「AIはご飯食べないからね」天才外科医・大門未知子、AI診断の鼻を明かす! 『ドクターX ~外科医・大門未知子』第5話

 米倉涼子が一匹オオカミの天才外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第5話が9日に放送され、平均視聴率20.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.7ポイント増し、初回以来の大台突破となりました。

 今回のテーマは“人間 VS AI”。医療界のトップに立つ日本医師倶楽部・会長の内神田景信(草刈正雄)は、最先端の人工知能診断システム・ヒポクラテスを普及させるべく、東帝大学病院の病院長・蛭間重勝(西田敏行)にPRのための“華麗なる症例”を打ち出すよう命じます。

 そんな折、若き天才棋士・五反田五郎(間宮祥太朗)が世界最強の将棋ロボット・マングースと対局中、痙攣を起こして意識消失。東帝大学病院に搬送されるのですが、MRI画像を見ても病名は特定できず。そこでヒポクラテスが導入され、73%の確率で脳膿瘍(のうのうよう・脳内に細菌が入り炎症を起こす病気)であると診断されるのです。

 患者の知名度が高く、ヒポクラテスの有能さをアピールするには絶好のチャンス到来というわけで、オペを確実に成功させたい蛭間は執刀医に大門未知子(米倉涼子)を指名します。しかし、未知子はAI診断に懐疑的なため、すぐにオペすることを拒否。自分の経験と患者との対話から疾患を探ろうとするのでした。

 そんなある日、未知子はふと手にした将棋雑誌から、五反田が対局前にいつも馴染みの店で豚トロを食べていることを知ります。気になりその店に足を運んでみると、病院をこっそり抜け出していた五反田を発見。そして、五反田が豚トロをほとんどレア状態で食べることに気づくのです。聞けば、海外へ行った時にも生焼けのまま豚肉を食べたということで、未知子はなにか閃くものがあり五反田をすぐに病院へ連れ戻します。

 再診の結果、五反田の体内から有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう・寄生虫の一種)の幼虫が発見されます。つまり、ヒポクラテスが下した脳膿瘍は誤診で、五反田の本当の病名は有鉤嚢虫症(ゆうこうのうちゅうしょう・有鉤条虫が脳に寄生した状態)だったのです。

 蛭間がマスコミ向けの会見を開く中、未知子は独断でオペを決行。無事に有鉤条虫の幼虫を摘出し、AI診断の鼻を明かしたところで終了となりました。

 さて感想ですが、今回も予想通りの展開でした。これまでのシーズンを通して定期的に登場する“未知子VS最新医療技術”という構図で始まり、結局最後に勝つのは外科医として類いまれな経験値と技術をもつ未知子というオチ。なんのひねりもないド直球のストーリー展開ですが、高視聴率を支える固定ファンはもはやこのドラマに変化球など望んではいないことでしょう。出世のことばかり考え、困難な状況に直面するとすぐに保身に走る教授たちを尻目に、米倉が快刀乱麻を断つ姿が最大の魅力になっていますし、今までそのスタイルで高い人気を維持できてきたわけですからテレビ朝日としても何の問題もありません。

 ただ、今回気になったのは、ヒポクラテスが誤診した理由が明確にされず、未知子の「AIはご飯食べないからね」という皮肉で片づけられてしまったことです。調べてみたところ確かに有鉤嚢虫症は診断が難しい病気ではあるようですが、決してレアな症例ではありません。数年前ならまだしも、昨今では現実的にさまざまな職場でAIが人間にとって代わり始めている状況ですし、命を扱う医療の現場に導入されるものならばなおさらその性能は生半可なものではないハズです。

 これは、旧世代とは言動にズレがある“ゆとり世代ネタ”を扱っていることについてもいえますが、今シーズンは未知子の生みの親でもある脚本家・中園ミホが参加していないこともあってか、フォーマット化されたストーリーにとりあえず世間を賑わせているネタを放り込んでおけばいいや、という制作陣の安直な考えが透けて見えるような気がするんですよね。AIやゆとり世代ネタは手垢がつきまくっているだけに、今さら扱うのであれば相当に煮込むなり焼くなりしなければ面白くならないのですが、サッと火を通して出しているだけといった印象が拭えません。

 時事ネタに関していえば、脚本を書いていたのがちょうど森友学園問題で揺れていた時期だったのか知れませんが、初回からやたらと“忖度”という言葉が出てくるのが引っ掛かります。タイムラグが生じてしまうのは仕方ありませんが、トレンドではなくなった時点で台本なり編集段階でカットすべきではないでしょうか。

 さて、次回は未知子がプライベートでも仲が良い麻酔科医・城之内博美(内田有紀)とケンカをしてしまうとのことで、この対立も前シーズンのラストに見た記憶があるのですが……。ひとまず放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

「AIはご飯食べないからね」天才外科医・大門未知子、AI診断の鼻を明かす! 『ドクターX ~外科医・大門未知子』第5話

 米倉涼子が一匹オオカミの天才外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第5話が9日に放送され、平均視聴率20.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.7ポイント増し、初回以来の大台突破となりました。

 今回のテーマは“人間 VS AI”。医療界のトップに立つ日本医師倶楽部・会長の内神田景信(草刈正雄)は、最先端の人工知能診断システム・ヒポクラテスを普及させるべく、東帝大学病院の病院長・蛭間重勝(西田敏行)にPRのための“華麗なる症例”を打ち出すよう命じます。

 そんな折、若き天才棋士・五反田五郎(間宮祥太朗)が世界最強の将棋ロボット・マングースと対局中、痙攣を起こして意識消失。東帝大学病院に搬送されるのですが、MRI画像を見ても病名は特定できず。そこでヒポクラテスが導入され、73%の確率で脳膿瘍(のうのうよう・脳内に細菌が入り炎症を起こす病気)であると診断されるのです。

 患者の知名度が高く、ヒポクラテスの有能さをアピールするには絶好のチャンス到来というわけで、オペを確実に成功させたい蛭間は執刀医に大門未知子(米倉涼子)を指名します。しかし、未知子はAI診断に懐疑的なため、すぐにオペすることを拒否。自分の経験と患者との対話から疾患を探ろうとするのでした。

 そんなある日、未知子はふと手にした将棋雑誌から、五反田が対局前にいつも馴染みの店で豚トロを食べていることを知ります。気になりその店に足を運んでみると、病院をこっそり抜け出していた五反田を発見。そして、五反田が豚トロをほとんどレア状態で食べることに気づくのです。聞けば、海外へ行った時にも生焼けのまま豚肉を食べたということで、未知子はなにか閃くものがあり五反田をすぐに病院へ連れ戻します。

 再診の結果、五反田の体内から有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう・寄生虫の一種)の幼虫が発見されます。つまり、ヒポクラテスが下した脳膿瘍は誤診で、五反田の本当の病名は有鉤嚢虫症(ゆうこうのうちゅうしょう・有鉤条虫が脳に寄生した状態)だったのです。

 蛭間がマスコミ向けの会見を開く中、未知子は独断でオペを決行。無事に有鉤条虫の幼虫を摘出し、AI診断の鼻を明かしたところで終了となりました。

 さて感想ですが、今回も予想通りの展開でした。これまでのシーズンを通して定期的に登場する“未知子VS最新医療技術”という構図で始まり、結局最後に勝つのは外科医として類いまれな経験値と技術をもつ未知子というオチ。なんのひねりもないド直球のストーリー展開ですが、高視聴率を支える固定ファンはもはやこのドラマに変化球など望んではいないことでしょう。出世のことばかり考え、困難な状況に直面するとすぐに保身に走る教授たちを尻目に、米倉が快刀乱麻を断つ姿が最大の魅力になっていますし、今までそのスタイルで高い人気を維持できてきたわけですからテレビ朝日としても何の問題もありません。

 ただ、今回気になったのは、ヒポクラテスが誤診した理由が明確にされず、未知子の「AIはご飯食べないからね」という皮肉で片づけられてしまったことです。調べてみたところ確かに有鉤嚢虫症は診断が難しい病気ではあるようですが、決してレアな症例ではありません。数年前ならまだしも、昨今では現実的にさまざまな職場でAIが人間にとって代わり始めている状況ですし、命を扱う医療の現場に導入されるものならばなおさらその性能は生半可なものではないハズです。

 これは、旧世代とは言動にズレがある“ゆとり世代ネタ”を扱っていることについてもいえますが、今シーズンは未知子の生みの親でもある脚本家・中園ミホが参加していないこともあってか、フォーマット化されたストーリーにとりあえず世間を賑わせているネタを放り込んでおけばいいや、という制作陣の安直な考えが透けて見えるような気がするんですよね。AIやゆとり世代ネタは手垢がつきまくっているだけに、今さら扱うのであれば相当に煮込むなり焼くなりしなければ面白くならないのですが、サッと火を通して出しているだけといった印象が拭えません。

 時事ネタに関していえば、脚本を書いていたのがちょうど森友学園問題で揺れていた時期だったのか知れませんが、初回からやたらと“忖度”という言葉が出てくるのが引っ掛かります。タイムラグが生じてしまうのは仕方ありませんが、トレンドではなくなった時点で台本なり編集段階でカットすべきではないでしょうか。

 さて、次回は未知子がプライベートでも仲が良い麻酔科医・城之内博美(内田有紀)とケンカをしてしまうとのことで、この対立も前シーズンのラストに見た記憶があるのですが……。ひとまず放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

爆笑ヨーグルト姫、無事出産! おばさんたちの母性がドバドバ出ちゃう展開に笑える泣ける!『監獄のお姫さま』第5話

“クドカン”の愛称で親しまれる宮藤官九郎が脚本を手掛けるドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第5話が14日に放送され、平均視聴率8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイント増となりました。

 まずはこれまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イヴ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが女子刑務所で出会い親密になっていく6年前のシーンが行き交うカタチでドラマは展開。前回まではしのぶが入所、妊娠発覚、出産という流れが描かれました。

 さて、今回は勇介と名付けた男の子を無事に出産したしのぶが、刑務所に戻ってきたところからスタート。しのぶだけでなく、「母性がドバドバ出ちゃう」と言いながら子育てに協力するカヨたちの愛情も受け、勇介はスクスクと成長します。しかし、幸せな時間には限りが。規則により、刑務所内で一緒に生活できるのは最長でも1年半と決まっているのです。

 いつしかカヨたちだけでなく他の囚人や刑務官たちからも可愛がられるようになる勇介。しかし時の流れは早く、遂にしのぶの元から離されてしまう日が訪れます。乳児園か親戚か、勇介の引き渡し先の選択を迫られたしのぶは、絶縁状態だった母親に預けることに決めます。

 そして迎えたお別れの日。しのぶだけでなく遠巻きに見ているカヨたちも号泣する中、しのぶの母親に勇介が引き取られるのですが、迎えに来た車内からは吾郎が登場。勇介の存在を口止めしたハズなのに、しのぶの母親が裏切ったのです。吾郎に殺人教唆の濡れ衣を着せられただけでなく、愛する我が子まで奪われてしまったしのぶが絶望に打ちひしがれ、慟哭したところで今回は終了となりました。

 さて感想。初回から第3話目あたりまでは女優陣のテンポが悪く、クドカンの持ち味ともいえるクスっと笑わせるようなサブカルネタの台詞もキレを欠いていたため、正直レビュー書きの仕事をしていなければ観るのを止めていたかもしれません。ただ、前回から少しずつクドカンワールドの魅力が発揮され始め、今回はさらに面白味が増したため途中離脱しなくて良かったと心底思いました。

 特に、これまでダダ滑りしている感が強かった、吾郎・監禁シーンでの女優陣の歯車がカチッとハマり始めたような印象を受けました。例えば、吾郎から「おばさん」呼ばわりされてカヨたちがキレる、というパターンがこれまで何度も繰り返されていました。それがあまりにしつこかったため辟易していたのですが、今回はカヨたちが怒って吾郎に詰め寄っていく際、いつもふたばだけが参加していないというツッコミが入ったことで、これまでとは違った流れになり笑いが生まれたのです。

 ふたばを演じる満島は現在31歳ということで、小泉らと比べれば確かにおばさんではありません。しかし、微妙な年齢ではあります。「おばさん」という言葉に反応しない小さなプライドや、規律を重んじるクソ真面目な性格も相まって面白味が増すと同時に、これまでの放送を見直したところ確かにツッコミに参加していなかったため、改めて笑ってしまいました。例えるならば、バラエティ番組でひな壇芸人たちが皆オーバーリアクションする中、ただひとり立ち上がらずに冷静でいる土田晃之的な面白さといったところでしょうか。

 また、カヨたちの怒りを買ってしまったことでツッコミに加わるものの、“とりあえず参加しました”という態度が露骨に出てしまうため、さらに怒りを増幅させてしまうというやり取りは、ドラマというよりも小劇団の舞台を見ているような可笑しさがありました。今回のドラマを制作するにあたり宮藤は、自分は何が1番書きたいのか? という自問をした結果、「おばちゃんのお喋りを書いている時が一番楽しい」という結論に至り、大好きな女優をキャスティングしてもらったとのことですが、その成果が表れ始めたようです。

 現代のシーンで笑わせる一方、勇介との別れで泣かせるという緩急の付け方も見事。また、車内から吾郎が登場した際のまるで悪魔が降り立ったような演出も効いていました。今まではあまり悪い男といった感じがしなかった吾郎ですが、同シーンにより一気に憎さが増した印象です。ここからどのようにして復讐計画が立ち上がっていくのか、今後の展開に目が離せません。
(文=大羽鴨乃)

爆笑ヨーグルト姫、無事出産! おばさんたちの母性がドバドバ出ちゃう展開に笑える泣ける!『監獄のお姫さま』第5話

“クドカン”の愛称で親しまれる宮藤官九郎が脚本を手掛けるドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第5話が14日に放送され、平均視聴率8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイント増となりました。

 まずはこれまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イヴ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが女子刑務所で出会い親密になっていく6年前のシーンが行き交うカタチでドラマは展開。前回まではしのぶが入所、妊娠発覚、出産という流れが描かれました。

 さて、今回は勇介と名付けた男の子を無事に出産したしのぶが、刑務所に戻ってきたところからスタート。しのぶだけでなく、「母性がドバドバ出ちゃう」と言いながら子育てに協力するカヨたちの愛情も受け、勇介はスクスクと成長します。しかし、幸せな時間には限りが。規則により、刑務所内で一緒に生活できるのは最長でも1年半と決まっているのです。

 いつしかカヨたちだけでなく他の囚人や刑務官たちからも可愛がられるようになる勇介。しかし時の流れは早く、遂にしのぶの元から離されてしまう日が訪れます。乳児園か親戚か、勇介の引き渡し先の選択を迫られたしのぶは、絶縁状態だった母親に預けることに決めます。

 そして迎えたお別れの日。しのぶだけでなく遠巻きに見ているカヨたちも号泣する中、しのぶの母親に勇介が引き取られるのですが、迎えに来た車内からは吾郎が登場。勇介の存在を口止めしたハズなのに、しのぶの母親が裏切ったのです。吾郎に殺人教唆の濡れ衣を着せられただけでなく、愛する我が子まで奪われてしまったしのぶが絶望に打ちひしがれ、慟哭したところで今回は終了となりました。

 さて感想。初回から第3話目あたりまでは女優陣のテンポが悪く、クドカンの持ち味ともいえるクスっと笑わせるようなサブカルネタの台詞もキレを欠いていたため、正直レビュー書きの仕事をしていなければ観るのを止めていたかもしれません。ただ、前回から少しずつクドカンワールドの魅力が発揮され始め、今回はさらに面白味が増したため途中離脱しなくて良かったと心底思いました。

 特に、これまでダダ滑りしている感が強かった、吾郎・監禁シーンでの女優陣の歯車がカチッとハマり始めたような印象を受けました。例えば、吾郎から「おばさん」呼ばわりされてカヨたちがキレる、というパターンがこれまで何度も繰り返されていました。それがあまりにしつこかったため辟易していたのですが、今回はカヨたちが怒って吾郎に詰め寄っていく際、いつもふたばだけが参加していないというツッコミが入ったことで、これまでとは違った流れになり笑いが生まれたのです。

 ふたばを演じる満島は現在31歳ということで、小泉らと比べれば確かにおばさんではありません。しかし、微妙な年齢ではあります。「おばさん」という言葉に反応しない小さなプライドや、規律を重んじるクソ真面目な性格も相まって面白味が増すと同時に、これまでの放送を見直したところ確かにツッコミに参加していなかったため、改めて笑ってしまいました。例えるならば、バラエティ番組でひな壇芸人たちが皆オーバーリアクションする中、ただひとり立ち上がらずに冷静でいる土田晃之的な面白さといったところでしょうか。

 また、カヨたちの怒りを買ってしまったことでツッコミに加わるものの、“とりあえず参加しました”という態度が露骨に出てしまうため、さらに怒りを増幅させてしまうというやり取りは、ドラマというよりも小劇団の舞台を見ているような可笑しさがありました。今回のドラマを制作するにあたり宮藤は、自分は何が1番書きたいのか? という自問をした結果、「おばちゃんのお喋りを書いている時が一番楽しい」という結論に至り、大好きな女優をキャスティングしてもらったとのことですが、その成果が表れ始めたようです。

 現代のシーンで笑わせる一方、勇介との別れで泣かせるという緩急の付け方も見事。また、車内から吾郎が登場した際のまるで悪魔が降り立ったような演出も効いていました。今まではあまり悪い男といった感じがしなかった吾郎ですが、同シーンにより一気に憎さが増した印象です。ここからどのようにして復讐計画が立ち上がっていくのか、今後の展開に目が離せません。
(文=大羽鴨乃)

櫻井翔・校長、3年生切り捨て改革で嵐を巻き起こす! 『先に生まれただけの僕』第4話

 人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第4話が4日に放送され、平均視聴率7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から2.8ポイント下げという結果になってしまいました。

 その前回、英語教師・島津智一(瀬戸康史)のアクティブ・ラーニング(課題を与えて生徒たちの間で相談させ問題を解かせる教育法)を取り入れた授業に感動した鳴海涼介(櫻井翔)は、他の授業にも採用することを決意。島津に講師を頼み、他の教師たちを集めて勉強会を開きます。そして、これまでとは違う授業ができそうだとテンションが上がった鳴海は、全校生徒を集め「授業を面白くする!」と高らかに宣言するのです。

 生徒たちが能動的に参加するスタイルの授業は反響を呼び、鳴海は手応えをつかみます。しかし、改革を実施したのは1,2年生のみ。受験や就職を控えた3年生はこれまで通りの授業のため、不満の声が挙がってしまいます。そしてある日、代表者が校長室に押しかけ、「見捨てられた」「切り捨てられた」と怒りを爆発させるのです。

 そんな中、野球部の2年生が3年生にしごかれ、肋骨をケガしてしまう事件が発生。鳴海の改革が明らかに悪影響を及ぼし始めてしまっているのです。また、これまでの授業を暗に批判したような“授業を面白くする”発言に対して、アクティブ・ラーニング反対派の教師たちからここぞとばかりに批判の声が殺到してしまいます。

 先走った言動を反省した鳴海は、3年生だけを緊急招集。頭を下げて謝罪した上で、リアルな社会では理不尽なことだらけだと説き始めるのです。就職組にはその厳しい社会がすぐ目の前に迫っていること、進学組には学校を出てからが本当の勝負であることを、商社マンとして社会の荒波にもまれてきた経験から語るのです。そして、鳴海の魂のこもったロングスピーチに生徒たちが心を動かされ静まり返る中、今回は終了となりました。

 さて、感想。総合商社・樫松物産から京明館高等学校へ出向して以来、偏差値44から50へアップさせ人気校にすべく悪戦苦闘している鳴海ですが、改革に焦るあまり空気の読めない言動が目立ちました。今回のアクティブ・ラーニング導入に関しても、間違いなくこれまでの授業および教師たちを全否定するようなものですし、3年生たちが疎外感を抱いてしまうのも無理はありません。

 また、自分の誤りや失言を他人から指摘されなければ気づかないという鈍感さが、元エリート商社マンという設定をブレさせてしまっているようにも思えます。櫻井の演技力が決して高くないだけに、どこか頼りなさも感じてしまうのです。

 それだけに今回、新聞のラテ欄に「怒涛の10分超えロングスピーチ! 改革から取り残された三年生のみんなへ!」というコピーを見つけた時には不安を覚えました。櫻井の独演が10分以上も続くとなると、地獄絵図と化すのではないかと。ドラマの内容よりも櫻井ファンを喜ばせるためだけの演出を優先するように路線変更したのではないかと危惧してしまったのです。

 しかし、結論をいえば最後のロングスピーチは見応えがありました。鳴海が最初、「こんな(理不尽な)こと社会に出れば普通にあります」と語り始めた時には「逆ギレかよ!?」とツッコミそうになりましたが、確かに鳴海の言うことは正しいのです。世の中に出れば理屈の通らないことだらけ。けれど、現実の教育現場では実社会経験のない教師ばかりが多いため、鳴海の言う“普通”を知る人は少ないのではないでしょうか。

 また、たとえ民間企業で働いた経験があっても、鳴海のようにズバリと言える教師はどれぐらいいることでしょう。鳴海は今回、進学組の生徒たちに向かって、偏差値の低い高校から進学できる大学は「就職に有利といえる大学ではない」とまで言い放ってましたが、そんな発言ができる教師は決して多くはないでしょう。教科書に書いてあることを教えるのではなく、生徒たちよりも“たまたま先に生まれただけの僕”が経験したことを語る。そうすることで社会に通用する生徒を育てていくという鳴海の理念およびドラマのテーマが、これまでで一番現れた回となったように思えます。

 ただ、このままでは社会の現実を生徒たちに突きつけて怖がらせているだけにすぎません。進学組の生徒たちに向かって「人間力を鍛えろ」と諭していましたが、具体的には何をすればいいのか。それを示していかなければなりません。また、アクティブ・ラーニングだけで偏差値が上がるほど学校教育は単純なものなのかも疑問です。鳴海校長の前途はまだまだ多難ですが、前回から少しずつ見どころが増えてきただけに今後の展開に期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

大門未知子が後輩医師をドS調教!? 『ドクターX ~外科医・大門未知子』第4話

 米倉涼子がフリーランスの天才外科医を演じる大ヒットドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第4話が2日に放送され、平均視聴率19.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.1ポイント増となりました。

 さて、今回は手術シーンからスタート。“三度の飯よりオペが好き”と公言する未知子はハードに仕事をこなすのですが、助手を務める森本光(田中圭)は技術的に劣り、足手まといになってしまいます。

 また、西山直之(永山絢斗)ら“ゆとり世代”の若手医師たちからの突き上げもあり、森本はストレスを抱え込んでしまうのです。その姿を見かねた先輩外科医・原守(鈴木浩介)に誘われ、気分転換に婚活パーティーに参加。そこで運命の女性・内神田四織(仲里依紗)に出会い、結婚へ向けトントン拍子で話が進みます。

 そんなある日、四織が勤務中の森本を訪れ、人気の結婚式場を予約することができたと報告。喜ぶ森本ですが、帰り際に四織が倒れてしまいます。すぐに検査したところ、四織は余命3カ月の重篤な肝臓がんを患っていることが発覚。さらに、四織が日本医師倶楽部の会長・内神田景信(草刈正雄)の娘、つまり超VIPであることが明らかになり、医局内は騒然となってしまうのです。

 オペ失敗は絶対に許されないと、病院長・蛭間重勝(西田敏行)は万全の布陣でオペに臨むことを計画。しかし、四織が執刀医に指名したのは、婚約者であり名医だと思い込んでいる森本だったのです。自分の手に負えない困難な手術が回ってきたことに森本は恐れおののき、未知子に助手を頼むのですが、未知子は「いたしません」の一点張り。教授連中が土下座しても首を縦には振らないのです。

 しかしオペ当日、未知子は手術室に現れ、助手に入ることを承諾。森本は安堵しつつ肝臓にある腫瘍の摘出を始めるのですが、肝臓の20%を残さなければいけないギリギリの切除が求められる困難なオペに途中でギブアップ。未知子に助けを求めるも頑なに拒否されてしまったため、インオペ(手術中止)を決意するのです。

 四織を救えなかったことに落胆する森本ですが、その数日後、未知子が四織の再手術をしていると聞きつけ、慌てて手術室に駆け込みます。実は未知子、前回のオペの際、腫瘍を切除して小さくなった肝臓が自己再生するような処置をこっそり施していたのです。それが功を奏し、手術は無事に成功となりました。

 その後、四織は実は“内神田”という姓を利用して医師たちを騙す結婚詐欺師だったことが発覚。重鎮の娘を助けて株を上げようとした蛭間がその事実を知り、内神田景信の目の前で驚嘆、森本がショックを受けて泣く、というオチがついたところで終了となりました。

 今回は森本にスポットライトが当たる回となりました。森本といえば第1期に新米外科医として登場。天才的なオペ技術を誇る未知子に憧れを抱き海外留学を決意したものの、留学は失敗に終わったようで相変わらず外科医としての腕は半人前。第1話から先輩医師だけでなく若手医師たちにもバカにされるようなシーンがちょくちょく挿入されていました。

 しかし、ダメなりにも一生懸命頑張る森本のことを、未知子は未知子なりに密かに気にかけていたのではないでしょうか。今回、最初のオペ中に未知子が森本の助けを拒否した際、外野の教授たちからは“未知子なりの教育”という意見が飛び交いました。獅子の子落としではないですが、困難な局面から逃げてばかりでは森本の成長には繋がらないというわけです。

 2回目のオペについては、森本が執刀医を代わると申し出た際、未知子が「あんたはこの前やったでしょ。次は私の番」と言ったため、結局自分がオペをやりたかっただけなんだと、他の教授たちが呆れ返るシーンがありました。どこか子どもじみたところがある未知子なだけに、最後の最後は自分がオペをしたいという気持ちは確かにあったのかもしれません。けれど、昔気質の職人の師弟関係ではないですが、“背中を見て覚えろ”という意味合いもあったのではないかと思うのです。普段は定時きっかりに帰る未知子ですが、今回は珍しく残業して四織のレントゲンと睨めっこするシーンがあったことからも、森本を気にかけている様子が伝わってきました。

 第2話での新人医師・伊東亮治(野村周平)に対してもそうでしたが、今シーズンの未知子は後輩たちに対して姉御肌な部分を発揮しているシーンが垣間見られます。優しい言葉など一切かけず、その指導方法はドS気味ではありますが、他人のことは我関せずだった未知子も後輩育成が考えられるほど丸くなってきたということかもしれません。

 さて、次回は最先端のAI診断システムがテーマということですが、未知子と若手医師たちとの絡みも含めて面白い展開を期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)

爆笑ヨーグルト姫の妊娠発覚! クドカン節がようやく炸裂し始め面白さアップ! 『監獄のお姫さま』第4話

 人気脚本家・宮藤官九郎が大好きな女優だけをキャスティング・オファーしたというドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第4話が7日に放送され、平均視聴率7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.3ポイントアップとなりました。

 まずはこれまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イヴ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に吾郎の婚約者だった江戸川しのぶ(夏帆)が、吾郎の浮気相手・横田ユキ(雛形あきこ)の殺人教唆罪で逮捕されたのが冤罪だったことを吾郎に証言させようという目的があったのです。

 前回は6年前に遡り、カヨたちがいる女子刑務所に“爆笑ヨーグルト姫(爆笑する姿がネット上で出回ったことに由来)”こと、しのぶが入所した当時の様子が描かれました。監房内のテレビで吾郎に新恋人ができたことを知り、落ち込むしのぶ。カヨたちに対して心を閉ざしてしまうのですが、ある日ツワリらしき兆候があらわれるのをカヨが目撃したところで終了となりました。

 そして今回。「もしや、しのぶは妊娠しているのでは?」との疑惑を抱いたカヨは、囚人仲間に伝えるべきか悩むのですが、その様子が刑務官・ふたばに挙動不審だと思われてしまい独居房に入れられてしまうことに。そうこうしているうちにしのぶが倒れたことで妊娠が発覚します。

 刑務所内に動揺が広がることを抑止するため、しのぶの妊娠はカヨのいる雑居房内で箝口令が敷かれることに。秘密を共有したことで仲間意識が強まり、しのぶも心を開くようになるのです。そしてカヨたちはしのぶの様子を見ているうちに、殺人教唆をしたのは、しのぶではなく吾郎だったのではないかという疑惑を抱き始めます。吾郎が『王様のブランチ』(TBS系)に“イケメン社長”として出演し、タレント気取りで浮かれている姿を見たことで余計にその疑いとしのぶへの同情心を強めるのでした。

 やがて月日が流れ、産気づいたしのぶが救急車で搬送されるのをカヨたちが見送ったところで今回は終了となりました。

 さて、感想。第2話目から同ドラマは、現在、6年前の女子刑務所でのシーン、6年前にカヨが夫の不倫を咎めて刺した時の回想シーンなど時系列がバラバラに入り組んだ展開となりました。さらに今回は、暴力団組長の夫に裏切られ違法薬物不法所持の罪で入所した明美や、実の父親に脱税を密告されたことで実刑判決をくらった千夏の回想シーンも挿入されたため、より複雑さが増したのですが、その分ストーリーに厚みが加わってきた印象です。

 また、明美と千夏の回想シーンの中に吾郎役の伊勢谷友介が別の役(若い暴力団組員や若い頃の千夏の父親役)として出演していたのですが、これは2人の意識の中で吾郎の存在が大きくなり始めたこと(千夏の場合は露骨に憎い相手として)を表現しているのではないかとも思いました。あるいはただ単に、伊勢谷をあらゆるシーンに登場させることで笑いを取ろうとしただけかもしれませんが、いずれにせよ今後はカヨたちが吾郎への憎しみを増幅させるシーンが盛り込まれていくことでしょう。前科者のカヨたちが吾郎を誘拐してまでしのぶの冤罪を晴らそうとするのですから、そこには余程の理由があるハズなのです。

 復讐劇への助走が勢いをつけ始める一方、宮藤脚本のミソであるコメディー部分も次第にノッてきたような気がします。特に、しのぶの妊娠を知りソワソワするカヨに対してふたばが“情緒不安定なおばさん”扱いをしたり、妊娠を報告しなかったことに対して「愚鈍!」と言い放つなどのシーンは、女優として大先輩である小泉を満島が罵るというおかしさが加わり笑ってしまいました。洋子が延々とルパン三世のモノマネを繰り返すなど細かいところでスベッている部分はありましたが、クドカン節がようやく炸裂し始めただけにこの先の展開が楽しみです。

 ただ、気になるのはしのぶが裁判で殺人教唆を認めた点です。カヨたちは、妊娠したために再審請求をしなかったのだと臆測していましたが、お腹の中に子供がいると分かっていたのならむしろ全力で刑務所入りを回避しようとするものなのではないでしょうか。その辺の事情も含め、次第に明らかになっていく吾郎・誘拐の背景とジワリと面白味が増し始めたコメディー部分に目が離せなくなってきました。次回を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

爆笑ヨーグルト姫の妊娠発覚! クドカン節がようやく炸裂し始め面白さアップ! 『監獄のお姫さま』第4話

 人気脚本家・宮藤官九郎が大好きな女優だけをキャスティング・オファーしたというドラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第4話が7日に放送され、平均視聴率7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.3ポイントアップとなりました。

 まずはこれまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イヴ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に吾郎の婚約者だった江戸川しのぶ(夏帆)が、吾郎の浮気相手・横田ユキ(雛形あきこ)の殺人教唆罪で逮捕されたのが冤罪だったことを吾郎に証言させようという目的があったのです。

 前回は6年前に遡り、カヨたちがいる女子刑務所に“爆笑ヨーグルト姫(爆笑する姿がネット上で出回ったことに由来)”こと、しのぶが入所した当時の様子が描かれました。監房内のテレビで吾郎に新恋人ができたことを知り、落ち込むしのぶ。カヨたちに対して心を閉ざしてしまうのですが、ある日ツワリらしき兆候があらわれるのをカヨが目撃したところで終了となりました。

 そして今回。「もしや、しのぶは妊娠しているのでは?」との疑惑を抱いたカヨは、囚人仲間に伝えるべきか悩むのですが、その様子が刑務官・ふたばに挙動不審だと思われてしまい独居房に入れられてしまうことに。そうこうしているうちにしのぶが倒れたことで妊娠が発覚します。

 刑務所内に動揺が広がることを抑止するため、しのぶの妊娠はカヨのいる雑居房内で箝口令が敷かれることに。秘密を共有したことで仲間意識が強まり、しのぶも心を開くようになるのです。そしてカヨたちはしのぶの様子を見ているうちに、殺人教唆をしたのは、しのぶではなく吾郎だったのではないかという疑惑を抱き始めます。吾郎が『王様のブランチ』(TBS系)に“イケメン社長”として出演し、タレント気取りで浮かれている姿を見たことで余計にその疑いとしのぶへの同情心を強めるのでした。

 やがて月日が流れ、産気づいたしのぶが救急車で搬送されるのをカヨたちが見送ったところで今回は終了となりました。

 さて、感想。第2話目から同ドラマは、現在、6年前の女子刑務所でのシーン、6年前にカヨが夫の不倫を咎めて刺した時の回想シーンなど時系列がバラバラに入り組んだ展開となりました。さらに今回は、暴力団組長の夫に裏切られ違法薬物不法所持の罪で入所した明美や、実の父親に脱税を密告されたことで実刑判決をくらった千夏の回想シーンも挿入されたため、より複雑さが増したのですが、その分ストーリーに厚みが加わってきた印象です。

 また、明美と千夏の回想シーンの中に吾郎役の伊勢谷友介が別の役(若い暴力団組員や若い頃の千夏の父親役)として出演していたのですが、これは2人の意識の中で吾郎の存在が大きくなり始めたこと(千夏の場合は露骨に憎い相手として)を表現しているのではないかとも思いました。あるいはただ単に、伊勢谷をあらゆるシーンに登場させることで笑いを取ろうとしただけかもしれませんが、いずれにせよ今後はカヨたちが吾郎への憎しみを増幅させるシーンが盛り込まれていくことでしょう。前科者のカヨたちが吾郎を誘拐してまでしのぶの冤罪を晴らそうとするのですから、そこには余程の理由があるハズなのです。

 復讐劇への助走が勢いをつけ始める一方、宮藤脚本のミソであるコメディー部分も次第にノッてきたような気がします。特に、しのぶの妊娠を知りソワソワするカヨに対してふたばが“情緒不安定なおばさん”扱いをしたり、妊娠を報告しなかったことに対して「愚鈍!」と言い放つなどのシーンは、女優として大先輩である小泉を満島が罵るというおかしさが加わり笑ってしまいました。洋子が延々とルパン三世のモノマネを繰り返すなど細かいところでスベッている部分はありましたが、クドカン節がようやく炸裂し始めただけにこの先の展開が楽しみです。

 ただ、気になるのはしのぶが裁判で殺人教唆を認めた点です。カヨたちは、妊娠したために再審請求をしなかったのだと臆測していましたが、お腹の中に子供がいると分かっていたのならむしろ全力で刑務所入りを回避しようとするものなのではないでしょうか。その辺の事情も含め、次第に明らかになっていく吾郎・誘拐の背景とジワリと面白味が増し始めたコメディー部分に目が離せなくなってきました。次回を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

櫻井翔・校長、初授業で玉砕も“鳴海イズム”が徐々に浸透? 『先に生まれただけの僕』第3話

 人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第3話が28日に放送され、平均視聴率10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から3.0ポイント戻し、これまでで最高の数字をマークしました。

 その前回、教育方針の違いから数学教師・及川祐二(木下ほうか)を辞職に追いやり、その代わりに教壇に立つと宣言した鳴海涼介(櫻井翔)。しかし、教育免許は持っているものの実際に授業を行ったのは教育実習の時のみということで、どのように授業を進めるか頭を悩ませます。

 そんな折、京命館高等学校の生徒・門倉陸(平田敦士)がコンビニで漫画のデジタル万引き(スマホで撮影すること)をした疑いが浮上するのですが、担任教師・真柴ちひろ(蒼井優)はそれが犯罪であることを門倉にやんわりと伝えるだけで、罪を問いただすことはしません。犯罪と認識させることで2度と過ちは犯さないだろうというのが真柴の考えなのですが、鳴海はこれに違和感を抱きます。

 そうこうしているうちにいよいよ教壇に立つことになった鳴海は、いろいろと考えた末にアクティブ・ラーニング(課題を与えて生徒たちの間で相談させ問題を解かせる教育法)を実施。教室内を自由に移動して相談OKというスタイルで行い、最初は盛り上がりをみせます。しかし、途中から口ゲンカする生徒が現れるなど、尻すぼみのカタチで終了することに。また、授業終了間際に生徒から数学を学ぶ意味、社会に出てから使うことがあるのかと訊かれた鳴海は何も答えられず、見学に来ていた他の教師たちから嘲笑されてしまうのです。

 初めての授業が失敗に終わっただけでなく、他の教師たちからの信頼もますます失ってしまったことに落胆する鳴海ですが、その挑戦は無駄ではありませんでした。実は以前からアクティブ・ラーニングを実践してみたかったものの前校長には提案できなかったという英語教師・島津智一(瀬戸康史)が、ぜひ自分にもやらせてほしいと懇願してきたのです。もちろん鳴海はこれを承諾。真柴と一緒に島津の授業を見学することにします。

 鳴海よりもアクティブ・ラーニングについて詳しい島津は、生徒たちに隣同士でペアを組ませて授業を実施。すると鳴海の時とは違い、生徒たちは最後まで生き生きと授業に参加するのです。また、英語を学ぶ意味について生徒から質問された島津は、今後ますますグローバル化が進む日本社会で、英語ができれば幸せな生活を送れる可能性が広がると説明。鳴海が理想とする“生徒たちにリアルな社会を教える”という授業を実践してみせたのです。 

 島津の授業に感銘を受けた鳴海は、生徒たちを体育館に緊急招集。数学を学ぶ意味について、例えば怪しげな投資話を持ち掛けられた場合に正しい判断をする能力が身につくことや、論理的な思考力が培われることなどを熱弁するのです。これを詭弁だと受け取る教師はいるものの島津が小さく頷いていたり、納得する表情を浮かべる生徒がチラホラいるなど少しずつ“鳴海イズム”が浸透し始めるのです。また、鳴海はデジタル万引きについても言及。軽はずみな行動がコンビニや漫画の原作者たちに多大な損失を与えることをきっちりと話し、真柴のようにウヤムヤにしない態度を見せたところで今回は終了となりました。

 さて、感想。前回、鳴海が教壇に立つと宣言した際には、金八先生のような熱血教師路線に変更するのではないかと危惧してしまいました。決して演技上手とはいえない櫻井に武田鉄矢のような説得力のある教師が演じられるわけないと思ったからです。

 しかし、それは杞憂にすぎず、教壇に立った鳴海は見事に玉砕。そしてこれにより、今まで目立たない存在だった島津にスポットライトが当たる展開になったのは良かったと思います。少なくともこれまでで一番見応えがありました。鳴海にコミカルな役回りを演じさせることで、他の教師や生徒たちのキャラを引き立たせる。そんな演出にすれば今後も盛り上がっていくのではないかという予感を抱かせてくれる回となりました。

 また、教育方法によって生徒たちの意欲が変わり学力が向上していく過程を描くことで、現役世代に対しては“こんな学校があればいいのに”という思いを、すでに社会に出ている世代には“こんな学校があれば良かった”という思いを喚起させ、物語の世界に強く引き込む力になり得るかもしれません。前回まではおぼつかない展開が続いているように思えましたが、ようやくドラマの道筋が見えてきた気がしました。

 個人的には、新米教師・矢部日菜子役の森川葵が可愛らしいキャラを演じているので、メインになる回を望むのですが……。何はともあれ、次回も鳴海校長の奮闘に期待したいです。
(文=大羽鴨乃)

櫻井翔・校長、初授業で玉砕も“鳴海イズム”が徐々に浸透? 『先に生まれただけの僕』第3話

 人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第3話が28日に放送され、平均視聴率10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から3.0ポイント戻し、これまでで最高の数字をマークしました。

 その前回、教育方針の違いから数学教師・及川祐二(木下ほうか)を辞職に追いやり、その代わりに教壇に立つと宣言した鳴海涼介(櫻井翔)。しかし、教育免許は持っているものの実際に授業を行ったのは教育実習の時のみということで、どのように授業を進めるか頭を悩ませます。

 そんな折、京命館高等学校の生徒・門倉陸(平田敦士)がコンビニで漫画のデジタル万引き(スマホで撮影すること)をした疑いが浮上するのですが、担任教師・真柴ちひろ(蒼井優)はそれが犯罪であることを門倉にやんわりと伝えるだけで、罪を問いただすことはしません。犯罪と認識させることで2度と過ちは犯さないだろうというのが真柴の考えなのですが、鳴海はこれに違和感を抱きます。

 そうこうしているうちにいよいよ教壇に立つことになった鳴海は、いろいろと考えた末にアクティブ・ラーニング(課題を与えて生徒たちの間で相談させ問題を解かせる教育法)を実施。教室内を自由に移動して相談OKというスタイルで行い、最初は盛り上がりをみせます。しかし、途中から口ゲンカする生徒が現れるなど、尻すぼみのカタチで終了することに。また、授業終了間際に生徒から数学を学ぶ意味、社会に出てから使うことがあるのかと訊かれた鳴海は何も答えられず、見学に来ていた他の教師たちから嘲笑されてしまうのです。

 初めての授業が失敗に終わっただけでなく、他の教師たちからの信頼もますます失ってしまったことに落胆する鳴海ですが、その挑戦は無駄ではありませんでした。実は以前からアクティブ・ラーニングを実践してみたかったものの前校長には提案できなかったという英語教師・島津智一(瀬戸康史)が、ぜひ自分にもやらせてほしいと懇願してきたのです。もちろん鳴海はこれを承諾。真柴と一緒に島津の授業を見学することにします。

 鳴海よりもアクティブ・ラーニングについて詳しい島津は、生徒たちに隣同士でペアを組ませて授業を実施。すると鳴海の時とは違い、生徒たちは最後まで生き生きと授業に参加するのです。また、英語を学ぶ意味について生徒から質問された島津は、今後ますますグローバル化が進む日本社会で、英語ができれば幸せな生活を送れる可能性が広がると説明。鳴海が理想とする“生徒たちにリアルな社会を教える”という授業を実践してみせたのです。 

 島津の授業に感銘を受けた鳴海は、生徒たちを体育館に緊急招集。数学を学ぶ意味について、例えば怪しげな投資話を持ち掛けられた場合に正しい判断をする能力が身につくことや、論理的な思考力が培われることなどを熱弁するのです。これを詭弁だと受け取る教師はいるものの島津が小さく頷いていたり、納得する表情を浮かべる生徒がチラホラいるなど少しずつ“鳴海イズム”が浸透し始めるのです。また、鳴海はデジタル万引きについても言及。軽はずみな行動がコンビニや漫画の原作者たちに多大な損失を与えることをきっちりと話し、真柴のようにウヤムヤにしない態度を見せたところで今回は終了となりました。

 さて、感想。前回、鳴海が教壇に立つと宣言した際には、金八先生のような熱血教師路線に変更するのではないかと危惧してしまいました。決して演技上手とはいえない櫻井に武田鉄矢のような説得力のある教師が演じられるわけないと思ったからです。

 しかし、それは杞憂にすぎず、教壇に立った鳴海は見事に玉砕。そしてこれにより、今まで目立たない存在だった島津にスポットライトが当たる展開になったのは良かったと思います。少なくともこれまでで一番見応えがありました。鳴海にコミカルな役回りを演じさせることで、他の教師や生徒たちのキャラを引き立たせる。そんな演出にすれば今後も盛り上がっていくのではないかという予感を抱かせてくれる回となりました。

 また、教育方法によって生徒たちの意欲が変わり学力が向上していく過程を描くことで、現役世代に対しては“こんな学校があればいいのに”という思いを、すでに社会に出ている世代には“こんな学校があれば良かった”という思いを喚起させ、物語の世界に強く引き込む力になり得るかもしれません。前回まではおぼつかない展開が続いているように思えましたが、ようやくドラマの道筋が見えてきた気がしました。

 個人的には、新米教師・矢部日菜子役の森川葵が可愛らしいキャラを演じているので、メインになる回を望むのですが……。何はともあれ、次回も鳴海校長の奮闘に期待したいです。
(文=大羽鴨乃)