ガンダムが正義の怒りをぶつける映画になる可能性も!?『機動戦士ガンダム』実写化に尽きぬ不安

 思い出されるのは「ケツアゴのシャア」ばかり。ついにハリウッドでの実写映画化が発表された『機動戦士ガンダム』に、期待と不安の声が渦巻いている。

 実写ガンダムとして、まず思い出されるのはゲーム『GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH』に登場した実写ムービーだ。

 このゲーム、モビルスーツなどはCGで制作されており、発売された1996年当時としてはハイクオリティ。だが、人物のほうは外国人の俳優が演じる実写で、いまだに話題になるほどのインパクトを残している。

 リュウ・ホセイはファンキーなノリの黒人。カイ・シデンは頭のはげたアジア人。セイラさんは、そもそも登場しない。

 そしてシャアに至っては、ケツアゴが目立つ太ったオッサンなのである。その衝撃度ゆえに、いまだに「ケツアゴのシャア」として、語り継がれる伝説となっているのだ。

 だが、それも20年以上前の黒歴史。今回は、最悪の事態にはならないという見方も。といのも、今回のハリウッド版を製作するのはレジェンダリー・ピクチャーズ。これまで『300』『GODZILLA ゴジラ』『パシフィック・リム』などのヒット作を製作してきた映画会社だ。

 それでも、実写化を不安視する声は尽きない。事情に詳しい映画ライターは語る。

「レジェンダリー・ピクチャーズでもヒット作となると、いずれもわかりやすいバトルものです。ですので、ガンダムシリーズの複雑な人間模様は、より単純化されると思われます。まったく本編の内容を反映していないファーストガンダムの主題歌のごとく“正義の怒りをぶつけるガンダム”が、シャアを倒す話になったりする可能性も否定できません」

 世界を市場として見た時、まず求められるのは、スカッとしたわかりやすさ。『300』みたいな感じに、無数のモビルスーツがバトルしまくる作品になる可能性も。それはそれで見てみたいが……。
(文=是枝了以)

『鋼の錬金術師』も黒歴史になるのか……誰も止められない“マンガの実写化”という悲劇

 今回も、やっぱり賛否両論というヤツだ。

 12月1日から公開になった『鋼の錬金術師』の実写版をめぐって、さまざまな意見が出ている。映画としては、普通に面白いという意見から、原作と比べるとどうしても違和感が拭えないというものまで。とにかく、観た人だけでなく観ていない人まで混じって、さまざまな意見が飛び交っているのだ。

 これまで、数多くのマンガが実写化されては黒歴史となってきた。中でも後世にまで語り継がれるであろう実写版として挙げられるのは、まず『デビルマン』(2004年公開)。制作費10億円をつぎ込んだというこの作品は、映画史上に残る「反面教師」として観ておかなければならない映画として、その地位を不動のものにしている。

 特に必要もないのに出てくるゲストたち。完全に棒読みの出演陣。そして、何がどうなっているのか、本と末がつながらない脚本。例えば、前評判からして最悪で、原作者の鳥山明が異例の「別モノ」コメントをした『ドラゴンボール エボリューション』は、それでも映画としては成立しているから、まだマシといえる。

 もはや、実写化→公開前から「観てないけど酷評」はテンプレ状態。2010年代に限っても『ルパン三世』『進撃の巨人』など「なんで、こんなふうに実写化をしてしまったんだ」と、映画館に入場料を払ってしまった自分の頬を殴りたくなる作品は後を絶たない。もう実写になったことすら忘れられていそうな『ワイルド7』とか『ガッチャマン』は、怒りの記憶がない分、まだマシな部類かも知れない。

 でも、こうした「原作レイプ」的な実写化は、現代になって始まったものではない。人気マンガの実写化というのは『あんみつ姫』や『サザエさん』の時代から行われてきたものだ。

『ゴルゴ13』は1970年代に二度にわたって実写化されているが、とりわけ千葉真一がゴルゴを演じる『ゴルゴ13 九竜の首』(1977年公開)は、標的を撃つシーン以外は、ほぼゴルゴ的要素が皆無の珍作。同年、千葉は『ドーベルマン刑事』でも主演しているが、こちらも主人公が44マグナム弾くらいしか使わない残念な作品になっている。

 とはいえ、80年代あたりは黒歴史的な作品もある一方で、一定の評価を得る実写化も存在した。『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズは比較的話題になった作品といえる。テレビドラマからの派生で劇場版も製作された『スケバン刑事』も同様だろう。

 また『女囚さそり』シリーズや『0課の女』など原作とは、キャラ設定も物語もまったく異なるのに、名作になった作品もある。

 実は製作サイドも、たいていの場合は「こんな実写化は、誰も面白いハズがない」とは、気づいている。でも、それを止めることのできない“大人の事情”が、数々の黒歴史を作っているのだ。

 そんな“大人の事情”の最たるものが「失敗したくない」という甘えだ。

 現在では、多くの作品が製作委員会方式となっている。そこでは「俺についてこい!!」と、旗を振るようなプロデューサーもいない。各出資企業の腹の中にあるのは、出資を回収して、損のない程度に儲けて、また来期も事業を存続させる。ただ、それだけである。

 そこに集まるのは「ナンタラの賞を取ったり実績のある有名な監督」「今、話題の俳優・アイドル」を使うという無難な意見だけ。そもそも、原作のマンガだって「これだけ単行本が売れている」という理由で出資が集めやすいから使われているに過ぎないのだ。

 結局、問題はマンガの実写化のみならず、次々と企画を立てて製作しなくては、お金が回らないという企業の都合にある。

 誰もが止められない負のスパイラルが続く限り、駄作は永遠に量産されていく。
(文=是枝了以)

劇団ひとり『永沢君』、「視聴率狙いではなさそう」でも22.8%も夢じゃない!?

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『永沢君』/小学館

 漫画家・さくらももこが原作の『ちびまる子ちゃん』(集英社)のスピンオフ作品『永沢君』(小学館)が、4月からTBSで実写ドラマ化されることが発表された。玉ねぎ頭の毒舌キャラ・永沢君役は劇団ひとりに決定。アニメ版が放送されているフジテレビではなく、TBSでの新番組だが、長年視聴者に親しまれてきた人気アニメのスピンオフ作品がどれだけの視聴者に愛されるのかと、注目が集まっている。

 劇団ひとりのほかには、親友の藤木君役をはんにゃ・金田哲、小杉君役を森三中・大島美幸、花輪君役をウエンツ瑛士、クラスのマドンナ・城ヶ崎さん役を皆藤愛子、根暗な野口さん役をハリセンボン・箕輪はるかが演じる。永沢君とその周辺の人達の中学時代が描かれた作品で、毎週月曜~木曜の午後11時53分から放送される5分間のミニドラマ枠だという。

映画『進撃の巨人』が頓挫寸前!? 監督だけでなくキャストも降板

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映画『進撃の巨人』公式サイトより

 累計発行部数1,000万部突破、第35回講談社漫画賞など、さまざまな賞を獲得し、現在最も勢いがあるといわれる漫画『進撃の巨人』(講談社)。「別冊少年マガジン」の看板作で、実写映画化とアニメ化も決定していた。ところが映画化をめぐっては、想定の範囲外のトラブルが発生しているようだ。

 同作の映画化が正式発表されたのは、2011年の年末だった。当時は、内容やキャストなどに関しては明かされず、「公開は2013年を予定」「メガホンを取るのは中島哲也監督」「中島監督と原作者・諫山創が、1年ほど綿密に打ち合わせを続けている」といったことが伝えられた。また配給の東宝は、「日本映画界最大規模の制作費で、原作の世界観を忠実に再現する」というコメントを発表。すでに同時期からエキストラの募集が行われていたことから、すでにクランクインもしていたとみられている。