事をこなしつつ、講習会を開いてお互いに仕事を教え合うなど、これはこれで和気あいあい、かつ充実した雰囲気。しかし、誠一の目的はホテルの再建ではなく、売却なのでした。
銀行と勝手に話を進めた上、すでに看板工事まで発注していた誠一でしたが、ここでヒーロー宇海くんがヒーローパワーを発揮。6%を持っていた横山さんのお父さんから株を買い取り、さらに宇海くんに指図された古参従業員・時貞さん(渡辺いっけい)が全国各地を回ってかき集めた10%も加えて、佐那の持ち株比率は51%に。ホテルは売却のピンチを免れるのでした。
こうして、誠一の登場によって降って湧いた売却話は一件落着。何事もなかったように、次回へ。
これまで“いい話”を積み重ねてきていたので、たいへん好印象だった『崖っぷちホテル!』でしたが、今回は実のないエピソードだったと感じます。
兄妹の持ち株比率の数字についても、唐突に現れた横山パパの「6%」をめぐるやり取りも、まったく必然性がありません。兄・誠一の登場から乗っ取り、宇海にしてやられるまでの展開も、佐藤隆太の突飛なキャラクターに頼るばかりで行動原理が見えないので、まったく共感できない。ただ場を荒らすために出てきた野蛮人でしかないし、“基本いい奴”しかいなかったのが特徴の同ドラマでは、完全に浮いてしまっている。
そして今回、ドラマの腰が折れた、と感じたのが、誠一が提案した「お仕事シャッフル」に嬉々として乗っかった宇海&従業員の面々の姿です。
結果的に、それぞれが仕事を教え合う、それぞれの仕事への理解が進む、それぞれの仕事への帰属意識が再確認されるなどの効果が生まれ、「厄介な奴による厄介な企画だったが、思わぬ副産物もあったね」みたいな感じで処理されていますが、これはダメでしょう。割烹でバイト歴があって、たまたま調理師免許を持っていたからって、厨房を清掃係に任せちゃダメでしょう。フレンチ食いに来た客に、したり顔で肉じゃが出しちゃダメでしょう。
第1話からここまで、従業員全員に(視聴者にも)丁寧に敷衍してきた「ホテルにとって何より大切なのは、お客様の笑顔です」という哲学を、完全に破棄してるんです。「客の都合を考えて動け」と言い続けてきたドラマが、ここにきていきなり客の都合を無視して、「従業員の結束が固くなったからいいじゃん」と言ってしまった。
この物語に通底していたのは「このホテルには伝統と格式がある」という前提条件でした。第1話より以前、従業員たちは、その伝統と格式にあぐらをかいてダメダメになったり、伝統と格式があったはずのホテルが変わってしまったからこそダメダメになったりしていたわけです。そういう連中が宇海によって意識を改革され、プロフェッショナルなホテルマンとして本来の「伝統と格式」を取り戻そうと立ち上がるにいたったのが、前回までだったのです。
今回、その物語の、底が抜けてしまった。プロフェッショナルでない人間の料理を、客に食わせてしまった。ベッドメイクも、ベルボーイも、事務経理でさえも「がんばれば誰にでもできる程度の仕事」と作品の中で定義づけてしまった。これにより、ホテル・インヴルサも「がんばれば誰にでも再生できる程度のホテル」に成り下がるし、宇海の起こしてきた数々のミラクルも価値を失うことになります。脚本家は「たった数日だし、清掃係も料理上手だから、別にいいじゃん」とでも考えたんでしょうか。宇海も、そう考えたんでしょうか。だとしたら、今まで見てきたものは、なんだったというのか……。
あー、もったいない。ここまでいい感じで上品なコメディを紡いできただけに、本当にもったいない。格式を失ったコメディを、人は「茶番」と呼ぶのです。
来週はフロントマンの大田原さん(野性爆弾・くっきー)が客に一目ぼれして云々だそうですよ。第1話のネタ振りを回収した第6話までで終わっときゃよかったのに、とならないことを祈りたいです。ここまで見てきて、今さらガッカリしたくなーい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
岩ちゃんこと岩田剛典主演の毎度ほっこりなシチュエーションコメディ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)も第6話。視聴率は7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、それなりです。もっとも、2015年4月から始まった日曜22時30分の「日曜ドラマ」枠で全話平均2ケタに届いたのは、同7月期で放送された『デスノート』だけなので、この『崖っぷちホテル!』も、特別にコケてるというわけではありません。でもまあ、低空飛行ではあるよね。寂しいね。
さて、このドラマの特徴は、とにかく「いい話」であること。平和で健全で、性根の腐った奴が一人も出てこない、気持ちのいい作品です。そういうところが安心ですし、また物足りないところでもあります。
そんな安心ドラマに、ちょっとだけ綻びが生じ始めた今回。振り返りましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
経営が傾いたホテル「グランデ・インヴルサ」の副支配人に就任し、総支配人の佐那(戸田恵梨香)とともに再生を目指している宇海くん(岩田)。これまで、従業員1人ひとりに対して丁寧にエピソードを重ねながら意識改革を促し、ホテルを「いい方向」に導いてきました。
そんなこんなで、いまだに問題分子っぽい雰囲気を出しているのは元副支配人で、宇海くんによって宿泊部主任に降格させられた時貞さん(渡辺いっけい)だけに。この時貞さんさえ“転んで”しまえば、宇海くんの洗脳計画……もとい、意識改革計画は完了となります。
今回は、そんな時貞さんが「暴力事件を起こしていた」という告発状がホテルに届くところから。
この告発状と時を同じくして、なんだか言葉使いの荒い中年男性・後藤さん(でんでん)が、娘を連れてホテルにやってきます。
「だから時貞だよ時貞! 時貞を出せ!」
「いるじゃねえか、約束通り来てやったぞ!」
ロビーで大声を出す後藤さんのおでこには、大きな絆創膏。この告発状と絆創膏により、「どうやら時貞さんは後藤さんに暴力を振るったようだ」「告発状は後藤さんが送ったもののようだ」という空気がホテルに広がります。総支配人・佐那が直接、時貞さんを問いただすと否定こそするものの、どこか煮え切らない様子です。
聞けば後藤さんは地元の自治会長で、かつてはこのホテルの常連だったそうです。久しぶりに来て、「泊めろ」と言っている。ガラも悪いし、ランチには文句ばっかり言ってたそうですし、従業員一同は「断ろう」と提案します。しかしニコニコ宇海くんは、いつものニコニコ顔で泊めちゃうことにしました。佐那も「お客様なので、お断りするのは違うかと」と殊勝なお返事。後藤さんと、後藤さん以上に不機嫌な娘を泊めることにしました。
宇海くんによって、後藤さんの担当を任された時貞さんは、ずっと奥歯にものが詰まったような顔をしています。
結論から言って、告発状は後藤さんによるものではありませんでした。絆創膏は自分で転んでケガをしただけでしたし、時貞さんの献身的な接客により、後藤さんは大いに満足して帰っていきました。
今回は、このドラマの、とりあえず総決算となりました。第1回に提示された「みんなの心が変わればホテルが変わる」というテーマに沿って1人ひとり改心させてきた宇海くんのプロジェクトが、最後のひとりである時貞さんを丸め込んだことで、完遂となったのです。
いわゆる中盤のクライマックスを迎え、面白かったシークエンスがあります。
後藤さんの曖昧な要求を測りきれない時貞さんが、宇海くんに土下座をして、こう頼むのです。
「お願いです! 教えてください! ほんとはわかってるんですよね、後藤さんが何を求めてるのか……」
そして宇海くんが「わかりません」とあっさり返すと、
「だっておまえ、のらりくらりしながら、全部お見通しみたいな感じでやってきたじゃねえかよ!」
と怒鳴りつけるのです。
この時貞さんの視点は、そのまま視聴者の視点です。このドラマは宇海くんの巧みな策略によって、誰も彼もが「改心」に導かれてきました。まさに時貞さんのおっしゃる通り、宇海くんは「全部お見通しみたいな感じでやってきた」のです。
そういうパターンに満ちた脚本が安心感につながってきたし、物足りなさにもなっていた。ここで宇海くんがラスボスである時貞さんを攻略するに当たり、今までのパターンの種明かしというか、メタ的なセリフを採用することで、「とりあえず、パターンはこれで使えないよ(使わないよ)」というドラマとしての宣言を行ったわけです。
このシークエンスによって『崖っぷちホテル!』は美しい“中締め”を迎え、次回以降の新たな展開を期待させることに成功しています。
ただし、展開や論法として美しかった一方で、肝心のエピソードは驚くほど面白くなかった。20歳の誕生日を迎えた不機嫌な娘が、天窓から注ぐ月明かりに感動し、素朴な鯖の塩焼きに感動し、父親と2人で初めて日本酒を酌み交わすという、そこには笑顔しかないという、なんのヒネリもない“感動してしてシーン”が横たわっていたのです。展開上のクライマックスですから、エピソードについてもこれまでで最高の盛り上がりを見せてほしいという期待を持っていたのですが、逆にこれまででもっとも安直で手垢にまみれた、魂の抜けたものを見せられました。
宇海くんの存在については客観的に、かつテクニカルに落とし込んで見せた作品が、そのテクニカルに自惚れるあまり登場人物の心理描写において手を抜いたと、そう見えたのです。それくらい、あの不機嫌だった娘が父親と楽しそうに酒を飲んでいるシーンにリアリティを感じなかった。父親にとって理想の(そして父親の想像の範疇でしかない)展開に、「これ、娘が実は死んでるんじゃ?」と思えるほど、空々しく感じたのです。パッと見は今までと同様の「いい話」だけど、「客」を安く描くとホテルのドラマは急に色褪せますね。そういうことを感じました。
次回は、佐那のお兄ちゃん(佐藤隆太)が登場。「時貞が暴行事件を起こした」という告発状の真の差出人であり、このホテルを借金まみれにして逃げた張本人です。
このドラマが次回以降、何をしようとしているのか、まったくわかりません。そこは、ホントに楽しみ。こういう楽しみって、原作なしのオリジナル脚本ならではで、とてもよいですね。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
日曜夜のゆるふわほっこりドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)も第5話。視聴率は7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、今回も微増です。2話目で崖の下に落ちてから、ずっと微増。じりじりと這い上がっています。
このドラマは、毎回とっても“いい話”なんですが、今回もまた例にもれず。実に平和です。平和が何より。振り返りましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
なんだかんだで崖っぷちなホテル「グランデ・インヴルサ」の副支配人になった“ホテル業界の貴公子”こと宇海くん(岩田剛典)。ダメダメな従業員をひとりずつターゲットにし、意識改革を促すことでホテルの再生を目指しています。
これまでシェフ・江口(中村倫也)、ベルボーイ・ピエール(チャド・マレーン)、事務方の丹沢さん(鈴木浩介)と、立て続けに覚醒させて、見事にやる気満々ホテルマンに変貌させてしまった宇海くん。今回は、バーマスターの梢さん(りょう)がやり玉に挙げられました。
亡くなった元総支配人の桜井さんに心酔していた梢さんは、その娘である現支配人・佐那(戸田恵梨香)が嫌いです。当然、佐那に協力する気もないし、宇海くんによる改革にも乗り気ではありません。
しかし今回、ブライダル事業の立ち上げを決めた宇海くんが、最初の結婚式のプランナーに梢さんを指名すると、「やります」と引き受けることに。たった一晩で、それなりのプランを作ってきます。
そんな梢さんをあざ笑うかのように、宇海くんは次々に客の追加注文を告げてきます。
「高さ3メートル45センチの巨大ウェディングケーキを作ってほしい」
「ピアノの生演奏を入れてほしい」
「バージンロードを歩くとき、プロレス風の実況をしてほしい」
どれもこれも無理難題です。性格的に、他人に“お願い事”をするのが苦手な梢さんなので、なおさらです。
「ごめんねー、ギブアップ。全部の要望に応えることはできない」
ついに音を上げた梢さん、素直にプランナーの仕事を受けた理由を宇海くんに告白します。いわく、ブライダル事業は亡くなった元支配人の夢だったそうです。
「大人が夢を叶えるには、どうしたらいいんでしょうかね」
「私の思う秘訣はこうです。他人を信じて、頭を下げて、笑顔でいること」
それは、ニコニコ宇海くんがいつもやっていること、そのままでした。
宇海くんに諭されて、もう一度プランの実現に向けてほかの従業員にお願いに行く梢さん。すると、そこにはいくつもの小さな奇跡が待っていました。ケーキはパティシエ・ハルちゃん(浜辺美波)の専門学校時代の同期生たちが協力してくれることに。ピアノはフロントマンの大田原(野性爆弾・くっきー)が弾けることが明らかになり、進行役の丹沢さんはひとり、実況の特訓をしています。
この結婚式は、もともと宇海くんの知り合いが「親族を呼ばず、2人だけの式を」と依頼してきたもので、両名とも多忙なため当日合わせのぶっつけ本番となる予定でした。式前日、新郎新婦に動画に撮って見せるために、リハーサルが行われることになりました。
新婦役は、梢さん。新郎役には、先週出てきた“元支配人にそっくりなおじさん”こと小山内さんが呼ばれています。
若いころには忙しく働きすぎて、自分の結婚式も挙げられなかったという小山内さん。梢さんに「これもいい思い出」と言ってくれます。そして「夢を叶えてくれて、ありがとうございます」と。元支配人の夢だったブライダル企画が形になった瞬間、梢さんは、元支配人にそっくりな小山内さんから、その言葉を贈られるのです。
まあ、なんといい話なのか。もうね、ホントに健全。平和。
結局、結婚式そのものは新郎新婦から連絡があって、中止になりました。それでも、とりあえずブライダル事業の広告用ビデオも撮れたし、梢さんと佐那支配人も仲良くなったし、非の打ちどころのないハッピーエンドです。おそらくは最初から新郎新婦なんてものはいなくて、すべて宇海くんのハッタリなのでしょう。
今回は、いわゆる「りょう回」でした。不機嫌なりょう、落ち込むりょう、素直に頭を下げるりょう、感涙するりょう、つきものの落ちたようなさっぱりした表情で戸田恵梨香と笑い合うりょう。りょうのころころと変わる表情を追いかけているうちに、あっという間に1時間が過ぎてしまう。そんな回です。物語の始まりと終わりで、りょうの顔がまったく変わっている。それは、一人の人の人生に訪れた、あるひとつの“変化の瞬間”を、物語が語り切っている証拠でもあります。
泣くほどじゃなく、刺さるほどじゃなく、適度に笑えるいい話も、実に爽やかな余韻を残しました。今回は「他人を信じて笑顔で過ごしましょう」、前回なら「ちゃんと『いつもありがとう』と言葉で伝えましょう」と、ストーリーの根っこにあるテーマも明確に語ってくれるし、「ミスオマールエビ」とかハルちゃんの同期生が全員ハルちゃんっぽいキャラだったりする小ネタも、ドラマを邪魔しない程度に微笑ましくてよいです。
かように、『崖っぷちホテル!』は日曜の夜を平和に過不足なく過ごすには最適なドラマになっていると思います。安心で、安全です。
主人公でなく、脇役がハッピーになるハッピーエンドばかりが続きますが、実に丁寧かつポップでかわいい作品です。
ドラマって本来、こういうのでいいんだよ……とまでは言わないし、物足りなさも正直すごくあるんですけど、どらまっ子的には、なるべくこういう作品の味方でありたいと思う所存です。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)
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