自分の“正しさ”へ導く女×拒む若い女――女の上下関係から見る『モナリザ・スマイル』

<p> 生徒にとって、学校の先生とは何だろうか。一言で言うと「自分の知らない何かについて熟知している者」だ。「自分の知らない何か」への欲望を生徒の中に掻き立て、それに向かってドアを開けさせることができないと、先生という立場は成り立たない。</p>

自分の“正しさ”へ導く女×拒む若い女――女の上下関係から見る『モナリザ・スマイル』

<p> 生徒にとって、学校の先生とは何だろうか。一言で言うと「自分の知らない何かについて熟知している者」だ。「自分の知らない何か」への欲望を生徒の中に掻き立て、それに向かってドアを開けさせることができないと、先生という立場は成り立たない。</p>

嫌われるのを厭わない女×いい子でいたい若い女――ふたりの女から見る『プラダを着た悪魔』

<p> 母と娘、姉と妹の関係は、物語で繰返し描かれてきました。それと同じように、他人同士の年上女と年下女の間にも、さまざまな出来事、ドラマがあります。教師・生徒、先輩・後輩、上司・部下という関係が前提としてあったとしても、そこには同性同士ゆえの共感もあれば、反発も生まれてくる。むしろそれは、血縁家族の間に生じる葛藤より、多様で複雑なものかもしれません。</p>

「必要とされる私」の関係妄想――ペット命な中年女性の心に潜む“望み”とは

<p> 今や子どもの数より、ペットの数の方が多いと言われる日本。犬だけを見ても、バブル期以降、さまざまな犬種が流行のブランドのごとく持てはやされてきました。ブームの陰で、無責任な飼い主のペット遺棄や増え続ける殺処分が問題になる一方、癒やし効果がアニマルセラピーとして医療の場で注目されていたりもします。かく言う私も今、二代目の柴犬を飼っております。</p>

「オーガニック野菜」「感性を磨く」まではいかなくても……ロハスな中年女性の欲求とは

<p> ロハス(lifestyles of health and sustainability)という言葉から、あなたはどんな人を思い浮かべますか? 環境問題に取り組んでいる企業の品物を買い、オーガニック野菜を食卓に欠かさず、自然系の洗剤を使い、手作りのドクダミ化粧水を愛用していて、身につけるものは天然素材だけ、ヨガを習い、ホメオパシーと食育に関心があり、地球温暖化を憂い、自己啓発セミナーに通っている。好きな言葉は「感性を磨く」「本物を見つける」「見えない世界」「本当の自分と出会う」「人生に必要なこと」「世界を変える」……。</p>

「手作りコサージュ」「スワロフスキーのブローチ」クラフトするおばさんに渦巻く欲求

<p> モノを創るのが大好きなおばさんは多い。また個人的な話から始めますが、結婚した当時、和裁の先生で縫い物全般が大好きな義母が、鍋つかみや鍋敷きや状差しやポーチなどをたくさん作ってくれました。気持ちはありがたいけど私の趣味とはちょっと違う、しかし「いりません」とも言えず……ということで、それらは半年くらいすると押し入れにしまい込まれ忘れ去られていきました。</p>

「おばさん」になりたくない――女と「おばさん」の分断と、地方都市の中年女性たち

<p> 同世代の友人と旅行先で、田舎町の喫茶店に入った時のことです。50代後半とおぼしき女主人がいて、気さくに話しかけてきました。「お客さんたちはどこから?」「名古屋から」みたいな会話です。帰る段になって友人が、一旦奥に引っ込んだ女主人に呼びかけました。「おねえさーん、お勘定お願いします!」。さすがだ。私は彼女の顔をまじまじと見つめました。こういう場面で「おばさん」を連呼してすごく厭な顔をされた、別の友人のことを思い出したからです。「おねえさん」なら角は立ちません。実際、その時の私たちから見れば、「お姉さん」と呼んでもいい年上の人だったわけだし。</p>