「発射前の『一緒にイこう』」、「粗チンとの騎乗位」セックス中の“正直面倒”な女の本音

 なかなか言えない「セックスはしたいけど、正直それはしたくない」というプレイ。もともと何でも言える人だったり、言い合える関係性を築けていれば良いのですが、不本意なプレイをこなしている人もいらっしゃいます。そこで、「セックス中に『正直面倒だな』と思っていること」についてご意見を募集いたしました。今回もたくさんの回答、誠にありがとうございます! 早速開票です。

【「正直面倒だな」と思うプレイはありますか?】
はい:89.5%
いいえ:10.5%

【詳細】
■フェラ
・フェラさせるのにクンニしないなんて不公平。そもそもフェラが面倒だし、「おいしい?」って聞かれるけどおいしいわけない(24歳)

・フェラ(69じゃない時)は一方的で「作業」に感じるし、滑稽で気まずい(26歳)

・フェラ強要(自分はクンニおろか責めなし)男に当たるのも一気に萎える(27歳)

・舐めたくないから、本当はクンニされるのが好きなのに「クンニと手マンどっちがいい?」と聞かれて手マンと答えてしまったり。(43歳)

・フェラが得意ではないので「口でイかせて」って言われると面倒くさい。「早く挿れて欲しいな」と可愛く言って回避します(23歳)

■騎乗位
・相手が変わろうが何度トライしようが、突き刺さる痛みだけで何にも気持ち良くなれなくて萎える。もう嫌で嫌で仕方ないからはっきり断ってるにも関わらず、ノリや流れに任せて無理やり騎乗位させようとする男にも醒める。痛みしかないんだから全然慣れないし、男に力じゃ敵わないからまたがって演技するしかない。そんなセックスしかしない男には、心をレイプされてるとしか思えない(45歳)

・相手とはセックスしたいのですが、「乳首を舐めて」とか「騎乗位」とか正直どうしていいのかわからないので面倒です。AVとか見て勉強するけどよくわからないです。夫とはセックス自体面倒です(44歳)

・騎乗位でしかイけないので、騎乗位が好きだと思われてしまい、そろそろ面倒くさい。別に毎回イきたいわけじゃないし疲れる(32歳)

・最近、どう座っても脚が痺れるから(26歳)

・祖チンとの騎乗位(26歳)

■言葉
・「挿れてほしい?」って聞かれるけど「挿れたいのはそっちでしょ」と言いたい(24歳)

・見た目の雰囲気からMっぽくみられがちで(内面はS)、言葉責めで「ドMちゃん」とか言われたりすると醒める。そもそも、その気になってないのに求められるのもかなり面倒くさい。そういう奴に限って、雰囲気作りも、何もかも手抜き(年齢非公開)

・前戯中など「声を聞かせて」と言われること。相手が興奮するためなんでしょうが、あえて声を出そうとすると冷めてしまいます。あとは、手や足を縛ることはくすぐったさしか感じないので面倒です(22歳)

・「挿れて」と言った後に「どこに挿れたいの?」「そこじゃわからないよ?」とか「マンコ」って言うまで粘る人に当たったら地獄。言われた瞬間乾きます(25歳)

・「一緒にイこう!」は意味がわかりません。タイミングなんて合わせられるかよ(22歳)

■潮吹き
・無理矢理潮吹かされるのは辛い(43歳)

・潮吹き自体は好きだったのに、元彼に「潮吹いちゃって♡」と「してやったり感」出されるのが嫌で面倒くさくなった(30歳)

・潮吹き=絶頂と勘違いしているセフレに、何度説明しても納得してくれず「イッたね♡」と言われるのがウザい。馬鹿なんだろうなと思ってます(24歳)

・潮吹いた後に、潮の付いた手を見せて来られた時。反応に困るので正直面倒くさい(23歳)

■その他
・いつも早いのに、早く寝たい時に限って早く終わらない時(34歳)

・手マン。手でやられるよりおちんちんで押し広げられる感覚とか奥まで突かれるのが好きだから「そんなことより早く挿れて!」って思う(23歳)

・いわゆるまんぐり返し。パートナーは辱め系が好きなのでお気に入りのようだけど、どうも間抜けな姿勢で自分はちょっと醒める。性器が晒されすぎてスースー(?)してたいして感じないわ、デブ気味なのでお腹はつかえて苦しいわで(笑)。それなのに、そのままイカせようと頑張られると、正直面倒くさい~! 早めに終わって!(36歳)

・アナルは無理(43歳)

・眠い時にするエッチはすべてが面倒くさい(22歳)

・服を脱ぐこと(23歳)

 好みのプレイって本当に人それぞれですよね。フェラも騎乗位も潮吹きも、好きな人は好きです。ただ、「一緒にイこう」は本当に謎ですよ。「好きな人もいるのはわかるけど、私は嫌」ではなく、同時にイくことが好きな人っていうか、そもそもコントロールできる人ってそんなにいますか? 恭子様?? いずれにせよ、セックスは相手ありきです。お互いが全力で「気持ち良かったー!」と思えるものにしたいですね。相手が勝手にひとりで高まって、自身が置いてけぼりになっていたら、それはただのオナニー補助ですから。

笑顔のマッチョはセクシーだ! 興奮するも良し、癒されるも良しの筋肉アイドル「マッチョ29」を楽しむ

◎筋肉、お好きですか?

 筋肉フェチの女性が最高の笑顔になれる“筋肉メンズアイドル”をご存知でしょうか? その名も「マッチョ29(トゥエンティーナイン)」(29人いるわけではありません、筋ニクの29でもありません)。ローカル局のテレビ番組やイベント出演など、来る依頼をパンパン打ち返す地道な活動を続けてきた彼ら、はっきり言ってブレイク間近です。というわけでこのたび、東京は中野で毎月開催されている「マッチョカフェ」(@nakanoF)にお邪魔。10月末のハロウィン目前だったこともあり、1時間交代制で入れ替わり立ち替わり、コスプレ姿で遊びに来たファンの方々を、「いらっしゃいマッチョ~!!」と迎え入れ、店員として動き回る「マッチョ29」の皆さん、エネルギーがすごいです!

 彼らをプロデュースする仕掛け人は、非マッチョの男性、鈴木秀尚(すずきひでたか)さん。2013年に学生時代の同級生と「分野を問わず、世の中の話題になるコンテンツ企画を行う」べく株式会社ハイを設立、2014年12月には『日本お姫様だっこ協会』を発足し、マッチョ29を企画しました。なぜ筋肉にこだわった男性アイドル集団を売り出すことに?

◎「好きなことをやっているけど、貧乏」はナンセンス

――現在13名のマッチョが在籍している「マッチョ29」の仕掛け人でいらっしゃる鈴木さんですが、ご自身も高校卒業とともに渡米してプロレス団体で活動されていたマッチョ時代があったそうですね。日本のプロレス団体ではなく、渡米を選んだのはなぜでしょうか。

鈴木 年収です。日本の場合だと、年収のトップが限られてしまっているんですが、世界一の団体はアメリカ。だから渡米した、という単純な考えです。どうせなら年収高い方を目指したいじゃないですか。語学も現地に行ってから学びました。

――行くまでの行動力も驚きですが、では何のツテもなくアメリカへ? プロレス団体には誰でも入団できるものなんですか?

鈴木 アメリカで借りていた家の近くに、たまたまプロレス団体のジムがあって、門を叩いて仲間に入れてもらいました。そのうち仲間が車で送り迎えしてくれるようになって……って、何だかすんなりいきましたね。それから2年半から3年くらいプロレス団体で活動していましたが、当時契約していた会社とビザ申請の支払い関係で揉めて帰国することに。プロレスをするならアメリカで続けていきたかったので、「そういう運命だったんだろうな」と割り切って、プロレスは帰国と同時に辞めました。

――アメリカのプロレス団体で活動していた、という経歴は、日本のプロレス界に入るとしてもハクがつくし話題性がありそうですが。

鈴木 それは、僕にとってはまったくのナンセンスです。日本のレスラーは海外のトップ団体と比べ、天と地ほどマックスの年収が低い。好きなことをやるからといって貧乏になるのは、僕の中にはない考えなので……。例えば「好きなことを追っかけられるなら、金なんか必要ない」という考えの方もいるかもしれないですが、僕は「自分がデカくなってから、好きなことやればいいじゃん!」って思うんです。地位・名誉・名声がある人の意見がその業界のルールになるわけじゃないですか。だから自分がそこまで行くのが一番手っ取り早い、という考えです。

――下積み・修行期間は貧乏で当たり前、という価値観が日本社会には浸透しまくっていますよね。鈴木さんはレスラーを辞めて起業されていますが、起業ひとつとっても、行動に起こすまでの勇気や自信、あと現実的にお金の工面だったり人脈作りなどを自分には到底できない大変なことだと捉えて尻込みしちゃう方も多いのかもしれません。

鈴木 深く考えてしまうから、悩みはじめちゃうんじゃないですかね。もちろん、アメリカのプロレス団体にしても、門を叩いてからすんなり進んだのも、本当にありがたかったし、運が良かったとも思っていますが、僕は多分、そこまで深く考えていなくて。例えば、アーティストになりたいとしたら……毎日レコード会社に土下座しに行って、レコード会社内でフリーCDを置かせてもらえるようにお願いしたら、1回は制作に携わる方が聞いてくれるかもしれない、と考えます。そうやって1番手っ取り早い方法を考えます。

――失礼ですが、もともと親が会社経営者だったりとかでもなく、高校卒業してすぐの渡米や帰国後の起業まで全て自分だけの判断で行動されていたんですか?

鈴木 そうです、「えいっ!」と。やろう! と決めて固めて、自分を逃げられない状況にします。

――「逃げられない状況」とは?

鈴木 恋愛にたとえると……好きな人が出来て「好きな人は〇〇(名前)っていうんだ」。って周りにめっちゃ言ったら、告白せざるを得ないじゃないですか。それと同じく早い段階で周りに宣言しておいて、自分を追い詰めるっていう感じですね。

――会社は、元同級生とお2人で立ち上げたと伺いました。

鈴木 中・高と一緒の同級生ですね。僕は、ずっと男だらけの世界にいて、“プロレスラー”という演者側だったので、演者を支える人達ってどういう人たちなんだろうって興味があった時期に、そいつは当時、広告代理店で勤務していたんですが、自分で何かやりたいと考えていたみたいで。たまたま渋谷のラブホ街でバッタリ会って(笑)。久しぶりに会って、その時にそんな会話をして、「じゃ、一緒にやろうよ」ってトントン拍子に進みました。

◎マッチョが集まっている画が、ツボだった

――2014年12月から「マッチョ29」の活動をスタートさせています。この「29」はどんな意味が込められているんですか?

鈴木 肉です、肉(笑)。ノリで決めました。

――この集団に属するマッチョの方々は、それぞれ本業をやりながら「マッチョ29」の活動もされているのでしょうか。

鈴木 インストラクターや他の業種など、本業を持っているメンバーもいますし、「マッチョ29」の活動だけで生活しているメンバーもいます。僕は「マッチョ」を職業にできたらいいと思っています。あれだけの筋肉をつける人たちって、生活のほとんどを筋肉に捧げてるんですよ。筋肉コンテストで優勝しても、それだけで食べれられる賞金は貰えないんです。日本はそういう文化だから仕方ないことなんですが、僕らは「芸能」という仕事で道を作って、この活動だけで生活できるようにしたい。職業=マッチョを作れたら面白いし、何か変えられるかなって思っています。

――鈴木さんが、「芸能」という業界で尊敬しているのは誰ですか?

鈴木 「細くて中性的な男性が格好いい」っていう文化を作り出して、日本に根付かせたジャニー喜多川さんはすごく尊敬しています。逆に、黒いテカテカのマッチョ=性的というイメージを作った、チョコボール向井さんのことも本当に尊敬してます! 現役の時を知らない僕らの世代でも有名なくらい、チョコボール向井さんが残した文化はすごいと思います。

――チョコさんが「黒いテカテカのマッチョ=性的」というイメージを作っちゃいましたけど、マッチョ29のメンバーたちの方向性って、性的なアプローチではないですよね。そもそもマッチョのタレント集団にしようと思ったのは、何故ですか?

鈴木 ただ単純にマッチョがたくさんいると絵面が面白いんじゃないかと思いました。ボディビル大会の様子なんかを見ると、異質で面白いじゃないですか。でもテレビではズラッとマッチョが並ぶ絵は見かけないな、と。巨乳アイドルさん勢ぞろいとか、肥満芸人さん勢ぞろいとかはあるのに、マッチョはないぞと。テレビ画面に5マッチョ映っているだけでもだいぶ面白い。それが個人的にずっとツボなんですよ。単純に僕のツボっていうだけです(笑)。

――今夏、とあるイベントで「マチョ氷」という企画を出展していましたよね。イマドキ珍しい手動のカキ氷機を、マッチョが渾身のパワーで回して氷を削り、筋肉を見せつけるという……。その時のチェキ撮影会で女性の方々が長蛇の列になっていて衝撃的でした。

鈴木 インスタ層のおかげです。インパクトがあるから投稿しやすいし、その投稿写真を見て興味を持ってくださった方がイベントに遊びに来て下さって……という好循環があります。それと男性の場合、セクシー系の女性アイドルさんがオッパイを強調した衣装だとテンション上がる方は多いんですけど、多分女性も同じで、発達した胸筋とか割れた腹筋にテンション上がるっていう気持ちはあるんじゃないでしょうか。それに、昔から、強い男はモテるじゃないですか。筋肉を鍛えているからケンカが強いかどうかは置いといて、見た目的にはマッチョは強そうですよね。

――今回イベントにお邪魔させていただいて、「マッチョ29」の皆さんが、ファンの方たちと非常にフランクに会話をすることに驚きました。ファンの方たちも、おしゃべりに来てる! って感じがしました。

鈴木 マッチョ企画は全部、“大人の文化祭”って感じなんですよ。ファンの方たちの見方もそこまで一面的ではないはずで、元気なマッチョとのおしゃべりを楽しみたい方もいれば、筋肉を性的に見てる方もいらっしゃると思いますし、マッチョを可愛いマスコット的に見てる方もいたり。あるお客様から頂戴した意見なんですけど、彼らと会ったり話したりしてると、小さなことで悩んでる自分が馬鹿らしくなるんですって。うちのマッチョたちは体もデカけりゃ声もデカいし、ノリがいいんです。男性のお客さんも来てくださるのですが、マッチョと触れ合って、大笑いして帰られる方もいますよ。

(撮影:尾藤能暢)

「仕事と引き換えに性的関係を」セクハラに悩んだ末、たどり着いたアンサー

 私は単純な性格でよくも悪くも短気なので、怒りや悩みといった負の感情が持続しません。寝て起きると、わりと忘れるタイプ。それなのに、数年来ずっとモヤモヤを抱えたままでの事案があります。

 最近までうじうじしていた状態から脱せたのは、『部長、その恋愛はセクハラです!』(牟田和恵著書、集英社)を読了したから。そうなんです、私が悩んでいたのは、セクハラ案件。「仕事上の有利な条件と引き換えに性的関係を求める男」の存在でした。

 もう何年も前のことにしても詳細を書くのはむずかしいのですが、立場も年齢も圧倒的に相手のほうが優位な状況です。そもそもセクハラは、対等ではない関係のなかで起きるもの。私にとってはあくまで「仕事関係の人」なのに、先方はなぜか私のことを「仕事もするけど、男女関係になるチャンスもある相手」とみなしているようでした。恋愛感情とまではいいませんが(そう考えるのもおぞましいし)、「その願望はセクハラです!」というに十分なアプローチが早くから見られました。

 名刺を交換してすぐに、ファーストネーム+ちゃん付けでメールを送ってきた段階から警戒はしていたし、その都度かわしたつもりなのですが、先方の勘違いは止まらない。失礼にならないように、けれどきっぱり意思表示をするのが至難の業ということは、似た経験のある女性であれば共感いただけるでしょう。

 なぜ私ははっきりノーをいえなかったのか……これはいまでも私にとって“ノドに引っかかった魚の小骨”です。日ごろコラムで「女性が主体となったセックスを」とかなんとかエラソーに書いているくせに、リアルな問題を前にすると私ってこんなにヘタレ。所詮ネット弁慶でしかないのか、と自己嫌悪どっぷりでした。

ノーをいえない女性が悪いのか

 ただ、私なりにノーは伝えていました。露骨な“提案”があったときに、「彼氏がいますし、彼以外とはそういうことはできません」「そもそもお仕事関係の方とそういう関係になりません」と返しました。でも、これだけいっても、まだピンと来ていない様子……。

 内心では「彼氏がいるからとか仕事関係だからとかじゃなく、そもそもアナタ自身が男としてナシなんですけど!!!」と中指を突き立てているのですが、そこまではいえません。その理由は、理不尽な怒りを買うとその後が面倒だと感じていたのと、仕事で不利益を被りたくなかったからです。

 ファック!!! と嫌悪感をぶつけて拒絶できない自分がほんとうに情けなく、これでは付け入られても仕方ないとも感じました。拒絶しない=結局は相手を許容していることになるのではないか、と。しかし、『部長、その恋愛は~』で、

ノーが言いにくいこと、はっきりしたかたちではなかなかノーが言えないことは、報復のおそれを計算する前に、多くの女性たちに埋め込まれている反応でもある

という一文に出会い、目からウロコが落ちました。断れば報復される、という恐怖心が女性のなかにあるというのは大前提。しかもその報復とは、解雇や不当な人事異動といったあからさまなものだけではなく、「覚えが悪くなる」「気まずくなる」ことで結果的に女性が仕事をしづらくなる、居場所がなくなるということまで含まれると、解説されています。女性にとっては十分な打撃です。

 しかしそれ以前に「女性はノーをいいにくい性」であるとは、これいかに。同書によると、

望まない、あるいは不快な性的な誘いや働きかけに、「逆らわずにいる」ことで女性は拒否のメッセージをあらわそうとする傾向を持っている。

とのことで、はっきりノーをいうことは、同書の著者のように、性暴力やジェンダーの問題を専門とする女性たちにとってもむずかしいことのようです。その理由のひとつが、次のように解説されていました。

はっきりと「ノー」と伝える言葉を日本の女性たちは持ちません。(中略)日頃は気づかない、ジェンダーによる言葉の縛りです。日本語では、とくに女性は、断定・言い切りの言葉を使いません。

 たとえば痴漢をされている女性が加害者に「やめてください」というーー「やめろ」という命令ではなく、被害に遭っているのに“お願い”の形をとります。私も「こういう理由で、アナタとそういう関係になるのはありえない」とは伝えましたが、「こんなふうに誘うのは、もうやめろ」とはいえませんでした。これは自分の性格からくる個人的な体験だと思い込んでいましたが、長い時間をかけて男性社会が作り上げた「ノーをいえない女性」としての体験でもあったのです。

 また、私は一連のやりとりのなかで最低の発言をしています。「もっと若くてかわいい子をお誘いになったらどうですか?」ーー本気で自分の被害を他人に押し付けたかったわけではありませんが(ハイそうします、と実効するような男でもないし)、人としてありえない発言だと、いった瞬間から後悔しました。が、

加害者をなんとか落ち着かせるにはどうしたらよいかを思い巡らせたり、加害者の気持ちを替えさせるため説得したりしようとしたりする者も少なくない

と同書にありました。私がしたことはこれだった、と気づきました。ああいってもダメ、こういっても通じない男性を相手に必死で格闘するなかで、出てきたひと言。がっぷり四つに組んだまま断りつづけ、疲弊していました。注意をほかに逸らし、その隙に逃げたかったのです。

被害を、被害として認識する

 しかし男性からするとこれは「ノー」にはならず、「イケるかも」と勘違いを助長させることになるそうです。でも、追い詰められた自分の不用意な発言より、追い詰めた男性に非があるんじゃないか。私は本書を読んでそう思えるようになりましたし、「その場でノーと言わなかったくせいに後から言うのは卑怯、という見方は正当ではない」と断言する文に力を得ました。

「ヤラなかったら、不利益になるぞ」とはっきりといわれたわけでもないのに、私が自意識過剰なんじゃないかと悩んだことについては、男性は「あからさまな脅しをかける必要がないからです」というアンサーを見つけました。言語化されなくとも、そもそもの立場の違いが女性への「脅し」となりうる……このことへの理解が男性と女性とではまったく違うことが、悲劇を生んでいることがよくわかります。

 当時、私が出した結論は「相手を無視する」でした。このセクハラについて裁判を起こして相手を糾弾したい、とまでは考えておらず、向こうからの要求がなくなればそれでいいのです。多くのセクハラ被害者も、相手を懲戒免職させたいとか社会的に失墜させたいとか、それが目的ではないといいます。ただ自分への接触、社会生活への侵害をやめてほしいと思っている女性も数多いのだと本書で知り、大いに共感しました。仕事上は正しい判断ではなかっらかもしれませんが、「断る」という形でもリアクションのあること自体が相手を勘違いさせるのだろうと考え、この結論に至りました。

 この男はほかの女性にもセクハラするかもしれない、次のターゲットを見つけたから私へのアプローチをやめたのかもしれない……と考えると不本意ですが、被害をうけた側にそこまで求めるのも酷なように思います(自分でいっちゃうけど)。その代わり、次の被害者、そしていまセクハラで悩んでいるすべての女性に、この本を読んでもらいたいと思います。「私に隙があったからこんなことに」「私の態度が勘違いさせたのではないか」と自分を責めるのをやめ、自分の身に起こったことは“被害”なんだとちゃんと認識できるようになりますから。

サークルクラッシャー列伝 その5~所有されない女、彼氏面する男

◎サークルクラッシャーを「既読スルー」したら?

ライトノベル『サークルクラッシャーのあの娘、ぼくが既読スルー決めたらどんな顔するだろう』(著:秀章、イラスト:R_りんご、角川スニーカー文庫)が今月初めに発売され、話題になっている。当連載で、5回もサークルクラッシャーについて扱ってきた筆者としては、なんとしても一読せねばなるまいとの使命感から、さっそく手に入れてページを捲ってみた。

舞台は、「七氏族軍資」と呼ばれる伝説の秘宝を追い求める冒険者たちの時代。「軍資に一番近い」とされる旅団(サークル)のメンバーたちが、とあるダンジョンで巨大な結晶の封印を解いたところから、物語が始まる。結晶から現れたのは、金色の髪がなびく美少女・クリスティーナだった。クリスティーナは記憶喪失であり、その記憶を取り戻すため冒険をともにすることになる。しかし、彼女の存在によりメンバーの間に亀裂が入るようになり……。

最強の旅団と呼ばれ、屈強なモンスターでも容易く倒すメンバーたちも、サークルクラッシャー・クリスティーナの前では無力に等しかった。次第にメンバーたちの心はバラバラになっていってしまう。

こんな場面もある。自分への気持ちを確かめようとする白魔道士に対して、クリスティーナは優しさや読書家といった魅力をあげ、「それに……私のこと好きですよね? ですから、好きです」とあっけらかんと話すのだ。つまり、彼女からしてみれば、「旅団のメンバーが私のことを好きだから、私も好きになった」という理屈が成り立つ。これでは、どちらがサークルクラッシュの原因を作ったのかわからなくなってしまう。さんざん思わせぶりな態度を取っておいてそれはない、と思わないでもないが、彼女の言葉はサークルクラッシャーのある一面を浮かび上がらせている。

サークルクラッシャーを語る際は、「女=加害者」という側面だけに焦点を当てられがちである。しかし、ことが恋沙汰である以上、必ず「相手」の存在が必要不可欠だ。相手の存在なくしては、恋沙汰は発生しないため、サークルクラッシュは成り立たない。となれば、サークルクラッシュの原因を女側だけに求めるのはフェアでないし、検証としては不十分である。

サークルクラッシャー問題を扱うシリーズの一区切りとして、今回はこれまで注目してこなかった男側の問題を含め、サークルクラッシャーが発生してしまう構造について考えていく。

◎「自分のものにならないなら、あいつはビッチ!」というレッテル

これまで当連載では「承認欲求型」「狩猟型」のサークルクラッシャーを取り上げてきたが、前述のクリスティーナは、「無自覚型」のサークルクラッシャーだ。「無自覚型」は、男を引きつける美貌や媚態を備えており、簡単に言ってしまえば非常にモテる。モテるだけならいいのだが、すべての相手からの好意を受け入れ、自分も好意で応えようとしてしまう結果、男たちの間で「所有」を巡る争いが起き、サークルを崩壊させてしまうことになるのである。

しかし、その所有という発想が、そもそも「無自覚型」にはない。「誰かに所有されなければならない」という考え方は、すべての好意に応えようとする慈悲深い彼女たちだからこそ、ナンセンスなものに思えてしまう。「誰か一人に所有されるべきだ」と説教するのは簡単だ。しかし、それは男側の理屈であり、そういった価値観を持たない彼女たちに押し付けることが果たして可能なのだろうか。そして男側が強弁するほど、それは自明な理屈なのだろうか。

たとえば、こんなパターンもある。新入社員のAさんは、3つ上の先輩B(男性)から業務の指導を受けていた。教え方が丁寧なBを信頼したAさんは、業務以外にも将来のキャリアプランや人間関係の悩みなども相談するようになった。それはあくまで職場の上司として信頼を寄せたにすぎない。だが、BはAさんに個人的な好意を持つようになり、Aさんを食事に誘うようになる。Aさんには彼氏がいたため、はじめはやんわりかわしていたのだが、何度も誘ってくるため断りづらくなって、プライベートの飲みに何度か付き合うことになった。

Aさんに声を掛けてくるのは、Bだけではなかった。Bの上司にあたるCもAさんに好意を持っており、何度も執拗に飲みに誘ってきた。何度も断ると角が立つと思ったのと、会社や仕事のことをもっと知りたいという純粋な向上心から、こちらも何度か付き合うことにした。

しかし、BともCとも二人きりで飲みに行き、かつ彼氏と同棲するために準備していることが知られると、「あいつは、サークルクラッシャーだ」と周囲から呼ばれるようになった。BとCが吹聴したことは明白である。「自分のものにならないなら、あいつはビッチ!」といったレッテル貼りの常套句に、「サークルクラッシャー」という言葉が使われてしまったのだ。Aさんからしてみれば、ただただ迷惑な話でしかない。

◎「誰か一人に所有されるべきだ。特に女はな」

同じようなパターンは、ある大学の音楽サークルでも起こっている。大学1年の時に複数の先輩から言い寄られ、いつの間にかサークルクラッシャー扱いされていたDさんは、こう憤る。

「男側からすると、『お前が思わせぶりな態度をした』ということになるのかもしれませんが、とんだ濡れ衣ですよ。これからサークルに馴染んでいこうとする1年生としては、先輩から食事に誘われれば断れないし、音楽の話も聞いてみたい。なのに、『俺以外の男とも、ご飯を食べに言っている』と、勝手に彼氏面(づら)されても……。ご飯を食べに行ったくらいで舞い上がった挙句、人をサークルクラッシャー扱いするなんて幼稚にもほどがあります」

彼氏面については、筆者が以前、ダイヤモンド・オンラインに書いた記事を参照してほしい。交際していないのに、あたかも自分が彼氏のように振舞う彼氏面男子たちが、「所有」を断念せざるを得なくなった時の便利な捨て台詞として、「サークルクラッシャー」という言葉が使われることもある。「悪いのは、思わせぶりな態度をとったあいつ。俺はむしろ被害者だ」と。

サークルクラッシャーに「無自覚型」があるならば、無自覚にサークルクラッシャー認定されてしまうこともある。勝手にサークルクラッシャー呼ばわりされた彼女たちがそうだ。いずれにしても、彼女たちにサークルクラッシャーの烙印を押すのは、男たちである。それが正しいにしろ正しくないにしろ、そこには「誰か一人に所有されるべき」という価値観が歴然としてあり、その禁を犯した者には「サークルクラッシャー」という烙印が刻まれるのだ。

そして、同じことを男がしてもサークルクラッシャーとは呼ばれないという非対称性が、問題の背後に横たわっている。仮に複数の男と肉体関係を持った女がいたとしよう。確かに彼女たちは、サークルクラッシャーと呼ばれてもしかたない側面があるかもしれない。しかし、逆を考えてみるとどうだろうか。男が同じことをしても、ただの「遊び人」や「ヤリチン」といった言葉で片付けられることが多い。下手すると、浮名を馳せた男の武勇伝として語られることさえある。はっきり言ってしまえば、「誰か一人に所有されるべきだ。特に女はな」ということになる。男にとってサークルクラッシャーという言葉は使い勝手がいい。

この非対称性を無視して議論を進めてしまうと、サークルクラッシャー問題が「女性個人の資質」(ビッチやメンヘラといった)に矮小化されて語られることになってしまうのである。

◎環境が生んだ怪物〜誰が彼女たちを作ったか

もう一つ、女を“姫”として祭り上げてしまう集団の問題点がある。当連載でも工学部といった、男が圧倒的に多い集団で起こったサークルクラッシャー事件について取り上げたが、とりわけ男が多く、女の存在が貴重な集団においては、必要以上に“姫”としてチヤホヤしてしまう例がたくさん報告されている。そうした環境のなか、自己肯定感が低い女が承認欲求を肥大化させてしまったり、男を操るのに喜びを覚えてしまったりした場合に、サークルクラッシャーの問題が起こりやすい。ここでもやはり、男側のいびつさが浮き彫りになる。

一人の女が、サークルクラッシャーに身をやつした過程が垣間見られる証言を紹介しよう。

入社5年目の女性Eさんは、男が多い部署でチヤホヤされる存在。若い女性社員がBさんのほかにおらず、男からの視線と愛想を独り占めする“お姫様状態”を心地よく思っていた。

しかし、自分よりも若くて可愛い新入社員が配属されてからは、その状況が一変する。新入社員に男の視線が集まり、自分は「何を言っても許される、いじられキャラに降格してしまった」(Eさん)という。実はEさんは、同じ部署の上司(40代)と不倫関係にあったのだが、その上司まで新入社員に鼻の下を伸ばした態度を取っていることが、やけに癇に障った。

新入社員のFacebookには、週末に彼氏と相手とデートした写真がアップされている。一方で、自分は上司と不倫関係にあり、とても幸せな恋愛をしているとは言えなかった。自分がすべての面において劣っていると感じてしまうような、惨めさを抱くようになっていった。

きっかけは、偶然のトラブルだった。名前で検索してこっそり見ていた新入社員のFacebookの投稿に、誤って「いいね!」を押してしまったのである。それに気がついた新入社員は、「先輩、あんまり私のFacebookをチェックしないでくださいよ~(笑)」と冗談めかして、Eさんに声をかけてきた。その瞬間、Eさんの中で、なにかのスイッチが押されたという。

Eさんが標的にしたのは、新入社員に言い寄っている30代の男性社員。部署内でもイケメンで通っている彼からのアプローチに、新入社員もまんざらではない様子だった。彼を「仕事の悩みを相談したい」と飲み誘ってから男女の関係になるのに、時間は掛からなかったという。「私もまだ若くて、新入社員よりモテるということを証明できた気がした」(Eさん)

しかし、以前から不倫の相談をしていた20代の男性社員とも関係を持ったのがいけなかった。この男性社員がEさんに本気になってしまい、上司に不倫関係を解消するように直談判する騒ぎを起こしてしまったのだ。さらに、新入社員にアプローチしていた男との関係も、この男性社員によってバラされてしまった。不倫相手の上司が大人の対応で事態を収拾したため大きな問題にはならなかったが、今でも同じ部署で働く4人はギクシャクしたままだ。

Eさんは、集団の中で特定の女を“姫”として祭り上げる男の視線を内在化し、それに固執するがあまりにサークルクラッシャーと化してしまった。孤独な無人島生活にサークルクラッシャーがいないように、集団がないところにサークルクラッシャーは存在しない。集団が抱える問題が、サークルクラッシャーという「現象」に顕在化しただけだとも考えられる。

いずれにしても、サークルクラッシャーの問題を語る際には、サークルクラッシャー個人の資質や性格だけではなく、サークルクラッシャーを発生させる構造や環境にまで踏み込んで考えなければ本質は見えてこない。ある一面では、サークルクラッシャーは「環境が生んだ怪物」だと表現することも可能だからだ。さらに言えば、個人の資質と構造的な問題が相互に影響しあって、「サークルクラッシャー」という現象を生んでいると分析することもできる。

世に男と女の集団がある限り、サークルクラッシャーの種は尽きない。今日も、どこかでサークルが崩壊しているかもしれないのである。当連載でサークルクラッシャーを扱うのはこれで一区切りとするが、新たな情報や知見が獲得できた際には、再び筆をとりたいと思う。
(宮崎智之)

「グリーン席で騒ぐ母子は生きている必要はない」…大作家の蔑視発言を放置してはならない

 本サイトを読まれる方が日頃手にすることがないであろうオヤジ雑誌群が、いかに「男のプライド」を増長し続けているかを、その時々の記事から引っ張り出して定点観測していく本連載。

 このところ、さすがに放言の頻度が収まったようにも思える曽野綾子氏だが、「出産したら母親は会社をお辞めなさい」などと時代錯誤も甚だしい発言を立て続けに吐いていた頃、知人から「でも、彼女の小説作品は素晴らしいと思うけどね」と、あたかも反論のように言われて困ったことがある。文化人や芸能人がこの手の言動で問題視された際、でも作品は素晴らしいのだから否定すべきではないとの声がこぼれることがあるけれど、こちらは特定の言動を問うているのであって、存在を丸ごと刈り取ろうとしているわけではない(それが連続すればそういう気持ちになることはある)。

 伊集院静氏の小説は何冊も読んでいるし、日ごろ自分が好んで使わない言葉を敢えて用いればその「男気」に打たれることもある。しかし、極めて乱暴に「女・子ども」を片付ける筆致を見かけるとそのまま放置できない。大作家のエッセイや人生相談は、そういう蔑視を放任した上で味わうべきものなのか。そうは思わない。その都度、突っ込みたくなる。

私も仙台との往復を、指定席、グリーン席に座るが、そこにディズニーランド帰りの親子が騒いどるのを見たら、窓から放り出したくなるよ。そういう母子は生きている必要はないと思っとる。

伊集院静(伊集院静の「悩むが花」/『週刊文春』2016年11月10日号)

『週刊文春』で連載されている「伊集院静の『悩むが花』」は間もなく連載300回を数える人生相談。その回答は、男とはかくあるべしとの指南に至ることが多い。男の美学を個人に投じる分には、その美学を受け入れるか受け入れないかは読者次第であり、私はあまりそういった男らしさに感化されることの少ない男なので概ね素通りするのだが、その美学を裏打ちするために、子どもや女性を殴打するような意見を述べるならば立ち止まることになる。

 質問者は、小学生と幼稚園の子を持つ「39歳・女・主婦」。家族でセブ島に旅行へ行くことになり、いざ飛行機にチェックインすると、なんと会社経営者の夫だけビジネスクラスで、私(母)と子供たちはエコノミークラスだった。旦那は「俺は一家の大黒柱。激務で疲れているのだからよい席で休むのは当然。幼いうちから社会の厳しい現実を教えるべき」と言う。女性は当然、「こんな家族旅行、聞いたことがありません!」と憤慨している。自分は「激務で疲れている」という個人的動機と、子供には「社会の厳しい現実」を教えるべきという躾が混在しているのが奇妙だが、伊集院は開口一番「私はご主人の考えが端っから間違ってはおらんと思うよ」と答える。「敢えて言えば、奥さんもビジネスに座らせてもいいかと思うがね」と続けた直後に「子供は一番安いシートに乗せなきゃ、ダメだ」と書く。

 子供に裕福な思いをさせると、自分は他の子とは違うのだと誤解してしまう、その意識が根付くと一生取り返しがつかないとした上で、先に引用した発言に繋がる。「そういう母子は生きている必要はない」は、人工透析患者に対して暴言を吐き続けた長谷川豊を思い出してしまうが、とても作家が使う言葉遣いとは思えない。無論、例え話からの流れであることは重々承知だし、連載を毎回読んでいればこういう形容にも慣れてくるが、この手の慣れがマッチョな世間体を育んでいることに気付かなければならない。

 そもそもこの質問の記載にある旦那に対して、皆さん、言いたいことが一つあるだろう。私もある。おそらく同じだろう。それではご唱和ください。「オマエもエコノミー乗れよ」。ご唱和ありがとうございます。小学生と幼稚園の子を持つ母親がセブ島までの道中(成田からおよそ5時間半)を騒がず泣かずいられるよう1人で見ることを「激務」と呼ぶが、そういう観点は欠けたまま。

 こういった回答は「言いたくても言えない男の本音」として歓待されるのだろうけれど、年月をかけて進めてきた「働く女性」「男性の育児参加」という取り組みを土砂で埋めてしまう発言に思える。旧来の価値観を内心で維持するのは勝手だが、こうして公に撒かれっぱなしになるのは困る。

イイ女は、君の頭髪のことなど気にしないよ。バカな尻軽女だけが、大人の男の頭髪を気にするんだよ。脳ミソもないくせに。

伊集院静(伊集院静の「悩むが花」/『週刊文春』2016年11月10日号)

 同じ号には、抜け毛が気になる「30歳・男・会社員」から、ハゲる前に結婚したいという相談が寄せられており、その彼に対して上記のように励ましているのだが、なんかもう、「そういう言葉遣いしちゃいけませんよ」と年少者に向けるような注意を差し出すしかなくなる。「イイ女」という言い方がそもそも不快だが、その言い方をひとまず受け止めるとして、その「イイ女」は、他の女性に対して「バカな尻軽女」だなんて広言する男から真っ先に遠ざかっていくと思う。「脳ミソもないくせに」は、脳ミソが充実している人が使う言葉ではない。

 今回、担当編集者から、この発言についての考えを聞かせてくれませんかと言われていたのは、一橋大学のミスコン運営団体「C&A」の発言だった。今年から復活するミスコンを開催する理由として、運営団体の学生が「特に地方部において、一橋の知名度を上げるためですね。ミスコンは大学の認知度を広げるのに最も手っ取り早い方法だと思います」(一橋新聞WEB)と答えている。ミスコンには批判もあるけれど、との問いには「そのためミスキャンパス一橋は容姿が一定の水準以上であれば、男性も女性もエントリーできるようにしていくつもりです。また、容姿だけではなくパフォーマンスも見てもらえるようにしようと考えています」とした。さらりと「容姿が一定の水準以上であれば」と答えてしまう鈍感さに呆れる。周回遅れの意見が若い学生から再提出されていることにうなだれる。

 周回遅れだろうが構わない、女・子供を傷つけようが、俺は言いたいことを言うんだと年長者が傍若無人を貫く。そして、いわゆる偏差値的な「脳ミソ」の詰まった若者からも、こういう意見が垂れ流される。この原稿を書いているのが、大統領選挙の結果が出た翌日なのでどうしても持ち出してしまうが、海の向こうのアメリカでは「女は本質的に美的に楽しめるオブジェクト」「ジャーナリストになるためには、女はホットでなくちゃ」「自分に金と力があるので、女たちは自分に媚びるのだ」(ハフィントン・ポストより)等々、女性蔑視発言を繰り返してきたドナルド・トランプがアメリカ合衆国の大統領に就任した。まったく「いつの時代だよ?」という女性蔑視があちこちから投じられている。答える側は「いつの時代? 今の時代だよ!」と凄んでしまう強気の話者ばかりだ。「そういう母子は生きている必要はない」「脳ミソもないくせに」を前にして、言わせておけよ、と放置するのではなく、いちいち指摘するべきだ。こんなのダメだと思う。

潮吹きラバー必見!“女性の射精”に特化したバイブの仕組み

 みなさんはセックスの時に「潮吹き」を体験されたことがありますか? 膣内の性感帯Gスポットを刺激することによって起こる「女性の射精」とも言われる現象です。視覚的に派手だからでしょうか。ここ10年ほどで、AVでは欠かせないワンシーンになり、男女ともに認知が高まったような気がします。

 渋谷のバイブバーに集う好奇心旺盛な女性たちからも「どうやったら潮を吹くことができますか?」という内容のご相談をこっそりと受けることが多い昨今。そんな時、そっと微笑みつつお渡しするのがこちらのバイブ。『潮吹きバイブII KO-MON様シリーズ・二代目助さん』です。

 潮吹きに特化した作りになっていて、Gスポットを刺激しやすいようにクッと曲がっています。最大の特徴はクリバイブ部分。ポチッとした突起が、実は膣内へ挿入するとパタッと折れ曲がる柔らか仕様なんです。クリバイブ部分のパワフル振動により、Gスポットをさらに押し上げるように刺激し、快感度数を極限まで高め、潮を吹きやすく導いてくれるという仕組みですね。

 コントローラーは強弱無段階調整タイプなので微妙なパターンも自由自在。ちなみに『二代目助さん』は男女ともに人気があります! カップルで使うもよし、女子ひとりで使うもよしという優れものですよ。

 セックスでイキやすい体作りとは己を知る、すなわち、自分の快感ポイントを掴むこと。そんな時に、トレーナーとして貴女を強くアシスタントしてくれるのがこれらの目的別バイブなんです。実際、潮吹き達人のAV女優さんたちにコツを伺うと「日々の鍛錬が必要」と、独自のオナニートレーニングを教えてくれる方が多いんですよ。

(文責/ワイルドワン広報・内山)

当連載を読んで興味を持たれた方は、見て、触れて、動かすことが可能な渋谷のバイブバーへいらしてくださいね。スタッフも運営も全員女性なので安心です。こだわりの内装と350本以上のバイブ、国内外から集めた大人のおもちゃが展示されています。「messyを見た」と言っていただければ「スティックローター」をプレゼントいたします!

THE VIBE BAR WILD ONE(ザ・バイブバー・ワイルドワン)

住所:東京都渋谷区道玄坂2-7-4 3F
電話番号
03-5456-1100 (月~土 PM17:00~PM24:00)VIBEBAR
03-3477-0800 (月~金 AM9:00~PM17:00) VIBEBAR 事務局
メール:info@vibebar.jp
定休日:日曜・祝祭日
営業時間:17:00~24:00
※入店受付は閉店時間の45分前までとなります
最寄り駅:JR渋谷駅・ハチ公口より徒歩3分
京王井の頭線渋谷駅・西口より徒歩1分

女性も「朝勃ち」するし、ジュワっちゃうこともある。朝濡れも気にしなくてOK!

街中で聴こえはじめたマライア・キャリーのクリスマスソングが、寂しさに拍車をかけています。こんにちは、大根 蘭です。

◎オンナの朝もビンビン?

 以前、「クリは男性でいうところの亀頭そのもの」とお伝えしましたが、男性器と女性器が起こす生理現象でも、共通点があります。それは……「朝勃ち」! 「朝勃ち」という現象は男性特有のものだと認識している方もいらっしゃるではないでしょうか。驚くなかれ、クリもティンコ同様、元気に「朝勃ち」することがあるのです。

 しかし何故、男性の「朝勃ち」ほど女性は知られていないのでしょうか。女性の場合、勃起時のクリの膨張がそれほど大きくないため、男性がティンコの勃起時に感じるような圧迫感もなく、クリが勃起していること自体を自覚している人が少ないそうです。男子同士の「朝勃ちしちゃってさぁ~」なんて会話を聞いて、(エロい夢見てたんだろっ!)とか(エロいことばっか考えてっからだよ!)なんて思っている女性の方! アナタも気付いていないだけで、勃ってますから! 

 男性の「朝勃ち」については、いくつかの仮説があり「睡眠中に膀胱に尿が溜まって前立腺を圧迫し、その刺激によって起こるもの」と言われていました。男性自身も排尿により、萎えたり落ち着くことから納得していたのかもしれません。が、研究が繰り返された結果、今では男女共に同じメカニズムの現象だという説が有力のようです。

◎睡眠中に脳から勃起司令?

 では、男女ともに起きる「朝勃ち」現象のナゼ? ですが、ご存じのとおり人間は睡眠時に、深い眠りの「ノンレム睡眠」と、浅い眠りの「レム睡眠」を交互にくり返しています。「朝勃ち」は、レム睡眠下で起こる現象。カラダは深く眠っているのに、脳が活発に動いているため、副交感神経(疲れたカラダを回復させる神経)を刺激しているそうです。この副交感神経から脳への司令によって、「朝勃ち」が起きるというわけ。

 脳からの司令とはいえ、なぜ勃起をさせるんだ? に関しては、男女ともにちゃんと解明されていないようで、仮説ではありますが男性の場合「朝勃ち」を繰り返すことによって、柔軟性を養い、さらに血流を上げることでティンコに新鮮な酸素を送り、健康を維持していつでも勃起できるような訓練をしているのでは? と言われているようです。カラダが休んでいる時でも、ティンコのトレーニングとメンテナンス、ストレス解消をしてくれていると考えられているようです。(長い人で最長2時間続くんだそうですよ!)

◎「朝濡れ」も心配無用!

 更に、女性の場合は「朝勃ち」だけではなく、朝起きた時に自然と愛液が分泌している「朝濡れ」も起こることもあります。はい、私も経験あります! 「クリ勃起」に気付いたことはありませんが、目覚めて濡れていた時は「ンフ、私ったらヤラしい女ね」と思ったものです。これも実は「朝勃ち」と同じく、副交感神経の働きで女性器周辺の血流がよくなり、愛液の分泌量が増えていただけの生理現象。「朝濡れ」で自分がエロいことばかり考えているから……と反省したり、体調の不安を感じていた方も、カラダがリラックスして、健康な状態を保っているということなので、心配無用!

◎「朝勃ち」しないティンコはEDに……

 恋人がいる方は、彼に「朝勃ち」事情を聞いてみるのもいいかもしれません。どのくらいの頻度で、朝勃ちっていればいいという正解はありません。個人差があり、毎朝勃っている人もいれば数日に1回、と年齢問わず様々(頻度としては、若い人の方が多いみたですが)。ただ男性の場合、高齢になっても一生続くものだそうです。

 彼女に聞かれて「朝勃ち」事情を正直に話すかわかりませんし、「朝勃ち」のメカニズムがわかっていない、もしくは、「しょっちゅう朝勃ちしてるなんて、カッコ悪いぜ」。と思っている男性は「朝勃ちなんてしねぇーし!」と返ってくるかもしれません。それがただの強がりなら全く問題ないですが、高齢ではないのに、実際に朝勃ちしない状況が1カ月、2カ月も続いているようなら、体調を心配してください。「彼、もともと性欲が少ないから~」という問題ではなく、「朝勃ち」しないということは、男性ホルモンが低下しているからで、低下しているということは、勃起するのに必要な血液がティンコに流れこまれなくなっているということ。そうすると……勃起不全の前触れかもしれないそうですよ……。

 ちなみに、セックスの最中は、ほとんどの血管を収縮させて血圧を上昇させるという交感神経が急激に高まると同時に、副交感神経が一気に高まるそうで、この「副交感神経を刺激」状態は、セックスのときにも朝勃ちの時にも、引き起こされるんだとか。カラダがリラックスした状態でも、興奮状態でも副交感神経を刺激するんですねぇ。

 男性の勃起と同様に、女性の勃起も濡れるのも、性的興奮は関係なしということもわかったことだし、今後は安心して朝漏れさせていただきますっ!

(大根 蘭)

「セックスして傷付いてる女性は多いのかもしれない」SM、AVを経験したヤリマンアイドルの自己肯定感

第3回 ヤリマンアイドル白玉あも(後編)

(前編はこちら)

■初めての普通の彼氏との、普通の生活

「その頃、プロレス会場でよく見かけてたバンドマンと付き合うようになったんです。“今日も来てるね”みたいに話すようになって、向こうもすぐ“付き合いたい!”って、ガツガツくるタイプだったんで」

 交際を申し込まれたのは、初めてのことだった。

「当時バンドマンがよく使ってた『魔法のiらんど』ってサイトの日記に“はなちゃん(※本名)と写真撮ってきた。これ見てたら連絡してね!”って書いたりしてたんです。堂々と私のこと“好きだ”って言ってくれる人初めてでうれしくなっちゃって、その時はまだ彼とセックスしてなかったけど、連絡したら“付き合って”って言われて、“いいけど、私ソープ嬢だよ”って言ったら“えっ!?”って(笑)」

 驚くのも無理はない。

「でも、“じゃあ俺がソープ上がらせる”って言って家借りてくれて、“家賃も払わなくていいし、これでもうソープしなくていいでしょ?”って。私それくらい強引に引っ張ってってくれないと、人と付き合えないんだと思うんですよね。それからは、またカフェで働いて、27歳くらいまで3年半くらいは同棲してました。セックスもたまにするし、家で一緒にご飯食べるし、休みの日は出かけるし、向こうの友達とも仲良くなったり、ホントやっと普通の人みたいなことができるようになって楽しかったです」

 特に手首を切ることもなく、彼女の人生でほぼ初めてともいえる“普通の生活”だった。

「出会い系もやらなかったし、そもそも男の人と遊ばなかったです。彼がまったくお酒飲まない人だったから、私も仕事終わったらすぐ帰らなきゃダメで、“家帰ってご飯作らなきゃ”って、お嫁さんみたいな感じでしたね。でも、長く同棲してるから“結婚あるかな”と思ってたんですけど、それは“ない”ってはっきり言われたんで別れました。“一生懸命低賃金で頑張って働いて、毎日家事もして一緒にいるのに、このまま年取って老けていくのは嫌だ”って思って、それからまたヤリマンに(笑)」

■汚れてる自分は“カワイイ”って思える

 そしてまた、彼女は風俗嬢に戻った。

「ほかに何していいかわからないから、とりあえず風俗でしたね。それまではヘルスとかソープやってたけど、“もう30歳が迫ってる”“30歳までにやりたいこと、興味あること、全部やらなきゃダメだ”って思って、ハードなことをやり始めました。ソープも中出しのノースキンの店に行ったり。“即即NN(即尺即ベッド生中出し)”ですけど、やっぱり合わなくて、3カ月ぐらいで辞めちゃいました。そのあとはSMクラブかな。そっちは長くて2年以上できましたね」

 SMの方が肌に合ったということのようだ。

「収入もよかったけど、おもしろいっていうのが一番の理由かな。演技みたいなことするのがおもしろくて、お客さんも外ではちゃんとした人たちなんだろうけど、そこではホントの姿が見れるっていうか。ドSみたいなお客さんなのにウンコかけても勃起してたりしていて、“この人ホントはMなのかなぁ”とか」

 それまでSMなんてやったこともなく、怖いと思っていたが、ストレス発散にもなった。人間の裏側が見られたことがよかったのか、一般的にはよりハードだと思われているSMクラブの方が、ノーマルセックスのソープランドよりも、彼女には合っていた。

「セックス自体が、そんな好きじゃないのかもしれない。なきゃないでいいというか。SMは、単純に抜くのが目的の人たちじゃないんでよかったです」

 彼女の変態志向は、その後に出演するAVについても同じであった。

「AVも30歳になる手前のギリギリで始めたんですけど、SMクラブが楽しかったから、“楽しんでる時の自分を客観的に見たい。じゃあAVかな?”と思って。自分でプロダクションを探して始めたんですけど、やっぱり普通のセックスから始めて、だんだん“アナル解禁”“SM解禁”というように進めていくものだったんですよね。でも、私は、最初のノーマルなセックスの仕事は要らなかったんですよ。スカトロやってる私が見たかったから、最初から“3大NG”の方がやりたかった」

 AV界で3大NG事項といわれ、多くの女優が忌避する「アナル、スカトロ、ハードSM」というマニアックな世界。それこそが白玉あもの求めているものであった。

「最初は信頼がないから“試しに普通の現場行ってみて”って言われて嫌だったんですけど、普通の現場だと男優さんが“カワイイね”とか言ってくるんですよ。それがホントに嫌で、イライラして機嫌が悪くなっちゃって……。だって嘘だから。もっと若くてカワイイ女優なんていっぱいいるのに、そんなこと思ってるはずないですもん。昔から“カワイイ”って言われても否定しちゃうんですよ。お世辞が嫌いだから」

 白玉あもは、「自分のルックスも好きじゃない」という面倒臭い女優だった。しかし、場所が変われば気持ちも変わった。実際に出演したノーマル作品は5本程度、マニア作品は約30本。活動期間は半年くらいだが、想い出に残っているのは、やはりマニア系だ。

「全国のファンの家に行って、応募してきた素人とスカトロプレイをする『全国うんこ紀行』とか、楽しかったです。あとは『糞接吻』ってウンコ味のキスするレズものとか、1本糞でポッキーゲームをやるとか、どれも楽しかったですね。普段絶対できないことだったし、最高でしたね。そういう出演作は自分でも見ますね。パッケージにも糞まみれの自分がいて、“すごいなぁ!”って。そういう顔を“あもちゃんカワイイ”って言われると、“でしょ!?”って思えるんですよね。汚れてる自分は“カワイイ”って思える。やっぱり感覚がおかしいですよね、むちゃくちゃですよね」

■“セックスは楽しんでいいこと”っていう感覚に変わってきた

白玉あもバッグ

 AV引退後は風俗からも足を洗い、“ヤリマンアイドル”“メンヘラアイドル”なる肩書で活躍する現在に至る。「居場所を作るための行為」でしかなかったセックスも、次第に変わってきた。

「30歳越えてからは、“セックスで気持ちいい”ってのがわかるようになりました。イクとか(笑)。たぶん10~20代の頃は、『セックス=やましいこと』っていうのがあったんだけど、30歳過ぎてからはAVに出た経験もあるし、わりと性に対してオープンになって、“楽しんでいいこと”って感覚になったからだと思う。相変わらず彼氏はできないけど、“セックスして気持ちよければいいか”って感覚になってきています」

 長い年月がかかったが、今の彼女は、初めて「ヤリマンとして存在していい」という心境になったのだ。ところで、結婚願望はあるのだろうか?

「今はそんなにないですね。同棲してた時はすごくしたかったんですけど、別れてからは結婚願望なくなって、今は『彼氏欲しいな』とは思いますけどね。付き合いたい。セックス以外の遊びもしてみたいですね。普通は昼に集合して映画見てご飯食べて帰るとか、そういうデートもあるんですよね。私の場合は集合時間が夜の20時とかで、飲みに行ったら、ホテル、セックスになっちゃう。男の人に誘われたらセックスがあるもんだと思って行くし、“セックスはちょっと……”っていうくらいなら飲みに行かないです」

 つまり、彼女にとっては「飲みに行く=セックス」のようだ。

「普通に会話できる人はいいんですけど、だんだん話すことがなくなって困ったら、“ホテル行った方がいいかな”って思うんですよ。体で会話です(笑)」

 だいたいの男性は楽しい会話がセックスにつながると思っているだろうが、彼女は会話がつまらない人とセックスして楽しいのだろうか?

「“あもちゃんと飲みに行って失敗したな”って思われたくないから、1個くらい、いいもの持って帰ってほしいなって」

 それでも、相変わらずセックス後の自己嫌悪は残っているという。

「一応楽しく考えるようにはしてます。いちいち傷付いてたらキリがないし……。でもホントのこと言ったら、いまだにセックスして“やんなきゃよかった”とか“付き合うことにならなくて無駄撃ちだった”とか、勝手に中出しされて“うわぁ”とか、“セックスで、なんでこんな気持ちになるんだろうなぁ”って傷付いたりしてますけど、最近だと“楽しいセックス話のネタができたかな”くらいに考えるようにしてます」

 経験人数およそ1,000人。そんな痛々しい性体験を自虐ネタにして、ヤリマンアイドルはトークライブで多くのファンを持っている。

「ライブで、お客さんの前で話すのは楽しいですね。一般的には“ひどいヤリマン”で、“どうしようもない女の子”なのに、会場には“それでいい”って言ってくれる人がいる。“ヤリマンがOK”なんだったら“育ちのこともOK”なのかなって思うし。あと私、女の子のファンが意外に多いんですよ。ヤリマンとかメンヘラとか、普通嫌われそうじゃないですか? “死にたい”とかブログに書いててもメッセージやコメント来たりするし、共感してくれる気がします。世の中にも、セックスして傷付いたりしてる人が多いのかもしれないですね」
(文・写真=福田光睦/Modern Freaks Inc.代表/Twitterアカウント:@mitutika

「セックスして傷付いてる女性は多いのかもしれない」SM、AVを経験したヤリマンアイドルの自己肯定感

第3回 ヤリマンアイドル白玉あも(後編)

(前編はこちら)

■初めての普通の彼氏との、普通の生活

「その頃、プロレス会場でよく見かけてたバンドマンと付き合うようになったんです。“今日も来てるね”みたいに話すようになって、向こうもすぐ“付き合いたい!”って、ガツガツくるタイプだったんで」

 交際を申し込まれたのは、初めてのことだった。

「当時バンドマンがよく使ってた『魔法のiらんど』ってサイトの日記に“はなちゃん(※本名)と写真撮ってきた。これ見てたら連絡してね!”って書いたりしてたんです。堂々と私のこと“好きだ”って言ってくれる人初めてでうれしくなっちゃって、その時はまだ彼とセックスしてなかったけど、連絡したら“付き合って”って言われて、“いいけど、私ソープ嬢だよ”って言ったら“えっ!?”って(笑)」

 驚くのも無理はない。

「でも、“じゃあ俺がソープ上がらせる”って言って家借りてくれて、“家賃も払わなくていいし、これでもうソープしなくていいでしょ?”って。私それくらい強引に引っ張ってってくれないと、人と付き合えないんだと思うんですよね。それからは、またカフェで働いて、27歳くらいまで3年半くらいは同棲してました。セックスもたまにするし、家で一緒にご飯食べるし、休みの日は出かけるし、向こうの友達とも仲良くなったり、ホントやっと普通の人みたいなことができるようになって楽しかったです」

 特に手首を切ることもなく、彼女の人生でほぼ初めてともいえる“普通の生活”だった。

「出会い系もやらなかったし、そもそも男の人と遊ばなかったです。彼がまったくお酒飲まない人だったから、私も仕事終わったらすぐ帰らなきゃダメで、“家帰ってご飯作らなきゃ”って、お嫁さんみたいな感じでしたね。でも、長く同棲してるから“結婚あるかな”と思ってたんですけど、それは“ない”ってはっきり言われたんで別れました。“一生懸命低賃金で頑張って働いて、毎日家事もして一緒にいるのに、このまま年取って老けていくのは嫌だ”って思って、それからまたヤリマンに(笑)」

■汚れてる自分は“カワイイ”って思える

 そしてまた、彼女は風俗嬢に戻った。

「ほかに何していいかわからないから、とりあえず風俗でしたね。それまではヘルスとかソープやってたけど、“もう30歳が迫ってる”“30歳までにやりたいこと、興味あること、全部やらなきゃダメだ”って思って、ハードなことをやり始めました。ソープも中出しのノースキンの店に行ったり。“即即NN(即尺即ベッド生中出し)”ですけど、やっぱり合わなくて、3カ月ぐらいで辞めちゃいました。そのあとはSMクラブかな。そっちは長くて2年以上できましたね」

 SMの方が肌に合ったということのようだ。

「収入もよかったけど、おもしろいっていうのが一番の理由かな。演技みたいなことするのがおもしろくて、お客さんも外ではちゃんとした人たちなんだろうけど、そこではホントの姿が見れるっていうか。ドSみたいなお客さんなのにウンコかけても勃起してたりしていて、“この人ホントはMなのかなぁ”とか」

 それまでSMなんてやったこともなく、怖いと思っていたが、ストレス発散にもなった。人間の裏側が見られたことがよかったのか、一般的にはよりハードだと思われているSMクラブの方が、ノーマルセックスのソープランドよりも、彼女には合っていた。

「セックス自体が、そんな好きじゃないのかもしれない。なきゃないでいいというか。SMは、単純に抜くのが目的の人たちじゃないんでよかったです」

 彼女の変態志向は、その後に出演するAVについても同じであった。

「AVも30歳になる手前のギリギリで始めたんですけど、SMクラブが楽しかったから、“楽しんでる時の自分を客観的に見たい。じゃあAVかな?”と思って。自分でプロダクションを探して始めたんですけど、やっぱり普通のセックスから始めて、だんだん“アナル解禁”“SM解禁”というように進めていくものだったんですよね。でも、私は、最初のノーマルなセックスの仕事は要らなかったんですよ。スカトロやってる私が見たかったから、最初から“3大NG”の方がやりたかった」

 AV界で3大NG事項といわれ、多くの女優が忌避する「アナル、スカトロ、ハードSM」というマニアックな世界。それこそが白玉あもの求めているものであった。

「最初は信頼がないから“試しに普通の現場行ってみて”って言われて嫌だったんですけど、普通の現場だと男優さんが“カワイイね”とか言ってくるんですよ。それがホントに嫌で、イライラして機嫌が悪くなっちゃって……。だって嘘だから。もっと若くてカワイイ女優なんていっぱいいるのに、そんなこと思ってるはずないですもん。昔から“カワイイ”って言われても否定しちゃうんですよ。お世辞が嫌いだから」

 白玉あもは、「自分のルックスも好きじゃない」という面倒臭い女優だった。しかし、場所が変われば気持ちも変わった。実際に出演したノーマル作品は5本程度、マニア作品は約30本。活動期間は半年くらいだが、想い出に残っているのは、やはりマニア系だ。

「全国のファンの家に行って、応募してきた素人とスカトロプレイをする『全国うんこ紀行』とか、楽しかったです。あとは『糞接吻』ってウンコ味のキスするレズものとか、1本糞でポッキーゲームをやるとか、どれも楽しかったですね。普段絶対できないことだったし、最高でしたね。そういう出演作は自分でも見ますね。パッケージにも糞まみれの自分がいて、“すごいなぁ!”って。そういう顔を“あもちゃんカワイイ”って言われると、“でしょ!?”って思えるんですよね。汚れてる自分は“カワイイ”って思える。やっぱり感覚がおかしいですよね、むちゃくちゃですよね」

■“セックスは楽しんでいいこと”っていう感覚に変わってきた

白玉あもバッグ

 AV引退後は風俗からも足を洗い、“ヤリマンアイドル”“メンヘラアイドル”なる肩書で活躍する現在に至る。「居場所を作るための行為」でしかなかったセックスも、次第に変わってきた。

「30歳越えてからは、“セックスで気持ちいい”ってのがわかるようになりました。イクとか(笑)。たぶん10~20代の頃は、『セックス=やましいこと』っていうのがあったんだけど、30歳過ぎてからはAVに出た経験もあるし、わりと性に対してオープンになって、“楽しんでいいこと”って感覚になったからだと思う。相変わらず彼氏はできないけど、“セックスして気持ちよければいいか”って感覚になってきています」

 長い年月がかかったが、今の彼女は、初めて「ヤリマンとして存在していい」という心境になったのだ。ところで、結婚願望はあるのだろうか?

「今はそんなにないですね。同棲してた時はすごくしたかったんですけど、別れてからは結婚願望なくなって、今は『彼氏欲しいな』とは思いますけどね。付き合いたい。セックス以外の遊びもしてみたいですね。普通は昼に集合して映画見てご飯食べて帰るとか、そういうデートもあるんですよね。私の場合は集合時間が夜の20時とかで、飲みに行ったら、ホテル、セックスになっちゃう。男の人に誘われたらセックスがあるもんだと思って行くし、“セックスはちょっと……”っていうくらいなら飲みに行かないです」

 つまり、彼女にとっては「飲みに行く=セックス」のようだ。

「普通に会話できる人はいいんですけど、だんだん話すことがなくなって困ったら、“ホテル行った方がいいかな”って思うんですよ。体で会話です(笑)」

 だいたいの男性は楽しい会話がセックスにつながると思っているだろうが、彼女は会話がつまらない人とセックスして楽しいのだろうか?

「“あもちゃんと飲みに行って失敗したな”って思われたくないから、1個くらい、いいもの持って帰ってほしいなって」

 それでも、相変わらずセックス後の自己嫌悪は残っているという。

「一応楽しく考えるようにはしてます。いちいち傷付いてたらキリがないし……。でもホントのこと言ったら、いまだにセックスして“やんなきゃよかった”とか“付き合うことにならなくて無駄撃ちだった”とか、勝手に中出しされて“うわぁ”とか、“セックスで、なんでこんな気持ちになるんだろうなぁ”って傷付いたりしてますけど、最近だと“楽しいセックス話のネタができたかな”くらいに考えるようにしてます」

 経験人数およそ1,000人。そんな痛々しい性体験を自虐ネタにして、ヤリマンアイドルはトークライブで多くのファンを持っている。

「ライブで、お客さんの前で話すのは楽しいですね。一般的には“ひどいヤリマン”で、“どうしようもない女の子”なのに、会場には“それでいい”って言ってくれる人がいる。“ヤリマンがOK”なんだったら“育ちのこともOK”なのかなって思うし。あと私、女の子のファンが意外に多いんですよ。ヤリマンとかメンヘラとか、普通嫌われそうじゃないですか? “死にたい”とかブログに書いててもメッセージやコメント来たりするし、共感してくれる気がします。世の中にも、セックスして傷付いたりしてる人が多いのかもしれないですね」
(文・写真=福田光睦/Modern Freaks Inc.代表/Twitterアカウント:@mitutika

処女卒業で爆発した「有名人と一戦交えたい欲」、簡単にヤれるサブカルおじさんたち!

 ヴィジュアル系、野球二軍選手、そしてお笑い芸人……全戦全敗の処女が、それまでの過酷な戦いから一転、秒殺で初勝利をもぎ取ったのは、バイト先である激安回転寿司屋の同僚のFラン大学生でした。

 天下一武道会で、それまで動きがにぶかったのは実は重いリストバンドなどをつけて戦っていたからで、外したとたんに「うっひょーー」と言いながら何メートルも上空に飛び跳ね、軽やかに対戦相手を倒した孫悟空(子供時代)のごとく、処女という名の重りを外した私は、雑魚でもボスの腰巾着でも(ボスはまだ分不相応)、対戦を挑み全戦全勝。

 ですが、やはり有名人との対戦を望んでいますから、雑魚と対戦しても手応えがなくつまらないもの。オラ、強えぇ奴と戦いたいんだよ!

 そんなとき出会ったのが、プロデューサーGでした。

 プロデューサーって、テレビの? いえいえ、どうやら違うらしいのです。とにかく肩書は“プロデューサー”。さらにまたの名を、“カルチャークリエイター”といい、事務所は原宿のど真ん中、いわば聖地にありました。

「◯◯の立ち上げに関わって、当時、◎◎たちに××を流行らせたのは俺。▼▼のヘアヌード写真集をプロデュースしたのも俺。今作っているのがコレ、△△。キミも関わらせてあげるよ」

 ちょっと何言ってんのかよくわからないのですが、キャップのナナメかぶりが妙に似合うオシャレっぽさと、みなぎる自信で、「もう! 今すぐ抱いて!」と自動的に言ってしまいそうな雰囲気を持ったオッサンでした。

 実際Gは、「この子もヤッた、この子もヤッたよ」と、原宿を我が物顔で歩いていそうなオシャレ顔の女の子の、一戦交えたあとっぽい写真を見せてくれました(それがまたオシャレな写真で、トイレットペーパーがむき出しになる、カバーなしホルダーがあるトイレで、上半身はスポブラ一丁、下半身はヘア丸出しで、便器にまたがりタバコをくわえて気だるげにこちらを見ている写真等)。

 芸能人でもないのに、ただの小デブのオッサンなのに、このヤラなきゃ損な雰囲気は一体なんなのでしょうか。

 そのときはわかりませんでしたが、のちに彼の名前を特定の界隈では頻繁に目にするようになったことで、「彼もまた一種の有名人なんだ」と理解するにいたったのです。

 へええ、コレ、食えるんだ! 高級グルメではないけど、コレが「美味しい」と言えたらなぜか「分かってるじゃん」ってツウたちから一目置かれるような、B級グルメなんだ! そうか、そうだったのか! ――そんな感覚です。

 そうとわかれば、彼らのようなB級グルメたちの出没スポットに行くのみです。が、これが難しいんですよ。ヴィジュアル系や芸人はライブ会場に行けば会えるし、野球二軍選手は二軍球場に行けば会える。ですが、彼らのような男たちは行動が読めない。今だったらSNSで自らどこで何食ったとか誰とよく遊ぶとか情報公開しているでしょうが、その当時はクチクミか地道に人脈を広げていくしかありません。カルチャークリエイター系ならばクラブに行けばいそう、と今ならわかりますが、当時はそんな事情もわかりませんでした。漠然と会おうとしても、会えない、まるで霧の中で実態のない影に手を伸ばしているような気分です(まあそもそも、彼らに実態がないからなんだけど)。

 では、どうすればよいのか?

 最初にヒントをくれたのは、大学の同級生Oでした。

「◯◯センセイの講演会が、すぐそこの大学であるから一緒に行かない? 一緒に出る人、はるちゃん好きだと思うから」

なんとO、とある精神科医のおっかけなのでした。せ、精神科医? そんなジャンルもアリなのか……と目からうろこだったものですが、確かにその精神科医はナイスミドルで本も何冊も出しているキレ者。Oがアイドル視するのも頷けます。そしてOの読み通り、同じく登壇していたとある学者は、私の好みドンピシャ! さっそくネットで彼らの情報を調べると(2ちゃんが普及し始めた頃)、やはりアイドル視されていることが判明。さらに、ほかにもイベント出演情報もありました。

「ろふとぷらすわん? どこだろう?」

 私が、ずぶりと、サブカル沼に片足を突っ込んだ瞬間でした。

 “サブカルの聖地”、ロフトプラスワン――。リリー・フランキーやみうらじゅんなど、サブカル男子界の最高峰たちを生み出した、いまでこそ全国的に認知されているイベントスペースですが、当時、無知な女子大生だった私にとっては、未知の世界でした。

 そしてイベント日、Oと私は、すえた臭い漂う新宿歌舞伎町を通り、雑居ビルの地下へと続く階段を降り、初めてのロフトプラスワンへ。登壇者たちが、ガンダムがどうたらとかクソ面白くも興味もない話をすると、洗っていない体操着臭を漂わせる男たちが「ドッ」と沸くという、世間知らずな女子大生にとっては地獄のような時間をやりすごすと、イベント終了後、Oは真っ先に精神科医の元へ駆け寄りました。おお、出待ちとかしなくてもイケちゃうんだ。

「えへへ、センセイにメールアドレス渡してきちゃった」

 はにかむOの笑顔の眩しいこと。なんでも、「卒論の相談をしたいから」と、もっともらしい口実をつけくわえ、連絡先を渡したようです。以降、何度かのメールのやりとりのあと、「会ってご飯食べたよ……///」という報告までは聞きました。

 一方の私はというと、学者の攻略なんてまだまだ分不相応でしたし、ロフトプラスワンの存在を知ったと同時に、その界隈の雑誌や有名人を学ぶことから始めました。

 わかったことは、とにかく攻略対象の男たちは幅広く多岐に渡るということ。当時はまだ、“サブカル文化人”なんて都合良く使える便利な言葉が広く知られていませんでしたから、食えるのか食えないのかの判別がつきません。

 岡田斗司夫やエヴァ関連論壇のオタク系、吉田豪氏や宇多丸氏などのBUBKA系、STUDIO VOICEやQJのようなオシャレ醸し出し系、そんなふうに分類していた気がします。で、そこからこまごまと派生するのが、ミニシアタ―で上映される監督系、とか、ゴールデン街のマスター系、とか、ハメ撮りカメラマン系、とか、SM雑誌の編集者系、とかで、食えるモノと分類していました。だって条件は、「特定の界隈で有名なこと」だけですから。ツウが知っていればもう、食っても大丈夫なものなんですから。

 そして一番大事なことを忘れてはなりません。処女時代、有名人とヤろうとして苦汁を舐めてきた敗因は、私がファンという立場だったことです。だから、雪の日に寮の前で待ったり、鳴らない電話を眺めたり、女同士の潰し合いに巻き込まれたり、悪意たっぷりの似顔絵を書かれたり、辛い目に遭ってきたんだもの……。そんな私ももう大人。ならばファンではなく、なかに入ってしまえばよいのでは? そうして私は、サブカルチャーの掃き溜め・AV制作会社に就職、のちにエロ本会社に転職したのです。

 まず、この界隈のほとんどの男性たちは、ほの暗い青春を過ごしてきていることがわかりました。イコール、おモテにならなかった、そういうことです。おモテにならなかったからこそ、情熱がクリエイトに向けられ、見事作品などに昇華。凡な私は才能という名の肉汁溢れるB級グルメたちに近づいては、愛想を良くするだけでご馳走にありつけたのです。

 そんな私を、学生時代の友人たちが“ゲテモノ喰い”と評したことが、“サブカル文化人”のヤリやすさを物語っているのではないでしょうか。

 ある高校同級生には、「なんか、はるちゃんにお似合いの空気だよね(笑)っつうか、はるちゃんって、サセコだよね(笑)」と言われたことがあります(実話)(ほんとに友達なのかな、そんなこと言われて……)。他人のことをモテないとかゲテモノとか言ってますが、まあそういうことなんですよ……。

 モテなかった男と、モテなかった女が、最終的に行き着きお互いの過去を昇華する場所、そこが、サブカル界隈だと、私は思うのです。

 一度は地元のど田舎のパン工場に就職したけど、東京への憧れが諦められず上京してきた過去を持つ知り合い男性は、将来の夢をこう語っていました。

「ロフトでイベントやれるようなサブカル文化人になって、女子にちやほやされたい」

 彼はいま、自らの肩書きを“拡張人”と名乗り、自身のSNSに「人間とはスクラップブックである。僕もあなたもそれぞれのリディムがありリリックを乗せる、それが人生なのだ。アウトプットからでしかインプットは生まれない。さあ、旅に出よう。人生を編集するために」とかなんとか、目がつるつる滑るようなことを書き込み、ロフトプラスワンでイベントをやったりしています。女子との出会いもあるようです。夢が叶ってよかったね!

 そうそう、今はSNSが主流ですから、もう写メつきDM送っちゃえばすぐ喰えるんじゃないでしょうか。有名人に夢破れた女性のみなさま! サブカル文化人、いかがですか! いつでも旬でございますよ!