「下ネタOK」の女子アナ・大橋未歩が、案外『5時に夢中!』に向かないと感じるワケ

 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「意外と大橋さん、嫌になるの早いと思う」マツコ・デラックス
『5時に夢中!』(TOKYO MX、4月8日)

 4月1日より、『5時に夢中!』(TOKYO MX)のアシスタントに、元テレビ東京アナウンサー・大橋未歩が就任した。知名度の高い人気アナが出演することで、画面は一気に華やかになった。「意外と大橋さん、嫌になるの早いと思う」とマツコ・デラックスが発言したのは、“人気アナウンサーがこんな番組に出てくれる”という歓迎の意を、自虐的に表現したのではないだろうか。

 今でこそ、人気番組となった『5時に夢中!』だが、視聴率が低迷していた時代があった。テレビに出たてのマツコが「校内放送みたいなものよ」と言っていたことがあるが、視聴者が多くないこと、地上波でないことを逆手にとって、猥談や隠語などの下ネタを平気で発していた。しかし、徐々に視聴率が上がり、多くの人の目に触れるようになると、そのやり方では問題が生じる。木曜レギュラーの作家・岩井志麻子は、“ちんこ”と発言するとき、チーンと鳴るベルを押して、その後に「こ」と付け加えるのだが、これは番組当初のコンセプトを生かしつつ、地上波に慣れた視聴者を取り込む作戦だと私は解釈している。

 下ネタと言えば、テレビ東京時代の大橋アナは下ネタを嫌がらないキャラで売っていた。恋もキャリアもあきらめたくない女性を応援するバラエティー番組『極嬢ヂカラ』(テレビ東京系)のレギュラーとなった際は、記者会見で「(興味をそそられた番組の企画は)アンダーヘア。主人はナチュラル派なので、自然体で行きます」と答えたり、番組内で「大橋ちゃんのHってどんなんなん?」と尋ねられ、「粗末にされるのが好き」と答えるなど、プライベートゾーン(性器)やセックスに関しても、臆することなく明かしている。また、本人の趣味か上司の指示がわからないが、バストを強調したり、かなり短いスカートをはき、“お色気”担当を担っていたようにも思う。

 ウェブメディア「JBpress」に掲載された『5時に夢中!』プロデューサー・大川貴史氏へのインタビューによると、同番組は「お色気ネタに抵抗のない30代主婦」をターゲットに番組作りをしてきたそうだ。ということは、番組は30代主婦にウケる下ネタを作ろうとしていると見ていいだろう。大橋アナの下ネタOKな芸風が買われて、今回の起用となったのかもしれないが、大橋アナと『5時に夢中!』の下ネタの路線は一致しているかというと、ちょっと違う気がするのだ。

 例えば、今は母親となり、お子さんの話も大分増えてきた月曜レギュラー、株式トレーダーの若林史江は、独身時代「ヤリマン」を自称していたが、「ヤる相手には事欠かないけれど、独身」という自虐でオチを作っていた。火曜日のレギュラーコメンテーター、作家の岩下尚史氏は『おーくぼんぼん』(TBS系)でセックスについて「あんないいものないよ」と話していたことがあり、『5時に夢中!』でも、セックスに興味のあるキャラを掲げている。木曜日レギュラーの岩井はオナニーについて語り、新潮社出版部部長・中瀬ゆかりは、事実婚をしていた故・白川通さんの存命中、「セックスレス」を公言していた。レギュラー陣の話は、カテゴリとしては下ネタであっても、具体的な話、例えば体位やオナニーのやり方について話すことはない。結局、「30代主婦に受ける下ネタ」というのは、「実生活では口にできないこと」かつ「生々しくはなく、共感できる(自慢と感じられない)こと」なのではないだろうか。

 それに対し、大橋アナの下ネタはそのものずばり、細部を連想させるもので、どちらかというと男性向け下ネタのように思うのだ。

 もう一つ、大橋アナは、案外「プライベートを語れない」というネックがあるように思う。大橋アナは二度結婚しているが、一度目の結婚は、ヤクルトスワローズ(当時)の城石憲之選手。大橋アナが軽度の脳梗塞を患った後、「(夫が)スムージーを作ってくれるのが日課になって、職人みたいになっています」と、「スポーツニッポン」の取材に答えていた。優しい夫と、そんな夫に愛される私をアピールしたものの、この直後に離婚。1年もたたないうちに、テレビ東京のプロデューサーである11歳年下の男性と再婚したことから、「不倫していたのでは?」という疑惑を持たれている。

 同番組のレギュラー陣にも、岩井や中瀬のように離婚経験者はいる。離婚は今時珍しくないし、イメージダウンでもない。しかし、不倫のように他人を傷つける形での離婚を疑われている大橋アナは、30代主婦ウケからは程遠いのではないだろうか。

 キャラかぶりがご法度というバラエティーの原則から言うと、『5時に夢中!』のレギュラー陣には、既婚者・母親も多いのだから、アシスタントは独身女性がいいのではないだろうか。30代主婦ウケを狙うなら、「結婚できない」自虐をする独身女性は見飽きた感があるので、離婚経験のある結婚生活不適合者キャラはどうだろう。番組ファンの私はそんなことを思ってしまった。

 そうは言っても、大橋アナのように知名度のある人が出ることで、番組が盛り上がることは事実。この番組ではアシスタントにもあけすけさは求められるが、エピソードのチョイスに気を付けないと、好感度が下がってしまう可能性はある。「意外と大橋さん、嫌になるの早いと思う」というマツコの発言が、予言にならないように願うばかりだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

樹木希林さん、「夫には遺産遺さない」報道……彼女の「一筋縄ではいかない愛し方」を考える

 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「私が死んでも、夫に遺産は遺さない」樹木希林
「女性セブン」(小学館、3月27日号)

 一組の夫婦がいたとする。妻が夫に暴力を振るい、別居。そこで別の男性と交際するようになる(しかし、生活費は夫にもらっている)。妻が夫に内緒で離婚届を出し、離婚は成立した。しかし、夫は裁判を起こし、離婚は無効であると訴え、勝訴した。

 もしこんな話を聞かされたら、多くの人が「暴力を振るうなんてあり得ない」「生活の面倒を見てもらいながら、不貞を働くのはどういうことか」と妻をなじり、夫に離婚を勧めるだろう。それでも離婚しようとしない夫を「そこまで執着するなんて怖い」と見る人もいるかもしれない。

 しかし、これが男女逆だったらどうだろう。つまり、夫が暴力を振るい稼がずとも妻は生活費を出し、夫が不倫をしようとも妻は離婚しない。すると、なんだか懐の深い女になってしまわないだろうか。これは日本に「支えるオンナ、耐えるオンナは美しい」という価値観がそれだけ深く浸透しているからだろう。

 今、日本で一番「支えるオンナ」として扱われているのは、女優・樹木希林さんではないか。昨年の9月に亡くなった樹木希林さんの名言を集めた『一切なりゆき 樹木希林のことば』(文藝春秋)が売れに売れている。文藝春秋社によると、累計発行部数は100万部となり、平成最後のミリオンセラーとなるようだ。

 20代の頃から老け役をいとわず、第一線で活躍し続けた希林さんだが、気負わず、かといって「老け役なんです」などと自虐することもなく自分を語る希林さんと、恵まれているアピールが反感を買いやすい今の世相がマッチしたのだろうか、「モノを持たない」「求めすぎない」希林さんの生き方に支持が集まっている。成功から生まれる感謝と諦念を同じ量持ち合わせているかのような希林さんの言葉に、私も共感を得る一人だが、希林さんが夫にどれだけ振り回されても、ひたすら無償の愛で支え続けてきたという解釈のされ方には、個人的に腑に落ちないものがある。

 希林さんと、ミュージシャンである夫・内田裕也さんの結婚は、波乱含みだった。結婚してすぐに、内田さんの暴力が始まり、別居。その間、内田さんが女性問題を起こしたり、警察のお世話になったりもしたが、離婚はせずにマスコミに頭を下げ続けた。さらに、内田さんの生活費は希林さんが負担していたという報道もあった。ただ、内田さんがこっそり離婚届を提出したときは、すぐに裁判を起こして、勝訴している。60代になった希林さんが、がんを患い闘病を始めると、1カ月に一度は会い、共にハワイで過ごすような関係に戻ったが、同居することはなかったそうだ。

 晩年、希林さんはバラエティー番組で、はっきり不動産投資の話をするようになる。『ぴったんこカン・カン』(TBS系)では、不動産の出物があると、撮影をほっぽり出しても見に行ってしまったエピソードを暴露されたが、「いつ仕事がなくなるかわからない商売なんだから」と言い返していた。「女性セブン」(小学館)によると、希林さんは都内に8軒もの不動産を所有していたそうだ。物も欲も持つなと話していた希林さんが、不動産を多数所有することは矛盾しているようにも感じるが、内田さんのためと考えると、合点がいくのではないだろうか。

 希林さんが亡くなった後、娘の也哉子さんが荷物の整理をしていたら、結婚1年目に内田さんが希林さんに送ったとみられるラブレターを見つけたそうだ。そこには「祐也(自分)に経済力があれば、もっとトラブルも少なくなるでしょう。俺の夢とギャンブルで高価な代償を払わせていることは、よく自覚しています」とあり、はっきり金欠を認めている。しかし、同時に「メシ、この野郎、てめぇ(という態度を取ることもあるけれど)、でも本当に愛しています」としめくくられているのだ。要約すると、「カネがなくて態度も悪くてごめんね。でも愛してるよ」となるが、希林さんは惚れた弱みで、カネがないなら私が稼ぐとばかりに、仕事や不動産投資に励み、カネを渡したのではないだろうか。

 才能はあるけれど、世渡り下手で損ばかりしている男と、男の才能を信じて耐える妻というのは芸道小説の王道だが、献身妻の与えたものが「カネ」だと考えると、少し話が違ってくるのではないだろうか。親に養ってもらっているうちは、子どもは親に逆らいづらいのと同じように、カネをもらう側は立場が弱く、支配されることと紙一重な部分があるだろう。生活の面倒を見てもらっていたというだけに、内田さんはある程度、希林さんに気を使っていただろうし、実は頼りにしていたのではないだろうか。現在の希林ブームでは、「夫が外で何をしようと文句を言わず、耐えて愛し続けた妻」という扱いになっているが、希林さんを手放すと、生活に困ってしまうのは内田さんで、夫婦の力関係は「希林>内田」という部分があったのではないかと推測する。

 カネと言えば、「女性セブン」によると、希林さんの遺産は内田さんをスキップして、娘の也哉子さんや娘婿である本木雅弘、お孫さんに相続されているという。生前、希林さんは「私が死んでも、夫に遺産は遺さない」と語っていたそうだが、内田さんの経済感覚を信用していなかったこと、また二次相続で也哉子さんが相続税に悩まされないようにするために取った対策らしい。

 けれど、それだけだろうか?

 ここにきて、内田さんの身の回りの世話をし、闘病と最期を看取った女性マネジャーがいることを「女性自身」(光文社)が報じている。あまりの親密ぶりに内縁の妻と見る人もいるようだが、希林さんは仮に愛人でも構わず、感謝しているというスタンスだったそうだ。

 いつも女性に面倒を見てもらえるのは内田さんの魅力のなせる技だろうが、もし希林さんの遺産を相続した内田さんが、この女性と結婚すると言い出したら、相続で揉め事が起きるのは目に見えている。相続税対策として、也哉子さんに直接相続させたのが第一義ではあるものの、「カネはないが、オンナが放ってはおかない」という内田さんの長所と短所を知り尽くしているからこそ、トラブルを避けるためにも、「まとまった形で与えない」という選択をしたのではないだろうか。

 内田さんにあえて遺産を相続させなかったというのは、想像の域を出ないが、希林さんが死ぬまで内田さんを愛したことは事実だろう。人からどう思われようと自分の選んだ人を激しく愛し、そのためにひたすら稼いだようにも思える。菩薩のように内田さんを許す一方で、情が激しく冷静な面もある。希林さんのすごいところは、一筋縄ではいかない愛し方を私たちに見せたことではないかと、私は思っている。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

後藤真希、不倫報道後も「夫は裁判続行」……“オトコのプライド”は死語になるのか?

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<今回の有名人>
「そこ(裁判)をなしにして頑張っていこうとはならなかったのか?」極楽とんぼ・加藤浩次
『スッキリ』(日本テレビ系 3月14日)

 不倫は男性がするもの、というイメージを持たれていた時代もあったが、探偵をしている友人によると、今は「妻の不倫を調べてください」という依頼もかなり増えてきているそうだ。男女で違いがあるのは、女性が依頼をして来たとき、夫が不倫をしていないことは多々ある。しかし、男性が依頼してきたとき、妻はほぼ100%不倫しているそうだ。

 男性の方が、勘のニブい人が多いので、浮気の兆候に気づかないと見ることもできるだろうが、友人は「女性は思い立ったらすぐ行動するけど、男性は『女性に不倫をされたくない』『証拠を見たくない』というオトコのプライドが邪魔して、相談をするのが遅くなるのではないか」と分析していた。

 オトコのプライドという言葉は、意味がわかるようでわからない。しかし、女性はオトコのプライドを傷つけないように行動しろというのは、私が若い頃から現在に至るまで、脈々と受け継がれている。しかし、もう、オトコのプライドという言葉自体がなくなるのかもしれないと、ゴマキの不倫報道を見て思った。

 元モーニング娘・後藤真希。国民的アイドルグループの中心メンバーだったが、3歳年下の建設現場で働く夫と結婚、2児を設けている。最近はママタレ業にシフトしつつあり、料理や子ども、夫とのキス写真などをSNSに投稿し、家族円満を掲げてきた。しかし、実際はA氏(地方在住のハケン社員である元カレ)と不倫をし、これを知った夫が330万円の損害賠償を求めて裁判を起こしていると「週刊文春」(文藝春秋)が報じた。陳述書には、ららぽーと豊洲の映画館で、カップルシートに座って映画を見たことや、アパホテルに宿泊したこと、またセックスの回数についても触れられている。訴えられたA氏は、後藤から夫のモラハラやDVについて聞かされており、婚姻は破綻していたので不倫に当たらないと主張しているそうだ。

 同誌によると、不倫がバレたきっかけは、ドライブレコーダー。錦糸町のラブホテルに移動した際の記録を夫が見つけ、警察の実況見分さながらに後藤を問い詰め、後藤も白状したという。

 「文春」の報道を受け、後藤はブログで謝罪、夫とは離婚せずにやり直す意志を明かした。小さな子どももいることだし、めでたしめでたしと言いたいところだが、『スッキリ』(日本テレビ系)の司会・加藤浩次は、今も裁判が続行中であることに触れ、「夫婦でもう一回頑張って家族を作っていこうとなったんだから、不倫相手に対して訴えたい気持ちは残るのか?」と、その必要性を疑問に感じたようだった。

 同じような意見は、他番組でも出ていた。『バイキング』(フジテレビ系)で、「ご主人のはらわた煮えくりかえる気持ちはわかるけど、彼女とやっていこうと思うなら、ちょっと違うんじゃないかな」「家庭修復しようと思っているんだったら、外部には出しちゃいけないよね」と薬丸裕英が述べていた。

 加藤・薬丸は、離婚しないのであれば、裁判をする必要はないと判断したのだろう。不倫を「なかったこと」にするためにも……という考えがあったのかもしれない。これを、オトナの常識的な判断と見る人や、芸能人である妻を傷つけかねないことはやめた方がいいという判断と見る人もいるだろう。

 が、冒頭で述べた「妻に不倫されることを恐れるがあまり、不倫の証拠を突きつけられるのが怖い」ことをオトコのプライドだと仮定すると、「不倫を世間に明らかにするような行為をすべきではない」といった発言も、「自分は知りたくないし、ましてや世間にも知られたくない」という意味で、オトコのプライドを重視していると考えられるのではないだろうか。

 自分のパートナーに不倫をされてうれしい人はいないだろう。やり直すか離婚かはカップルそれぞれの決断だが、一つのポイントになるのが”収入”である。離婚して一人で生活をしていく自信がないので、収入の高い配偶者を手放したくないという判断をしても、なんら不思議はない。

 加藤も薬丸も妻は専業主婦であり、それぞれ3人、4人の子どもを育てている。これは、夫の収入がそれだけ多く、妻が差し迫って働く必要がないことをほのめかしている。この時代に、妻を専業主婦にできる甲斐性を持つ高収入な男性だ。加藤・薬丸本人がはっきり発言しているわけではなく、私の推測にすぎないが、金銭的な苦労を家族にさせていないという自負のある男性は、自分という存在を失いたくないため「妻は浮気しない」という一種の安心感を持っており、だからこそ一層「不倫された夫」が晒し者にされる今回のようなケースでは、「気の毒だ」「やりすぎだ」とオトコのプライドの面から思っているように、私の目には映るのだ。

 しかし、後藤の夫は、加藤や薬丸とは違う。人気の女性タレントは会社経営者やスポーツ選手など、高収入職の男性と結婚することが多いが、後藤の夫は一般的なサラリーマンなので、収入は後藤の足元にも及ばないのではないか。となると、後藤と離婚することは、子どもたちから母を奪うことになるだけではなく、人気タレントで高収入という自慢の妻をなくすことになる。そう簡単に手放したくないだろう。となると、溜飲を下げるために、不倫相手のA氏をワルモノにして訴えてもおかしくはない。「不倫をしたら、こうなる」と後藤にお灸を据えることにもなる。

 後藤を手放したくないのは、A氏とて一緒だろう。『バイキング』に出演した清原博弁護士によると、「文春」に掲載された陳述書は、「利害関係のある人しか見られない」ため、利害関係にある誰かが週刊誌に売ったと考えることができるだろう。不倫にうるさいこのご時世に、妻の仕事がみすみす減るようなことを後藤の夫がするとは思えないので、となるとA氏が売り込んだ可能性は低くはないだろう。後藤が芸能活動の謹慎に追い込まれたら、自分の元に帰ってくると思っているのかもしれない。

 夫もA氏も後藤が自分から逃げていかないように必死だと考えた場合、今回の騒動はそう理解できないものではない。二人とも後藤を手放さないために必死で、オトコのプライドなんて言っている余裕はないのだ。

 今から30年近く前、松田聖子が全米進出をし、白人男性と不倫をしていると報道された。家庭を持った女性が、夫と子どもをほっぱらかして仕事をするだけでもバッシングされた時代、それに加えて不倫である。聖子もバッシングされたが、確か「文春」の連載だったと思うが、林真理子が「オトコがしたいことは、オンナだってしたいんだ」と書いていた。

 今、本当に「オトコがすることは、オンナもする」時代になっている。仕事をする女性が増え、年収も「男性だから高い」「女性だから低い」という時代から、人それぞれになりつつある。浮気や不倫も、男女ともする人はするし、しない人はしない。

 2017年、Abema TV『極楽とんぼKAKERU TV』で、自身の年収を「億よりちょっと少ないくらい」と述べた加藤。結局、オトコのプライドなんてものを掲げられるのは、高収入男性であり、絶滅寸前種と見ることができるだろう。加藤のように高収入でない男性が掲げるオトコのプライドとは、オンナへの見くびり、もしくは怠慢を言い換えただけのものではないだろうか。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

剛力彩芽、仕事激減で“ジリ貧”の今だからこそ――ZOZO前澤友作氏にねだるべきもの

剛力彩芽、ジリ貧でも女優業に意欲……彼女に伝えたい「ZOZO前澤友作氏の使い方」

 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「30歳までには、代表作と言われるものを作りたい」剛力彩芽
『バイキング』(フジテレビ系、3月11日)

 女優・剛力彩芽がイブ・サンローランのイベントに登場し、株式会社ZOZO代表取締役・前澤友作氏との交際発覚後、初めて報道陣の取材に答えた。

 前澤氏と言えば、総資産3000億円ともいわれる資産家。女優と資産家という組み合わせは王道だが、「剛力はカネに目がくらんだ」と一部から反感を買ってしまう。その炎上に油を注いだのは、二人のSNSだった。剛力は昨年のワールドカップ2018ロシア大会決勝戦をモスクワで観戦し、「凄いところにいる、夢みたい。感謝」とインスタグラムに投稿。前澤氏のプライベートジェット(50億円の代物だと前澤氏がTwitterで説明)でロシアに飛び、飲食代金を含めて一人220万円のチケットを買って観戦したそうだ。

 「凄いところにいる、夢みたい」という投稿は、ワールドカップというお祭りに参加して、高揚していると見ることもできるが、「カネの力で、夢のようなすごいところに行った」と解釈できなくもない。こうした剛力を、『とくダネ!』(フジテレビ系)司会の小倉智昭は「どうして、これを大っぴらにしたいのかな」、明石家さんまは『ヤングタウン土曜日』(MBSラジオ)で、「自家用ジェットに乗ったら、オンナ、落ちるで」とあてこすった。

 それ以来、炎上と言わないまでも、剛力がインスタを更新するたびにネットニュースになった。事務所から叱られたのか、剛力はそれまでの投稿を一旦削除したが、新しい投稿も以前と大して変わりがなく、私は逆に笑ってしまった。反省したふりをして、さらに大衆の興味を引き付け、ツッコませているのだとしたら、それはオオモノの証しである。

 それよりも、私が気になったのは、前澤氏の言動である。元芸能人(Switch Styleというバンドのドラマー)の血が騒ぐのか、前澤氏は大衆に愛されたいという願いが再燃してきたのかもしれない。昨年8月には、Twitter上で「前澤友作を応援したいか?」とアンケートを募り、10月になるとフォロワー100万人を目指しているものの、なかなかフォロワーが増えないことに対し、「みんな助けて」と呼びかけている。今年の正月には、前澤氏をフォローすること、リツイートすることを条件に、前澤氏のポケットマネーから、100万円を100人にプレゼントすると発表した。お年玉ほしさにフォロワーは激増し、一時は600万人に達したが、プレゼント企画が終わるとフォローを外された。しかし、現在でも460万あまりのフォロワーがいるわけなので、昨年の「フォロワー100万人」という目標は軽く達成したことになる。目的は必ず達成する人と見ることもできるが、「経営の手腕は優れていても、おとなげない」と思った人もいるだろう。

 そんな前澤氏は2月、本業であるZOZOが上場以来初の減益となったことで、Twitterの休止を宣言した。一方の剛力は、CMの契約は更新されず、ドラマにも出ていない。パーソナリティーを務める『剛力彩芽 スマイル S2 スマイル』(ニッポン放送)が3月いっぱいで終了するという。前澤氏との恋愛が取りざたされる中の終了は、偶然なのか、それとも意図的に外されたのかは不明だが、剛力の仕事がジリ貧化していることは間違いないだろう。

 そんな状況に危機感を持っているのかもしれない。剛力は『バイキング』(フジテレビ系)で、「英語を勉強したい」「和物が好きなので、お茶やお花を勉強したい」と新しい“剛力像”を探っているとも取れる発言をしていた。「映画はより強くチャレンジしていきたい」「30歳までには、代表作と言われるものを作りたい」という発言からは、女優を引退する意志がないことがわかる。

 しかし剛力よ、キミはすでに前澤友作という代表作を持っているではないか。

 吉永小百合のような昭和の清純派女優にとって、恋愛はご法度である。しかし、今の女優は恋愛が代表作になる時代ではないだろうか。例えば、米倉涼子。ドラマの視聴率が良くない時代に、高視聴率が見込める女優の一人であり、彼女の出世作といえば、松本清張原作の悪女もの『黒革の手帖』(テレビ朝日系)を連想する人は多いだろう。知名度のない女優が、主役を張ることは稀である。それでは、米倉の知名度を上げたものは何かと言えば、恋愛ではないだろうか。米倉はNHK大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』で市川海老蔵(当時、新之助)と共演し、まもなく熱愛が発覚した。

 今でこそ、歌舞伎界きっての大名跡・市川團十郎をまもなく襲名するため、ストイックに芝居と子育てに打ち込む海老蔵だが、当時は「お育ちはいいが、素行の悪いおぼっちゃん」というイメージだった。結婚はしていないものの、女性との間に子どもをもうけ、米倉と交際している最中も、ほかの女性とのうわさが持ち上がっていた。恋愛と結婚は違うというのが、梨園の掟だそうだが、交際が深くなるにつれて、米倉に梨園妻が務まるのかも話題になった。

 毎週のように週刊誌に掲載されることで、米倉の知名度は上がっていく。プレイボーイ海老蔵が長く交際するのは、それだけ米倉が魅力的だということ。海老蔵との恋愛は、米倉にとって最高のプロモーションだったのではないだろうか。米倉は、海老蔵からイメージアップのチャンスを与えられ、それを成し得たと私は見ている。

 剛力と前澤氏の場合はどうだろうか。二人の本意は別として、結果的にSNSの投稿で反感を買ってしまった。二人して本業もかんばしくない。しかし、これは「いいこと」ではないだろうか。剛力と前澤氏を「調子に乗っている」と見る人からすれば、二人の停滞は、「バチがあたった」と思えるので、溜飲が下がるだろう。セレブ自慢をしたら、仕事がなくなったというのは、子どもの頃に読んだ教訓めいた童話のようだ。

 だからこそ、今、剛力は逆にチャンスだと見ることができるのではないだろうか。剛力が映画に興味があるのなら、出るべきだ。前澤氏が映画のスポンサーなら、そのポジションはたやすく手に入るようにも思う。

 しかし、前澤氏はスポンサーになったとしても、その事実を公表してはならない。映画はとんでもなくカネがかかると言われるが、その額をTwitterにも書かず、世間にも公表せず、剛力のために使うのだ。

 結婚を「男の誠意」と解釈することがあるが、相手にカネを使うことも誠意を表す一つの方法である。ニュー剛力を生み出すために、先に仕事をねだれ。その回答にこそ、前澤氏の誠意が含まれているのではないだろうか。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

山崎ケイの「ちょうどいいブス」キャラは、人をトリコにする? 炎上の背景に見えてくるモノ

 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「出会いよ、出会い」相席スタート・山崎ケイ
(三菱地所CM「新しい匂いのする街」シリーズ「丸の内の健康意識篇」)

 芸人がネタ番組以外でテレビに出るには、キャラが要る。このキャラは、その芸人の真の姿である必要はなく、周囲とかぶらず、かつインパクトがあればよい。そういったセオリーに則ったであろうオンナ芸人、相席スタート・山崎ケイの「ちょうどいいブス」は、炎上騒ぎを2回経験している。炎上は珍しくないが、2回となると「ちょうどいいブス」が、誰かの神経を逆なでする、もしくは“トリコにする何か”を持っていると考えていいのではないだろうか。

 「男性はブスが嫌い」と巷間思われているが、一部の男性に“かわいげ”を感じさせるという意味で言うのなら、「ちょうどいいブス」は最強である。美人に失礼なことを言えば、嫌われてしまう。職場で女性に「おまえはブスだ」と言えば、ハラスメントになって問題になりかねない。しかし、女性側が「ちょうどいいブス」を自称するのなら、「ブスと言ってもいい」「下に見てもいい」「かつ、怒らない」という三原則が揃う。上から物を言いたい男性にとって、「ちょうどいいブス」は、ある意味キュートな存在だろう。

 最初の「ちょうどいいブス」炎上は、花王のヘアケア製品「エッセンシャル」のPR動画だった。山崎が同社の製品を使うと、「ちょうどいいブス」から「いいオンナ」になるというものだったが、批判が殺到。同社は謝罪するとともに、動画を削除した。制作側は、「山崎が“ちょうどいいブス”と自称しているのだから、女性蔑視ではない」と思ったのだろうが、たとえ自称であっても、顧客に夢を与える空間で、そのメイン層の女性を侮蔑する言葉を平気で使う見識の低さが炎上の原因なのではないか。

 2回目の炎上は、読売テレビが山崎の著書『ちょうどいいブスのススメ』(主婦の友社)をドラマ化すると発表した時だった。同署はモテ指南本なので、読売テレビ側は「ちょうどいいブスが、美人よりモテるなんて夢があって、ドラマにふさわしい」と考えたのだろう。一方の視聴者側は「男性に査定されて、モテることが幸せという時代ではない」と大炎上。とうとう、ドラマのタイトルが変更されることになった。ドラマの脚本は山崎が書いたものではないし、山崎のように“何としてでも男にモテたい”という価値観はあってもいいと思うが、山崎自身にもバッシングの火の粉が飛んだ。

 そんな山崎、最近は三菱地所のCM「新しい匂いのする街」シリーズ「丸の内の健康意識篇」に、女優・高畑充希と共に出演している。このCM、見ようによって、感想が違ったものになってくるあたりが、面白いと思う。

 「丸の内は健康意識が高い」という高畑のナレーションから始まるCMは、「健康意識」という言葉を、単純に「健康に気を使っていること」と解釈するか、「意識高い女性が気を使いがちなこと」と解釈するかで、見え方が違うのではないだろうか。

 CM内容はこうだ。山崎と高畑がレストランで食事をしているが、山崎は「焼きそばのそば抜き」を注文し、高畑に「それってただの野菜じゃ」と突っ込まれている。食事を終え、山崎は「さぁ、走るわよ」と意気込むが、途中で脚が吊って動けなくなる。そこにイケメンが現れ、おんぶしてもらうことに。高畑が「お知り合いですか?」と尋ねると、山崎は「出会いよ、出会い」と仮病であることをほのめかす。

 このCMを「健康に気を使っていること」という観点から見るのなら、糖質を気にして「焼きそばのそば抜き」を頼むのも理にかなっているし、皇居ランも打倒な選択だろう。食事や健康に気を付けた結果、イケメンとお知り合いになれたというご褒美もついてくるので“いい話”である。

 それでは、「意識高い女性が気を使いがちなこと」と解釈するのなら、どう見えるだろうか。

 『女が女に怒る夜』(日本テレビ系)など、オンナ芸人や駆け出しのタレントが嫌いな女の話をする番組で、必ずといって例に出てくるのが、この「意識高い女」である。例えば、モデルの真似をして、体が冷えないように常温の水を飲んだり、オーガニックの食品しか口にしない女性などを指すそうだが、なぜモデルなら許されて、一般人女性だとイラつかれるのかと言えば、結果の差だろう。「意識高い」という言葉は、「声高に努力を語る割に、結果が追い付いていない人」を小バカにしていると言えるのではないだろうか。

 こうした「意識高い女性が気を使いがちなこと」という観点からみると、山崎が「焼きそばのそば抜き」を注文して高畑に突っ込まれるシーンは、「やる気はあるけれど、抜けがある」エピソードに思えてくる。また、それを伏線だと解釈するなら、おんぶしてくれたイケメンと山崎がうまくいくことは「ない」と想像がつくだろう。このように、三菱地所のCMは、その人の悪意の含有量で、見え方が変わるCMなのである。

 悪意を視聴者に任せるという手法を番組で用いているのが、芸人・有吉弘行ではないだろうか。『有吉弘行のダレトク!?』(フジテレビ系)で、有吉はアシスタントを務めるフリーアナウンサー・高橋真麻に正面切って「ブスだなぁ」と述べるなど、有吉いわく「高橋英樹公認のブスいじり」をしてきた。しかし、そういった発言が炎上のもとになる風潮を察したのか、最近有吉は、外見を下げる言い方はしない。その代わり、有吉は逆に女性を一律褒めだしたのだ。

 例えば、『有吉反省会』(日本テレビ系)で、女性レギュラーやゲストを「反省会の美女軍団を用意しました」と言うのがまさにそれで、「その通り、美女だ」と肯定するか、「どこが美女だよ」と否定するかは、見る人に任される。確かなことは、有吉は言葉で女性をけなしていないので、クレームはつかないということだろう。

 クレームと言えば、不思議なことが一つ。ニュースサイト「週刊女性PRIME」が「女性が選ぶリアル“ちょうどいいブス”芸能人は?」という企画を行ったのだが、これは炎上しなかった。花王と同じく、女性週刊誌も女性を主な顧客としているだろうから、顧客である女性に対して侮蔑的な表現を取るのは禁忌だろう。そして、ブスと査定されることが嫌だ、失礼だと言いながら、「この人がブスだ」とブスチョイスに参加する女性も存在するわけだ。しかし、この記事は燃えない。私はここに、一つの深層心理が隠されているような気がしてならないのだ。

 自分がブスと言われるのは絶対にイヤだけど、人に言ったり、人が言われるのは面白いと感じる女性も、それなりに存在するのではないだろうか。有吉が(直接的な言葉は封印しても)容姿いじりを続けるのも、「ブス」が大衆ウケする不滅のコンテンツだと読んでいるからかもしれない。山崎の「ちょうどいいブス」は、案外長持ちするキャラになりそうな予感がする。

「地元の友達に負けたくない」横澤夏子が憧れる、“キラキラした東京生活”の大いなる盲点

 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「東京を味わえる、一番キラキラした区に住みたい」横澤夏子
『中居くん決めて!』(TBS系、2月25日)

 タレントがテレビで不動産を見せる、探すというのは、結構ナーバスな部分を含んでいる。どんな不動産を持っているか、もしくは借りたいかを話すことで、自分の財布事情がモロバレするからだ。特に賃貸物件の場合、家賃は給料の1/3程度に抑えるべきという“言い伝え”がある。となると、賃貸物件の値段がバレるのは、月収、ひいては年収もバレるということだ。

 格差が広がり、リア充を嫌うこのご時世、テレビで不動産を見せる、探すタレントは限られている。「自宅や別荘の内部を見せるのはタレント・IKKO」「高級物件を狙って探すのは日本のインスタ女王である渡辺直美」といった具合に、キャラの立ったタレントしか思い浮かばない。化粧品ビジネスで一発当てたIKKOと、今や世界的セレブになりつつある直美なら、「視聴者も『高級物件がふさわしい』と納得するだろう」と制作側が思っているのではないだろうか。

 こういう流れの中、『中居くん決めて!』(TBS系)で、久しぶりに上記の2人以外で不動産を探す芸能人を見た。芸人・横澤夏子である。21歳の頃から婚活パーティーに行くなどして婚活に励み、2017年に念願の結婚を果たした。相手は一般人男性で、利便性を考え、現在は都心の駅から近いマンションに住んでいるが、手狭なために引っ越しをしたいという。それなら、いっそ賃貸ではなく、購入した方がいいのかを、番組MC・中居正広に決めてもらいたいそうだ。

 横澤の条件は、港区、中央区、千代田区という「東京を味わえる、一番キラキラした区」。賃貸であれば、「駅から徒歩5分以内、3階以上、家賃14万程度」の物件を探しているという。このエリアに住んだことのある人なら、即「無理だよ」と答えるだろうが、恐らく、わざと無知な設定にしているのではないだろうかと思う。上述した通り、家賃は年収を連想させる。横澤が的確な条件を掲げると、「それぐらい稼いでいますよ」と言っているようなものなので、彼女にとってはマイナスだろう。また、横澤は芸風として“キラキラした女性に憧れるキャラ”で売っているので、実際の収入は別として、テレビ上では「住みたいけど、住めない」ポジションでなければならない。

 番組は格安物件から、億ションまで紹介するが、横澤が気に入ってかつ経済的に手の届く範囲の物件はなかった。同番組のゲストであるサンドウィッチマン・伊達みきおや富澤たけしは、「賃貸で様子を見て、家族が増えたら購入を考えれば」と勧めたが、中居は「賃貸にお金を払うのがストレスになっているのであれば、物件に出会ったら、即購入する」ことを勧めた。

 横澤は、この番組に出演することで、キラキラに憧れるキャラを演じることができた。オリンピック後に地価や物件の値段は下がるかもしれないということは、前から言われており、今後、横澤のように家を探す新婚さんは増えるかもしれない。となると、横澤に今後、物件探しの仕事が来ることも考えられるので、この出演はビジネスとしてプラスだろう。しかし、もし横澤が、港区、千代田区、中央区を「東京を味わえる、一番キラキラした区」だと思って、キャラやビジネスではなく本気で定住したいと考えているのだとするのなら、結構しんどいのではないだろうか。

 横澤は『文藝芸人』(文藝春秋、17年)で、自らの原動力について「地元(新潟県糸魚川)のOLの友達に負けたくない」と書いていた。もちろん、芸人だから、あえて露悪的に書いている部分はあるだろうが、見ず知らずのインスタグラムの女性の投稿をあれこれ言う芸風から考えると、他人の視線が気になるタイプ、もっと言うと自分が一番だと言われたい性質であると見ることもできるだろう。

 「地元のみんな、見て。私は東京のキラキラした区に家を買ったの!」とアピールしたい気持ちもあるのかもしれないが、横澤の地元の人は、地元の価値観で生きているので、「芸能人として一発当てて、東京のおしゃれエリアに家を買う」ことがうらやましいと思ってくれるとは限らないのだ。実際、横澤は「文藝芸人」で「うちの地元じゃ、墓守をする人=家を継ぐ人が一番偉いという考えなのです。だから、給料がいいことなんて、まったく自慢にならなかったのです」と明かし、そのことを知って、「泣きながら家に帰った」とも書いていた。横澤の故郷だけではなく、日本の至るところに、市役所など安定したところに就職して、二世帯住宅を建て、親に孫の顔を見せることが幸せだと信じる人はいる。高年収の企業に就職して、独身で海外赴任してしまうよりも、低収入でも、親と暮らす、子だくさんの元ヤンの方が褒められる世界は、確かに存在するのだ。

 また、上沼恵美子が『怪傑えみちゃんねる』(関西テレビ)で、かつて歌手デビューした時、セールスが一番悪いのが地元・淡路島だったと話していた。「同じ地元民なのに……」という理由で妬みが生まれ、応援する気持ちになれないということらしい。その代わり、ブレークすると「私が育てた」「えみちゃんとは親しかった」と言いだすとも付け加えていた。横澤が思ったほど、地元でちやほやされないのは、こういう人間心理も働いているのかもしれない。

 しかし、本当の問題は、横澤がキラキラした区に定住してしまった場合である。横澤の価値観で言うのなら、キラキラした区に住むのは、勝者の証しだろう。ただし、そういうキラキラした区には、保守的もしくは排他的な人も多数いるので、そこに入れば、横澤は単なる新参者であり、代々そこに住む人と比べると“下”なのである。芸人として売れる、つまり勝者になった結果、一番下に行ってコンプレックスを刺激されるという矛盾を味わう可能性もあるわけだ。

 横澤の言うキラキラ願望が、どれほど本気のものかわからないが、地元の人に尊敬されたいなら、両親にお城のような豪邸をプレゼントし、孫の顔を見せるのが効果的だろう。横澤の今の活躍ぶりなら、故郷に豪邸くらいたやすいはず。「横澤御殿」と呼ばれる豪邸が立った時が、かつての同級生への勝利宣言になるかもしれない。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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英国王室・メーガン妃、悲痛な“父親への手紙”に考える、「娘の足を引っ張る親」の胸中

 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「私はあなたのことを愛し、守り、擁護し、できるだけの経済援助もしてきた」メーガン妃
(「Daily mail UK」2月9日)

 小室圭氏の母親が抱える元婚約者との金銭トラブル。先月、代理人を通じて、小室氏は見解を発表したが、法的に不備はなくても、印象としては「絶対返しません」という小室母子の金銭への執着すら感じるものだった。そして、新たな問題も浮上している。「女性自身」(光文社)で、清原博弁護士が「元婚約者から受け取った金銭が借金ではなく、贈与ならば贈与税の対象となる」と指摘したのだ。また、小室氏の母と元婚約者が、内縁関係であれば贈与税はかからないが、その代わり、これまで受け取ってきた遺族年金は受け取れなくなり、現在からさかのぼって5年分の不正受給分を返金しなければならないとも付け加えた。

 なぜ小室氏はアルバイトの身でプロポーズしたのか、母親の元婚約者との金銭トラブルはどうなっているのか、アルバイトの青年のために誰が何の目的で高額な米留学費用を出したのか……小室氏にまつわる謎は常にカネの問題だが、「女性自身」によると、眞子さまは小室氏との結婚をあきらめていないそうだ。この後に及んで、そこまで結婚したいと思われるのなら、眞子さまが皇室を捨てる覚悟と引き換えに結婚することを、秋篠宮さまも認めたらどうだろうか。尋常でない苦労が待っていることは間違いないが、それもまたプリンセスの人生である。

 海外にも、“捨てられない”プリンセスがいる。メーガン妃である。離婚歴のある外国人女性が、イギリス王室に嫁ぐということで世界的な注目を浴びたが、恥も外聞もなくメーガンの足を引っ張ろうとする家族の存在が話題を集めている。

 メーガン妃の母親は、離婚と再婚を経験しているため、異母兄妹が存在する。姉のサマンサ・クールは『The Diary of Prinsecc Pushy’s Sister』(でしゃばりなプリンセスを妹に持つ姉の日記)という書籍を発表、異母兄のトーマス・マークル・ジュニアは「結婚をとりやめるべき」とヘンリー王子に手紙を送り、メーガン妃の父親はパパラッチと組んで、イギリスの旅行ガイドを見たり、式服をあつらえている自身の姿を写真を撮らせている。パパラッチが出版社に写真を売り込んで報酬を得ることを考えると、父親にも分け前が与えられたと考えるのが自然だろう。

 結婚後も、「うちの娘ったら連絡もくれない、冷たいでしょ」などとワイドショーやマスコミに連呼する父親に対し、現在妊娠中のメーガン妃の健康を気遣った親友たちは、匿名を条件にアメリカの雑誌「ピープル」に、メーガン妃が父親に手紙を送っていたと告白。それを受けて、父親がその手紙を公開した

 意訳すると、メーガン妃は父親の行為に心がずたずたになったこと、誰かに操られているかのような行動が理解できないとした上で、父が話す金銭に関するウソにも触れている。

 「You’ve said I never helped you financially and you’ve never asked me for help which is also untrue, (お父さんは、私にお金やその他の助けを求めたことがないと言っていたけど、それもウソ)「I have only ever loved, protected, and defended you, offering whatever financial support I could(私はあなたのことを愛し、守り、擁護し、できるだけの経済援助もしてきた)」と書いている。メーガン妃はきっと、ずっとお父さんに対し、愛情と誠意を持って接してきたのに、お父さんあなたはどうして……と思っているのだろうが、この2箇所を読んで、私は腑に落ちた気がした。父親は、これまでカネを送ってきたメーガン妃を手放したくない、だから足を引っ張るような真似をしてでも気を引きたいのだろう。ましてや嫁ぎ先は王室である。うまくいけば、メーガン妃からもらうより、多額のカネをひっぱれると思っているのではないか。

 親が子どもからカネを引っ張るということが信じられない人もいるだろうが、実はそう珍しいことではない。例えば、山口百恵さんの『蒼い時』(集英社文庫)によると、父親は別に家庭があり、百恵さんを認知したものの、家庭には1円の生活費も入れなかった。しかし、百恵さんがスターになると豹変、親権を要求してくる。もちろん、一緒に暮らしたいという気持ちからではなく、カネのためである。週刊誌に“出生の秘密”として自分との関係を売り込み、百恵さんに内緒でプロダクションに借金をし、ほかのプロダクションからは移籍料と称してカネを受け取っていた。自分が入院したときは、マスコミを呼びつけて、娘に会わせてもらえないとかわいそうな父親を演じて見せた。結局、百恵さんが手切れ金を渡すことで関係を切ったそうだ。百恵さんに限らず、親にたかられる芸能人は多いが、一度大金を手にしてしまうと、たとえ自分の子どもであっても味をしめてしまう部分があるのだろう。

 メーガン妃に話を戻そう。恐らく、話せばわかってくれるはずとメーガン妃は思って手紙を書いたのだろうが、こういう人には言っても無駄である。関わりを持ったことをまたマスコミに話し、取材費としていくらもらおうかぐらいしか考えていないと言ったら、言い過ぎだろうか。

 メーガン妃は現在、懐妊中。彼女の家族は、ヘンリー王子と、生まれてくるロイヤルベビー、それとエリザベス女王たちであり、実家の家族は忘れた方がよい。メーガン妃が心安らかに出産されることをお祈りする。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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デヴィ夫人は、なぜ性犯罪を軽くとらえるのか? 貧困から脱却した彼女の「性」の価値観

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<今回の有名人>
「(警察は)彼を絶対逮捕するという強い意志のもとに、動いていた」デヴィ夫人
(講談社刊『選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論』出版記念会見、2月6日)

 例えば、スーパーで万引きをした人が万引きGメンに捕まり、店が警察に通報したとしたら「それは当然だ、万引きをした人が悪い」と言われるだろう。しかし、なぜか同じ犯罪でも、加害者が断罪されず、なぜか被害者が責められるのが性犯罪なのである。性犯罪へのコメントは、その人の性(女性という性別、セックスという意味の性)のとらえ方が如実に反映されるものなのかもしれない。

 性犯罪に関するコメントで、独特なスタンスを取っているのが、日本人にしてインドネシア建国の父、スカルノ大統領と結婚したデヴィ夫人ではないだろうか。2018年に元TOKIOのメンバー・山口達也が女子高生に対する強制わいせつ事件で書類送検された際、夫人はブログで「KISSされたら、トイレに行ってちょっとうがいして『ちょっと失礼』と言って二人で帰ってくればよかったのでは?」と、女子高生への批判とも解釈できる文章をつづっている(のちに削除)。

 今月に入って、俳優・新井浩文が派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴した容疑で逮捕された事件では、新井の出演作品がお蔵入りする可能性が高いことから「たくさんの方に迷惑をかけるなら、1000~2000万でも差し上げて円満解決すればよかったのに」とコメントした。また、自著『選ばれる女になりなさい デヴィ夫人の婚活論』(講談社)の出版記念会見では、「(警察は)彼を絶対逮捕するという強い意志のもとに、動いていた」と述べているが、逮捕は法律に基づいてなされるものであり、警察の意志のもとでなされるとしたら、由々しきことである。夫人は「性犯罪は大したことではない」「性犯罪は、カネで解決できる」「性犯罪くらいで逮捕するなんて、警察もひどい」といった具合に、女性に対する性犯罪そのものを軽くとらえているのではないだろうか。

 性というものに対する考え方に、その人の人生が関係していることは、疑う余地はないだろう。若い世代にとって、夫人は美貌の元大統領夫人であり、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の出演者でおなじみだろうが、彼女の人生は壮絶である。『デヴィ・スカルノ自伝』(文藝春秋)によると、昭和15年生まれの夫人は、子どもの頃から器量よしで知られていたものの、家庭は格別に貧しかった。小学校入学の際、母親が手持ちの服をほどいて、セーラー服を作ってくれたが、学校に行くと、クラスメイトは新品のおしゃれな服を着ており、「世の中には金持ちの子がいる。そして私は貧乏だ! 私は生涯忘れることのできないほど衝撃を受けた」と書いている。

 夫人は貧乏から抜け出すために、中学卒業後は就職して会社員となり、芸能プロダクションに所属して女優を目指すが、スターになるのは難しく、会社員としての将来も開けていないことに気づく。さらに喫茶店でバイトをすれば給料をピンハネされるなど、自分が弱い立場の人間であることを思い知らされた夫人は、水商売の世界に足を踏み入れる。赤坂のナイトクラブでは、2時間座っていれば、会社員の給料と同額がもらえるとわかり、ためらうことなく会社を辞めて、仕事をホステス業に絞ることを決心。昭和30年代に月給百万をもらっていたというから、夫人の売れっ子ぶりがわかるはずだ。

 夫人はナイトクラブで知り合った、ケタ外れの財力を持つ外国人男性に生活の面倒を見てもらい、湯水のように金を注いでもらうようになる。相手はだいぶ年上の既婚者で、夫人の望みは何でもかなえてくれたが、その一方で「寝室では忠実な生徒であることを命じた」そうである。これを、相手からカネをもらう代わりに、相手好みのセックスをするという契約だととらえるのなら、夫人にとっての性とは、カネを生むものである。

 また、夫人は同書で39歳年上のスカルノとの性生活について「20代の新婚の夫でも、あの頃の彼ほど妻に愛を尽くすということができるだろうか」と頻度の高さと濃密さについて触れている。本来ならプライバシーの類に入ることについて触れているのは、スカルノが異常性欲者と日本で報じられたことの不名誉を晴らしたかったから、加えて、スカルノの周囲に多数いる女性に差をつけたかったからではないだろうか。夫人はイスラム教徒であったスカルノの第三夫人であり、第二夫人から執拗ないじめを受けていたそうである。さらに、スカルノは艶福家で、夫人と結婚する前には日本人女性をインドネシアに囲っており(後に女性は自殺)、結婚後も日本の芸者と関係を持ち、さらにこっそりインドネシア人女性を妻に迎えている。ショックを受けた夫人は修道女になろうと修道院に家出をしたり、自殺未遂を図ったりと女性問題には泣かされている。ライバルがたくさんいる中で、夫人が自分の地位を保つためには、スカルノの寵愛が頼りである。愛情という目に見えないものを測るのに、夫人はセックスをバロメーターにしたのではないだろうか、愛されているから、魅力があるからセックスを求められると考えるようになったのかもしれない。

 女性という性、もしくはセックスが、とてつもないカネを生み出し、魅力の証拠だと夫人が考えているとしたら、同意なくキスやセックスをしかけられることの不快感を理解できないのかもしれないし、夫人が性犯罪を「それぐらいで」と考えるのも理屈が通る。価値観に正答はないので、どんな考えも全てアリなわけだが、ここで夫人の言葉がよみがえる。

 夫人は外国人専門のナイトクラブで働くことにした理由として、給料の良さに加え、「日本では、家庭、教育、過去、環境が整わねば女一人の人格なんて誰も認めてくれないのに、外国人は明らかに私の中に独立した人格を認めていた」としている。つまり夫人は日本において、「世間の人たちから平等な人間と認められない」という経験をしたのだ。山口の強制わいせつ事件も、新井の強制性交容疑も、被害者は一般人で、芸能人と比べると発言力も弱く、男性と比べて立場も腕力も弱い。いわば「人格を認めてもらえていない」女性たちといえるだろう。女性たちがかつての自分と同じように、社会の理不尽に耐えることを強いられていると感じても、夫人は「性犯罪くらいで」というスタンスのコメントができるのか。貧困から自力で抜け出した経験者としての、夫人の意見が聞きたいと思うのは、私だけではないはずだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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嵐、活動休止発表までの時系列から紐解く……伊藤綾子の「ミセス二宮」計画の巧妙な策

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<今回の有名人>
「2017年6月中旬頃に、メンバー4人に集まってもらって」嵐・大野智
(嵐活動休止記者会見、1月27日)

 平成末に、国民的アイドルグループの活動休止発表を目の当たりにすることになろうとは。嵐が2020年12月31日をもって活動を休止することが発表された。

 「この世界を離れて、一度離れてみて、今まで見たことのない景色を見てみたい」という大野の気持ちを、ほかのメンバーが受け入れての活動休止。記者会見中、「解散ではない」と強調し、21年以降は、大野を除いた4人がソロ活動をしていくことを発表した。活動休止を考えた時期について、大野は「だいたい3年前から(そういう気持ち)」「2017年6月中旬頃に、メンバー4人に集まってもらって」「(そこで)嵐としての活動を一旦終えたい、自由な生活が一回してみたいと(話した)」と説明していた。

 元フリーアナウンサー・伊藤綾子(以下、アヤコ)と二宮和也の交際が「女性セブン」(小学館)に出たのが16年の夏。この頃のアヤコの会員制ブログを見ると、二宮との交際を匂わせる投稿が頻繁に登場し、二宮ファンの逆鱗に触れた。匂わせは、見つかってしまっては意味がない。たいていの場合、検挙されたら匂わせをやめて、おとなしくなる。しかし、アヤコは18年に至っても、匂わせをやめることはなかった。ジャニーズ事務所所属タレントの彼女や妻は、芸能人であっても、交際や結婚生活を誇示することはない。その逆を行くアヤコの行動はまったくの常識外で、ゆえに「アヤコ事変」と私は名付けている。

 10代20代であれば、彼氏が国民的アイドルであるという事実がうれしくて、つい匂わせをしてしまうかもしれない。しかし、アヤコは分別のつくオトナで、自分もテレビに出る側である。ファンを怒らせれば、事務所が怒る。二宮も追い込まれて、二人の関係が悪化する可能性は大だろう。自分の仕事にも、悪影響が出ていいことはないはずだ。それなのに、どうしてこんな子どもじみたことをするのか。結婚への焦りからか。そう思っていたが、大野が17年6月中旬、初めてメンバーに、「嵐としての活動を一旦終えたい」という申し出があったと考えると、ある仮説が浮かんだのだ。

 17年6月中旬の大野の申し出により、グループ存続が100%でなくなった時点で、アヤコと二宮は結婚の意志を固めたのではないだろうか。

 16年のアヤコブログでの匂わせは、有料会員制サイトに掲載された、ある意味クローズドだったので、こっそりと優越感に浸りたいがためのものだったのかもしれない。しかし、17年6月中旬、よくも悪くも、二宮が嵐から自由になる可能性が出てきたのだ。稼ぎ頭であるタレントの結婚を事務所がおいそれと認めるわけがなく、人気があればあるほどタレントたちの結婚は遅くなるものだが、グループを離れて一人になるとなれば、それは千載一遇の結婚のタイミングだろう。そう考えた場合、世論を納得させるための既成事実の積み重ねとして、匂わせはある意味、有効な手段である。その場合、二宮も匂わせに肯定的であると見ることができる。

 記者会見で、大野は活動休止について、18年2月に事務所に報告、18年6月に結論を出したと述べていたが、二宮とアヤコは18年4月に「女性セブン」にドライブデート、8月に「週刊文春」(文藝春秋)でモルディブへの旅行を報じられている。「女性セブン」に掲載されたときは、活動休止の話し合いの最終局面であろうことが想像でき、また「週刊文春」に撮られたときはすでに活動休止が決まっていたことから考えると、「撮られた」のではなく「撮らせた」のであり、二人の中で結婚は決まっていて、ゆっくりと段取りを踏んでいたのではないか。

 18年3月いっぱいで「メディアに関わる仕事から、一旦離れたい」と芸能活動から退いたアヤコ。大野の「嵐としての活動を一旦終えたい」発言がなければ、「匂わせをしたことでファンを怒らせ、仕事まで失った」と見ることができるだろう。しかし、18年2月に嵐が事務所に活動休止の件を報告したという時系列から考えると、アヤコは「仕事を失った」のではなく、「結婚のために満を持してやめた」のではないだろうか。

 「一旦離れる」ということは、戻ってくる意志があると見ることもできるはず。「もう一度戻る」といえば、マッカーサー元帥の「I shall return(私は戻ってくる)」が思い出される。日本人には連合国軍総司令官として馴染みのあるマッカーサーだが、フィリピン駐在の極東軍司令官であり、日本軍と戦ったことがある。1942年、アメリカ軍が劣勢となり、司令官であるマッカーサーが捕虜になることを恐れたアメリカ本国は、彼に撤退命令を出す。大統領命令なので仕方のないことではあっても、部下を見捨て、自分だけ家族と共にオーストラリアに逃げることになった屈辱から、「I shall return」と発言したとされている。その後、部隊を立て直したアメリカ軍は再びフィリピンに上陸。マッカーサーは自身の発言通り、もう一度戻ってきたのだった。

 子供じみていそうに見えて、その実、巧妙に練られた作戦にも見えてきた「アヤコ事変」。メディアから「一旦離れたい」といったアヤコが、再び「ミセス二宮」としてメディアに登場するとき、私たちは彼女を「アヤコ元帥」と呼ぶべきなのかもしれない。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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小室圭氏は、皇室の“暗黙の了解”を理解していない……金銭トラブル「解決済み」の文書に思うこと

 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「どうか温かく見守っていただけますと、幸いでございます」小室圭氏
(1月22日、公表文書より)

 皇族とご結婚される人物のご実家は、頻度こそ少ないものの、カネをめぐって話題になることがある。

 例えば、雅子さまが浩宮さまとご婚約中、ご実家の小和田家が、ある宝飾メーカーからお祝いとして1000万円相当の真珠をもらったと「週刊文春」(文藝春秋)に報じられたことがある。宮内庁から注意を受け、小和田家は返納したそうだが、この行為のどこがマズいのか、おわかりになるだろうか。

 特定のメーカーから献上された品を受け取ると、実際に使っていなくても「雅子さまはうちの商品をご愛用」とビジネスの宣伝に利用され、癒着しているとみなされる可能性があるからだ。渡辺みどり著『美智子皇后の「いのちの旅」』(文春文庫)によると、美智子さまのご成婚の際は、全国から膨大なお祝いの品が届いたが、ご実家・正田家は、幼稚園児からのお祝いの手紙や絵以外は、全て手紙を添えて返していたという。潔癖なくらいクリーンにしていないと、余計な誤解を生むと判断されたからではないだろうか。

 紀子さまのご実家である川嶋家も、同じく「文春」で、その“あり方”に疑問を呈されたことがある。皇室への嫁入りは莫大な費用を必要とする。日清製粉社長令嬢の美智子さまですら、ご両親は山を売って支度をされたそうだが、「3LDKのプリンセス」と呼ばれた紀子さまの負担を減らすため、費用は天皇家が持つこととなった。しかし、川嶋家は手袋といったさして高価ではないものの請求書まで回してきた(実家が負担しようとしない)そうで、美智子さまはため息をつかれたという内容だった。

 皇族方の生活費である内廷費/皇族費は、元をただせば税金である。だからこそ、皇室及びそこにつながる家は、カネに関してクリーンでクリアでなければならないことを、報道は示しているだろう。こういう明文化されない“暗黙の了解”を苦手とするのが、小室圭氏ではないだろうか。

 アルバイトの身で、眞子内親王へのプロポーズ。そして、母親の元婚約者との金銭トラブルと、国民が小室氏に向ける視線はだんだんと厳しくなっている。

 昨年11月、秋篠宮さまがお誕生日会見で「今いろんなところで話題になっていること、これについてはきちんと整理して、問題をクリアにすること」「そういう状況にならなければ、私たちは、いわゆる婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」とお話しになった。

 恐らく、秋篠宮さまのおっしゃる「話題になっていること」とは、母親の元婚約者との金銭トラブルだろう。2017年に「週刊女性」(主婦と生活社)が報じたところによると、小室氏の母親の婚約者(当時)は、大学の授業料やアナウンススクールの学費、生活費など、計400万円を援助していたものの、だんだんと自分は単なる財布ではないかと疑問を持ち始めたという。婚約を解消した後に、この400万円を返してほしいと訴えると、当初は「月1万ずつしか返せない」と言っていたが、のちに「お金は贈与されたもので、返す理由はない」と主張してきたそうだ。

 法律的に言うのなら、借用書がないので、元婚約者が400万円を取り返すのは難しいそうだ。結果的に、元婚約者があきらめるしかないのだろうが、それにしても不思議なのは小室親子なのである。

 小室氏の母親は、いくら法的に問題がないからといって、こうやってマスコミに騒がれていたら、最愛の息子の結婚を妨害することになると、なぜ思わないのだろうか? 小室氏も不思議である。母親の問題がもとで、プリンセスに迷惑をかけていると思うのなら、専門家を入れて納得してもらう方法を探そすだろう。多くの国民が疑問に思っているのは、借金というより、小室親子の態度のように思うのだ。

 秋篠宮さまの発言を受けてなのか、小室氏は1月22日に代理人を通じて、見解を発表した。内容をまとめると

・金銭的な援助を受けたのは事実
・婚約を解消した時に、支援を精算したいと申し出たら「返してもらうつもりはなかった」と言われた
・1年後に急にまた返してくれと言い出したけれど、解決済みと思っている

といった具合。

 しかし、元婚約者は「朝日新聞」の取材に対し、「トラブルは解決していない」と反論、両者の主張は平行線となっている。小室氏の文面から伝わってくるのは、清々しいまでの“カネを払う気の無さ”である。「どうか温かく見守っていただけますと、幸いでございます」と文書を締めくくっているが、これで「納得した、応援しよう!」という気持ちになれる人がいるのか、私には疑問だ。

 プリンセスは、いまだに結婚に前向きと言われているが、無理もないだろう。というのも、プリンセスが一番理解できないものが、カネというか、金銭トラブルなのだろうから。

 『美智子皇后の「いのちの旅」』によると、天皇家は質素な生活をされており、浩宮さまの学習院初等科時代の制服は、天皇陛下のお下がりだったそうだ。しかし、カネがあるのに質素であることと、本当にカネがない状態では雲泥の差である。物は試しで、プリンセスは年収300万円の家庭に1週間ホームステイされたらいかがだろう。恐らく、プリンセスにとっては想像を絶する世界で、なぜ周囲が反対するか、すぐに理解されるのではないか。

 しかし、小室家のカネを払いたくない体質というのは、一種の光明である。カネを払いたくないというのは、カネを重要視するということであるから、交渉の際にカネを与えることで要求を通すこともできるからだ。

 国民からの祝福が得られず、正式な婚約もできないまま時を過ごすのは時間の無駄だし、何より、国民のプリンセスに対する敬愛の念が薄れてしまうのではないか。カネで解決できることは、実はたいした問題ではないと言うこともできるだろう。秋篠宮さまのご英断を待つのは、私だけではないはずだ。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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