『シグナル』サスペンスにSFエキスをポトリ……塩顔・坂口健太郎とソース顔・北村一輝の時空を超えた捜査に期待!

 坂口健太郎が連続ドラマ初主演を務める『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第2話が17日に放送され、平均視聴率8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.3ポイントダウンとなってしまいました。

 まずは前回のあらましを少し。三枝健人(坂口健太郎)は、小学1年生の時に起きた女児誘拐殺人事件で犯人らしき女を目撃するのですが、警察には取り合ってもらえず。警察は、25歳の男性・橋本啓介を最重要容疑者として捜査を進めるのでした。

 しかし、行方をくらませた橋本は見つからぬまま月日は流れ、間もなく時効成立を迎えてしまうことに。その間、城西警察署地域課所属・南山田交番勤務の警察官となった健人は、ある日、廃棄予定の無線機から男の声が聞こえてくることに気づきます。

 その声の主は、過去に同警察署刑事課に所属していた刑事の大山剛志(北村一輝)。閉鎖された谷原記念病院の通風孔内に橋本の首吊り死体があることを伝えてきます。

 半信半疑の健人ですが、現場へ足を運んだところ白骨化した橋本の死体を発見。これによって一気に捜査の突破口が開け、谷原記念病院に勤務していた看護師・吉本圭子(長谷川京子)が容疑者として急浮上。任意同行にこぎつけたところで前回は終了となりました。

 そして今回、圭子の取り調べシーンからスタートするのですが、時効まで残された時間はわずか20分。当然、圭子は口を割ろうとしません。警察にとって頼みの綱は、橋本の首を吊ったロープに付着していた血液。これが圭子の血液ならば、殺人の決定的な証拠となる。しかし、DNA鑑定を依頼した科捜研からは、なかなか結果が届きません。

 焦燥感に駆られた健人は、偽の鑑定書を圭子に突きつけ自白を迫ります。しかし、嘘を見透かされてしまい、そのままタイムアウト。時効成立となったところでようやく科捜研から鑑定書が届きます。ロープに付着していたのは、やはり圭子のもの。真犯人を目の前にして逮捕できず、健人は悔しさを滲ませます。

 しかし、科捜研からはもう一点、届け物が。それは、橋本の衣服に入っていたというコインパーキングのチケットなのですが、そこに打刻された日時は、少女が殺害された翌日。つまり、橋本殺害に関しては時効まで1日の猶予があり、圭子はその場で即逮捕され、一件落着となります。

 その後、2010年4月に時効を撤廃する改正法が成立し、警視庁内では長期未解決事件捜査班が発足。城西警察署刑事課の刑事・桜井美咲(吉瀬美智子)らが配属されます。

 それからさらに8年後、アメリカでプロファイリングを学び、警部補に昇進した健人が同捜査班に加入。1997年に発生した女性連続殺人事件の再捜査を開始することになります。

 とはいえ、過去に捜査一課が全力を尽くしても解決できなかった事件。新たな手がかりは掴めず、捜査は一向に進展しません。

 そんな折、例の無線機から再び大山の声が。慌てて応答した健人は、大山が以前とはどこか違う様子であることに気がつきます。不審に思い問い詰めると、大山はまさしく今、21年前の女性連続殺人事件の捜査中だというのです。

 時空を超えた通信に驚く健人ですが、さらに不可思議な現象が発生します。本来は殺害されたことになっている近藤美香という女性を、1997年の世界にいる大山が救出すると、それが2018年にも反映され、捜査資料上で“殺人未遂”に変化。つまり、タイムパラドックスが発生するのですが、今回はそこまでで終了となりました。

 さて感想。前回は、橋本の白骨死体が見つかって以降、目まぐるしい展開となり、健人をはじめとする演者たちがドタバタ動き回り、視聴者側は置いてけぼりをくらって、何が何だかわからないまま終わってしまった印象でした。

 その点、今回は落ち着いて見られました。2018年の世界にいる健人と、1997年の世界にいる大山とが無線機で繋がり、タイムパラドックスが発生するという展開も面白い。その世界観に引き込まれました。

 冷静に考えれば、“そんなバカな”な設定なのですが、重厚なサスペンスの世界にSFのエキスを一滴たらし、演出の妙でうまく溶け込ませている。だから、特異な設定も違和感なく受け入れられるんですね。

 ただ、時系列がちょっと複雑。実は今回、圭子を逮捕した直後にも無線機の通信がつながるシーンがあったのですが、その時の大山がいつの時代から交信しているのかわからない。前回、橋本の首吊り死体を発見した時とも違う雰囲気なのです。設定自体は面白いだけに、今後はこのあたりの交通整理をうまくして欲しいな、と思いました。

 見ようによっては、大山が主役にもとれますよね。塩顔・坂口健太郎とソース顔・北村一輝という対照的な2人ですが、時空を超えた捜査が今後どう発展していくのか。回を重ねる毎に面白くなっていくのではないかと期待してます。
(文=大羽鴨乃)

『シグナル』サスペンスにSFエキスをポトリ……塩顔・坂口健太郎とソース顔・北村一輝の時空を超えた捜査に期待!

 坂口健太郎が連続ドラマ初主演を務める『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第2話が17日に放送され、平均視聴率8.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.3ポイントダウンとなってしまいました。

 まずは前回のあらましを少し。三枝健人(坂口健太郎)は、小学1年生の時に起きた女児誘拐殺人事件で犯人らしき女を目撃するのですが、警察には取り合ってもらえず。警察は、25歳の男性・橋本啓介を最重要容疑者として捜査を進めるのでした。

 しかし、行方をくらませた橋本は見つからぬまま月日は流れ、間もなく時効成立を迎えてしまうことに。その間、城西警察署地域課所属・南山田交番勤務の警察官となった健人は、ある日、廃棄予定の無線機から男の声が聞こえてくることに気づきます。

 その声の主は、過去に同警察署刑事課に所属していた刑事の大山剛志(北村一輝)。閉鎖された谷原記念病院の通風孔内に橋本の首吊り死体があることを伝えてきます。

 半信半疑の健人ですが、現場へ足を運んだところ白骨化した橋本の死体を発見。これによって一気に捜査の突破口が開け、谷原記念病院に勤務していた看護師・吉本圭子(長谷川京子)が容疑者として急浮上。任意同行にこぎつけたところで前回は終了となりました。

 そして今回、圭子の取り調べシーンからスタートするのですが、時効まで残された時間はわずか20分。当然、圭子は口を割ろうとしません。警察にとって頼みの綱は、橋本の首を吊ったロープに付着していた血液。これが圭子の血液ならば、殺人の決定的な証拠となる。しかし、DNA鑑定を依頼した科捜研からは、なかなか結果が届きません。

 焦燥感に駆られた健人は、偽の鑑定書を圭子に突きつけ自白を迫ります。しかし、嘘を見透かされてしまい、そのままタイムアウト。時効成立となったところでようやく科捜研から鑑定書が届きます。ロープに付着していたのは、やはり圭子のもの。真犯人を目の前にして逮捕できず、健人は悔しさを滲ませます。

 しかし、科捜研からはもう一点、届け物が。それは、橋本の衣服に入っていたというコインパーキングのチケットなのですが、そこに打刻された日時は、少女が殺害された翌日。つまり、橋本殺害に関しては時効まで1日の猶予があり、圭子はその場で即逮捕され、一件落着となります。

 その後、2010年4月に時効を撤廃する改正法が成立し、警視庁内では長期未解決事件捜査班が発足。城西警察署刑事課の刑事・桜井美咲(吉瀬美智子)らが配属されます。

 それからさらに8年後、アメリカでプロファイリングを学び、警部補に昇進した健人が同捜査班に加入。1997年に発生した女性連続殺人事件の再捜査を開始することになります。

 とはいえ、過去に捜査一課が全力を尽くしても解決できなかった事件。新たな手がかりは掴めず、捜査は一向に進展しません。

 そんな折、例の無線機から再び大山の声が。慌てて応答した健人は、大山が以前とはどこか違う様子であることに気がつきます。不審に思い問い詰めると、大山はまさしく今、21年前の女性連続殺人事件の捜査中だというのです。

 時空を超えた通信に驚く健人ですが、さらに不可思議な現象が発生します。本来は殺害されたことになっている近藤美香という女性を、1997年の世界にいる大山が救出すると、それが2018年にも反映され、捜査資料上で“殺人未遂”に変化。つまり、タイムパラドックスが発生するのですが、今回はそこまでで終了となりました。

 さて感想。前回は、橋本の白骨死体が見つかって以降、目まぐるしい展開となり、健人をはじめとする演者たちがドタバタ動き回り、視聴者側は置いてけぼりをくらって、何が何だかわからないまま終わってしまった印象でした。

 その点、今回は落ち着いて見られました。2018年の世界にいる健人と、1997年の世界にいる大山とが無線機で繋がり、タイムパラドックスが発生するという展開も面白い。その世界観に引き込まれました。

 冷静に考えれば、“そんなバカな”な設定なのですが、重厚なサスペンスの世界にSFのエキスを一滴たらし、演出の妙でうまく溶け込ませている。だから、特異な設定も違和感なく受け入れられるんですね。

 ただ、時系列がちょっと複雑。実は今回、圭子を逮捕した直後にも無線機の通信がつながるシーンがあったのですが、その時の大山がいつの時代から交信しているのかわからない。前回、橋本の首吊り死体を発見した時とも違う雰囲気なのです。設定自体は面白いだけに、今後はこのあたりの交通整理をうまくして欲しいな、と思いました。

 見ようによっては、大山が主役にもとれますよね。塩顔・坂口健太郎とソース顔・北村一輝という対照的な2人ですが、時空を超えた捜査が今後どう発展していくのか。回を重ねる毎に面白くなっていくのではないかと期待してます。
(文=大羽鴨乃)

新ドラマ『シグナル』初主演・坂口健太郎のセリフと演技が大仰すぎてコント化……

 塩顔男子の代表格ともいえる坂口健太郎が連続ドラマ初主演を務める『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第1話が10日に放送され、平均視聴率9.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得。まずまずのスタートを切りました。

 城西警察署地域課所属・南山田交番勤務の警察官・三枝健人(坂口健太郎)は、小学1年生の時、同じ学校に通っていた少女・田代綾香が誘拐・殺害される直前、犯人らしき女性を目撃。しかし警察は、右手親指の指紋が検出されたことなどから、犯人を25歳の男性・橋本啓介と断定し、捜査を進めます。

 やがて月日がたち、橋本は逮捕されぬまま、あと数日で時効を迎えることに。そんなある日、健人は職場のゴミ袋の中から無線機の声が聞こえることに気づき、応答します。

 その声の主は、過去に城西警察署刑事課に所属していた刑事の大山剛志(北村一輝)。大山は健人のことを“警部補”と呼び、閉鎖された谷原記念病院の通風孔内に、橋本の首吊り死体があることを発見したと伝えてきます。

 やがて、大山が何者かに襲撃されたような物音が聞こえたかと思うと、交信は断絶。しかもよく見ると、無線機には電池が入っていない。不思議な現象に首をかしげる健人ですが、とりあえず病院へ足を運んでみることに。すると、通風孔の中に白骨死体があるのを発見するのです。

 その白骨は橋本のものであることが判明。時効まで残り24時間を切ったタイミングだったため、警視庁は橋本の自殺ということで事件を処理することに決めます。

 しかし、橋本の死体からは右手の親指が欠損しているため、健人は、真犯人の女性が橋本に罪をなすりつけて殺したのだと臆測。犯人が慌てて行動しボロを出すことを狙い、マスコミに向かって「決定的な証拠がある」と訴えるのです。

 するとその狙い通り、看護師の吉本圭子(長谷川京子)から同僚の前川穂波という女性が怪しいと連絡が入ります。穂波は以前、谷原記念病院に勤務していたことがあるのですが、健人が出たニュース映像を見て、突然休暇をとり函館へ旅立ったというのです。

 その通報を受け、警察が穂波の職場のロッカーを調べたところ、時効までの日をカウントダウンするカレンダーを発見。これは犯人に間違いないと踏んだ健人は、函館にいる穂波をすぐさま任意同行するよう要請します。

 穂波の事情聴取は、城西警察署刑事課の刑事・桜井美咲(吉瀬美智子)が担当することに。しかし、その様子を見ていた健人は、違和感を覚えます。小学生の時に目撃した犯人らしき女性は、派手に着飾っていた。それなのに、穂波の身なりは地味なのです。

 健人の予感は的中。実は真犯人は圭子だったのです。自分のロッカーを穂波のものだと偽り、罪をなすりつけた。穂波の誤認逮捕を報じるマスコミが警察署前に押し寄せる中、健人は悔しさを滲ませます。時効まであと1時間を切り、もはやここまでか……。

 しかし、独自のプロファイリングによって、圭子が自己顕示欲の強い女性だと分析していた健人は、野次馬の中に紛れているのではないかと予想。そのとおり、人ごみの中に身を隠していた圭子を美咲が捕らえたところで今回は終了となりました。

 原作は2016年に韓国で放送され、高視聴率を獲得したドラマということで放送前から注目度が高かった本作。坂口の滑舌が悪かったり、表情の変化が乏しかったりといったマイナス・ポイントはあるものの、前半部分では無線機や真犯人の謎、サスペンス効果抜群のカット割りなど、「面白い展開になるのでは?」と、期待を抱かせてくれる雰囲気が感じられました。

 けれど、白骨死体が発見された途端、あまりに急展開となり、見てるこちらは置いてけぼり状態。犯人に迫っていく過程で、健人が興奮を抑えきれずにやたらとハァハァ息遣い荒くなっていくのですが、ちょっと落ち着けよと言いたくなる。下っ端警官が出しゃばりすぎだろ、とたしなめたくもなりました。

 で、まんまと圭子のワナにはまり、穂波を誤認逮捕したことに気づいた時には、「犯人は、逃亡するハズだという我々の思い込みを利用したんだ!」と悔しさ全開の演技を見せるのですが、「思い込みをしたのは我々ではなくお前だろ!」とツッコみたくなりました。

 さらに、野次馬の中に圭子がいると気づいた時には、「このタイミング、まさに今ここで見てる!」と、もはやコントかと思えるほどの大仰なセリフと芝居。この先、健人のキャラクターと坂口の演技に磨きがかかっていかなければ、このドラマかなり苦戦するのではないかな、というのが率直な意見です。

 ただ、大山の安否だったり、“23時23分になったらつながる”という無線機の謎、時効成立まで40分を残しての圭子の事情聴取など、今後の展開が気になる部分もあるので、主役の成長に期待しつつ次回以降も見守っていきたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

新ドラマ『シグナル』初主演・坂口健太郎のセリフと演技が大仰すぎてコント化……

 塩顔男子の代表格ともいえる坂口健太郎が連続ドラマ初主演を務める『シグナル 長期未解決事件捜査班』(フジテレビ系)の第1話が10日に放送され、平均視聴率9.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得。まずまずのスタートを切りました。

 城西警察署地域課所属・南山田交番勤務の警察官・三枝健人(坂口健太郎)は、小学1年生の時、同じ学校に通っていた少女・田代綾香が誘拐・殺害される直前、犯人らしき女性を目撃。しかし警察は、右手親指の指紋が検出されたことなどから、犯人を25歳の男性・橋本啓介と断定し、捜査を進めます。

 やがて月日がたち、橋本は逮捕されぬまま、あと数日で時効を迎えることに。そんなある日、健人は職場のゴミ袋の中から無線機の声が聞こえることに気づき、応答します。

 その声の主は、過去に城西警察署刑事課に所属していた刑事の大山剛志(北村一輝)。大山は健人のことを“警部補”と呼び、閉鎖された谷原記念病院の通風孔内に、橋本の首吊り死体があることを発見したと伝えてきます。

 やがて、大山が何者かに襲撃されたような物音が聞こえたかと思うと、交信は断絶。しかもよく見ると、無線機には電池が入っていない。不思議な現象に首をかしげる健人ですが、とりあえず病院へ足を運んでみることに。すると、通風孔の中に白骨死体があるのを発見するのです。

 その白骨は橋本のものであることが判明。時効まで残り24時間を切ったタイミングだったため、警視庁は橋本の自殺ということで事件を処理することに決めます。

 しかし、橋本の死体からは右手の親指が欠損しているため、健人は、真犯人の女性が橋本に罪をなすりつけて殺したのだと臆測。犯人が慌てて行動しボロを出すことを狙い、マスコミに向かって「決定的な証拠がある」と訴えるのです。

 するとその狙い通り、看護師の吉本圭子(長谷川京子)から同僚の前川穂波という女性が怪しいと連絡が入ります。穂波は以前、谷原記念病院に勤務していたことがあるのですが、健人が出たニュース映像を見て、突然休暇をとり函館へ旅立ったというのです。

 その通報を受け、警察が穂波の職場のロッカーを調べたところ、時効までの日をカウントダウンするカレンダーを発見。これは犯人に間違いないと踏んだ健人は、函館にいる穂波をすぐさま任意同行するよう要請します。

 穂波の事情聴取は、城西警察署刑事課の刑事・桜井美咲(吉瀬美智子)が担当することに。しかし、その様子を見ていた健人は、違和感を覚えます。小学生の時に目撃した犯人らしき女性は、派手に着飾っていた。それなのに、穂波の身なりは地味なのです。

 健人の予感は的中。実は真犯人は圭子だったのです。自分のロッカーを穂波のものだと偽り、罪をなすりつけた。穂波の誤認逮捕を報じるマスコミが警察署前に押し寄せる中、健人は悔しさを滲ませます。時効まであと1時間を切り、もはやここまでか……。

 しかし、独自のプロファイリングによって、圭子が自己顕示欲の強い女性だと分析していた健人は、野次馬の中に紛れているのではないかと予想。そのとおり、人ごみの中に身を隠していた圭子を美咲が捕らえたところで今回は終了となりました。

 原作は2016年に韓国で放送され、高視聴率を獲得したドラマということで放送前から注目度が高かった本作。坂口の滑舌が悪かったり、表情の変化が乏しかったりといったマイナス・ポイントはあるものの、前半部分では無線機や真犯人の謎、サスペンス効果抜群のカット割りなど、「面白い展開になるのでは?」と、期待を抱かせてくれる雰囲気が感じられました。

 けれど、白骨死体が発見された途端、あまりに急展開となり、見てるこちらは置いてけぼり状態。犯人に迫っていく過程で、健人が興奮を抑えきれずにやたらとハァハァ息遣い荒くなっていくのですが、ちょっと落ち着けよと言いたくなる。下っ端警官が出しゃばりすぎだろ、とたしなめたくもなりました。

 で、まんまと圭子のワナにはまり、穂波を誤認逮捕したことに気づいた時には、「犯人は、逃亡するハズだという我々の思い込みを利用したんだ!」と悔しさ全開の演技を見せるのですが、「思い込みをしたのは我々ではなくお前だろ!」とツッコみたくなりました。

 さらに、野次馬の中に圭子がいると気づいた時には、「このタイミング、まさに今ここで見てる!」と、もはやコントかと思えるほどの大仰なセリフと芝居。この先、健人のキャラクターと坂口の演技に磨きがかかっていかなければ、このドラマかなり苦戦するのではないかな、というのが率直な意見です。

 ただ、大山の安否だったり、“23時23分になったらつながる”という無線機の謎、時効成立まで40分を残しての圭子の事情聴取など、今後の展開が気になる部分もあるので、主役の成長に期待しつつ次回以降も見守っていきたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

不条理の連鎖を断ち切った石原さとみのドヤ顔が美しい! 『アンナチュラル』最高のフィナーレでシリーズ化に期待

 石原さとみ主演ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)も今回で最終回。これまでで最高となる平均視聴率13.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、有終の美を飾りました。

 さて、まずは前回のあらすじを少し。8年前に恋人・糀谷夕希子(橋本真実)を殺されて以来、犯人を捜し続けていた不自然死究明研究所(通称・UDIラボ)の法医解剖医・中堂系(井浦新)は、その犯人が高瀬文人(尾上寛之)だと気づき、復讐のため高瀬のもとへ向かいます。

 しかし、ちょうど同じ頃、身の危険を感じた高瀬は警察へ出頭。そして今回の冒頭で高瀬は、26名の女性の死体損壊および死体遺棄の罪は認めるものの、殺人については犯行を否認します。

 中堂の無念を晴らすべく、三澄ミコト(石原さとみ)らUDIラボ・メンバーもサポート体制に入るのですが、これまでの被害者はすべて自殺とみなされ、すでに火葬されてしまったため、高瀬の殺人を立証する証拠はありません。

 また、前回、スーツケースの中から見つかった遺体に関しては、ホルマリン投与が死因だったのですが、胃の中からボツリヌス菌が検出されたため、高瀬は「(被害者は)食中毒で死んだ」と卑怯な言い逃れをします。

 ただ、この供述については、検視の鑑定書からボツリヌス菌検出に関する記述を削除してしまえば、高瀬を不利な立場へと追い込める。担当検事の烏田守(吹越満)からそう提案されたミコトは、中堂の復讐のため鑑定書の偽装に手を貸すか、解剖医としてのプライドやモラルを守るため削除を拒むか、悩みに悩みます。

 結局、ミコトは偽装を拒否。そして、それを予測していた中堂は、高瀬の共犯者でフリージャーナリストの宍戸理一(北村有起哉)を襲い、高瀬の犯行を立証できる証拠を出せと脅します。

 しかし、宍戸はこれを拒絶。怒り狂った中堂は宍戸を毒殺しようとするのですが、そこへ駆けつけたミコトに説得されたことで冷静になり、血を血で洗う惨事に至らずに済むのでした。

 そんな折、ニュースによって事件を知った糀谷夕希子の父親・和有(国広富之)が、勤務地・アメリカから帰国。UDIラボを訪れ、夕希子の遺体を火葬ではなく土葬したという情報をもたらします。

 そのことを知ったミコトは、すぐに遺体を掘り起こす手続きをおこない、8年前にはなかった最新の解析機器を用いて再解剖。その結果、夕希子の口の中から高瀬のDNAを検出。犯人だという動かぬ証拠を突き付けられた高瀬は犯行を自供し、中堂の無念が晴れたところで大団円となりました。

 これまでハズレ回なしで大いに楽しませてくれた『アンナチュラル』ですが、最高のフィナーレとなりました。特に秀逸だったのは、単純な勧善懲悪ものの展開にせず、ミコトにきっちりと筋の通った正義感を示させたところ。鑑定書の偽装を拒否させた点ですね。

 状況的には高瀬の犯行はほぼ100%クロ。しかも、ミコトは中堂の苦悩を痛いほど知っている。私情的には復讐に手を貸したいし、その方が手っ取り早い。また、刑事局長からは、鑑定書を書き換えなければUDIラボへの補助金を打ち切る、という脅しに近い通達もあったのです。

 しかし、ミコトは解剖医としての正義を守った。そして、正攻法できっちりと高瀬に犯行を認めさせたのです。

 また、この勝利には、ただ単に中堂の復讐の完遂や被害者たちの鎮魂ということ以外にも大きな意味がありました。

 実はミコトは、中堂が宍戸を殺そうとした際、「不条理な事件に巻き込まれた人間が自分の人生を手放して、同じように不条理なことをしてしまったら、負けなんじゃないですか」と説得したんですね。

 つまり、正々堂々と裁判に臨むことで、不条理の連鎖を見事に断ち切ってみせたのです。それだけに、高瀬が犯行を自供した際に見せたミコトのドヤ顔は爽快感に満ち、そして美しくもありました。

 また、ミコト自身も、幼少期に母親の手によって一家心中に巻き込まれ、1人だけ生き残ったという不条理な事件の被害者でもあります。そのため、中堂への説得は、これまでの人生で自分に言い聞かせてきた言葉なのかもしれませんね。ミコトの心の闇とそれに抗う強さを、石原さとみが抑えた演技で見事に表現していました。

 キャストの演技については、UDIラボのメンバー全員が素晴らしかった。週刊誌の潜入記者としてこれまで裏切り行為を重ねていたことを皆の前で懺悔したアルバイトの久部六郎(窪田正孝)。それに驚き、怒り、混乱した時の臨床検査技師・東海林夕子(市川実日子)の演技。ミコトの代わりに検察に鑑定書の偽装拒否を通達した際の、所長・神倉保夫(松重豊)の啖呵の切り方。挙げればキリがありません。

 そして、8年越しに恋人の復讐を果たした中堂。不愛想ながらも実は純粋な男という役柄を、井浦新が絶妙に演じていました。

 その中堂からのパワハラ被害により、UDIラボを去っていた臨床検査技師の坂本誠(ずん・飯尾和樹)がラストで復帰。さらに、六郎も新人アルバイトとして戻って来たため、これは続編への布石なのではと勘繰ってしまうのですが、どうなんでしょう。視聴率も良かったですし、ぜひともシリーズ化を期待してます。
(文=大羽鴨乃)

オラオラ系・中堂の純愛に感動! TBS『アンナチュラル』驚愕のどんでん返しで、最終回が待ちきれない!!

 もはや、石原さとみの代表作といっても過言ではないドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第9話が9日に放送され、平均視聴率10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.1ポイントアップとなりました。

 前回、雑居ビルの火災により10名が焼死。今回は、そのビルの隣の空き家から、トランクスーツに詰め込まれた女性の死体が発見されるシーンからのスタートとなりました。

 遺体はすぐさま不自然死究明研究所(通称・UDIラボ)へ運び込まれ、三澄ミコト(石原さとみ)が検死にあたったところ、遺体の口内に“赤い金魚”が見つかります。

 この“赤い金魚”とは、UDIラボの法医解剖医・中堂系(井浦新)が名付けたもの。中堂は8年前、何者かによって恋人・糀谷夕希子(橋本真実)を殺され、その遺体の口の中に魚のような形をした腫瘍を発見。以来、犯人を捜す手がかりとして、同じ症状がある遺体を見つけては解剖し続けているのです。

 そんな中堂の遺恨を晴らすべく、ミコトは全力で検死にあたります。その結果、遺体の胃の中から毒性の強いボツリヌス菌を採取。さらに、“赤い金魚”は、口の中に魚の模様がついたカラーボールを押し込まれたのが原因であることも判明します。

 そんな折、UDIラボの所長・神倉保夫(松重豊)は、ラボ内の機密情報が週刊誌に漏れていることを察知。内通者がいるのではないかと疑い始めます。

 その裏切り者・久部六郎(窪田正孝)は、フリージャーナリストの宍戸理一(北村有起哉)から、犯人は死因の頭文字がABC順になるように犯行を繰り返していること、女性遺体の死因の頭文字は“F”であることを示唆されます。さらに、なぜかピンクのカバが描かれた絵を手渡されるのでした。

 一方、女性の遺体が発見された空き家を再訪したミコトは、アリが数匹死んでいるのを発見。UDIラボに持ち帰り調べてみたところ、それらのアリからは蟻酸(ぎさん)が検出されます。蟻酸は英語で「Formic acid」ということで、頭文字がFのワードが飛び出したため、六郎は動揺。宍戸が犯人なのではないかと疑い始めるのですが、宍戸には鉄壁のアリバイがあるのです。

 また、蟻酸には毒性があるものの、死に至るには相当な量が必要。さらに、現場で発見されたアリは蟻酸を体内に有していない種であることが判明します。ではなぜ、蟻酸が検出された? ということになり、ミコトと中堂が小難しい化学方程式を駆使した結果、死因はホルマリン(Formalin)注入によるものだということがわかります。

 ホルマリンには腐敗を遅らせる効果があるため、宍戸のアリバイは無効に。やはり宍戸が犯人なのではないかと疑い、六郎は慌てて電話をするのですが、そこへ中堂が姿を現し、六郎が手にしているカバの絵を見て激しく動揺。その絵は、殺された恋人が描いたものだったのです。

 六郎から電話を取り上げた中堂は、その絵をどこで手に入れたのか詰問。すると宍戸は、前回の雑居ビル火災の唯一の生存者・高瀬文人(尾上寛之)が持っていたのだと告白します。

 ちょうどその頃、高瀬は血まみれになった姿で「殺されそうなので保護してもらいたい」と警察署へ出頭。今回はここで終了となりました。

 さて、感想。前回は、事件発生直後、火災の原因をつくったと疑われた前科者の町田三郎(一ノ瀬ワタル)が、実はその死の直前まで雑居ビル内に取り残された人々を救おうと必死になっていたという事実が発覚し、感動的な結末を迎えました。

 その前回のダイジェストが今回の冒頭に流れ、「なぜわざわざ?」と不思議に思ったのですが、唯一の生存者だった高瀬が連続殺人犯(まだ確定ではありませんが)という皮肉を強調するためだったようですね。雑居ビル火災と連続殺人に繋がりはないと油断していただけに、2話にまたがってのどんでん返しに衝撃を受けました。

 また、死因を究明していくプロセスも相変わらず秀逸。それでいて、個々のキャラクターもしっかり描けている。特に今回、中堂にスポットライトが当てられたのですが、普段は傍若無人なオラオラ系なのに実は恋人を想い続ける純粋な男、という役柄を井浦新が見事に演じていました。

 素晴らしいのは脚本や役者の芝居だけでなく、演出面でも同じことがいえます。中堂と夕希子の回想シーンでは、米津玄師が歌う主題歌「Lemon」が挿入されたのですが、恋人を失ってからの中堂の苦悩を見事に表現したような歌詞に心を揺さぶられました。

 初回から外れがないですし、どの回も1時間ドラマとは思えないほど濃密。今クールNo.1といっても過言ではないかもしれません。少なくとも、同局放送で視聴率トップをひた走る嵐・松本潤主演『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』よりよっぽど面白い。視聴率は必ずしも作品の優劣を示すバロメーターではない。そのことを証明する作品だと思います。

 そんな『アンナチュラル』も次回でラスト。次の展開がものすごく気になるだけに、放送が待ちきれません。
(文=大羽鴨乃)

「たまたま生きてる私たち……」大杉漣の急死に立ち会った松重豊が演じる所長のセリフが感動的『アンナチュラル』

 石原さとみが法医解剖医役を演じるドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第8話が2日に放送され、平均視聴率10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.2ポイントアップとなりました。

 ある日、雑居ビルで火災が発生。10体もの焼死体が不自然死究明研究所(通称・UDIラボ)へと運ばれてきます。遺体はいずれも丸焦げ状態で身元不明。三澄ミコト(石原さとみ)は、これまでの経験上、「他殺体が紛れ込んでいる可能性がある」と考え、慎重に解剖を進めていきます。

 すると案の定、1体だけ後頭部に殴られたような痕、腰にロープで縛られたような痕があるのを発見。その遺体の身元が、前科者の町田三郎(一ノ瀬ワタル)であることが判明したことや、火災事故の唯一の生存者・高瀬(尾上寛之)の背中に横一文字にロープで縛られた痕があることから、殺人事件の可能性が浮上します。

 三郎の遺体に直面した父・雅次(木場勝己)は、三郎のせいで火災が発生し、関係のない人々を巻き添えにしたのだと決めつけ、息子を罵倒。その姿を目の当たりにしたUDIラボのアルバイト・久部六郎(窪田正孝)は、医者一族の中で落ちこぼれ扱いされている自身と三郎との姿が重なり、死者の尊厳を取り戻すために事件の真相追求を決意します。

 奇しくも、生存者・高瀬が入院しているのは、父・俊哉(伊武雅刀)が勤める病院。三郎は、“医者以外、人間じゃない”という極端な偏見を抱く父親に冷遇され、肩身の狭い想いをしつつ高瀬の意識が戻るのを待ちます。

 一方、三郎の遺体に残ったロープ痕の究明に取り掛かっていたミコトは、それが“子豚搬送”という消防士が被害者を救助する際に用いる縛り方であることを突き止めます。さらに、火災の原因は、ビル内のスナックで映画上映していたプロジェクターの発火によるものだったということが発覚。そして、後頭部の殴打痕については、スナックのドアを開けた瞬間、強烈な爆風に吹き飛ばされ、階段の手すりに頭を打ち付けたことによるものだということも判明するのです。

 また、意識を回復した高瀬からは、前科のために両親に顔向けできず故郷へ帰れなかった三郎が、雑居ビル内のテナントの店員や常連客を家族のように想っていたという証言を得ます。以上のことから殺人事件の可能性は消え、火災発生時、三郎は一酸化炭素中毒で倒れている人々を救助しようとしていたのではないか、という仮説が浮上します。

 その仮説を俊哉に伝えたところ、消防士である俊哉自身が昔、三郎に子豚搬送のロープの縛り方を教えたことを告白。ミコトや六郎の活躍によって、死者の尊厳と親子の絆を回復することに成功したところで一件落着となったのでした。

 今回のサブタイトルは“遥かなる我が家”ということですが、これは若い頃の度重なる親不孝の結果、故郷へと足が遠のいてしまった三郎についてだけでなく、六郎にも当てはまるワードだと感じました。

 というのも六郎は、医者のエリート家系に生まれ育ったものの3流の医大にしか進めず、現在は休学中。そのため父親からは、「敷居をまたぐな」と、勘当同然の扱いを受けてしまっている。実家は東京にあり、地方出身の三郎とは違って物理的には“遥かなる”ではありませんが、精神的にはまったく同じ境遇といえるのです。

 そして、実家以外で家族同然の存在を見つけたという点も同じ。六郎にとってのそれは、UDIラボのメンバーたちなのです。今回、終盤で父親に冷たい言葉を浴びせられた後、UDIラボに戻りミコトたちの姿を見た瞬間、涙ぐむ場面があったのですが、事件を通じて自身の“我が家”がどこかを実感したのでしょう。窪田正孝の演技の上手さと、米津玄師が歌う主題歌「Lemon」との相乗効果で、とても感動的なシーンに仕上がっていました。

 感動的といえば、UDIラボ所長・神倉保夫(松重豊)も今回はグッとくる見せ場がありました。長年連れ添った妻の急死を受け入れられず、遺骨の受け取りを拒むヤシキ清(ミッキー・カーチス)という老人に対して、「たまたま生きている私たちは、死を忌まわしいものにしてはいけない」と説得するシーンがあったのですが、いつもはおとぼけ演技をしているだけにギャップがあり、胸に迫るものがありました。

 また、松重は先月21日、俳優・大杉漣が急性心不全で他界した際、その場に居合わせたとのことで、その事実を重ね合わせるとそのセリフにはさらに重みが増しました。ドラマの撮影は大杉さんが急死する以前におこなわれたのでしょうが、なんだか関連付けずにはいられない印象的なシーンでした。

 そんな六郎や神倉ら脇役陣を引き立たせているのが、主役・石原さとみの抑えた演技ではないでしょうか。残すところあと2話となってしまいましたが、同ドラマは人気シリーズ化し、石原にとって代表作になる予感がします。
(文=大羽鴨乃)

TBS『アンナチュラル』殺人実況とパプリカに込められたイジメへのメッセージがズシリと重い……

 石原さとみ主演ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第7話が先月23日に放送され、平均視聴率9.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.8ポイントダウンとなってしまいました。

今回はネット配信を題材にした事件。ある日、三澄ミコト(石原さとみ)は、予備校で働く弟・秋彦(小笠原海)から、法医学に興味を抱く高校1年生・白井一馬(望月歩)に会って欲しいと頼まれます。しかし、約束の時間になっても白井は現れず。後日改めて、ということになります。

 すると翌朝、不自然死究明研究所(通称・UDIラボ)に出勤したミコトのもとに、「これを見たら電話をください」と、白井からリンクアドレス付きのメールが送られてきます。そのアドレスをクリックすると、“殺人者S”と名乗る高校生が、自身が殺したという“Y”を背後に映してライブ配信中。まさかと思い、ミコトが白井に電話をかけると、画面の向こうで着信音が鳴り響きます。

 ミコトからの電話を受けた白井は、ヒントをもとにYの死因を特定するよう挑戦状を叩きつけてきます。そして、もしミコトが正しい答えを導き出せなかった場合、人質にしているXも殺すというのです。

 突如として殺人ゲームに巻き込まれたミコトですが、1つ目のヒントとして映された死体の状態から、死亡推定時刻を冷静に弾き出します。そして、ヒント・タイムが終わるとすぐ、白井が通う学校へ向かい、Yが横山伸也(神尾楓珠)という名前の生徒であることを突き止めます。

 そんな中、再び訪れたヒント・タイム。白井は横山を裸にし、背中にある3箇所の傷跡を見せます。これによってミコトは、白井が横山の服を脱がす際に用いたサバイバルナイフによる刺殺だと断定。しかし、それではあまりに単純すぎる。白井がわざわざ挑戦状を叩きつけてきた理由は何なのか……。

 また、横山の体中にアザがあることにも疑問を抱きます。そんな折、白井と横山が、クラスメイトの小池颯太(小野寺晃良)を中心としたグループからイジメを受けていたことが発覚。さらに、3つ目のヒントとして提示された凶器のナイフが小池のものであることもわかります。

 そのナイフの柄には白い粉が付着。さらに、ヒントを出すまでの間、白井がシャーロック・ホームズ・シリーズの『ソア橋』という短編を音読していることから、ミコトは事件の真相に気がつきます。

 この『ソア橋』という短編では、ある男性が橋の上で拳銃自殺。しかし、拳銃は縄で繋がれた石の重みで死後に川へドボン。他殺に見えるというトリックが扱われていました。横山はこれを応用し、紙粘土に小池のナイフを固定して、その上に背中から倒れ自殺。小池を殺人者に仕立て上げようと画策したのでした。

 しかし、横山が自殺したちょうどその時、小池たちには完璧なアリバイがあった。このままでは、横山の死は無駄になってしまう。そのことを覚った白井が、ミコトを巻き込むカタチで、小池たちのイジメを世に知らしめようとライブ配信した、というのが今回の事件の真相だったのです。

 しかし、ミコトに自殺トリックを見抜かれてしまったため、もはやこれまでと白井は観念。X=自身であることを明かし、自殺する気配を見せます。そこへ、居場所を突き止めたUDIラボのメンバーが間一髪で到着。法医解剖医・中堂系(井浦新)の説得で白井は自殺を思いとどめ、一件落着となったのでした。

 ネット配信を利用した愉快犯かと思わせつつ、実はイジメを苦にした自殺だったという今回の事件。意外性がありましたが、何といっても特筆すべきは、白井役・望月歩の演技。惹き込まれるものがありました。

 白井は、横山が本気で自殺を考えていたことに気づいてあげられなかった自分が許せなかったのですね。配信中に顔を隠すため使用していたパプリカ(の絵)には、「同情」や「哀れみ」といった花言葉があるのですが、横山に対するその心が、ライブ配信という大胆な行動へと駆り立てたのです。そのやるせない感情を、望月が巧みに演じていました。

 また、イジメを見て見ぬふりをしていた教師やクラスメイトたちにもその心があれば救えたのでは、というメッセージ性も感じられました。そしてそれは、法医解剖にもあてはまるのではないでしょうか。事件性があったとしても、解剖医が怠慢であれば見過ごしてしまう可能性がある。横山の死を心から悼む白井と、遺体に対して常に真摯に向き合うミコトの姿とが重なって見えたような気がします。

 それと、パプリカにはもう1つ、「君を忘れない」という花言葉があります。今回、横山に申し訳が立たず自殺しようとした白井に対して中堂が、「許されるように生きろ」と説得する場面があるのですが、中堂には8年前に殺された恋人の死因と犯人を今も追及し続けているというバックグラウンドがあるだけに、このセリフにはズシリとした重みがありました。

 その中堂はこれまで、恋人の死因究明の手助けをしたいというミコトの申し出を拒絶していたのですが、今回のラストでは照れくさそうにしながらも協力を仰いだため、次回から少しずつ謎が明らかになっていくことになりそうです。
(文=大羽鴨乃)

連続殺人に仮想通貨トラブル……『アンナチュラル』脚本家は予言者なのか?

 石原さとみが法医解剖医役を演じるドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第6話が16日に放送され、平均視聴率10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.1ポイントアップとなりました。

 今回は、不自然死究明研究所(通称・UDIラボ)で臨床検査技師として働く東海林夕子(市川実日子)がメインの事件。ある日、高級ジム主催の合コンに参加した東海林は、翌朝、見知らぬベッドで目を覚まし、その隣に外資系商社マン・権田原登(岩永洋昭)の死体が横たわっていることに気づきます。

 パニック状態に陥った東海林は、警察ではなく三澄ミコト(石原さとみ)に連絡。慌てて駆けつけたミコトは、権田原の死因を窒息死と診断します。

 その後、警察の取り調べから解放されたミコトと東海林は、ひとまずUDIラボへ。すると、驚き。中堂系(井浦新)が解剖している遺体が、権田原の友人・細川隆文(三宅克幸)だったのです。しかも、その死因は権田原と同じ窒息死。解剖に参加したミコトは、細川の腕と両耳に発赤症状があることに気づきます。

 さらに、権田原の腕と両耳にも同じ症状があることが発覚。原因は何か。ここでふと東海林は気づきます。赤い腫れがある箇所は、ジムで使用しているバイタルセンサーの装着箇所であることを。それを聞いたミコトは、死因究明の手がかりを求め、センサーを開発したベンチャー企業の社長・岩永充(竹財輝之助)のもとへと向かいます。

 その結果、権田原と細川はともに、死の直前に心拍数が急上昇していたことが判明。と同時に、東海林を重要参考人として警察が捜査に動き出したという情報が入ったため、ミコトはバイタルデータの情報を中堂に伝え、岩永の会社から足早に立ち去ります。

 ミコトから連絡を受けた中堂は、バイタルセンサーにハイパワーのコンデンサが内蔵されていることを発見。権田原と細川は、センサーから発せられた微電流によって頸椎および横隔膜がマヒしたため、窒息死してしまったのです。

 その一方、UDIラボでアルバイトとして働く久部六郎(窪田正孝)は、権田原と細川、岩永にパイロットの立花圭吾(鈴木裕樹)を加えた4人が、学生時代に集団強姦事件を起こしていたという情報をキャッチ。その事件は不起訴処分となったのですが、現在は仮想通貨絡みの詐欺事件で警視庁捜査二課にマークされているというのです。

 以上の事実を知らされたミコトは、岩永が、詐欺事件で稼いだ4億円を独り占めするため、仲間を裏切ったのだと推測。だとすれば、立花の命も危ない。そう気づき、立花が勤務する飛行場へと向かいます。

 ミコトたちが駆けつけた時にはすでに、立花の身体には微電流が流されていました。しかし、応急措置を施してなんとか一命を取り留め、岩永は逮捕。一件落着となりました。

 今回は仮想通貨がらみの事件を背景にするという、なかなかタイムリーな展開となりました。脚本が書かれたのは、昨年の夏頃と思われます。その時からすでに、バブリーな爆騰を続ける仮想通貨に対してリスクを指摘する声はありましたが、NEM流出事件の直後に放送というドンピシャのタイミングとなりました。

 第2話で取り扱った無理心中事件に関しても、昨年10月に発覚した座間9遺体事件を彷彿させるとネット上で話題になりましたから、脚本を担当する野木亜紀子氏にはどこか予言者めいたものを感じてしまいます。

 その野木氏といえば、新垣結衣主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)を担当したことで知られていますが、同作品がヒットする要因ともなった人間関係の機微を描く上手さを、今回のストーリーでも存分に発揮してくれました。

 実は今回、普段から本心を語らないミコトに対して、東海林が不満を述べる場面があったんですね。ミコトとしては、幼少期に一家心中で1人だけ生き残ったという事実を隠したいがため、心を開ききれないというもどかしさがある。そして、警察に追われストレスの溜まる状況だったこともあり、“友達ではなく、ただの同僚”と自分たちの関係性を決めつけ、やや険悪なムードになってしまいます。

 しかし、事件が解決してホッとすると、肩を寄せ合い居酒屋へ。照れくささから口ではお互いに「ただの同僚」と言い合うものの、その姿は紛れもなく友情に満ちているのです。

 一方、岩永ら4人は、表向きには学生時代からの親友同士。しかし実際には、犯罪で結びついただけの縁であり、1人が利己的な行動に出てしまえば呆気なく崩壊してしまうのです。

 そんな、ミコトと東海林、岩永らを対比させることで、今回のサブタイトルに用いた“友達じゃない”という言葉ひとつ取っても、さまざまな関係性があるのだということを、うまく表現していたと思います。殺人のトリックや真相究明に関してはやや平凡だったものの、人間がしっかり描かれていたため見応えがありました。今回で第6話と折り返し地点を迎えましたが、次回からますます目が離せなくなりそうです。
(文=大羽鴨乃)

解剖医が私刑を促す!? 石原さとみ『アンナチュラル』衝撃のラストに賛否

 石原さとみが法医解剖医役を演じるドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の第5話が9日に放送され、平均視聴率9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回よりも2.4ポイントダウンとなってしまいました。

 今回、不自然死究明研究所(通称・UDIラボ)へ解剖依頼に訪れたのは、鈴木巧(泉澤祐希)という人物。つい最近、妻が海で溺死し、警察には自殺として処分されてしまったものの、どうしても自殺とは思えないと訴えるのです。

 提出書類に問題がないため、UDIは鈴木の依頼を受託。本来は三澄ミコト(石原さとみ)と中堂系(井浦新)の2チームに分かれているのですが、今回は人手不足のため合同で解剖をすることに。ミコトが筆頭医となり、鈴木の妻の肺を取り出して調査を開始します。

 しかし、そこで葬儀屋から待ったがかかります。実は、遺体は鈴木の妻ではなく、婚約者。たまたま姓が同じだっただけなのです。しかも、駆け落ちの関係だったため、鈴木は相手の両親から憎まれている。その両親は娘をキレイな体のまま弔いたいと考えているため、鈴木はこっそり遺体を盗んでUDIへ運んだ、というわけだったのです。

 そうとは知らず、危うく死体損壊罪で捕まるところだったミコトは、“葬儀出禁”を条件に釈放された鈴木の元に解剖費の返金に足を運びます。しかし、土下座してまで調査続行を懇願する鈴木の姿に心を打たれてしまい、断り切れなくなってしまうのです。

 とはいえ、遺体がないことには調査する術はありません。頭を悩ませていたところ、中堂が肺だけをこっそり保管していたことを知ります。実は、中堂自身も過去に恋人を不審死で失った経験があるため、鈴木の無念を晴らしてあげたいという想いがあったのですね。

 もちろん、中堂の行為は犯罪ですが、ミコトは黙認。UDIの顕微鏡や分析に使えそうな道具を中堂のマンションへ持ち込み、肺に入ったプランクトンの調査を開始します。

 その結果、女性は遺体として発見された場所で入水したことがわかります。しかし、目撃証言では、女性は別の場所で飛び込んだことになっているのです。

 この食い違いについて考えられるのは2点。1つは目撃者が嘘をついていること。しかし、中堂が再度確認したところ、“女性が海に飛び込むところを見た”という釣り人の証言にどうやら偽りはなさそうです。

 とすると考えられるのは、女性を殺した何者かが被害者に成りすまして海に飛び込んだ、というもの。この推測を中堂から伝えられた鈴木は、婚約者が死んだ翌日、漁協に勤める女性が、婚約者に贈ったものと同じネックレスをしていたことを思い出します。

 婚約者の葬儀当日、中堂からその話を聞いたミコトは、嫌な予感を抱き、慌てて葬儀場へ駆けつけます。しかし、一歩及ばず。復讐心に駆られた鈴木は、すでに真犯人の女性のお腹を刺し、今まさにトドメのナイフを振りかざすところだったのです。

 命乞いする犯人の弁によると、被害者の“幸せ(婚約)自慢”に嫉妬し、腹を立てて殺してしまったとのこと。そんなどうしようもない理由で婚約者を失ってしまったのだと知った鈴木は、ミコトの説得も無視して、そのままナイフを振り下ろしてしまいます。

 結局、真犯人は一命を取り留めたものの、今回はこれまでになく後味の悪い回となってしまいました。本来は事件解決へと導くための解剖が、新たな悲劇を生み出すきっかけになってしまったのです。

 とはいえ、ラストの惨劇は防げたハズ。中堂が鈴木に事件の真相を話してしまったがため、復讐へと導くことになってしまったのではないか。また、鈴木にトドメの一振り(死には至りませんでしたが)をさせ、中堂に「想いを遂げられて本望だろう」というセリフを言わせるなど、私刑に肯定的な展開に対して、ネット上では批判の声も少なくないようです。

 筆者も初見では、中堂が余計な推測を伝えたがため、悲劇を招いてしまったのだと思いました。しかし、よくよく考えてみると、鈴木は最初から真犯人の存在に気づいていたのではないかと思い直しました。

 少なくとも、事件翌日に婚約者と同じネックレスをつけているのを見た瞬間、ピンとくるものはあったのでしょう。鈴木が欲しかったのは、婚約者が自殺ではなかったという解剖結果。その確証さえ得られれば、司法に委ねず自らの手で裁く決意をしていたようにも思えます。

 また、復讐を促すような言動をした中堂についてですが、彼自身もまた、恋人を失った経験がある。しかも、殺害された可能性があるんですね。その真相を探るべく、無断で解剖をして逮捕された。そんな過去の自分と鈴木を重ね合わせてしまったのでしょう。

 確かに私刑を許してしまえば法もへったくれもなくなり、法治国家の形態は崩れ去ってしまう。しかしそれは、愛する人の命を奪われた当事者ではないからこそ言える理論でもあると思うのです。

 中堂は今もまだ恋人を失った悲しみが癒えず、死の真相を追求中。今後はその謎解きにミコトも協力するようなので、ますます目が離せない展開になっていきそうです。
(文=大羽鴨乃)