将棋界に世代交代の風 藤井聡太が絶好調の裏で羽生善治に迫る“危機”

 スポーツ・芸能の世界でも政財界でも、世代交代は常に非情なもの。藤井聡太ブームに沸く将棋界でも、苛烈な世代交代の風が吹いている。

 かつて前人未到の7冠を達成し、棋士として初の国民栄誉賞受賞者となった羽生善治が、今季は絶不調。トップ棋士の証である「A級」から陥落の危機に陥っているのだ。

 羽生以来、長らくテレビなどで話題になることがなかった将棋界。それを救ったのが…

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将棋・藤井聡太六段だけじゃない!? 「9割近くが怪しいシロモノ」有名人サイン“ネット売買”の闇

 将棋の高校生棋士、藤井聡太六段の偽造サイン色紙を売ったとして、愛知県警が、都内在住の派遣社員、富岡恵美子容疑者を詐欺の疑いで逮捕した。

 富岡容疑者は、偽造サインをフリーマーケットアプリ上で大阪府の男性に5,670円で販売。購入した男性がネットオークションで転売したところ、警察に偽物を指摘する情報提供があって、藤井六段本人に確認の上、偽造が判明した。富岡容疑者は容疑を認めているというが、偽造サイン販売の常習者だったようで、ほかにも将棋の加藤一二三九段やスポーツ選手の偽造サインも売っていたと見られている。

 長年、ヤフオク!などネット上の売買サイトは、偽造と見られるサイングッズが延々と販売されてきたことで知られる。偽造サインはタレントら当人への確認が不可欠で、鑑定力のあるファンらが「偽物」と指摘しても、取引は成立してしまっているのが実情だ。

「中には本物のサインの画像をネット上で見つけ、本物そっくりに偽造する“贋作師”もいて、目に見えて取引されたものを計算しただけでも、年1,000万円以上を稼ぐツワモノもいる」とサインコレクターの女性。

「特にグニャグニャした文字だけのサインは真似しやすく、偽造サインはかなり出回るので、本物の価値も落ちてしまうことさえあります。漫画家の色紙では、本人しか描けないようなイラスト付きもありますが、それでも腕のいい贋作師が偽造するので、世界に1枚しかないはずのものでも、ヤフオクで何度も売り出されているんです。買った人は気づかず本物だと信じているのでしょうけど……」

 3月下旬、ある有名漫画家のイラスト入りサイン色紙が、ネットオークションで30万円以上で落札されたが、この女性は出品時の画像で「明らかに偽物」と判断した。その色紙は漫画家がチャリティイベントに出た際、その場で描いたもので、購入者がフェイスブックに色紙の画像を載せていたのだという。

「2つの画像と出品を比べたら、一見そっくりですが、よく見るとネットで売られたものは細部が慎重にまねして描いた感じがあって、イベント中にさっと描いた本物とは違うのがわかります」

 ほとんどサインをしないことで知られるジャニーズタレントやアイドル、俳優、芸人、スポーツ選手、声優など、さまざまな有名人のサインがネット上で売買されてしまっているが、女性は「取引サイトの出品物では、おおよそ7割ぐらいが偽物だという印象ですが、出所不明で信用性の低いものまで入れると、9割近くが怪しいシロモノ」という。

 売られているサインの中には、サインした当時の写真が添えられていたり、鑑定書付きというものもあるが、「写真はいくらでも複製できますし、鑑定書もサイン業者をまねただけのもので、本物の証明にはならない」という。

 事実、鑑定書付きだったハリウッド俳優のサインが偽物と判断された例もある。映画『ロード・オブ・ザ・リング』に出演した俳優のサインについては、ジャーナリストの片岡亮氏が過去、俳優の来日インタビュー時にマネジメントに確認して「本人はこんなものを書いていない」との返答をもらったこともあるのだ。ただ、片岡氏はそれを根拠に「偽造の可能性が高い」と記事にしたところ、出品者の男性がそれに反論することなく、片岡氏にストーカー行為を始め、片岡氏の自宅写真をネット上に掲載し「ヤフオク詐欺師だ」と虚偽の中傷をするサイトを立ち上げた。結局、男性は名誉棄損で警察に起訴され有罪判決を受けているが、「あくまで名誉棄損でしかなく、偽造サイン自体は何も問われず、その後も販売が続行されていた様子だった」と片岡氏。

「もちろん、中には本物もあるのでしょうが、よほど確かな裏付けが示されてない限り、疑ってかかった方がいいのかもしれません」

 藤井六段のように、多忙であるはずの旬の著名人のサインがここぞとばかりにやたらと出回ること自体、不自然ではある。
(文=和田修二)

将棋・藤井聡太六段の“政治利用”が止まらない!? 愛知県からの「特別表彰」は大村知事の人気取り目的か

 最年少プロで中学3年の藤井聡太六段の快進撃が止まらない。今月8日に第68期王将戦1次予選2回戦で、師匠の杉本昌隆七段と公式戦で初めて対局し、「千日手」(同じ局面を4度繰り返し、無勝負となること)で指し直した末に、111手で勝利を収めた。2月には、第11回朝日杯将棋オープン戦準決勝で、公式戦では初めて羽生善治竜王と対局を行い、119手で勝利、勢いそのままにタイトル獲得経験もある強豪の広瀬章人八段をも撃破して、15歳6カ月の史上最年少で棋戦優勝を果たした。

 そんな飛ぶ鳥を落とす勢いが注目を浴び、2月26日には愛知県が藤井六段を特別表彰すると明らかにした。将棋界は藤井六段の活躍を受けて空前のブームとなり沸きに沸いている。

 そんな功労者の藤井六段にご褒美が与えられた形だが、県庁内では物議を醸しているという。

「愛知県の大村秀章知事の独断専行で、人気を維持するために藤井六段を表彰しているのではないかと懸念されていますよ」(テレビ局関係者)

 というのも、これまでも大村知事が賞を出しまくって表彰を連発しているというのだ。去年4月には突如、会見で「県民栄誉賞」を新設して当時フィギュアスケートの現役引退を表明したばかりの浅田真央さんをその第1号として表彰すると発表し、周囲を驚かせていた。

 さかのぼること、2011年には、元知事の故・桑原幹根氏が1987年に授与されたのみだった「名誉県民」を大村知事が24年ぶりに復活させ、元知事の鈴木礼治氏と、産業発展に貢献したトヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎氏、ノーベル化学賞受賞者で名古屋大学特別教授を務める野依良治氏、地元の発展に貢献した海部俊樹元首相の4人一挙に名誉県民の称号を贈った。その後2人にも贈り、1987年から過去7人しかいない表彰者のうち、6人が大村知事時代に表彰されているという異例事態となった。

 前出のテレビ局関係者は「ちなみに新設した『県民栄誉賞』は今年1月に星野仙一さんの亡くなったタイミングで第2号として表彰することを決定。その他にも平昌五輪後には、宇野昌磨選手にも別の賞を贈るなど、県民の間でも『賞を乱発しすぎでは』と疑問の声があがっています」と話す。

 こういったこともあり政治家の人気取りの一環として利用されているのでは、と心配されている藤井六段。とはいえ、天才棋士であることには変わりはない。大人の事情や雑音に振り回されず、さらに大きく成長してもらいたいものだ。

藤井聡太五段の“ひふみんアイ”に先輩棋士が苦言も、将棋ファンから「ネットで言うな!」と返り討ちに……

 藤井聡太棋士が2月1日に行われた梶浦宏孝四段との対局に見事勝ち、9戦全勝でC級1組昇級を決め、中学生初の五段昇格を果たした。対局時間は10時から日付が変わるまでという長丁場。終盤には、座布団から立ち上がり遠くから将棋盤を見つめる“ひふみんアイ”を披露し、将棋ファンを沸かせる一幕も。しかし、これに苦言を呈した人物がいたのだ。

 その人物とは、神崎健二八段。NHKの朝ドラ『ふたりっ子』(1996~97年)の将棋シーンの監修を担当したこともある、藤井にとっては“大先輩”といえる人物だ。

 神崎八段は、この対局中に自身のTwitterで「終盤戦の時間切迫局面で、立って後ろから見るのは、マナー違反。隣の両対局者も対局相手も気になっているはず。本日解説中の、この映像をもし森内専務理事が見ていたのならば、後日注意してもらいたいことと思うのだが・・・」(原文ママ)と苦言。将棋を語る前に礼儀を語るとは、なんとも大先輩らしい発言である。

 ところが、この発言にTwitter上の将棋ファンが反応。「Twitterで注意せず、自分で直接本人に言ったらどうですか?」「中学生をTwitterで晒しあげるのはマナー違反ではないの?」といった批判が集中。これに耐えられなかったのか、神崎氏は自身のTwitterアカウントを非公開設定にするはめになってしまったのだ

 神崎八段は、過去に青野照市九段から「他人の弟子に面と向かって躾する」と『NHK将棋講座』(NHK出版)で評価されたこともある人物。将棋界に詳しい記者は、神崎八段のことを「もともと厳しい性格なので、藤井五段の『ひふみんアイ』がどうしても許せなかったのでしょうね。ただ、発言が炎上しやすいTwitterで言ったのはマズかったですね」と語る。

 過去には、28連勝した際に「まだまだ実力が足りない」と藤井五段(当時四段)が発言した際、「私も含めて、最高連勝記録がほんの一ケタのほとんどの棋士はとてつもなく実力が足りないということ」(原文ママ)と嫉妬とも取れるツイートをしていた神崎八段。Twitterで藤井五段を躾けようと思ったのかもしれないが、神崎八段の方が将棋ファンからネットマナーを躾けられてしまったようだ。