テレ朝・弘中綾香アナの「あざとさは処世術」論に疑問! “女子アナではない会社員”が信じると「痛い目に遭う」と思うワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「私的には好感度の高い人=あざとい人というイメージ」テレビ朝日アナウンサー・弘中綾香
(ウェブサイト「VoCE」7月25日)

 最近テレビで「あざとい」という言葉をよく聞く。「あざとい」の本来の意味は、小狡いとか、やり方があくどいというように、決して褒め言葉ではない。しかし、フリーアナウンサー・田中みな実とテレビ朝日・弘中綾香アナは『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)において、あざとい言動で男性を虜にする女性について話し合いながら、「あざといことは悪いことではない」という“ニュー・あざとい論”を展開している。7月25日に放送した同番組において、田中と弘中アナは、可愛い子ぶった振り付けをふんだんに盛り込んだ“最強にあざといダンス”を披露していた。

 また、弘中アナは7月25日付のウェブサイト「VOCE」のインタビューで、「あざとさって、決してネガティブなことじゃないと思うんです。その場の雰囲気を和らげたり、そこにいる人の気分を良くしてあげられるテクニック」「最もしっくりくる表現は“処世術”かな」「私的には好感度の高い人=あざとい人というイメージ」などと答えていた。ということは、弘中アナは周囲のために気を使って、またはうまくこの世を渡っていくために、あざとく振る舞っているのかもしれない。

 売れている芸能人やアナウンサーがメディアで言っていることは「本当のこと」に聞こえるかもしれない。特に局アナは、今や芸能人と同等の存在ながら、イチ会社員としての一面も持つので、弘中アナに親近感を抱き、その処世術を真似しようとする一般の会社員もいるだろうが、果たしてうまくいくのかと思ってしまうのだ。

 芸能人のように「オファーがないと成立しない」「時代の変化に適応しなくてはならない」「勝てば官軍」というハイリスク・ハイリターンの職業の人、また局アナのように芸能人に準ずる職業の人と、基本的に社則に基づいて行動し、対価を得る一般の会社員は“違うルール”で生きており、ゆえに会社員の女性がヘタに彼女たちを真似すると、痛い目に遭うのではないかという気すらしてくる。

■弘中アナがあざとくても嫌われないワケ

 弘中アナが、確固たる信念を持って「あざとさ」を処世術としているならそれでよいけれど、そもそも、彼女が「あざとさ」で評価されているのかというと疑問である。弘中アナと言えば、『激レアさんを連れてきた。』(同)で、顔に似合わぬ毒舌でブレーク。「夢は革命家」と語り、テレ朝の社員でありながら、局の垣根を越えて『オールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)のメインパーソナリティーを務めたこともあるなど、局がどれほど彼女に期待をかけていたかは明らかだ。その期待に応えるように、弘中アナはオリコン主催の「好きな女性アナウンサーランキング」で、テレ朝アナとして初の首位の座を獲得した。今月末から始まるジャニーズJr.の6人組ユニット「美 少年」の初主演ドラマ『真夏の少年~19452020』(同)で、弘中アナは“女優デビュー”することも明らかにされた。

 そんな弘中アナの入社に関しては、面白いエピソードがある。弘中アナを見いだしたのは、『アメトーーク!!』などを手掛けたテレ朝の名物プロデューサー・加地倫三氏だが、入社試験の際、「(弘中アナは)アナウンサースキルはひどかったけれど、フリートークが抜群に面白かった」と光るものを感じて採用したそうだ。

 人事部の期待に沿えない人材も多い中で、弘中アナが「好きな女性アナウンサー」でテレ朝初の1位を獲得したことは、本人の実力はもちろん、「生みの親」である加地氏の慧眼を裏付けることになるから、加地氏にとっても喜ばしいことだろう。「日刊スポーツ」は今年5月、その加地プロデューサーが昇進して役員待遇となったと報じている。つまり弘中アナはテレ朝始まって以来の偉業を成し遂げただけでなく、役員の後ろ盾も持っているわけだから、サラリーマンとしては“無双”なわけだ。

 結果を出す人に優しく、出さない人に冷たいのは世の常だけに、弘中アナは、何をやっても特に社内では好意的に解釈してもらえるだろう。そう考えると、「好感度が高い人が、あざとい」のではなく、「仕事ができる人のすることは好意的に解釈されるので、あざといことをしても嫌われない」というのが真理ではなかろうか。

 しかし、一般の会社員女性が、誰もが納得する目覚ましい結果を出さず(会社員の業績は可視化できないものも多い)、偉い人の“お墨付き”もなく、弘中の行う表面的な「あざとさ」だけを真似しても、好意的に解釈されない可能性は高い。どんなに忠実に「あざとさ」を演じても、好意的に解釈する人ばかりではないだろうから、嫌われても動じないメンタルの強さも必要になるし、「あざとさ」を演じるには、ルックスなどの生まれつきの要素や、年齢も無関係とは言えない。会社員の女性が「テレビでやってるから。女子アナが言ってるから」と信じて、オフィスで「あざとい女」を演じた結果、浮いてしまった日には目も当てられないだろう。

■弘中アナは「あざとさ」よりアナウンサー技術を磨くべき?

 弘中アナに話を戻そう。向かうところ敵なしの弘中アナだが、死角がないわけでもない。『オールナイトニッポン0』では、他人から「オンナのくせに」「アナウンサーなのに」と勝手にくくられることに対して不満を言っていた弘中アナ。だからこそ、まずは「あざとさ」を処世術にするより、アナウンサーとしての足場を固めたらどうだろう。弘中アナは原稿読みが決してうまいとは言えず、声も高くて聞きづらいという評価も多い。このまま、いろいろな仕事に手を出しながら年を重ねたら、アナウンサーとしての実力は、ほかの女性アナウンサーと差がつく一方だろうし、ただの器用貧乏で終わってしまう可能性だってある。

 そもそも本当に「あざとい人」というのは、周囲に「あざとい」と気づかせず、いつのまにか頂点に立っている人のことを指すのではないかと思う。私から見れば、弘中アナは「接客業並みの気づかいをする人」もしくは「頑張り屋さん」である。彼女はそれも「お仕事」という一面があるのかもしれないが、一般の会社員女性はそうではないはずだ。どうか、弘中アナに影響されて、自分の“本分”を見誤らないほしいと思わずにいられない。

EXIT・兼近大樹、「甘え上手」という天性の才能――私が「吉本のマッチ」と呼びたいワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「オレを可愛がらないのは、おかしいんですよ」EXIT・兼近大樹
『ダウンタウンDX』(日本テレビ系、7月16日)

 「目上の人に失礼な真似をしてはならない」と教えられた人は多いだろう。会社員の場合、自分の査定をつける人の不興を買うような真似をしても、何のトクにもならないからだ。

 しかし、芸能界の場合、「失礼な真似」をしたとしても、それを上回る「甘えの才能」に恵まれているのなら、それはプラスになるのではないだろうか。

 例えば、マッチこと近藤真彦。彼が昭和の芸能界の至宝、美空ひばりさんに狼藉を働いたことがあることをご存じだろうか? マッチは『あさイチ』(NHK)でこんなエピソードを披露していたことがある。15歳のマッチは、NHKの『ばらえてぃテレビファソラシド』に出演していたが、音合わせの際も手を抜かず、本番さながらに歌うひばりさんに対し、「あのおばさん、歌うまいね」と周囲のスタッフに漏らした。単なる日常会話のつもりだったが、その場が静かだったために、マッチの発言はひばりさん本人に聞こえてしまったそうだ。マッチはその後、楽屋まで謝りに行くが、ひばりさんは「率直に15歳の少年が聞いてうまいと言ってくれたことがうれしかった」と語り、その後マッチを可愛がってくれるようになったという。

 デビューしたばかりのアイドルにとって、芸能界を代表する大御所は、たとえ同じ番組に出演したとしても、おいそれと口を利ける存在ではないだろう。しかし、「失礼な真似」をして謝罪することで、距離はおのずと近くなる。許してもらえるかどうかは、大御所の判断にかかっているが、一般的に言うのなら、いいオトナが子ども相手に真剣に罰すると「おとなげない」と言われるので、許すことが多い。

 しかし、ひばりさんがマッチをただ許すだけではなく、可愛がってくれるようになったのはなぜか。2019年7月に所属事務所の社長(当時)であるジャニー喜多川氏が亡くなった時に、彼は「長男でいながら、何度も泣いちゃいました」というコメントを出していた。分別のある長男的存在であるマッチが、人目を気にせずに涙を流すことで、ジャニー氏への強い愛と別れのつらさを表現しているように私には感じられ、マッチって相当な「甘え上手」だと思った。マッチのように、謝罪する側が「甘える才能」に長けている場合、最初の悪印象を覆して「面白い子ね」と可愛がってもらえるのではないだろうか。

 お笑いの世界で、「失礼な真似」と「甘え上手」の二つを使いこなす才能を持っているのが、EXITの兼近大樹だろう。

 まず、「失礼な真似」についての例を挙げると、『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)に出演した兼近は、MCの明石家さんまに「おしゃべりシーフード」というあだ名をつけていた。共演者である今田耕司は「シーフード兄なんてちょっと言えない」、麒麟の川島明は「よく壁ぶち破ったな」と兼近の失礼な言動に驚いて見せたが、さんま側から見れば、後輩が多少失礼でも物怖じせずに絡んでくることで、新鮮な笑いを生み出せるとあって、兼近を許さないわけはないだろう。

 一方、兼近はお笑いの世界に限らず、「甘え上手」ぶりを発揮しているようだ。7月16日放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に出演した兼近は、歌手・大黒摩季と同郷であることから親しくなったことを明かしている。相方であるりんたろー。と3人のグループLINEもあるそうだが、りんたろー。いわく「兼近のことが可愛いのかな」と感じられる節もあるそうで、大黒が行きつけのレストランに兼近が訪れると、お店の人に「大黒さんからお会計もらっていますから、好きなものを頼んでください」と言われて、全額ご馳走になったといいうが、一方のりんたろー。は、「自分で会計した」そうだから、やはり兼近は可愛がられるのがうまいのだろう。

 さらに兼近は、「失礼な真似」と「甘え上手」を同時にこなすこともできるようである。同番組で兼近は「正直、オレが一番可愛がってほしい芸人は、浜田(雅功)さん」と甘えるが、「オレを可愛がらないのは、おかしい」と上から目線の失礼な言い方をすることも忘れない(そうでなければ、単なるおべんちゃらになってしまうからだろう)。兼近が、浜田に「自分を可愛がるべき」と主張するのにはワケがあり、誕生日が一緒、浜田の息子と兼近が同い年、浜田と兼近の父親の職業が一緒(ペンキ屋さん)と“運命”を強調したうえで、「こんな共通点あって、よく可愛がらないでいられるな」と、またも失礼な言い方をして浜田を笑わせていた。同番組に出演していた千鳥・ノブによると、「浜田さんは可愛がっている後輩を増やさない」そうだが、もし誰かを新規メンバーとして誘うなら、兼近のように笑いを伴ってアピールしてくる後輩のほうが、誘いやすいのではないだろうか。

 そんな兼近だが、「失礼な真似」「甘え上手」を使いこなす以外にも、芸能人としてプラスに働きそうな一面を持ち合わせている。『あちこちオードリー 〜春日の店いてますよ?〜』(テレビ東京)に出演した際、「テレビ見てたら、イライラするチャラ男コンビになりたかった」兼近が、りんたろー。に声をかけてコンビを結成したと明かしていたが、実際の兼近はチャラ男的要素が少ない。お酒をほとんど飲まず、飲み会があろうとなかろうと家には夜12時には帰ることにしているそうだ。その理由は「体調崩したら、相方とかマネージャーさんとか、いろんな準備した方に迷惑がかかるから」と真面目そのもの。

 また、『ダウンタウンDX』では、売れた今も芸人3人でルームシェアをしていると明かし、地に足のついた生活をしていることを感じさせた。さらに、人気者だけに、女性関係も派手そうな印象を受けるが、同番組でりんたろー。に「こいつ、女性経験が少ない」と言われていた。

 兼近の「実は真面目」という一面と、「目上の人に失礼な真似をしても、甘え上手ゆえに可愛がられる」一面が生むギャップは、人気のポイントになるのでないだろうか。特に「モテたほうが勝ち」という恋愛至上主義にうんざりしている今の若い人にとっては響くように思う。

 兼近の甘える力は完全に才能で、吉本のマッチと呼んでもいい気がする。そんな中、気になるニュースが飛び込んできた。「週刊フラッシュ」(光文社)に、兼近の父親が経営する工務店が、顧客とのリフォーム工事で裁判沙汰になっていると報じられたのだ。

 兼近の父親は、息子がテレビに出ていることや、バックにヤクザがいることをちらつかせていると記事には書かれている。真偽のほどはわからないが、芸能人が家族に足を引っ張られることがよくあるのは事実。そのあたりに気を付けて、才能を思う存分発揮し、芸能活動に邁進していただきたい。

マツコ・デラックス、「ポテサラ事件」へのズレたコメント……「高齢男性と変わらない」と感じたワケ

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<今回の有名人>
「ちょっと話し相手になってあげる」マツコ・デラックス
『5時に夢中!』(TOKYO MX、7月13日)

 Twitter発、「ポテサラ事件」をご存じだろうか。

 スーパーのお惣菜コーナーで、子どもを連れた女性がポテトサラダに手を伸ばしたところ、見ず知らずの高齢男性に「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と話しかけられている様子を目撃したという投稿者。咄嗟に娘を連れ、その女性の目の前で、「大丈夫ですよ」と念じながらポテトサラダを2パック購入したという。この一連の出来事をまとめたツイートは13.3万リツイートされ、「毎日新聞」でも取り上げられるなど、話題を呼んだ。

 7月13日放送『5時に夢中!』(TOKYO MX)でもこの話題を取り上げたが、マツコ・デラックスの発言に引っかかるものがあった。

 知り合いでもない女性に、「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と説教してくる高齢男性に対し、マツコは「もちろん、とんでもない話」と断ったうえで、以下のように続けた。「この話を聞いてまず想像しちゃったのが、その高齢の男性がさ、一人暮らしで、あんまり普段人との会話もなく、もともと性格にも難がある」とポテサラじいさんをプロファイルし、「そういうふうに言われた時に『ああ、すいません、今日は忙しいんで、ついつい買っちゃったんですよね』ぐらいの感じで、コミュニケーションじゃないけど、済ましてあげてもいいんじゃないかな。そんなに目くじら立てないで、『ちょっと話し相手になってあげる』ぐらいに」とコメントした。

 同番組の月曜日のコメンテーターは、マツコと株式トレーダー・若林史江の二人だが、1児の母である若林は「母親として」の意見を言う可能性が高い。二人して同じ意見を言っても、番組的には単調になるので、あえてポテサラじいさん側の肩を持つような意見を述べてバランスを取った可能性は、ないとは言えないだろう。

 『5時に夢中!』と言えば、マツコがテレビデビューを果たした記念すべき番組である。駆け出しの頃なら、大声で「じじい、うるせ~ぞ! このやろう」と毒を吐いたかもしれない。しかし、今やマツコは芸能界屈指の売れっ子となり、発言力は増している。そういう影響力のある人が、敬うべき存在であるお年寄りをこてんぱんに悪く言ってしまうとよろしくないと配慮したのかもしれない。

 番組のバランスを取ること、またタレントしての立ち位置を考えれば、賢いコメントだったと思う。しかし、マツコのアドバイス通りにしたところで、見ず知らずの女性に「料理を作れ」と命じるポテサラじいさんがいなくなるとは思えず、むしろ増えるのではないかとすら思う。

 マツコはポテサラじいさんを「高齢の男性、一人暮らしで、普段人との会話もなく、もともと性格にも難がある」存在、つまり孤独なお年寄りだと想像している。さみしさゆえにコミュニケーションに飢えていて、だからこそ、見ず知らずの女性に命令してしまう。ポテサラじいさんは「かわいそうな人」なんだから、こちらが大人になって優しくしてやりなよと言いたいのだろう。

 ポテサラじいさんが実際にどんな人なのかは誰にもわからないが、「家族と暮らし、経済的にも何の不自由もないのに説教をしないと気が済まない人」というのも実在するのではないだろうか。

 私の友人のお父さんがまさにこれで、リタイアした後、テレビを見ては1日に何回もテレビ局に電話をかけて、出演者について質問したり、文句を言う説教じいさんになってしまったという。高齢男性が急に怒りっぽくなったとき、認知症を疑う必要があるそうで、検査もしてみたが特に異常なし。友人はお父さんについて、「現役時代、要職にあった父は多くの部下を持ち、機嫌を取ってもらえていた。しかし、会社員でなくなると誰も寄り付かない。家族もそれほどチヤホヤせず、むしろ『リタイアしたのだから、家事を覚えろ』と自分に命令をしてくる。それが不愉快だから、自分を絶対に邪険にしないテレビ局の視聴者センターのようなところに電話をして、自分の支配欲を満たしているのではないか」と分析していた。

 もし、ポテサラじいさんが、支配欲から見ず知らずの女性に命令をしてしまうとしたら、マツコの言う「すいません、今日は忙しいんで、ついつい買っちゃったんですよね」という対処法は得策でなく、むしろより多くの被害者を生むことになるのではないか。というのも、女性が「私が悪い」と“謝る”ことで、「ポテサラじいさん>女性」という上下関係が生まれ、その支配関係に味を占めたポテサラじいさんが、別の女性をターゲットとして狙う可能性がないとは言い切れないからだ。

 それにしても、今回のマツコは珍しくピントがズレたコメントをしていたように思う。

「料理を作ることの大変さっていうのはさ、もう包丁を持った瞬間から面倒くさいわけじゃない、火を使った途端に暑いわけじゃない」と言っていたが、「でも、それはどのメニューだって同じだと思うのよ」「ポテサラを作りたくないと思ってる人は、全部作りたくないのよ、本当は」「だから、三品あるんだったら、一品だけ作ることが重要な気がする」と結論づけていた。

 料理というのはすべからく面倒だから、全部を作るのではなく、一品だけ自分で作れ、というのは、忙しい現代女性に沿った現実的な提案かもしれない。しかし、ポテサラツイートの一番の問題点は、「母親であることを理由に、おかずをどう用意するかという個人的なことを、まったくの他人に、なぜとやかく言われなくてはいけないのか」ということではないだろうか。おかずを何品作って、何品手作りするかは、料理を作る人が決めることである。全部既製品でもいいし、全部手作りだっていい。「おかずが三品あるんだったら、一品だけ作ることが重要」というマツコの考え方は、結局「一品は作れ」と言っているわけだから、「こうしろ」と指図してくるポテサラじいさんと、そう変わらないのではないだろうか。

 日本の「料理は女性がすべき」「品数は多いほうがいい」という考え方が非常に強いように思う。そんな中、2016年に料理研究家・土井善晴センセイが『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社)を発表して話題を呼んだ。「料理はごはんとみそ汁だけでよい」というセンセイの提案は、料理が苦手な人、仕事が忙しくて品数多く作れない人など、多くの女性に好意的に迎えられた。

 その一方で、滅びないのが、婚活や夫婦問題の専門家たちの「胃袋をつかめ」作戦である。

 夫婦問題研究家の岡野あつこセンセイは、19年10月21日のオフィシャルブログで、夫の浮気に悩む女性に対して「お料理の腕をぐんと上げて、夫の胃袋をつかんでしまうのもいいかもしれませんよ」と書いている。18年放送の『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース』(Abema TV)で、ラブヘルスカウンセラーの小室友里センセイは、夫から拒否されるタイプのセックスレスを回避するために「夕食のおかずを一品増やす」ことを挙げている。センセイ方のアドバイスはデータに裏打ちされたものだろうが、若い世代には「料理をしないと浮気される、セックスレスになる」と刷り込まれ、それが料理をしないことへの恐怖や罪悪感へとつながっていくのではないだろうか。

 話をマツコに戻そう。テレビに出たての頃は、キャビンアテンダントなど、「人が憧れるもの」を茶化して笑いに変えていたマツコ。しかし、大物となったマツコが特定の何かを貶めると炎上する可能性もある。なので今後は「女は料理」といった固定観念のようなものをターゲットにしたらどうだろうか。「まだ、そんなこと言ってんのか。いちいち、うるせーな!」というマツコ節を待っているのは、私だけではないはずだ。

清原和博氏、テレビ出演で応援の声続々も……薬物タレント復帰の“あいまいすぎる基準“に疑問

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「野球さえしていなかったら、こんなことにならなかったのかな」清原和博
『石橋、薪を焚べる』(フジテレビ系、7月7日)

 7月6日に木下優樹菜が芸能界引退を発表した。今月の1日に復帰宣言を出してから、わずか5日後の引退宣言だけに、よっぽどのことがあったのだろうと思われる。「女性セブン」(小学館)によると、あるメディアから事務所に対し、優樹菜と2人の男性(アスリートとミュージシャン)の関係について、問い合わせがあったという。事務所は優樹菜に話を聞いた結果、彼女を守り切れないと判断し、契約解除に至ったと報じている。

 もし優樹菜が、本当に不倫が原因で事務所をクビになったのだとしたら、不倫の代償はとてつもなく高くついたと言えるのではないだろうか。

 優樹菜は芸能界を去っていったが、戻ってくる人もいる。元プロ野球選手・清原和博氏が『石橋、薪を焚べる』(フジテレビ系)に出演した。コンプライアンスを重視するテレビの世界において、2016年に覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた清原氏は、歓迎される存在とは言えない。しかし、無事に4年間の執行猶予が明けて「お務めを終えた」ことと、夜中の番組で、全国ネットではないというのも、プラスに働き、出演が実現したのかもしれない。

 多くの人が疑問に思っていること、それはなぜ球界のスーパースターが薬物に手を染めたのかということだろう。石橋がズバリ質問すると、「膝のリハビリから解放され、自分のやりたいことがなかなか見つからなくて、夜な夜な飲み歩くようになって、そういうところで、ついやってしまった」「仲間の集まりで、軽いノリで1回やった」「1回やったら終わり」「完全に人間じゃなくなる」と語り、軽い気持ちで始めたところ、薬物にすっかり取り込まれていった様子を明かしていた。

 執行猶予期間中の最初の1~2年は、自殺願望にさいなまれ、1日中寝ていたという清原氏。外に行けば人目にさらされ、マスコミに追いかけられるかもしれないので、友人に食事を運んでもらい、外出もほとんどしなかったという。生きる力が湧かず「野球さえしていなかったら、こんなことにならなかったのか」と悔いたこともあったと言う。しかし、自身の原点である甲子園で高校球児たちのプレーする姿から元気をもらい、だんだんと気力を取り戻していったそうだ。

 石橋は、清原氏の性格を物語るこんなエピソードを披露する。「40歳の石橋が肉体改造をして、ドームでホームランを打つ」という番組の企画のためにジムで体を鍛え始めたが、偶然そこに清原氏もいた。清原氏のトレーニングは過酷で、石橋は「あの清原和博でさえ、こんなにやってんだ」と感服したという。しかも、清原氏は自分のトレーニングで疲れているはずなのに、石橋の練習に付き合ってくれたとのこと。このほかにも、清原氏は石橋の送るちょっとしたメールにも、丁寧に返信する義理堅さがあり、「この人は本当に優しい」と思ったそうだ。それだけに逮捕の一報は残念で、あれだけ野球と家族を愛していたのに、どうしてこんなことになったのかと悲しい気持ちになったという。

 また、番組で清原氏は、家族についても語っていた。「週刊文春」(文藝春秋)で薬物使用疑惑が報じられ、清原氏は離婚。2人のお子さんは元夫人と暮らしているが、父子の縁は、再びつながりつつある。これまでは直接の面会ではなく、弁護士を通して、息子の写真をもらうだけの関係だったが、今年に入って、「野球をやっている次男がバッティングに悩んでいるので、指導を頼みたい」と長男から連絡が入り、父親と息子2人は再会を果たす。ちなみにこの出来事は、最愛の母が、清原氏の背番号でもある3月5日に亡くなった矢先に起こったそうで、清原氏自身、不思議な巡り合わせを感じていたのかもしれない。

 野球選手として自分の名前を全国にとどろかせ、生涯年俸50億とも言われる大金を稼いだスターが、薬物で全てを失う。現役時代は「番長」とニックネームをつけられ、イカつい風貌をしていたが、内面は心優しく義理堅い。そして最愛の母の死後、息子2人と再会することができた。野球をしたことを後悔したこともあるが、息子との縁をつなぎ、生き直す気力をくれるきっかけとなったのもまた、野球だった――。

 天才の栄光と挫折、義理人情、縁、母親への愛、息子との絆といった具合に、清原氏の話には、浪花節的というか、日本人の大好きなものがぎゅっと詰まっている。そのせいか、SNSでも「応援している」「球界復帰を」というエールが多く見られた。

 清原氏が番組で語ったエピソードは、芸能界復帰のためのプレゼンテーションとしては、合格だろう。けれど、もし「薬物依存から立ち直りつつある姿を見せるためのもの」だとしたら、少し足りなかったのではないだろうか。

 「野球さえしていなかったら、こんなこと(薬物使用と逮捕)にならなかったのか」と、清原氏は薬物使用の責任を野球に転嫁するような発言をしている。しかし、プロ野球選手で覚醒剤に手を染める選手がごくごく一部である現実から考えると、野球のせいではなく、本人の問題である。また、栄華を極めたスーパースターの付き合う“仲間”が、覚醒剤という違法薬物を使うことに抵抗感がなく、気軽に勧めてくることも気になる。もし清原氏を大事な仲間とみなしているのなら、そんなことはしないのではないだろうか。

 また、清原氏は逮捕前、銀座の高級クラブのママと不倫旅行をしていたのを「週刊現代」(講談社)に撮られ、母、元妻、息子を傷つけた前科がある。家族家族と言っている割には、家族を大事にしているように私には感じられない。清原氏の薬物問題の根っこにあるのは、なぜ付き合ってはいけない人と付き合い、大事にすべき人を大事にできないのかということではないだろうか。

 念のため申し添えるが、私は薬物で逮捕された清原氏の芸能界を含めた社会復帰に反対しているわけではない。仕事をして金を稼がなければ生活できないし、世の中の役に立っているという実感が持てなければ、また薬物に手を染めかねないだろう。ただ、薬物事件を起こしたタレントの復帰に際し、その基準が曖昧すぎないかと思っている。

 例えば、09年に酒井法子は覚醒剤取締法違反で逮捕され、有罪判決を受けた。執行猶予3年が開けて、芸能界に復帰することになったが、いまだに地上波で彼女を見かけることはわずかだし、酒井をテレビの世界に戻そうという声を私は聞いたことはない。『5時に夢中!』(TOKYO MX)に出演した酒井は、AVのオファーがあったことを認めていたが、酒井に限らず、薬物を使用した女性芸能人が復帰しようと思ったら、これまでと同じ仕事ではダメで、脱ぐことが暗黙の了解となっていると言えるのではないだろうか。

 しかし、清原氏のように義理人情に彩られた“ものがたり”を持つ人は、復帰を応援してもらえる。そこには、オトコのやんちゃは仕方ないが、オンナのやんちゃは性悪という男尊女卑も絡んでいるように思う。薬物事件を起こした芸能人の復帰が難しいのは、コンプライアンスとは別に、性差別と「お涙頂戴」話が大好きな視聴者心理によって、その基準があいまいになっていることが原因になっているのかもしれない。

山崎ケイ、「ちょうどいいブス」炎上から学ばず? 番組のセクハラを「かわす」ことの怖さ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「『この続きはカメラのないところでね……』みたいにかわすのはアリですか?」相席スタート・山崎ケイ
(よしもと芸人オンラインイベントお披露目会 6月24日)

 芸能人が不祥事を起こしたときに、会見を開いたり、メディアのインタビューに応え、謝罪するという流れができて久しい。この謝罪というのは、クチで言うほど簡単ではないだろう。「どうして世間を怒らせたのか」を理解していないと、さらに好感度を落としかねないからだ。

 例えば、アンジャッシュ・渡部建。女優・佐々木希という妻とお子さんがいる身でありながら、複数の一般人女性と不倫をしていたと「週刊文春」(文藝春秋)に報じられた。その中の一人の女性を六本木ヒルズの多目的トイレに呼び出し、短期間でコトを済ませると、LINEのメッセージを消したかチェックした後、1万円を渡して去っていったそうだ。女性を性欲解消の道具のように扱う渡部に嫌悪感を抱く人々は多く、今のところ、芸能界復帰は絶望的と見る向きが強いようだ。

 渡部はその後、「文春」のインタビューに応じ、謝罪している。でも、これが、火に油を注ぐというか、ツッコミどころがありすぎなのだ。渡部は不倫相手の女性たちを「デートクラブのように安全に遊べる子たちというふうに認識していました」「彼女たちに対しては気持ちのないまま接していたし、気持ちの上で浮ついたことはありません」と述べている。

 まとめると、渡部は不倫相手の女性たちを「安全に遊ばせてくれる」、つまりプロ(風俗業)の女性とみなしていて、妻に対する気持ちが揺らいだことはないと言いたいのだろう。しかし、「文春」の記事を読む限り、渡部の相手をした女性たちは風俗店に勤務しているわけではなさそうだ。それに、もし女性たちがプロなら、それ相応の対価を払う必要があるのではないだろうか。自分の欲望を一方的に押し付け、秘密保全を求めるというプロのサービスを要求しながら、カネの面ではシロウト扱いする。やっぱりこの人はズルい人だなという感想を私は持った。

 不祥事とまではいかないものの、相席スタート・山崎ケイの「ちょうどいいブス」(男性に「酔ったらいける」と思われるレベルのブス)というキャラが、時代に即したジェンダー観感ではないとして炎上したことがある。なので、いま山崎が、ジェンダーに関する発言をする場合は、注意したほうがいいように思うのだが、渡部同様、以前炎上した理由をまったく理解していないと感じられる発言をしており、また同じような騒ぎを起こすのではと思ってしまった。

 6月24日、「よしもと芸人吉本オンラインイベントお披露目会」で、山崎は「ビジネスキス」の必要性について意見を述べた。テレビの企画で、女芸人同士を競わせて、勝ったほうにご褒美として、イケメンとキスをさせることがある。山崎はこれをビジネスキスと呼び、「女にとってのキスを何だと思っているのだろう」と嫌悪感を持っていることを明らかにしていた。「私がキスすることで面白くなる気がしない」とし、番組の演出でするキスをNGにしているそうだ。しかし、制作側には「え? キスがだめなんですか? ちょっとするだけですよ?」と理解されなかったという。「すごい、女がやりにくい世界だと思ってしまった」「嫌だったら嫌だと言わなきゃいけないし、男性側も『もしかしたら、もう時代遅れなのかな?』と思うべき。お互いが言い合える関係なら、ハラスメントも減っていくと思います」と述べていた。

 私自身も、ご褒美にイケメンと女芸人がキスをするという企画を面白いと思ったことはない。それでは山崎の発言に諸手を上げて賛成かというと、そうでもないのだ。

 山崎はビジネスキスの仕事をする際、「番組の趣旨もあるので寸止めにして、『この続きはカメラのないところでね……』みたいにかわすのはアリですか?』とスタッフに確認した」そうだ。オファーを受けた以上、番組の企画には参加しなくてはならない、けれど、ビジネスキスもしたくない、だから「カメラのないところで」と逃げたのだろう。しかし、このように「セクハラを嫌と言わず、逃げる」と、企画やセクハラに対する嫌悪がスタッフにまったく伝わらず、セクハラが悪化する可能性に気づいているのだろうか。

 今から20年くらい前、セクハラという言葉こそあったものの、現代のようにそれが「悪いこと」と認識されていなかった時代、女性たちはセクハラにあったら「かわす」ことで身を守れと、女性の先輩に教わってきた。具体的に言うと、上司に迫られたら「おしっこ行ってきます」と雰囲気をぶち壊したり、「これ、おいしいですね。もっと食べていいですか?」と話を変えたり、あえて気づかないふりをする。相手のほうが権力を持っているのだから、正面切って歯向かうのは得策ではない、だからといって下心を受け入れるのもイヤということから生まれた苦肉の策だが、この応急処置を続けると、セクハラは厄介になっていく。

 テレビ東京の大江麻里子アナが、『モヤモヤさまぁ~ず2』に出演していた時のこと。さまぁ~ずは大江アナに積極的にセクハラをしかけていく。「最近いつエッチした?」「コンドーム使ったことある?」と質問するいう直接的なものもあれば、筋トレ器具に座らされて、M字開脚にさせられることもあった。

 大江アナはこれに対して文句を言わず、キョトンとした顔で応じる。仕事だからやらないわけにはいかなかったのだろうと推察するが、その大江アナについて2013年に「週刊ポスト」(小学館)が取り上げ、「普通の女子アナだったら露骨にイヤな顔をするところですが、大江アナの場合はキョトンとしてやってのけるので、まったく嫌らしさを感じない。それどころか、受け答えのひとつひとつが、かえって品の良さを感じさせる結果となる。だからこそスタッフも、心置きなくセクハラ演出を楽しんでいたんです」というテレビ東京スタッフのコメントを掲載。最後に「硬派なニュース番組もこなせるのに、下ネタだってサラリとかわす。実力者はやはりひと味違うということらしい」と結んでいる。

 女性がセクハラから逃げるために「かわす」うちに、男性がセクハラを悪いことと思わなくなり、それを理由にセクハラが激化したり、そこから「仕事ができる女は、セクハラをかわすのもうまい」というふうに、ねじまがった解釈が生み出されることがあるわけだ。こうなると、セクハラを「かわせる女」と「かわせない女」に分断され、序列が生まれることもあるだろう。

 なので、山崎も番組の演出上のキスが心から嫌だと思うのなら、中途半端な拒絶はしないほうがいいのではないか。山崎は「ちょうどいいブス」を標榜して、炎上した“前科”がある。テレビで「セクハラをかわす」ように見える行動を取ることで、「セクハラを拒否しない女」のレッテルを世間に貼られれば、「ちょうどいいブス」同様、「男性の欲望に迎合する都合のいい女性像」を推奨しているとして、再炎上する可能性は十分にあると思う。

 山崎は5月10日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、「ちょうどいいブス」は炎上するから使えないと話していたが、こうなったら、早急に新キャラを作ったらどうだろう。

 「ちょうどいいブス」は、「酔ったらヤれると思われる女でいい」という少し卑屈な感じを抱かせるが、実際の山崎はそうでもないようだ。19年1月24日放送のTBSラジオ『ハライチのターン』で、ハライチ・澤部佑がこんなエピソードを明かしている。山崎は掘りごたつの飲み屋で飲んでいる際、狙っている男性でなくても、相手の足を踏み踏みするそうだ。男性は自分に気があるのか、ヤレるのかと思うそうだが、山崎は男女の関係になる気はないらしい。また、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で、松本人志は山崎について「“浜田のオンナ”みたいな雰囲気出してくる」といったニュアンスの発言をしていた。これらのエピソードから、山崎は男性に対して実は積極的なのではないかと思うのだ。

 なので山崎は今後、恋愛大好き、オトコ大好き、もしくは小悪魔キャラで行ったらどうか。若者が恋愛をしなくなって久しいと言われているが、そうでない人だってたくさんいるはずだ。一昔前は、女芸人は恋愛下手というレッテルが貼られていたが、今はそういう時代でもないだろう。自身がセクハラする側に回ってしまわないよう気をつけながら、ブレないキャラの再構築をぜひお願いしたい。

手越祐也、“キャバクラ手越”報道への弁明を聞き「オトナとしてやっていけない」と感じたワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「僕、嘘がつけないんで」手越祐也
記者会見(6月23日)

 新聞や週刊誌が書いた記事は、「正しい」こともあれば、「間違っている」こともある。その記事が「正しい」のなら問題はないが、読んでいるほうは「正しい」かどうかを確認する術はなく、たとえ間違っていたとしても、その記事をもとに世論は形成されていく。こうなるとマスコミにとっては「書いたもん勝ち」もしくは、有名人にとっては「書かれ損」という状況が生じてしまう。特にやってもいない悪いことを「やった」と決めつけられたほうはたまらないだろう。

 これまで多くの有名人が煮え湯を飲まされてきただろうが、最近はYoutubeで、自分の意見を発信できるようになった。ジャニーズ事務所を6月19日に退所した手越祐也が「あまりに事実と違う報道が多すぎる」「自分の口から真実を伝えたい」として、YouTubeで記者会見を生配信したのは、そんな意味が込められているのではないだろうか。

 手越が会見で述べたのは、ざっとまとめると以下の通りだ。

1.ジャニーズ事務所とは揉めておらず、円満退所
2.NEWSのメンバーとも揉めていない
3.5〜6年前から、退所のことを考えていた
4.事務所から自粛を言い渡されて退所することになったと報道されているが、実際は3月に自分から申し出ていた
5.「文春オンライン」で書かれた「キャバクラ手越(女性を集めて飲酒した)」に関しては、事前にチーフマネジャーに会食予定と連絡を入れていた(ただし、女性が一緒で、お酒を飲むとは伝えてはいない)
6.その席では、医療従事者と、人の命を助けることの手伝いやボランティアができないかと話し合っていた
7.政府やジャニーズ事務所がステイホームを打ち出している中、3月に二度も外出したのは、すでに退所の意向を伝えてあったため、今後の活動について早急に打ち合わせる必要があった。だから、不要不急の外出ではない

 つまり、手越はもう何年も前から退所について考えていて、今年の3月に実際に事務所に意向を伝えた。だからクビにされたわけではない。チーフマネジャーに外出することについても報告しているし、今後の人生のために必要な会合だったから、不要不急の外出ではない。さらに飲み会の内容も、ボランティアに関してなど真面目なものだから、やましいことはない、と言いたかったのだろう。事実、手越はあの会見で、ひたすら謝罪に徹していたという印象は受けなかった。

◎手越は嘘がつけないゆえに印象を悪くした?

 会見で手越は「僕、嘘がつけないんで、思ってないことも言えないし、ゴマをすることもできない」と発言していた。子どもの頃、大人に「嘘をついてはいけない」と教えられた人は多いだろう。嘘をつかないことは善人の証でもある。手越は自分は嘘をついてまで、人に媚びたり、おもねったりしないので「誤解されやすいところがある」と自分を思っているのではないだろうか。

 確かに手越は元来、嘘つきではないと思う。会見での彼の言い訳は、辻褄が合っていないし、ポイントもずれていて、イメージを悪くした気がした。嘘をつきなれている人なら、もっとうまくやったのではないだろうか。

 それを強く感じたのが、先ほど挙げた会見の要点の「5」と「6」である。

 緊急事態宣言といっても、全ての外出を自粛せよと言われていたわけではなく、例えば通院や食料品などの買い出しは認められていた。だから、手越が外出したとしても、それ相応の理由があれば、責められるいわれはない。外出がダメなのではなく、「理由」が問われるわけだ。

 手越は、その点に関し、「医療従事者と、人の命を助けることの手伝いやボランティアができないかを話し合うため」と説明しているが、4月1日に日本医師会は、感染者が増え続ければ医療現場が持たないとして、「医療危機的状況宣言」を発令している。もし人の命を助けたいと本気で願うなら、医療崩壊を招かないようにすることが重要であり、とりあえずできることは自分が患者にならない、つまり人と接触しないことに尽きるので、会食をしている場合ではない。食事相手の医療従事者が前線で治療に当たっているとしたら、感染リスクを高めるような行為をうかつに取るはずがないし、もし前線にはいない医療従事者と食事をしたのなら、それは人命を助ける手伝いとどうつながるのだろうか。

 また、理由にボランティアを持ってくるところも、ちょっとヘタクソだ。イメージを良くしたいときに、芸能人が人のための仕事である介護やボランティア、その他の社会貢献に取り組むと強調することはよくある。

 2009年に酒井法子が覚せい剤取締法違反で逮捕された際、裁判で「芸能界は引退して、介護の仕事をしたい」と話していた(実際は介護の世界には進まず、芸能界に復帰)。19年、夫が知人男性への恐喝容疑で逮捕され、自身にも美人局疑惑が持ち上がり、書類送検された道端アンジェリカは、芸能活動を休止せざるを得なくなったものの、不起訴になって芸能界復帰を宣言。インスタグラムで「社会貢献活動を通して、またみなさまを幸せにできますよう努力いたします」と発表した。

 無私の活動にエネルギーを注ぐことでイメージをアップしたいと思っているのかもしれないが、それで騙されるほど大衆は甘くない。手越の場合も、新型コロナウイルスの影響で、経済的に追い詰められているお店や友人にお金を届けたくらいのことを言ったほうが、よかったのではないだろうか。

 チーフマネジャーに事前に連絡するくらいオープンにしていた会食だったというのも、これまたワキが甘い言い訳だ。やましいものではないと言いたいのかもしれないが、肝心の「誰と一緒」については触れていないことを明らかにしてしまっている。マネジメントする側が知りたいのは「外出するかどうか」よりも「誰と何をしているか」ではないだろうか。

◎嘘がつけないなら、手越は清廉潔白を心がけて

 「嘘も方便」ということわざがある通り、嘘は必ずしも悪いものではないし、特に大人の世界では嘘をつかねばならない時もある。「嘘がつけない」のなら、嘘をつかなくてもいいように清廉潔白を心がける必要があるだろう。もし嘘をつかねばならないなら、細部までしっかり作りこんで、スキがあってはいけない。もしくは悪いことをしたら素直に謝り、かつ許されるという一流のかわいげを身に着けるしかない。嘘はつけない、でも謝るのも嫌では、オトナとしてやっていけないだろう。

 手越はポジティブなキャラで売っているそうだが、記者会見の様子を見ている分には、本当は暗いのに自分を鼓舞して無理に明るくしているようにも感じられた。これは私の直感でしかないが、他人にはちゃんと嘘をつき、でも、自分に嘘をつかず、体に気を付けて頑張っていただきたい。そうでないと、NEWSのファンは浮かばれないよ。

渡部建の不倫騒動は、案外「すぐ忘れられる」? 川谷絵音の「大衆の心をつかんだ」スキャンダルを振り返る

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「テレビで言うと絶対反感買うんですけど」ゲスの極み乙女。・川谷絵音
『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系、6月16日)

 「週刊文春」6月18日号(文藝春秋)で報じられた、アンジャッシュ・渡部建の不倫問題。女優・佐々木希を妻に持ち、お子さんにも恵まれながら、一般人女性を多目的トイレに呼び出し、短時間で致して、1万円を渡していたそうだ。渡部の不倫相手はほかにもいて、「はい、やって」と口での奉仕を促し、コトが終わるとすぐに帰らせるといったことも。女性を性欲解消の道具とでも思っているかのような仕打ちに、ネットでは「最低」「気持ち悪い」という声が上がった。

 しかし、同業者はある程度、渡部のウラの顔を知っていたようだ。『あさパラ!』(読売テレビ)に出演した千原兄弟・千原せいじによると、「ある程度のキャリアのある芸人やったら、ウワサは耳に入っていた」と言うし、『アッコにおまかせ!』(TBS系)に出演した出川哲朗は、「(女性を)好きだったというのは、もちろん有名でしたけれども」「結婚したらさすがに、もうそういうのは、まったくなくなったんだろうなって、多分みんなそれは思っていたんで……そこはビックリしましたよね」と語るなど、「そういう人」だと知っていたようなコメントだった。

 渡部バッシングは終わる気配がない。渡部と一時、愛人契約のような関係を持っていた女性が新たに名乗りを上げた。「女性セブン」7月2日号(小学館)によると、2人は2014年頃に交際クラブで知り合い、関係を開始。渡部はその女性と1回デートするたびに5万円を渡していたそうだ。トイレでセックスすることもあったが、高級ホテルに行くこともあったそうだから、当時はまだ良心的だったと言えるだろう。『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)に出演した芸能リポーターの井上公造氏は「各週刊誌に続々とタレコミが来ている」と明かしていたので、続報が入る可能性はあるだろう。

■渡部建の不倫騒動は「イラッと」度が低い?

 人気芸能人のスキャンダルだけに、ワイドショーやネットがこの話題を扱うのは理解できる。しかし、「芸能ニュース」として考えると、私はこの不倫は特に興味を引かれないし、案外世間はすぐ忘れる気もしている。というのも、所詮は“他人事”である芸能ニュースが、大衆の心をつかむのに必要なこととは、「人々をイラッとさせること」ではないかと思うのだが、渡部の不倫騒動は、その「イラッと」度が低いように感じるのだ。

 渡部の女性たちへの態度を見ていると、余分な時間とカネをかけないで性欲を発散させたいという心理が垣間見え、特に女性を「イラッと」させるかもしれないが、ある意味で彼の態度は一貫しているし、「妻以外の女性に心まで奪われていない」と見ることもでき、人を「イラッと」させる度は低いとも言える。

 一方、「文春」や「セブン」に登場する女性たちが芸能人ではなく一般人なのは、渡部の「人気芸能人である自分と一般人では使える権力や社会的影響力が違うので、あえて弱い人を狙った」というずる賢さを感じ、これまた人を「イラッと」させるのかもしれない。ただ、女性側だって、渡部の態度に不満を感じるなら、関係を解消することができるはずだ。「文春」によると、渡部の相手の一人だった女性は「あんなかわいい奥さんがいるのに、どうしてこんなことをするの?」と聞いたというが、それは逆に言うと、その女性は渡部が既婚者であると知っていたことの証明になる。相手が既婚者と知りながら関係を続けていた女性も褒められたものではないという意味で、どっちもどっちと言え、渡部への「イラッと」度は下がるだろう。
やはり人々は、「この人、何を考えてるんだろう」「どうしてこんなことをするんだろう」とよりイライラさせられるニュースに、くぎ付けになるのではないか。

 具体例を挙げると、俳優・東出昌大。彼は、女優・杏という妻と3人の子どもがいるのに、若手女優・唐田えりかと3年にもわたる不倫関係にあったと「文春」に報じられた。唐田は東出とのツーショット写真をプリントアウトして仲間に配ったり、東出そっくりの壁画とキスするような画像をインスタにアップしたりと、“匂わせ”を連発している。自分から不倫関係をバラしたいかのような唐田の行動も謎だが、それをいさめない東出も理解に苦しむので、人々をイラッとさせるだろう。

 また、「文春」報道を受け、東出の所属事務所は「今回の別居は離婚へ向かうものではなく、なんとか修復のステップを踏むためへの冷却期間と聞いております」というコメントを発表した。つまり、東出は離婚する気はないということで、「それならバレないように、なぜ注意して不倫しないんだ」と再度イラッとさせられたという人も少なくないのではないか。

■世間を大いに「イラッと」させた川谷絵音

 もう一人、世間を大いにイラッとさせてくれた人が、ベッキーとの不倫で世間をにぎわせたゲスの極み乙女。の川谷絵音である。一般女性と結婚していたものの、ベッキーと知り合い、交際。結婚の約束をしていたが、「文春」に不倫を撮られて、その計画はおじゃんになってしまった。売れたミュージシャンが糟糠の妻を捨て、芸能人と結婚するパターンはよくあるので、それほど驚かないが、川谷の行動は理解に苦しむ。

 妻がいながら、川谷は正月、長崎の実家にベッキーを連れて帰省している。まず実家の両親もびっくりするだろうし、妻のメンツは丸つぶれだし、ベッキーとて困るだろう。ベッキーは『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)で、「実家に行ったことは間違いだった」とMC・中居正広に話していたが、この帰省を「文春」に撮られてしまったことが、ベッキーのながーい苦難の始まりになる。

 「文春」報道を受けて、記者会見を開き、「川谷とは友達」と説明したベッキーだが、川谷とのLINEのやりとりが流出したことで、言い逃れはできなくなった。このLINEでの川谷の発言にも、イラッとさせられた。川谷は妻(当時)に離婚の話を切り出した際、「大切にしたい人がいるって言った」と別の女性の存在を明かしてしまう。こんなことを言われて「はい、わかりました」とあっさり離婚する妻がいるだろうか? 妻の権利を侵害されたわけだから、彼女が相手の女性を突きとめて、社会的制裁を加えてやりたいと思っても、責められないと思う。川谷の妻は「それってアウトだよね?」とルール違反であることを指摘してきたそうだが、今思えば、この「アウト」という言葉は非常に意味深と言えるだろう。週刊誌はネタ元を明かさないので、決めつけてはいけないものの、「文春」に掲載された実家への帰省スケジュールを知ることができる人、川谷の携帯を触れる人というのは、ごく限られていると考えると、ネタ元は誰である可能性が高いかは察することができる。感情的というか、脇が甘いというか、ベッキーを一番追い詰めているのは、川谷のような気がしてならないのだ。

 スキャンダル後、川谷がベッキーと比べ、大した制裁を受けなかったことも、世間の「イラッと」ポイントとなるだろう。ベッキーは全ての仕事をキャンセルしたため、多額の違約金を抱えることになる。しかし、川谷に特にペナルティーはない。川谷とは別れ、別の男性と結婚したベッキーだが、19年2月23日付のニュースサイト「デイリー新潮」の記事によると、ベッキーがバラエティ番組に出演すると、いまだに視聴者から「なぜベッキーを出演させる」と抗議の電話が寄せられるそうだ。こうなると、不倫をする前のようにテレビに出ることは難しいだろう。

 一方の川谷は、未成年であるタレント・ほのかりんと飲酒していたことを「文春」に撮られ、活動を自粛するが、その期間はたった5カ月月。ベッキーとの不倫で日本中に自分の名前が浸透したことを考えると、かえって不倫でトクをしたとも言えるのではないだろうか。このあたりもイラッとさせられる。

■芸能人にとって「イラッと」させるのは才能なのか?

 その川谷が6月16日放送の『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演した。かつては「ベッキーの不倫相手」と認識されていた川谷だが、今やラジオでパーソナリティーを務め、3誌で連載を持ち、写真家・蜷川実花らセレブとの人脈を築き、うまいものに舌鼓を打っているという。川谷は実は大食いだそうで、1日5食。焼きギョーザ3人前とチャーハンを平らげていた。「そんなに食べて太らない?」とスタッフに質問されると、「テレビで言うと絶対反感買うんですけど、太らないんです」と答えていた。

 いやいや、別にあなたの体形を「痩せた?」「太った?」と気にしている人はそんなにいないから反感買うもないもないわよ、大丈夫。自意識過剰よと、川谷は、またもや「イラッと」させてくれた。

 川谷に比べると、やはり渡部の、人を「イラッと」させる度は低いように思う。けれど、芸能人にとって、川谷のように人の心をかき乱すというのも、注目を集め続けられるという意味で、「才能」なのではないだろうか。川谷が再びどデカいことをやらかす日は、近い気がしてならない。

アンジャッシュ・渡部建、多目的トイレ使用の“場所代0円不倫”に考える「カネを使わない人」の問題点

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「恋焦がれているような人に会いに行く感覚なので、手土産の一つも持っていきたくなる」アンジャッシュ・渡部建
『今夜くらべてみました』(日本テレビ系、6月3日)

 緊急事態宣言が出されているにもかかわらず、NEWS手越裕也が複数の女性を集めて、飲み会を開いていたことを5月21日号の「週刊文春」(文藝春秋)が報じた。記事には女性とのLINEのやりとりも掲載され、言い逃れはできない状態だけに、多くのファンはがっかりしたことだろう。しかし、落胆しているファンのみなさんには申し訳ないが、私は「いい青年じゃないか」と思ってしまった。

 というのも、手越はLINEで、女性と「20:30」に待ち合わせをしていたが「タクシーで来るでしょ?」「領収書もらってきてねー」と自分がタクシー代を出す意志があることを示している。会う前に自分から女性に対し、「カネを出す」意志を表明していることが素晴らしいと感じたのだ。

 今の若い人はワリカンが主流で、女性はおごってもらうことを負担に感じるという話を聞いたことがある。そういう考えの人たちは「なぜ、タクシー代を出してもらう必要があるのか」と思うかもしれないが、「自分の都合」もしくは「バレてはいけない関係、もしくは用事」で「夜遅くに」「女性を」呼び出すときに、こうした対応を取れない人は、「安全面を考慮できない」という意味で、オトナとしてちょっと足りないと私は思う。

 こう言っても、若い世代は「別に20:30は遅くない」「女性は自分が行きたくて行くわけだから、お金は必要ない」と思うかもしれないが、カネを使うことに代表される「相手への配慮」を怠ると、自身を窮地に追いやる可能性もあるのだ。

 そんなカネを使わない男の末路のサンプルケースになるのが、アンジャッシュ・渡部建ではないだろうか。

 6月9日、渡部がテレビ各局に番組出演を自粛する意向を申し入れた。その時点で、理由が明かされていなかったので、いったい何が起きたんだとSNSがザワついたが、6月18日号の「週刊文春」(文藝春秋)によると、女優・佐々木希と結婚し、一児の父でもある渡部が、複数の女性との不倫を認めたという。そのうちの一人である女性Bさんによると、密会場所は六本木ヒルズの地下駐車場に隣接した多目的トイレ。渡部は地下2~4階にあるトイレをチェックし、誰もいないフロアを確認して、そこにBさんを呼び出していたそうだ。行為の所要時間は35分。帰り際に1万円を渡してきたそうだが、場所代0円の不倫である。

 場所代がかからない不倫と言えば、俳優・原田龍二も、車の中で女性と不倫していることを「文春」に撮られてしまった。原田が女性を車でピックアップして、郊外の公園に移動して、そこに車を停めると、女性の隣に移動してきて下半身をポロン。10分で終わるというスピード不倫だったそうだ。

 原田も渡部も不倫に場所代、さらに時間をかけないという共通点がある。どちらも気持ち悪いが、より嫌悪を抱くのは、私の場合、断然、渡部のほうだ。なぜなら、原田は不倫相手の女性を「最寄り駅まで送っていた」そうで、最低限、相手の安全に気を配っていると見ることができる一方、渡部にそういった配慮はなかったらしく、加えて「人の何倍も気が使えるタイプなのに、不倫相手には気を使わない」ことが見て取れるからだ。

◎ミスター自己管理だから「無駄なもの」に金を払わない?

 6月3日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演した渡部は、グラビアアイドルで、最近は高級料理研究家として活動する辰巳奈都子とグルメタレントの在り方についてやりあって見せた。辰巳が「渡部さんは飲食店にあいさつとして、手土産を渡しているが、あれをやめてほしい。ほかの人のプレッシャーになる」と抗議すると、渡部は手土産を持っていく理由を「恋焦がれているような人に会いに行く感覚なので、手土産の一つも持っていきたくなる」「好きなお店のシェフを笑顔にしたい」「いつもお世話になっているから、お礼がしたい」と純粋な気持ちであることを説明した。要は、渡部は好きな人、大事な人、お世話になっている人なら、カネを使うということを意味するのではないだろうか。飲食店は手土産を期待しているわけではないだろうが、気を使ってもらって悪い気はしないだろう。こういう気配りが飲食店側にも好ましく思われているから、芸能界のグルメ王という地位を築けたのかもしれない。

 渡部と言えば、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で、これだけ外食続きなのに体形を維持していることから、「ミスター自己管理」と呼ばれていたことがある。太らないコツとして、夜に外食したら歩いて帰ることや、食べたら最低でも3時間は起きている(すぐに寝ない)ことを明かしていた。体重は維持できても性欲は我慢できなかったのかと言う人もいるかもしれないが、Bさんには失礼ながら、自己管理が徹底しているから、無駄なものにカネを出さなかったと言えるのではないだろうか。

 セフレや不倫など、人に言えない関係というのは、当人同士が納得しているのなら、一概に悪いとは言いきれないと思う。しかしそういう関係こそ、ルールやマナーがあり、その中心にあるのは「安全性を保つこと」ではないだろうか。関係や行動がバレない、つまり安全を守るためには、移動や場所にカネを使うべきだし、一方がこの関係を遊びと捉えているなら、相手に不満を抱かせないためにも、さらなるカネやプレゼントは不可欠である。特に顔が売れている芸能人はケチってはいけない。一昔前の週刊誌なら、お相手の一般人の訴えなど無視しただろうが、今は「文春」をはじめとして、ネットから編集部に直接タレこめる時代である。ささいなことで相手側から恨みを買うと、芸能活動を自粛しなくてはならなくなるかもしれないのだから。

 『今夜くらべてみました』で、シェフへの手土産は「たいしたものじゃなくていい」「そういうのってお金じゃないから」と説明していた渡部。その気遣いを「お世話になっている」女性に向けていたら……と思わずにはいられないが、時すでに遅し。しばらく反省するしかなさそうだ。

豊田真由子氏、「このハゲ〜!」パワハラ騒動からの復活ーー「努力は報われる」と語る彼女に助言したいこと

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「自分の子どもには、『努力は報われる』と伝えたかった」豊田真由子
「婦人公論」6月9日号(中央公論新社)

 めぐり合わせが良いというか、それとも「持ってる」というべきかーー。

 元厚生労働省官僚で元衆議院議員・豊田真由子氏が『バイキング』(フジテレビ系)に新型コロナウィルスに関して解説を行うコメンテーターとして出演したときは、一瞬目を疑ったが、豊田氏、実は米ハーバード大学大学院で公衆衛生学を学んだ感染症対策の専門家だという。ヘアスタイルを変えたせいかに若返ったように感じたし、コメントもわかりやすかった。

 今から4年前の2016年、衆議院議員であった豊田氏は、秘書の男性に対する暴言や暴行を「週刊新潮」(新潮社)に報じられた。「このハゲ〜!」という豊田氏の怒声が、YouTubeチャンネル「デイリー新潮」で公開されると、パワハラの動かぬ証拠としてあっという間に拡散された。豊田氏はバッシングされ、自民党から離党。衆議院議員選挙に無所属で出馬するが、イメージダウンは避けられなかったようで、落選している。

 以来、マスコミの前から姿を消していた豊田氏だが、新型コロナ関連のコメンテーター業が高評価だったからだろうか、「婦人公論」6月9日号(中央公論新社)で現在の心境を語っている。進学校として名高い名門女子校から東大法学部に進み、官僚に。言うまでもなくスーパーエリートであるが、その一方で気弱な素顔が見え隠れする。政治家に転身してからは、早朝に駅の前に立ち、そこから国会へ。その後は、党の政策会合、その後は地元に戻る。夜は会合で出席者全員にお酌をして回り、話を聞く。夜中に帰宅して資料を読み込むので睡眠時間は2〜3時間。二人のお子さんを持つ豊田氏は、これらに加えてお子さんと時間をもうけなくてはならなかったそうで、肉体的にも精神的にもギリギリの生活を送っていたと言っていいだろう。

 こんな時、凡人や要領のいい甘え上手であれば、会合に優先順位をつけるとか、嘘をついて出席しないなどのズルをするのだろうが、豊田氏は自身のことを「少しも手を抜くことができない」と言っていた。「やれることは全てやっておきたいし、最善を尽くしたい(そして、能力が高いので、こなせてしまう)」という完ぺき主義者なのかもしれないが、存在するタスクを全てこなさないと前に進めないという意味では「タスクの奴隷」と見ることができるのではないか。

 スキャンダルにより議員でなくなり、激しいバッシングにさらされた豊田氏は希死願望にとらわれるが、それを救ったのはお子さんの存在だったという。豊田氏はお子さんへの思いを下記のように語っている。

「自分の子どもには、『努力は報われる』と伝えたかったのですが、私は日本中から全否定された人間です。『たとえ一生懸命頑張ったとことで、こんなふうに全部崩れてしまうのだったら、努力する意味なんてないじゃないか』と、子どもは心のどこかで思っているのではないかと、悩んでいました」

 しかし、コメンテーターとして復活できたことから、やはりお子さんには「努力は無駄にならない」と言えるようになったと述べている。

 社会的制裁も受けたが、コメンテーターとして返り咲き、イメージも回復してきた。なにせ能力の高い人なので、今後、違う道もまた拓けてくるだろう。パワハラは褒められたことではないが、かといってそのペナルティーを一生背負うのは妥当とは言えない。しかし社会復帰できてよかったねと言いたい一方で、「努力は報われる」とお子さんに伝えるのは、正しいのか考えてしまう。

 「新潮」によると、パワハラを告発した秘書は、支持者のバースデーカードの宛先とカードの名前が違うという、かなり初歩的なミスを犯している。もともとポンコツな人を採用してしまったのかもしれないが、豊田氏が「努力する」ことで、秘書の担う仕事量が増え、要求されるレベルも高くなって疲弊し、その結果、ミスが頻発した可能性もないとは言えないのではないか。「文藝春秋」(文藝春秋社)で、豊田氏は辞めた秘書の数を15人程度と話していた。これが多いのか少ないのか私には判断がつかないが、秘書は機械ではないので、自分の思うように動いてくれないことは確かである。スーパーウーマンの豊田氏が今後どんな仕事をするのかはわからないが、「努力は報われる」と信じて努力を続ける限り、豊田氏の下に付く人は、強い緊張状態を強いられることは間違いないだろう。

 豊田氏に必要なのは、「努力が報われる」と信じることよりも、「努力してもできない人もいる」と知ることではないか。世の中の大半は「できない人」であり、そういう人との付き合い方を覚えなければ、今後もパワハラだと訴えられる可能性はなくならないように思う。

 しかし、努力で人生を切り開いてきた人にとって、努力しないことはかなりの苦痛を伴うことだろうし、「できない人」の気持ちも理解しづらいのではないか。回復期を迎えている豊田氏だが、同時に人生最大の“難問”に直面しているのかもしれない。

NEWS・手越祐也、「いい人としか接しないw」と豪語も週刊誌に“売られて”しまうワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「俺、頭良くて成功してる人好きだからいい人とかすごい人しか接しないw」NEWS・手越祐也
「週刊文春」2020年5月21日号(文藝春秋)

 ゲスの極み乙女。・川谷絵音とタレント・ベッキーの不倫騒動は、妻帯者の川谷が、正月に長崎の実家へベッキーを連れ帰ったことを「週刊文春」(文藝春秋)に報じられたことで始まった。当時、CM契約をたくさん抱えていたベッキーは、マスコミからの質疑応答の時間を設けない釈明会見を開き、「友人関係であることは間違いありません」「川谷絵音さんの作る音楽のファンでありまして」と、不倫関係を否定。しかし、まもなくして「文春」に、川谷とベッキーのLINEのやりとりが掲載される。「(会見は)友達で押し通す予定!笑」「逆に堂々とできるきっかけになるかも」というやりとりで、不倫は確定してしまった。

 女優・斉藤由貴が医師である男性と、個人事務所として使うマンションで密会したり、恋人つなぎで映画館デートをしている様子を「文春」に撮られたとき、斉藤は「往診してもらっていた」「よろけたので、一瞬手をつないだ」と説明していた。しかし、「フラッシュ」(光文社)に、二人のプライベートなキス写真と、男性が斉藤のものと思われるパンツを頭からかぶっている写真が掲載されたことで、ただならぬ関係であることが明らかになってしまった。

 ベッキー、斉藤の事例から見てもわかる通り、今や芸能人にとって、週刊誌記者の張り込みよりも、スマホからLINEや画像が流出することのほうが、自身を追い詰めるという意味で、怖いのではないだろうか。

 プラスして、世間にさらされたくない自分のデータを、「一般人が持っている」という状況だと、さらに流出リスクは高いだろう。持ち主が芸能人であれば、相手も自身のイメージに傷がつくリスクがあるので、トラブルを避けるための話し合いに応じてくれる可能性はあるだろうが、一般人の場合、そういうしがらみがないため、暴露することに躊躇はない。

 このように芸能人は、ひと昔前なら明るみにならなかった“悪事”が、バレる可能性が高まっているわけだが、NEWS・手越祐也はそういう時代の流れに気づかなかったのか、それとも、自分だけは特別だと思っていたのかーー。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、小池百合子都知事が3月25日に「感染爆発の重大局面」と発表、外出をできるだけ控えるように呼び掛けた。人が集まるといわゆる「三密」の状態が生まれてしまうため、同27日に東京都は花見の自粛令を出している。その後、安倍晋三総理は4月7日に緊急事態宣言を発令、5月25日に解除した。

 そんな中、3月下旬に、手越が安倍総理夫人・昭恵氏ら十数名で花見をしていたことを「週刊ポスト」(小学館)が写真付きで報じている。同誌はこの写真を「参加者のひとりが撮影したもののようだ」と説明。悪い言い方をすれば、昭恵氏や手越は「売られた」わけだ。総理大臣夫人が何をやっているんだと批判されたが、その会合に参加した手越ら芸能人を疑問視する声も上がった。4月1日号「女性セブン」(同)には、この会に参加したカリスマシェフの証言が載せられている。メンバーは芸能人、シェフ、IT関係者で、昭恵氏が頑張っている若手を応援するために開いた会だそうだ。さしずめ「成功者の交流会」と言ったところだろうか。

 この後、5月21日号の「文春」で、緊急宣言下の4月上旬に、手越が複数の女性を集めて、飲み会を開いていたと報じられた。ジャニーズ事務所は事態を重く見て、期間限定チャリティーユニット「Twenty☆Twenty」のメンバーから手越を外すと発表。しかし、手越は処分直後の23日にも、六本木で女性らと酒盛りしていたことをニュースサイト「文春オンライン」が報じた。

 これを受けて、ジャニーズ事務所は、手越の芸能活動休止を発表した。新型コロナは人命にかかわることだけに、動かぬ証拠と共に報道されてしまったら、事務所も見過ごすことはできなかったのかもしれない。

 証拠と言えば、4月上旬の飲み会に関しても、手越が女性とやりとりしたLINEが「文春」に流出。待ち合わせ時間などの連絡に加えて、手越は「俺、頭良くて成功してる人好きだからいい人とかすごい人しか接しないw」と書いている。

 しかし、「いい人とかすごい人しか接しないw」という割に、有名人である昭恵氏や手越にとって、不都合なデータが週刊誌にバンバン載るのはなぜなのだろうか? もし花見のメンバーが、集合写真という証拠を週刊誌に売ったのだとしたら、その会に参加している時点で「成功してる=すごい人」に間違いないが、本当に「いい人」と言えるのだろうか。それは一緒に飲み会をした女性も同じで、本当に「いい人」なら、飲み会そのものを止めるか、LINE画面を週刊誌に提供することはしないのではないだろうか。

 なぜ手越は、「いい人」とは思えない人を、「いい人」と認識して、付き合ってしまうのか。大手の事務所や大企業など、強い後ろ盾があるとき、しかもその中でめざましい成果を上げて成功したとき、多くの人が優しくしてくれるだろう。しかし、その優しさの中には「成功した人と親しくしておくとトク」という打算がまったくないとは言いきれない。手越は、そうした人たちの上辺の優しさしか見ていないのではないか。

 かつて『有吉ゼミ』(日本テレビ系)で、元光GENJI・諸星和己が「結婚できない理由」として「他人を信じられない」ことを挙げていた。解散して事務所を辞めると、スタッフもファンも自分の周りから去っていったために、人間不信になってしまったのだという。頂点を極めた人ならではの苦しみとも言えるが、逆に言うと、それでも残ってくれた人が「いい人」「大事な人」であることに気づくはずだ。それは手越も同様だろう。手越と同じように「俺、頭良くて成功してる人好きだからいい人とかすごい人しか接しないw」と考えて、人付き合いをする人は少なからずいるだろうし、それが間違っているとは思わない。しかし、そういう人は、芸能活動ができなくなった手越に、手を差し伸べてくれるのだろうか。

 「スポニチアネックス」によると、手越は知名度を生かして実業家への転身を考えているというが、手越はビジネスの勉強とは別に「人を見る目」も養う必要があるのかもしれない。