「飲んでも子どもの弁当は作る」は、一昔前の“いい母親”? 相川七瀬&YOUの発言に思う時代の流れと“ウリ”になるキャラ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の芸能人>
「どれだけ飲んでも、朝の6時に起きて弁当作って送り出す」相川七瀬
『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系、11月5日)

 バラエティ番組を主戦場とするタレントは、自己紹介替わりのエピソードトークを持っている人が多い。そのネタは意外性があり、話が広げやすいほうがいい。さらに聞く人の印象に残り、タレント本人のイメージがよくなれば完璧だろう。

 たとえば、女性タレントがプライベートでモテていて、常に自分を好きな人に囲まれていたとする。しかし、これをテレビで話したら、共演者のリアクションは「そうですか」で終わる可能性が高いので、エピソードトークとしてふさわしくない。それならば、「モテそうだと言われるけれど、実はモテない。いつも変な男と付き合ってしまう」という意外性のあるエピソードを話したほうが、共演者は話を広げやすい。こういうトークがきっかけで、そのタレントに興味を持つ視聴者もいるし、キャラが立って次の仕事につながることもあるかもしれない。

 こう考えると、タレントのエピソードトークは、仕事を広げるためにとても重要なものといえるが、バラエティ番組は時代を映す鏡でもあるので、話すほうはより一層気を使わなければいけないのではないだろうか。

 11月5日放送の『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)のトークテーマは「大人になったら一回は考えたことあるよね?」で、今回は歌手・相川七瀬が出演。相川といえば、1990年代にミリオンセラーを連発した人気アーティストであり、結婚して3人のお子さんもいる。その相川が「大人になって守りに入った話」を披露した。

 相川は30代の頃、「若い時は子どもがいても、子どものことはしっかりやります(と思っていた)。でも、夜、飲みに誘ってもらったら行きたい」「子どもたちのことを全部やって、主人がいいよって言ってくれたら行く」「どれだけ飲んでも、朝の6時に起きて弁当作って(家族を)送り出す」生活をしていたそうだ。しかし、最近では翌日に収録が入っていたりすると、朝起きられるのか、ちゃんと弁当が作れるのかと心配になって、飲みに行かなくなってしまったという。そんな自分自身を「つまらない大人になっている」と話していた。

 若い人には耳なじみがないだろうが、この「どれだけ飲んでも、子どもの弁当は作る」エピソード、ひと昔前に多くの女性タレントが口にしていた。誰が最初に言いだしたのかはわからないが、タレント・YOUが特に頻繁に話していたと感じる。彼女の出演番組では、共演者が「ああ見えてYOUさんは……」と前置きした上で、「前日にどれだけ飲んでも、子どもの弁当は作る」と明かすのだ。

 このエピソードが頻繁に披露されていた頃、YOUは2回目の離婚をして独身だった。その間、写真週刊誌に一般人男性や俳優・大橋てつじとの路チュー、お子さんのかかりつけの歯科医との宿泊を撮られている。仕事に打ち込み、夜は遊ぶ。オンナとして現役で恋も楽しむが、母親としての義務も怠らず、翌朝には弁当を作る。こんなYOUを「かっこいい」「偉い」と言う世の女性は多かった。

 しかし、これは逆に女性に対する“思い込み”を表しているように感じる。「家庭と仕事を両立するのは女性の仕事(男性は家庭で頑張らなくてもよい)」「恋人がいない女性は寂しい」という思い込みがあるからこそ、仕事をして飲んで恋もして母親業もするYOUは称賛されたのではないだろうか。

 しかし、時代は今、ジェンダーレスの方向に向かっている。相川の発言に話を戻すと、彼女は飲み会に行かない自分を「つまらない」と感じているため、「子どもたちのことを全部やって、主人がいいよって言ってくれたら行く」と話していた。ある程度年配の人、または保守的な人なら「夫を立てて“主人”と呼び、家のこともちゃんとやった上で出かけて、翌朝はまたお母さんに戻るなんて偉い」と思うだろうから、このエピソードは特定の層に向けたイメージアップにつながりそうだ。

 一方で、時代の流れを鑑みると「なぜ夫を“主人”と呼ぶのか」「夫が飲みに行くことは当たり前とされているのに、どうして妻は遠慮しなくてはいけないのか」「母親が弁当を作らなくてはいけないという決まりはない。翌日のお弁当は父親に作ってもらったらどうか」と感じる人もいて、そういう人が増えている。こうなると、相川のエピソードはイメージアップにつながらず、むしろちょっとした炎上を招くかもしれない。

 結婚している女性芸能人が“いい母親、いい妻”をウリにしたエピソードを披露することは、これまで当たり前だったが、価値観が多様化する今、必ずしもプラスの結果になるわけではないと思う。この状況に困る芸能人は少なくないだろうが、私は相川に提案したいキャラクターがある。

 以前、相川は『櫻井有吉アブナイ夜会』(現『櫻井・有吉 THE夜会』、TBS系)で、神社巡りが好きだと明かしていた。そのほかにも、心理療法の一種「前世療法」や、カラーセラピーの一種「オーラソーマ」などを学んでいて、目に見えない物に造詣が深いようだ。

 今は時代の過渡期で、女性や家族の在り方について意見が割れやすい故に、イメージアップも昔ほど簡単ではないだろう。しかし、スピリチュアル系というか、目に見えない世界というのは「信じるか、信じないか」の二択なので、信じない人はすぐに興味を失うから、案外炎上しにくいのではないか。しかも、スピリチュアル好きは年代を問わないので、アピール層が広いのも魅力だと思う。

 「ロックンローラーだけど、いいお母さん」より、「ロックンローラーだけど、スピリチュアル好き」のほうが斬新だし、意外性もあってよいかもしれない。大きなお世話だとは重々承知しているが、バラエティ進出の際のキャラとして、相川にぜひおすすめしたい。 

「手土産の達人」IKKOに、テレビスタッフの失礼な質問……“先入観”から生まれるマイナスイメージは、なかなか払拭できない?

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<今週の芸能人>
「仕事をもらいたくて、何かを渡すってことはしない」IKKO
『バカリズムの大人のたしなミズム』(10月28日、BS日テレ)

 「冤罪」についての本を読んでいると、初動捜査のミスや物的証拠が乏しいという共通点があることに気づく。こうなると、警察は容疑者から自白という証拠を引き出さなくてはいけない。それでは、物的証拠もないのにどうやって容疑者を絞りこむかというと、「動機がありそうな人」を探すことになるそうだ。

 たとえば、子どもが犠牲になる事故では、状況から見て事件性も否定できなかった。その時に警察が疑ったのは、ある若い女性。警察は犠牲になった子どもの葬儀で大泣きしたこと、彼女の両親が離婚を繰り返していたことに注目したという。「複雑な家庭で育ったから、人間性に問題があるに違いない」「葬儀で大泣きしたのは罪の意識からだろう」といったとんでもない先入観や決めつけにより、無実の女性を容疑者に仕立て上げ、冤罪が生まれてしまったのだ。

 冤罪とまではいかなくても、こうした先入観による決めつけは、私たちの周りにあふれている。

 10月28日放送『バカリズムの大人のたしなみズム』(BS日テレ)に、美容家のIKKOが「手土産の達人」として出演していた。IKKOといえば、バラエティ番組で共演した人に毎回違う手土産と直筆の手紙を渡していることを、いろいろなメディアで明かしている。同番組では、和菓子の老舗・とらやでIKKOが手土産を選ぶことになり、審美眼がある人には季節を感じさせる美しい生菓子、人数が多いときはシェアしやすいミニ羊羹、企業の社長や会長など特に敬意を表したい相手には、杉の箱に入った竹皮で包んだ羊羹3本セットといった具合に、相手や目的に応じて持っていくと話していた。品物だけでなく、のしやふろしきの色でも、相手への敬意を表すそうだ。

 番組スタッフはIKKOのこだわりに驚嘆したのだろう。「こういうことで成功してきた?」と質問していた。いつものIKKOなら明るく「そうね」と言ってくれそうだが、この時は珍しく「何、成功って」「成功って何?」と2回聞いた後、「私はそういうの関係ないの」「仕事をもらいたくて、何かを渡すということはしない。ご挨拶だから、気持ちだから」と言い切っていた。

 ここで思い出すのは、元雨上がり決死隊・宮迫博之のYouTubeチャンネルに島田紳助さんが出演した時のことだ。島田さんは、芸能界を引退した今でも、IKKOから誕生日プレゼントをもらうと明かしていた。IKKOのバラエティ進出のきっかけとなった恩人が島田さんだから、という理由らしいが、もう引退した島田さんにプレゼントを贈り続けることは、「仕事をもらいたくて、何かを渡すということはしない」というIKKOの気持ちを表しているように思う。

 テレビは「成功している人は、〇〇がすごかった!」というふうに、方針もしくは先入観を持った上で、単純な公式で番組を作ることが多い。IKKOの場合、それが「手土産」だと思い、スタッフは思わず質問したのだろう。

 しかし、冷静に考えれば、手土産をあげて仕事がうまく行くのなら、誰だって成功できる。また「手土産」と「成功」を結びつけることは、「手土産をあげるかわりに、仕事をもらった」と悪意的に解釈されることもあるから、失礼な質問ではないだろうか。IKKOが「仕事をもらいたくて、何かを渡すということはしない。ご挨拶だから、気持ちだから」と言ったのは、「私は媚びて仕事をもらったのではない」という気持ちがこめられているように感じた。

 そもそも、「お偉いさんに媚びればタレントは仕事をもらえる」といった考えがテレビ側にあったから、IKKOへの失礼な質問が飛んだのだろう。しかし、こうした先入観から生まれるマイナスイメージを払拭するのは、そう簡単ではない。それを今、体現しているのが小室眞子さんと小室圭さんではないだろうか。

 10月26日に行われた2人の会見では、天皇皇后両陛下、上皇后ご夫妻、秋篠宮両殿下に対する感謝やお礼の言葉はなく、「誹謗中傷」という言葉が繰り返された。しかし、何が誹謗中傷に当たるのかは明言されず、後味の悪さが残ったように思う。けれど、2人が結婚し、自分の気持ちを明らかにした以上、もう、そっとしておくべきではないか。間の悪いことに、小室圭さんがニューヨークの司法試験に不合格だったことが明らかになったが、法律助手として仕事をするわけだから、何も問題はないはずだ。

 現在、2人は渡米までの仮住まいとして、高級マンションに住んでいると報じられた。買い物は宮内庁職員が代行し、結婚しても2人に警備がついていることから、ネット上では「税金で贅沢している」「民間人なんだから、警備はいらない」といった書き込みが見られる。

 「結婚して一般人になったのに、厚遇されすぎ」ということだろうが、11月2日配信のウェブ版「女性自身」(光文社)によると、現在の天皇陛下の妹君・紀宮さま(黒田清子さん)が結婚したときも、最初のうちは宮内庁職員が買い物を代行し、警備もついていたそうだ。つまり、眞子さんがものすごく特別扱いされているというわけではないのだ。

 しかし、小室さんは本人の問題ではないものの、母親の金銭トラブルが解決していないことから、「カネに汚い」という先入観を世間から持たれてしまっている。そのため、眞子さんが歴代の内親王と同じ扱いを受けても、この先入観が先に立ち、「あの夫婦は税金で贅沢をしている」と受け止められてしまい、バッシングがやまなくなる悪循環に陥ってしまっているのではないか。

 10月31日放送の『アッコにおまかせ』(TBS系)に出演したIKKOは、小室さんの司法試験不合格のニュースについて「人生なんでもすべて手に入るっていうよりは、これを逆に絆にできるからいいんじゃないかって思っちゃう」とコメントした。

 美容師からはじまり、美容家、実業家、タレントと、自分の努力と実力で地位を積み上げてきたIKKO。『バカリズムの大人のたしなミズム』では、IKKOは美容師になった40年前、「売り上げの1割はお客さまに返すつもりで」と教育されたことを明かしていた。この理論で言うのなら、仕事が増えればお返し(手土産)を渡す人も増えるということになる。ということは、IKKOにとって、手土産は媚びや下心ではなく「成功の証」と見ることもできるのではないだろうか。

 今でこそ豪邸に住み、別荘も持つIKKOだが、これまでいろいろな番組で「30代の頃はペルシャ絨毯が欲しくても手に入らず、2万円のもので我慢した」ことを明かしている。IKKOのように、多くの人は「実力で」徐々に望むものを勝ち取る醍醐味があり、それができれば、小室さん夫妻のマイナスイメージも取り去られるのではないか。

 結婚はゴールではなく、スタートである。小室さん夫妻の結婚が「正しかった」のかを考えてもわかるわけはなく、国民にそれを決める権利もない。ここ最近はネット上で「そっとしておいてあげるべきだ」といった意見も見られるようになってきた。もうメディアは小室さん夫妻を追いかけるのはやめにして、その代わりと言ってはなんだが、小室さん夫妻もこれからは地に足をつけた生活をしたらどうだろうか。

 新婚でありながら、新妻の表情が優れないことは気になるが、先入観に基づいた批判は無視して、2人には幸せになってほしいと思う。それが皇室と国民、双方にとって最高の「プレゼント」になるはずだ。 

藤森慎吾はもう一度、田中みな実にトライするべき? おせっかいだけど「復縁」を提案したい、運命的な「相性の良さ」

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<今週の芸能人>
「美容系YouTuberじゃねえよ」オリエンタルラジオ・藤森慎吾
『サンデージャポン』(10月24日、TBS系)

 カップルが安定していい関係を保つために、コツのようなものはあるのだろうか。

 明治安田生命が主催する「理想の有名人夫婦」ランキング。2020年の調査では、俳優・三浦友和と山口百恵さんが15年連続で1位を達成し、殿堂入りを果たした。“よい夫”の代名詞ともいえる三浦は自著『相性』(小学館文庫)内で、夫婦ゲンカを一度もしたことがないと明かし、その理由を「私は素晴らしく相性の合う女性と出会い、結婚できたと言える」と書いている。つまり、ケンカの原因が生まれないほど相性のいい人と結婚することが、安定していい関係を保つコツということだろう。

 もっとも、三浦は「相性がいい」ことに甘えているわけではない。三浦は結婚したときに「浮気をしない」ことを百恵さんに約束したと、『相性』内で明かしている。現代の感覚では、結婚する人が浮気をしないのは当たり前と思われるだろう。しかし、当時の芸能界では「女遊びは芸のこやし」という風潮が強かった。特に、売れている男性芸能人が不倫をしても、今のように責められることはほとんどなく、三浦の“宣言”はかなり少数派だったといえるのではないか。

 そんな三浦の人柄に加え、この夫妻は金銭的な相性が特によかったと思う。

 17年1月11日配信のウェブ版「女性自身」(光文社)によると、三浦は2人の子どもたちが生まれた頃、「仕事があまりなく、年に1本くらいしかない」と話していたが、そんな彼を百恵さんが責めることはなかったそうだ。18年12月24日配信の同サイトでも、家を建てたものの、仕事に波があってローンの返済が難しくなったという金銭的な苦労を伝えている。三浦はこの際、家の売却を百恵さんに持ちかけたが、「10万円なら10万円の、1,000円なら1,000円の生活をするだけよ」と答えたそうだ。それ以外にも、『相性』内では三浦が投資に失敗して、長いこと借金を払っていたことも明かされている。

 夫の仕事がなくても、お金がなくても「身の丈に応じた生活をすればいいのよ」と言いたいのはやまやまだ。しかし、現実問題、生活するにはお金がいるし、三浦と百恵さんにはお子さんだっている。一方で、歌手であった百恵さんは引退後も歌唱印税が期待でき、節目ごとに発売されるアルバムもヒットを記録している。専業主婦で外に働きにこそいかないものの、百恵さんは無収入ではないわけで、これは三浦にとっても、夫妻にとっても大きな安心材料となったことだろう。経済的な助け合いができるからこそ、揉めごとも起こらない。これが三浦と百恵さんの「相性の良さ」ではないだろうか。

 お互いの性質や価値観が合う「相性」をカップルに必要な要素と考えるのなら、破局してしまったが、田中みな実と藤森慎吾はベストカップルになれる2人ではないかと思う。 

 12年に「フライデー」(講談社)で交際が報じられた田中と藤森。しかし、15年の「女性セブン」(小学館)によると、藤森から切りだして別れることになったそうだ。15年といえば、田中がTBSから独立してフリーアナウンサーとして活動を始めた時期と重なる。

 そんな田中は19年に発売した写真集『Sincerely yours…』(宝島社)の大ヒット以降、アナウンサーというよりも、「美のカリスマ」としての活動に重きを置いているようだ。若い女性向けの雑誌を見ると、田中のおススメするコスメを知ることができるし、最近では、下着メーカーと組んで、ガードルの開発にも携わった。

 朝日新聞が主催する情報サイト「telling,」のインタビューを受けた田中は、自身の強いこだわりのために「納期に間に合わない」とメーカーに言われても、「それは、そちらの都合ですよね」とつっぱねるくらいの熱い思い入れで開発に当たったそうだ。仕事では強気な田中だが、今月12日に放送された『グータンヌーボ2』(関西テレビ)では、藤森と破局後、「立ち直るのに2年かかった」と話していた。

 一方の藤森は、相方であるオリエンタルラジオ・中田敦彦がYouTubeに軸足を置くようになり、吉本興業を退社。藤森も彼に釣られるように吉本を辞め、現在はお笑い芸人というよりも、タレントにシフトチェンジしたように見える。かねてよりブラジルと日本のダブルの彼女がいることを公言していたが、今月24日放送の『サンデージャポン』(TBS系)では、プロポーズをしたが断られて破局したことを認め、「めちゃめちゃさみしい」と打ち明けている。

 別れた2人に復縁しろというのは大きなお世話だが、田中と藤森は運命的な相性の良さを秘めているように感じて仕方がない。

 田中はフリーに転身したばかりの頃、ある番組で、藤森は自分の美容上の努力に気づいてくれる存在だと話していた。ネイルを変えたとか、新しい口紅にしたなどという小さな変化に気づいて、ほめてくれるのだという。さすがに前髪を5ミリ切ったときはわからなかったようだが、変化に気づいてほめてくれる男性というのは、日本ではかなり少数派で、これは藤森の才能というべきだろう。

 現在は、ほぼ美容家として活動している田中のモチベーションを上げるためにも、こういう感度の高い人がそばにいることは仕事の役に立つのではないか。ちなみに、美容家・君島十和子の夫(元皮膚科医)も妻の変化に敏感で、ほめてくれたり、「そろそろエステに行け」と勧めてくれると女性誌で読んだことがある。

 くしくも、藤森も美容には造詣が深い。20年11月配信のウェブ版「MAQUIA」(集英社)のインタビューによると、スキンケアはもちろん、月に一度、サロンで眉毛の形を整え、ネイルサロンに通い、シミができたらレーザーを打ち、全身脱毛と歯の矯正やホワイトニングをしていることを明かしている。また、お世話になっている女性たちのために、シャネルの口紅を30本購入して配ったこともあるという。

 自分だけがきれいになるのではなく、美容の楽しさを性別問わずにシェアするような行動がとれる藤森は、男性、女性双方に憧れられる「美容男子」として、新たなキャラクターを確立できるのではないか。

 もっとも、男性が美容を楽しむというのは、ある程度の年齢の人には理解ができないことなのかもしれない。今月23日放送の『サンデージャポン』(TBS系)で、司会の爆笑問題・太田光に「おまえ、美のカリスマなの?」とたずねられた藤森は「美容系YouTuberじゃない」といなしたものの、太田に「田中みな実とやってること一緒」と茶化されていた。藤森本人がどう思っているかは別として、第三者から見て確かに方向性はとても似ている。

 出会ったときは違う職業で、別れたはずなのに、何年かしてみたら、2人とも同じ分野の第一人者になっている。これを運命と呼ばずして、なんと言うのか。復縁すれば「美しすぎるカップル」「美を高め合うカップル」として、ビジネスにもつなげられそうだ。共通の興味を持ち、お互いを高めあえるという点で、田中と藤森は「相性が良い」と思う。

 もちろん、一度別れた2人がよりを戻すのは簡単なことではない。16年放送の『旅ずきんちゃん』(TBS系)に出演したNON STYLE・井上裕介は、共演者である田中を目の前にして、藤森から恋愛相談を受けていたと明かしていた。井上いわく、藤森は田中の「ゲロ吐くぐらいのわがまま」に悩んでいたそうだ。

 わがままな人と付き合うのは疲れそうだが、わがままな人に喜んでもらうために行動することを、自分の成長に変えられる人もいる。藤森がそのタイプに当たるかはわからないが、いっそのこと“修行”だと思って、もう一度、田中にトライしてみたらどうだろうか。おせっかいなのは百も承知で、ご提案したい気持ちでいっぱいだ。 

松居一代にとって「いい距離感の人間関係」を考える――思い込みが激しく、情が濃い一面と投資家の冷静さを生かすには?

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<今週の芸能人>
「小室さんとお姫様の眞子さまに貸してあげたい心境ですが、家賃が高いですよ 」松居一代 
松居一代オフィシャルブログ、10月13日

 「婦人公論」2021年10月26日号(中央公論新社)の特集「<歳を重ねた親子のホンネ>母が重い、娘がこわい」が面白かった。数年前に起こった毒親ブームの頃は、母親の仕打ちがいかにひどかったかを娘の側から語るものが多かったが、今号では「娘がこわい」という母親側からの反論も載っている。同誌にコメントを寄せた臨床心理士の信田さよ子氏は、どちらの肩を持つわけでもなく、それぞれに精神的な距離を保つことを勧めており、これは「大人になったら、母と娘はどちらも必要以上に干渉するな」という意味だと私は解釈した。

 アジア人は血のつながりを重視する傾向があるといわれている。親族やきょうだいでいさかいがあると、「血がつながっているのだから、いつかはわかりあえる」といさめてくる人がいるのはその表れだろうが、実際は親子間で殺人が起きることもあるし、介護や遺産相続をきっかけにしてきょうだいが絶縁するという話もよく聞く。みんながみんな、円満でわかりあえる家庭ではないということだろう。

 もう一つ思うのは、実は「家族という存在が必要でない人」もいるのではないか、ということだ。

 17年、タレント・松居一代と俳優・船越英一郎の離婚騒動が世間を騒がせた。松居は船越の不貞の証拠をYouTube上で暴露するなど、前代未聞の事態となったが、後に2人の離婚は成立し、松居はテレビの世界を去った。もともと投資家としての腕に定評がある松居だが、現在はニューヨーク・マンハッタンに活動の拠点を移している。

 女の細腕でたいしたものだと思う一方で、松居の周囲には家族にまつわるトラブルが多いことにも気づく。21年10月16日付のブログで、松居は「私は残念ながら、実の家族には恵まれていません。バツ2で世間様を巻き込んでの派手な離婚劇場」と、家族運の薄さを嘆いている。離婚だけでなく、松居は最初の結婚でもうけた一人息子とも揉めているようだ。息子は船越と養子縁組をして「船越」姓を名乗り、会社を経営しているが、松居は息子に養子縁組を絶つことを条件として資金を貸与したものの、その約束は守られていないとブログ内で明かした。

 実母や妹たちとの関係も、あまりうまくいっていないようだ。松居は今年2月に実父を亡くしているが、3月30日のブログには、実父の危篤時や四十九日法要の連絡がなかったこと、通夜や葬儀の際は松居の席が用意されていなかったことが書かれている。何が原因なのかは詳しくわからないが、実家側にとって、よほど腹に据えかねる出来事があったのだろうと推測する。

 生きていれば対人トラブルは付き物とはいえ、松居のブログを読んでいて感じるのは、彼女の思い込みの激しさ、もしくは情の濃さである。

 たとえば、松居はホームレスの男性に家の掃除などの用事を頼んでいたことがある。この男性を相当信用していたようで、1月28日のブログでは、自宅のセキュリティーナンバーを教えていたことを明かしている。「家が無くて、外で寝起きされていても、誠実な方だと松居は判断していました」と書いており、実際に、この男性はトラブルを起こしていないようだ。

 勘の良さは投資家にとって重要な資質だろうから、誠実な人柄を見抜いたのはさすがというべきだろうが、もし私がこのホームレス男性なら、セキュリティーナンバーを教えてもらってもうれしくないと思う。なぜなら、もし松居家の中で何かなくなったとしたら、それが勘違いであったとしても、最初に疑われるのは自分の可能性が高いからである。100%善意で行った行為が、相手にとっては“ありがた迷惑”かもしれないと思うセンスが、松居にはないのかもしれない。

 直観力だけでなく、松居は行動力にも優れている。船越と結婚していた当時、彼が主演するドラマの視聴率アップのために、松居が自分でチラシを作り、街行く女子高生に配っているのをワイドショーで見たことがある。正直なところ、チラシを配ったくらいでドラマの視聴率が上がるとは思えないが、「好きになったら命がけ」になるのが松居なのだろうと思う。

 しかし、この濃すぎる情は、一歩間違うと仇になるかもしれない。松居はご近所さんや解体工事の業者など、自分が「これ」と思い込んだ人には、大金をつぎ込むクセがあるようにも見える。赤の他人でもこうなのだから、家族となるともっと濃密に付き合うのではないか。松居は経済力があるので、大金を援助することも可能かもしれない。こういう付き合いはうまく行っているときはいいが、相手が自分の思う通りに動いてくれないと、「あんなにやってやったのに」と恨み骨髄に徹する可能性も秘めている。息子と揉めている裏に、こうした不満がないとはいえないだろう。

 さらに松居は、顔も名前も知らないブログ読者のことも“家族”と呼ぶが、彼女にとってこれくらい距離感のある人間関係のほうが、トラブルにならなくていいのかもしれない。一緒に住んだり、毎日顔を見て愛しあうという意味の家族と付き合っていくのは、松居の負担が大きく、そもそも向いてないと思うのだ。

 愛しすぎて、相手が窒息するまで抱きしめてしまうようにも思える松居だが、いい距離を保ち続けているものもある。それはお金だ。

 投資上手な松居の元からお金が逃げることはなく、松居もお金に敬意をもって接しているように思う。10月13日のブログで、マンハッタンのミッドタウンに立つ超高層ビル・One57の一室を「破格の安さで買い逃げた」と最安値で買ったことを明かし、今は売るか賃貸に出すか悩んでいるという。その流れで、「小室さんとお姫様の眞子さまに貸してあげたい心境ですが、家賃が高いですよ」と冗談めかして書いている。

 松居といえば、三重県の伊勢神宮へ頻繁にお参りしていることでも知られているが、7月4日のブログによると、天皇陛下がお使いになる特別室で表彰を受けたという。眞子さまは結婚して民間人になられても、皇族の一員であったことに変わりはない。スピリチュアル好きで「ご縁と感謝」をたびたびブログにつづり、大切にしている松居だけに、格安で貸してあげればいいのに……と思わないでもないが、そこまでの情はないようだ。松居はお金(ビジネス)に関しては、常に冷静である。お金を愛するように、人を愛すれば何事もうまく行きそうだが、天は二物を与えなかったのかもしれない。

 アメリカのフリーペーパーに松居が掲載された際、自身を「ジャパニーズ・マム」と紹介していた。その肩書に異論はないが、松居のスゴさは「身内と良好な関係を築いているか」というような、既存の「マム=母親」像を基準にした平凡な尺度では到底測れないと思う。家族から遠く離れたニューヨークで、お金の神様、投資の女王として、ますます活躍していただきたいものだ。

「料理が得意」な和牛・水田信二の面倒くささがあらわに? 「作ってくれた人への感謝」を訴えるほどに増すこだわりと威圧感

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の芸能人>
「料理得意な男性はどうなんやろな?」和牛・水田信二
『人志松本の酒のツマミになる話』(10月8日、フジテレビ系) 
 
 『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系)という番組がある。その名の通り、家事初心者のバカリズム、KAT-TUN・中丸雄一、メイプル超合金・カズレーザーが、料理や収納術などの家事を学び、実践する番組だ。

 男性が家事をやることを番組にするアイデアは、今の日本において「画期的」と言えるのではないだろうか。この3人に限らず、人気の男性芸能人が家事をする姿をテレビで見せることは本人のイメージアップにつながるし、仕事の幅を増やせるかもしれないという意味でチャンスだと考えられる。しかし、料理や掃除など家事への強いこだわりから、その人の面倒くさい一面が露呈する可能性もあるので、注意が必要だろう。

 10月8日放送の『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)に出演した和牛・水田信二。彼は芸人になる前に料理人として働いていて、料理に関して相当自信があるようだ。その水田が“ツマミになる話”として、「料理得意な男性、どうなんやろな」という話題を提供したが、この話に私は水田の面倒くささを感じた。

 水田は元料理人だったため、「味への興味がすごくあるし、作ってくれた人への感謝もすごい感じる」とのこと。若手の頃はファンから手作り料理をプレゼントされることもあったが、何か問題があったら大変なので、事務所からは「食べないように」と指導されているらしい。しかし、水田はせっかく作ってくれたものをみすみす捨てられないので、「ひとくち、口に入れて味を見てゴミ箱に吐き出す」ということをやっていたそうだ。

 水田が元料理人だと知った上で付き合った女性は、「まぁ、料理作ってくれない」「この10年で手料理(を食べたの)って2〜3回しかない」らしい。彼女が料理を作ってくれる数少ないケースのときも、何か言われるのではないかと緊張した様子で、水田も「絶対に喜んでいるのは伝えたいけど、大げさに言ったら気を使わせる」と考えてしまい、全然食事が楽しめないのだという。そんな経験から、水田は「料理が得意な男性はどうなんやろな?」と疑問に思うようになったそうだ。

 要するに、水田は自分の料理がうますぎるため、彼女の負担になっていると考えたらしい。「料理ができて、気を使える男性」のように思えなくもないが、どうもそんなに簡単な話ではなさそうだった。 

 水田の質問に対し、ゲストでタレントの井上和香は、料理が得意な男性と交際していたとき、自分の作った料理を相手が「すごくおいしかったけど、ここにもうちょっと緑があったらきれいだったよね」と“採点”してくるのが嫌で、「料理ができる人、本気で苦手」と思ったことがあると話した。

 水田は井上の経験談を受け、「料理人の人って(そういうことを)家で言ってないと思う」「男性で女性の料理に文句を言う人って、料理人じゃない料理得意な人」「料理人の人は絶対言ってない、作る大変さをわかっているから」と持論を展開。仮に水田が女性の作った料理に彩りが足りないと思ったとしても、「よく料理人の自分に対して作ってくれた、ハードルを越えてきたくれたということに感謝」するそうで、井上が「苦手」とする男性と自分は違うと主張したいようだった。

 「感謝」という殊勝な言葉にごまかされがちだが、水田は結構序列にこだわるというか、マウントを取りたがるタイプなのではないかと思う。 
 
 水田の「料理人じゃない料理が得意な人」や「料理人の自分に対して作ってくれた」発言からは料理が得意な人より料理人のほうが“上”、料理人である自分は彼女より“上”という序列にこだわっているように私には感じられた。そもそも、料理人だからといって、シロウト(彼女)の作った料理を褒めてはいけない決まりがあるわけでもないのに、なぜ「大げさに言ったら気を使わせる」と思うのかよくわからない。

 彼女がプロの料理人になりたい、店を出したいというのなら、厳しめに評価をする必要があるかもしれないが、単にカップルで食事を楽しむのであれば、多少思うところがあっても、深く考えずに「おいしい」と言えばいいだろう。「よく料理人の自分に対して作ってくれた、ハードルを越えてきたくれたということに感謝」という言い方も、感謝をしているように見せかけて「プロの料理人であるオレに、シロウトのお前ごときがよく料理を食べさせようと思ったな」と威圧感をにじませていないか。

 それに、腕に自信があるのなら、つべこべ言わずに水田自身が料理を作ればいい。「オンナは料理(家事)をするもの」という考えまで透けて見える。

 ちなみに私の周りで、プロの料理人と結婚した友人が2人いるが、寿司職人と結婚した友人は夫に「自分がすべて作りたいから、料理は何もしないで」と言われたそうだ。実際、家族の食事もお弁当もクリスマスもおせちも全部夫が作っている。もう一人の友人の夫は逆に「家では料理を一切したくない」タイプで、友人が料理をしているが、たとえスーパーのお惣菜でも文句は言わないし、すべての料理を「おいしい」と褒めてくれるそうだ。このように、料理人とシロウトのカップルでも、緊張感が漂うとは限らない。

 水田の彼女が手料理を作りたがらないのは、水田の料理がうますぎるからではなく、水田の発する「俺のほうがすごいけど、お前が料理を作れ」という圧がすごすぎるからではないだろうか。「料理がうまい男性」というのは、今の時代にウケそうなキャラだが、水田の場合は威圧感ばかりが前面に押し出され、私には「ただの面倒なオトコ」だと感じられた。

 経済力を笠に着て「誰のおかげでメシが食えているんだ」と配偶者を精神的に威圧することなどは、「モラルハラスメント」と呼ばれている。モラハラを働く人は日ごろから、学歴や職業、年収などの社会的ブランドにこだわったり、それらに「上下」「勝ち負け」をつけがちだったりするという。日本は男女の賃金格差が大きい国なので、一部の高収入女性を除くと、多くの女性は“モラハラ被害者”になる可能性を秘めているといえるし、実際にパートナーからモラハラ的発言を浴びた経験のある人も多いのではないだろうか。 

 そのせいか、ある編集者から「モラハラは数字が取れる」と聞いたことがある。確かに、女性向けの読み物では、モラハラ夫やモラハラ彼氏を描いたものが多い。モラハラ男への嫌悪から、女性たちがついクリックしてしまうのだろう。しかし、テレビに出ている人がモラハラ気質だと嫌悪感が先に立って、その人の本業について興味を持つ人が減るかもしれない。そう考えると、たとえ家事の話をしたとしても、マイナスに働く可能性が高そうだ。

 少し前は「クセがあってこそ芸人」のような言われ方をしていたが、時代は変わっていく。芸を磨くよりも前に、“人柄”を時代に合わせて好感度を上げることが、水田をはじめとした芸人の仕事の幅を広げる方法なのかもしれない。 

熱愛報道のSHELLYと「マンションを売った」新恋人に抱く疑問――「離婚は失敗」じゃないが、恋愛はマイナスになる?

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の芸能人>
「いい人がいれば、すぐにでも恋愛したい」SHELLY
「女性セブン」10月21日号 (小学館)
 
 秋篠宮家の長女・眞子さまが、10月26日にご結婚されることとなった。現在の天皇陛下の妹君・紀宮さま(当時)が2005年に都庁勤務の黒田慶樹氏とご結婚されたとき、国民はおおむね祝福ムードだったと記憶しているが、今回、あの時のような寿ぎが感じられないのは、残念なことだろう。

 内親王の結婚相手について、国民が審査する権利はない。なので、眞子さまに小室圭氏との結婚を「破談にしろ」と意見することは見当違いといえるが、この結婚が相当危ういことも確かだと思う。小室氏はすでに、ニューヨークに就職先が決まっているようだが、「就職すること」と「仕事が続くこと」は全く別問題である。競争の激しいアメリカで、小室氏が生き残っていけるのかは未知数だ。

 私も夫の仕事の都合で海外赴任したことがあり、その際、知り合いに「夫婦仲が悪くなるから、気をつけろ」と言われた。海外生活でお互いにストレスが溜まるが、発散する方法がないので、つい相手に当たってしまうという意味だ。実際に、夫がストレスのためにアルコールに溺れ、妻に暴力をふるいだしたとか、外国での子育てや人間関係に悩む妻がうつ病になったという話を聞いたことがある。

 眞子さまの場合、海外生活もさることながら、一般人としての暮らしに適応しなくてはならない困難も待ち受けている。また、眞子さまの姑になる小室佳代氏は元婚約者との金銭トラブルがいまだ解決しておらず、最近では、勤務先の洋菓子店との「労災トラブル」を「女性セブン」9月2日号(小学館)に報じられるなど、なぜかお金にまつわるトラブルが多い。そんな姑との関係にも適応しなければならない。

 ご自身が選んだ道と言われたらそれまでだろうが、眞子さまはプリンセスならではのリスクも抱えている。それは離婚したとしても、“実家”である宮邸に帰れないということだ。

 9月24日放送『バイキングMORE』(フジテレビ系)に出演した皇室ジャーナリスト・山下晋司氏は「仮に離婚されたとしたら、一般の方って実家に帰ってご両親と暮らすっていうのがよくあるパターンじゃないですか。でも眞子内親王殿下は、それできないんですよ」と解説している。このほかにも、皇室の費用は国の予算から計上されるため、一般家庭と違って結婚後の娘に経済的な支援はできないという。山下氏はこれを理由に、眞子さまが辞退の意向を示すとみられる約1億5000万円の一時金について「もらっておいたほうがいい」と持論を展開した。

 SNS上では、眞子さまと小室氏の結婚に関して「結婚してダメだと思ったら、日本に帰ってくればよい」という意見も見られるが、前述した通り、プリンセスには多くの庶民が持つ「実家に戻る自由」「困ったときに親に助けてもらうという自由」をお持ちではないわけだ。「失敗しても、やり直せる」のなら「とりあえず結婚」もいいだろうが、「失敗したら、行き詰まる」ことが目に見えている以上、もろ手を挙げて賛成する人が増えないのも致し方ないことではないか。

 そんな中、「女性セブン」10月21日号でタレント・SHELLYの熱愛が報じられた。記事を読んで、彼女の近況を知ると同時に、結婚の“失敗”についてどう考えているのか気になった。

 同誌によると、お相手は日本テレビのカメラマン・A氏。SHELLYは19年に離婚後、「いい人がいれば、すぐにでも恋愛したい」という気持ちを抱いていたために、『しゃべくり007』(日本テレビ系)のスタッフが番組内でのお見合いを企画し、そこでA氏と出会ったという。

 当初、SHELLYはA氏を子どもに会わせるつもりはなかったが、A氏と子どもが楽しく遊べたこと、また、A氏が住んでいるマンションを売って、SHELLYの自宅にやってきたことで、現在は同棲に発展しているそうだ。

 SHELLYは今年1月2日配信のニュースサイト「BUSINESS INSIDER」の取材に対し、「離婚しちゃって、スイマセン!って笑いを取るのはすごく簡単。バラエティにはそういうセオリーがすでにできあがっているから。でも、私は離婚を失敗だと思っていないし、他人の恋愛の素敵なエピソードは、離婚前も後も変わらず好き」と答えていた。

 離婚したことに対して引け目がないからこそ、番組の企画でお見合いをして、堂々と恋愛をすることにしたのだろう。それにSHELLYは独身なわけだから、恋愛をしてもまったく問題はない。しかし、なぜA氏は自分のマンションを売ってまで、SHELLYの家に来たのか。SHELLYもなぜそれを容認したのか、どうしても引っかかるのだ。

 2人のお子さんがA氏と一緒に楽しく遊べることと、一緒に暮らしてうまくいくことは別の問題である。今後、お子さんとA氏、SHELLYとA氏の関係性が絶対に煮詰まらないとは言い切れない。不和が生じた時、A氏が別に住まいを持っていれば、とりあえずそちらに戻ってもらい、物理的に距離を取ることで、関係性の再構築も図れるだろう。

 しかし、一緒に住んでいる状態で揉めごとが起きたら、特に子どもは逃げ場がない。SHELLYがA氏と別れたいと思ったとしても、A氏が嫌だと言ってSHELLY宅に居座る可能性もないとは言い切れないだろう。その場合、SHELLYと子どもが安心して暮らせる空間を確保できないかもしれず、同棲はリスクが高くなる。皇族と芸能人を同じ次元で語るのは甚だ不敬だが、“失敗”した時に逃げ道が少ない、女性側に大きな負担がかかるという意味で、眞子さまとSHELLYは似たものがあるように思う。

 恋愛が悪いと言うつもりは毛頭ないが、SHELLYには守るべきお子さんがいる。今後はあえて彼氏と一緒に住まないことで「失敗しても、リカバリーが可能」な恋愛にシフトしたほうがいいのではないだろうか。今は離婚したからといってタレントのイメージが落ちる時代ではないが、お子さんに負担をかけるように見える恋愛をすることは「タレントとして」マイナスになるだろう。

 人は誰しもバイアスをかけて、物を見ているといえる。たとえば「1日3時間しか勉強しない主義」の人が東大に合格すれば「地頭がいい」「能率がいい」と褒めそやされるだろうが、不合格の人が同じことを言えば「もっと勉強しろよ」とあきれられる可能性が高い。同様に、離婚した人が「離婚は失敗じゃない」と言うと、「負け惜しみ」とか「プライドが高い」と受け止められることもある。成功者以外の話に耳を傾けないのは、世の常だ。

 そういう固定観念を打ち砕くためにも、SHELLYには形にこだわらず、けれどいろんな方向に気を配って、円満な恋愛をしてほしいと思うのは、私だけではないはずだ。だからこそ一言言いたくなってしまったが、体に気を付けて、今後も頑張っていただきたい。 

四千頭身・後藤拓実、先輩から「かわいがられなくて当然」の2つの理由――問題は「金の話」だけじゃない?

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<今週の芸能人>
「かわいがられなくて当然」 四千頭身・後藤拓実
『あちこちオードリー』(9月22日、テレビ東京) 
 
 私が海外に住んでいたときに驚いたことの一つが、中国や韓国など、日本以外のアジア人が頻繁にお金の話をすることだった。日常会話の中で本当にごく自然に「いくら稼いでいるの?」「それはいくらしたの?」と聞き出すだけでなく、彼女たちは自分の情報もオープンにする。私は「人前でお金の話をしてはいけない」と親にしつけられたタイプだが、同じような教育を受けた日本人は多いのではないだろうか。 
 
 なぜ日本では、人とお金の話をするのがいけないのか。収入に関する話は個人情報でありプライベートなことだから、口外しないという意識もあるだろうが、寄付を「浄財」と呼ぶことでもわかる通り、日本人の多くが「お金は不浄なもの」という感覚を持っているからだと思う。しかしながら、お金がないと生活していけないのもまた事実であり、投資法や金銭的格差を書いた記事はよく読まれると聞いたことがある。

 お金のことが好きだからこそ、時にお金を持っている人をねたましく感じる。しかし、それを人前で口にするのは恥ずかしい。これが日本人の平均的な感覚ではないかと推測するが、だからこそ、お金の話は難しいと感じることがある。特に目上の人の前では、その難易度が上がるのではないだろうか。

 9月22日放送の『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で、ゲストのお笑い芸人、四千頭身・後藤拓実は「先輩芸人との精神的距離を感じて孤独」と明かしていた。先輩にかまってもらえないというわけではなく、話しかけてもらえるものの「心のどこかでは『何だコイツら』(って思われているんじゃないか)」「『シャバ僧がこの野郎』と思われていると思っちゃう」と、先輩の優しさが本物ではないと疑っている様子。番組MCのオードリー・若林正恭は「それだったら、話しかけないでしょ」と答えていて、私もその通りだと思うが、後藤がこう考えてしまうにはワケがあるようだ。

「芸能界で成功した」後藤拓実が間違えたコト

 後藤は2020年11月に行われた「ワタナベNオンラインハイスクール」の記者発表会に出席した際、「偏差値37の高校を出て、タワマンからアウディで来ました。夢をつかめばこうなります」と発言。今年7月にはニュースサイト「文春オンライン」の直撃取材を受け、舞台女優・柚木亜里紗と交際中だと明らかにしている。 
 
 かつて、ナインティナインの矢部浩之がバラエティー番組で、芸能界に入った理由を「いいクルマ乗って、いいもの食べて、いいオンナを抱く」ためだと話していたことがあるが、車の価格や恋人の職業を自分のステイタスに置き換える人は、どこにでもいる。過去の矢部発言からいうと、高級マンションで女優の彼女と半同棲し、高級車に乗っている現在の後藤は「芸能界で成功した」部類に入るだろう。 
 
 後藤はこれらの“業績”を記者の前でアピールした理由について、「若手を活気づけたかった」と明かしたが、その方針は今になって考えると「全部間違ってました」と『あちこちオードリー』で振り返る。「そりゃ、かわいがられなくて当然」「調子乗ってる(と先輩に思われる)しかなくて」と、自身の発言が先輩たちの誤解を招いたと話していた。実際、後藤がどう思われているのかわからないが、本人はこう思い込み、先輩の優しさを疑ってしまっているようだ。

ノブコブ・吉村も「高級車買った」話で失敗してた?

 お金の話で失敗した芸人は、後藤だけではない。14年放送の『ざっくりハイタッチ』(テレビ東京系)にゲスト出演した平成ノブシコブシ・吉村崇は、2000万円の高級車・BMW「i8」を注文したと告白。芸能界で売れるとこれほどの高級車が買えるという夢のある話のようだが、実際は吉本興業からの借金で購入した上に、そもそも運転免許を取ったばかりだったという。

 この頃の吉村は“破天荒”なイメージで売っていたが、同番組ではタワーマンションに住み、有名女性芸能人と付き合いたいけれど、実際は地上波に出られないタレントのタマゴの子くらいとしか付き合えないとボヤき、さえない一面も見せた。“業績”をアピールしただけの後藤とは違い、吉村は先輩に「かわいがられそう」なエピソードも付け加えたのだ。

 しかし、いつもなら後輩の話を広げる出演者の千原ジュニアや小藪千豊が、吉村の話には全然ノってあげなかったと記憶している。小藪は「半年後は仕事があるかわからないのに、そんな借金をするなんて」と浪費をたしなめ、ジュニアは「その2000万円のBMWに、まだ地上波に出たことのないグラビアの女の子を乗せるの?」と、そっけない態度を取ったように私は感じた。

 話芸ではなく、高い買い物をすることで笑いを取ろうとした吉村の姿勢が、2人には納得いかなったのかもしれないし、先輩相手にマウントを取るような態度に感じられたのかもしれない。なぜ盛り上がらなかったのか詳細は不明だが、やはり「高いものを買った」という話は、人によって受け止め方が違うので、特に先輩相手にはしないほうが無難なのだろう。 

お金の話とは別に気になる、後藤拓実の「雑さ」

 お金の話とは別に、後藤が先輩からかわいがられない理由だと思うのは、表現の雑さだ。

 『あちこちオードリー』にて、MCを務めるオードリー・春日俊彰に「先輩ともっと話したいの?」と聞かれた後藤は、「話してくれて大丈夫なんです」と答えていた。この言い方だと、先輩に対して上から物を言っているような印象を受けると思う。さらに、先輩が自分に声をかけない理由について、「(先輩が)ビビってるのかもしれないですね」と分析した。

 オードリーの2人がこの話をうまく掘り下げたので、「先輩を俯瞰で見ていると思われているから、後藤に話しかけづらいのではないか」「本当は先輩のことを全員面白いと後藤は思っている」といった補足がなされたものの、「ビビっているのかもしれない」という言葉だけを聞くと、後藤が先輩をバカにしていると思う人がいてもおかしくない。こうした雑な発言も気になった。

 自分ではそんなつもりがなくても、失礼な態度を取られたと感じたほうは、そのエピソードをそう簡単に忘れないだろう。礼儀がなってないからといって先輩から怒られる時代ではないが、怒られないからといって、それが許されているとは限らない。
 
 ダウンタウン・浜田雅功は、年上ゲストの頭を叩くこともあるが、事前に自ら挨拶に行くなど気配りを欠かさないと、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で出演者から明かされていた。朴訥とした語り口は後藤の魅力だろうが、お金の使い方もさることながら、見えないところで言葉を惜しまず、誤解を招かないコミュニケーションを取ることが、先輩にかわいがられる近道ではないだろうか。 

不倫を経て“キャラ変更”したベッキーは、今の時代に合っている? 「毒舌」を吐く彼女に思う、「いい子ぶりっ子」のやめ時

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<今週の芸能人>
「時代に合ってないんだ」ベッキー
『あちこちオードリー』(9月8日、テレビ東京)

 結婚してお子さんに恵まれ、テレビにも復帰。今年8月には23年間所属した事務所・サンミュージックから独立し、元マネジャーが設立した会社に移籍するなど、ここ最近、環境の変化が続くタレント・ベッキー。ようやく世間サマも忘れたころに、古い話を蒸し返して申し訳ないが、いまだに「どうしてベッキーは不倫なんてしてしまったのだろう?」と思うことがある。

 2016年にゲスの極み乙女。・川谷絵音との不倫が明るみになったベッキーだが、その前まで、彼女はいろいろなバラエティ番組で「誤解を招くといけない」という理由から、デビュー前より男性と一緒に写真に写らないようにしていると話していた。それは逆にいうと「売れたい」「芸能人で居続けたい」気持ちの表れだと思うが、そこまでリスクを排除していたベッキーが、正月に妻のいる男の実家に堂々と出向き、「週刊文春」(文藝春秋)にその様子を撮られてしまった。

 ベッキーは06年に出演した『オーラの泉』(テレビ朝日系)で、毎朝欠かさずファンやスタッフへ「感謝の祈りを捧げている」と明かしていたが、不倫なんてしたら、スタッフに迷惑がかかることは想像に難くない。なお、「文春」によると、ベッキーは川谷と知り合ったとき、彼が既婚者だとは知らなかったそうだ。

 「好きになったらどうしようもないのが恋」と言われてしまえばそれまでだが、明るくさわやかなイメージで売っていたベッキーにとって、この不倫報道は致命的で、CMはすべて降板、芸能活動を休止するまでに追い込まれる。その後、翌17年12月31日放送の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんでSP 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ系)に出演し、「ベッキー、禊のタイキック」として、女性ボクサーから腰にキックされていた。

 おそらく、番組側は「不倫を笑いに変えよう」と思ったのだろうが、なんのお咎めもなしに活動を続けているという不公平感が川谷に対してあったので、ネット上では「なぜ女性だけが“罰”を受けなくてはならないのか」「弱い者いじめで笑いを取るな」などと番組へ批判が続出。結果的に、ベッキーの不倫はますます“笑えない話”になってしまった。

 それから1年以上が経過した19年2月23日配信のニュースサイト「デイリー新潮」の記事によると、同12日に放送された『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)にベッキーが出演した際、視聴率こそよかったものの、視聴者から「なぜ出演させるのか」といった抗議の電話が鳴りやまなかったという。「報告を受けた日テレ上層部は『まだしばらくは、ベッキーを出演させないほうがいい』と判断したようですよ」という関係者のコメントも載せていた。やはり、この不倫の代償は大きいと言わざるを得ない。

 そんなベッキーが、バラエティクィーンとして活躍していた20代を、今月8日放送の『あちこちオードリー』(テレビ東京)で振り返っていた。ベッキーは当時、「疲れた」とか「忙しい」という言葉は自分の中で禁句にしていたそうだが、実際は疲労困憊だったようで、ストレスのため「20代、ほぼ毎日泣いていた」と告白。移動中の車内で泣いたり、楽屋で1人にしてもらって泣いたりと、こっそり涙を流していたというが、「29歳の時に人前でも泣くようになっちゃって」「舞台挨拶のとき、舞台に上がった瞬間に泣きそうになっちゃった」などと、メンタルの状態は悪化したそう。本人も「ヤバい」自覚はあったようで、週に一度休みをもらい始めてから、状況が改善したと話していた。

 川谷と交際していた頃、ベッキーは31歳。同番組で彼女は「30歳手前でオンナは揺れるの」「プライベートの時間を増やしたくなったり、人によっては恋したくなったり」とも語っていた。「売れたい」という望みはかなえたものの、20代の頃から人知れずストレスを抱え込んでいたベッキーにとって、川谷との恋愛は現実逃避かつ、精神のバランスを取るためのものだったのかもしれない。

 一方でベッキーはここ数年、不倫を差し引いても、バラエティタレントとして生き残ることの難しさを感じていたようだ。『あちこちオードリー』では、「去年、バラエティもうやめようかなって、なんか思っちゃった」と明かし、その理由として「時代が変わってきている」ことを挙げた。これまでと“言っていいこと・悪いこと”の基準が違っている、ノリも変わってきているように感じており、「思っていた感じと違う空気になったり」「良い感じでバトルになるかなってところも、ならなかったり」「ツッコんだつもりだったけど、ただのうるさいおばさんに映っていた」ことから、自分は「時代に合ってないんだ」と思ってしまったという。

 そんな中、同時期にバラエティで活躍していたタレント・若槻千夏から「ベッキーさんには前のところに戻ってほしいし、戻らなくちゃいけない」と言われたことで、やる気を取り戻したとか。ベッキーのように売れている芸能人は、活動期間が長くなるからこそ、時代の変化のようなものに敏感になるのだと思うが、私は、不倫を経た今の彼女のほうが「時代に合っている」のではないかと思う。

 同番組司会のオードリー・若林正恭に「子育て大変でしょ?」と聞かれたベッキーは「芸能界はいいよ、香盤表があるんだもん」と答えた。仕事は予定通りに進むが、育児はそうはいかないという意味だろうが、昔のベッキーなら「大変だけど、生まれてきてくれたことに感謝」くらい言ったのではないだろうか。

 キャラなのか素なのか、かつてのベッキーは少し“いい子ぶりっ子”するクセがあり、そこが好感度につながっていたのだろうと推測するが、不倫がバレた以上、いい子キャラは封印せざるを得ない。しかし、これは長い目で見ると、いいことのような気がする。若い時ならともかく、オトナの女性がいつまでもいい子キャラでいることは、限界があるように思うからだ。

 不倫を経ていい子キャラをやめたベッキーは、番組内で「インスタで『今日は子どもとこんな格好してお散歩』って人は“ヘッ”ってなる」「そんなキラキラしてられねーよ」と毒を吐き、スタジオでは笑いが起きていた。「子育てにまつわる毒舌」というのは視聴者ウケするし、ちょうどいい毒といえるのではないだろうか。

 なぜかというと、子育てが大変なのは親のせいでも子どものせいでもなく、誰も悪くない「そういうもの」だからだ。ベッキーのように腕のある人なら、育児ネタ以外でも、今の時代に合った「人を傷つけない」かつ「共感を得られるトーク」を展開できるだろう。

 不倫騒動が起きたとき、業界内外からベッキーの芸能人生命を危ぶむ声が上がった。しかし、結果としてかつてほどの活動ではないものの、復帰できている。日本のスピリチュアル界のドン・江原啓之センセイは『オーラの泉』で「すべては必然」とよく言っていたが、ベッキーにとっては不倫もそのうちの一つで、良いキャラ変更のきっかけだったのかもしれない。睡眠を十分とって心身を休めながら、まだまだがんばっていただきたいものだ。

NMB48・渋谷凪咲は「バラエティークイーンになる」と思うワケ――“アイドル、毒舌、笑い”を巧みに混ぜる頭のよさ

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<今週の有名人> 
「令和の時代にウソついたら、終わりです」 NMB48・渋谷凪咲
『令和の正解リアクション』(TBS系、9月11日)

 セクハラやパワハラに対する人々の意識が高まり、「人を傷つけない笑い」がよしとされる時代、これまでのような毒舌を続けると問題が起きてしまう。しかし、先週、同コラムで触れた有吉弘行のように、常に一線を走る人というのは、毒舌の方向性や調合を変えながら進化している。そして彼だけでなく、女性芸能人の毒舌も変化していると感じることがある。

 かつての毒舌女性芸能人のメインネタといえば、“結婚”だった。例えば『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)では、「格付けしあう女たち」というコーナーの中で「結婚の対象にならない女」など、世間もしくは男性に結婚相手としてどう評価されているかにまつわるランキング企画を頻繁に行っていた。女優・杉田かおるや遠野なぎこがワーストに輝き、落胆や憤慨しながら、女子アナなど男性ウケのいい女性に毒舌を吐くというのがお決まりのパターンだった。

 「結婚の対象にならない女」とみなされるのが不名誉と考えるのは、逆にいうと、企画立案した側が「男性に結婚対象としてみられることはうれしいはず」と思っていることの表れではないだろうか。今の時代にこのような企画を行うと、「女性は男性に選ばれる性なのか」「結婚は個人の自由であり、なぜすべての女性が結婚したがっているという前提なのか」と世間に批判され、炎上する可能性がある。なので、結婚をネタに30代以上の女性がやさぐれる(フリをテレビの前でする)毒舌は、時代に合わないといえるだろう。

 オンナ芸人が毒舌役の担当になることもあった。かつての『踊る!さんま御殿』(日本テレビ系)で顕著だったが、女子アナや若いタレントは“モテるチーム”、オンナ芸人やある程度の年齢の女性は“モテないチーム”に入れられる。オンナ芸人らがモテるチームの女性に毒を吐き、司会の明石家さんまが「おまえらのひがみやないかい!」とオチをつけるのが定番。しかし、今や恋愛に興味がないとはっきり言う人が増えているから、モテることがそれほど視聴者の心に響くとは思えないし、容姿や年齢でチームを分けること自体、問題になり得るだろう。

 しかし、これまた先週も書いたのだが、テレビ番組に毒舌が全くなかったら、それはそれで盛り上がりに欠けると思う。こんな時代、オンナの毒舌は誰がどんなふうにすればいいのか。そう考えながらテレビを見ていたところ、すごくうまい人を見つけた。NMB48の渋谷凪咲だ。

 いかにもアイドルというルックスや、ゆっくりした口調だから、見た目や立ち位置で判断するのなら、誰も渋谷が毒を吐くなんて思わないだろう。しかし、実はゆっくりした口調の中にうまいこと毒を含ませていることがわかる。大声を張り上げて毒を吐くのではなく、よく聞いてみるとひどいことを言っているので、それがこちらを笑わせるのだ。

 9月11日放送の『令和の正解リアクション』(TBS系)に出演した渋谷の発言を振り返ってみよう。この番組は、ピンチの時に「令和らしい一言」で切り抜けようというもので、ゲストの解答を令和世代の一般人に評価してもらい、ランキングをつける。

 例えば、恋人に「前に行ったあそこの水族館、めちゃくちゃすごかったよね」と話したら、実は前の恋人と出かけた場所で「そんなところ、行ったことがない」と言われてしまった場合、どう答えるかという問題。渋谷はこれに「ごめん、間違えちゃった。怒ってる? 怒ってるよな? めっちゃうれしい。だって嫉妬してくれるってことやろ? ありがとう。めっちゃ好きやで」と、アイドル的というか、ぶりっこ的な返しをして、1位を獲得する。

 1位を取ったら、おとなしくいい子にしているのがフツウのアイドルだが、渋谷は違ったう。同番組には、ジャニーズのA.B.C-Z・河合郁人が出演していて、彼は同じ上述した質問問題に「ごめん、現実より、夢の中で君とデートしすぎちゃった」と答えた。これに対し、渋谷は「私はウソつきたくなかった」「変に『夢の中で』とごまかしたりとか」と、河合に向かって毒を吐く。

 かつてオンナの毒舌は、オンナ同士で争い、オトコにはその矛先を向けないというのが定番のスタイルだったように思うが、渋谷はそのルールを超えていく。口調が柔らかなので角も立たない。「令和の時代にウソついたら、終わりです」という一言は至言で、彼女の頭のよさがよく出ていると思う。

 しかも、渋谷は笑いもイケる。「仕事中に恋人に『愛してるよ』とメッセージを送ったつもりが、実は先輩に送ってしまった」時の咄嗟の一言として、渋谷は先輩に「彼に送るメールなんですけど、誤字がないかチェックお願いします」と真顔で言うそうだ。これに河合は「おもしろい!」と反応し、MCのロンドンブーツ1号2号・田村淳も「真顔で!?」「すごいのよ、渋谷やっぱメンタルが強い」と笑っていた。 
 
 「有吉は正論もしくは毒舌1、譲歩2でパワハラにならないような芸を完成させている」と先週書いたが、渋谷もブレンドがうまい。アイドルらしい発言、毒舌、そして笑いが1対1対1。アイドルとしての本分を守りながら、ほかのエッセンスも巧みに混ぜていく。なので、毒舌だけが際立たないのだろう。 
 
 渋谷は8月31日放送の『ロンドンハーツ』の企画「格付けしあう女たち」に出演し、一般女性200人が選ぶ「友達になりたくない女」のランキングを予想していたが、先輩にあたる元AKB48・峯岸みなみを「インスタで一般人の悩み相談に乗ってあげている」と丁寧な対応を褒めた後で、「たまに後ろで坊主の影がちらつくっていうか……」と“黒歴史”をいじってみせた。文字で見ると先輩に対する敬意を欠いているように感じるかもしれないが、番組を見てみれば、特に攻撃的でないことに気づくはずだ。 
 
 言うことは言うが、必要以上にキツい感じにならずに収めるのが、これからの時代の毒舌なのかもしれない。アイドルというポジションにありながら、毒舌もイケる渋谷は、テレビマンに重宝されるのではないだろうか。彼女が次世代のバラエティークイーンになる日は近いと思う。

フワちゃんのタメ口に「NO」を突きつけた有吉弘行はすごい? “毒舌”でも人を傷つけず、批判されないやり方

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の有名人> 
「毎日遅刻してるじゃないか」有吉弘行
『有吉の夏休み2021 密着77時間』(フジテレビ系、9月4日)

 「若者がテレビを見ない」という話を聞いたことがある人は、結構多いのではないだろうか。

 今年5月20日、NHK放送文化研究所が発表した「国民生活時間調査」によると、テレビを15分以上視聴した場合を「見た」としてカウントすると、平日1日の間にテレビを見た人は10〜15歳で56%、16〜19歳は47%、20代は51%だとされている。これは逆に考えると、若者の半数近くがテレビを見てないともいえるわけだが、ある若者はテレビを見ない理由を「同じような番組ばっかりで、面白くない」と言っていた。

 視聴率を取れる番組は長く続く。しかし、そうなると、どうしてもテレビはマンネリ化してしまう。若者の指摘はもっともだが、同じ番組を長年見ている立場で言わせてもらうと、番組は一緒でも、出演者は時代の流れに沿って少しずつ芸風を変えてきているように思う。そこまで注目して見ると、面白さを感じるのではないだろうか。

 2017年に米国の映画プロデューサーによるセクシャルハラスメントが明るみになり、世界的にセクハラや性暴力を許さないという機運が高まったことで、SNSを中心に「#MeToo運動」が起きた。日本でも、19年に相席スタート・山崎ケイ原作『ちょうどいいブスのススメ』(主婦の友社)が原作と同名でドラマ化されることになったが、ネット上での批判を受けて、放送前にドラマは『人生が楽しくなる幸せの法則』(日本テレビ系)と改題されている。女性の容姿などを一方的に評価することがセクハラに当たると感じる人が多かったということだろう。

 また、同年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)では、ぺこぱが「誰も傷つけない漫才」を披露して3位に入賞、その後ブレークを果たした。男性女性を問わず、世間が「人を傷つけない」方向を求めるように変わっているのだとしたら、難しくなってくるのは、今までテレビが持て囃してきた“毒舌”というポジションの芸能人ではないだろうか。口が悪いように見せかけて、よく聞いてみると的を射たことを言っているところが彼らの芸のキモだと思うが、こういう芸風は今の時代だと、ハラスメントと誤解される可能性は否めない。かといって、テレビの出演者が全員、誰も傷つけない“いい人”だと、それはそれで盛り上がりに欠ける。 
 
 毒舌芸能人もさぞやりにくかろうと思うが、やっぱりテレビに出続ける人は違う。9月4日放送の『有吉の夏休み2021 密着77時間』(フジテレビ系)を見て、やり方次第では毒舌でも「人を傷つけない」ことは可能なのだと感じた。

 同番組は、有吉弘行ら多数の芸能人が一緒に旅行をし、観光地を満喫するというもので、今回はお笑いタレント・フワちゃんが初出演を果たした。フワちゃんといえば、大物芸能人に対しても“タメ口”なことで話題を呼んだ人物。こういう人はテレビカメラが回っていないところでは気を使っていて、だからこそ非礼が相殺されるのかもしれないと思っていたが、20年11月6日配信のニュースサイト「週刊女性PRIME」がフワちゃんの遅刻癖について報じた。こうなると、礼儀を重んじないのはキャラではなく、素だと思われる。社会人で遅刻が歓迎されることはあまりないだろうから、本当に遅刻魔だとしたら、フワちゃんのイメージダウンにつながるだろう。 
 
 この報道後、同月15日放送の『サンデージャポン』(TBS系)に出演したフワちゃんは「私は1回も遅刻をしたことがない」と発言するが、話をよく聞いてみると「打ち合わせには遅れているが、本番には遅刻していない」ことがわかる。「番組に穴をあけているわけではないからよい」と言われたらそうなのかもしれないが、これは逆に考えると、「遅刻を反省していないこと、打ち合わせやそれを行うスタッフを軽んじていること」と同じではないか。しかし、ここで年長者が「遅刻はいけない」とテレビで公開説教すると、SNSで“老害”とか“パワハラ”と批判されかねない。芸能人は人気商売だから、自分が損をするようなことをわざわざしないだろう。実際、出演者から「(遅刻)してるんかい!」というツッコミは飛んでいたものの、注意するような人はいなかった。 
 
 しかし、有吉はこういう“ルール違反”を見逃さない。夏休み2日目、フワちゃんが集合時刻に遅れる。出演者の一人、みちょぱ(池田美優)によると、フワちゃんはこの前日も飛行機の時間ギリギリにやってきたそうだ。みちょぱは「有吉さんは早いから、10分前に降りてきて」とアドバイスしたそうだが、それを知っていても守れなかったということだろう。このとき有吉は「なんでいつも俺より後なんだよ」「遅刻するな」「毎日遅刻しているじゃないか」と言って、フワちゃんの頭を叩いている。 
 
 私も時間厳守を刷り込まれた世代なので、有吉の言うことは正論だと思うが、人によっては「カメラの回っていないところで注意してあげるべきだ」「叩くなんてハラスメントだ」と感じるだろう。有吉はそういう人に対しても有効な“策”を持っている。「それ(集合時間)だけ守れって言ってんだよ」と告げたあとに「あとは自由にやってもいいし、敬語使わなくてもいいし」と付け足したのだ。正論もしくは毒舌1のあとに、譲歩が2。

 これで有吉と同じく「遅刻は悪いことだ」と思っている人は「よく言ってくれた」と評価するだろうし、正当な注意であってもパワハラだと感じやすい人も、譲歩が2あることで、注意された感を薄めて「許された」「有吉は優しい」と納得できるのではないか。 
 

 
 とはいえ、「敬語使わなくてもいい」と言っているが、その前日の夏休み1日目、フワちゃんが「有吉、おしりプリプリになっている」と呼び捨てした際、「フワ、有吉『さん』な」とはっきり注意していた。翌日に遅刻したときは「敬語を使わなくてもいい」と言った有吉も、本音の部分では「礼儀を大切にすべき」と考えている証しだと私は感じたが、それはさておき、番組開始早々のこの忠告はすごいと思った。 
 
 誰にでもタメ口を使うフワちゃんの芸風に「NO」をつきつける芸能人はほとんどいない。前述したように、正面切って「さん付け」を要求すると、「タメ口くらいで目くじら立てるのは、器が小さい」「偉ぶっている、パワハラだ」と批判する視聴者が出て自分が損するかもしれないし、それを芸能人たちは一番知っているからだろう。

 しかし、自分にとって嫌なことは最初に言って釘を刺したほうがストレスは溜まらないし、フワちゃんとてバカではないから(番組の最初では「有吉さん」と呼んでいた)、先輩が本気で嫌がっているとわかれば、おとなしくやめるはずだ。 
 
 注意とハラスメントの違いを明確に言語化しにくい現在において、カメラが回っているところで後輩に何かを指摘することは、リスクのある行為といえるだろう。しかし、有吉はそれをいとわず、かつ毒舌の後にその倍フォローすることで、攻撃性をなきものにした。一言で毒舌といっても、10年前と今ではウケる毒舌が違う。そのあたりの微調整が抜群にうまいからこそ、芸能界で活躍できるのだろう。

 テレビはマンネリ化して「同じような番組」ばかりかもしれないが、有吉のように“変化する出演者”に注目して見ると、こんな発見があって面白い。そして毒舌でありながら、いやな余韻を残さない有吉には、おみそれしましたと言うしかない。