資産隠し発覚の「てるみくらぶ」社長に“韓国カルト団体への横流し”疑惑が浮上中

 やはり金を隠していた。昨年3月に経営破綻した格安旅行会社「てるみくらぶ」の山田千賀子社長が、自宅に現金約700万円を隠し持ち、警視庁に押収されていたことが伝えられた。山田社長は債務超過を隠蔽して銀行から2億円もの融資を騙し取った疑いで、警視庁に逮捕されたが、一部の債権者からは資産隠しを疑われていた。事実、破産管財人に申告していない金を所持していたため、資産隠しの捜査がなお本格化しているのだが、一説には韓国のカルト団体に多額の金を逃がしているともいわれる。

「山田社長は、会社を立ち上げた頃から韓国に強い人脈があって、主力商品となった格安ツアー販売も、韓国旅行が一番の売りでした。それで社長本人も頻繁にソウルなどに足を運んでいたのですが、現地のスタッフには社員でもない怪しい協力者たちがいて、Yというカルト教団の信者だというウワサがあったんです」(元社員)

 てるみくらぶが韓国旅行に強かったのは、ソウル3日間で5,980円という超激安のツアー商品があったことでもわかる。また、倒産前の同社は、台湾や東南アジア方面のツアーについての問い合わせメールに対しては3~4日後の返答になることがあったのに、韓国旅行は現地窓口が常に即答をしていたほどの力の入れようだった。

「本来の担当者である日本人の現地スタッフが不在のときでも、日本語の話せる韓国人が常駐していて、それなのに人件費に計上されてなかったり、社内でも怪しまれていたんです」(同)

 てるみくらぶは1998年に設立、01年からオンライン販売での激安ツアーが評判を呼んでいたが、少なくとも13年から架空の利益を計上する粉飾決算を繰り返していたことが明らかになっている。結果として代金を支払った9万人もの旅行者が債権者となり、総額100億円に上る被害を出した。

 債権者は警察の捜査とは別に、独自に会社の資産を調査。そこで、山田社長が都内に本部のある新興宗教に入れ込んでいるという話が浮上していた。寄付金を隠れみのに隠し財産を作っていたのではないかという疑いまで出ていたのだが、これとは別に、韓国カルト団体・Yについても疑いが出てきている。

「何しろ、てるみくらぶは破産に至るまでの動きが用意周到。おかげで取引先と金融機関への実害は少なく、債権者の大半は無力な個人客。それを考えると、巧妙な資産隠しをしていてもおかしくはないんですが、その疑いは主に3つ。第1に創業者や山田社長の自宅に現金が隠されていないか、第2に国内宗教団体など関連各所に横流ししていないか、そして第3が海外への送金問題です。第1の疑いがクロになったことで、第2と第3の捜査に力を入れてもらいたいところ」(約80万円の被害を受けた債権者男性)

 昨年、会社は、わずか2億円足らずの現預金を残して破産したが、同時に山田社長個人も破産手続きをしていた。しかし、こちらは自宅に多額の現金を隠匿していたことで、さらに別の資産隠しがある疑いは強まる。

 その資産の逃がし先に浮上した、国内の宗教団体と韓国のカルト団体。中でも後者については、元社員が「倒産が表になってから、多数の社員やスタッフらが給料の未払いなどで困惑している。そんな中、韓国にいたはずの現地スタッフが一斉に姿を消しているのも怪しい」と話す。前代未聞の旅行会社倒産をめぐっては、いまだ謎めいた話が横行中だ。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

資産隠し発覚の「てるみくらぶ」社長に“韓国カルト団体への横流し”疑惑が浮上中

 やはり金を隠していた。昨年3月に経営破綻した格安旅行会社「てるみくらぶ」の山田千賀子社長が、自宅に現金約700万円を隠し持ち、警視庁に押収されていたことが伝えられた。山田社長は債務超過を隠蔽して銀行から2億円もの融資を騙し取った疑いで、警視庁に逮捕されたが、一部の債権者からは資産隠しを疑われていた。事実、破産管財人に申告していない金を所持していたため、資産隠しの捜査がなお本格化しているのだが、一説には韓国のカルト団体に多額の金を逃がしているともいわれる。

「山田社長は、会社を立ち上げた頃から韓国に強い人脈があって、主力商品となった格安ツアー販売も、韓国旅行が一番の売りでした。それで社長本人も頻繁にソウルなどに足を運んでいたのですが、現地のスタッフには社員でもない怪しい協力者たちがいて、Yというカルト教団の信者だというウワサがあったんです」(元社員)

 てるみくらぶが韓国旅行に強かったのは、ソウル3日間で5,980円という超激安のツアー商品があったことでもわかる。また、倒産前の同社は、台湾や東南アジア方面のツアーについての問い合わせメールに対しては3~4日後の返答になることがあったのに、韓国旅行は現地窓口が常に即答をしていたほどの力の入れようだった。

「本来の担当者である日本人の現地スタッフが不在のときでも、日本語の話せる韓国人が常駐していて、それなのに人件費に計上されてなかったり、社内でも怪しまれていたんです」(同)

 てるみくらぶは1998年に設立、01年からオンライン販売での激安ツアーが評判を呼んでいたが、少なくとも13年から架空の利益を計上する粉飾決算を繰り返していたことが明らかになっている。結果として代金を支払った9万人もの旅行者が債権者となり、総額100億円に上る被害を出した。

 債権者は警察の捜査とは別に、独自に会社の資産を調査。そこで、山田社長が都内に本部のある新興宗教に入れ込んでいるという話が浮上していた。寄付金を隠れみのに隠し財産を作っていたのではないかという疑いまで出ていたのだが、これとは別に、韓国カルト団体・Yについても疑いが出てきている。

「何しろ、てるみくらぶは破産に至るまでの動きが用意周到。おかげで取引先と金融機関への実害は少なく、債権者の大半は無力な個人客。それを考えると、巧妙な資産隠しをしていてもおかしくはないんですが、その疑いは主に3つ。第1に創業者や山田社長の自宅に現金が隠されていないか、第2に国内宗教団体など関連各所に横流ししていないか、そして第3が海外への送金問題です。第1の疑いがクロになったことで、第2と第3の捜査に力を入れてもらいたいところ」(約80万円の被害を受けた債権者男性)

 昨年、会社は、わずか2億円足らずの現預金を残して破産したが、同時に山田社長個人も破産手続きをしていた。しかし、こちらは自宅に多額の現金を隠匿していたことで、さらに別の資産隠しがある疑いは強まる。

 その資産の逃がし先に浮上した、国内の宗教団体と韓国のカルト団体。中でも後者については、元社員が「倒産が表になってから、多数の社員やスタッフらが給料の未払いなどで困惑している。そんな中、韓国にいたはずの現地スタッフが一斉に姿を消しているのも怪しい」と話す。前代未聞の旅行会社倒産をめぐっては、いまだ謎めいた話が横行中だ。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

「幸福の科学」信者報道にもめげず……新木優子が4クール連続で連ドラ出演のワケとは?

 昨年8月下旬、「週刊新潮」(新潮社)で「幸福の科学」の信者であると報じられた若手女優・新木優子が、この1月期、日本テレビ系の連続ドラマ『トドメの接吻』(山崎賢人主演)に出演する。また、フジテレビの動画配信サイト(FOD)で同10月から配信されていた主演ドラマ『ラブラブエイリアン2』が、1月22日より、毎週月曜深夜24時55分から地上波放送されることも決まった。

 新木は、昨年4月期『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(小栗旬主演/フジテレビ系)にメインキャストで出演したのを皮切りに、同7月期『コード・ブルー-ドクターヘリ救急救命-the 3rd season』(山下智久主演/同)、同10月期『重要参考人探偵』(Kis-My-Ft2・玉森裕太主演/テレビ朝日系)に出演しており、これで4クール連続で連ドラにレギュラー出演する快挙を成し遂げることになる。

 さらには1月13日公開の映画『悪と仮面のルール』、年内公開の『あのコの、トリコ。』にも出演が決まっている。いずれもヒロインでの“厚遇”で、まさに波に乗っている状況だ。

「幸福の科学」といえば、昨年2月、売れっ子となっていた清水富美加が、契約途中でありながら、所属するレプロエンタテインメントを退所し、同教団に法名・千眼美子として出家した騒動があった。同誌によれば、大川隆法総裁による霊言として、新木が「数年、10年後には合流したいなという気持ちは持っている」といった発言もしたとされた。それだけに、くだんの報道で、新木のタレントイメージが下がるのでは? との危惧もあったが、その後も順調に仕事を獲得しているのは、なぜなのか?

「新木が所属しているのは業界大手のスターダストプロモーションで、制作側もゴリ押しされると、なかなか断れない環境があるようです。『トメドの接吻』は同じ事務所の山崎が主演とあって、たぶんにバーター出演の印象は拭えません。そして、なんと言ってもギャラが安いので、各局とも使いやすい面はあるのだと思われます。事務所とは、『清水のように迷惑はかけない』と約束しているとも言われていますし、スターダストのプッシュは続くでしょうね。とはいえ、起用するテレビ局、映画製作会社、CMスポンサー企業としては、『第2の清水富美加になるのではないか?』と戦々恐々であることに変わりはないでしょう」(テレビ制作関係者)

 新木といえば、ルックスもよく、演技もヘタではないが、まだ存在感が薄いのは否めない事実。仕事があるうちに、業界で必要とされる女優に成長を遂げてほしいものだが……。
(文=田中七男)

「幸福の科学」信者報道にもめげず……新木優子が4クール連続で連ドラ出演のワケとは?

 昨年8月下旬、「週刊新潮」(新潮社)で「幸福の科学」の信者であると報じられた若手女優・新木優子が、この1月期、日本テレビ系の連続ドラマ『トドメの接吻』(山崎賢人主演)に出演する。また、フジテレビの動画配信サイト(FOD)で同10月から配信されていた主演ドラマ『ラブラブエイリアン2』が、1月22日より、毎週月曜深夜24時55分から地上波放送されることも決まった。

 新木は、昨年4月期『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(小栗旬主演/フジテレビ系)にメインキャストで出演したのを皮切りに、同7月期『コード・ブルー-ドクターヘリ救急救命-the 3rd season』(山下智久主演/同)、同10月期『重要参考人探偵』(Kis-My-Ft2・玉森裕太主演/テレビ朝日系)に出演しており、これで4クール連続で連ドラにレギュラー出演する快挙を成し遂げることになる。

 さらには1月13日公開の映画『悪と仮面のルール』、年内公開の『あのコの、トリコ。』にも出演が決まっている。いずれもヒロインでの“厚遇”で、まさに波に乗っている状況だ。

「幸福の科学」といえば、昨年2月、売れっ子となっていた清水富美加が、契約途中でありながら、所属するレプロエンタテインメントを退所し、同教団に法名・千眼美子として出家した騒動があった。同誌によれば、大川隆法総裁による霊言として、新木が「数年、10年後には合流したいなという気持ちは持っている」といった発言もしたとされた。それだけに、くだんの報道で、新木のタレントイメージが下がるのでは? との危惧もあったが、その後も順調に仕事を獲得しているのは、なぜなのか?

「新木が所属しているのは業界大手のスターダストプロモーションで、制作側もゴリ押しされると、なかなか断れない環境があるようです。『トメドの接吻』は同じ事務所の山崎が主演とあって、たぶんにバーター出演の印象は拭えません。そして、なんと言ってもギャラが安いので、各局とも使いやすい面はあるのだと思われます。事務所とは、『清水のように迷惑はかけない』と約束しているとも言われていますし、スターダストのプッシュは続くでしょうね。とはいえ、起用するテレビ局、映画製作会社、CMスポンサー企業としては、『第2の清水富美加になるのではないか?』と戦々恐々であることに変わりはないでしょう」(テレビ制作関係者)

 新木といえば、ルックスもよく、演技もヘタではないが、まだ存在感が薄いのは否めない事実。仕事があるうちに、業界で必要とされる女優に成長を遂げてほしいものだが……。
(文=田中七男)

「警察に詳しく捜査してほしい……」経営破たんの激安ツアー会社「てるみくらぶ」の裏に“新興宗教”の影も?

 今年3月に経営破たんした格安旅行会社「てるみくらぶ」の山田千賀子社長と元経理担当の笹井利幸が、昨年から債務超過を隠蔽して銀行から2億円もの融資を騙し取った疑いで、警視庁に逮捕された。一部の債権者は、山田容疑者の背後に新興宗教団体の存在があると見ており、「そういうところにも捜査が及んでほしい」と話す人もいる。

 同社は、2013年から架空の利益を計上する粉飾決算を繰り返していたことが明らかになっており、結果として代金を支払った9万人もの旅行者が債権者となってしまい、総額100億円に上る被害が出ている。山田容疑者は11月6日の債権者集会で「詐欺の意識はなかった」などと訴えていたが、銀行に虚偽の決算書を出したことは認めていたという。

「山田の言うことは嘘ばかり」と怒るのは債権者のひとり、新婚旅行でヨーロッパを周遊する予定がパーになった30代男性。約40万円の代金は「いまだ1円も返されていない」という。

「山田社長は一昨年から新聞広告を打ったことで経費がかさんだとか理由を説明していましたが、粉飾は4年も前から。さっさと倒産していればよかったのに、自分や役員の報酬のために無理な延命をして客を騙してきたので、これは破産ではなく計画倒産、巨額の詐欺だと思っています」(同)

 実際、「てるみくらぶ」の運営は明らかに苦しく、破産前から異様なトラブルが続出。旅行者からは出発1週間前になって行き先が変えられたり、現地に着いてからスケジュールを変更されたりといった混乱が、相次いで報告されていた。今年に入ると「2月25日までの振り込みできる方限定」などと、早期入金を促す広告が掲載され、同業者からも「資金繰りに行き詰まっている」という見方をされるようになっていた。

 同社は1998年に設立、ネット時代の波に乗って2001年から始めたオンライン販売での激安ツアーが評判を呼び、業界最安値といわれるツアープランを武器に、昨年度9月期の年売上高は約195億円にも達していたが、その数字がまさにインチキだった可能性が出ているわけだ。

「赤字を黒字に見せかけた決算書の偽造で、銀行と税務署には別のものを提出していたようですから、かなり悪質です」(同)

 ただ、一部の債権者からは集会で「宗教につぎ込んだんだろ!」という罵声もあったという。山田容疑者は創業者ともども、都内の新興宗教に入れ込んでいたというウワサがあるからだ。

 同社の元社員からも「社内にその教団の祭壇があって、社長らが社内に教団関係者と見られる人々をよく招き入れていた」という話が聞かれる。

「その団体は神仏習合の、いかにも新興宗教って感じで、霊感商法のようなことをやっているとは聞きましたが、あまり有名ではないので、何をやっているのかハッキリしない感じでした。それで社内では、宗教法人を利用した脱税をしているのでは? というウワサもあったんですが、社長にベッタリだった役員のひとりが本気で信仰していて『ボーナスを全部丸々寄付した』と自慢げに言っていたこともありました。ウワサでは、その団体の運営は赤字で、寄付金を隠れ蓑にして隠し財産を作っていたんじゃないかって」(同)

 現時点では決算書から、その宗教団体に金が流れたという部分は見てとれないようだが、今後、何が出てきても不思議ではない。それだけに債権者からは「警察に詳しく捜査してほしい」という声も上がっている。

 破産に至るまでの動きが用意周到だったように見えるところもあり、取引先と金融機関への実害は少なく、債権者の大半は個人客。その被害感情は切実だ。

 もしも破綻と宗教団体の関わりが出てくれば、またひと悶着ありそうだが、いずれにせよ、この有り様では山田容疑者が信奉した宗教のご利益はなかったようだ。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

アイドルや宗教は家族の代わりになるか? 無縁の共同体の可能性――佐々木俊尚×白河桃子対談

 女性の未婚率が年々上昇している。なぜ結婚しないのか、理由は人の数だけある。しかし、ライフスタイルが多様化する中で、積極的に結婚しない人生を選択している女性が増えていることは確かだろう。その背景にある社会や個人の価値観の変遷を追いかけているのが、ジャーナリストの佐々木俊尚氏と白河桃子氏だ。

 ITから政治・経済・社会・文化・食に至るまで、幅広いジャンルにおける深い考察と提言が支持されている佐々木氏は、これからの「暮らし」をテーマにした『そして、暮らしは共同体になる。』(アノニマ・スタジオ)を刊行。グローバル化によって揺れ動く日本の生活者の変化と、これからの暮らしの可能性をひもといている。

 また、少子化ジャーナリストとしても活躍する白河氏は、『「専業主夫」になりたい男たち』(ポプラ新書)や、『進化する男子アイドル – なぜ大人の女性たちはアイドルを「家族」として選んだのか?』(ヨシモトブックス)などの著書で、家族観や女性のライフスタイルについて、鋭く分析している。

 目まぐるしく変化する日本社会の中で、自分のこれからに迷い、不安を抱えるすべての女性たちにとって羅針盤となる“生き方のヒント”を、論客としても著名なお2人に語っていただいた。前編は、女性にとっての結婚の意味について。

――お2人とも切り口は異なるものの、ライフスタイルや家族をテーマに、講演や執筆をされているかと思います。まずは、近著を手掛けられたきっかけについて教えてください。

佐々木俊尚氏(以下、佐々木) 私は「グローバリゼーションと近代の終わり」や「テクノロジーの進化」などをライフワークとしていますが、この2つの変化が我々の生活に徐々に侵食し、人間社会に何をもたらすのかを考察し続けています。特に、東日本大震災以降の5年は、「新しいライフスタイルって何なのか」ということについて考えるようになり、その集大成として『そして、暮らしは共同体になる。』を書きました。

白河桃子氏(以下、白河) 私は、これまで家族が担ってきたセーフティネットとしての機能が「核家族化」「未婚化」「男性大黒柱型機能の喪失」によって限界が来ていることを感じています。しかし「共働き共育て」の夫婦への移行もすすまない。気になっていた「アイドルと女性たち」、そして「そこから派生するライフスタイルと家族の絡み」について書きたいと思いました。

――「家族」という装置に求められてきたものが、徐々にアイドルへと転化していっている点を突かれていて、とても興味深かったです。

白河 アイドルを追いかける“大人の女性”がいるのは、日本だけの現象なんですよね。そもそもアイドルの機能のひとつには、「癒やし」があります。お母さんって、いつも家族を応援しているのに、自分を応援してくれる人は誰もいないんですよね。そこをケアしてくれるのがアイドルという存在。女性たちはアイドルを家族の中に取り込むことによって、逆にそれが「安全弁」の役割をして、家族の機能を維持していることに気がつきました。取材をさせていただくと、アイドルの写真を家族写真に紛れ込ませて飾っている方もいました。こうした例からも、アイドルがアイドルの枠を超えて、家族と同化しているのは、日本ならではかもしれません。

佐々木 一見すると「AKB48と男性ファン」の図式に似ていますが、男性と女性ではアイドルに対する向き合い方が違いますよね。宗教に置き換えると、男性は「神と自分の一対一」、女性は「教会に集まる人たちとの共同体」を重視しているように感じます。女性は神を中心に据えた横のつながりを大事にするんですよね。追いかけているアイドルを中心に、新しい共同体みたいなものがつながっていくのかな。

白河 男性はファン同士でも競争関係、女性たちは共感関係でした。「SMAPがなくなると、コミュニティがなくなる」という話を耳にしましたが、今のお話を聞いて、なるほどと思いました。

佐々木 もともと、宗教って自然に共同体ができるんですよ。共同体が希薄になってきている現代では、宗教的なものを拠り所にしようとする感覚は理解できます。どちらかというと、“ふわっとした宗教感覚”、たとえばパワースポットとか神社仏閣巡りとか、そういうものが新しい共同体の核になるんじゃないかと思うんです。これって、アイドルの話と、どこかで重なるような感じがします。

――「夫婦」は共同体の最小単位ですが、それでは満たされないものがある、ということでしょうか?

白河 日本の夫婦は、愛情はアイドルで代替というカップルもいる。ただ、「結婚なんて馬鹿らしいよね」「アホらしいよね」と、家族からの脱却を主張していた女性たちも「婚活」をする時代です。婚活ブームでびっくりしたのは、やっぱりみんな結婚したかったのかと。それは、結婚に代わる新しい共同体や男女の形が、まだまだ見つかっていないからだと思いますが。

佐々木 景気の減速もあるんじゃないですかね。

白河 それも大いに関係していますね。リーマンショックと婚活ブームって重なったんですよ。経済的な不安を持った人が、経済的に頼れるものを求めて婚活に走ったんです。

佐々木 「結婚しない」「子どもを産まない」という自由主義的で、多様性のある生き方の追求が少しずつ広がってきていたはずですが、結局、リーマンショックや東日本大震災があってから、すごい勢いで景気が減速して、やっぱり「結婚した方が安心だよね」となった。また、生き方の選択肢は増えれば増えるほど、公務員志望者が増えるともいわれますよね。でも全員が公務員にはなれないので、多様な生き方を引き受けざるを得ないのが今の状況ですよ。

――女性にとっては、自由なことが、逆に不自由だということでしょうか?

佐々木 自由ってつらいですよ。たとえば、誰の命令でもなく自分で相手を選んだとして、失敗すると自分で責任を取らなきゃいけないですよね。一方で、お見合い結婚って、今ほとんどなくなっちゃいましたけど、結婚した相手の出来がよくなくても、これは私が選んだ相手じゃないからって諦められる。自由はないけれども、気が楽だという考え方もありますよね。

白河 日本だと、まだまだ夫に経済を頼る結婚が多い。女性は子育てをすることが主流で、夫はお金を持ってくる役割を担っている。片や、フランスだと保障があって、シングルマザーでも仕事をしながら子育てできる体制が整っているんです。最悪、仕事を失っても子育てだけはちゃんと国が支えるというメッセージを発信しているので、出生率が上がっています。それに比べると、日本はまだまだ多様な家族のあり方を受け入れられていないと思います。

――あと、結婚後に問題になりがちなのが、相手の家族との関係がこじれてしまうケースですよね。

佐々木 男女間の恋愛で結婚して、親は関係ないと言いながらも、結局は相手の親に引きずられるんです。結婚した瞬間に“家問題”が生じてしまう。そこのジレンマは結構あるんじゃないですかね。同時に夫婦って一対一の狭い関係ですから、あまりに夫婦の関係が強すぎると息苦しい。そうじゃない、もう少し自由な選択ができるような関係性を求める人もいると思います。「出入り自由な共同体」「束縛されないけど安心感がある共同体」、二律背反したものを求める人が実際増えてきている。“無縁の共同体”が、いい関係性を作れるんじゃないかと期待しています。

白河 ただ、いまの社会では、多くの女性は、まだそこまでの新しい生き方を求められないんじゃないかと思います。結婚しないままの関係でいいかというと、女性の方がそんな保障のない関係にメリットを見いだせていない。そこは、やっぱり子どもを持っても女性の経済力が失われないという安心がないと、なかなか無縁の共同体を選ぶまでには、至らないんじゃないでしょうか。

佐々木 確かに結婚を「保障」とする考えは根強いです。とはいえ、いまや結婚適齢期世代でも非正規雇用が増えていて、安定と結婚がイコールにならないという残念な状況。もはや経済的なセーフティネットとして結婚を捉えきれないんですよ。でも、たった1人で社会に立ち向かうってのは大変じゃないですか。というか、そんなの不可能です。それができる人って、10人に1人くらいじゃないかな。だからこそ、僕はやっぱり結婚よりも仲間が重要だと思うんです。

 僕の新聞記者時代を振り返ってみても、よく手柄を横取りされるとか、ひどい目に遭ったんですよ。でも、そのときに必ず親しい先輩がすっとそばに来て、「佐々木、見ている人は見ているからな」って声を掛けてくれる。こういう感じの共同体って、大事だと思うんですよね。よく仲間っていうとコミュニケーション能力が必要といわれますが、コミュ力がなくても、目立っていなくても、それをちゃんとカバーしてくれて、かつ居心地がいい仲間って、どこかにいると思うんです。
(末吉陽子)

(後編へつづく)

カルト村出身者が語る、清水富美加「出家騒動」と宗教に対する社会の偏見

 先日、女優の清水富美加が突然芸能界を引退。その理由が宗教団体・幸福の科学に出家をするということで、世間を騒がせた。コミックエッセイ『カルト村で生まれました。』『さよなら、カルト村。思春期から村を出るまで』(文藝春秋)の著者・高田かやさんは、「所有のない社会」を目指す「カルト村」で生まれ、19歳のとき自分の意志で村を出るまで、両親と離され、労働、空腹、体罰が当たり前の暮らしを送った体験を淡々と描いている。今回の騒動から改めて見えてきた、現代における宗教や信仰、社会の偏見について高田さんに伺った。

■カルト村にいることに、疑問を持ったことはなかった

――清水富美加の出家騒動が大きく報道されましたが、高田さんは今回の騒動について、どう思われますか?

高田かやさん(以下、高田) 清水さんは知り合いでもなんでもないので、特に何も思いません。夫の“ふさおさん”が、テレビに出ている人に対して、まるで知り合いのように語ることがよくありますが、「知らない人のことなのに、よくそんなに盛り上がれるな」と、むしろ感心します(笑)。

――高田さんは生まれたときからカルトが生活の一部だったと思いますが、小さい頃に「自分は、なぜカルト村で生活をしているのだろう?」と疑問に思ったことはありませんでしたか? 

高田 なぜ自分が両親の子どもなのかを考えたことがなかったように、親がいる場所が自分のいる場所だと思っていたので、疑問に思ったことはありませんでしたね。

――親がいる場所が自分のいる場所……言われてみればそうですよね。村の外部の人が「村の子」と呼ぶ存在であることで、小学校や中学校の頃に、いじめの対象になった経験はありますか?

高田 どの時代にも私を毛嫌いする子はいましたし、「村の子」だとわかった上で、何も問題なく仲良くしている子もいました。ただ、私を嫌っている子が、私が「村の子」だから嫌っているのか、それとも村は関係なく、個人的に嫌いだったのかは、私にはわかりません。

――「村の子」たちは朝ご飯を食べられなかったり、ほとんどの部活動が禁止されていたり、何かと「一般の子」と違う部分があったようですね。

高田 私の通った学校では、大部分の学校の子たちには「なんとなく少し変わった暮らしをしているところの子どもたち」くらいに受け取られている雰囲気で、別段特別視はされていなかったように思います。

――勝手なイメージで大変申し訳ないのですが、カルトにハマっている人たちは周りの意見を聞かず、自分が良いと信じているものに突進していっているように思えます。やはり、カルト村で生活をしていた人たちも、自分が良いと信じたものは疑わないような人たちだったのでしょうか?

高田 私は子どもだったので大人のことは全然わからないのですが、村の理念に共感して集まった人たちで、きっと村の考えが良いと信じている部分はあったのだと思います。村人の中にも村の考えにどっぷりで「村は良い!」と声高に言う人もあれば、ただ穏やかに村で暮らしているだけの村人もいたので、同じところで生活していても実際にはいろんな人がいて、各個人でみんなそれぞれ思っていることは違ったのではないかと思います。

――著書の中では、マインドコントロールされているという意識はなかったように読み取れましたが、カルト村での生活を振り返ってみて、マインドコントロールが行われていたと思いますか?

高田 思います。

――では、そのマインドコントロールに気づき、「こういう点はおかしい!」と声を上げる村人はいなかったのでしょうか?

高田 村では、子どもは子どもだけで集められて暮らしていたので、世話係を除けば大人の村人とほとんど接触がなかったため、村人がどうだったかはまったくわかりません。でも、子ども同士では普通に、村の批判や、おかしいところを話すことはありましたね。

――当時、村の子たちは高校に進学できなかったとありました。さすがに中卒は少ない時代です。進学できないことに関して、反抗的な気持ちは起こりませんでしたか?

高田 正直なところ、中学生の頃は勉強が苦手だったので「(村の)高等部に行けば高校に行かなくてもいいから、もうテスト勉強しなくていいんだー、ラッキー!」くらいに思っていました。

――しかし、将来、職業の選択肢は限られてしまいますよね。

高田 子どもの頃から、自分はずっと村にいるだろうと思っていたし、高等部に入ることも特に疑問に思わず、「仕事に困る」といった発想をしたこともなかったです。村では自分の役割さえこなしていれば、あとは何も心配いらない暮らしだったので、学歴が仕事に結びつくような発想自体、思いつかなかったです。

 ただ、「中卒」という響きは気に入らなかったので、もし高等部で通常の高校に通えるコースがあったなら、そちらを選んだんだろうなとは思います。数学は苦手でしたが、古文や美術は、もっといろいろ教わりたかったですね。

■普通の人が感じる、よくわからない団体に対しての拒否感も理解できた

――19歳でカルト村を出て、ふさおさんに出会ったとのことですが、カルト村出身であることに関して、勇気を振り絞ってふさおさんに告白したように感じられました。やはり、カルト村出身であることへの羞恥心や、距離を置かれてしまうかもしれないといった不安があったのでしょうか?

高田 もちろん、どう思われるだろうという不安はありました。村が一般的にどう思われているのかは、なんとなくわかっていましたし、普通の人が感じる、よくわからない団体に対しての拒否感というものも理解できたので。

 ふさおさんとメールのやりとりをしているときも打ち明けられず、どうしようかと悩みました。でも、実際に会っていろいろ話をするようになると、どうしても過去が現在につながっているため、はっきり言っておいたほうが伝わりやすく、自分がすっきりしたかったこともあり、村出身だと話しました。

 ふさおさんは、私が村で生まれて暮らしていたということをまったく気にしない人で、普通に受け入れてくれました。そういう人と長く一緒にいたから、この本が描けたというのは、実際のところあると思います。

――村では自分の所有物はないということですが、特にお金を所有できないのは、一般の人には想像できないと思います。自由にお金を使えるようになった今、高田さんは、お金をどのようなものだと考えていますか?

高田 お金が存在しなかった子ども時代だったからこそ得た、「お金はすごい、お金はお守り!」といったお金自体に対するリスペクトは、相変わらずありますね(笑)。ただ今は、お金が必要な社会で暮らしていますし、子ども時代のように隠し持って眺めてうっとりというようなことはしていません(笑)。必要なものは買って、おいしいものを食べてあちこち旅行して、家のローンも払っています(笑)。

 お金は大事ですが、あくまでもお金で、軽んじることはこれからも決してないけれど、「お金、お金!」とがんじがらめにならないように、気楽に暮らせればいいなぁくらいに思っています。

――お金を見慣れていないと「こんな大金、どう使えばいいのかわからない!」と、就職後、初任給の使い道に悩みそうです。

高田 初任給の使い道に困ることは、特になかったです。村では誰かのお古ばかりでおしゃれができなかったので、最初は「しまむら」とかに通って服をたくさん買いましたし、貯金もしたかったですし。それでお金が貯まったら自動車の免許取得! 次は一人暮らし! ……という感じで、お金を貯めてはどんどん使っていました。暮らしていく上でお金は、いくらあっても困りませんからね(笑)。

――お金と、うまく付き合っていけているんですね。村では自分の成長のために仕事をしますが、一般社会で仕事をする主な理由は、お金をもらうためです。この、仕事をしてお金をもらう行為について、高田さんはどんな印象を受けましたか?

高田 いいですね! お金大好きなので、最高です! 子どもの頃に自分の労力をお金に換算して手に入れることが可能だったなら、お菓子や本も買えたし、友達の誕生日プレゼントも買えたし……と、つい空想してしまいます。

■個人の人格は無視されて、「信仰」に対するイメージで判断される世の中

――日本では、とかく宗教や信仰について公にしづらい雰囲気がありますが、それについてどう思いますか?

高田 特に考えたこともありませんが……確か海外でも「どんなに親しい間柄でも、宗教と政治と野球の話には気をつけろ」って言いませんでしたっけ? 私の場合、「村にいた」と言った途端に、「カルト村出身者」「元村の子」とひとくくりにされてしまうことがよくあります。実際は、それぞれ別人格を持った個人の集まりですし、村ではちょっと変わっていると言われていた私が今、村の話をすることも、まったく個人的な思い出なのに“元村の子代表”みたいになっていて「なんかスミマセン」という感じです。村にいた子それぞれに、100人いたら100通りの捉え方があると思うし、村に対して思うことも人それぞれだと思います。

 「何かを信仰している」と言いづらい空気があるとすれば、言った途端にその人個人の歴史や人格は無視されて、聞いた人が持つ「信仰」に対してのイメージのみですべてを判断される今の世の中の傾向が関係しているのではないだろうかと思います。

――カルト村で小さい頃に世話係さんから虐待を受けたり、ひもじい思いをしたりと、いまだに何かトラウマが残っているのではないかと感じられました。村で生活したことで、今でも日常生活に染み付いている習慣はありますか?

高田 習慣ではないですが、うれしいことが続くと不機嫌になるという、変な癖があります。村にいた頃、両親とは離れて暮らしていて、たまにしか会えなかったんです。会っても必ず別れる日が来たので、今でもあまり良いことが続くと、訳もなく不安になってしまいます。良いことを喜ぶより、良いことを怖れる気持ちのほうが強いのは、「幸せは長くは続かない」と、記憶に刷り込まれているからだろうと思います。

 あと自分では無自覚で、最近ふさおさんに指摘されて気づいたのですが……。子どもの頃、おなかをすかせたときの自衛手段として食べ物を隠してこっそり食べていたので、今でもふさおさんが買ってきてくれたお菓子などを、すぐ食べないでしまい込む癖があります(笑)。「今よりもっとおなかがすいたときのため」という理由なのですが、あちこちにしまい込んで忘れてしまって、結局、賞味期限が切れてしまったりすることも多く、ふさおさんに「犬かよ! 悪くしてから食べるんじゃなくて、おいしいうちに食べなよ、また買ってきてあげるから!」と怒られるのですが、やはりもったいなくて好きなものはしまい込んで、後からちびちび食べています。おなかをすかせてから大事に食べると、おいしくないですか?(笑)
(姫野ケイ)

高田かや(たかだ・かや)takadakaya2
東京都在住、射手座、B型。生まれてから19歳まで、カルト村で共同生活を送る。村を出てから、一般社会で知り合った男性“ふさおさん”と結婚。村での実体験を回想して描いた作品を「クレアコミックエッセイルーム」に投稿したことがきっかけでデビュー。今、一番幸せを感じるのは、ベッドで寝転びながら本を読みつつ、何か食べているとき。

カルト村出身者が語る、清水富美加「出家騒動」と宗教に対する社会の偏見

 先日、女優の清水富美加が突然芸能界を引退。その理由が宗教団体・幸福の科学に出家をするということで、世間を騒がせた。コミックエッセイ『カルト村で生まれました。』『さよなら、カルト村。思春期から村を出るまで』(文藝春秋)の著者・高田かやさんは、「所有のない社会」を目指す「カルト村」で生まれ、19歳のとき自分の意志で村を出るまで、両親と離され、労働、空腹、体罰が当たり前の暮らしを送った体験を淡々と描いている。今回の騒動から改めて見えてきた、現代における宗教や信仰、社会の偏見について高田さんに伺った。

■カルト村にいることに、疑問を持ったことはなかった

――清水富美加の出家騒動が大きく報道されましたが、高田さんは今回の騒動について、どう思われますか?

高田かやさん(以下、高田) 清水さんは知り合いでもなんでもないので、特に何も思いません。夫の“ふさおさん”が、テレビに出ている人に対して、まるで知り合いのように語ることがよくありますが、「知らない人のことなのに、よくそんなに盛り上がれるな」と、むしろ感心します(笑)。

――高田さんは生まれたときからカルトが生活の一部だったと思いますが、小さい頃に「自分は、なぜカルト村で生活をしているのだろう?」と疑問に思ったことはありませんでしたか? 

高田 なぜ自分が両親の子どもなのかを考えたことがなかったように、親がいる場所が自分のいる場所だと思っていたので、疑問に思ったことはありませんでしたね。

――親がいる場所が自分のいる場所……言われてみればそうですよね。村の外部の人が「村の子」と呼ぶ存在であることで、小学校や中学校の頃に、いじめの対象になった経験はありますか?

高田 どの時代にも私を毛嫌いする子はいましたし、「村の子」だとわかった上で、何も問題なく仲良くしている子もいました。ただ、私を嫌っている子が、私が「村の子」だから嫌っているのか、それとも村は関係なく、個人的に嫌いだったのかは、私にはわかりません。

――「村の子」たちは朝ご飯を食べられなかったり、ほとんどの部活動が禁止されていたり、何かと「一般の子」と違う部分があったようですね。

高田 私の通った学校では、大部分の学校の子たちには「なんとなく少し変わった暮らしをしているところの子どもたち」くらいに受け取られている雰囲気で、別段特別視はされていなかったように思います。

――勝手なイメージで大変申し訳ないのですが、カルトにハマっている人たちは周りの意見を聞かず、自分が良いと信じているものに突進していっているように思えます。やはり、カルト村で生活をしていた人たちも、自分が良いと信じたものは疑わないような人たちだったのでしょうか?

高田 私は子どもだったので大人のことは全然わからないのですが、村の理念に共感して集まった人たちで、きっと村の考えが良いと信じている部分はあったのだと思います。村人の中にも村の考えにどっぷりで「村は良い!」と声高に言う人もあれば、ただ穏やかに村で暮らしているだけの村人もいたので、同じところで生活していても実際にはいろんな人がいて、各個人でみんなそれぞれ思っていることは違ったのではないかと思います。

――著書の中では、マインドコントロールされているという意識はなかったように読み取れましたが、カルト村での生活を振り返ってみて、マインドコントロールが行われていたと思いますか?

高田 思います。

――では、そのマインドコントロールに気づき、「こういう点はおかしい!」と声を上げる村人はいなかったのでしょうか?

高田 村では、子どもは子どもだけで集められて暮らしていたので、世話係を除けば大人の村人とほとんど接触がなかったため、村人がどうだったかはまったくわかりません。でも、子ども同士では普通に、村の批判や、おかしいところを話すことはありましたね。

――当時、村の子たちは高校に進学できなかったとありました。さすがに中卒は少ない時代です。進学できないことに関して、反抗的な気持ちは起こりませんでしたか?

高田 正直なところ、中学生の頃は勉強が苦手だったので「(村の)高等部に行けば高校に行かなくてもいいから、もうテスト勉強しなくていいんだー、ラッキー!」くらいに思っていました。

――しかし、将来、職業の選択肢は限られてしまいますよね。

高田 子どもの頃から、自分はずっと村にいるだろうと思っていたし、高等部に入ることも特に疑問に思わず、「仕事に困る」といった発想をしたこともなかったです。村では自分の役割さえこなしていれば、あとは何も心配いらない暮らしだったので、学歴が仕事に結びつくような発想自体、思いつかなかったです。

 ただ、「中卒」という響きは気に入らなかったので、もし高等部で通常の高校に通えるコースがあったなら、そちらを選んだんだろうなとは思います。数学は苦手でしたが、古文や美術は、もっといろいろ教わりたかったですね。

■普通の人が感じる、よくわからない団体に対しての拒否感も理解できた

――19歳でカルト村を出て、ふさおさんに出会ったとのことですが、カルト村出身であることに関して、勇気を振り絞ってふさおさんに告白したように感じられました。やはり、カルト村出身であることへの羞恥心や、距離を置かれてしまうかもしれないといった不安があったのでしょうか?

高田 もちろん、どう思われるだろうという不安はありました。村が一般的にどう思われているのかは、なんとなくわかっていましたし、普通の人が感じる、よくわからない団体に対しての拒否感というものも理解できたので。

 ふさおさんとメールのやりとりをしているときも打ち明けられず、どうしようかと悩みました。でも、実際に会っていろいろ話をするようになると、どうしても過去が現在につながっているため、はっきり言っておいたほうが伝わりやすく、自分がすっきりしたかったこともあり、村出身だと話しました。

 ふさおさんは、私が村で生まれて暮らしていたということをまったく気にしない人で、普通に受け入れてくれました。そういう人と長く一緒にいたから、この本が描けたというのは、実際のところあると思います。

――村では自分の所有物はないということですが、特にお金を所有できないのは、一般の人には想像できないと思います。自由にお金を使えるようになった今、高田さんは、お金をどのようなものだと考えていますか?

高田 お金が存在しなかった子ども時代だったからこそ得た、「お金はすごい、お金はお守り!」といったお金自体に対するリスペクトは、相変わらずありますね(笑)。ただ今は、お金が必要な社会で暮らしていますし、子ども時代のように隠し持って眺めてうっとりというようなことはしていません(笑)。必要なものは買って、おいしいものを食べてあちこち旅行して、家のローンも払っています(笑)。

 お金は大事ですが、あくまでもお金で、軽んじることはこれからも決してないけれど、「お金、お金!」とがんじがらめにならないように、気楽に暮らせればいいなぁくらいに思っています。

――お金を見慣れていないと「こんな大金、どう使えばいいのかわからない!」と、就職後、初任給の使い道に悩みそうです。

高田 初任給の使い道に困ることは、特になかったです。村では誰かのお古ばかりでおしゃれができなかったので、最初は「しまむら」とかに通って服をたくさん買いましたし、貯金もしたかったですし。それでお金が貯まったら自動車の免許取得! 次は一人暮らし! ……という感じで、お金を貯めてはどんどん使っていました。暮らしていく上でお金は、いくらあっても困りませんからね(笑)。

――お金と、うまく付き合っていけているんですね。村では自分の成長のために仕事をしますが、一般社会で仕事をする主な理由は、お金をもらうためです。この、仕事をしてお金をもらう行為について、高田さんはどんな印象を受けましたか?

高田 いいですね! お金大好きなので、最高です! 子どもの頃に自分の労力をお金に換算して手に入れることが可能だったなら、お菓子や本も買えたし、友達の誕生日プレゼントも買えたし……と、つい空想してしまいます。

■個人の人格は無視されて、「信仰」に対するイメージで判断される世の中

――日本では、とかく宗教や信仰について公にしづらい雰囲気がありますが、それについてどう思いますか?

高田 特に考えたこともありませんが……確か海外でも「どんなに親しい間柄でも、宗教と政治と野球の話には気をつけろ」って言いませんでしたっけ? 私の場合、「村にいた」と言った途端に、「カルト村出身者」「元村の子」とひとくくりにされてしまうことがよくあります。実際は、それぞれ別人格を持った個人の集まりですし、村ではちょっと変わっていると言われていた私が今、村の話をすることも、まったく個人的な思い出なのに“元村の子代表”みたいになっていて「なんかスミマセン」という感じです。村にいた子それぞれに、100人いたら100通りの捉え方があると思うし、村に対して思うことも人それぞれだと思います。

 「何かを信仰している」と言いづらい空気があるとすれば、言った途端にその人個人の歴史や人格は無視されて、聞いた人が持つ「信仰」に対してのイメージのみですべてを判断される今の世の中の傾向が関係しているのではないだろうかと思います。

――カルト村で小さい頃に世話係さんから虐待を受けたり、ひもじい思いをしたりと、いまだに何かトラウマが残っているのではないかと感じられました。村で生活したことで、今でも日常生活に染み付いている習慣はありますか?

高田 習慣ではないですが、うれしいことが続くと不機嫌になるという、変な癖があります。村にいた頃、両親とは離れて暮らしていて、たまにしか会えなかったんです。会っても必ず別れる日が来たので、今でもあまり良いことが続くと、訳もなく不安になってしまいます。良いことを喜ぶより、良いことを怖れる気持ちのほうが強いのは、「幸せは長くは続かない」と、記憶に刷り込まれているからだろうと思います。

 あと自分では無自覚で、最近ふさおさんに指摘されて気づいたのですが……。子どもの頃、おなかをすかせたときの自衛手段として食べ物を隠してこっそり食べていたので、今でもふさおさんが買ってきてくれたお菓子などを、すぐ食べないでしまい込む癖があります(笑)。「今よりもっとおなかがすいたときのため」という理由なのですが、あちこちにしまい込んで忘れてしまって、結局、賞味期限が切れてしまったりすることも多く、ふさおさんに「犬かよ! 悪くしてから食べるんじゃなくて、おいしいうちに食べなよ、また買ってきてあげるから!」と怒られるのですが、やはりもったいなくて好きなものはしまい込んで、後からちびちび食べています。おなかをすかせてから大事に食べると、おいしくないですか?(笑)
(姫野ケイ)

高田かや(たかだ・かや)takadakaya2
東京都在住、射手座、B型。生まれてから19歳まで、カルト村で共同生活を送る。村を出てから、一般社会で知り合った男性“ふさおさん”と結婚。村での実体験を回想して描いた作品を「クレアコミックエッセイルーム」に投稿したことがきっかけでデビュー。今、一番幸せを感じるのは、ベッドで寝転びながら本を読みつつ、何か食べているとき。

辺見マリ、中島知子、持田香織…洗脳される芸能人の危ない特徴

【アガるニュースをお届け!デイリーニュースオンラインより】
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写真はオフィシャルサイトより
 9月14日放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に先生役として出演した、辺見マリ(64)。「あなたが洗脳されて人生を棒に振らない授業」と題して語られた、過去に辺見が体験した5億円被害という衝撃の“洗脳詐欺”について、お茶の間には衝撃が走った。  本人が語ったところによると、辺見は“拝み屋”と称する中年女性K、そしてKの相談者であったAというふたりの女性にのめり込み、なんと5億円も搾取されたという。9月24日発売の『女性セブン』(小学館)では、彼らのやり口について詳しく報じている。  拝み屋・Kの手口とは、まず安心させて、次に驚かせ、嫉妬させ、最後には囲い込むというもの。最初は相談に乗るだけで一切の金銭要求を行わないというのがポイントで、ある時、急に「神様の声が聞こえた」などと言って数万円~数十万円、果ては数百万円と、徐々に辺見から莫大なお金を騙し取っていったという。
続きは【デイリーニュースオンライン】で読む
      
   
					

氷川きよしだけじゃない! 創価学会信者たちの“入信・投票強要”の現実

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『池田大作と暴力団』(宝島社)
 氷川きよしの元マネジャーが、創価学会への入信を氷川から強要されたと週刊誌で告白したことが世間を騒がせたばかりだが、プロレスラーA氏も知人から入信を強要されたと、当サイトの記者に告白している。  菅直人や鳩山由紀夫ら大物政治家のボディガードも務めたことがあるプロレスラーのA氏は2009年、東京・大田区にあるフィットネスクラブで知り合った男性H氏から「パソコンが壊れているから見に来てくれ」と自宅に招かれたところ、とんでもない騒動に巻き込まれたと話す。 「家に入るや、『実は、今日来てもらったのは、東京都議会選挙で公明党を応援してもらいたいお願いだ』と言われたんです。そこで延々と、公明党と創価学会の池田大作名誉会長のことを絶賛する話をされ、入会を求められました。帰ろうとしても引き留められ、2時間ぐらい軟禁されたんです。学会を信仰する者にとっては偉大な存在かもしれませんが、信仰しない私にとっては非常に不快でした」(A氏)  選挙の応援はそこでハッキリ断ったというA氏だが、翌々日にH氏はA氏の自宅に押しかけ入会を求めてきたという。 「住所も教えていなかったのに探し当ててきて、ゾッとしました。立候補者の応援に私の知名度を利用したかったんでしょうが、私にとっては迷惑でしかなく、それ以来、フィットネスクラブを退会して距離を置いたんです」  しかし、H氏は食い下がらず、過去にパソコン関連機器をA氏に貸したことがある恩を理由に「そっちの言うこと聞いてやったんだから、こっちの言うことも聞け」と、学会の専用施設に行くことを強く求めてきたという。 「それで気が済むならと渋々応じたんですが、施設にはH氏のほか信者がたくさんいて、いきなり『今日は言わしてもらうからな!』と怒鳴られ、しつこく入会を求められました。こうしたH氏からの勧誘や選挙活動の強要はつい最近まで続いていたので、大田区の選挙管理委員会に、公職選挙法に抵触するのではないかと訴えたんです」(A氏)  委員会の回答は「公職選挙法うんぬんよりも、警察に被害届を出すべき話」というものだったという。 「政教分離のはずが、政治と宗教を絡めてストーカー的な行為で学会と党の応援に参加を求めるのはおかしい。私以外に被害者がいる可能性もある」とA氏。  H氏が応援を求めた対象の議員は大田区の都議、2期目の遠藤守氏と6期目の藤井一氏だったが、公明党関係者は「議員がそうした強引な応援を依頼したことはない」とH氏との関係を否定した上で、「党としても、そういった行為はやめてもらいたいと思っている」とした。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)