お笑いトリオ・ダチョウ俱楽部の寺門ジモンといえば、芸能界屈指のグルメとして知られている。
そのグルメコネクションを生かし、通常であればテレビ取材に応じない“取材拒否”のグルメの名店を紹介する『寺門ジモンの取材拒否の店』(フジテレビ系)はレギュラー放送終了後も定期的に特番の形で放送される長寿シリーズとして、数多くの視聴者から愛されている。
2020年9月にスタ…
お笑いトリオ・ダチョウ俱楽部の寺門ジモンといえば、芸能界屈指のグルメとして知られている。
そのグルメコネクションを生かし、通常であればテレビ取材に応じない“取材拒否”のグルメの名店を紹介する『寺門ジモンの取材拒否の店』(フジテレビ系)はレギュラー放送終了後も定期的に特番の形で放送される長寿シリーズとして、数多くの視聴者から愛されている。
2020年9月にスタ…
『寺門ジモンの取材拒否の店』(フジテレビ系)といえば、ジモンを悪意たっぷりにいじる遠藤達也ディレクターとの掛け合いが見どころの一つとなっている。「KAMINOGE」(東邦出版)vol.75でインタビューを受けた遠藤ディレクターは、ジモンのことを「おかしいよ、あの人(笑)。でも、ボクらにとってはごちそうだよね」と断言。寺門ジモンを面白がるスタンスは、演出半分、本音半分といったところだろうか。
“芸能界のグルメ”として弟子筋にあたるアンジャッシュ・渡部建も、ジモンを敬愛はしつつ「たまに面倒くさい」「お笑いのことでは一度も尊敬したことはありません」ときっぱり。
多くの者は、奇人変人を見るようなまなざしでジモンと接触する。当然だ。「山の中では俺が世界で一番強い」断言し、厨房の奥に届くくらいの大声で「うまい!」と言わない者を叱る男が、奇人変人でないわけがないのだから。
渡部以外にも、ジモンには弟子がいる。フェンシングの日本協会会長で北京、ロンドン五輪銀メダリストの太田雄貴だ。
太田のグルメっぷりも半端じゃない。年間200件もの新規店舗に足を運び、予約日前に何度かお店へ訪れて食材の確認をするなど、食へのモチベーションは偏執狂の域。渡部ですら「日本で一番うまいモノ食っているかもしれない」と評価するマニアなのだ。
4月7日に放送された『SUZUKI presents 極上空間 小さなクルマ、大きな未来。』(BS朝日)にて、寺門ジモンと太田雄貴という座組が実現した。
太田がジモンに接する態度は、他の者とは明らかに異なる。恐縮しっぱなし、頭下げっぱなし。茶化しの要素はまったくなく、純度100%でリスペクトを表明する。
まず、2人は誕生日が同じだ。
「11月25日生まれの人の性格が書かれた本があって。著名人一覧を見たら、まず椎名林檎さんがいて、その下の方に寺門ジモンって書いてあったんですよ。『ジモンさんだ、すげーっ!』って、一番興奮して。これはご縁だと、仲良くなれるんじゃないかと思って」(太田)
太田にとっては、椎名林檎よりも寺門ジモン。食通からすれば、ジモンは何より勝る大家なのだ。
この日、2人は各々が愛する麺料理の名店を紹介し合う対決を行った。まずは、太田がオススメの蕎麦店へ車を走らせる。しかし「蕎麦に一際のこだわりがある」と、ジモンは脅しをかけに行く。
ジモン 子どもの頃にお蕎麦が好きで、お蕎麦屋さんで修行したこともある。お蕎麦は、俺の食感を目覚めさせてくれた食べ物の一つなんだよね。
太田 うわぁ~、不安! やめましょうか? ハンバーグ行きましょう(笑)。
ジモン ハンバーグもいいよ!
太田 ハンバーグ一番ダメだ。何を言ってるんだ、僕は!
ジモンは芸能界屈指の肉通でもある。行くも地獄、戻るも地獄。覚悟を決めて、太田はオススメの蕎麦店へジモンを連れて行った。
お店に入ると、なぜか蕎麦ではなく玉子焼きを注文するジモン。こういうところが、いちいちだ。
ジモン ……あっ、おいしいです! まったくいらんことをしてない。玉子自体の美味しさ。
太田 良かった~!
太田オススメの蕎麦店は、ジモンの御眼鏡にも適ったよう。もちろん、お蕎麦も食す2人。蕎麦に対しても、ジモンは満足げであった。
太田 どうでした、お蕎麦?
ジモン 良かった! さすが、我が弟子。
太田 師匠、ありがとうございます! いやぁ~、師匠に誉められるとうれしいですよ、僕も本当に。
太田がジモンに頭が上がらない理由は、もう一つある。昨年12月にTBS・笹川友里アナウンサーとの結婚を発表した太田だが、この2人を結びつけたのはジモンらしいのだ。
太田 今の妻ともともと友だちで、僕は一方的に好意があったんですけど、相手にされてなくて。そしたら、ジモンさんが出演したイベントに、レポーターとして彼女が行って。
ジモン 「太田君、知ってる? 俺、知ってるんだけど」って話になって。共通の友だちとして、太田君の名前が上がったんだよ。
太田 それで「雄貴君、今日ジモンさんにお会いしました。よろしくお伝えください」って連絡が入って。
ジモン 初めて相手側から電話があったのが、寺門ジモンきっかけだったんだよね。
なんと、2人の婚姻届の証人もジモンが務めているという。ジモン自身は、独身なのに……。
この日の対決でジモンはお好み焼き屋へ太田を連れ出し、同店の絶品焼きそばを紹介している。師匠自慢の一品を食し、「うわお! おぉ~、これはうまい!」と身悶えする弟子・太田。師匠の面目躍如といったところだろうか。
エンディングで「ジモンさんと、いつかテレビ出てみたいと思っていたので、ムチャクチャうれしいです!」と、太田は素直に師匠への敬意を表していた。五輪2大会連続銀メダリストがリアクション芸人に見せる平身低頭な態度には、いささか面食らってしまう。ちょっと過剰にも思えるリスペクトっぷりだが、体育会系だからと思えば合点もいくだろうか。
料理を媒介に、ジモンへのいじりを前面に押し出す『寺門ジモンの取材拒否の店』。ジモンの本分は、やはりあちらにあると思うが、純粋にリスペクトされるだけのジモンの姿も新鮮である。それも、芸能界の垢にまみれていない弟子・太田雄貴あってこそ形になったものなのだが。
今回のような立ち位置のジモンも、意外にアリか。リアクション芸人×五輪メダリストの掛け合いで起こったケミストリーだ。
(文=寺西ジャジューカ)
『寺門ジモンの取材拒否の店』(フジテレビ系)といえば、ジモンを悪意たっぷりにいじる遠藤達也ディレクターとの掛け合いが見どころの一つとなっている。「KAMINOGE」(東邦出版)vol.75でインタビューを受けた遠藤ディレクターは、ジモンのことを「おかしいよ、あの人(笑)。でも、ボクらにとってはごちそうだよね」と断言。寺門ジモンを面白がるスタンスは、演出半分、本音半分といったところだろうか。
“芸能界のグルメ”として弟子筋にあたるアンジャッシュ・渡部建も、ジモンを敬愛はしつつ「たまに面倒くさい」「お笑いのことでは一度も尊敬したことはありません」ときっぱり。
多くの者は、奇人変人を見るようなまなざしでジモンと接触する。当然だ。「山の中では俺が世界で一番強い」断言し、厨房の奥に届くくらいの大声で「うまい!」と言わない者を叱る男が、奇人変人でないわけがないのだから。
渡部以外にも、ジモンには弟子がいる。フェンシングの日本協会会長で北京、ロンドン五輪銀メダリストの太田雄貴だ。
太田のグルメっぷりも半端じゃない。年間200件もの新規店舗に足を運び、予約日前に何度かお店へ訪れて食材の確認をするなど、食へのモチベーションは偏執狂の域。渡部ですら「日本で一番うまいモノ食っているかもしれない」と評価するマニアなのだ。
4月7日に放送された『SUZUKI presents 極上空間 小さなクルマ、大きな未来。』(BS朝日)にて、寺門ジモンと太田雄貴という座組が実現した。
太田がジモンに接する態度は、他の者とは明らかに異なる。恐縮しっぱなし、頭下げっぱなし。茶化しの要素はまったくなく、純度100%でリスペクトを表明する。
まず、2人は誕生日が同じだ。
「11月25日生まれの人の性格が書かれた本があって。著名人一覧を見たら、まず椎名林檎さんがいて、その下の方に寺門ジモンって書いてあったんですよ。『ジモンさんだ、すげーっ!』って、一番興奮して。これはご縁だと、仲良くなれるんじゃないかと思って」(太田)
太田にとっては、椎名林檎よりも寺門ジモン。食通からすれば、ジモンは何より勝る大家なのだ。
この日、2人は各々が愛する麺料理の名店を紹介し合う対決を行った。まずは、太田がオススメの蕎麦店へ車を走らせる。しかし「蕎麦に一際のこだわりがある」と、ジモンは脅しをかけに行く。
ジモン 子どもの頃にお蕎麦が好きで、お蕎麦屋さんで修行したこともある。お蕎麦は、俺の食感を目覚めさせてくれた食べ物の一つなんだよね。
太田 うわぁ~、不安! やめましょうか? ハンバーグ行きましょう(笑)。
ジモン ハンバーグもいいよ!
太田 ハンバーグ一番ダメだ。何を言ってるんだ、僕は!
ジモンは芸能界屈指の肉通でもある。行くも地獄、戻るも地獄。覚悟を決めて、太田はオススメの蕎麦店へジモンを連れて行った。
お店に入ると、なぜか蕎麦ではなく玉子焼きを注文するジモン。こういうところが、いちいちだ。
ジモン ……あっ、おいしいです! まったくいらんことをしてない。玉子自体の美味しさ。
太田 良かった~!
太田オススメの蕎麦店は、ジモンの御眼鏡にも適ったよう。もちろん、お蕎麦も食す2人。蕎麦に対しても、ジモンは満足げであった。
太田 どうでした、お蕎麦?
ジモン 良かった! さすが、我が弟子。
太田 師匠、ありがとうございます! いやぁ~、師匠に誉められるとうれしいですよ、僕も本当に。
太田がジモンに頭が上がらない理由は、もう一つある。昨年12月にTBS・笹川友里アナウンサーとの結婚を発表した太田だが、この2人を結びつけたのはジモンらしいのだ。
太田 今の妻ともともと友だちで、僕は一方的に好意があったんですけど、相手にされてなくて。そしたら、ジモンさんが出演したイベントに、レポーターとして彼女が行って。
ジモン 「太田君、知ってる? 俺、知ってるんだけど」って話になって。共通の友だちとして、太田君の名前が上がったんだよ。
太田 それで「雄貴君、今日ジモンさんにお会いしました。よろしくお伝えください」って連絡が入って。
ジモン 初めて相手側から電話があったのが、寺門ジモンきっかけだったんだよね。
なんと、2人の婚姻届の証人もジモンが務めているという。ジモン自身は、独身なのに……。
この日の対決でジモンはお好み焼き屋へ太田を連れ出し、同店の絶品焼きそばを紹介している。師匠自慢の一品を食し、「うわお! おぉ~、これはうまい!」と身悶えする弟子・太田。師匠の面目躍如といったところだろうか。
エンディングで「ジモンさんと、いつかテレビ出てみたいと思っていたので、ムチャクチャうれしいです!」と、太田は素直に師匠への敬意を表していた。五輪2大会連続銀メダリストがリアクション芸人に見せる平身低頭な態度には、いささか面食らってしまう。ちょっと過剰にも思えるリスペクトっぷりだが、体育会系だからと思えば合点もいくだろうか。
料理を媒介に、ジモンへのいじりを前面に押し出す『寺門ジモンの取材拒否の店』。ジモンの本分は、やはりあちらにあると思うが、純粋にリスペクトされるだけのジモンの姿も新鮮である。それも、芸能界の垢にまみれていない弟子・太田雄貴あってこそ形になったものなのだが。
今回のような立ち位置のジモンも、意外にアリか。リアクション芸人×五輪メダリストの掛け合いで起こったケミストリーだ。
(文=寺西ジャジューカ)
“クセの塊”寺門ジモンがこだわりの食の名店を紹介する『寺門ジモンの取材拒否の店』(フジテレビ系)シリーズ。
食レポは言うに及ばず、店のリサーチ、チョイスから、撮影交渉、場合によっては支払いまですべてジモンが行う。ジモンの、ジモンによる、ジモンのためのグルメ番組。
最近は「○○は取材拒否じゃないぞ」「前にテレビ出てた」と叩かれることも多くなっていて、今回も、最初に出た非公表のラーメン店(おそらく、というか絶対に三田の「ラーメン二郎」)も、テレビ出たことあるじゃねーか! 的な叩かれ方をしていたりするのだが(しかも10日ほど前のアウトデラックスに思いっきり出てた)、しかし、誤解を恐れず言わせてもらうならば、もはやこの番組の見所はそこではない。
取材OK、取材拒否問わず、ジモンが自慢の店を得意げに紹介するそのうれしそうなテンション、うまいでしょ? が伝わった時の満足げな顔、そして、それを邪魔したり茶化すスタッフとの本気の攻防が、どちらかと言えば見所だ。
だから「過去になんらかのしがらみで出たこともあるけど基本『取材拒否』してますけどね」くらいに考えていいと思う。
さて、なんのメリットもないフォローはこれくらいにして、そんな番組に今回ある「事件」が起きた。番組初となる地上波23時台、しかも初の全国放送ということもあって、初めてジモン以外の出演者が加わったのだ。しかも女子アナ。
しかし、男だけのむさ苦しいノリを尊ぶ『取材拒否』保守派はこれをよしとしなかった。「興ざめする」「女子アナいらない」「ずっと見てたが残念」……古参が往々にして変化を嫌がるのは、仕方がないことだ。
筆者も正直、最初に聞いた時は「いらないのでは?」と思った。いくら全国放送だからといって、せっかくの番組が普通のグルメ番組になっても仕方がないし、それならわざわざ御大が出るまでもないだろう、と。
しかし、演出とはいえ、ジモンを嬉々としていじりまくるスタッフ(主に遠藤ディレクター・マツコに番組内で嫌われてるあの人)のノリを心から嫌悪する人も一定数いるし、うまく機能しているからここまで続いているのかもしれないが(実際、ジモンが目で「いじり」を欲している様子も多々ある)、最近は強い信頼関係があるがゆえに、それを前提としすぎて、それが伝わっていない人に雑ないじめに見えてしまったり、ジモンを美味しくするためを通り越して、遠藤D自体が気持ちよくなってるように見えてしまうことも多々あった。それは出演者としてはプロでない遠藤Dの未熟さも原因かもしれないが、まったく顔を出さずに安全な場所から強く「いじり」続ける構図が、匿名での覚悟のないズルさと映ってしまうのかもしれない。
とにかく、それなりにジモンとスタッフの信頼関係は理解してるつもりでも、イラっとしてしまう時があるので、初の全国放送で初見の人が一気に増える中、その不本意な嫌悪感を減らそうとするリスクヘッジはわからなくもない。
そこで、久代萌美アナである。
結論から言うと、これが悪くなかったのだ。好印象の声も実に多かった。ジモンの活躍と共に振り返りたい。
まず、番組冒頭、女子アナ投入を「戦力にならないよ~?」と嫌がる(そぶりの)ジモンに対し、「嫌いでしょ女性のこと?」「上がっちゃうの?」「ドキドキしちゃうの?」とジモンの想定以上のいじりで過剰に追い込むスタッフ。さっそく、いつもの真骨頂。
久代アナ登場。まず、いきなり久代のコートのファーを「このふわふわボンボンダメ」といじるだけならまだしも「ヒルナンデス感覚ダメ」と、他局ごと否定する危なっかしいジモン。
最初こそ慣れない特殊な現場にギクシャクぎみだった久代アナだが、流れをつかんだのか、取材拒否の店とは何かとジモンに聞かれ「味に自信がない」と身もフタもない名回答。決してツッコミのうまくないジモンから、ナチュラルかつキレイな「バカヤロウ」を引き出す。すかさずそのツッコミに対し、スタッフから「初めて聞きましたよ、バカヤロウって」「(やれば)できるんですね」と背後から襲われるジモンの舐められっぷりも見事。久代アナの名アシストとも言える。
さらにジモンが「匂いチェック」と称し、久代アナの香水が過剰すぎないか背後からクンクン嗅ぎだした瞬間、スタッフがジモンの頭頂部をスパーンと叩く。
「セクハラだって怒られるよ!」
もはや、ジモンもスタッフもうれしそう。
むさい部室に突如現れた女子マネジャーの前で、それぞれ頑張っている、あの感じ。古参からしたらぬるいかもしれないが、健全な浮かれ方だ。
1件目のラーメン店で静止画のみ公開した後の2件目。その焼肉屋のレア度を伝えるため、ジモンが熱弁する。
「表に出さず、誰にも教えず、テレビなんか絶対断ってるわけです。出てないんです、すべて」
すかさず久代アナが「じゃあ、そっとしといた方がいいですよ」と、番組コンセプトごと否定する。
「君は味方か敵かどっちかわかんない」とジモンのツッコミがまた冴える(この久代アナが「じゃあ取材やめとこう」とするパターンは何度もみられた)。
さらにジモンは、店に入る「前フリ」に緊張感が足りないと指摘、久代アナに「死にかけたことある?」と、入店間際とは思えない詰問を投げかける。なおかつ「大体、お前フエ持ってないだろ?」と謎の飛躍。地震で瓦礫に埋もれた際に使うという緊急用のホイッスルのことらしいのだが、それを「ピー」と得意気に吹いてみせる。ゼンジー北京や村西とおるでも、普段から笛を持ち歩きはしないだろうに、この流れで入店するという、見たことのないグルメ番組。
まずは入店後、ジモンが店主に撮影交渉。
「常連さんがいっぱい入れなくなっちゃったから~いろんな番組断ってるんでしょ?」というジモンの問いに「全然断ってますよ」と店主が答えた瞬間、「じゃあもう(取材)ダメじゃないですか」とキレイにジモンの腰を折る久代アナ。
それでも撮影を許可してくれた店主に、「もし放送したら、すっごいたくさんお客さん来ちゃいますよ?」と店主の決心をぐらつかせるようなことを言う久代アナも久代アナだが、「お前さ、マイナスなこと言うなよ」と自分の目的以外は害(マイナス)として語るジモンもジモンだ。久代アナはさらに「電話鳴り止まないかも」と追い討ちをかけていた。
ヒレ肉の最上の部分(シャトーブリアン)を焼いている際、的を射ないジモンの説明を「何言ってるか全然わかんない」と笑顔で切り捨てだした頃には、かなり噛み合ってきた。
久代アナがいいのは、トークだけでなく分厚い肉塊に躊躇なく噛り付くなど、食べっぷりがいいことだ。
分厚いヒレ肉の上に、ウニとキャビアが乗った「お遊び(命名ジモン)」を口に入れた際には「ウニ・キャビア・ニク! ウニ・キャビア・ニク!」と浮かれて連呼、さながら「U・S・A! U・S・A!」と熱狂するスタジアムの米国人のようだった。
3軒目のコロッケ店。「すごい有名な割烹や凄い料理を勉強してる人に持って行くと『何このコロッケ』って言われるコロッケなの(ハート)」とうれしそうなジモンにおかまいなしに「コロッケって味の違い出ますか?」と容赦ない持論を吐き捨てる久代アナ。「全然食べ物わかってないでしょ?」とイラつくジモンに「わりと最後の(ウスターとか中濃)ソースで決まる」と決めつけ、「ぜんっぜん!(違う)」と、ジモンをいつも以上に般若みたいな顔にさせた。
ジモンがいい年して独身という話の流れで、スタッフの「ジモンさん外国の人が好きなんです」といういじりに、ジモンはあわあわするだけだったが、すかさず久代アナが「だから『ジモン』ってカタカナなんですか?」とすぐさまカブせ、キレイな「違うわ!」へとジモンを導いた。
普段は、このあわあわするジモンが苦しまぎれに吐き出す言葉が面白かったりもするのだが、そのままあわあわで終わってしまう場合も多々あるのを考えると、この助け舟は見事だ。
その後の伝説の食パン店でも、ジモンと久代アナはいいコンビネーションを見せていた。
・「取材拒否度は何パーセントでしょう?」というフリを局アナっぽいと言われ、すかさず「え~じゃあ拒否度何パ~ですかあ~?」と拗ねたような声で言ってのける久代アナと「キャバクラの女じゃないんだから」と返すジモン。
・「パンを愛して早40年だから」といきがるジモンに「でもさっきパン屋さんは気まずくて面倒臭いっておっしゃってましたよね?」と店主に向けてバラし、ジモンを慌てさせる大胆な久代アナ。
・公園の石垣に腰掛け、焼きたてのパンを食べようとするジモンを「仕事を失ったサラリーマンみたい」と笑い、パンに目のくらんだジモンを「は?」と冷静にさせる久代アナ。
クライマックスは、ジモンが買った(生)コロッケを油で揚げながら、時折、箸で持ち上げ要らない油を落とすというコツをレクチャーしていた時。スタッフが「ダチョウ倶楽部で要らないものを出すなら誰?」と仕掛け「俺だろうな、バカヤロウ!」と従来のコンビネーションがキレイに決まった時でも、すかさず久代アナは「自覚はあるんですね」と付け足し、笑いをさらに倍にしていた。見事。
賛否あるとは思うが、深夜では今まで通りジモンのみで、全国放送の時は久代アナを交えて、という両軸での稼働はいかがだろうか。
(文=柿田太郎)

『寺門ジモン 降臨! 肉の神様(自称)
疑う前に食べなさい』(エイ出版社)
ダチョウ倶楽部の寺門ジモンといえば、多趣味でグルメであることはよく知られている。ただ、度を越してウンチクを語り倒すため、共演者たちにうるさがれれている場面もよく目にする。
1月12日、そんなジモンを真っ正面から取り扱った特番が放送された。番組名は『開店! 鉄板ジモン 天下無敵グルメ大盤振る舞い!!』(テレビ東京系)。ジモンがプロデュースするという設定のお店で、ジモンオススメのグルメなものを紹介するという番組だ。“グルメジモン”と“ウザジモン”、両面を楽しめそうな内容だ。番組は、同じダチョウ倶楽部の肥後克広、そして土田晃之とHKT48・指原莉乃が「ジモンの店」に向かうところからスタートした。
「この番組はね、あんまり指原みたいなタイプは行かない方がいいと思うんだよね」
と土田が言う。なぜかといえば、
「ジモンだから」
まったく説明になっていないが、この一言に全てが込められているといってもいいのかもしれない。その3人が入店すると……
「オッ、いらっしゃい! おお~~、いらっしゃい、いらっしゃい!」
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