7月4日に投開票を控える東京都議会議員選挙。都民ファーストの会特別顧問を務める小池百合子東京都知事の動きに注目が集まったが、まさかの”スルー”で自民党が第1党となることが確実視されている。
東京都庁が小池知事の入院・休養を突然発表したのは、6月22日午後のこと。
「確かに午前にあったモニタリング会議では咳き込んで体調が悪そうでしたが、6月上旬、20年近く連れ添…
7月4日に投開票を控える東京都議会議員選挙。都民ファーストの会特別顧問を務める小池百合子東京都知事の動きに注目が集まったが、まさかの”スルー”で自民党が第1党となることが確実視されている。
東京都庁が小池知事の入院・休養を突然発表したのは、6月22日午後のこと。
「確かに午前にあったモニタリング会議では咳き込んで体調が悪そうでしたが、6月上旬、20年近く連れ添…
11月1日、国際オリンピック委員会(IOC)、東京都、大会組織委員会、国の4者によるトップ会談により、2020年東京五輪のマラソン・競歩を札幌市で開くことが正式決定された。
IOCがこの計画を突然発表した10月16日以降、小池百合子東京都知事はテレビ番組を行脚するなどして東京開催を訴えたものの、合意はできないがIOCの決定は妨げない「合意なき決定」という肩透かしの結論となった。 久々の”小池劇場”が繰り広げられた中、コメント力で異彩を放ったのが『羽鳥慎一のモーニングショー』(テレビ朝日)のレギュラーコメンテーター・玉川徹氏。
50歳代後半になる玉川氏はテレビ朝日の正社員。だが社員コメンテーターに求められる「バランス」など意に介さず、「攻め」の姿勢が人気を博し、「週刊文春」(文藝春秋)の『2018年 好きなキャスター・コメンテーター』の7位にランクインした。
上位6人は羽鳥氏らキャスターばかりだから、実質的にコメンテーターとしてはナンバー1の人気である。テレビ朝日関係者が解説する。
「彼はもっぱらワイドショーの制作に携わってきましたが、空気を読まないタイプで、社員に求められる地味な取材やマネジメントには不向き。社内に居場所がなかったのが正直なところです(苦笑)。年齢も年齢なので、硬派な問題を追及する『玉川総研』のコーナーを持たせたところブレイク。2015年にスタートした『羽鳥~』で、レギュラーコメンテーターに抜擢されました」
他局からの評価も上々だ。
「好き放題言ってるように見えて、スポンサーや差別用語といった『地雷』を回避している。さらに、出世と無縁、バツ1独身、後退気味の髪、といった”負け組”の印象も視聴者に親しまれる要因でしょう」(テレビ局プロデューサー)
そんな手練れの玉川氏だから、小池氏の急所の突き方も心得ていた。
IOC調整委員会が始まる10月30日朝には「(立候補ファイルに、組織委が資金不足になれば東京都が補填すると書かれてあることを受け)そういうふうな契約書も小池さん、知ってるわけでしょ。知った上で、東京都は払いませんってテレビでしゃべっていいんですかね」
31日には「情緒的ですよね」とぶった切り、「(東京都外で開催する競技に都が費用を負担していることから)今回だけは出しませんよっていうのは、なんの理屈で今回だけは出せないってなるんですか?」
決着が見えてきた11月1日には「私はここまで都知事としてやりました、さぁ次の都知事もね、みたいな感じ」と、小池氏の言動を「パフォーマンス」と喝破したのだった。
一方、『とくダネ!』(フジテレビ系)MCの小倉智昭氏は「小池応援団」と化し、精彩を欠いた印象だ。
10月25日に小池氏が生出演した際は「道筋として許せない」などお追従のオンパレード。11月1日には「(札幌は)決して映像的には美しいコースではないと思いますよ」とコメントして、北海道民の反発を買ってしまった。
ところでこの小池氏、『羽鳥~』の番組出演はNGだとか。
「小池氏は、石原慎太郎・元都知事と豊洲市場問題でバトルを繰り広げた2017年1月、コメンテーターとして出演している石原氏の次男・良純氏を念頭に『別人格とはいえ、コメンテーター選びにこそ違和感あり』とツイッターで攻撃した過去があります。(都政担当記者)
ここはひとつ、小池氏と玉川氏の直接対決を是非見たいものだが……。
「ロシアのプーチン大統領とお親しい総理、そして森会長でいらっしゃいますから、平和の祭典を北方領土でどうだと呼びかけてみるのはありかと思います」
10月17日、連合東京の大会で、小池百合子東京都知事が失言気味のスピーチをしたくなるのも無理からぬことだった。
前日夜、国際オリンピック委員会(IOC)が突然、東京五輪のマラソンと競歩の競技会場を、東京から札幌市に変更するとの計画を発表したのだ。IOCはその1週間以上前に森喜朗・大会組織委員会会長に伝え、それを受けて森氏は安倍晋三総理、橋本聖子五輪相、秋元克広・札幌市長らに根回しを済ませていた。
小池氏が初めて札幌開催を聞いたのは3連休が明けた10月15日、組織委の武藤敏郎事務総長の訪問を受けてだが、IOCのジョン・コーツ調整委員長と直接話したのは、翌16日のことである。
開催都市トップへの伝達が最後の最後とあっては同情を禁じ得ないが、これは3年越しの大ブーメランに他ならなかった。
IOCが懸念したのは9月27日、中東のカタールで開かれた世界陸上女子マラソンで、スタート時刻を深夜にしたにも関わらず、気温30℃、湿度70%の劣悪な条件となり、68選手中28人が途中棄権という惨事を招いたことだった。
「東京五輪では、スタート時刻を午前6時に繰り上げ、東京都が300億円を投じ、マラソンコースなど約136キロを路面温度抑制の舗装を施すなど、暑さ対策を講じてきた。しかしIOCはそれも文字通り”焼石に水”と危機感を募らせ、夏の気温が5~6℃涼しい札幌市へと舵を切ったIOC発表では『plan』として、10月30日からのIOC調整委員会で正式決定するはずが、トーマス・バッハ会長は17日のIOC関連の総会のスピーチで『decided(決めた)』と断言。トップダウンで有無を言わせぬやり方でした」(五輪担当記者)
それなら初めから言えよ……と言いたいところだが、そもそも日本側には、五輪招致の段階で夏の暑さを隠してきた後ろめたさがあった。
2013年1月、日本の五輪招致委員会がIOCに提出した「立候補ファイル」にはヌケヌケとこう書いてある。
「この時期(7月24日~9月6日)の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」
皮肉にも、その年9月2日には気象庁が「2013年夏の日本の極端な天候について」と題し、夏の平均気温が西日本で統計開始以降1位、東日本で同3位タイという記録的な暑さだったことを発表。そして9月8日(日本時間)、ブエノスアイレスのIOC総会で東京開催が決まるのだ。
札幌開催を受けて小池氏は、10月18日の定例会見で「ご承知のように私が知事に就任する前ですけれども」とあえて前置きしつつ、招致の際の「ウソ」を指摘した。
これは大目に見るとして、小池氏が「会場の移転が突如提案されたことについては驚きでございます」と語ったのには、関係者からすると「おまいう」だろう。
”小池印”の民間有識者でつくる「都政改革本部」が、作り込んだ計画をちゃぶ台返しにし、五輪3会場の変更に着手したのは、小池氏が知事に就任して2カ月後の2016年9月下旬のことだった。
「悲惨だったのは、ボート会場変更でさんざん振り回された宮城県の長沼ボート場。当時、人気絶頂だった小池氏が『復興五輪』を掲げ、マスコミを大勢引き連れて現地視察を行ったものだから、地元住民は涙ながらに期待し歓迎したものです。ところがバッハ会長が会場変更を認めなかったため、あっけなく頓挫しています」(前出の記者)
あれから3年ーー。
森氏だけでなく、そのバッハ会長も小池氏を”蚊帳の外”に置いて会場変更を断行した。あの当時の身勝手な”小池劇場”が国際的な信用も失わせていたことに、小池氏はようやく気づいたに違いない。
「楽しい同窓会です」
10月10日晩、赤坂の日本料理屋「津やま」から出てきた小池百合子東京都知事は、記者の質問に一言、満足そうに語った。
「この会は2017年4月、小泉純一郎内閣の自民党幹事長経験者を集め、『オンナ気がほしい』と小池知事を呼んだのが始まり。他のメンバーは小泉氏、二階俊博幹事長、山崎拓、武部勤両元幹事長で、『津やま』は小泉氏の行きつけの店です。現職の幹事長、都知事がいるとあって、毎回メディアが殺到。ただし、これは音頭をとった山崎氏が目立ちたいという狙いがあって、会合後、記者へのブリーフィングを嬉々として引き受けています」(政治部記者)
このメンバーでの会は都合4度を数えるが、 お約束の話題は「2期目も小池さんしかいない」だ。
「当初は色めきだったメディアも慣れっこになり、今回はさほど記事にならなかった。67歳で周囲が年下ばかりとなった小池氏とすれば、たまには老人たちにチヤホヤされたいということでしょう」(同前)
”防衛省の天皇”守屋武昌・元防衛次官、”都議会のドン”内田茂・元都議、森喜朗・東京五輪組織委会長、石原慎太郎・元都知事……。小池氏が支持を得てきたのは、こうした「老害」ともいえる権力者に、女一人で立ち向かったからだった。2017年夏の都議選では都議会自民党を「オッサン政治」と斬って捨て、都民ファーストの会を圧勝に導いている。
ところが来年夏の都知事選を前に、その刃はすっかり錆び付いているようだ。
「自民党東京都連は新たな候補を立てる意向ですが、二階氏が幹事長でいる限り、候補者を出さない可能性が高い。再選後の議会運営を考えれば、自民との対立は避けたいところ。小池氏は二階氏と”蜜月”を続けることが得策なのです」(同前)
もちろん二階氏の一本線とはいかない。小池氏が接近し始めたのは、足元の都内の区市町村長だ。小池氏は9月19日から彼らとの意見交換をスタートさせ、10月21日まで断続的に行う。
毎年、意見交換会自体は開かれてきたが、特別区長、市町村長がそれぞれ一斉に集まる形式だった。ところが今回は個別、もしくは数人相手で、しかもインターネット中継までしている。
「腰を据えて対面し、人間関係を構築する狙いです。小池氏は否定しますが、紛れもなく知事選に向けたもの。実際、田中良杉並区長は『政治的パフォーマンスに利用されるつもりはない』と出席を拒否しています」(同前)
とりわけ区長には、花川與惣太・北区長(84・5期目)を筆頭に多選・高齢が多く、「オッサン政治」そのものといえる。
内田茂氏に近く、反小池の急先鋒で、今年5月から特別区長会会長となった山崎孝明・江東区長(76)とは、10月7日に面談。江東区は豊洲市場や五輪競技会場を多くかかえるとあって、小池氏としっかりタッグを組むことが約束された。その他、石川雅己千代田区長(78)、高野之夫豊島区長(81)との関係も良好だ。
小池氏が「根回しが出来ない」「ジャンヌ・ダルク」と新風を吹かせて都知事となったのも今は昔。小池氏が頼りにするのは、かつて目の敵にしていた「オッサン政治家」ばかり。自らが”老害政治家”になったことに気付いていないのは本人だけかもしれない。
小池百合子知事が提出した宮坂学・ヤフー元会長を副知事に任命する人事案を、 東京都議会が9月10日、自民党も含む賛成多数で同意した。翌11日の内閣改造で、小池氏と蜜月の二階俊博幹事長が留任。知事任期が残り1年を切り、小池氏は再選に向けて自民党へのすり寄りを加速させていくことになりそうだ。
民間人の副知事は、石原慎太郎都政での作家・猪瀬直樹氏以来、12年ぶり。
「”民間の血”を入れたい小池氏にとっての悲願が、都官僚最高峰の副知事人事でした。上山信一・慶応大教授擁する『都政改革本部』を立ち上げたものの都庁内部で総スカンを食らった過去があり、人選には慎重にならざるを得なかった。宮坂氏なら自民党議員とも付き合いがあり、マネジメントの経験は十分。会議でタブレットを活用するなど新しいモノ好きの小池氏にとって、文句なしの人物でした」(都幹部)
小池氏は2017年衆院選で、自身が立ち上げた「希望の党」が失速したあたりから、自民党へのすり寄りを始めた。
ポイントは特別秘書の野田数氏の切り離しだった。
「元自民党都議の野田氏は”都議会のドン”こと内田茂東京都連幹事長(当時)を毛嫌いしており、『都議会はブラックボックス』とこき下ろす小池にはうってつけの側近だった。16年7月の知事選、翌17年6月都議選での都民ファーストの会圧勝は、紛れもなく野田氏の功績。ところが衆院選で国政進出をちらつかせる小池氏に猛然と反発したために、二人の関係は急速に冷めていきました」(都庁担当記者)
それを契機にして18年1月、自民党からも信頼の厚い佐藤章・財務局財政課長を知事補佐担当部長に抜擢。野田氏に代わり議会対策を担うこととなった。
かといって小池氏の裏も表も知り尽くす野田氏を野に放つわけにもいかない。小池氏は各方面に相談したあげく、都の関連団体「東京水道サービス」社長に祭り上げることに成功した。
かわって今年5月に特別秘書となったのが元副知事の村山寛司氏である。小池氏より2歳年上、最も入庁年次の古い多羅尾光睦副知事より6年先輩という重鎮秘書の誕生だった。
「村山氏は本流の財政畑を歩み、10年の築地市場移転予算成立の功績が石原知事に認められ副知事に。ただ、あまりに自民党と近かったため、石原氏から警戒され、4年の任期を待たず、わずか2年で退任させられています。つまりは未だ影響を及ぼすドン・内田氏に通じているというわけ。また、村山氏に鍛え上げられたエースたちは今や都の中枢を担っており、村山氏は議会、都職員双方に、睨みを利かせられるのです」(前出の幹部)
副知事人事を巡っては17年10月、女性では史上2人目の猪熊純子氏を抜擢。女性登用をアピールしたのと同時に、父が公明党参院議員を二期務めた猪熊重二氏ということで、公明党対策も期待されたのだが、「明らかに実力不足で、職員からは『ハイヒールを履かせた人事』と揶揄されました。そこで今年6月、任期途中の猪熊氏をあっさりと切り、受動喫煙防止条例を差配した政策通の梶原洋氏を起用しました」(同前)
着々と進んだ自民すり寄りシフトの総仕上げが、宮坂氏だったのだ。
8月20日、後援組織「百乃会」のセミナーに二階氏を講師として招き、蜜月をアピールした小池氏。 横綱相撲で再選を果たすため、政策面は自らの意を汲む副知事と村山氏に任せ、お得意の”政局”に専念することになりそうだ。
参院選も終わり、10月4日召集とされる秋の臨時国会までは、しばらく「夏休み」が続く永田町。
だが水面下では、官邸は9月中旬予定の内閣改造、党役員人事に向けて動きを加速させている。結婚発表で再び「時の人」となっている小泉進次郎議員も初入閣に名前が挙がっている一人。月刊誌『文芸春秋』の9月号で進次郎氏と対談した菅義偉官房長官は、内閣改造での進次郎氏の閣僚起用を「私は良いと思う」と明言。結婚報告を首相官邸で行うという異例の対応も含めて、ここにきて進次郎氏と官邸との距離はグっと近づいてきている印象だ。
「官邸としては、将来の総理大臣への登竜門ポストである官房副長官にすえ、国政の現場を経験させたいという思いがある。しかし、現政権に批判的な石破茂議員と距離が近い進次郎氏を内閣の中枢に置くことには批判もある。そこで省庁を持たない“軽量級”ながら、注目度が高い五輪担当大臣として初入閣させるというシナリオが検討されているようだ」(自民党関係者)
もし小泉進次郎五輪担当大臣が実現すれば、2020年夏の東京五輪開催までは「自民党のホープ」が連日メディアに露出することになる。だが、今の東京五輪の「顔」は、あくまでも小池百合子東京都知事。周知のとおり、小池知事と都議会自民党は徹底的に対立しており、二階俊博自民党幹事長との個人的なつながり以外、自民党執行部との関係も冷え切ったままだ。いわば「目の上のたんこぶ」である小池氏を何とかすげ替えたいというのが、自民党の本音だろう。
そこでにわかに注目されているのが、都知事選の「前倒し案」だ。小池氏の任期は20年7月30日までだが、東京五輪の開会式は同年7月24日。通常の選挙日程では、都知事選が東京五輪開催と重なってしまう。そこで「都知事選は任期満了の前の日から30日以内に実施する」という規定があることから、例えば投開票を7月5日(日)などに前倒すことで、大会への影響を回避させるべきだという声が高まっている。自民党都連もこれ幸いと、対立候補に「あの人」を担ぎ出そうと息巻いているという。
「先の参院選の東京選挙区で圧勝した丸川珠代議員です。参院選東京選挙区では2013年が106万票、19年が114万票以上を獲得してトップ当選しており、選挙で圧倒的な強さをみせています。すでに五輪担当大臣も経験済みで、選挙の顔としても申し分ない。もちろん、まだ丸川氏を説得する段階ではないが、小池氏に勝てる候補として丸川議員に期待する声が多く上がっていることは事実です」(前出・自民党関係者)
小池氏への「刺客」候補は、自民党だけではない。先の参院選で躍進した「れいわ新撰組」代表の山本太郎元参院議員も、記者会見で東京都知事選への出馬に対して「選択肢として排除しない」と述べている。同じく参院選で新たに議席を獲得した「NHKから国民を守る党」の幹事長に就任した元ジャーナリストの上杉隆も、都知事線への立候補を検討していることを明らかにしている。さらに、立憲民主党も今度は「本命」を立ててくるのでは、とささやかれているのだ。政治部デスクが言う。
「前回の都知事選で出馬を見送った蓮舫参院議員が、今度は本気で出馬を検討しているようです。蓮舫氏自身はずっと都知事への色気を見せていたのですが、さすがに前回の『小池旋風』では勝ち目がないと判断し、出馬を断念。希望の党の勢いがなくなり、自民党との全面対決が不可避な次の都知事選ならば勝機アリと立憲執行部も見ているようです。次の都知事選では、小池、丸川、蓮舫という女性候補による三つ巴の戦いがみられるかもしれません」
東京五輪同様、都知事選でも熾烈な「金メダル争い」が繰り広げられそうだ。
オリンピック・パラリンピック2020東京大会に伴い、東京ビッグサイトの利用が制限される問題。同施設が「国際放送センター」(IBC)や「メインプレスセンター」(MPC)として使用されることによる使用制限に対して、展示会主催者や関連事業者から見直しを求める声はやまない。
そうした中、今度はこの問題に絡んで、小池百合子東京都知事が「オタクに激怒している」との話が飛び込んできた。
事の発端は、9月29日。それまで、この問題について明確な言葉を避けてきた小池都知事が突如、見直し案を示したのだ。
それは使用制限が予定されている2020年の5月1日~5日に、会場の一部をコミックマーケット(以下、コミケ)で使えるようにするというもの。
これに対して、問題が解決されたと考える声は、ほとんど挙がらなかった。むしろ寄せられたのは「同人誌即売会を理解していないのではないか?」という疑念。
というのも、例年のゴールデンウィークあたりは「SUPER COMIC CITY」や「Comic1」などの即売会の開催時期。そこに突如コミケが入る形になる。あたかも、あとは即売会同士で調整してくれと言わんばかりの丸投げの構図である。
Twitterだけ見ても「オタク層に媚びてるって魂胆ミエミエ」「またなんか口当たりのいいこと言ってる」「何一つビッグサイト問題がわかってねーじゃん」など反発の声が続々と上がっている。
当時の小池都知事には、目前に迫った衆院選でのオタク票への色気があったとも考えられるが、むしろ希望を失わせるものになったのである。
「オタクが反発を強めたことに、小池都知事は『譲歩をしたのに、どういうことか』と、怒っているというのです。それは逆にいえば、会場問題において、オタクたちの声を脅威に感じているということでしょう」
ある展示会関係者は「ここだけの話としながら」そう、ぶちまける。小池都知事のオタクへの脅威は、現場・実務レベルにも伝染しているそうで……
「ビッグサイト関係者から、即売会などオタク系イベント主催者に<会場問題で騒がしいオタクたちはどうやったら静かになるのか>といった話もあったそうです」
そんな話も飛び交う中で、また新たな動きが。これまで、署名活動にも注力するなど、強く使用制限の見直しを求める運動を行ってきた同人誌印刷会社「栄光印刷」の岡田一社長が、11月25日、自身のブログに「ここからは主催者様の判断と行動に委ねます」とする記事を投稿したのだ。
これは運動からの撤退を意味するのだろうか。早速岡田氏に電話で話を聞いたところ、撤退は否定しつつ次のように述べた。
「ブログにも書いたように、うちは直接会場と交渉する立場にない会社です。ですので、主催者にもっと頑張ってもらいたいと思い、ああいう投稿をしたんです。投げ出したワケではありませんよ」
この問題で、本当に命を懸ける者は誰なのか。
(文=昼間たかし)
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
7月2日に行われた東京都議会議員選挙で、自民党が歴史的な大敗を喫し、小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」が第一党となりました。自民党の苦戦は以前から伝えられていましたが、まさかここまでとは思いませんでした。小池知事への都民の期待感以上に自民党の自滅があったことは否めません。僭越ながら、今回は自民党に「喝!」を入れたいですね。
実は、すでに5月の連休頃には、永田町では「自民は現在の57議席から20議席くらいになる」と予想されていたのです。結果は23議席で、その通りになったわけですが、6月に豊洲移転問題を解決できない小池知事への批判が出てきたことで、「50議席くらいいけるかも?」となってしまっていたのです。今思えば甘いですよね。これに対して、小池知事は都議選直前に自民党に離党届を提出し、市場移転問題について都民に頭を下げるパフォーマンスとともに、実現は難しい「豊洲も築地も生かす!」という聞こえだけはいい“結論”を出したことで、都民の支持を得たのです。
■豊田議員の「このハゲーーー!」も一因
ここまでなら、「選挙戦略上手の小池さんだもんね」と想定内だったのですが、思わぬ事態が起こってしまいました。
そう、豊田真由子議員の暴言問題ですね。告示直前というタイミングで、「このハゲーーー!」が報道され、都民だけでなく、多くの国民の怒りを買ってしまいました。自民党は、本人からの離党届を受理し、入院させて世間と隔離することで報道を鎮火させようとしましたが、大失敗。対応がお粗末としかいいようがありません。事実関係はどうであれ、自民党側から豊田議員へ、離党どころか議員辞職を強く迫るべきでした。
さらに、なぜか長老議員たちが、こぞって豊田議員を擁護するような発言をしたのですから、驚きました。おかげで「なぜあんな凶暴議員をかばうの? 自民党ってバカじゃないの?」と、どんどん国民が自民党から離れていってしまったのです。こう言ってはアレですが、凶暴議員は面白すぎましたね。視聴者の想像を超える音声が公開され、選挙期間中には第2弾が報道され、第3弾もあるかもしれない……とみんなが期待するようになってしまいました。
今回の都議選で自民党の足を引っ張ったのは、豊田議員だけではありませんでした。金子恵美総務大臣政務官の公用車での保育園送迎問題、重婚問題で離党した中川俊直議員、「アル中議員」こと橋本英教議員らの不祥事が次々に報道されています。
この議員たちは、すべて例の「2012年初当選・魔の2回生」です。いくら「選挙の数合わせ」で出てきた人たちだといっても、ひどすぎますね。今回当選した都民ファーストの新人たちも「このようにやらかすのでは?」とのウワサがすでに出ています。
ちなみに金子議員の問題については、公用車の運用ルール上、保育園に寄ることは問題がなかったにもかかわらず、それを擁護する自民党の議員がいなかったこともダメでしたね。子育てと仕事を両立している世代から、「自民党って、やっぱりズレてる」という印象を持たれてしまったところもあると思います。
そして、2回生たちの所業に加え、稲田朋美防衛相もやってくれました。自民党公認候補の応援演説での「自衛隊としてもお願いしたい」という発言ですが、「自衛隊・自衛官と選挙の関係」(自衛隊員は政治的行為が制限され、特定の政党を支持する目的で職権を行使できない)を弁護士でもある大臣がご存じなかったのには驚きました。これは、タブー中のタブーなんです。以前もいろいろ失言を繰り返されていますし、大臣をお辞めになることを進言したいと思います。選挙の現場で、当選を信じて汗水垂らしてがんばっている候補者やスタッフに、とても失礼です。さらに、自らの失言について、心から謝罪し反省してくれるならまだしも、「自分は悪くない。マスコミ側の誤解だ」とでも言いたげな記者会見には呆れましたね。なぜ「申し訳ありませんでした」と頭を下げてくれなかったのでしょう。
自民党の候補者が街頭演説をしている現場で、スタッフが有権者の皆様から罵声を浴びている姿を何度も見ました。豊田議員の報道の時は、「俺はハゲだから自民党には投票しないよ~」などと半ば冗談まじりの雰囲気もあったのですが、稲田大臣の一件のあとは、「自民にだけは入れないからな!」と怒鳴られたり、あるいは無視されたりと、スタッフたちが気の毒なほど。稲田失言は、後ろから味方に射撃されたかのような衝撃だったそうです。
今回当選した都民ファーストの議員55人(追加公認を含む)のほとんどは新人です。即戦力とはなりえない人材たちが、今後、都議会でどれだけ活躍できるか、また、それ以前に何かを「やらかす」かどうかは未知数です。
都民のみならず、国民が最も心配をしてきたはずの築地市場の豊洲地区移転問題も、小池知事が宣言した通りには、法律上も予算上もできないことを都議は全員理解していると思います。もともと豊洲移転を推奨していた公明党が、この都議選に勝つためだけに小池知事にすり寄っていたのですから、今後どのタイミングで反旗を翻すか観察したいところです。
注目候補の一人だった平愛梨の弟、平慶翔氏も当選されました。実は、平氏は選挙戦中盤の世論調査で落選という結果でした。そこで、元ボスだった自民党の下村博文元大臣の「疑惑」をメディアに流し、自分の選挙戦を有利にしたともいわれています。それに対抗し、下村元大臣も平氏が下村事務所からパソコンを持ち出したことなどを認める上申書をマスコミに配布したりと、訴訟合戦になりそうです。訴訟の結果が出るのは、2~3年後になることもありますから、行方を見守るしかありませんね。
元テレビ朝日アナウンサーの龍円愛梨さんも当選されました。選挙が始まる前の世論調査では、厳しい情勢と出ていましたので、「都民ファースト」ブランドは本当にすごいと思います。龍円さんと同じ渋谷区で、同じく都民ファーストの大津浩子さんも当選しました。定数2のところに都民ファーストの議員が2人。正直、この結果には鳥肌が立ちました。渋谷区は、定住率(10年後もその地域に住んでいる住民の割合)が低い地域なので、東京の今後をどうしていくべきなのか、という将来の話を訴えても届かなかったかもしれません。有名で面白そうな「都民ファースト」というブランドに過剰に期待してしまったのでしょうね。
ただ、こんなにも、日本全体から注目された都議選はなかったと思います。あらためて選挙上手の小池さんを称賛したいと思います。永田町のおじさまたちは、国会議員時代の小池百合子のイメージで、その力量を図っていました。しかし、「政治家」小池百合子の評価は低かったですが、「選挙屋」小池百合子は、日本新党の候補者として参議院議員選挙に出馬した時から、風を読む力は神がかりだったのです。
都議選に駆り出されていた国会議員とそのスタッフたちは、徒労感でいっぱいです。選挙期間中はなかなかゆっくりさせてもらえないので、選挙に勝てば、その高揚感で疲労もふっとびますが、今回の結果に喜んでいる国会議員秘書はほとんどいません。そうはいっても、与えられた仕事を日々こなすだけです。次の選挙の現場へ派遣される秘書もいますし、国会閉会中は地元へ派遣される秘書も。今はひっそりと静まり返っている永田町です。
(神澤志万)
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