安倍政権の内閣改造で注目される二階俊博&小泉進次郎の処遇と「3つの裏テーマ」とは?

 9月2日、安倍晋三首相は政府与党連絡会議で「来週、内閣改造を行いたい」と明言した。「安定と挑戦の強力な布陣を整えたい」と首相が意気込む内閣改造と党役員人事の行方に、永田町は浮足立っている。

 人事の焦点は、滝川クリステルと電撃的な「デキ婚」を発表した小泉進次郎衆院議員と、自民党の「ナンバー2」として3年余り首相を支えてきた二階俊博幹事長の処遇だ。最近の報道では「進次郎の初入閣」「二階は続投」との論調が目立つが、その理由を大手紙政治部デスクはこう解説する。

「安倍首相の頭にある内閣改造の裏テーマは、『政権の安定』『韓国シフト』『消費増税対策』の3つだと言われます。まず、どう批判されようと政権の骨格は崩さない。菅義偉官房長官と麻生太郎副総理兼財務相の留任は既定路線で、その延長に、二階幹事長の続投がある。自派閥を選挙で優先しすぎたり、新中派で独自外交する二階氏が一部で煙たがられることは事実だが、政権内の裏を知る二階氏を野に放ったら何を言われるかわからない。そのリスクを取るくらいなら、まだ政権中枢で『吠えて』いてもらった方が得策だとの判断で続投が濃厚です」

 次に、目下外交上の最重要課題の1つである韓国問題へ対応できる人選が進んでいるという。元徴用工問題に端を発し、韓国向け輸出の優遇措置の停止、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄にまで発展した韓国との関係は「戦後最悪」とも言われる。保守層の支持基盤を持つ安倍政権にとって、韓国への対応を誤ると致命的なダメージになりかねない。そのため、安倍首相も人事で神経をとがらせているようだ。

「河野太郎外相は、外務省の官僚に忖度しない毅然とした姿勢が安倍首相に評価されています。安倍首相側近の茂木敏充経済再生担当相もポストを狙っており『次は俺が外相だ』と吹聴しているようですが、河野氏が留任とみられています。同じく、世耕弘成経済産業相も輸出政策に関する説明会での答弁などが韓国におもねらなくていいと首相は好意的で留任するでしょう。一方、韓国海軍による自衛隊哨戒機へのレーダー照射問題時の弱腰対応などで批判されている岩屋毅防衛相は更迭される見込み。後任には安定力がある小野寺五典元防衛相の返り咲きや、首相側近で徴用工問題などでも強気の発言を続ける萩生田光一幹事長代行の大抜擢がささやかれている」(前出・デスク)

 最後が、10月に予定されている消費増税に対応するシフトだ。どんな政権でも増税を断行すれば間違いなく支持率は下落する。消費が冷え込んで経済環境が悪化すれば、政権存続の危機にもなりかねない。そこで、国民からの批判をかわすための矢面に立たされそうなのが小泉進次郎氏だという。2018年10月に安倍首相が創設した「全世代型社会保障改革担当大臣」に任命される可能性が取りざたされている。

「自民党の厚生労働部会長でもある進次郎氏は『新時代の社会保障改革ビジョン』を提言するなど、税と社会保障には一家言あります。進次郎氏が前面にたって『いかに増税が国民の老後の社会保障に必要なのか』を熱弁してもらえば、国民からの批判の声も弱まるのではと自民党は考えている。ただ、口さがない自民党議員からは『結婚して客寄せパンダではいられなくなったから、今度は弾除けパンダだな』と揶揄する声も聞こえてきます」

 権謀術数の渦巻く内閣改造・党役員人事の発表は、9月11日を軸に調整が進んでいる。

安倍首相、三谷幸喜との懇談で「あの俳優の名前」が出ても大人の対応で乗り切る深慮遠謀

 安倍晋三首相が11日、都内で映画『記憶にございません!』(9月13日公開)の試写を鑑賞した。同作品を鑑賞後は、メガホンを執った三谷幸喜監督と懇談したことを、各スポーツ紙が報じた。

 同映画は、史上最低の支持率を記録し、「史上最悪のダメ総理」と言われた総理大臣・黒田啓介(中井貴一)が、投げられた石が頭に当たって記憶を失ったのをきっかけに、心を入れ替え理想の政治に取り組み出す政界コメディー。

 各紙によると、大学の先輩・後輩にあたる安倍首相と中井が、今月2日に食事をした際、映画のことが話題に。安倍首相が鑑賞を希望したことから試写が実現したという。

 三谷監督から映画の感想を問われた安倍首相は、「記憶にございません!」と笑わせ、三谷監督が「ムッとしてないですか?」と恐る恐る聞くと、安倍首相は「してないですよ」と笑顔で応じるなど、終始和やかなムードだったというのだが…。

「集まった報道陣は2人の懇談を聞いているだけで質問はNG。しかし、キャストの中に安倍首相をめぐる発言で炎上してしまった佐藤浩市がいただけに、佐藤に関する発言が期待されました」(ワイドショー関係者)

 炎上したのは5月10日発売の漫画誌「ビックコミック」(小学館)に掲載された佐藤のインタビュー。

 佐藤は出演映画『空母いぶき』のPRでインタビューに応じたが、自らが演じた首相役に話が及ぶと、「ストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまう設定にしてもらった」と、かつて潰瘍性大腸炎を患った安倍首相を揶揄するような発言。

 さらに、「最初は絶対やりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残ってるんですね」とも発言していたのだ。

「懇談の際、三谷監督作品のファンだという安倍首相は、『THE 有頂天ホテル』(06年公開)の国会議員役に言及。三谷監督は『佐藤浩市が(演じました0』と説明したので一瞬緊張感が走ったようですが、安倍首相はさっと受け流したようです」(同)

 長期政権を築いた安倍首相だが、極力“私見”は口に出さないようだ。

安倍首相、三谷幸喜との懇談で「あの俳優の名前」が出ても大人の対応で乗り切る深慮遠謀

 安倍晋三首相が11日、都内で映画『記憶にございません!』(9月13日公開)の試写を鑑賞した。同作品を鑑賞後は、メガホンを執った三谷幸喜監督と懇談したことを、各スポーツ紙が報じた。

 同映画は、史上最低の支持率を記録し、「史上最悪のダメ総理」と言われた総理大臣・黒田啓介(中井貴一)が、投げられた石が頭に当たって記憶を失ったのをきっかけに、心を入れ替え理想の政治に取り組み出す政界コメディー。

 各紙によると、大学の先輩・後輩にあたる安倍首相と中井が、今月2日に食事をした際、映画のことが話題に。安倍首相が鑑賞を希望したことから試写が実現したという。

 三谷監督から映画の感想を問われた安倍首相は、「記憶にございません!」と笑わせ、三谷監督が「ムッとしてないですか?」と恐る恐る聞くと、安倍首相は「してないですよ」と笑顔で応じるなど、終始和やかなムードだったというのだが…。

「集まった報道陣は2人の懇談を聞いているだけで質問はNG。しかし、キャストの中に安倍首相をめぐる発言で炎上してしまった佐藤浩市がいただけに、佐藤に関する発言が期待されました」(ワイドショー関係者)

 炎上したのは5月10日発売の漫画誌「ビックコミック」(小学館)に掲載された佐藤のインタビュー。

 佐藤は出演映画『空母いぶき』のPRでインタビューに応じたが、自らが演じた首相役に話が及ぶと、「ストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまう設定にしてもらった」と、かつて潰瘍性大腸炎を患った安倍首相を揶揄するような発言。

 さらに、「最初は絶対やりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残ってるんですね」とも発言していたのだ。

「懇談の際、三谷監督作品のファンだという安倍首相は、『THE 有頂天ホテル』(06年公開)の国会議員役に言及。三谷監督は『佐藤浩市が(演じました0』と説明したので一瞬緊張感が走ったようですが、安倍首相はさっと受け流したようです」(同)

 長期政権を築いた安倍首相だが、極力“私見”は口に出さないようだ。

吉本が芸人側と分裂してでも守りたかった政府との「蜜月」……クールジャパン機構の100億円融資もパァに⁉ 

 吉本芸人による闇営業問題が、泥沼化の様相を呈している。

 20日午後に行われた雨上がり決死隊の宮迫博之とロンドンブーツ1号2号の田村亮による爆弾会見によって、「芸人側」と「会社側」の分裂が顕在化。吉本興業の岡本昭彦社長が放ったとされるパワハラ的な言動も表沙汰になり、世論の激しいバッシングにさらされている。

「宮迫らは会見で、岡本社長との面談の際の会話を暴露。岡本社長は『テープ回してないやろな?』と会話の録音を警戒するようなそぶりを見せた上で、『謝罪会見をするなら、全員クビにする』と恫喝まがいに宮迫らに迫ったというのです。会見後、宮迫らの告発に賛同する芸人が相次ぎ、ついには吉本内で絶大な発言力を持つダウンタウンの松本人志までもが吉本の企業姿勢について苦言を呈する事態にまで発展しました。吉本は以前からマネジメントに関して芸人との間できちんとした雇用契約を交わさないなど、前時代的な運営手法を取っていると批判を浴びがちだったこともあり、今回の一件で世間から猛反発を食う格好になったのです」(スポーツ紙記者)

 関係者によると、事態がここまでこじれた原因は、問題発覚後のかなり早い段階で、カラテカ・入江慎也との契約を解消したことにあったという。

「吉本は問題の早期決着を図るために、入江に厳しい処分を科したようです。それは、芸人としてトップクラスの人気を持つ宮迫や田村を守るためでもあった。ところが、その措置が、逆に宮迫らの会社への不信感をあおる結果となり、事態がここまでこじれてしまったわけです」(同)

 それほどまでに入江の処分を急いだのは、吉本のお家事情が関係しているという。

「吉本はこの4月から、NTTグループと組んで教育関連のコンテンツを配信するサービスをスタートさせた。この事業には官民ファンドの『クールジャパン機構』が最大100億円を出資する予定で、これを足がかりに教育分野に本格参入するプランがある。また吉本は、経済産業省などの中央省庁と協業する事業を多数受注している。コンプライアンスの順守が求められる国がらみの案件を多く抱える中で、今回のようなスキャンダルが出るのはかなりの痛手。できるだけ早く問題を収束させたいという焦りがあった事実は否めない」(事情を知る関係者)

 吉本といえば、新喜劇の舞台に安倍晋三首相がサプライズ登場したことが話題を集めた。安倍首相は吉本芸人たちと上機嫌でトークを繰り広げたが、この蜜月ぶりからも、吉本が現政府との距離を急速に縮めていることは明らかだろう。

 今回の騒動の成り行き次第では、こうした「官」との事業の継続も危ぶまれる事態になってくる。いろいろな意味で、吉本が岐路に立たされていることは間違いないようだ。

安倍政権の長期化は「内閣情報調査室」のおかげ!? 官僚制の闇に迫る危険なサスペンス『新聞記者』

 菅義偉官房長官との定例会見での攻防で、すっかり有名になった東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者。望月記者の著書を原案にしたのが、社会派サスペンス映画『新聞記者』だ。韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(11)や『怪しい彼女』(14)で名演を見せたシム・ウンギョンと『娼年』『孤狼の血』(18)での熱演が印象に残る松坂桃李が共演した異色作となっている。

 原案となっている『新聞記者』(角川新書)には、森友学園・加計学園問題を精力的に追う望月記者の生い立ちから、レイプ事件を起こしたTBSの元男性記者は官邸と懇意にしていたことから逮捕を免れた……などのマスコミの裏側について書かれている。また、加計学園問題で官邸側に不都合な発言をした文部科学省の前事務次官が出会い系バーに通っていたことを読売新聞がスクープしたのは、官邸側からの報復リークだった可能性が高いことにも触れている。

 テレビ局が入った製作委員会方式では決して作られることのない本作を企画したのは、配給会社「スターサンズ」を設立した河村光庸プロデューサー。北朝鮮と日本とに引き裂かれた実在の家族を描いた安藤サクラ主演作『かぞくのくに』(11)や寺山修司原作のボクシング映画『あゝ、荒野』(17)などクセの強い作品を次々と放っている。本作でも安倍政権に“忖度”することなく取材活動を続ける望月記者をモデルに、映画的フィクションも加えた上で「世界の報道の自由度ランキング」で下位に低迷するようになった現在の日本の問題点に斬り込んでいく。

 東都新聞に勤める社会部記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は、父は日本人、母は韓国人で、NYで生まれ育った帰国子女。そのため、日本語はどこかたどたどしく、場の空気を読むという日本社会の特性にもなじめずにいた。ある夜、東都新聞に差出人不明の怪文書が届く。両目が黒く塗りつぶされた羊のイラストの付いた怪文書は、新設大学の認可に疑問を投げ掛けたものだった。フェイクニュースか、それとも関係者からの内部告発なのか。デスクの陣野(北村有起哉)から命じられ、吉岡は盲目の羊の正体を追うことになる。

 注目すべきは、松坂桃李が演じるもうひとりの主人公・杉原だ。外務省でキャリアを積んできたエリート官僚の杉原だが、内閣府へと出向となり、「内閣情報調査室」で働くようになる。“内調”と呼ばれるこの諜報機関は、非常に謎が多い。安倍総理は菅官房長官よりも内調のトップである内閣情報官と綿密に接していることでも知られている。

 劇中の杉原は、現政権を守るための情報操作やマスコミ工作をもっぱら手掛けている。現政権にとって不都合な言動をする人物は内調によってマークされ、尾行のプロである公安がその人物の周辺を洗い、弱点を探り出す。杉原の上司である内閣参事官の多田(田中哲司)はマークした人物は民間人でも「犯罪者予備軍」と呼び、公安がつかんだスキャンダルをマスコミやSNSへとバラまき、社会的に抹殺するよう杉原に指示するのだった。

 公僕として国民のために汗を流すことを生き甲斐にしてきた杉原は、内調での仕事が苦痛だった。とはいえ、妻の奈津実(本田翼)はもうすぐ出産を控えており、今の生活を放り出すこともできない。そんなとき、外務省時代の尊敬していた上司で、数年前から内閣府の別の部署にいた神崎(高橋和也)が高層ビルから投身自殺を遂げたという悲報が届く。怪文書のキーパーソンとして神崎に注目していた吉岡と神崎の通夜に参列した杉原は、悲しい出会いを果たすことになる。

 日本映画ではとても珍しい現在進行形の問題を扱った社会派ドラマであり、謎多き諜報機関「内閣情報調査室」に果敢にスポットライトを当てたことを評価したい。自殺した神崎が勤めていた内閣府は、各省庁からの出向者がほとんどで、プロパーは少ないという。組織としての自律性が低く、官邸側の意向に逆らうことができない。内閣府に勤める公務員たちは元の省庁に戻りたいがゆえに、上からの指示に粛々と従い、与えられた仕事を黙々と片付ける。それが汚れ仕事だと気づいても、気づかないふりをする。まさに盲目の羊たちだ。この国にはびこる悪しき組織構造を、本作は浮かび上がらせる。

 本作が描いているように内調が世論を操作しているのなら、安倍政権が多くの問題を抱えながらも、のらりくらりと長期政権を維持できているのは内調のおかげだということになる。安倍政権が長期化する一方、「世界の報道の自由度ランキング」はG7(先進7カ国)中最下位が日本の定位置となってしまった。報道の自由度が低いほうが、政権を安定させるには都合がいいらしい。官僚たちだけでなく、官僚や官邸の不正をチェックするはずのマスコミや選挙権を持つ国民も、同調圧力によって盲目の羊化が進みつつあるようだ。クライマックスで明かされる羊をめぐる謎かけの答えには、ゾッとさせられる。

 弾けるような笑顔を『サニー 永遠の仲間たち』や『怪しい彼女』で見せたシム・ウンギョンだが、本作ではずっと苦虫を噛み潰したような固い表情のままだ。『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)ではゾンビ化する女性感染者として1シーンだけ出演したが、本作もつらそうに映る。同調圧力に弱い日本社会の縮図の中、役に成り切って見せる彼女にとって感情を爆発させることのない記者の役は、ゾンビ役と同じくらいしんどい体験だったに違いない。

(文=長野辰次)

『新聞記者』

原案/望月衣塑子、河村光庸 脚本/詩森ろば、高石明彦、藤井道人 監督/藤井道人 音楽/岩代太郎

出演/シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、郭智博、長田成哉、宮野陽名、高橋努、西田尚美、高橋和也、北村有起哉、田中哲司

配給/スターサンズ、イオンエンターテイメント 6月28日(金)より新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国ロードショー

(c)2019「新聞記者」フィルムパートナーズ

https://shimbunkisha.jp

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 菅義偉官房長官との定例会見での攻防で、すっかり有名になった東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者。望月記者の著書を原案にしたのが、社会派サスペンス映画『新聞記者』だ。韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(11)や『怪しい彼女』(14)で名演を見せたシム・ウンギョンと『娼年』『孤狼の血』(18)での熱演が印象に残る松坂桃李が共演した異色作となっている。

 原案となっている『新聞記者』(角川新書)には、森友学園・加計学園問題を精力的に追う望月記者の生い立ちから、レイプ事件を起こしたTBSの元男性記者は官邸と懇意にしていたことから逮捕を免れた……などのマスコミの裏側について書かれている。また、加計学園問題で官邸側に不都合な発言をした文部科学省の前事務次官が出会い系バーに通っていたことを読売新聞がスクープしたのは、官邸側からの報復リークだった可能性が高いことにも触れている。

 テレビ局が入った製作委員会方式では決して作られることのない本作を企画したのは、配給会社「スターサンズ」を設立した河村光庸プロデューサー。北朝鮮と日本とに引き裂かれた実在の家族を描いた安藤サクラ主演作『かぞくのくに』(11)や寺山修司原作のボクシング映画『あゝ、荒野』(17)などクセの強い作品を次々と放っている。本作でも安倍政権に“忖度”することなく取材活動を続ける望月記者をモデルに、映画的フィクションも加えた上で「世界の報道の自由度ランキング」で下位に低迷するようになった現在の日本の問題点に斬り込んでいく。

 東都新聞に勤める社会部記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は、父は日本人、母は韓国人で、NYで生まれ育った帰国子女。そのため、日本語はどこかたどたどしく、場の空気を読むという日本社会の特性にもなじめずにいた。ある夜、東都新聞に差出人不明の怪文書が届く。両目が黒く塗りつぶされた羊のイラストの付いた怪文書は、新設大学の認可に疑問を投げ掛けたものだった。フェイクニュースか、それとも関係者からの内部告発なのか。デスクの陣野(北村有起哉)から命じられ、吉岡は盲目の羊の正体を追うことになる。

 注目すべきは、松坂桃李が演じるもうひとりの主人公・杉原だ。外務省でキャリアを積んできたエリート官僚の杉原だが、内閣府へと出向となり、「内閣情報調査室」で働くようになる。“内調”と呼ばれるこの諜報機関は、非常に謎が多い。安倍総理は菅官房長官よりも内調のトップである内閣情報官と綿密に接していることでも知られている。

 劇中の杉原は、現政権を守るための情報操作やマスコミ工作をもっぱら手掛けている。現政権にとって不都合な言動をする人物は内調によってマークされ、尾行のプロである公安がその人物の周辺を洗い、弱点を探り出す。杉原の上司である内閣参事官の多田(田中哲司)はマークした人物は民間人でも「犯罪者予備軍」と呼び、公安がつかんだスキャンダルをマスコミやSNSへとバラまき、社会的に抹殺するよう杉原に指示するのだった。

 公僕として国民のために汗を流すことを生き甲斐にしてきた杉原は、内調での仕事が苦痛だった。とはいえ、妻の奈津実(本田翼)はもうすぐ出産を控えており、今の生活を放り出すこともできない。そんなとき、外務省時代の尊敬していた上司で、数年前から内閣府の別の部署にいた神崎(高橋和也)が高層ビルから投身自殺を遂げたという悲報が届く。怪文書のキーパーソンとして神崎に注目していた吉岡と神崎の通夜に参列した杉原は、悲しい出会いを果たすことになる。

 日本映画ではとても珍しい現在進行形の問題を扱った社会派ドラマであり、謎多き諜報機関「内閣情報調査室」に果敢にスポットライトを当てたことを評価したい。自殺した神崎が勤めていた内閣府は、各省庁からの出向者がほとんどで、プロパーは少ないという。組織としての自律性が低く、官邸側の意向に逆らうことができない。内閣府に勤める公務員たちは元の省庁に戻りたいがゆえに、上からの指示に粛々と従い、与えられた仕事を黙々と片付ける。それが汚れ仕事だと気づいても、気づかないふりをする。まさに盲目の羊たちだ。この国にはびこる悪しき組織構造を、本作は浮かび上がらせる。

 本作が描いているように内調が世論を操作しているのなら、安倍政権が多くの問題を抱えながらも、のらりくらりと長期政権を維持できているのは内調のおかげだということになる。安倍政権が長期化する一方、「世界の報道の自由度ランキング」はG7(先進7カ国)中最下位が日本の定位置となってしまった。報道の自由度が低いほうが、政権を安定させるには都合がいいらしい。官僚たちだけでなく、官僚や官邸の不正をチェックするはずのマスコミや選挙権を持つ国民も、同調圧力によって盲目の羊化が進みつつあるようだ。クライマックスで明かされる羊をめぐる謎かけの答えには、ゾッとさせられる。

 弾けるような笑顔を『サニー 永遠の仲間たち』や『怪しい彼女』で見せたシム・ウンギョンだが、本作ではずっと苦虫を噛み潰したような固い表情のままだ。『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)ではゾンビ化する女性感染者として1シーンだけ出演したが、本作もつらそうに映る。同調圧力に弱い日本社会の縮図の中、役に成り切って見せる彼女にとって感情を爆発させることのない記者の役は、ゾンビ役と同じくらいしんどい体験だったに違いない。

(文=長野辰次)

『新聞記者』

原案/望月衣塑子、河村光庸 脚本/詩森ろば、高石明彦、藤井道人 監督/藤井道人 音楽/岩代太郎

出演/シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、郭智博、長田成哉、宮野陽名、高橋努、西田尚美、高橋和也、北村有起哉、田中哲司

配給/スターサンズ、イオンエンターテイメント 6月28日(金)より新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国ロードショー

(c)2019「新聞記者」フィルムパートナーズ

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元KAT-TUN・田口淳之介と安倍昭恵総理夫人の「大麻つながり」が参院選に影響?

 通常なら接点がなさそうな2人だけに、余計に「共通点」がクローズアップされてしまった。

 5月30日発売の「女性セブン」(小学館)にて、大麻取締法違反(所持)の疑いで内縁の妻の小嶺麗奈容疑者とともに逮捕されたKAT-TUNの元メンバー・田口淳之介容疑者と、安倍晋三首相の妻・昭恵夫人との“意外なつながり”が報じられた。

「田口は逮捕の約1カ月前の4月11日に、千葉県の森永高滝カントリー倶楽部で行われたアマチュアゴルフトーナメントの日本予選に、唯一の芸能人ゲストとして招かれた。その際、特別ゲストとして呼ばれていた明恵夫人と、ラウンド前に親しげに言葉を交わしていたといい、招待客によれば初対面には見えなかったといいます。鳴かず飛ばすの元アイドルが“芸能人枠”で一人だけ呼ばれるもの不自然な話。森永創業家出身の令嬢である昭恵夫人の鶴の一声で参加が決まった可能性もありそうです」(週刊誌記者)

 昭恵夫人といえば、「大麻解禁論者」として知られ、過去には大麻にまつわる言動がたびたび週刊誌で取り上げられている。

「2017年12月の『アサヒ芸能』(徳間書店)では、潰瘍性大腸炎という難病を抱える安倍総理が、昭恵夫人のススメで『大麻サプリ』を使用していることをスクープ。16年7月に京都で開催された『世界麻環境フォーラム』に参加した昭恵夫人は、大麻の素晴らしさを熱弁しながら、『アメリカの大手メーカーの大麻サプリを潰瘍性大腸炎の持病を持つ夫に使用させている』とカミングアウトしていたことも報じています。昭恵夫人は15年にも『週刊SPA!』(扶桑社)で鳥取県の大麻畑でほほ笑む写真とともに、『私自身も大麻栽培の免許を取ろうかと考えた』と発言。さらに、16年に『週刊現代』(講談社)で小池百合子都知事と対談した際にも『日本を取り戻すことは大麻を取り戻すことです』とまで語っています」(同)

 田口容疑者は小嶺容疑者の影響で「大麻を使い始めたのは10年ぐらい前」と供述している。昭恵夫人も田口が使用していることを知って、逆にそのことで好感を持ち親交を深めたのだろうか。

 夏の参議院選挙では野党からこの件を口撃されることも考えられるだけに、安倍首相はさぞかし苦虫をかみつぶした顔をしていることだろう。

かわいすぎる首相官邸インスタグラム、“中の人”はJK!? トランプ大統領に「#おそろコーデ」

「ポップでかわいい」と女子から人気の首相官邸インスタグラム。アメリカのドナルド・トランプ米大統領が26日まで国賓として来日したことで、フォロワー数を大きく伸ばしている。

 同インスタグラムは26日、トランプ大統領と安倍晋三首相が千葉県でゴルフを楽しむ様子をストーリー機能で投稿。どの動画もかわいく“デコられて”いるほか、ゴルフカートで移動する2人の動画では「どちらがスコアが上になると予想?」とアンケート機能を使用。横には「結果は国家秘密です」といった“小ボケ”なども添えられている。

 また、27日の宮中晩さん会前に撮影された動画には、トランプ大統領と安倍晋三首相のネクタイが赤色であったことから、「#赤ネクタイ」「#おそろコーデ」のハッシュタグがつけられている。

「先月、イタリアを訪問した際には、政府専用機の動画と共に『#飛行機好きな人と繋がりたい』とのハッシュタグがつけられるなど、そのユルさが話題に。今回の来日では、『かわおじ』(かわいいおじさんの略)などと呼んでトランプ大統領と安倍首相のツーショット写真をデコる女子が続出しており、動物の耳をつけたり、『ズッ友だヨ』と2人の周りにハートを撒き散らした画像などが出回っている。4月以前はなかなか注目されなかった同アカウントですが、デコり効果でフォロワー数はこの2カ月で約4倍に急増しました」(カルチャーライター)

 そんな女子人気の高い同アカウントだが、幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏が主催するオンラインサロン「箕輪編集室」のツイッターが「首相官邸のインスタの中の人が2月入会にいるそうです!」とツイート。先月、ネット番組に出演した箕輪氏は、この“中の人”について「同い歳くらいの年齢の男。真面目そうな人だったけど、首相官邸のインスタはフリが効いているから、やりようはメッチャあるよねっていう話はした」などと語っていた。

「これまで『政府が女子高生を雇っているのでは?』などとウワサされてきましたが、実際は『箕輪編集室』に出入りするような意識高い系のおじさんが戦略的に行っていることが判明。当たり前の話ですが、一部では『言わないでほしかった』なんて声が上がっています」(同)

 日米の仲良しアピールを演出した同インスタグラムだが、こんな皮肉も……。

「日本はトランプ大統領を最大限もてなすことで、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉において譲歩を引き出したい思惑がありましたが、日本滞在中のトランプ大統領のSNSを見てみると『日本政府の人々はこう話す。民主党は、私や共和党が成功を収めるより、アメリカが失墜することを望んでいると』と民主党を攻撃するなど、いつもの調子。この温度差は、世界中に“浮かれているのは日本だけ”という印象を与えてしまったのでは」(同)

 首相官邸によるデコ画像・動画の数々は、若者の政治離れを食い止める特効薬となるだろうか?

大相撲観戦のトランプ一行に大ブーイング! 「す~わ~れ~、す~わ~れ~」の大合唱も

 5月26日、来日中のトランプ米大統領夫妻が、安倍首相夫妻とともに両国国技館へ大相撲観戦に訪れた。

 本来は座布団が敷かれる升席に特別にソファを並べ、米国大統領杯の授与のためにトランプ氏が土俵に上がる際には仮設の階段も用意するなど、現職大統領としては初となる大相撲観戦に、国技館側としても異例の対応で迎えた。

 国技館の内外を警察官100人以上が警戒に当たるなど、警備体制も過去に類を見ない規模となったが、一般の観客には必ずしも歓迎されなかったようだ。

 トランプ一行から見て右後方の席にいた観客の男性は、こう証言する。

「この日、国技館の入り口では金属探知機のボディーチェックがあってなかなか入場できず、トランプ一行が到着する数時間前から先乗りした警備の人たちが観客席をちょろちょろ動き回っていて、常連の相撲ファンの間にイライラした空気が張り詰めていました。そんな観客の不満が爆発寸前になった瞬間があったんです。安倍・トランプ両夫妻が着席した直後のこと。結びの3番が始まろうというのに、彼らの背後にいた10人近いSPは、立ったまま警備をしていたんです。そのせいで、後方の観客から土俵が見えにくくなり、『見えないぞ~』などとヤジが飛び始めた。さらに、一部の集団が『す~わ~れ~、す~わ~れ~』と合唱し始めたんです。すかさず、警備関係者とおぼしき人物が、声を上げていた集団に何か話しかけ、合唱はやみました。また、もともとその予定だったのか、ブーイングを受けてそうしたのかはわかりませんが、SPの人たちも腰をかがめたので、それ以上の騒ぎにはなりませんでしたが」

 確かに、この日のNHKの大相撲中継を確認すると、トランプ一行の着席直後に、「す~わ~れ~」と繰り返す音声が確認できた。

 しかし、仮に「それ以上の騒ぎ」となっていた場合、トランプを警護する大統領警護隊が、銃を抜いていた可能性もあるという。警視庁警備部OBはこう話す。

「米大統領は来日の際、大統領警護隊を数十人規模で帯同しますが、彼らには銃の携帯が特例で認められている。国技館に同行した隊員らも銃を携帯していたはずで、もし不満を爆発させた観客がトランプに向かって座布団など、物を投げるような仕草をした場合、反射的に引き金が引かれていた可能性もある」

 事前に日本相撲協会が「物を投げるなどの行為をした者は処罰される可能性がある」と異例のビラ配布で警告したのが功を奏したか、座布団などが乱れ飛ぶことははなかったが、相撲ファンにとっては少し物足りなかったかも?

「死刑制度は是か非か」大手新聞社サイトに突如出現した“思想調査”広告の正体とは

 FacebookやTwitterなどのSNSには、利用者の属性や性別、さらには書き込みの内容などからその人の行動パターンや思想信条に沿ったターゲティング広告が掲出されている。米国では大統領選の背後でマーケティング会社が暗躍し、ターゲティング広告を駆使してトランプ政権の誕生を導いたとされる。

 そうした類いのネット広告が、衆参ダブル選挙が取り沙汰される日本でも目に付くようになってきた。

「あなたの自由主義をはかる」

 安倍晋三首相の顔写真と共にこんなコピーが付いたネット広告を大手新聞社のサイトに見つけたのは、ゴールデンウィーク半ばの先月下旬。一見、政治関連の記事と見紛う広告をクリックすると、いきなり「2019政治クイズ」というページに飛ぶ仕組みになっている。

 その名の通り、社会や環境、経済など、さまざまな社会問題について回答者の立場を問う項目が並んでおり、冒頭のクエッションは「死刑を支持しますか?」。回答は「はい」「いいえ」「その他」の3択で、ほかに安楽死や遺伝子組み換え食品、二酸化炭素の排出規制、さらには富裕層への増税の是非などが質問項目に挙がっている。

 広告を展開しているのは、「iSideWith」なる団体だ。ホームページ上の説明によれば、広告で「政治的な問題の調査」を行っているという。調査対象は米国をはじめ、ロシアやオーストラリア、英国、カナダ、フランスなどの欧米各国、さらにはアルゼンチンやコロンビアなどの中南米各国や韓国、フィリピン、タイ、中国にまで及ぶ。その内容から、米国に本拠を構える団体とみられる。

 HPには「どの政党、候補者、利益団体にも所属・提携していません」との断りがあるが、彼らの目的は一体なんなのか?

「おそらく、インターネットを通じて個人情報を収集する、マーケティング会社の一種ではないでしょうか。彼らは、SNS利用者らの政治信条などをデータ化して、政治団体などに売りつけるのを商売にしている。今年は3年ごとに行われる参議院選挙を控えた選挙イヤー。秋に予定されている消費増税による経済の冷え込みが予想されるなか、永田町では増税見送りを旗印にして安倍政権が衆参ダブル選挙に打って出る可能性も指摘されている。そうした動きをにらんで、有権者のデータ収集に動き始めているとみていいでしょう」(ネット広告事情に詳しい広告代理店関係者)

「平成」から「令和」に元号が替わり、新時代に突入した日本。あらゆるものがデータ化される動きは、新時代になってさらに加速していきそうだ。