ダウンタウン・浜田と千鳥・大悟はほぼ無傷…芸人のスキャンダルと好感度の裏事情

 「みんなでしゃべるとニュースはおもしろい」というキャッチコピーを掲げて「AbemaTV」で放送されているニュース番組「ABEMAPrime(アベマプライム)」。

 進行を平石直之アナウンサー、そして曜日ごとにMCを変え、過度な演出や切り取りを完全排除し、ニュース解説だけでなく議論を通じて、これまでの常識や価値観が大きく変わる今の時代に合った「変わる報道番組」を目指している番組…

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『ヤギと大悟』煙草を吸い、ポポに優しく、子どもと戯れる、千鳥大悟の最強ほっこり番組

 1月2日に『ヤギと大悟』(テレビ東京系)が放送された。大悟がヤギを連れ、田舎町を雑草を食べながら歩くという、文字通り、道草を食いながら散歩するだけの謎番組である。

 オープニング画面には、「※ヤギが主役の番組です」という注釈テロップが。つまり、「大悟がヤギと旅する番組」ではなく「ヤギが大悟と旅する番組」だ。

 ちなみにこの子(ヤ…

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祝・ギャラクシー賞受賞!『ヤギと大悟』で確信した千鳥・大悟のエモさと優しさ

お笑いブームがいよいよ極まってきている。ただただ楽しく観るのもいいが、ふとした瞬間に現代社会を映す鏡となるのもお笑いの面白いところ。だったらちょっと真面目にお笑いを語ってみてもいいのではないか──というわけで、お笑いウォッチャー・タカ&ユージが気になる動きを勝手に読み解く!

ヤギにもおばちゃんにも同じ態度で接する人間力

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千鳥・大悟のパンティーと「空気感」の話

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(1月9~15日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

大悟「パンティーの次に好きかも」

 美味しいは面白い。11日の『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)を見ていて、そんな印象を受けた。

 千鳥の関東初の冠番組として2014年からレギュラー放送が開始された『いろはに千鳥』…

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千鳥・大悟のたばこ偏愛が思わぬ形で昇華! 『テレビ千鳥』アベマ企画は後世への貴重な資料映像になる!?

 AmazonプライムやNetflix、AbemaTVなどネット配信の番組が制作される際、「放送コードを気にしなくていい」と枷(かせ)を外すことで寄りがちになるのは、エロやグロ、もしくは過激で反社会的なテーマを主題に据えた振り切り方だ。

 それらとは一線を画し、なおかつ地上波でははばかられるであろう笑いに到達した貴重なバラエティを観た心境。テレビ朝日とAbemaの連動企画「テレビ朝日×アベマTV秋のリレーーーー→WEEK」にて『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)が10月22日よりAbemaで配信するのは「喫煙所探訪」なる企画である。

 なんてことのない趣旨だ。都内のさまざまな喫煙所を巡り、リポートするだけの内容。果たして、これだけで1時間持つのか?

大悟「全然、持ちます。いろんなアイドルが出てくると思ってください。喫煙所という名の」

 無茶な振り切り方だが、確かに地上波じゃ難しいかもしれない。嫌煙家からクレームが殺到する恐れがある。だから、Abemaでやるだけの理由はあるのだ。

大悟「緩いやん、Abemaは。たばこ8本、チンポ2本まで大丈夫やから。計10本までは。逆にたばこ1本のときはチンポ9本まで大丈夫」

女の内ももより灰皿の側面のほうがええわ

 はっきり言って、町の喫煙所にそんなに差異はないと思うのだ。

 例えば、荒川区町屋のたばこ店に隣接の喫煙所へ立ち寄った大悟は、シルバーで棒状の灰皿に注目した。どう見てもよくあるタイプだが、大悟は事細かにリポートしていく。灰皿の側面を手の甲でなでながら「どの女の内ももよりええわ」と恍惚の表情を浮かべる偏執的な愛。

 この喫煙所を離れると、荒川区にある別の喫煙所に向かう大悟。見たところ、さっきの喫煙所と違いがまったくわからないが、大悟は「全然違うやん」と言い張った。

大悟「さっきの喫煙所は角にあったけど、ここは道沿いにある。道が前にあるから、子どもらが歩いたり、町の流れが見えるよな。町をあてに吸うてる感じかな」

ノブ「一緒やって! さっきと何が違うん」

 違いは立地だけじゃない。大悟は灰皿の表面のタバコを入れる穴を指し「普通に穴開けりゃええだけやけど、全部穴の形変えたりしてるやん」と指摘するのだ。さらに、灰まみれのたばこ穴を指でなでて拭いてみせる。

ノブ「おいおいおい、そんなとこ触んなよ! 汚いやろ」

大悟「いや、見てあげて」

ノブ「嫁の死に顔か。“見てあげて”じゃないねん」

 最後は、虎ノ門のオフィス街へ足を運んだ千鳥。実はこの街にはJTのビルがあるのだ。

 ビルに足を踏み入れた大悟は「JTさんにはたばこで20年近くお世話になってるので、挨拶しとかないとと思って今日来ました。遅れました、ごめんなさい」と一礼。すごい腰の低さである。おなじみ「JT」のロゴマークが視界に入ると「あの刺青入れようかな」とうかつなことを言いだすし。きっと、深きたばこ愛ゆえだろう。まあ、大悟が吸っているのはアメリカンスピリットなのだが……。

 JTの喫煙所がまた広い。今、どの飲食店も職場も喫煙スペースを狭める傾向にあるのに、ここだけは違った。たばこに火をつけた大悟は感無量の表情だ。

大悟「あ~、なんかたばこも喜んでます。“ただいま~”って言ってるわ。親の元に帰ったような感じやろうな」

 JTの喫煙所は、窓から見る風景も違う。景色がすごくいいのだ。

大悟「(ビルの)1本1本がたばこみたいやね、こうやって見ると」

ノブ「どうかしとるんか」

 確かにどうかしてる企画だ。今回、同番組は、なぜこんな企画を決行したのだろう?  その理由は、時代の流れ。健康増進法の一部改正が2020年4月に全面施行となり、喫煙スペースの規制・分煙はより厳格化される。喫茶店や雀荘、パチンコ店までが禁煙になっていく流れがあるのだ。

大悟「最後に喫煙所を巡りたい。今年中にやらな、無理やったかもしれん」

 もちろん、来年に開催されるオリンピックも時代の流れと無関係ではない。

大悟 「わし、オリンピック会場でたばこ吸うて捕まっちゃろうかな、来年(笑)」

 図らずも、この企画は失われゆく風景を記録する機能を果たしている。再開発前の駅前写真のような、20年前に録画したVHSに残るCM映像のような。ある種、タイムカプセル的な役割を担っているのだ。

 喫煙者が自己主張しにくくなっている昨今。やはり、地上波で放送するのは難しい企画だったと思う。だからこそ、好事家の目を引いた。不毛な企画に見せかけて、一部の層にとっては決して不毛じゃなかった。

(文=寺西ジャジューカ)

『相席食堂』ジローラモがロケ中にガチナンパ! 不貞をエンタテインメントに昇華させる

 いま、芸能界は世知辛い。もしも、不倫という悪手をやらかしてしまえば“一発アウト”になる可能性は高い。

 2016年3月に浮気相手とラブホテルから出てきたところを「週刊文春」(文藝春秋)に直撃された、とにかく明るい安村。8月12日放送『しくじり先生』(テレビ朝日系)に出演した彼は、メディアの仕事ほぼ0になった自身と比較する形で、不倫が発覚してもノーダメージだった大悟(千鳥)と千原せいじ(千原兄弟)を分析。「世間から“やりそう~”というイメージがあったからダメージがなかった」と解説した。

 芸能界には、いかにも“やりそう~”なタレントが多い。8月20日放送『相席食堂』(朝日放送)に出演した“ちょいワル”の代名詞、パンツェッタ・ジローラモはその最右翼だろう。

ナンパしながら「私は濡れています」と言いだすジローラモ

 田舎町へロケに行き、地元の人に相席をお願いして触れ合うのが、この番組の趣旨。ほっこりしたロケーションの中、唐突に笑いどころが出現するのが醍醐味であるが、ジローラモはその趣旨を普通に無視した。

 和歌山県白浜町に降り立った彼は、いきなりツーシーターのオープンカーで口笛を吹きながら田舎町を爆走。初めから趣旨が違うのだ。車から降りた彼はさすがだった。イタリア人の特性を存分に発揮し、抜群のコミュニケーション力を見せつける。すれ違う人にどんどん声を掛けていくのだ。しかし、その対象は女性だけに限られる。

 シーズン真っただ中の白良浜は、にぎわっていた。上機嫌のジローラモは、歩きながら当然のように女子トイレへ入っていこうとする。公衆トイレの前にいる女性2人組に注意されたくてボケたのだ。結果、彼女たちとトークすることに成功し、どさくさに紛れて女性の指をなで回した。イタリア人だ。

 2人とバイバイしたら、すぐほかの女性3人組に話しかけるジローラモ。この女性たちは海に来たばかりらしく、まだ洋服を着たままだった。

「まだ濡れてないんですね。私は濡れてます」(ジローラモ)

 海を見ながら、どうしようもない下ネタを言うジローラモ。さすがに、スタジオの千鳥がツッコんだ。

大悟「お前は濡れんやろ(笑)」

ノブ「濡れるのよ、先が。先が濡れるタイプよ」

大悟「そっち?(笑)」

 すごい番組である。

 その後、近所の食堂に行き着いたジローラモは、番組の趣旨にのっとって地元民と相席しようとした。すぐさま彼が声を掛けたのは、店員として働く22歳の女の子である。2人は地元で獲れるエビやホタテやイカに舌鼓を打った。

「いただきます。……すごいイカせてますね!」(ジローラモ)

 また下ネタを言うジローラモ。会話しながら女性店員の体をベタベタ触っているし、相席というより、ただのナンパな気がする。番組の趣旨がズレ続けている。

 この店で、町で評判の美人の情報を聞いたジローラモは、ある旅館へ向かった。ここの女将が、また美人なのだ。ジローラモは早速アプローチする。

ジローラモ「もし時間あったら、一緒に花火行きませんか?」

女将「なんでやねん!(笑) 」

ジローラモ「だって、面白いじゃないですか」

女将「面白いかなあ?」

 次のシーンに移ると、和服のままオープンカーの助手席に乗る女将の姿が。この女将には、ご主人がいる。ジローラモも妻帯者だ。

ノブ「ムチャクチャなシーンや!」

大悟「このままフライデーに写ってもええやん(笑)」

ノブ「撮られてほしいなあ(笑)」

 実は、本当にフライデーに載ってもおかしくないことを、ジローラモはしでかしていた。白良浜でビキニの女性2人組と知り合った彼は、海に隣接する露天風呂へ2人を誘った。相席成立である。

 3人はトークし、カメラが止まったタイミングで、思い出にと1人の女性のiPhoneで記念撮影した。無事に撮り終え、ちゃんと撮れているか確認に行く片方の女性。もう1人の女性はジローラモと2人きりになった。何やら、聞こえないくらいの小声で、その女性に話しかけているジローラモ。

「インスタやってますか? 連絡してください」(ジローラモ)

 テレビ的なやつじゃない、本気の下心がそこにはあった。

大悟「ガチナンパ!」

ノブ「やったぞ、コイツ!」

大悟「だって、ここはカメラ回ってない、 止まってるときやもん」

ノブ「しかも、インスタでダイレクトメッセージでしょ? クソ若手芸人みたいなことしてるやん。ノンスタ井上と同じやり口なのよ」

 その後、心なしか挙動がソワソワしていたジローラモ。本心では、いち早く携帯を見たかったのだろう。「相席食堂」というより、ただのナンパ旅である。

 不倫が一発アウトになることも多い昨今、驚くべき脇の甘さでロケ中にガチナンパしたジローラモ。抑えの利かない性根で、不貞をエンタテインメントに昇華させた感がある。過去に二度不倫を撮られた大悟が、常識人の立場でツッコむメタ構造は隠し味の異色回だった。

(文=寺西ジャジューカ)

 

 

 

吉本騒動と千鳥・大悟の”すべらない話”に見た、芸人のすごみ

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(7月21~27日)見たテレビの気になる発言をピックアップします。

太田光「テープなんかいらないんですよ。テープ以上のことが再現できちゃうから」

 吉本興業をめぐる一連の騒動は、20日の宮迫博之と田村亮の記者会見を機に、一層混迷を深めている。反社会勢力が関与するパーティーに宮迫ら複数の芸人が参加し、金銭を受け取っていたことに端を発するこの話題。2人の会見を受けた先週は、松本人志や加藤浩次が会社を離れる離れないの話になり、長時間に及ぶ社長の会見があり、宮迫の契約解除が撤回され、かと思うと契約解除の撤回の撤回が会社側からほのめかされ……と事態が推移していった。

 この騒動に関し、ワイドショーや情報番組で言及されるテーマも多岐に及ぶ。宮迫らと反社会勢力の関係をめぐる事実の確認だけでなく、吉本の若手芸人のギャラの安さ、契約書を交わさないマネジメントのあり方、経営陣と芸人たちの個人的な関係、テレビ局の芸能事務所への忖度、吉本が行政案件に食い込んでいる件、教育事業に乗りだそうとしている件、半グレ集団とは、そもそも芸人とは、池乃めだかの「(吉本興業に言いたいことは)背が高くなる薬を開発してくれということぐらい」発言、などなど。いまだにテーマは拡散し続けている。

 話題が大きくなるのは、語る人が多いためでもある。毎日放送されるワイドショーや情報番組には、吉本芸人や宮迫らをよく知る芸人が司会やコメンテーターなどで多く出演しており、先週は日替わりで誰かが当事者としてこの騒動に言及する状態になっていた。そ して、コメントは次々と連鎖していった。ある情報番組でのある芸人のコメントについて、別の情報番組で別の芸人がコメントする、それがまた別の……という具合に。膨大に交わされ、複雑さを増す言葉の収束点は、今のところ見えない。こういったコメントの連鎖が止まるのは、問題が解決したときではなくて、おそらくは時間がたって、みんなが飽きたときだ。

 今回の騒動に関し、日々積み上がっていく芸人たちの言葉。僕は先週の初めまで、テレビを見ながら一つひとつ書き起こしていた。こういう連載も持たせてもらっているわけだし。けれど、コメントする芸人のあまりの多さと、外野が「会社側」「反会社側」と芸人の対立を煽り始めたことなどに、辟易してやめた。というか、宮迫や田村、あるいは松本人志、加藤浩次、ビートたけしなど、芸人たちが次々とテレビで語る姿を見続けて、書き起こしの手が止まった。

 21日、宮迫・田村の会見翌日の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、爆笑問題の太田光は語る。

「芸人にとって一番つらいのは、舞台を奪われるってことなんですよ」

 宮迫らは、自分たちが自由に話せる状況下での謝罪会見を会社側から止められていた。そうだとすると、宮迫らが何よりも我慢できなかったのは、客に向けて自分の言葉を自由に発する舞台を奪われたことではなかったか、と。

「だからそれを奪っちゃったら、それは反乱しますよ。そこがたぶん、会社側が甘く見たんじゃないかなって僕は思うんだよね。(社長は)『テープ回してないですか?』って言ったけど、昨日の宮迫と亮のしゃべりっていうのは、見事に再現できちゃうんですよ、芸人って。舞台にさえ立てれば自分は表現できるって思ってるから。テープなんかいらないんですよ。テープ以上のことが再現できちゃうから。あれは見事な“すべらない話”だったと俺は思う」

 連日さまざまな芸人の発言をテレビで見聞きする中であらためて認識したのは、芸人が観客の前で披露しているのが、身体的なパフォーマンスであるということだった。だから、テープなど回さなくても、社長との会話を見事に再現できてしまう。いや、その場の会話以上のものも再現できてしまう。世間の空気も動かしてしまう。身体の重みを乗せたそのパフォーマンスのすごみ。そのすごみの前に、文字起こしの手がひるんで止まった。

 太田は宮迫らの会見を「見事な“すべらない話”だった」と評したけれど、そんなタイミングで、『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)が27日に放送された。面白い話はたくさんあったけれど、ここでは最もすべらない話をした者に贈られるMVS(Most Valuable すべらない話 )を受賞した、千鳥・大悟の親父の話を紹介したい。2本話されたうちの1本目である。

「子どものころの、ちょっと切ない話でもいいですか?」

 そう前置きして、大悟は語り始めた。自分が生まれ育ったのは瀬戸内海の小さな島。そこではほとんどの家が採石業に携わっている。狭い島に同業者が集まっているため、誰が社長で誰が雇われているのか、誰が「金持ち」で誰が「金持ちじゃない」のかを、みんな明確にわかっている。自分の親父は雇われている側だった。子どものころ、自分が金持ちの家の子とケンカをすると、親父は自分を連れて頭を下げに回ったりもした。謝罪の帰り、軽トラの中で親父は自分に言って聞かせた。

「ワシは頭やったらなんぼでも下げちゃるけぇ。お前は好きなように生きろ」

 そんな父親が18万円で船を買ってきた。その船に乗って、当時小学4年生だった自分は親父と一緒に釣りに出た。島の岩場と船をロープで結び、船を流しながらやる釣りだ。そのとき、クルーザーがやってきた。ロープがあるので親父は「アカンアカン!」とクルーザーに向けて警告する。クルーザーはギリギリで止まり、中から人が出てきた。親父より10~20歳ほど年下の、島の「金持ち」である。

「おいコラ! どこで釣りしとんねん、貧乏人コラ!」

 これから聞きたくない話が始まる。子どもながらにとっさにそう勘づいた。が、船の上なので逃げ場がない。聞くしかない。自分に背中を向けた親父は、「調子乗っとんかコラ!」と年下に引き続きボロクソに言われている。親父、せめて何か言ってくれ。そう願うが、親父は背中を丸めて何も言わず、罵声を浴び続けている。そうこうするうちに、クルーザーは立ち去る。ここで自分は急に悟った。

「(親父が)振り返ったときに言うセリフで、なんかワシの人生決まりそうな気がしたんです」

 自分の一生を左右するかもしれないタイミング。親父はここでなんと言ったのか。

「うちの親父、振り向いて、しわっくちゃな顔で、『お前はああなれよ』って言うたんです」

 大悟が芸人になることを決めたきっかけになったというエピソード。「~って言うたんです」と大悟が話し終わると、松本をはじめ出演者たちは「切なっ!」と言いながら一斉に笑った。僕も笑った。

 が、なぜこの話で笑ったのか、いまだによくわからない。こんなジャンル不明な話を「笑い」の文脈に乗せる大悟の技量。おそらくこの話の面白さは、僕の筆力の乏しさを差し引いても、文字だけでは十分に伝わらないはずだ。舞台に立った芸人は身体の重みを乗せた言葉で、テープが回っていなくとも、テープ以上のものを表現できてしまう。だから、芸人のパフォーマンスを記録したテープからテキストだけを抜き出すと、テープ以上のものは漏れ落ちてしまう。大悟が披露した親父の話もまた、そういう種類の“すべらない話”だった。

 あの謝罪会見をきっかけに、舞台の上に立った芸人のすごみをあらためて感じた。ただ、だからこそ一層、ああいった謝罪会見ではない舞台で、芸人のすごみを感じたいと思った。吉本興業がこれからも芸人に自由な舞台を用意し続けられる会社であることを、視聴者として願う。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

 

吉本騒動と千鳥・大悟の”すべらない話”に見た、芸人のすごみ

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(7月21~27日)見たテレビの気になる発言をピックアップします。

太田光「テープなんかいらないんですよ。テープ以上のことが再現できちゃうから」

 吉本興業をめぐる一連の騒動は、20日の宮迫博之と田村亮の記者会見を機に、一層混迷を深めている。反社会勢力が関与するパーティーに宮迫ら複数の芸人が参加し、金銭を受け取っていたことに端を発するこの話題。2人の会見を受けた先週は、松本人志や加藤浩次が会社を離れる離れないの話になり、長時間に及ぶ社長の会見があり、宮迫の契約解除が撤回され、かと思うと契約解除の撤回の撤回が会社側からほのめかされ……と事態が推移していった。

 この騒動に関し、ワイドショーや情報番組で言及されるテーマも多岐に及ぶ。宮迫らと反社会勢力の関係をめぐる事実の確認だけでなく、吉本の若手芸人のギャラの安さ、契約書を交わさないマネジメントのあり方、経営陣と芸人たちの個人的な関係、テレビ局の芸能事務所への忖度、吉本が行政案件に食い込んでいる件、教育事業に乗りだそうとしている件、半グレ集団とは、そもそも芸人とは、池乃めだかの「(吉本興業に言いたいことは)背が高くなる薬を開発してくれということぐらい」発言、などなど。いまだにテーマは拡散し続けている。

 話題が大きくなるのは、語る人が多いためでもある。毎日放送されるワイドショーや情報番組には、吉本芸人や宮迫らをよく知る芸人が司会やコメンテーターなどで多く出演しており、先週は日替わりで誰かが当事者としてこの騒動に言及する状態になっていた。そ して、コメントは次々と連鎖していった。ある情報番組でのある芸人のコメントについて、別の情報番組で別の芸人がコメントする、それがまた別の……という具合に。膨大に交わされ、複雑さを増す言葉の収束点は、今のところ見えない。こういったコメントの連鎖が止まるのは、問題が解決したときではなくて、おそらくは時間がたって、みんなが飽きたときだ。

 今回の騒動に関し、日々積み上がっていく芸人たちの言葉。僕は先週の初めまで、テレビを見ながら一つひとつ書き起こしていた。こういう連載も持たせてもらっているわけだし。けれど、コメントする芸人のあまりの多さと、外野が「会社側」「反会社側」と芸人の対立を煽り始めたことなどに、辟易してやめた。というか、宮迫や田村、あるいは松本人志、加藤浩次、ビートたけしなど、芸人たちが次々とテレビで語る姿を見続けて、書き起こしの手が止まった。

 21日、宮迫・田村の会見翌日の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、爆笑問題の太田光は語る。

「芸人にとって一番つらいのは、舞台を奪われるってことなんですよ」

 宮迫らは、自分たちが自由に話せる状況下での謝罪会見を会社側から止められていた。そうだとすると、宮迫らが何よりも我慢できなかったのは、客に向けて自分の言葉を自由に発する舞台を奪われたことではなかったか、と。

「だからそれを奪っちゃったら、それは反乱しますよ。そこがたぶん、会社側が甘く見たんじゃないかなって僕は思うんだよね。(社長は)『テープ回してないですか?』って言ったけど、昨日の宮迫と亮のしゃべりっていうのは、見事に再現できちゃうんですよ、芸人って。舞台にさえ立てれば自分は表現できるって思ってるから。テープなんかいらないんですよ。テープ以上のことが再現できちゃうから。あれは見事な“すべらない話”だったと俺は思う」

 連日さまざまな芸人の発言をテレビで見聞きする中であらためて認識したのは、芸人が観客の前で披露しているのが、身体的なパフォーマンスであるということだった。だから、テープなど回さなくても、社長との会話を見事に再現できてしまう。いや、その場の会話以上のものも再現できてしまう。世間の空気も動かしてしまう。身体の重みを乗せたそのパフォーマンスのすごみ。そのすごみの前に、文字起こしの手がひるんで止まった。

 太田は宮迫らの会見を「見事な“すべらない話”だった」と評したけれど、そんなタイミングで、『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)が27日に放送された。面白い話はたくさんあったけれど、ここでは最もすべらない話をした者に贈られるMVS(Most Valuable すべらない話 )を受賞した、千鳥・大悟の親父の話を紹介したい。2本話されたうちの1本目である。

「子どものころの、ちょっと切ない話でもいいですか?」

 そう前置きして、大悟は語り始めた。自分が生まれ育ったのは瀬戸内海の小さな島。そこではほとんどの家が採石業に携わっている。狭い島に同業者が集まっているため、誰が社長で誰が雇われているのか、誰が「金持ち」で誰が「金持ちじゃない」のかを、みんな明確にわかっている。自分の親父は雇われている側だった。子どものころ、自分が金持ちの家の子とケンカをすると、親父は自分を連れて頭を下げに回ったりもした。謝罪の帰り、軽トラの中で親父は自分に言って聞かせた。

「ワシは頭やったらなんぼでも下げちゃるけぇ。お前は好きなように生きろ」

 そんな父親が18万円で船を買ってきた。その船に乗って、当時小学4年生だった自分は親父と一緒に釣りに出た。島の岩場と船をロープで結び、船を流しながらやる釣りだ。そのとき、クルーザーがやってきた。ロープがあるので親父は「アカンアカン!」とクルーザーに向けて警告する。クルーザーはギリギリで止まり、中から人が出てきた。親父より10~20歳ほど年下の、島の「金持ち」である。

「おいコラ! どこで釣りしとんねん、貧乏人コラ!」

 これから聞きたくない話が始まる。子どもながらにとっさにそう勘づいた。が、船の上なので逃げ場がない。聞くしかない。自分に背中を向けた親父は、「調子乗っとんかコラ!」と年下に引き続きボロクソに言われている。親父、せめて何か言ってくれ。そう願うが、親父は背中を丸めて何も言わず、罵声を浴び続けている。そうこうするうちに、クルーザーは立ち去る。ここで自分は急に悟った。

「(親父が)振り返ったときに言うセリフで、なんかワシの人生決まりそうな気がしたんです」

 自分の一生を左右するかもしれないタイミング。親父はここでなんと言ったのか。

「うちの親父、振り向いて、しわっくちゃな顔で、『お前はああなれよ』って言うたんです」

 大悟が芸人になることを決めたきっかけになったというエピソード。「~って言うたんです」と大悟が話し終わると、松本をはじめ出演者たちは「切なっ!」と言いながら一斉に笑った。僕も笑った。

 が、なぜこの話で笑ったのか、いまだによくわからない。こんなジャンル不明な話を「笑い」の文脈に乗せる大悟の技量。おそらくこの話の面白さは、僕の筆力の乏しさを差し引いても、文字だけでは十分に伝わらないはずだ。舞台に立った芸人は身体の重みを乗せた言葉で、テープが回っていなくとも、テープ以上のものを表現できてしまう。だから、芸人のパフォーマンスを記録したテープからテキストだけを抜き出すと、テープ以上のものは漏れ落ちてしまう。大悟が披露した親父の話もまた、そういう種類の“すべらない話”だった。

 あの謝罪会見をきっかけに、舞台の上に立った芸人のすごみをあらためて感じた。ただ、だからこそ一層、ああいった謝罪会見ではない舞台で、芸人のすごみを感じたいと思った。吉本興業がこれからも芸人に自由な舞台を用意し続けられる会社であることを、視聴者として願う。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

 

志村けん、肉布団批判で窮地の『バカ殿』後継者に千鳥・大悟を指名し存続へ

「志村さんと夫婦コントやったときに、収録が柴田理恵さんも一緒だったんだけど。二人で泣いちゃった」

 1月16日に放送された『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で、マツコ・デラックスが志村けんとの思い出を語った。子どもの頃から見ていたスターとの共演に、「胸、詰まっちゃって」とのことだった。

 言うまでもなく、志村は昭和から現在まで、お笑いの最前線に立ち続ける、お笑い界の生けるレジェンド。マツコが感激するのもよくわかる。

 だが、現在の志村は、非常にシビアな状況に置かれている。

「フジテレビの特番でおなじみの、『志村けんのバカ殿様』と『志村けんのだいじょうぶだぁ』が打ち切りの危機にあります。全体的に低視聴率のフジの中にあっては、悪目立ちしない水準にはありますが、大勢のゲスト出演者のギャラ、大掛かりなセットの制作費などを考えると、通常の倍ほどの予算がかかっている。もう数年前から打ち切り候補の筆頭として、何度も挙がっています」(フジ関係者)

 志村も、当然ながら、そんな気配を感じているのだろう。周辺からは、こんな話が伝わってくるのだ。

「最近、志村は千鳥の大悟がお気に入りで、週に何度も呼び出しては飲み歩いています。この大悟を『バカ殿』の後継者にしようと、水面下で調整を進めているそうです。自分が作り上げてきたテレビコントの王道が番組終了や自身の引退で完全に消えてしまわないようにと、この数年、あとを継がせることができる後輩を探していたそうですからね。人気と実力があり、二代目となったときにフジや世間が納得する人材となると、そうはいませんが、現在の大悟なら、まさに適任。相方のノブを、東八郎、桑野信義に続く、三代目家老役にすれば、収まりもいい。昨年10月から大悟を、『志村でナイト』(同)のレギュラーに引き入れたのは、このバカ殿引き継ぎへの布石だと言われているんです」(番組関係者)

 1月9月の放送では、水着姿の女性たちが肉布団となって志村に覆いかぶさったシーンが「性差別」と批判を受けた。また、老いが目立つ志村の白塗りもいいかげんキツイという意見もネット上には多い。

 確かに、完全に世間が「NO!」の判断を下す前に、後進に道を譲るのが賢明だろう。

 正直、大悟の『バカ殿』の方が面白そう! 今から期待したい。

志村けん、肉布団批判で窮地の『バカ殿』後継者に千鳥・大悟を指名し存続へ

「志村さんと夫婦コントやったときに、収録が柴田理恵さんも一緒だったんだけど。二人で泣いちゃった」

 1月16日に放送された『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で、マツコ・デラックスが志村けんとの思い出を語った。子どもの頃から見ていたスターとの共演に、「胸、詰まっちゃって」とのことだった。

 言うまでもなく、志村は昭和から現在まで、お笑いの最前線に立ち続ける、お笑い界の生けるレジェンド。マツコが感激するのもよくわかる。

 だが、現在の志村は、非常にシビアな状況に置かれている。

「フジテレビの特番でおなじみの、『志村けんのバカ殿様』と『志村けんのだいじょうぶだぁ』が打ち切りの危機にあります。全体的に低視聴率のフジの中にあっては、悪目立ちしない水準にはありますが、大勢のゲスト出演者のギャラ、大掛かりなセットの制作費などを考えると、通常の倍ほどの予算がかかっている。もう数年前から打ち切り候補の筆頭として、何度も挙がっています」(フジ関係者)

 志村も、当然ながら、そんな気配を感じているのだろう。周辺からは、こんな話が伝わってくるのだ。

「最近、志村は千鳥の大悟がお気に入りで、週に何度も呼び出しては飲み歩いています。この大悟を『バカ殿』の後継者にしようと、水面下で調整を進めているそうです。自分が作り上げてきたテレビコントの王道が番組終了や自身の引退で完全に消えてしまわないようにと、この数年、あとを継がせることができる後輩を探していたそうですからね。人気と実力があり、二代目となったときにフジや世間が納得する人材となると、そうはいませんが、現在の大悟なら、まさに適任。相方のノブを、東八郎、桑野信義に続く、三代目家老役にすれば、収まりもいい。昨年10月から大悟を、『志村でナイト』(同)のレギュラーに引き入れたのは、このバカ殿引き継ぎへの布石だと言われているんです」(番組関係者)

 1月9月の放送では、水着姿の女性たちが肉布団となって志村に覆いかぶさったシーンが「性差別」と批判を受けた。また、老いが目立つ志村の白塗りもいいかげんキツイという意見もネット上には多い。

 確かに、完全に世間が「NO!」の判断を下す前に、後進に道を譲るのが賢明だろう。

 正直、大悟の『バカ殿』の方が面白そう! 今から期待したい。