不倫は純愛か? 慰謝料請求裁判をしたことで見えたもの

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Photo by Steve Johnson from Flickr

 こんにちは、まほです。結婚4年目にして、夫の不倫が発覚。その日を境に、今まで送ってきた生活は、がらりと大きくありようを変えました。その顛末記です。

■男性の半数以上、女性の3分の1以上が配偶者および恋人を裏切っている

 さてこの連載も、最終回となります。わたしが経験した不倫の慰謝料裁判についての結末は前回、お伝えしましたが、発覚から和解までに、おおよそ2年を費やしているうち、芸能人や有名人の不倫が世間を何度も賑わし、そして、不倫する男女を非難する世間の声は、激しくなっていくばかりです。もちろん、不倫は(不貞行為があった場合)、日本の民法上では不法とされている行為です。道義的にも、正しい行いとはされていません。けれど、これほどまでにヒステリックに世間が騒ぐのはなぜか。

 「実は不倫願望がある人は多く、しかし、家庭のことを考えて我慢している。だから、感情のままに恋をしている人のことを羨ましいと思う気持ちが嫌悪につながる」といった解釈などもされていましたが、わたしが思ったのは、むしろ「実は心の中に密かに、『自分もされているかもしれない』という疑心を持っていて、そこを刺激されるので、ことさらに否定してしまう」のではないかということです。

 というのも、日本家族計画協会家族計画研究センターがコンドーム・メーカーであるジェクス株式会社からの依頼を受けて実施した「ジェクス ジャパン・セックス・サーベイ」という調査結果があります。最新のものでも2013年と、若干古いのですが、全国満20 歳から69歳の男女を対象としてインターネットリサーチを実施したもので、調査配信数は10万6,871 人。都道府県間の比較を行うために、47 都道府県から回収順にしたがって均一に107 サンプルを収集し、合計5,029 人を集計対象としたデータです。

 これによると、「これまでに配偶者(夫・妻)や恋人以外の人とのセックス(性交渉)があったか」との質問に対し、男性の55.1%、女性の34.9%が「あった」と答えているんです。この数字、どう思いますか。実に男性の半数以上、女性の3分1以上が配偶者および恋人を裏切っているということです。このうち何%がパートナーの浮気の事実を知っているか、という調査結果はありませんでしたが、一緒に住んでいる夫婦ならば、「なんか怪しい」「あの人、もしかして」と考える瞬間は必ずあると思います。その時に、わたしがしたように「でも、まさかね。うちの人に限ってそんな(笑)」と楽天的に考えて、真実から目を背けている人って、たくさんいると思うんです。もちろんすべて知っていて、「家庭に迷惑をかけないのならば」と目をつぶっている人もいるでしょう。けれども、目を背けても目をつぶっても、心の奥では疑念や怒りが、ふつふつとたまっていくものです。だから、芸能人の不倫のニュースを聞くと、八つ当たりのように怒りをぶつけてしまうのでは、と思った次第です。

■慰謝料請求裁判をしたことで、自分の見たくない部分ばかり見えた

 わたしは芸能人の不倫には腹は立ちませんが、しかし、不倫を当事者同士が“純愛”と言ってのけることには腹が立ちます。結婚によって結びついている男女のほうがむしろ“不純”だって暗に言われているような気になってしまうからです。もちろん、結婚は生活を共にすることなので、“純愛”に照らし合わせると、“不純”と言われる発言や行動だって避けて通れません。夫が突然仕事を辞めて、夢を追い始めようとしたら、自分たちの生活のために考え直すように説得するでしょうし、セックスだってしたくない時は、相手にどれだけ求められても断る。

 そう。自分でもわかっているんです。ひたむきに愛情を注ぐことができない自分に、後ろめたさを感じているからこそ、胸を張って“純愛”だと言い切られると腹が立つっていうことも。夫の不倫の発覚、そして、不倫の慰謝料請求裁判をしたことで見えてきたのは、そういう自尊心の高さ、嫉妬深さ、そして、優越感を得るために不倫相手を見下すような驕りや、不倫相手に対抗意識を燃やす自己顕示欲の強さといった、自分で見たくない部分ばかりでした。

 そして後悔ばかりです。夫とその不倫相手との関係の深さを認めたくなくて、無理やりに引き剥がしたために、今度は彼らがより狡猾に密会するようになったこと。相手は捨て身になり、自殺未遂までして全身全霊で夫を引き留めようとしたことを「メンヘルこえー」とせせら笑い、かっこつけて余裕なポーズで、毎晩女友達と飲み歩いて、夫の気持ちが“かわいそうな愛人”に寄り添ってしまったこと――今さら後悔しても仕方ありませんが、やり直せるとすれば、最初の三者面談の時点で弁護士を入れて、「これ以上調子に乗ると、裁判するぞコラ」と、夫と不倫相手の両方に脅しを入れておけばよかったと思っています。

 なんせ、不倫といえども当人たち、もしくは片方が“純愛”気分に浸っている場合は「付き合っていて、何が悪いの? わたしたちは愛し合っているのに」と考えているのだから、その配偶者は、完全に愛を切り裂く邪魔者扱いなわけです。そんな相手にいくら話をしても無駄、こちらに与えられた権利を行使しつつ、ただ粛々としかるべき措置を講じていくことが、物事を解決するただひとつの方法だったと思います。

 そして、最後に言いたいのは、慰謝料請求裁判をして、よかったということです。自分の中でメラメラと燃えていた夫と不倫相手への怒りは、ほとんど消えましたし、身をもって「うちの妻は本気になったら怖い」と知った夫は、前よりもわたしや家庭を尊重するようになりました。相手の女性はきっと、今でもわたしのことを恨んでいるとは思いますが、それでも、自由になれて楽になったのではないか――とも、わたしは思っています。クリスマスやお正月といったイベントの日はもちろん、週末も、夜も朝も、自分が会えていない時はいつも別の女性(わたし)と過ごしていて、SNSでちょっと探れば、愛しい自分の恋人の隣で、周囲に“カップル”として認められて当然の顔をしている、その女性の姿が目に入る――そんな地獄から、ようやく逃れることができたのですから。

 全20回と長期にわたって、極私的な体験談を読んでいただいたことを感謝いたします。不倫の沼に浸かって溺れそうな方、旦那様の浮気で苦しんでいる方、ともに幸せな未来が訪れますように。
(まほ)

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「結婚して、家族になっても、やっぱり他人」夫が不倫相手に送った手紙の中身

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夫の不倫相手は現れぬまま慰謝料180万円で勝訴 しかし、まだ終わりではなかった

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Photo by Rae Allen from Flickr

 こんにちは、まほです。結婚4年目にして、夫の不倫が発覚。その日を境に、今まで送ってきた生活は、がらりと大きくありようを変えました。その顛末記です。

■第二回、第三回の口頭弁論日も被告は訪れず

 夫の不倫相手のさなえ(仮名)を相手取り、慰謝料請求裁判を起こしたものの、第一回の口頭弁論は、本人も代理人も欠席のまま終了しました。先方のご両親から裁判所に「体調不良で欠席する」という連絡が届いていたので、欠席判決を出されるのは困る、という考えはあるようですが、実際に本人か代理人が法廷に来ないことにはどうしようもありません。ひと月後に行われた第二回の口頭弁論も傍聴に行ったのですが、やはり被告側は誰も来ず、また、次回期日のスケジュール調整のみで終わり、そしてそのひと月後に行われた、第三回の口頭弁論日も、被告側は誰も訪れませんでした。

 しかし、その三回目の口頭弁論で、法廷には少し動きがありました。裁判官がこちらの弁護士に向かい、「あちらのご両親から、昨日、電話がかかってきて、『明日は裁判所に行くように言ったけれども、やはり体調が悪く、欠席になるかもしれない』とおっしゃっていたので『明日、欠席したら、その次は判決になります』と伝えておきました」というようなことを発言したのです。

■慰謝料の金額は180万円

 その場では、どういうことか理解ができず、家に戻ってから弁護士事務所に電話をかけて確認したところ、以下のような説明がありました。

・ひと月後の次回期日に判決が言い渡されること。
・相手方が反論しなかったために、おそらくは慰謝料が認められること。
・慰謝料の金額は判決をもって知らされること。
・通常の慣例で弁護士は判決を聞きに法廷には行かず、判決文は裁判所から取り寄せることになること。
・それまでに強制執行の準備をしていくこと。

 こうして箇条書きにすると簡素ですが、判決まで、またひと月待つ上に、弁護士は判決を聞きに行かず、裁判所から取り寄せるので数日かかるということです。やっぱり弁護士業ってサービス業ではないんだな、と再認識した次第です。

 どちらにしても「訴えが却下されることは、まずないだろう」とわたしも判断し、当日は法廷に足を運ぶことなく、判決の内容は、その2日後に届いた弁護士事務所からのメールで知りました。慰謝料の金額は180万円。「離婚しないケース」としてはかなり高額です。

 また、その理由として、「被告は原告の主張を争うことを明らかにしないので、事実を自白したこととみなす」こと。「原告が有する妻として権利を侵害し、夫婦関係の平穏を破壊する強度の違法性を帯び、不法行為(民法709条、710条)に該当するものであり、被告は原告に対し慰謝料の支払い義務を負う」と書かれていました。「強度の違法性」(!)自分で裁判を起こしておきながら、驚くのはおかしいかもしれないですが、不倫ごときでこんな言葉が使われるとは衝撃でした。

■事態は意外な展開を見せた

 というわけで、裁判することを決意してから、おおよそ、9カ月かけて、無事に勝訴したものの、強制執行しなければ、これはただの紙切れです。そして貯金から強制執行するには、相手方の口座のある銀行名と支店名が、職場の給料を差し押さえるには、職場の確定が必要となります。

 しかし、夫に「一緒にいる時に、銀行に行ったり、お金をおろしたことってなかった? あったとしたら、何銀行だった?」と問い詰めてみたものの「記憶にない」というなんとも心許ない返事ばかり。

 ならば、「銀行口座を作るとしたら、東京で初めてひとり暮らしをした街か、もしくは職場の近くの銀行であることが多いのでは」と、さなえの経歴を尋ねても「確か、学生時代は目黒のほうに住んでいて、学校は大田区のほうだったかな……正直、そういうこと、あんまり話さなかったから」と、なんともあやふやな答えをされるので、「ひょっとして、向こうをかばっているんじゃないか」という疑心もわいてきて、この頃は、かなり気持ちが離婚に傾いている時期でした。

 そんなふうに、勝訴したものの、心の晴れない日々を送っていた数日後、事態は意外な展開を見せました。通常、判決に不満がある場合、原告被告ともに、判決から2週間以内であれば、控訴(第一審の判決に対して不服がある場合に、上級の裁判所に対してその判決の確定を遮断して新たな判決を求める不服申立てすること)ができるのですが、なんと、さなえ側が、控訴を裁判所に申し立ててきたのです。そうなると、舞台を高等裁判所へと移して、再び裁判をやり直すことになります。一体何を考えているの……。
(まほ)

夫の不倫相手は現れぬまま慰謝料180万円で勝訴 しかし、まだ終わりではなかった

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Photo by Rae Allen from Flickr

 こんにちは、まほです。結婚4年目にして、夫の不倫が発覚。その日を境に、今まで送ってきた生活は、がらりと大きくありようを変えました。その顛末記です。

■第二回、第三回の口頭弁論日も被告は訪れず

 夫の不倫相手のさなえ(仮名)を相手取り、慰謝料請求裁判を起こしたものの、第一回の口頭弁論は、本人も代理人も欠席のまま終了しました。先方のご両親から裁判所に「体調不良で欠席する」という連絡が届いていたので、欠席判決を出されるのは困る、という考えはあるようですが、実際に本人か代理人が法廷に来ないことにはどうしようもありません。ひと月後に行われた第二回の口頭弁論も傍聴に行ったのですが、やはり被告側は誰も来ず、また、次回期日のスケジュール調整のみで終わり、そしてそのひと月後に行われた、第三回の口頭弁論日も、被告側は誰も訪れませんでした。

 しかし、その三回目の口頭弁論で、法廷には少し動きがありました。裁判官がこちらの弁護士に向かい、「あちらのご両親から、昨日、電話がかかってきて、『明日は裁判所に行くように言ったけれども、やはり体調が悪く、欠席になるかもしれない』とおっしゃっていたので『明日、欠席したら、その次は判決になります』と伝えておきました」というようなことを発言したのです。

■慰謝料の金額は180万円

 その場では、どういうことか理解ができず、家に戻ってから弁護士事務所に電話をかけて確認したところ、以下のような説明がありました。

・ひと月後の次回期日に判決が言い渡されること。
・相手方が反論しなかったために、おそらくは慰謝料が認められること。
・慰謝料の金額は判決をもって知らされること。
・通常の慣例で弁護士は判決を聞きに法廷には行かず、判決文は裁判所から取り寄せることになること。
・それまでに強制執行の準備をしていくこと。

 こうして箇条書きにすると簡素ですが、判決まで、またひと月待つ上に、弁護士は判決を聞きに行かず、裁判所から取り寄せるので数日かかるということです。やっぱり弁護士業ってサービス業ではないんだな、と再認識した次第です。

 どちらにしても「訴えが却下されることは、まずないだろう」とわたしも判断し、当日は法廷に足を運ぶことなく、判決の内容は、その2日後に届いた弁護士事務所からのメールで知りました。慰謝料の金額は180万円。「離婚しないケース」としてはかなり高額です。

 また、その理由として、「被告は原告の主張を争うことを明らかにしないので、事実を自白したこととみなす」こと。「原告が有する妻として権利を侵害し、夫婦関係の平穏を破壊する強度の違法性を帯び、不法行為(民法709条、710条)に該当するものであり、被告は原告に対し慰謝料の支払い義務を負う」と書かれていました。「強度の違法性」(!)自分で裁判を起こしておきながら、驚くのはおかしいかもしれないですが、不倫ごときでこんな言葉が使われるとは衝撃でした。

■事態は意外な展開を見せた

 というわけで、裁判することを決意してから、おおよそ、9カ月かけて、無事に勝訴したものの、強制執行しなければ、これはただの紙切れです。そして貯金から強制執行するには、相手方の口座のある銀行名と支店名が、職場の給料を差し押さえるには、職場の確定が必要となります。

 しかし、夫に「一緒にいる時に、銀行に行ったり、お金をおろしたことってなかった? あったとしたら、何銀行だった?」と問い詰めてみたものの「記憶にない」というなんとも心許ない返事ばかり。

 ならば、「銀行口座を作るとしたら、東京で初めてひとり暮らしをした街か、もしくは職場の近くの銀行であることが多いのでは」と、さなえの経歴を尋ねても「確か、学生時代は目黒のほうに住んでいて、学校は大田区のほうだったかな……正直、そういうこと、あんまり話さなかったから」と、なんともあやふやな答えをされるので、「ひょっとして、向こうをかばっているんじゃないか」という疑心もわいてきて、この頃は、かなり気持ちが離婚に傾いている時期でした。

 そんなふうに、勝訴したものの、心の晴れない日々を送っていた数日後、事態は意外な展開を見せました。通常、判決に不満がある場合、原告被告ともに、判決から2週間以内であれば、控訴(第一審の判決に対して不服がある場合に、上級の裁判所に対してその判決の確定を遮断して新たな判決を求める不服申立てすること)ができるのですが、なんと、さなえ側が、控訴を裁判所に申し立ててきたのです。そうなると、舞台を高等裁判所へと移して、再び裁判をやり直すことになります。一体何を考えているの……。
(まほ)

夫の不倫相手は裁判所に来なかった 慰謝料請求裁判の第一回口頭弁論

<p> こんにちは、まほです。結婚4年目にして、夫の不倫が発覚。その日を境に、今まで送ってきた生活は、がらりと大きくありようを変えました。その顛末記です。</p>