『Missデビル』木村佳乃の無駄遣いの理由が明らかになるも、設定に無理がありすぎ!?

 菜々緒が“悪魔”と称される冷徹な人事コンサルタント役を演じるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第8話が2日に放送され、平均視聴率7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 その前回ラスト、自宅で縣雄二(大高洋夫)に襲われた椿眞子(菜々緒)。どうやら眞子は、幼少期に父親が経営していたホテル・アックスが全焼し、その時に契約していた共亜火災保険の偽装により保険金が下りず。それを苦にして父親が自殺した、という過去があるようなのです。

 そして、その偽装に関わったのが、現社長の大沢友晴(船越英一郎)と現人事部長の伊東千紘(木村佳乃)、さらに当時、共亜火災と契約していた調査会社の社長・縣だったのです。

 眞子は彼らの不正を暴き、復讐を遂行するために共亜火災へ潜り込んだ。そして、不正の証拠となる写真を盗み出したために、縣が取り返しに来たというわけだったのです。

 というわけで今回は、眞子が縣に羽交い絞めにされ、喉元にナイフを突きつけられたところからスタートしたのですが、眞子は護身術を使い、あっさり撃退してしまいました。

 その翌日、斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)は眞子から、秘書部で新人研修を受けるよう命じられるのですが、そんなことより気になるのは同期の藤堂真冬(白石聖)のこと。真冬は、父・悟が倒れたため介護離職しようとするものの、悟からは退職を反対されて困っているというのです。

 真冬に密かに想いを寄せる博史は、親身になって相談に乗ろうとするのですが、「生ぬるい優しさ、イラっとする」と、逆に怒らせてしまう事態に。

 そんな折、父・修(鶴見辰吾)とケンカして家出した妹・茜(関屋利歩)が突然、会社に姿を現し、博史は驚き慌てます。すると、そこへ通りかかった千紘が、会長・喜多村完治(西田敏行)の部屋へ行くことを提案。そこで喜多村から、子を想う親の気持ちを諭されたため、茜は家に戻ることを決めるのですが、真冬の父親もまた、娘を想ってこそ退職に反対しているのではないかと気づき、博史は真冬のもとへ駆けつけます。

 真冬は博史の説得を聞き入れ、「ちゃんと仕事と向き合ってみる」と心変わり。この件は落着となりました。

 しかし、安心したのも束の間。眞子に呼び出された博史は、修と大沢が懇意であることや、会社ぐるみの陰謀に巻き込まれ、家族にも危険が迫っていることを知らされるのです。

 するとそこへ、ナイフを持った縣が再び登場するのですが、またもや眞子に返り討ちにされ、ハイキックでノックアウトされてしまいます。

 時を同じくして、会長室では喜多村と大沢と千紘の3人が面会。ホテル・アックスの件を含め、犯罪まがいのことをしている大沢を喜多村が咎めるのですが、大沢は逆ギレ。 日頃から喜多村が“社員は家族”を口癖にしているくせに、実の娘を捨てた過去があることを指摘した上で、その娘が千紘だと暴露するのです。千紘が、寝耳に水状態になったところで、今回は終了となりました。

 これまでの放送では、博史が研修先でトラブルに直面し、それを眞子が解決する、というのがお決まりのパターンでした。しかし今回は、真冬の離職問題がメイン。というよりも、眞子の過去の秘密も含め、いっぺんにいろいろな情報を詰め込み過ぎた結果、働き方改革に対して一石投じようとした前回以上に薄っぺらい回となってしまった印象です。

 結局のところ眞子は、修と大沢の関係を伝えたいがため、博史を秘書部へ送り込んだのだと思うのですが、よく大沢が許可したな、と不思議に思いました。大沢はすでに、眞子が復讐のため共亜火災に潜り込んだことに気づいている様子ですから、脇が甘すぎるんじゃないかと感じたのです。それとも、拒否したら怪しく思われると気を遣ったのでしょうかね。

 不用心なのは、縣に二度も命を狙われる失態を犯した眞子も同じです。ハイキックで成敗した後、博史の方を振り向き、「これでわかったでしょう? 明確な危機が迫っているんです」と、博史の家族の身に危険が迫り、用心するようキメ顔で諭すのですが、説得力は微妙。縣にしても、一度負けた相手に正面切って襲い掛かるという学習能力のなさ。なんだか笑えるシーンでした。

 しかし、なんといっても今回、一番の衝撃だったのは、千紘と喜多村の血縁関係の発覚。これまで千紘は、ちょこちょこっと出番がある程度だったので、木村佳乃の無駄遣いではないか、それほど名前の売れていない女優でもいいのでは? と思っていたのですが、こんな秘密があったんですね。ただ、これが物語にどのような影響があるのかよくわからない。とってつけたような設定にも思える。大体、西田敏行の娘が木村佳乃って、ドラマ内の設定とはいえ、かなり無理があるんじゃないですかね……。

 何はともあれ、残すところあと2回。眞子は復讐を遂げることができるのか、注目したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『Missデビル』木村佳乃の無駄遣いの理由が明らかになるも、設定に無理がありすぎ!?

 菜々緒が“悪魔”と称される冷徹な人事コンサルタント役を演じるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第8話が2日に放送され、平均視聴率7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 その前回ラスト、自宅で縣雄二(大高洋夫)に襲われた椿眞子(菜々緒)。どうやら眞子は、幼少期に父親が経営していたホテル・アックスが全焼し、その時に契約していた共亜火災保険の偽装により保険金が下りず。それを苦にして父親が自殺した、という過去があるようなのです。

 そして、その偽装に関わったのが、現社長の大沢友晴(船越英一郎)と現人事部長の伊東千紘(木村佳乃)、さらに当時、共亜火災と契約していた調査会社の社長・縣だったのです。

 眞子は彼らの不正を暴き、復讐を遂行するために共亜火災へ潜り込んだ。そして、不正の証拠となる写真を盗み出したために、縣が取り返しに来たというわけだったのです。

 というわけで今回は、眞子が縣に羽交い絞めにされ、喉元にナイフを突きつけられたところからスタートしたのですが、眞子は護身術を使い、あっさり撃退してしまいました。

 その翌日、斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)は眞子から、秘書部で新人研修を受けるよう命じられるのですが、そんなことより気になるのは同期の藤堂真冬(白石聖)のこと。真冬は、父・悟が倒れたため介護離職しようとするものの、悟からは退職を反対されて困っているというのです。

 真冬に密かに想いを寄せる博史は、親身になって相談に乗ろうとするのですが、「生ぬるい優しさ、イラっとする」と、逆に怒らせてしまう事態に。

 そんな折、父・修(鶴見辰吾)とケンカして家出した妹・茜(関屋利歩)が突然、会社に姿を現し、博史は驚き慌てます。すると、そこへ通りかかった千紘が、会長・喜多村完治(西田敏行)の部屋へ行くことを提案。そこで喜多村から、子を想う親の気持ちを諭されたため、茜は家に戻ることを決めるのですが、真冬の父親もまた、娘を想ってこそ退職に反対しているのではないかと気づき、博史は真冬のもとへ駆けつけます。

 真冬は博史の説得を聞き入れ、「ちゃんと仕事と向き合ってみる」と心変わり。この件は落着となりました。

 しかし、安心したのも束の間。眞子に呼び出された博史は、修と大沢が懇意であることや、会社ぐるみの陰謀に巻き込まれ、家族にも危険が迫っていることを知らされるのです。

 するとそこへ、ナイフを持った縣が再び登場するのですが、またもや眞子に返り討ちにされ、ハイキックでノックアウトされてしまいます。

 時を同じくして、会長室では喜多村と大沢と千紘の3人が面会。ホテル・アックスの件を含め、犯罪まがいのことをしている大沢を喜多村が咎めるのですが、大沢は逆ギレ。 日頃から喜多村が“社員は家族”を口癖にしているくせに、実の娘を捨てた過去があることを指摘した上で、その娘が千紘だと暴露するのです。千紘が、寝耳に水状態になったところで、今回は終了となりました。

 これまでの放送では、博史が研修先でトラブルに直面し、それを眞子が解決する、というのがお決まりのパターンでした。しかし今回は、真冬の離職問題がメイン。というよりも、眞子の過去の秘密も含め、いっぺんにいろいろな情報を詰め込み過ぎた結果、働き方改革に対して一石投じようとした前回以上に薄っぺらい回となってしまった印象です。

 結局のところ眞子は、修と大沢の関係を伝えたいがため、博史を秘書部へ送り込んだのだと思うのですが、よく大沢が許可したな、と不思議に思いました。大沢はすでに、眞子が復讐のため共亜火災に潜り込んだことに気づいている様子ですから、脇が甘すぎるんじゃないかと感じたのです。それとも、拒否したら怪しく思われると気を遣ったのでしょうかね。

 不用心なのは、縣に二度も命を狙われる失態を犯した眞子も同じです。ハイキックで成敗した後、博史の方を振り向き、「これでわかったでしょう? 明確な危機が迫っているんです」と、博史の家族の身に危険が迫り、用心するようキメ顔で諭すのですが、説得力は微妙。縣にしても、一度負けた相手に正面切って襲い掛かるという学習能力のなさ。なんだか笑えるシーンでした。

 しかし、なんといっても今回、一番の衝撃だったのは、千紘と喜多村の血縁関係の発覚。これまで千紘は、ちょこちょこっと出番がある程度だったので、木村佳乃の無駄遣いではないか、それほど名前の売れていない女優でもいいのでは? と思っていたのですが、こんな秘密があったんですね。ただ、これが物語にどのような影響があるのかよくわからない。とってつけたような設定にも思える。大体、西田敏行の娘が木村佳乃って、ドラマ内の設定とはいえ、かなり無理があるんじゃないですかね……。

 何はともあれ、残すところあと2回。眞子は復讐を遂げることができるのか、注目したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『シグナル』坂口健太郎の狂気vs渡部篤郎の悪どさが、最終回へ向けてドラマを盛り上げる!

 主演・坂口健太郎が回を追うごとに俳優として覚醒中のドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第9話が5日に放送され、平均視聴率7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 その前回、大山剛志(北村一輝)の白骨死体を発見した三枝健人(坂口)刑事は、大山の遺品の中から、焼き鳥屋『ふじよし』の名刺を見つけます。その店はかつて、兄・亮太(神尾楓珠)が井口奈々(山田愛奈)の暴行事件の濡れ衣を着せられ、少年院に収容された時、世間の目から逃れるため親戚の家へ引き取られた健人が、毎晩のように通った店だったのです。

 久しぶりに『ふじよし』を訪れた健人は、店のおかみ(濱田マリ)から、1999年当時、加害者遺族として肩身の狭い思いをしていた健人を、大山がこっそり陰から見守っていたことを聞かされ、胸を熱くさせます。

 そんな折、“過去とつながる無線機”によって、99年の世界を生きる大山と交信した健人は、暴行事件の捜査から手を引くよう懇願。兄の無実を証明して欲しいという気持ちはあるものの、大山がいずれ警視庁内部の陰謀によって殺されることがわかっているため、その未来を変えたいと思ったのです。

 しかし、正義感の強い大山は捜査を続行。やがて月日が経ち、少年院から退院した亮太から、暴行事件の真犯人を示す証拠が見つかったとの連絡を受けます。すぐに会いに行こうとするのですが、捜査会議が始まってしまったため、やむなく後回しにすることに。

 一方、上司の桜井美咲(吉瀬美智子)とともに暴行事件の再捜査を続ける健人は、今は結婚し母親になった井口奈々(映美くらら)のもとを訪問。すると奈々から、真犯人は都市開発会社社長の御曹司・小川であったことが明かされるのです。

 そして、さらに健人を驚かせたのは、少年院から退院した日に自殺したと思われていた亮太に、他殺の疑いが浮上したこと。まだ亮太が少年院にいた当時、手紙をもらった奈々の印象では、決して自殺するような文面ではなかったというのです。

 その証言を受けた健人は病院へ向かい、亮太が死んだ時の検死データを入手。そこには、明らかに他殺を示すような記録(意識を失うほどの精神安定剤&血液を固まりにくくする抗凝固剤の投与)が残っていたのです。

 実は暴行事件の裏側では、小川の父親が衆議院議員の野沢義男(西岡徳馬)に相談し、野沢と癒着関係にあった警視庁捜査一課の刑事部長・中本慎之助(渡部篤郎)が、亮太をスケープゴートに仕立て上げた、という工作があったのでした。

 そのことを健人はまだはっきりつかんでいませんが、警視庁内部に陰謀がうごめいていることは気づき始めているため、兄も警視庁の誰かに殺されたのでは? と疑い始めます。

 ちょうどその時、大山と無線機がつながるのですが、大山は今まさに亮太から証拠品を受け取りに行こうとしている時。つまり、亮太が殺される直前なのです。「兄を助けてください!」と、健人が懇願したところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、金持ちの息子を守るため、貧しい家庭の息子を犠牲にするという展開は、少し単純すぎる気がしないではないのですが、善悪それぞれのサイドの役者たちの演技が熱を帯びてきたため、クライマックスへ向けて盛り上がってきた印象です。

 まず、主人公・健人を演じる坂口ですが、これは前回のレビューでも書いた通り、回を追うごとに着実に表現力がアップしています。

 特に、狂気をはらんだ演技が秀逸。今回、高校時代の回想シーンで、兄がレイプ犯だということを同級生に馬鹿にされ、殴り掛かるシーンがあったのですが、目を見開き暴れる姿には脅威を感じました。色白なために感情が爆発した時に顔が紅潮して、リアルさが増す。今後は、冷徹な殺人犯みたいな役も見てみたいです。

 その健人の、時空を超えた相方である大山は、いわゆる人情派の刑事。これまでの事件でも、前科者たちに肩入れする姿を見せていましたが、その人間味のある人柄を北村が熱演しています。今回は、自分の死を予知しつつも、捜査に命を燃やす悲壮感みたいなものも感じられ、さらにキャラ立ちした印象でした。

 一方、ダークサイドの中本は、大山が自身の裏工作に気づき始めたことを知り、「こちら側にくるチャンスをやろう」と勧誘するなど、もはや本性を隠さないようになってきましたが、これを演じる渡部が見るからに悪どい。昨年放送されたドラマ『警視庁いきもの係』(フジテレビ系)で、ダジャレ好きな警部補役を演じていた時とは大違い。名優の振れ幅の広さというものを感じさせてくれます。

 残念ながら視聴率は振るいませんが、役者たちの熱のこもった演技は見ごたえあり。最終回を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『シグナル』坂口健太郎の狂気vs渡部篤郎の悪どさが、最終回へ向けてドラマを盛り上げる!

 主演・坂口健太郎が回を追うごとに俳優として覚醒中のドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第9話が5日に放送され、平均視聴率7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 その前回、大山剛志(北村一輝)の白骨死体を発見した三枝健人(坂口)刑事は、大山の遺品の中から、焼き鳥屋『ふじよし』の名刺を見つけます。その店はかつて、兄・亮太(神尾楓珠)が井口奈々(山田愛奈)の暴行事件の濡れ衣を着せられ、少年院に収容された時、世間の目から逃れるため親戚の家へ引き取られた健人が、毎晩のように通った店だったのです。

 久しぶりに『ふじよし』を訪れた健人は、店のおかみ(濱田マリ)から、1999年当時、加害者遺族として肩身の狭い思いをしていた健人を、大山がこっそり陰から見守っていたことを聞かされ、胸を熱くさせます。

 そんな折、“過去とつながる無線機”によって、99年の世界を生きる大山と交信した健人は、暴行事件の捜査から手を引くよう懇願。兄の無実を証明して欲しいという気持ちはあるものの、大山がいずれ警視庁内部の陰謀によって殺されることがわかっているため、その未来を変えたいと思ったのです。

 しかし、正義感の強い大山は捜査を続行。やがて月日が経ち、少年院から退院した亮太から、暴行事件の真犯人を示す証拠が見つかったとの連絡を受けます。すぐに会いに行こうとするのですが、捜査会議が始まってしまったため、やむなく後回しにすることに。

 一方、上司の桜井美咲(吉瀬美智子)とともに暴行事件の再捜査を続ける健人は、今は結婚し母親になった井口奈々(映美くらら)のもとを訪問。すると奈々から、真犯人は都市開発会社社長の御曹司・小川であったことが明かされるのです。

 そして、さらに健人を驚かせたのは、少年院から退院した日に自殺したと思われていた亮太に、他殺の疑いが浮上したこと。まだ亮太が少年院にいた当時、手紙をもらった奈々の印象では、決して自殺するような文面ではなかったというのです。

 その証言を受けた健人は病院へ向かい、亮太が死んだ時の検死データを入手。そこには、明らかに他殺を示すような記録(意識を失うほどの精神安定剤&血液を固まりにくくする抗凝固剤の投与)が残っていたのです。

 実は暴行事件の裏側では、小川の父親が衆議院議員の野沢義男(西岡徳馬)に相談し、野沢と癒着関係にあった警視庁捜査一課の刑事部長・中本慎之助(渡部篤郎)が、亮太をスケープゴートに仕立て上げた、という工作があったのでした。

 そのことを健人はまだはっきりつかんでいませんが、警視庁内部に陰謀がうごめいていることは気づき始めているため、兄も警視庁の誰かに殺されたのでは? と疑い始めます。

 ちょうどその時、大山と無線機がつながるのですが、大山は今まさに亮太から証拠品を受け取りに行こうとしている時。つまり、亮太が殺される直前なのです。「兄を助けてください!」と、健人が懇願したところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、金持ちの息子を守るため、貧しい家庭の息子を犠牲にするという展開は、少し単純すぎる気がしないではないのですが、善悪それぞれのサイドの役者たちの演技が熱を帯びてきたため、クライマックスへ向けて盛り上がってきた印象です。

 まず、主人公・健人を演じる坂口ですが、これは前回のレビューでも書いた通り、回を追うごとに着実に表現力がアップしています。

 特に、狂気をはらんだ演技が秀逸。今回、高校時代の回想シーンで、兄がレイプ犯だということを同級生に馬鹿にされ、殴り掛かるシーンがあったのですが、目を見開き暴れる姿には脅威を感じました。色白なために感情が爆発した時に顔が紅潮して、リアルさが増す。今後は、冷徹な殺人犯みたいな役も見てみたいです。

 その健人の、時空を超えた相方である大山は、いわゆる人情派の刑事。これまでの事件でも、前科者たちに肩入れする姿を見せていましたが、その人間味のある人柄を北村が熱演しています。今回は、自分の死を予知しつつも、捜査に命を燃やす悲壮感みたいなものも感じられ、さらにキャラ立ちした印象でした。

 一方、ダークサイドの中本は、大山が自身の裏工作に気づき始めたことを知り、「こちら側にくるチャンスをやろう」と勧誘するなど、もはや本性を隠さないようになってきましたが、これを演じる渡部が見るからに悪どい。昨年放送されたドラマ『警視庁いきもの係』(フジテレビ系)で、ダジャレ好きな警部補役を演じていた時とは大違い。名優の振れ幅の広さというものを感じさせてくれます。

 残念ながら視聴率は振るいませんが、役者たちの熱のこもった演技は見ごたえあり。最終回を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『Missデビル』は、まるでB級戦隊モノ? 残業アジトにショッカー社員、美女監禁……

 菜々緒が“悪魔”と称される冷徹な人事コンサルタント役を演じるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第7話が26日に放送され、平均視聴率7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.5ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)が椿眞子(菜々緒)から新人研修へ赴くよう命じられたのは、CFD(クライアント・ファースト・ディビジョン)。この部署は、結成わずか1年ながら、営業・契約・顧客サービスを一本化し、大きな業績を上げているエリート軍団なのです。

 さっそくCFDへ足を運んだ博史は、リーダーの甘露路慶治(袴田吉彦)を筆頭に、先輩社員たちの熱血ぶりを見て圧倒されてしまいます。その一方、膨大な仕事をこなしながらも、全員が定時退社していることに違和感を覚えるのでした。

 そんな中、博史の教育係・里中純(永岡佑)が突然倒れ、入院することに。里中は肝臓と腎臓に持病を抱えているものの通院せず、奥さんによれば残業続きとのこと。さらに、里中は目を覚ました途端、「PJ150をやらなければならないんだ!」と、何やら定時後にも業務を行っていることをニオわす発言をしたため、博史は、CFDがどこかに残業するための基地をもっているのではないかと疑いを抱きます。

 残業アジトを見つけだすため、博史は部署内を盗聴。その結果、CFDが社長室の予算で6,000万円もするPCサーバーを購入していることが発覚します。その送付先が、つまりは彼らの隠れ家ということで、博史はサーバーを梱包する木箱の中に入り、アジトに潜入捜査するよう眞子から命じられます。

 トロイの木馬作戦でなんとかアジトに潜入することに成功した博史。そこで目にしたのは、猛烈な仕事ぶりをみせる社員たちと、CFDを胡散臭いと考え潜入したものの捕らえられ、縄で縛られてしまった人事部長・伊東千紘(木村佳乃)の姿でした。

 一方、会社内で甘露路に残業アジトの存在を問い詰めた眞子も、不意打ちを食らって気絶させられ、アジトに連れ込まれて千紘と一緒に拘束されてしまいます。

 ここで甘露路は、最近世の中を賑わす働き方改革への不満の想いを吐露し、身を粉にして働くことこそが会社や国の発展につながると長広舌。そして、PJ150とは、10年後に創業150周年を迎える共亜火災が、業界トップであるためのプロジェクトなのだということを明かします。

 甘露路が滔々と演説する間、こっそり縄抜けに成功した眞子は、得意のハイキックを社員どもに浴びせまくり撃破。CFDを壊滅させ、一件落着となったのでした。

 しかし、安心したのも束の間。自宅へ戻った眞子は、こっそり忍び込んでいた謎の男に襲われ、首にナイフを突きつけられたところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、今回、里中が病院のベッドで突如として「PJ150をやらなければならないんだ!」と、狂気に満ちた表情でセリフを吐いた瞬間、嫌な予感がしました。というのも、このドラマではこれまで、一見ノーマルな人物が突然ヒステリックな演技を始めると、その後にムチャクチャな展開が待ち構えていたからです。

 で、やっぱりといいますか、その後はB級戦隊モノのような酷い流れに。残業アジトはまるで悪の組織の秘密基地のようで、そこで働くCFDの社員たちはさながらショッカーといったところ。まるで、と書きましたが、眞子と千紘を鉄パイプで撲殺しようとしてましたから、こいつらは本当に悪者でした。

 そんな罪を犯してまで秘密を守ろうとするPJ150とは一体何なのかというと、要は“24時間働けますか”のコピーが躍った時代に憧れを抱く甘露路が、それを再現するべく設立した組織だったのです。

 このドラマはいわゆるお仕事モノですから、昨今、国を挙げて取り組まれている働き方改革がテーマに組み込まれることは当然といえば当然。その切り口も多々あることでしょう。今回のようにアンチテーゼを投げかけるのもアリだとは思いますけど、それを訴える方法は他になかったんですかね。

 奇抜な展開のせいでメッセージ性が完全に希薄化。というより、ほぼコントを見ているようでした。甘露路が、「エジソンは、アインシュタインは、マハトマ・ガンジーは、土日は休ませてくれと、自分の都合で早退したいと言いましたか? いいや、言っていない。彼らが寝る間も惜しんで必死に働いたからこそ、今の豊かさが、人類の進歩があるんです」と熱く語ったシーンはウケ狙いにしか思えず、実際に笑ってしまいました。ちなみにアインシュタインは、1日10時間以上の睡眠をとるロングスリーパーだったという説があるみたいですね。

 何はともあれドラマは終盤へ突入。どうやら眞子は、幼少期に起きた火事が原因で共亜火災に対し恨みを抱いているらしく、今回ラストに登場した謎の男はその辺りの事情を握っている様子。クライマックスに向けて盛り上がっていくことを期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『シグナル』「カネもコネもない奴を生贄に……」警視庁が憤激してもおかしくない展開も、主演・坂口健太郎の好演が光る

 塩顔界のプリンス・坂口健太郎が主役を務めるドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第8話が29日に放送され、前回と同じく平均視聴率6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

(前回までのレビューはこちらから)

 その前回ラスト、三枝健人(坂口)刑事は、1999年に起きた女子高生集団暴行事件の真相を教えると、上司の岩田一夫(甲本雅裕)から連絡を受け、待ち合わせ場所へ。実はこの事件、健人にとって、実兄の加藤亮太(神尾楓珠)が濡れ衣を着せられ、その結果自殺に至った因縁があるため、真犯人に関する情報は喉から手が出るほど欲しかったのです。

 しかし、待ち合わせ場所には、腹部を刺され瀕死状態の岩田の姿が……というところで前回は終了し、今回はこの続きからスタート。岩田は、かつての部下・大山剛志(北村一輝)刑事を殺して裏庭に埋めた、といったようなことを仄めかすと、そのまま息を引き取ってしまいます。

 一方、1999年の世界では、女子高生の井口奈々(山田愛奈)が飛び降り自殺を図り、一命を取り留めたものの、集団暴行を受けたことを苦にしての行動だったことが発覚。刑事事件に進展し、大山が捜査に加わります。

 実はこの事件には、都市開発会社社長の御曹司が関わっていたため、その社長が衆議院議員の野沢義男(西岡徳馬)に相談。そして野沢は、自身と癒着関係にある警視庁捜査一課の刑事部長・中本慎之助(渡部篤郎)にうまく取り計らうよう依頼し、その結果として、カネもコネもない亮太が生贄として主犯に仕立て上げられてしまったのでした。

 過去と未来をつなぐ無線機によって、健人の兄が無実の罪で捕まったことを知っていた大山は、中本の裏工作に気づくのですが、肝心の奈々までもが亮太が主犯だという供述をしたため、お手上げ状態となってしまいます。

 一方、2018年現在の世界を生きる健人は、待ち合わせの直前、岩田が元暴力団員の岡本(高橋努)の別荘を訪れていたという情報を入手。上司の桜井美咲(吉瀬美智子)とともに、現地へ向かいます。

 そこで健人は、岩田が死に際に遺した言葉を思い出し、裏庭を捜索。不自然に土が盛られた場所を掘り起こし、白骨死体と大山の警察手帳を発見したところで今回は終了となりました。

 さて感想。今回は、今まで小出しにされてきた健人の兄の情報が一気に明かされる回となったのですが、権力によって無実の人間をスケープゴートにする、という展開は、あまりに警視庁を貶めて描き過ぎなのではないかと感じました。

 オリジナルドラマが製作されたお隣の国ではいざ知らず、日本が舞台だとリアリティーに欠けるような気もします。また、都市開発会社の社員の息子たちを暴行事件の犯人に仕立て上げ、亮太が主犯だと供述するようけしかけた、中本の裏工作も雑過ぎ。警視庁が憤激してもおかしくない展開でした。

 ストーリー的にも安直すぎますよね。この先、クライマックスに向けて勧善懲悪の流れになっていくのが予想できます。大山が無実を証明することで亮太は自殺をせず、現在の世界でも健在。健人の心の闇が晴れてハッピーエンド、といったところでしょうか。

 お決まりのレールに沿うような進行。そして、話を円滑に進めるための都合のいい演出は、健人が岡本の別荘を捜査したシーンでも発揮されていました。捜査令状を取っていなのに勝手に入り込んでいたのです。これって、完全に不法侵入ですよね。しかも、手袋をつけずに白骨死体を掘り起こすという愚まで犯していました。

 脚本や演出に粗が目立つ一方、坂口健太郎の好演ぶりは光っていました。今回、亮太の自殺死体を発見してしまった幼少期や、兄が濡れ衣を着せられたことを知る高校生時代など、暗い過去を振り返るシーンがあったのですが、悲しみ・怒り・憎しみといった負の感情、それを抱えつつ真実を暴き出そうという意思の強さなどが感じられる演技を、しっかり披露していました。

 坂口にとって本作が、連続ドラマ初主演作となるのですが、正直なところ、ドラマが始まった当初は、まだその器ではないと感じました。たどたどしい演技が目立ち、ストーリーの流れを阻害してしまうこともしばしばあったのです。

 しかし、回を追うごとに表現力が増したため、健人というキャラクターに次第に血が通い、感情が奥深くなっていくのが感じられました。刑事として一人前になっていく健人同様、坂口も役者として急成長した印象で、まだまだ伸び代もありそうな予感がします。

 ドラマも残すところあと僅かですが、坂口がさらに健人のキャラクターをモノにし、クオリティの高い演技を見せてくれることや、筆者が予想した展開を、いい意味で裏切ってくれることを期待しつつ、次週放送を待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『Missデビル』視聴率大幅アップ! 菜々緒、篠田麻里子を“引き立て役”に「超絶スタイル」アピール大成功!

 悪女女優の代表格・菜々緒が“悪魔”と称される冷徹な人事コンサルタント役を演じるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第6話が19日に放送され、平均視聴率9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から2.1ポイントの大幅アップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)が椿眞子(菜々緒)から新人研修へ赴くよう命じられたのは、宣伝広報部。いつものようにリストラ対象者を探せ、という裏ミッションはなく、ただ「勉強、頑張ってください」とだけ言われ、送り出されます。

 その宣伝広報部では現在、部長の寺田(湯江タケユキ)が音頭をとり、社内で取り入れている「子育て支援制度」を対外向けに積極的にPR中。秋に産休を取得予定の吉武唯香(篠田麻里子)がワーキングマザーのモデルケースとなり、テレビ局の密着取材を受けているのです。

 寺田は吉武の体を気遣い、業務の負担を少なくするよう取り計らうのですが、それが行き過ぎているため、課長の湊(坂本三佳)をはじめとする女性社員たちからは不満の声が噴出。これが吉武のストレスになり、ある日、彼女は貧血で倒れてしまいます。

 ギスギスした空気を感じ取った博史は、寺田をリストラするよう眞子に直訴するのですが、眞子はこれを撥ねつけて宣伝広報部へと向かいます。そして、吉武に面と向かい、旦那の収入だけでも十分に生活できることを指摘。自主退職するよう勧めるのです。

 これに対して吉武は呆然とし、寺田は「おいおい、何を言ってるんだ」とばかりに憤慨。そんな中、吉武が密着取材を受けたニュース番組の生放送が開始されるのですが、途中から突然、画面が共亜火災で隠し撮りされた映像に切り替わります。そこには、退職を願い出た吉武に対して産休を強要したり、吉武に余計な仕事を回さぬよう湊を叱りつける寺田の様子がバッチリ映っているのです。

 これが眞子の仕業だと勘づいた寺田は逆ギレ。眞子に襲い掛かるのですが、カウンターのハイキックを食らいノックダウンされてしまいます。そして、吉武は当初の願い通り退職することになり、一件落着となったのでした。

 さて感想。これまでの放送では、新入社員に軍隊ばりのハードな研修を強いるなど、時代錯誤感が漂う設定が少なくなかったのですが、今回はマタニティー・ハラスメントが題材。今までに比べて現代的なテーマが取り扱われた回となりました。メディアを賑わす社会問題を安易に主軸に置いただけ、という感は否めなかったのですが、それはさておき、目を惹く演技を見せたのは寺田役の湯江タケユキでした。

 前半部分での、部署内のピリピリした空気を読めない感じや、テレビ映りを気にする能天気さは、見ていて思わず笑ってしまうおかしさがありました。吉武が貧血で倒れた後、他の女性社員たちに向かって、「彼女のストレスの原因は、君たちが1番わかってるだろ!」と憤慨するシーンがあったのですが、「お前だろ!」とツッコミを入れた視聴者は少なくなかったのではないでしょうか。

 決して身近にいて欲しくはないけれど、傍から見る分には楽しめる。眞子に化けの皮が剥がされるまで、寺田はそんなキャラクターでした。それだけに、結局は何もかも点数稼ぎのためだったという事実はちょっと残念。愛すべき鈍感野郎のまま他部署への異動なりなんなりの処分が下される展開にして欲しかったです。

 その寺田に対して見事なハイキックを決めた眞子役の菜々緒に関しては、前回あたりから良い意味で悪ふざけができるようになってきた感じがします。“人事の悪魔”と称される、非現実味の強い眞子のキャラクターづくりを楽しんでいるようです。

 例えば、眞子はアメリカ帰りのスーパーキャリアウーマンという設定で、それを意識して初回から厚化粧を施しているのですが、回を追うごとに濃さが増しているように思える。メイク室で、「もっと盛ってしまえ」と悪ノリする姿が目に浮かぶようです。

 また、お得意のハイキックに関しても、今回は寺田が宙を舞い床に倒れるという派手な演出で、もはやコントのよう。このお仕置きタイム、毎回ラストに用意されていますが、眞子には治外法権が適用されているんですかね。普通だったら暴行罪で捕まりますよ。

 強さを見せる一方、セクシーな衣装に身を包んでのお色気アピールも忘れません。そのスタイルの良さは超絶的で、今回、AKB48時代にビジュアル担当だった篠田麻里子がゲスト出演しましたが、まったく比べ物にならない。篠田はセリフも少なく、菜々緒の引き立て役としてオファーされたのかと勘繰ってしまいました。

 そんな眞子は、どうやら共亜火災への復讐を企て潜入したようで、まだまだミステリアスな部分が多い。菜々緒のキャラづくりにも注目しつつ、次週からの展開を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『シグナル』吉瀬美智子、あっさり復活もストーリーに関係ない人物は死んでしまうご都合主義な展開に……

 坂口健太郎が主役を務めるドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第7話が22日に放送され、平均視聴率6.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.2ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回に引き続き、1998年に起きた連続窃盗事件を捜査する三枝健人(坂口)刑事は、その当時、誤認逮捕された工藤雅之(平田満)に改めて事件を振り返るよう促します。

 すると工藤は、窃盗事件の直前、被害者宅の息子・白石智弘(白石隼也)とトラブルを起こし、その際に白石邸の郵便受けに触れたことを思い出します。結果的に、この指紋と智弘の目撃証言によって、工藤は濡れ衣を着せられるハメに陥ってしまったのでした。

 このことを知った健人は、過去と交信できる無線機を使い、当時の世界を生きる大山剛志(北村一輝)刑事に連絡します。大山は智弘の身辺を嗅ぎ回り、盗品を見つけ出すことに成功。智弘を逮捕するのですが、智弘の父親とつながりのある衆議院議員・野沢義男(西岡德馬)が警察に根回しし、不起訴処分になってしまいます。

 一方、過去が変わったことで、前回殉職した健人の上司・桜井美咲(吉瀬美智子)が復活し、工藤は収監中に病死と、2018年現在の状況が一変します。

 不完全燃焼ながらも事件が終結したことで、健人は大山の現在の行方を追うことに。すると、大山は1999年に起きた女子高生集団暴行事件の捜査中に行方不明になったことが判明します。

 実は、この事件で主犯の疑いをかけられ逮捕されたのは、健人の兄・加藤亮太(神尾楓珠)だったのです。亮太は、この事件をきっかけに自殺。その運命を変えるべく、健人は事件を洗い直そうと動き出します。

 そんな折、上司の岩田一夫(甲本雅裕)から、集団暴行事件の真相を教えるとの連絡が。どうやら岩田は、この事件の真相を知っている様子なんですね。けれど、病気の娘の治療費を刑事部長の中本慎之助(渡部篤郎)に出してもらう代わりに、今までは口をつぐんでいた。しかし、その娘が病死したため、健人に事件の真相を明かそうと決意したようなのです。

 兄の自殺と大山の失踪を食い止められるかもしれない。健人は逸る気持ちを抑え、岩田に指定された待ち合わせ場所へと向かうのですが、そこには腹部を刺され瀕死状態の岩田の姿があり、今回はここで終了となりました。

 さて感想ですが、前回殉職した美咲が復活した一方、工藤に関しては、娘が焼死した事件で偶然居合わせた矢部英介(小須田康人)を逆恨みし、刺殺。逮捕されて収監中に病死と、なんだか後味の悪い、というよりもメインキャラだけが助かればそれで良し、といったご都合主義な展開になりました。

 美咲の再登場にしても、ずいぶんとあっさりしてたなぁと。健人との絆を深めるため、前回で死ぬ展開にしたと思うのですが、あまり効果はなかったように思います。“リセットボタンを押せば生き返る”式で、命の尊厳が感じられず、ドラマが薄っぺらくなってしまった印象すらあります。この先、誰かが死んでもどうせ助かるだろ、という目で見てしまいますからね。

 都合の良い展開に関していえば、大山の捜査もかなり強引で、リアリティーが薄い。智弘の車の中を令状もなしに勝手に調べ、事情を知る白石家の使用人と盗品を署へ運び、「証人と証拠が見つかりました!」とドヤ顔をしていましたけど、完全に違法捜査なんじゃないですかね。

 描き方が雑な点は、健人の言動にも表れていました。冒頭、健人は窃盗事件の真犯人を見つけ出すため、工藤に当時の記憶を思い出すよう頭を下げて頼むシーンがあったのですが、たとえ殺す意思がなくても、工藤は美咲が死ぬきっかけをつくった人物です。それなのに、よく下手に出られたものだなぁと驚いてしまいました。

 これが、美咲を救うために割り切っての我慢、工藤に見えないところでは怒りと悔しさでこぶしをぎゅっと握りしめる、といったワンカットでも挿入されていれば、まだ理解できたと思います。けれど、健人はまるで丁重にもてなすように工藤と語らっていたため、どうしても違和感がありました。とても健人の心情面を考えた上でのシーンとは思えませんでした。

 ディテールに粗さは目立ちますが、無線機でつながれた大山と健人が、お互いに人生のターニングポイントとなった事件へと導かれていく展開は見応えがありますし、この先が楽しみでもあります。

 また、この事件の背景にはどうやら、警視庁上部の陰謀が蠢いている様子でもあり、クライマックスに向けて徐々にエンジンがかかってきたのではないでしょうか。視聴率的には苦戦続きですが、挽回を期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『Missデビル』社長を殺そうとした新入社員を放し飼い&人質事件発生で社内は無法地帯化……

 9頭身のスーパースタイルを誇る菜々緒が、“悪魔”と称される冷徹な人事コンサルタント役を演じるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第5話が12日に放送され、平均視聴率7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.4ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 その前回ラスト、共亜火災保険の新入社員・南雲陽一(前田航基)が、社長の大沢友晴(船越英一郎)をナイフで襲う、という事件が発生。その背景には、南雲が幼少期、父親が営む工場が全焼した際に共亜火災から保険金が下りず、その結果として倒産に至った経緯があることが発覚します。

 そして、その時の調査担当者が大沢だった。つまり南雲は、大沢を逆恨みし、復讐するために入社したのです。

 会社側は再調査を行うのですが、やはり共亜火災には非がなかったことが判明。しかし、社のイメージダウンを考慮し、南雲には何も処分を与えず雇用継続することを決定。これに対して南雲は、このまま会社に留まっていいものなのかどうか悩んでしまうのです。

 一方、人材活用ラボに所属する斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)は、上司の椿眞子(菜々緒)から、審査部で新人研修を受けつつ、同部部長・瀬登広幸(小林隆)をリストラする理由を探ってくるよう言い渡されます。

 しかし、瀬登は温厚な性格で部下からの信頼が篤く、仕事も人一倍こなす。リストラする理由なんて見当たりません。それに加えて博史は、南雲のことが気になって仕事に集中できないのです。

 それを見かねた眞子は、瀬登と博史を召集。瀬戸が暴力団と接触し、不正な取引をしていた証拠写真を突きつけ、「あなたにはこの会社を辞める権利があります」と、自主退職を迫ります。

 追い詰められた瀬登は逆上し、博史にナイフを突きつけて人質にとってしまうのですが、眞子はいたって冷静。瀬登にペンを投げつけ、ひるんだところへすかさずハイキックをお見舞いし、一件落着してしまいます。

 命の危険にさらされたものの、気の良い博史は、瀬登が退職後にどうしているか気になり、家を訪れます。すると意外にも、瀬登は晴れやかな表情。実は狭心症を患い、働き続けていれば命が危なかったこと、会社から離れたことで「狭い場所ばかり見てた」ことに気づいたというのです。

 瀬登の姿に触発された博史は、その足で南雲のもとへ。そして、「あなたにはこの会社を辞める権利があります」と、眞子の真似をして退社を促し、南雲がこれを呑んだところで今回は終了となりました。

 さて感想。前回ラスト、それまで陽気なキャラクターとして登場していた南雲が、突如として殺人未遂を犯すという雑な展開を迎えましたが、今回も粗だらけで酷かったです。いくら社のイメージを損ないたくないとはいえ、南雲に対して何のお咎めもなしなんてあり得ません。大沢からしてみれば、自分の命を狙う殺し屋を放し飼いにするようなものなんですよ。

 で、会社のこの決定に対して南雲は、「飼い殺しもいいとこだよ。未来ゼロ」と頭を抱えるのですが、社長室でナイフを振り回す狂気を演じた人間が何をほざくのかと唖然としてしまいました。すべて覚悟の上で襲ったんじゃなかったんですかね。未来を憂う資格なんてないと思うのですが。そもそも、復讐するだけのために、わざわざ入社する必要があったのでしょうか。

 南雲事件だけでも衝撃的でしたが、今回はさらに意味不明な展開が上乗せされました。瀬登による博史人質事件です。

 まず疑問だったのが、瀬登いわく「ずいぶん前」に起こした暴力団との不正取り引きの証拠写真を、共亜火災につい最近雇われたばかりの眞子が持っていた点。さらに、眞子がこの証拠を突きつけ、瀬登に退職を迫った時の、「やめてください。ひどいじゃないですか」という、眞子に向けた博史のセリフもワケがわかりませんでした。

 博史としては、仕事人間の瀬登から生き甲斐を奪わないで欲しい、という意味で放った一言だったようですが、すでに瀬登が不正を犯したことを認めた後でのこのセリフは明らかにおかしい。

 さらに滑稽だったのは、博史が人質にとられてからの瀬登と眞子のセリフの応酬。「俺から仕事を奪わないでくれよ」と訴えた瀬登に対して眞子は、「ダメに決まってます」と、冷静沈着に答えたんですね。

 すると瀬登は泣きそうになりながら、「悪魔!」と吐き捨てたのですが、これがまるで、デパートで子供が玩具をねだり、「余計なものは買いません」「ケチ!」とやり合う親子のような雰囲気だったため、緊迫したシーンのはずがコントのようになってしまっていました。

 殺人未遂が立て続けに2件起こり、社内は無法地帯化。このドラマは一体、どこへ向かうのでしょうか。強引に軌道修正してくるのか、あるいはさらにとんでもない展開が待ち受けているのか。怖いもの見たさで、次回を待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『シグナル』主演・坂口健太郎の演技力が急成長するも、説明不足の雑な脚本のせいで台無しに……

“塩顔界のプリンス”こと坂口健太郎が、主役として覚醒し始めたドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第6話が15日に放送され、平均視聴率5.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.0ポイントダウンとなってしまいました。

 その前回、三枝健人(坂口)刑事は、過去とつながる無線機を使い、1998年の世界に生きる大山剛志(北村一輝)刑事に対し、本来ならば未解決の連続窃盗事件について助言。これによって、工藤雅之(平田満)の誤認逮捕を招いてしまいました。

 そして、過去が変わってしまったため、現在の世界で出所したばかりの工藤が、矢部香織(野崎萌香)という女性を誘拐する事件が発生。98年に一体何が起こったのか、なぜ工藤は香織を誘拐したのか、という謎を残したまま、前回は終了となりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回は、大山が工藤の身辺を調査するところからスタート。大山は、健人から受けたアドバイスをもとに被害者宅の郵便受けを調べ、そこから工藤の指紋を検出。さらに、被害者宅の息子・白石智弘(白石隼也)の目撃証言によって工藤の逮捕を決断し、警察署へと護送します。

 署に到着した大山は、ロビー内のテレビに流れるニュース映像に注意を引きつけられます。そこに映るのは、交通事故で火事になり燃え盛るバス。よく見るとその車内には、工藤の娘・和美(吉川愛)の姿があるのです。

 そして、このバスに同車していたのが、香織とその父親の英介(小須田康人)だったのです。2人は助かったものの、和美は爆発に巻き込まれて焼死。その様子をニュース映像で見た工藤が、英介にも娘を失うつらさを味わわせてやりたい、という恨みを抱き、今回の誘拐事件を引き起こしたのでした。

 そのことに気づいた健人は、工藤が香織を殺すのは20年前の事故現場に違いないと直感。すぐにその場所へと向かいます。すると、橋の上に佇む工藤の姿を発見。すぐに逮捕するのですが、工藤の視線の先を追うと、駐車場に停車した冷凍トラックに駆け寄る英介の姿が。そしてそこへ、健人の上司・桜井美咲(吉瀬美智子)が到着し、英介を制止してトラックの荷台のドアを開けます。

 その様子を橋の上から眺めていた健人は、工藤が刑務所で電気技術を学んだことを思い出し、これは罠だと察知。美咲のもとへ駆け出すのですが、時すでに遅し。荷台の中の電気スイッチを押した瞬間に爆発が発生し、美咲は焼死してしまうのです。

 美咲の死に責任を感じた健人は、窃盗事件の真犯人を捕まえるべく、捜査資料を洗い直すことに。すると、被害者宅の息子たちがいずれも、同じヨットクラブに所属していたことが判明します。

 そして、無線機によってそのことを知らされた大山が、工藤の目撃証言をした白石に対して疑心を抱いたところで今回は終了となりました。

 さて感想。前回のレビューに、坂口健太郎の演技が徐々に覚醒してきたと書きましたが、今回はさらに成長ぶりが感じられました。特に、美咲の焼死後、署内にある机や私物品を処分するよう命じてきた上司の岩田一夫(甲本雅裕)に対して、「冷たすぎるでしょ!」と食ってかかった時の演技。岩田への怒りだけでなく、不甲斐ない自分自身への憤りも伝わってきました。

 そんな健人の抗議に対して涙目になり、必死に感情を抑える岩田の演技も良かった。岩田は美咲との付き合いが健人よりも長く、当然つらいわけなんですね。現場にいたのに助けられなかった健人への怒りもある。ただ、それをグッと飲み込む。ほんの数秒足らずでしたが、役者同士の火花が散った名シーンでした。

 ただ、演者たちのせっかくの好演も、脚本のせいで台無しになってしまった印象です。というのも、工藤が矢部親子に憎悪を抱いた理由がよくわからない。説明が不足しすぎている。今回の放送からそのまま読み取ると、バス爆発事故で自分の娘は死んだのに彼らは救出された。だから憎い、ということになるのですが、これが20年にもわたる服役期間中ずっと、恨みを持ち続ける動機になりますかね。

 これが例えば、矢部親子が和美を押しのけて助かったのならまだわかります。ただ、ニュース映像を見る限りでは、そんな様子もなかった。本当にただ偶然、同じバスに乗車していたにすぎなかったのです。矢部親子からすればとばっちり以外のなにものでもないですし、その結果、死んでしまった美咲こそ浮かばれません。

 しかし次回、その死を“白紙”にすべく、健人が窃盗事件の真犯人逮捕に全力を尽くすとのことで、果たして美咲の運命は変わるのか。過去を変えるとそれが現在に反映される、という特殊な設定を活かし、ドラマの面白みが増すかどうかのターニングポイントにもなると思うので、注目したいと思います。
(文=大羽鴨乃)