『家売るオンナの逆襲』ぶりっこワーキングマザーにゲス不倫を企むスーパーの店長……鬱陶しいキャラ祭りに?

 北川景子が不動産業界を舞台にスーパー営業ウーマンを演じるドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)の第7話が20日に放送され、平均視聴率11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイントダウンとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、輝く女性社員の活躍をPRするために会社が立ち上げた『ウーマンプロジェクト』のメンバーに選ばれた三軒家万智(北川)は、企画開発課でキャリアを築く朝倉雅美(佐藤江梨子)、子ども2人を育てながら働く宇佐美サキ(佐津川愛美)と打ち合わせを行うことになります。

 ところが、時短勤務のサキは会議の途中で帰宅。結婚しているものの子どもをつくらずキャリアアップを優先する雅美には、仕事をないがしろにするような態度が許せません。2度目の会議でもサキは途中で席を外したため、雅美との溝は深まるばかりとなってしまいます。

 そんな中、万智が雅美に新居として紹介した物件が、フリーランスの不動産屋・留守堂謙治(松田翔太)からサキが仲介された物件とダブっていることが発覚。2人ともその物件が気に入り、仕事上でのイザコザもあいまって、お互いに譲ろうとしません。

 というわけでいろいろと話し合った結果、万智と留守堂のボーリング対決によって、購入権を争うことになるのですが、万智はボーリングがド下手。かつての部下・白洲美加(イモトアヤコ)にコーチを頼み、「ウンチ(運動音痴)野郎」などと罵られながらも猛特訓を重ねます。

 そして迎えた決戦。万智は僅差で勝利し、雅美が新居を手に入れます。敗れてしまったサキは、仕事と子育てが両立できる物件をまたイチから探さなければならなくなってしまうのです。

 しかし万智は、サキへのフォローも忘れません。サキの旦那の会社に新しく託児所ができることを調べ、その会社に近い物件をサキに紹介。子育ては女性だけでなく男性も負担すべきだと提案することで、家を売ることに成功するのでした。

 一方、仕事に邁進する万智に構ってもらえず寂しさを抱えていた夫・屋代大(仲村トオル)は、美加がパート勤めするスーパーマーケットの店長・三郷楓(真飛聖)への浮気心を抱き始めます。その異変を万智が察知し、夫婦間に不穏な空気が流れたところで今回は終了となりました。

 今回、雅美とサキの衝突を他人事ではないと感じた視聴者は少なくなかったかもしれません。ワーキングマザーが途中で仕事を切り上げて帰ってしまい、その分のフォローをしなければならなくなった場合、他の社員の不満は募り、ギスギスした空気が流れたりもするでしょう。

 ただ、サキの方を一方的に悪く描いていた気がしてならないんですよね。長引きそうだと予想できる会議を業務が終了する30分前にスケジューリング。雅美の提案にケチをつけ、反対するなら自分の案を出すよう言われたところで逃げるように帰ってしまう。おまけにオーバーなほどのぶりっこキャラでした。

 その一方、雅美に関しては特に悪い部分は描かれず。『キャリアウーマンVSワーキングマザー』がテーマのハズなのに、視聴者が雅美の肩をもつよう自然に促すかのようなアンフェア感が漂っていました。

 また、万智が最後にサキに物件を紹介した際、「女性だけが家庭と仕事の両立をしなければいけないのはおかしい」と語ったセリフについては、なるほど、その通りだと思ったのですが、そもそもサキが家庭の仕事を背負いすぎなのではないでしょうか。

 序盤、子ども2人を引き連れてマンションの内覧をしていたため、てっきりシングルマザーなのかと思いました。最後にとってつけたように旦那が登場しましたけど、家庭のことに無頓着なのか発言権がないのかイマイチ立ち位置がわかりません。オープニングシーンのナレーションにおいて、男性の遺伝子に含まれるY染色体が衰えつつあるとの情報が流れましたが、あるいは家父長制の逆転現象が裏テーマだったのですかね。

 万智と屋代の関係においては、主導権を握っているのは完全に妻の方ですが、そこへ割って入ろうとする楓の中途半端に嫌なオンナ感はなんなのでしょうか。前回、スーパーの店内で美加が積み上げたサバ缶の山が崩れ、屋代に助けてもらったことが縁となり急接近。今回、美加に連れられ、屋代の馴染みのバーへやって来た時には、美加から不倫を唆されて否定したのですが、「じゃあ、なんでノコノコついて来たんだ?」と、観ていてイラっとしてしまいました。

 しかもその後、屋代を自分から食事へ誘い、ゲス不倫を画策する腹黒さを露呈するのですが、キャラクターの背景がちっとも見えてきません。40歳(ぐらい?)でスーパーの店長。独身? バツイチ? 万智と屋代の仲を掻き乱すためだけに用意されたコマといった感じで血が通っていないため、魔性のオンナにもなりきれずといった感じなのです。

 美加に関しては、役というよりもイモトアヤコそのまま。ひとりだけコントを披露といった感じで姿を見せるたびにウンザリするのですが、これにプラスして今回のサキのようなぶりっこが登場すると、鬱陶しいキャラのお祭り状態となり、観ていてかなりストレスが溜まります。

 しかも、次週のゲストは泉谷しげる……。視聴者が辟易するような役柄&ストーリー展開にならないことを祈りたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『刑事ゼロ』こじつけの嵐で失笑の結末! 『科捜研の女』の箸休め的な作品に?

 沢村一樹が記憶喪失になってしまった刑事役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第6話が14日に放送され、平均視聴率11.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.6ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)が捜査することになったのは、進学校として有名な私立中学の校長・須藤公彦(阪田マサノブ)が、雑居ビルの屋上で刺殺された事件。犯人と思われる女(森口瑤子)は、屋上から飛び降り自殺を図り、一命を取り留めたものの事件時の記憶がすっぽり抜け落ちてしまったのです。

 DNAや指紋のデータベースはなく、女の素性はまったく不明。ただ、遺体に突き刺さったナイフには、彼女の指紋がべったり付着していたため、時矢の同僚の福知市郎(寺島進)らはさっさと送検してしまおうと言い出します。

 しかし、自らも記憶喪失になり、その苦しみを知る時矢は、徹底的に捜査したいと直訴。バディを組む新人刑事の佐相智佳(瀧本美織)とともに、本格的な捜査に乗り出します。

 そして、容疑者の女が地理にやたら詳しいことから、タクシードライバーだったのでは? と推測して調査を開始した結果、ケータリングカーの販売員として働いていたことが判明します。そこから住所を調べ向かったところ、部屋の中には須藤の身辺を事細かに調査した資料や、それぞれ名前の違う弁護士や記者名義での名刺が見つかるのでした。

 また、須藤が1年前まで勤めていた全寮制の私立中学校において、母子家庭で育った生徒が投身自殺したことも判明。医師をしているという、『真崎薫』という名前の母親が容疑者の女なのでは? と智佳がタブレットで調べたところ、まったく別人の画像が検索されます。

 しかし、容疑者の女と同じく、その画像の女性の首にも大きなホクロがあることから、時矢は薫が整形したのではないかと推測します。そしてその線で捜査を進めた結果、薫は息子がイジメによって自殺したのではないかと疑い、顔を変えて生徒たちに調査をしたことや、須藤が箝口令を敷いたことによってイジメが隠蔽されたという情報を掴み、強い憎しみを抱いていたことが判明します。

 ところが、街中の防犯カメラの映像などから、須藤と同じ学校に勤務する女教師・関口成美(舞羽美海)が、須藤に脅されて交際を迫られた挙句、刺殺したことが発覚。その情報を聞いた薫の脳裏に、成美が須藤を殺す現場に居合わせたことや、息子の復讐を果たしたい一心で、須藤の腹に突き刺さったナイフの柄を持ち遺体を傷つけた記憶が蘇ったところで、今回は終了となりました。

 今回のケースは、記憶喪失で苦しむ時矢と容疑者とをシンクロさせた展開となったのですが、記憶を失う設定ありきだったためか、終盤はこじつけのオンパレードといった感じがしました。

 何より、薫の行動に疑問点が多かったです。成美が須藤を刺した姿を見て、“先を越された”とばかりにナイフの柄を握りしめるぐらい憎しみが強いのであれば、とっくに刺殺していたんじゃないですかね。それと、この時点で須藤がすでに死んでいたことはどうやって証明できるのでしょうか。もしかしたら、まだ息をしていたかもしれませんよね。それにもかかわらず、すぐさま釈放というのは腑に落ちませんでした。

 また、成美の犯行だったという記憶が蘇った瞬間、「わたしがやりました!」と、薫は時矢に向かって泣き叫んだのですが、このシーンもいまいちピントがずれた感じがして失笑してしまいました。須藤を刺殺した、という行為ではなく、その罪を背負うことが息子の復讐になる、との捻じ曲がった論理に何とも違和感を覚えました。

 そんな短絡的な思考回路の持ち主が、整形して身分を偽り、多くの時間を割いてまで須藤の悪事を徹底的に調査するとは思えません。飛び降り自殺を図ったことについても同じことがいえます。人生を捨てる覚悟をもってまで証拠集めをする執念深い人間が、息子の死の真相を世に示さないまま死のうとしてしまうというのは、行動心理的にちょっと納得がいきませんでした。

 おまけに、成美が須藤からどんな弱みを握られていたのかも明かされず、ただ単に“記憶喪失”というテーマを描きたいがため、リアリティーの無い情報をペタペタとくっつけた結果、いびつな作品になってしまったという感が否めませんでした。

 初回は、登場人物の繋がりが複雑ではあったものの、新たな人気シリーズになるのではないかと期待させる雰囲気があったのですが、回を追うごとにクオリティーが落ちてしまっているような気がしてなりません。

 このドラマは、沢口靖子・主演の人気作『科捜研の女』シリーズに狭まれるカタチで放送されているのですが、このままでは単なる箸休め的な作品として終わってしまいそうです。次回からの巻き返しを期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『家売るオンナの逆襲』北川景子が不倫を推奨!? “ホームとエロス”論に疑問

 北川景子が不動産業界のスーパー営業ウーマンを演じるドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)の第6話が13日に放送され、平均視聴率11.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.3ポイントダウンとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回のラスト、フリーランスの不動産屋・留守堂謙治(松田翔太)が、小学校時代の同級生の“ドジスケ”こと三瓶良雄だと知った三軒家万智(北川)。整形してまで自分のことを想い続けていることを知るのですが、屋代大(仲村トオル)と結婚しているため、愛の告白を退けます。

 しかし、この密会をこっそり覗き見していた屋代は、万智が断ったシーンを見逃してしまったため、「隠れて交際を始めるのでは?」と疑心暗鬼に陥ってしまいます。

 そんな中、万智は、カリスマ美容師の八十多湊人(武田航平)と、その妻で美容院の経営者でもあるつぐみ(内山理名)の新居購入を担当することに。2人は良きビジネスパートナーであり仲も良好なのですが、お互いを束縛したくないと自由恋愛を認め合い、実際に湊人はアパレル店員の尾田まり(筧美和子)と不倫中ということが判明し、万智の部下・庭野聖司(工藤阿須加)は衝撃を受けます。

 その庭野は、万智と留守堂の不倫疑惑を屋代から聞かされると、自身が万智に対して淡い気持ちを抱いていることもあり憤慨。留守堂をバーへ誘い、万智との関係を問いただすのですが、不倫関係を否定された上で、“密かに思う心の自由”を共有する仲だと言われたために意気投合するのでした。

 そして実は、まりの夫・尾田順平(橋爪淳)から、夫婦仲を温めるために密かに新居購入の相談を受けていた留守堂は、まりの不倫や八十多夫妻の特異な関係性を庭野から聞かされたことで、思案顔を浮かべます。

 一方、不倫デートを重ねる湊人とまりは、偶然にもその姿を順平に目撃されてしまい、マンション契約のため湊人が1人でテーコー不動産を訪れた際、順平に怒鳴り込まれる事件が発生してしまうのでした。

 湊人は、まりも自由恋愛を許された身であると思い込んでいたためにショックを受け、つぐみとの関係性も見直そうと、マンション購入を中止に。これをあっさり聞き入れた万智ですが、当然そのまま引き下がるわけもなく、留守堂とタッグを組み、ある秘策を打ち出します。

 その作戦とは、偶然を演出して、つぐみと順平を結び付けてしまおうというもの。紙袋に入ったオレンジをつぐみが坂の上から落としてしまうように仕向け、順平が拾うことで接近させるなどのギャグかと思えるような作戦によって、見事にW不倫の関係を築くことに成功するのでした。

 そして、四角関係となった両夫妻をテーコー不動産に招いた万智は、同じマンションの別室をそれぞれが購入することで、夫婦と恋愛、“ホームとエロス”の関係をほぼタイムラグなしで切り替えることができると提案。「他人の目など屁のカッパ」と不倫関係を推奨することで、留守堂とともに家を売ることに成功します。

 これで一件落着かと思いきや、万智に構ってもらえず寂しさを抱える屋代が、元部下の白洲美加(イモトアヤコ)がパート勤めをするスーパーの店長・三郷楓(真飛聖)と何やら怪しい関係になるのでは……と予感させる展開になったところで今回は終了となりました。

 今回、何より驚いたのは、不倫をほぼ全肯定したストーリーを、スポンサーがよく承諾したな、ということでした。“夫婦は見つめ合って生きていくべき”と主張していた順平も、万智たちが演出したショボい出会いであっさり陥落。坂道でオレンジ転がしたり、絡んできたチンピラから守ることで惚れさせたりって、ホント失笑レベルでした。

 そんなチャレンジングな展開だったものの、視聴者に対して何を訴えたかったのか、テーマがイマイチわかりませんでした。結末から考えれば、新しい夫婦の在り方を提案したかったのかもしれませんが、お互いに不倫を認め合い、同じマンションに住みましょう、という終わり方は、ものすごく安直に思えました。

 もともと、お互いの恋愛を許容していた八十多夫妻側からすればそれもアリなのかもしれませんが、織田夫婦側、特にまりの場合は忍んで会う背徳感を楽しんでいたのではないかと。それを夫公認でとなったら、一気に熱が冷めてしまうのではないかと思うのですが、そのあたりを都合よくスルーしてしまうあたり、登場人物たちをただのコマとしか考えていないのだと感じてしまいました。

 それと、“ホームとエロス”論ですが、同じマンションに住んでいれば結局は不倫もホームの感覚になってしまうのではないでしょうかね。4人のうちの誰かが新たなエロスの関係を他で築いた時、ものすごい修羅場が訪れるような気がしてなりません。離婚することになった時、財産分与で揉めに揉めそうですよね。

 不倫を題材にしたのは恐らく、万智と屋代の夫婦関係の危機を描くためだと思うのですが、屋代の気弱な性格からして危うい展開になる気がしないんですよね。なんとかして視聴者のハラハラ感を煽ろうとしているようですが、屋代は明らかに据え膳食わぬタイプ。「こいつは不倫しないだろ」という安心感しかありません。

 それでもまあ、万智が“仕事と家庭の両立に悩む”姿を描くのが今シリーズの大テーマだと思いますので、次回からどう展開していくのか注目です。
(文=大羽鴨乃)

『家売るオンナの逆襲』北川景子が不倫を推奨!? “ホームとエロス”論に疑問

 北川景子が不動産業界のスーパー営業ウーマンを演じるドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)の第6話が13日に放送され、平均視聴率11.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.3ポイントダウンとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回のラスト、フリーランスの不動産屋・留守堂謙治(松田翔太)が、小学校時代の同級生の“ドジスケ”こと三瓶良雄だと知った三軒家万智(北川)。整形してまで自分のことを想い続けていることを知るのですが、屋代大(仲村トオル)と結婚しているため、愛の告白を退けます。

 しかし、この密会をこっそり覗き見していた屋代は、万智が断ったシーンを見逃してしまったため、「隠れて交際を始めるのでは?」と疑心暗鬼に陥ってしまいます。

 そんな中、万智は、カリスマ美容師の八十多湊人(武田航平)と、その妻で美容院の経営者でもあるつぐみ(内山理名)の新居購入を担当することに。2人は良きビジネスパートナーであり仲も良好なのですが、お互いを束縛したくないと自由恋愛を認め合い、実際に湊人はアパレル店員の尾田まり(筧美和子)と不倫中ということが判明し、万智の部下・庭野聖司(工藤阿須加)は衝撃を受けます。

 その庭野は、万智と留守堂の不倫疑惑を屋代から聞かされると、自身が万智に対して淡い気持ちを抱いていることもあり憤慨。留守堂をバーへ誘い、万智との関係を問いただすのですが、不倫関係を否定された上で、“密かに思う心の自由”を共有する仲だと言われたために意気投合するのでした。

 そして実は、まりの夫・尾田順平(橋爪淳)から、夫婦仲を温めるために密かに新居購入の相談を受けていた留守堂は、まりの不倫や八十多夫妻の特異な関係性を庭野から聞かされたことで、思案顔を浮かべます。

 一方、不倫デートを重ねる湊人とまりは、偶然にもその姿を順平に目撃されてしまい、マンション契約のため湊人が1人でテーコー不動産を訪れた際、順平に怒鳴り込まれる事件が発生してしまうのでした。

 湊人は、まりも自由恋愛を許された身であると思い込んでいたためにショックを受け、つぐみとの関係性も見直そうと、マンション購入を中止に。これをあっさり聞き入れた万智ですが、当然そのまま引き下がるわけもなく、留守堂とタッグを組み、ある秘策を打ち出します。

 その作戦とは、偶然を演出して、つぐみと順平を結び付けてしまおうというもの。紙袋に入ったオレンジをつぐみが坂の上から落としてしまうように仕向け、順平が拾うことで接近させるなどのギャグかと思えるような作戦によって、見事にW不倫の関係を築くことに成功するのでした。

 そして、四角関係となった両夫妻をテーコー不動産に招いた万智は、同じマンションの別室をそれぞれが購入することで、夫婦と恋愛、“ホームとエロス”の関係をほぼタイムラグなしで切り替えることができると提案。「他人の目など屁のカッパ」と不倫関係を推奨することで、留守堂とともに家を売ることに成功します。

 これで一件落着かと思いきや、万智に構ってもらえず寂しさを抱える屋代が、元部下の白洲美加(イモトアヤコ)がパート勤めをするスーパーの店長・三郷楓(真飛聖)と何やら怪しい関係になるのでは……と予感させる展開になったところで今回は終了となりました。

 今回、何より驚いたのは、不倫をほぼ全肯定したストーリーを、スポンサーがよく承諾したな、ということでした。“夫婦は見つめ合って生きていくべき”と主張していた順平も、万智たちが演出したショボい出会いであっさり陥落。坂道でオレンジ転がしたり、絡んできたチンピラから守ることで惚れさせたりって、ホント失笑レベルでした。

 そんなチャレンジングな展開だったものの、視聴者に対して何を訴えたかったのか、テーマがイマイチわかりませんでした。結末から考えれば、新しい夫婦の在り方を提案したかったのかもしれませんが、お互いに不倫を認め合い、同じマンションに住みましょう、という終わり方は、ものすごく安直に思えました。

 もともと、お互いの恋愛を許容していた八十多夫妻側からすればそれもアリなのかもしれませんが、織田夫婦側、特にまりの場合は忍んで会う背徳感を楽しんでいたのではないかと。それを夫公認でとなったら、一気に熱が冷めてしまうのではないかと思うのですが、そのあたりを都合よくスルーしてしまうあたり、登場人物たちをただのコマとしか考えていないのだと感じてしまいました。

 それと、“ホームとエロス”論ですが、同じマンションに住んでいれば結局は不倫もホームの感覚になってしまうのではないでしょうかね。4人のうちの誰かが新たなエロスの関係を他で築いた時、ものすごい修羅場が訪れるような気がしてなりません。離婚することになった時、財産分与で揉めに揉めそうですよね。

 不倫を題材にしたのは恐らく、万智と屋代の夫婦関係の危機を描くためだと思うのですが、屋代の気弱な性格からして危うい展開になる気がしないんですよね。なんとかして視聴者のハラハラ感を煽ろうとしているようですが、屋代は明らかに据え膳食わぬタイプ。「こいつは不倫しないだろ」という安心感しかありません。

 それでもまあ、万智が“仕事と家庭の両立に悩む”姿を描くのが今シリーズの大テーマだと思いますので、次回からどう展開していくのか注目です。
(文=大羽鴨乃)

『刑事ゼロ』名作ミステリーのごった似展開で沢村一樹が“浅見光彦”化?

 沢村一樹が記憶喪失になってしまった刑事役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第5話が7日に放送され、平均視聴率10.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.4ポイントダウンとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 京都の山奥にある八咫神(やたがみ)村で、崖の上から村役場の職員・浅木浩太郎(大高洋夫)が転落死した事件を調査するため、京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)は、新人刑事の佐相智佳(瀧本美織)とともに村を訪れます。

 村人の小野千秋(大後寿々花)や羽山敬太(尾上寛之)、村長の森幸介(佐戸井けん太)の話によれば、500年前に村を襲った野武士が、“八咫神様”という神様の祟りによって崖の上にある鳥居に向かって走り、そのまま転落死したという伝説があるとのこと。そして、浅木の死体もちょうど、崖の下の河原の流木が集まった地帯で見つかったため、村人たちは八咫神様の祟りだと怯えるのです。

 実は1年前にも、何やら怪しげな行動が目立った消防団長の飯田透(太田雅之)が転落死し、その事件後に娘のサチコが行方不明になったことを千秋から聞かされた時矢は、伝説に見立てた殺人なのではないかと疑います。

 一方、時矢をライバル視する同僚の福知市郎(寺島進)は、半年前に時矢が解決できなかった事件の再捜査を開始。時矢の鼻を明かしてやろうとの魂胆だったのですが、その被害者がサチコであることや、犯人が浅木であることが判明したため、八咫神村で時矢と共同捜査をすることになります。

 その時矢は、転落死の正体が、崖の上に行く際に村人たちが清めのために食べるフキノトウを、狂乱作用のある毒草・ハシリドコロに犯人がすり替えたことによるものではないかと推測。新たな事件を防ぐため、鳥居のすぐ前にある門で夜を明かすことにします。

 ところが翌朝、崖の下で森が転落死しているのが発見。鑑定の結果、胃の中にハシリドコロはなく、時矢の推理は破綻してしまいます。しかし、森の指先に、村から6時間離れた福井県の山奥にしか生息していない植物のトゲが刺さっていることから、時矢は真犯人とトリックに気づくのでした。

 一方、サチコが殺される前の行動を追っていた福知は、風力発電事業のために村を売ろうと画策していた森と浅木を追及した結果、飯田親子が殺されてしまったことを突き止めます。

 それらの事実から時矢は、サチコに想いを寄せていた羽山が、復讐のために森と浅木を殺したと推測。福井県の山奥から小さなイカダに乗せて死体を流し、ちょうど崖の下の流木が集まる地帯でイカダが破壊。そこに死体が留まることから転落死に見え、しかもアリバイも確保できるというトリックだったのです。そして、羽山がこの推理を認めたことで一件落着となりました。

 防犯カメラの映像解析ソフトを操作することで“透明人間”をつくりだす近代的なトリックが用いられた前回から一転して、今回は人里離れた村で起こる古めかしい伝説を見立てた殺人事件の捜査となったのですが、ただ単に名作ミステリーのごった煮といった印象しかありませんでした。

 沢村は、ミステリー作家・内田康夫の推理小説が原作の『浅見光彦シリーズ』で主演を務めていた時期があるだけに、そのパロディにも思えました。全体的に緊張感がないですし、記憶喪失という設定もいつの間にか添え物みたいになっちゃっているんですよね。記憶を失う前の時矢とは雰囲気が全然違うのに、周囲の人間はどうして気づかないの? と疑問に思ってしまいます。

 これまでの回でも思わず唸るような目新しいトリックは出てきませんでしたが、今回に関してはあまりにチープすぎて愕然としてしまいました。死体を小さなイカダに乗せて流し、ちょうど同じ場所で留まるようにするなんて可能なのでしょうか? 八咫神様もビックリの神業ですよね。

 また、羽山は村から車で6時間も離れた福井県の山奥まで村長を連れて行き、そこで殺害したということですが、どうやって誘い出したんですかね? ピクニックへ行こうとでも持ち掛けたのでしょうか? 村で殺害して運んだならわかりますけど、移動の間、2人はどんな会話をしたのだろうかと、そのことばかりが気になってしまいました。

 次回は、殺人の容疑者が事件のショックによって記憶喪失になってしまう展開とのことで、時矢が20年分の刑事生活の記憶を失った特異な設定を上手く絡ませることができるか見ものです。というよりも、ここで活かさなければ、ただのよくある刑事ドラマになってしまうので、ターニングポイントになることを期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『家売るオンナの逆襲』ボーイズラブから“マンチッチとドジスケ”の不倫ドラマへ移行?

 北川景子が不動産業界のスーパー営業ウーマンを演じるドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)の第5話が6日に放送され、平均視聴率11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.8ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 前回、フリーランスの不動産屋・留守堂謙治(松田翔太)に顧客を奪われショック状態から抜け出せない三軒家万智(北川)は、有給休暇を取得。上司で夫の屋代大(仲村トオル)を置いて、どこかへ旅に出てしまいます。

 一方、万智の部下・庭野聖司(工藤阿須加)は、田部竜司(柄本時生)と婚約者の宮寺奈々(知英)を担当することに。ブサイクな外見にコンプレックスを抱き、美人と交際するために努力し続けてきたという田部は、美人なうえに奥ゆかしい性格の奈々との結婚を考え、見栄えのいい一軒家を探しているというのです。

 残念ながらすぐに物件は見つからなかったものの、田部が万智と小学校の同級生だったことが判明。“マンチッチ”というあだ名で、クラスの人気者だったことを聞きつけた屋代は、今とはまるで違うキャラクターだったことに衝撃を受けるのでした。

 その夜、万智の邪魔をする留守堂の存在が気になった屋代は、庭野を引き連れ尾行を開始するのですが、あっさり見つかってしまいます。そして、留守堂が万智の同級生だったことを知り、もしかしたら小学校時代のクラスメイトだったのではないかと考え、その足で田部の家を訪問します。

 しかし、田部の小学校の卒業文集には、“留守堂謙治”という名前の生徒は見当たりません。その代わり、子どもの頃は確かに万智が陽気なキャラクターだったことや、クラスの『ドジでブサイク・ランキング』において、1位の“ドジスケ”こと三瓶良雄に次いで2位になったことが、田部のスペック磨きの原動力になっていることを知るのでした。

 その翌日、庭野は田部と奈々を内見案内するのですが、バスルームでシャワーの操作を誤ってしまい、奈々をびしょ濡れにさせてしまうことに。すると、奈々がいわゆる詐欺メイクによって美人に見せかけていたことが判明してしまうのです。

 ショックを受けた田部は別れを切り出し、奈々が帰った後も気持ちの整理がつきません。庭野もどう対処していいのかわからず戸惑っていたところ、突如として万智が登場。田部に対し、“家売る”宣言をして去って行くのでした。

 その足で奈々の家を訪れた万智は、ブサイクに生まれてきた悔しさをバネに努力する田部のことを、奈々が心の底から尊敬していることを知ります。

 その一方で田部は、奈々に出会った時の喜びの気持ちを綴った日記を読み返し、このまま別れるべきか否かと葛藤するのでした。

 そんなある日、田部は万智に強引に連れられ、ある一軒家を紹介されます。外壁を蔦に覆われたボロ屋なのですが、内装はまるで新居のよう。外観とのギャップがミソだと話す万智は、奈々がノーメイク状態でウェディングドレスを着た姿が映るスクリーンを用意します。

 何事かと戸惑う田部の目の前に、メイクをした状態のウェディングドレス姿の奈々がスクリーンを突き破って登場。その“ギャップ萌え”によって田部は心を動かされ、復縁&家の購入を決めるのでした。

 一方、仕事帰りに留守堂の姿を見かけた屋代は、正体を明かしてやろうと尾行。すると留守堂は、取り壊し中の小学校へと入って行き、何やら怪しげな様子なのです。そして、ある教室へ入って行ったところ、そこには万智の姿が。実は留守堂の正体は、“ドジスケ”こと三瓶良雄で、小学校の時に憧れていた万智を射止めるために整形し、不動産業界に身を置いたというのです。そして、不倫の始まりの予感? がしたところで今回は終了となりました。

 初回登場時から一貫して、引いて開けるドアを押す間違いを繰り返していた留守堂。建築ミスを指摘する動作なのかと思っていましたが、なるほど、“ドジスケ”への伏線だったわけですね。ずっとモヤモヤしていたので、今回ようやく納得しました。

 とはいえ、小学校時代に憧れていた女性のことを30歳過ぎてまで追い続けるって凄いなぁと感心、というより恐怖心を抱いてしまいました。松田翔太のスタイリッシュな見た目で緩和されていますが、相当ヤバめのストーカー体質ですよね。

 そういう意味では、やはり見た目って大事なんですかね。目的はどうあれ、田部のようにコンプレックスをバネに努力を重ねる生き方も素晴らしいとは思いますけど。ただ、奈々役を演じていたのが知英ということもあり、何だか韓国映画やドラマを観ているような錯覚に陥りました。

 たしかに外見に対するコンプレックスは万国共通、普遍の悩みではあります。ただ、このドラマは、不動産売買を通じて現代日本が抱える問題をぶった斬る、というのが魅力になっていると思うんですよね。

 まあ今回は、小学生の頃に陰キャだった留守堂が、陽キャだった万智を想い続ける部分をより鮮明に描くため、あえて極端なコンプレックスを抱くカップルを登場させたのでしょうけど、一気にチープなドラマになってしまった印象です。

 ただ、留守堂の正体がわかったことで人間関係はより複雑になり、これまでは留守堂と足立聡(千葉雄大)とのボーイズラブ的な展開が注目されていましたが、次回からは万智とその夫・屋代の思惑も絡み合い、波乱を巻き起こすのではないかと期待しています。
(文=大羽鴨乃)

『刑事ゼロ』開始早々に“透明人間の怪”解決で落胆……一番の盛り上がりは、草なぎ剛の小ネタ?

 沢村一樹が20年分の記憶を失ってしまった刑事役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第4話が先月31日に放送され、平均視聴率12.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)はある夜、飲み会の帰りに通りかかった中古品買取店の前で怪しい男を発見。声をかけるものの逃げられてしまいます。

 すると翌日、その店で時価500万円の純金の延べ棒が盗まれる事件が発生。現場へ駆けつけた時矢と相棒の佐相智佳(瀧本美織)は、店長の高沢真浩(弓削智久)から防犯カメラの映像を見せられ愕然とします。そこには、透明人間が店内を荒らす様子が映っていたのです。

 この事件の指揮を執ることになったサイバー犯罪対策室の主任・但馬正樹(野間口徹)によれば、同店の防犯カメラには性別や年齢などを指定することで客の姿を画面上から消せる映像解析ソフトが備わっているとのこと。つまり、透明人間の謎はハッキングによるものであることがここであっさり判明するのです。

 その但馬とは別に捜査を始めた時矢は、映像解析ソフトの開発者でもある警備会社社員の北浦菜月(西原亜希)から、自身が勤める会社のセキュリティーが緩すぎるとのぶっちゃけ話を聞きつけます。

 そんな中、中古品買取店内で店長の高沢が“透明人間”に殺害される事件が発生。しかも凶器は、窃盗された金の延べ棒だったのです。なぜ犯人は再び現場を訪れ、高沢を殺害したのか? 店内をくまなく調査していた時矢は、以前はあったハズのトレーディングカードのレア物がなくなっていることに気がつきます。

 そのレアカードを、事件発生直後に誇らしげにSNS上にアップしている人物を但馬が特定。犯人は仲間に勝手にレアカードを売られてしまい、高沢に返却を求めるも拒否されたことで腹を立てた、林田悠斗(田中偉登)という中学生だったのです。

 悠斗の家を捜索したところ、庭先で血液が付着した金の延べ棒を発見。しかし、悠斗は殺人に関しては否定し、時矢もそれを信じます。殺害の証拠である延べ棒があっさり見つかったのは、何者かが悠斗に罪をなすりつけようと企んだものだと直感したのです。

 そして悠斗を立ち会わせ、高沢・殺害の現場検証を行った際、別室で但馬と北浦とともにモニタリングをした時矢は、高沢役を務める先輩刑事・福知市郎(寺島進)以外の性別と年齢層が画面から消えるよう解析ソフトを操作。その結果、犯行時と同じく被害者側だけが画面に映る映像ができ上がります。

 しかし実は、悠斗役を演じていたのは智佳。解析ソフトを操作することで、レアカードを盗み出した悠斗に高沢殺しの罪をなすりつけることは可能だったのです。ただし、天才的なハッキング能力かソフトのプログラムに詳しい者でなくてはその犯行は不可能。というわけで、真犯人は北浦であることが発覚します。

 事件はもともと、悠斗がレアカードを盗んだ際、いち早く事件を察知し現場に駆け付けた北浦が、床に落ちていた金の延べ棒をこっそり盗み事件化することによって、会社のセキュリティーの甘さを世間に弾劾させようと企んだことにあります。ところが、延べ棒をこっそり返そうとした際、高沢に見つかったことで殺害に至ったというわけだったのです。

 さて感想。前回は“逆回転誘拐”というキャッチ―な事件を扱い、終盤まで謎解きの緊張感を保っていましたが、今回はあっさり“透明人間の怪”が解けて拍子抜けしてしまいました。そこが肝なのでは!? とツッコミ、この先盛り上がる要素があるのかと見守っていたのですが、見事に何もありませんでした。

 北浦が最初から怪しかったんですよね。時矢が事情聴取をした際、自社のセキュリティーが甘々だということを力説するシーンがあったのですが、こんな社員います? いくら警察が相手とはいえ、内部の極秘情報を漏らす(しかも上司の前で)のは違和感でしかありませんでした。

 というよりも今回、ゲスト出演したのは4人で、そのうち1人は殺され、1人は刑事役。残った2人のうち悠斗が犯人でないならば、おのずと北浦が真犯人だということになり、そういった意味でも盛り上がりに欠けました。

 ネット上でも今回は本編以外の小ネタに視聴者の注目は集まっていたようですね。悠斗を特定する際に登場したレアカードが、ドラマ『スペシャリスト』(同)において草なぎ剛演じる宅間善人が、京都府警の広報課に在籍していた時代に作製したカードであることがわかり、同ドラマの復活論が盛り上がったようです。

 そんなわけでちょっと微妙な回となってしまいましたが、次回は山奥にある“神様が棲む”といわれる村で起こる殺人事件を追うとのことで、横溝正史の小説ばりの古めかしい凝ったミステリーを期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

『家売るオンナの逆襲』“昭和VS平成生まれ”がテーマも、ゆとり世代をアホに描きすぎ?

 1月30日、北川景子が不動産業界のスーパー営業ウーマンを演じるドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)の第4話が放送され、平均視聴率10.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.7ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今年4月から施行予定の『働き方改革関連法』への対応策として、テーコー不動産では1カ月の総労働時間を190時間に抑えるプレ期間を設定。売り上げアップ&労働時間の削減を達成するため、屋代大(仲村トオル)は営業成績の悪い新人社員・鍵村洋一(超特急・草川拓弥)の教育係として庭野聖司(工藤阿須加)を任命します。

 ところが鍵村から、“なんのために仕事をするのか?”と問い詰められた庭野は答えに窮し、落ち込んでしまいます。それを見かねた屋代は、鍵村を三軒家万智(北川)に託すのでした。

 その万智が今回担当することになったのは、定年を間近に控えた山路功夫(佐野史郎)と朱美夫婦。娘の花(北原里英)と娘婿の健太郎(田村健太郎)の家購入のために資金を援助するとのことで、万智はすぐさま3つの物件を用意します。

 ところが、花はそれらの物件を「ダサい」と一蹴し、若者向けのオシャレな物件を探してくれと要望するのです。

 そしてその夜、同僚の床嶋ゆかり(長井短)とバーで飲んでいた鍵村は、花と健太郎に遭遇。「もっとオシャレな物件を」という花からのリクエストに対して、その場で適当にスマホ検索したマンションを提案し、翌朝の内見の約束を取り付けるのでした。

 この物件を花が大いに気に入ったため、その場で購入が決定。鍵村は鼻高々となり営業所へ戻るのですが、勝手にマンション購入を決めたことに怒り心頭となった功夫が怒鳴り込んできた結果、契約はご破算となってしまうのです。

 一方、万智が新たに見つけ出した家には、朱美の長年の夢だったという喫茶店を経営するためのスペースがあり、娘夫婦のためではなく自分たちのために資金を使うべきだと提案するのでした。

 これに不満を漏らす花に対して、万智はオシャレにリノベーションした団地を紹介。花は大感激し、商談成立……と思いきや、そこへフリーランスの不動産屋・留守堂謙治(松田翔太)が現れ、その部屋が354号室で、以前、健太郎が浮気した“ミヨコ”という女性の名前と語呂合わせで一緒だと指摘したことで、花の気持が萎えてしまうのです。

 その花に対して留守堂は、夫婦が揃って好きな歌手・矢沢永吉にちなんだ、同じ団地の“830(ヤザワ)号室”を提供。矢沢グッズだらけの室内を見た花たちは購入を即決し、顧客を横取りされた万智が「負けた……」と呟き、敗北宣言したところで今回は終了となりました。

 不動産売買を通じて世間の問題を炙り出す、というのがこのドラマの真骨頂ですが、今回は『昭和のがむしゃら企業戦士VS経済成長を知らない平成世代』という構図が描かれました。

 一方は、“24時間戦えますか?”的な流行語のもと、会社のため身を粉にして働くことを善しとして生きてきた世代。一方は、それまでのシステマティックな教育ではなく、自由な発想や多様な価値観を奨励され育った世代です。

 今回でいえば、前者が山路夫妻と屋代、後者は鍵村&ゆかりと花&健太郎でした。生まれ育った時代に合ったそれぞれの考え方や価値観があって当然なのですから、本来であればドラマ上であえて甲乙をつける必要はないハズです。

 しかし、脚本家の大石静氏が60代ということもあるのでしょうか、なんとなくゆとり世代が悪しざまに描かれていたように思えてなりません。矢沢グッズで占められた部屋の購入を花が即決したのなんて、アホそのもの。エレベーターのない団地で、しかもそれまでワガママ三昧だった花が、4階ではなく8階の部屋を喜々として購入というのは不自然でした。

 また、ゆとり世代の権化のように描かれた鍵村とゆかり、特に鍵村のやる気のなさ、己の特性を把握せず、また知ろうとする努力もしないくせに、“俺らしく生きる”と豪語する口ばっかりのキャラ設定は、フェアじゃないように感じました。

 いうまでもありませんが、どの世代の人も性格や生き方は千差万別。このドラマに限らず、“ゆとり”という語感だけでやる気のないキャラ付けをするのは、そろそろやめにした方がいいのではないでしょうか。

 そんな世代間の対立とは無縁とばかり、今回もひたすら家売ることに奔走した万智ですが、前回に引き続き留守堂に顧客を横取りされてしまい、相当にショックを受けた様子でした。しかも何やら過去に因縁があるらしきこともニオわせていましたから、また次回の展開が気になるところです。
(文=大羽鴨乃)

『刑事ゼロ』“超絶逆回転誘拐”の大風呂敷をキレイに畳めずガッカリな結末に……

 沢村一樹が20年分の記憶を失ってしまった刑事役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第3話が24日に放送され、平均視聴率11.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.4ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)が追うのは誘拐事件。といっても、普通の誘拐事件とは異なり、“逆回転”で展開します。

 事の発端は、ある夜、貴金属買取チェーンの会長・夏富輝一郎(竜雷太)の娘婿の武臣(佐伯新)が不審な電話を受け取ったところから。加工した声の主は、「身代金は受け取った。息子は解放する」とのメッセージを寄越してきたのですが、高校1年生の息子・輝(中島凱斗)は在宅だったため、武臣はいたずら電話とみなしてスルーしてしまいます。

 ところがその翌日、輝一郎が商談相手との取引のため、1億円が入ったアタッシェケースを搬送していたところ、何者かに強奪されてしまう事件が発生。そして、通報を受けた時矢と相棒の新人刑事・佐相智佳(瀧本美織)が夏富家を訪ねたところ、郵便受けから1万円札ととともに、「現金1億円を夏富会長に持たせて駐車場まで来い」とのメッセージが書かれたメモと、縮れ毛が入った袋が見つかります。

 その後、その1万円札が奪われた1億円の中の1枚であることが発覚。さらに武臣には、子に恵まれなかったため養子として迎え入れた、永久(ながひさ)という長男がいることが判明します。

 しかし永久は、輝が誕生した後は輝一郎から邪魔者扱いされてしまい、長らく引きこもり状態が続いているとのこと。時矢が彼の部屋に踏み入ったところ、パソコンの画面には「夏富永久は誘拐した」の文字が。また、1万円札と一緒に送られて来た縮れ毛は、永久のものであることが判明します。

 時矢は、通常の誘拐と真逆の順序で進行していることから、この事件を“超絶逆回転誘拐事件”と名づけ捜査を開始。家庭内での恵まれない立場からまずは永久の自演を疑い、実の父親が経営する工場を訪ねることにします。

 ところが工場はすでに潰れ、永久の実父は1カ月前に交通事故がもとで他界してしまったことが判明。永久の叔母にあたる女性から、その葬式の際、永久らしき青年ともう1人、少年の姿を見かけたと知らされ、時矢は輝も共犯なのではないかと疑います。

 その矢先、輝の誘拐事件が発生。時矢が夏富家に駆け付けた時にはすでに、輝一郎が身代金3億円を手に出発した後でした。しかし、武臣が機転を利かせ、アタッシェケースにGPS発信機を忍ばせていたため、時矢は急いで輝一郎の後を追います。

 そして辿り着いた先は夏富家の別荘地。そこで監禁されていた輝を救出したところ、“逆回転誘拐”は、家庭で居場所を失った永久の存在感を示すために共謀したことが判明。ところが、輝一郎の側近の茂木潤三(大浦龍宇一)が身代金を横取りしたというのです。その説明を受けている最中、発砲音が轟き、時矢は慌てて現場へ向かいます。

 するとそこには、輝一郎に猟銃を向け、今まさに3億円を奪い取ろうとする茂木の姿が。しかし、時矢の先輩刑事・福知市郎(寺島進)らが駆け付け、最後は智佳が茂木に強烈な回し蹴りを決めたところで一件落着となったのでした。

“超絶逆回転誘拐事件”というキャッチーなフレーズを用いた今回。特にミステリー好きの関心を引く効果は抜群だったのではないでしょうか。筆者も前回終了後に流れた予告動画を見て期待感が高まり、今回の途中までワクワクしながら見ていました。通常どおりの犯行でも困難な誘拐を真逆の順序で行うという、とんでもない手間をかけるぐらいですから、余程の動機があるのだろうなと。なんらかの必然性があっての犯行なのだろうなと予想したのです。

 ところが犯人たちの動機は、金の亡者の祖父・輝一郎に永久の存在を認めさせることにあり、そのためにわざと奇をてらった犯行に及んだと、輝の回想シーンで明らかになった途端、「はぁ?」と脱力してしまいました。その説明を受けて時矢は、“たしかに異常性があるから輝一郎の関心を引ける”みたいな感じで納得した様子を見せましたが、こちらとしてはかなり肩透かしをくらった感が否めません。

 おまけに、最後に漁夫の利を狙った茂木は、それまでほとんど画面に登場していなかったため、「誰だっけ、こいつ?」状態。大風呂敷を広げるだけ広げておいてキレイに畳めないガッカリな結末となってしまいました。

 初回は犯人探しに源氏物語を絡め、前回は密室モノ。本格ミステリー風の流れが続いていましたが、今回でバッサリ断ち切られたように感じました。時矢が“通常の誘拐事件”の順序を説明した際に挿入されたイラストの雰囲気などを含め、かつて同局放送で人気を博した『トリック』シリーズのようなB級サスペンス路線を狙っているようにも思えます。同作での仲間由紀恵&阿部寛のコンビ同様、沢村と滝本のボケとツッコミの関係性はおもしろいのですが、本格刑事モノを期待していただけに今回の路線変更はちょっと残念でした。

 次回は“透明人間の殺人犯”が登場とのことで、また荒唐無稽な話となってしまうのか、あるいは驚きのトリックを繰り出すことになるのか注目です。
(文=大羽鴨乃)

『刑事ゼロ』“超絶逆回転誘拐”の大風呂敷をキレイに畳めずガッカリな結末に……

 沢村一樹が20年分の記憶を失ってしまった刑事役で主演を務めるドラマ『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の第3話が24日に放送され、平均視聴率11.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.4ポイントアップとなりました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、京都府警捜査一課刑事の時矢暦彦(沢村)が追うのは誘拐事件。といっても、普通の誘拐事件とは異なり、“逆回転”で展開します。

 事の発端は、ある夜、貴金属買取チェーンの会長・夏富輝一郎(竜雷太)の娘婿の武臣(佐伯新)が不審な電話を受け取ったところから。加工した声の主は、「身代金は受け取った。息子は解放する」とのメッセージを寄越してきたのですが、高校1年生の息子・輝(中島凱斗)は在宅だったため、武臣はいたずら電話とみなしてスルーしてしまいます。

 ところがその翌日、輝一郎が商談相手との取引のため、1億円が入ったアタッシェケースを搬送していたところ、何者かに強奪されてしまう事件が発生。そして、通報を受けた時矢と相棒の新人刑事・佐相智佳(瀧本美織)が夏富家を訪ねたところ、郵便受けから1万円札ととともに、「現金1億円を夏富会長に持たせて駐車場まで来い」とのメッセージが書かれたメモと、縮れ毛が入った袋が見つかります。

 その後、その1万円札が奪われた1億円の中の1枚であることが発覚。さらに武臣には、子に恵まれなかったため養子として迎え入れた、永久(ながひさ)という長男がいることが判明します。

 しかし永久は、輝が誕生した後は輝一郎から邪魔者扱いされてしまい、長らく引きこもり状態が続いているとのこと。時矢が彼の部屋に踏み入ったところ、パソコンの画面には「夏富永久は誘拐した」の文字が。また、1万円札と一緒に送られて来た縮れ毛は、永久のものであることが判明します。

 時矢は、通常の誘拐と真逆の順序で進行していることから、この事件を“超絶逆回転誘拐事件”と名づけ捜査を開始。家庭内での恵まれない立場からまずは永久の自演を疑い、実の父親が経営する工場を訪ねることにします。

 ところが工場はすでに潰れ、永久の実父は1カ月前に交通事故がもとで他界してしまったことが判明。永久の叔母にあたる女性から、その葬式の際、永久らしき青年ともう1人、少年の姿を見かけたと知らされ、時矢は輝も共犯なのではないかと疑います。

 その矢先、輝の誘拐事件が発生。時矢が夏富家に駆け付けた時にはすでに、輝一郎が身代金3億円を手に出発した後でした。しかし、武臣が機転を利かせ、アタッシェケースにGPS発信機を忍ばせていたため、時矢は急いで輝一郎の後を追います。

 そして辿り着いた先は夏富家の別荘地。そこで監禁されていた輝を救出したところ、“逆回転誘拐”は、家庭で居場所を失った永久の存在感を示すために共謀したことが判明。ところが、輝一郎の側近の茂木潤三(大浦龍宇一)が身代金を横取りしたというのです。その説明を受けている最中、発砲音が轟き、時矢は慌てて現場へ向かいます。

 するとそこには、輝一郎に猟銃を向け、今まさに3億円を奪い取ろうとする茂木の姿が。しかし、時矢の先輩刑事・福知市郎(寺島進)らが駆け付け、最後は智佳が茂木に強烈な回し蹴りを決めたところで一件落着となったのでした。

“超絶逆回転誘拐事件”というキャッチーなフレーズを用いた今回。特にミステリー好きの関心を引く効果は抜群だったのではないでしょうか。筆者も前回終了後に流れた予告動画を見て期待感が高まり、今回の途中までワクワクしながら見ていました。通常どおりの犯行でも困難な誘拐を真逆の順序で行うという、とんでもない手間をかけるぐらいですから、余程の動機があるのだろうなと。なんらかの必然性があっての犯行なのだろうなと予想したのです。

 ところが犯人たちの動機は、金の亡者の祖父・輝一郎に永久の存在を認めさせることにあり、そのためにわざと奇をてらった犯行に及んだと、輝の回想シーンで明らかになった途端、「はぁ?」と脱力してしまいました。その説明を受けて時矢は、“たしかに異常性があるから輝一郎の関心を引ける”みたいな感じで納得した様子を見せましたが、こちらとしてはかなり肩透かしをくらった感が否めません。

 おまけに、最後に漁夫の利を狙った茂木は、それまでほとんど画面に登場していなかったため、「誰だっけ、こいつ?」状態。大風呂敷を広げるだけ広げておいてキレイに畳めないガッカリな結末となってしまいました。

 初回は犯人探しに源氏物語を絡め、前回は密室モノ。本格ミステリー風の流れが続いていましたが、今回でバッサリ断ち切られたように感じました。時矢が“通常の誘拐事件”の順序を説明した際に挿入されたイラストの雰囲気などを含め、かつて同局放送で人気を博した『トリック』シリーズのようなB級サスペンス路線を狙っているようにも思えます。同作での仲間由紀恵&阿部寛のコンビ同様、沢村と滝本のボケとツッコミの関係性はおもしろいのですが、本格刑事モノを期待していただけに今回の路線変更はちょっと残念でした。

 次回は“透明人間の殺人犯”が登場とのことで、また荒唐無稽な話となってしまうのか、あるいは驚きのトリックを繰り出すことになるのか注目です。
(文=大羽鴨乃)