チ○コなぞかけの達人・紺野ぶるま!「ハンガーとかけて、チ○コと解く。そのこころは?」インタビュー

「芽吹きました~!」からはじまる「チンコなぞかけ」を得意とする、今いちばん注目の女芸人・紺野ぶるまさん。なぞかけだけでなくコントやモノマネにも意欲的に取り組み、昨年には初の単独ライブも開催されています。当初はモデルに憧れていたという彼女が芸人の道を歩みだしたキッカケはなんだったのか。

養成所のお笑いコースを受ける勇気はなかった

――まずスタイルの良さに目を奪われます。もともとモデルとして活動されていたんですよね?

ぶるま どこかに所属していたというわけではなくて、友達の紹介で代官山のモードなショーとか出たりもしましたけど、今の事務所に入る前の19歳頃にちょっとだけですね。モデルさんって華やかでかっこいいなぁって、漠然とした憧れがあって「やりたーい!」って軽いノリだったんですけど、今考えると世間を知らなすぎでした。実際にちゃんとモデル業をしている人たちを目の当たりにして、あまりにレベルが違い過ぎて「何で軽々しく言っちゃったんだ、私」って本当に恥ずかしい気持ちですよ……。

――現在は、芸人さんが多数所属する松竹芸能に所属されていますが、芸人になろう!と決断したキッカケはなんだったんでしょう。

ぶるま いや、全く決断できていなくて。私がテレビでお笑い番組を見ていたときは、『あらびき団』(TBS系)や『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)の最前線で、ハイキングウォーキングの鈴木Q太郎さんとか、くまだまさしさんなどが活躍していました。もともと芸人さんやお笑いも大好きで、自分でもやってみたかったけど「お笑いタレントコース」に行く勇気はなかったんです。でも、他のコースでもタレントとしての勉強もできるし、機会があればネタ見せの場を見ることもできるかなぁと思って、当時、松竹芸能の養成所にあった「女性タレントコース」(現在は大阪校のみ)に応募しました。

――松竹芸能さんの養成所に決めた理由はなんでしょう。

ぶるま 養成所も学費がかかるんですが、有名な吉本興業さんの当時の学費は45万円くらいで、松竹芸能は30万円くらいだったんですよ。松竹芸能も由緒ある事務所だし、安いほうが助かるってことで決めたんですけど(笑)。それで芸人さんたちのネタ見せの場に行かせてもらった時に「私もネタを書きたい!」っていう思いが強くなりましたね。面白くなくてもとりあえず書く! っていうことから挑戦していきました。

――その当時のネタを、オフィシャルで見せる機会はあったんですか?

ぶるま その時は、地元の友達を無理矢理誘って、コンビとして事務所のライブに出させてもらったんです。その時のネタは……2人で紺色のブルマを履いて、食パンを挟んで「ハミパンしてるよ」っていうネタだったんですよ。2回くらい舞台に立ったんですけど、「ひとりでやった方が面白いと思うよ」って即効でその友達が辞めちゃって……。それから2人のネタを1人でやるようになったんですが、名前だけでも覚えてほしくて「紺野ぶるま」として活動をすることにしました。

チンココールに乗せられて誕生した「チンコなぞかけ」

――お笑い芸人としての芸歴はどれくらいですか?

ぶるま 8年ですね。

――今や「チンコなぞかけ」でテレビ出演されることが多いですが、コントも継続中なんでしょうか。

ぶるま やってますよっ! 昨年の夏もお台場で野外ライブがあって、コントをしました。一昨年はチンコなぞかけをやったんですけど、お昼だし子供連れの家族の前だったこともあって、どっちらけだったので今年はコントに変更したんです。ま、それもどっちらけでしたけど(笑)。それでも続けています。

――「チンコなぞかけ」で注目を浴びるようになったわけですが、なぞかけに目覚めたのは、なぞかけの先輩芸人・ねづっちさんがキッカケだと伺いました。

ぶるま そうです、ねづっちさんがMCを務めた女芸人ライブがあって、ねづっちVS女芸人でなぞかけで戦おう! というコーナーに出たんですよ。そこで生まれてはじめて、なぞかけをしたんですが、ねづっちさんが「上手だね」って言ってくださって。その時はまだ、チンコと解くわけじゃなく、普通のなぞかけですが。その後、ものまねタレントのコージー冨田さんが毎月やってらっしゃるライブに呼んでくださって。というのも、実はコージー冨田さんもなぞかけが好きで、ライブではものまねだけのときと、なぞかけ大会のコーナーがあるときがあるんですけど、そのなぞかけ大会のときに呼んで下さって。

――「チンコと解く」に辿り着いたのは?

ぶるま なぞかけ大会に呼んでくださった当初は、1分半の間に何個のなぞかけができるかっていう、「低クオリティハイスピードなぞかけ」っていう、下手でもいいから個数をこなすというコーナーがあったんですよ。限られた時間の中でバンバンお題を出されるから、本当に緊張しちゃって。そして、お題で「ハンガー」って出されて、咄嗟に「チンコと解きます! どちらも“かけます”!」って言ったら、会場にいたお客さんたちもお酒が入ってることもあって、めちゃくちゃ盛り上がったんですよ。それでコージー富田さんからは「もう全部、チンコと解け!」と言い出すし、お客さんも一斉にチンココールしてるし(笑)。そこから後のお題を、なんとか全部チンコで解くことが出来て、優勝させていただきました。コージー冨田さんは続けてライブに呼んでくださっているんですが、今4連覇中です!

――以前、伊集院光さんもラジオ番組で紺野ぶるまさんのネタを絶賛していました。

ぶるま 伊集院光さんとは、一昨年にあったBS12トゥエルビで放送中の『伊集院光のてれび』という番組のオーデションではじめてお会いしたんです。伊集院さんは、もともと落語家の方だからなぞかけがすごい好きだったり、何かの番組で私のことを知って下さったみたいで「チンコで解くなんて、すごいね~!」って言ってくださって。それから、「チンコでなぞかけする女芸人がいるんだよ~」ってご自身のラジオで話してくださったり、女芸人を集めて飲みに行くときには声をかけてくださったり、ありがたい大先輩です。

――ぶるまさん自身、もともと下ネタには抵抗なく?

ぶるま コントの時もちょっとだけ下ネタをしてましたけど、実は直接的なものはあまり好きじゃなくて。なんか変なこだわりというか、自分の中では線引きがあって。だから、「チンコなぞかけ」も最初はあまり披露していなかったんですが、ねづっちさんが私のことをテレビで紹介してくださって、そこから仕事を頂くようになりました。

――テレビで下ネタ全開に。

ぶるま いえいえ、チンコという言葉は発してますけど、しっかりと“なぞかけ”という芸をしているからいいという、自分の中での線引きは今もあるんです。ただ「男性が喜ぶ」、という理由でチンコと言ったり、直接的なアダルトワードを発したりっていうのは、私はすごく嫌いなんですよ。

――性的に見られたくない?

ぶるま その気持ちはすごく強くありますね。自分の中にある線引きを説明するのも難しいし、チンコという言葉を使っている時点で矛盾してると思う方もいるかもしれないですけど、チンコという言葉に対してじゃなくて、ネタとして出来たものに「おぉ」って言われたいんですよ。ちゃんと、芸として笑いにできる下ネタをやりたいんです。

――なぞかけって、歴史もあるし内容も深いですし、知識も必要だと思うんですが。

ぶるま 私自身、ワードのストックはたくさん用意しておくようにしています。今までやってきたなぞかけの中で、エグすぎた……というよりわからなかった人が多かった、というのは「どちらも吹くでしょう」っていう、男性の潮吹きでしたなぞかけ。キョトンというか、「へぇ~吹くんだぁ~」ってそこで知った方がいたみたい。そういう攻めたものも続けたいですが、ほとんどの人がパッと聞いて理解できるようなワードをもっと増やしたいですね。

――テレビのお仕事では、オンエア上、下ネタの単語で気をつけるように注意されることはあるんでしょうか。

ぶるま バラエティ番組では「チンコ」という言葉自体に電子レンジのチーンって音が入ってることが多いと思うんですが、以前あるテレビの仕事でディレクターさんから「チンコ」はいいけど「チンポ」は言わないでって念押しされたことがありましたね。ネタの最中も今まで「チンポ」なんて言ったことは1度もないのに、頭の中で“チンポはダメ、言わないように”って思ってたら、変な強迫観念にとらわれたのか、「チンポ」って言っちゃって……すんごい怒られましたねぇ。収録だったからセーフでしたけど。生放送だったら……と思うと震えます。

30代で深みのある「芽吹き」を目指す

――昨年の1月に初の単独ライブ「ぶるま、夜の新宿でかけまくり」を開催されましたが、客層、ファン層に偏りはありますか?

ぶるま 男性6:女性4くらいだったと思います。思っていたより女性の方も多く来て下さって嬉しかったですね~。年齢層は平均したら30代の方が多かったのかなぁ。90分間やらせていただいたんですけど、なぞかけがメインで、今まで作ったネタとライブのために作った新ネタ合わせて、6本のコントもやりました。私がセクシー女優に扮したコントとかもあって、後輩芸人にブリーフを履いてもらって、AV男優役として出演してもらいましたね。早いものであれから1年くらい経ちますが、今年も1月に単独ライブ「お願い…たまたまぶらぶらしていたことにして」を開催しますよ!

――今年も新年早々の単独ライブ開催が決定とはお仕事順調ですね。ぶるまさん、昨年30代に突入したんですよね?

ぶるま そうなんですよ、そうだ! 30歳になってたんだ~! 27歳くらいのときは30歳になるっていうことが、何だか怖かったんですよ。20代前半がすごい楽しかったし。でも29歳後半になったときに、よりよい30代を過ごすために準備をしなきゃな、と切り替えたんですけどね。「あ~あ」と思いながらも。

――「あ~あ」は、ため息ですか?

ぶるま 20代でチンコなぞかけするのと、30代でチンコなぞかけするのでは、意味も違ってくるのかなぁ、みんなどう思うんだろうなぁって。若いから「チンコ」って言ってても笑えるのかなぁとか。年を重ねるとただイタいだけかなぁとか。

――年を重ねるからこそ、芸に深みが出てくるかもしれないですよ。

ぶるま 確かに! チンコなぞかけに限らず、そうですね。よし、深みのあるなぞかけにしなきゃな。情緒のある「チンコなぞかけ」を。

――深みのある写真集とか。以前「亀甲縛りスイムウエア」と名付けた水着で、グラビアのお仕事をされたこともありましたが、グラビアのお話がくることはないんですか?

ぶるま たまにお声がけはいただいたりするんですけど……あれも、水着でセクシーに! というよりは、背景には女芸人たち数名での企画がそもそもあってやらせていただいたんです。普通に私の写真集なんて恥ずかしいですよ。30代で私のレベルだったら、途中でバストトップを出して、最終的にお尻出さなきゃいかないかもしれないし……チンコネタをやっていて、ただでさえ心配しているであろう両親をこれ以上傷つけたくないですよね……これ以上は。

――ご両親からは何か言われます?

ぶるま 今はもう何も言われないですけど、そりゃ娘が「チンコチンコ」言ってたら最初は色々と戸惑ってたと思いますよ。

――そういえば、ぶるまさんの幼少期は、書道、英語、スポーツ、音楽と数々の習い事をされていたそうですが……ズバリ、お嬢さまなんですか?

ぶるま 全然違いますよ! 本当に親が子煩悩でやらせてくれてた感じです。でも、ピアノも10年近くやらせてもらいましたが、本当に何も弾けるようにならなくて。一緒に通ってた子は、ショパンとかベートーベンとかどんどん上達して弾けてるのに、私だけ上達せず。ピアノの先生が、キレイな女性の先生だったんですけどその先生と話すのが楽しくて。ピアノの練習よりも、話してる時間の方が長かった気がします(笑)。英会話も、ECCジュニアに4年間くらい通わせてもらって、英検3級取得したけど話せるわけじゃないし。実になってる習い事がひとつもないですね。長いこと通わせてくれたのにねぇ……。

――でも今や、単独ライブで男女ともに支持されている娘さんですから、子煩悩なご両親は応援してくださってるでしょうね。

ぶるま 今はもう、明るく元気に生きてくれればいい、犯罪さえ犯さなければ。っていう想いみたいです。それこそ伊集院さんのような影響力のある方々が私の話をしてくださったりしてるんで、両親も「ま、いっか」みたいな感じだと思います。

「チンコ」と解いてもらった

――今後、30代の女芸人として、新たにチャレンジしたいことはありますか? たとえば、宣伝ツールとしてたくさんの芸人さんたちがYoutubeをやっていますが。

ぶるま 一応、Youtubeのチャンネルは事務所に作ってもらったんですけど……そういえば動画あげてないですねぇ。以前、動画共有アプリのVineで撮影した6秒動画をYoutubeにアップしたら、1万人くらい見てくれてたんですよ。すごくないですか? 何も拡散してないのにこんなに見てくれてる! ってすごい感動したんですよ。 ユーチューバーのチャンネルにゲストとして出させていただいたりはしてるんですけど……。

――それほど感動したのに更新していないと。スッピンからのメイク術がスゴイ! と話題になったくらいですしメイク動画も見たいという方がいると思います。

ぶるま たかまつななちゃんっていう、高学歴のお嬢様芸人がいるんですけど、彼女のYoutubeチャンネルでメイクをしたり、男性ユーチューバーにもメイクしたことがありましたけど、自分のチャンネルでは考えてもいなかったですね……。やりたいって思ったときにやらないとタイミングを見失っちゃいますよね…・・・はい、いつやるか何をやるかをきちんと決めてやろうと思います(笑)。

――東海地方のローカル番組でアニメの声優もされた経験があるとか。

ぶるま そうです! すごくいい経験をさせていただいたし、楽しかったです。声の仕事はまたやりたいです。大勢の先輩芸人の方々も声の仕事をしてるし、是非挑戦したいです!

――最後に……、恐縮ですが、なぞかけをお願いします! お題は「messy」!

ぶるま 芽吹きました~! 「messy」とかけまして「チンコ」と解きます。どちらも、気持ちがいいぐらい、裏側を攻めてくれるでしょう。

――いただきました!

information

紺野ぶるま 単独ライブ

「お願い…たまたまぶらぶらしていたことにして」

日程:2017年1月14日(土)・15日(日)の2日間

場所:松竹芸能 新宿角座

問い合わせ:03-3226-8081

「いかに全裸で“自然に”隠せるか!?」にも挑戦! エロメン・有馬芳彦のフランクな素顔♡

 これまで『美しすぎる男子のヌード』では、5人のラブメンが個性溢れる肉体を披露してくださいました。濡れましたねっ☆ しかし今回は、2013年に流星のごとく現れ、デビュー直後から“しなやかな身体”と“知的でミステリアスな雰囲気”に多くの女性がモンモンとし、常にエロメン界の第一線で活躍している彼らの大先輩・エロメンが満を持して登場です。その名も有馬芳彦くん!

 有馬くんは今年で32歳。ひとりの男性として程よく脂が乗り始める時期です。「きっと有馬くんのことだし、クールさに磨きがかかっているんだろーな」なんて予想してスタジオに入ってみると、見事に裏切られました☆

 ずーっとニコニコしながらオススメ焼肉店の話を自ら振ったり、カメラマン(中年男性)のくだらないラーメンの話で盛り上がったり。とにかくフランク!!! その上、皆さんもご存知の通り、イケメンかつセックスも上手で演技もできて声も渋くて耳心地最高……。他に何を求めましょう。

 そんな好感度NO.1エロメン・有馬くんの休日の朝に密着です☆ 何より注目は寝起きシーン。有馬くんは、起きてすぐにベッドの上で“体操座り”を始めました。撮影陣一同、きょとん。有馬くんいわく「毎朝これしないと起きられないんですよ~」とのこと。何でも、腰辺りを伸ばしているのだとか。ベッドの上で縮こまる有馬くん……か、か、可愛い~~~!! さらに同シーンの「あくび」はすべてガチですよ! 「ガチであくび出ちゃいました(ヘヘッ)」なーんて照れてました。そしてそして! シャワーシーンでは「いかに全裸で“自然に”オティンティンを隠せるか」に挑戦してくれています!!! サービス精神溢れる有馬くんのお陰で、新年にぴったりのおめでたいグラビアに仕上がっています☆ ぜひ、一緒に起きたテイでお楽しみくださ~い♡

■しQちゃんインタビュー~有馬くん編~はこちら☆
『常識人なピュア系ボーイ・有馬芳彦の好きな女は聡明なプリンセスってまじキュウ!? 角オナ~初エッチ~エロメン就任まで30年の軌跡』

<有馬芳彦くんグラビア>
※PCにてご覧になる方は、大きい画像をクリックすると全体写真が見れます。大画面にてお楽しみください♡

名前
有馬芳彦(アリマ ヨシヒコ)
年齢
32歳
生年月日
1985年7月21日
出身
東京都
身長
174cm
血液型
AB型
よく遊ぶ場
飲み屋
休日の過ごし方
ひたすらゲーム

以前はクールな印象が強かった有馬さん。今回の撮影中に「最近キャラ変したんです」とおっしゃっていましたが、その経緯を教えてください。
作品により様々なキャラを演じるようになったからですかね。それもあって演じていない時はフラットで居るように心がけています。

エロメンになって一番嬉しかったこと/辛かったこと/驚いたこと
【嬉しかったこと】
沢山のファンの方に出会えたことです。

【辛かったこと】
辛いことはあまりないですが、強いて言えば撮影前の食事制限ですかね。体臭がでないように大好きなお酒を断ちます。

【驚いたこと】
レッドリボンを通してスターに会えたこと! 今後も自分なりにレッドリボン活動をしていきたいと思います。

自分がイケメンだと気づいた時期/出来事
エロメンをやり始めた頃からですね。2013年8月です。

“俺のモテ伝説”があったら教えてください
モテ期は突然訪れるものですよね。とある時期に立て続けに複数の女性と出会いがあった頃がありました。でもその程度ですね。出会っただけですし(笑)。

最後にプライベートでオナニーした日/頻度
撮影前以外は毎日しております。

最近のお気に入りAVタイトル
壁!机!椅子!から飛び出る生チ○ポが人気の企業 『(株)しゃぶりながら』

2016年、一番印象に残った作品
『僕だけの君』
CHで初の超ダーク且つサスペンスな作品でした! 主題歌まで歌わせてもらって、ファンの方にも好評で嬉しいです!

今後、どんなタイトル/内容の作品に出たい?
昼ドラのような、ドロドロしたものがやりたいですね。あとはCHさんで監督もしてみたいですね。

有馬芳彦 オススメ作品

【僕だけの君 ~狂おしくて壊れそうなほど愛してる~】
【7LOVEs】
【嫉妬深いカレに調教されて ~本当にあった濡れる話~】
【禁じられたPassion ~許されない恋に溺れた私~】
【スカッと エッチに CH】
【パラレルキス 佐野修】

(写真/尾藤能暢)

「素人男子の台頭」「マッサージモノが人気」女性向けAVカルチャーの進化“4大トピック”

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 2009年、雑誌「an・an」(マガジンハウス)の付録としてリリースしたシルクラボ製作のDVD……女性向けAVの歴史はここから始まったといえます。それまでもAVを見る女性がいなかったわけではありませんが、女性のハートに届く、もしくは女性が安心して見られるAVが登場したことで、その裾野は拡がりました。同年はバラク・オバマ氏がアメリカ合衆国大統領に就任した年……と考えると、一時代めぐった感があります。その間に少しずつ、でも確実に成長した“女性向けAV”の変遷を追ってみましょう。

■topic1:女性向けAV男優は、もはやエロメンだけじゃない
 ルックスはアイドルや若手俳優に引けをとらず、けれど素敵なセックスシーンを見せてくれる……“エロメン”の登場はそれだけで事件でしたが、「街角セクシーイケメン(以下、イケメン)」が加わった現在、ユーザーが俳優を“選ぶ楽しさ”はかつての比ではなくなっています。

 イケメンとは、アダルト動画配信サイト「GIRLS’ CH」のスタッフが街でスカウトした男性たち。大胆なベッドシーンも見せるエロメンと比べると、イケメンが登場する動画はラブシーンまでのため性表現はソフトながら、ルックス&キャラ、持ち前の個性で女性を魅了する面々がそろっています。小柄で華奢で大きな目、チワワを思わせるルックスで小悪魔感No.1の渡部拓哉さん、現役ボクサーならではの長身×マッチョとやんちゃな性格で魅せる北澤剛さん……と安定株だけ見ても、その振り幅の広さに驚かされますが、その後も続々と新人が発掘されています。

 一徹さんや月野帯人さんは男性向けAVで活躍後に、女性向けAVという新ジャンルへと乗り出してきたパイオニアですが、いまやAV未経験の男性が、最初から女性向けAVにアクセスする時代。役者として活動するなかでエロメンにも表現の場を見出した有馬芳彦さんや、イケメンとして人気を博した後にエロメンへと転身した北野翔太さんのような存在に新時代を感じます。

 さらに気になるのが“名前のない男たち”です。2000年代初頭、企画AV女優の実態に迫った書籍『名前のない女たち』(中村敦彦著、宝島社)がヒットしましたが、それと同じく、企画のために声をかけられ、カメラの前でギリギリの裸体をさらす彼らは、「GIRLS’ CH」のサイト内で“街角素人男子”と呼ばれます。

 素人……筆者は初めて同サイトでこのワードに出会ったとき、少なくない驚きを感じました。AVでも性風俗でも、日本の男性は「プロの仕事」より「素人っぽさ」に興奮を覚える人が多いといわれています。自分が女性より上位にいることで主導権を握りたいという欲望や、男性経験が少ないことに価値を見いだす嗜好の表れですが、「初々しい反応を見たい」というシンプルな欲求もあるのでしょう。その点においては、女性にも同様の欲求が潜在していたようです。

 街角素人男子たちは、どこの学年にも必ず数人はいる大学生風だったり、隣の課に配属されてきた新入社員っぽかったり。その“普通さ”にかえってイマジネーションが刺激されます。男性の嗜好に女性が追いついた、という意味ではなく、エロメン&イケメンに慣れてきた女性たちのなかに、男性の初々しさを愛でるという“余裕”のようなものが生まれてきたのだと感じます。

 しかし同時に、しみけんさんや森林原人さんといった一般的な男性向けAVで活躍する男優への注目が高まっている現象も無視できません。もともと個性が強く発信力もある彼らですが、女性にとってAVを見ること自体のハードルが高かった時代には、その魅力をキャッチできませんでした。

 与えられた存在に対してときめくだけではなく、嗜好やその日の気分で男性を選ぶ……女性がより能動的にAVを、そして男優を愉しむようになったのではないでしょうか。

■topic2:ストーリー重視から“男の肉体”を愉しむように
 女性向けAVでは、ストーリーが重視されるのが鉄板……と思っていたので、今年、「マッサージ」ジャンルが人気急上昇中、と聞いたときには意外だと感じました。男性は視覚的刺激で性的興奮が発動するのに対して、女性は関係性のなかで興奮を覚えるとはよくいわれることで、だからこそ映像のなかのセックスまでのプロセスを見せる必要があるとされてきたのです。

 疲れをとるためのマッサージや美容目的のエステに行った女性が、いつの間にかエッチな施術を受けていた、という「マッサージ」は男性向けAVでは定番中の定番。この逆バージョン=マッサージに来たはずの男性が思いもかけない性的サービスに戸惑いながらも感じてしまう……しかも、マッサージする側の女性は着衣なので、見る側は男性の肉体、表情、反応にフォーカスせざるをえません。そんな作品がウケたのは、関係性というクッションを挟むことなく男性の肉体や性的反応をダイレクトに受け止められる女性が増えてきたという表れなのでしょう。

■topic3:AVの世界を飛び出したエロメン&イケメン
 エロメン、イケメンといわれる「名前のある男たち」は、表現の場を拡大しています。2015年、エロメン&イケメンで構成される「劇団Rexy」が結成され、舞台演劇への挑戦がはじまりました。これまで3回の公演が開催されましたが、いずれも人気脚本家、演出家を迎えています。

 有馬芳彦さんや渡部拓哉さんら、演技経験があるエロメン&イケメンはもちろんのこと、女性向けAVと出会わなければ舞台に上がることなど一生なかったはずの男性たちが、おそらくは厳しい稽古を経て、AVで見せる“裸の表現”とは別の演技に真っ向から挑んでいく様子を目の当たりにすると、ファンならずとも自然と応援したくなります。

 また、女性向けアダルト電子コミックを配信する「e乙蜜コミックス」がエロメンをモデルにしたショートストーリーコミックスを配信。2次元化することで、エロメンの王子さま度、存在感のファンタジー度が増すため、よりライトな層がアプローチしやすくなっているようです。

 舞台上で飛び散る汗まで見えるナマのエロメンか&イケメンか、現実を忘れさせてくれそうな2次元の彼らか。ユーザーの選択肢が広がっています。

■topic4:女性とAVの親和性を高めた「スマホでの視聴」
 女性がAVを見ることが一般化し、ここまで見てきたように多様化が進んだ背景には、「スマホでの視聴」が定着したことがあります。シルクラボは起ち上げ当初、DVD作品をリリースしていました。それはユーザーの8割がいわゆる“ガラケー”を使用していたためと聞いています。加えて、男性では、すでに定着していた“パソコンでAVを見る”という習慣が女性には根付いていませんでした。その後、社会全体にスマホが普及したこともありますが、一徹さんがNOTTV(ノットティービー、NTTドコモによる携帯電話端末向けマルチメディア放送。現在はサービス終了)にレギュラー出演していたため、スマホに買い換えた女性も多かったといいます。いずれにしろ、DVDのパッケージを家族に見られたらどうしよう、など細かいストレスを感じることなく、よりプライベートな環境で視聴できるようになったことで、女性とAVの親和性が高まったことは間違いありません。

*   *   *

 視聴しやすくなり、人物や作品の幅も増え、女性向けAVが今後も発展を続けることは容易に想像できます。もちろん、男性向けのAVが好きという女性もいるでしょう。それでも時たま女性向けAVを見ると、そこに漂う空気に必ずやホッとするはずです。暴力的な描写がなく女性がていねいに扱われという安心感、そしてキラキラしている男優陣。女性向けAVには、これからも女性の性的好奇心におけるセーフティゾーンであってくれることを願います。
(三浦ゆえ)

女性向け性感マッサージを個人ブログ経由で。キスも挿入もなし、純粋に全身の快楽を提供するその全容とは

女性向けの性風俗は、男性向けのそれと比べて決して多くありません。男性の性欲は「解消すべきもの」と位置付けられてきましたが、女性の性欲はそうではなかったからです。そもそも性風俗利用の目的は性浴の解消に限らず、ユーザー側は癒しや触れ合いも求めています。女性がそうしたものを求めたとき、提供されるサービスが少ないこと、そして一般的でないゆえにグレーゾーンで安心感を伴わないサービスに出くわしてしまう懸念があることは、問題ではないでしょうか。

▼挿入NGのはずが…「女性向け性感マッサージ」で体験した恐怖

 今回、女性ユーザーを対象にした「性感マッサージ」を個人のサービスとして無料で行っていたという男性・Mさんのお話を伺うことができました。本業は会社員で、かつての交際相手の影響で独自サービスを始めたというMさん(38)。ヒャダインこと前山田健一さんに似た、小柄で朗らかな雰囲気を持つ男性です。その目的は何だったのか、サービス内容はどうだったのか、なぜ今は閉じてしまったのか。詳細を探ってみましょう。

◎元カノ仕込みのエステテクニック

――Mさんが女性を対象にした性的なマッサージサービスを始められたのはいつ頃ですか。

Mさん「5年前ですね。2011年に個人ブログを立ち上げて、メールで受付をしていたんですが、2014年度以降は新規の方は受け付けていないんです」

――そもそも、どうしてそんなサービスを?

Mさん「動機は話すと長いのですが、もともと僕は若い頃にスポーツをしていました。体育系の大学を卒業して、そのままスポーツチームに入って、一応それで飯を食っていたんですね。選手ってほどじゃないんですけどアマチュアのノンプロみたいな……。そういう生活だったので、マッサージといったらゴリゴリ系しか知らなかったわけです。競技を辞めて会社員になった頃に、エステティシャンの女性とお付き合いするようになって、何度かオイルマッサージをしてもらったんですが、『うわあ何だこれ、気持ちいい!』とびっくりしました。女性がエステで受けているマッサージっていうのは、全然ゴリゴリ系じゃなくて、とても心地いいものなんだと知りました」

――痩身エステだとゴリゴリ系もあるかもしれませんけど、リラックス目的のマッサージは本当に至福ですよね~。

Mさん「あまりに気持ちよくて感動でしたね。で、その彼女と付き合っていくうちに、『今度はあなたが私にして』と言われまして、イチからエステマッサージのやり方を指導されたんですね。わたし専属のセラピストに育ちなさい、と(笑)、結構スパルタな感じで仕込まれ、半年くらい経って合格のお墨付きをもらえました。その頃には僕もマッサージするのが楽しくなっていて」

――それは別に性的なマッサージではなく?

Mさん「全然、普通の、オイルを使ってリンパを流すようなマッサージですね。そのうち、彼女が女友達を連れて来たんですよ、『この子にもやってあげて』と。いつの間にか何人も連れてくるようになって、今思えば彼女は友達から金をとってたんじゃないかって気もするんですけど(笑)、ともかくも様々な女性にマッサージをするようになったんですね」

――マッサージが得意な彼氏さん、だったわけですね。

Mさん「何年かしてその彼女とは恋愛関係が終わってお別れしたんですけど、彼女の友達で一度マッサージをしたことのある女の子数人から『疲れた~またやってー』と連絡が来たりしててまだつながっていたんです。それで、不定期にマッサージをしてあげていたら、友達の友達、そのまた友達とクチコミで『無料でオイルマッサージしてくれる人がいるぞ』と広まったようで(苦笑)。普通に考えたら初対面の男と密室で、裸に近い格好でマッサージ受けるなんて女性は嫌だと思うんですけど、“友達の紹介”ということでハードルが下がったんだと思います」

――無料でやっていたということですけど、少額でもお小遣い程度にお金をもらおうと思わなかったですか?

Mさん「全然思わなかったです、そんなプロじゃないんだし、と思って。趣味の延長のような形で。それに、風営法がありますから、法的な許可を得ていない以上、お金をいただいて接客することはしてはいけません」

――Mさんの本業は?

Mさん「本業は普通の会社員ですよ。ただ勤務体系がゆるやかな仕事なので、平日の昼間に請け負うこともありましたね」

――なるほど。では、非・性的なオイルマッサージから、性感マッサージに移行した転機は何だったんでしょうか?

Mさん「それが5年前ですね。友達の友達の知り合い、くらいの関係性の方から、『××さんに聞いたんですけど、マッサージお願いできますか?』とメールをもらって、『いいですよー』と受けて、指定のシティホテルへお伺いしたんですね。それは40代半ばの主婦女性だったんですが、いつもどおり、紙パンツとバスローブに着替えていただいて、うつぶせでベッドに寝てもらって背面のマッサージをしたんです。もうそろそろ終わりだなという頃に、ふっとその人が顔を上げてこちらを振り向いたんですね。あっ、痛かったかなと思って『すみません、痛かったですか?』と聞いたら、『や、そうじゃないんです』と。『今あなたに全身をマッサージしてもらって、感じてます……』とおっしゃったんですね」

――それを言うの、勇気が要ったでしょうね。

Mさん「非常に驚いたのですが、聞くと『ずっと夫とはセックスレスで、このまま女性としての人生を終わらせるのかなとずっとすごく悩んでいた。でも今こうして触られて、濡れている自分がいることに気づいて、正直言ってすごくうれしい』と。えーって思って、一瞬でウワァァァって頭の中でいろいろな考えが巡って……全然そういうつもりでマッサージしてなかったのにそんなことになっちゃったらまずい、いけないことだ、とか。でもその女性が『もしご迷惑でなかったら、もっと直接触っていただけませんか』と真剣だったので、それまで触ることのなかった、体の性的な部分にも触ってさしあげたんですね。そうしたらものすごく喜んでいただけて、帰り際の笑顔がとても綺麗で、僕もうれしい気持ちになったんです」

――全身マッサージでほぐしてもらってからの、性的な満足も得られるって、サービス満点特盛り状態ですもんね。

Mさん「それからいろいろ類似のお仕事があるのか調べていくと、性風俗というかたちでそうしたサービスを運営している業者さんもいくつかあることや、個人で同じようなことをやっている男性が何人かいてブログを開設していることなどを知りまして。僕もブログを立ち上げて、『こういうマッサージを行います』と告知したところ、思った以上に問い合わせがありました。カウントしてないですけど、最終的に、2011~2013年で200件ほどですかね」

◎キスと挿入はNG

――どのようなサービス内容なんですか。

Mさん「まず向き合って10~15分ほどお話をして、それから『そろそろ準備しましょう』とシャワーを促します。僕もマッサージ用の洋服(Tシャツとハーフパンツ)に着替えて、オイルやベッドの用意をして、音楽もかけますね。ラブホの有線を使うこともあれば、一応スマホに癒しの音楽を落としてるのでそれを小さいボリュームでかけたり。女性はシャワーを浴びたらエステなどで使われる紙ショーツとガウンを着て出てきてもらい、まずはベッドにうつ伏せで寝ていただいて、脚〜背面のマッサージを全身行います。エステティシャン仕込みなので、グイグイとコリをほぐすものではなく、リンパを流していくタイプのマッサージですね。この時点で恥ずかしいという方もいらっしゃるので、アイマスクも用意しています。視覚を遮断すると、その他の感覚が鋭敏になるので、性感マッサージ的にも良い効果があるんですよね。次に仰向けになっていただいて、同じように脚~デコルテまでマッサージをして……デコルテから乳房のあたりに移行し、徐々に性器を優しく刺激していきます。全体で2時間くらいでしょうか」

――性感マッサージと言いつつ、変わらずエステ式マッサージありきなんですね! 料金は……

Mさん「女性にご負担いただくのはホテルなどの場所代のみで、施術料はいただいてません。プロのマッサージ師ではないですから……あくまでも趣味の延長で始めたものですし、お金儲けのためにはやりたくないんですよ」

――では、利用される方の客層は?

Mさん「独身・既婚問わず、年齢層も幅広い女性という感じで……女性からだけじゃなく、カップル・ご夫婦からのお問い合わせも多くありました。刺激が欲しいというご夫婦、寝取られ趣味の旦那さんと奥さん、また、『自分では彼女を満足させてあげられないんだ』という男性がパートナー女性と一緒にいらっしゃるなどといったケースが、思いのほか多かったですね」

――カップルのご夫婦、男性の方が勃起してその場でパンツを脱がれたりとかは?

Mさん「ありますよ、もう我慢できないって入ってきて挿入したりとか。それは構わないです、そうなったらもう僕は見ているだけです。僕のマッサージを通じて、その二人が盛り上がってくださると、うれしくなりますね。このサービスを通して自分の人生観がすごく広がったし、女性にこうしてあげたいああしてあげたいという範囲も広がりました。もともと単純にセックスすることは好きでしたけど、それだけじゃなくなりましたね」

――お客さんから、マッサージ以外の要望をされることはありますか?

Mさん「最初に、女性に『どうしたいですか? どうしてほしいですか?』とお伺いする時間があるんですが、多かったのが縛られたい・人に見られたい・複数でしたい、でした。それを、『だから私は変態なんです』って後ろめたさを伴ってお話しされる方が非常に多い。でも、性欲って特別なものじゃない。食欲と同じだと思えばよくないですか? 食事の好みって、肉が好き、魚が好き、野菜が好き、お菓子が好き、色々じゃないですか。どれを好んでも変態じゃないですよね。性癖だとか好きなプレイもそうで、縛るとか縛られるとかが好きでも、後ろめたいと思う必要なんてないですよね。変態じゃない、別に好みの問題なだけです。だから、出来ることはしてさしあげるようにしてましたね。複数でしたい、っていうのは僕じゃ実現出来ませんけど、簡単な緊縛は勉強しました」

――それはオプションで?

Mさん「そうですね。といってもオプション料金がかかるわけではないですよ(笑)。縛られてみたい、という方には、柔らかい紐で手首を縛ってあげたりとかするくらいで。Mっ気の強い女性は、それだけで興が乗ります。また、アイマスクをつけた状態で縛って、鏡の前でアイマスクを外してあげると『わぁっ』って喜んでくださいますねやってみて、僕も縛られた女性を見るのは好きだな、ということに気付きましたね。やっぱりすごい綺麗なんですよ。希望される場合は、そのお客さんのケータイで縛られた肢体を撮影してあげて記念に持って帰ってもらうことも」

◎「僕が女性に欲望を満たしてもらう時間じゃない」

――密室で一対一で、女性は裸で無防備な状態です。だからこそ男性施術者に不信感を抱きがちというか、安心して体を預けることが難しいのも現状だと思います。Mさんは女性が気持ちよくなっていくにつれて、股間が反応しなかったですか?

Mさん「しますよもちろん、最初に女性に『触って欲しい』と要求された時も、勃起はしたんです。それに僕も一人の男なので好みのタイプの女性が来たらやりたいなあって気持ちがわいたこともあります。でもマッサージとセックスとは別のことじゃないですか。僕のことをお客様が触りたいというのならば触ってもらうのは別にいいんですけど、射精に導いていただかなくていいんです。僕が女性に欲望を満たしてもらう時間じゃない。奉仕する時間ですから。そうやって線を引かないと続かない、と、ずっと思っていました。密室だしトラブルの元になることも理解していますから」

――基本的に、キスもないんですよね。

Mさん「しないです。セックスをしているわけではなく、あくまでも性感マッサージをしているので。ただ、正直に言えば、行為に至ったこともゼロじゃなくて、お互いのコミュニケーションの結果そういうことになったことも中にはありました。でも一回目でそういうことになるのはありえない。リピーターになってくださった方と何度もお会いしているうちにそうなった、ということがあって。基本的には、奉仕と欲望は別で考えています」

――相手の女性から一方的に好かれることもあるんじゃないですか? 性的な快感を与えてくれて、優しくしてくれる男性に対して、好意を持ってしまうことは当然あると思うんです。男性向け性風俗でも、女性キャストに惚れるお客さんはいますよね。

Mさん「そうですね……一回ちょっと、そういうようなことがあって。実は、それで活動を自粛することにしたんです。キスと挿入をすごい求められて、ごめんなさいと断ったんですけど……そのあとも頻繁にメールが来るようになって『次はいつ何時に予約!』と、何度も……。僕も本業がありますから時間もそんなに使えないですし、新規の方を優先させていますと何度かお断りしたら、今度は別名義でメールを送ってくるようになってしまったんですね。フリーメールアドレスっていっぱい作れるじゃないですか。別人を装って……でも、どこかで見たことがある文章だなと(苦笑)。だから会わずにかわしていたのですが、それが相手の心の中に恨みのような気持ちを持たせてしまったのかもしれません。ネット掲示板に誹謗中傷を書かれてしまいまして」

――ありますよね、やっぱり、そういうトラブルは……。好意が憎しみに変わってしまうというか。

Mさん「僕もリスクを負ってまでやる必要はないですから、潔くやめようと思い、ブログに『こういうことがあってご理解いただけなかった、僕の勉強不足です、ついては今後、一旦ブログからの募集をやめさせていただきます』と記して過去の施術日記だけに残して更新を一切やめたんですね。そうしたら、嬉しかったのは、これまで施術した方達から励ましのメールをたくさんいただいて。それで今でもご要望のあるリピーターさんにはたまにマッサージをしています」

お客様を尊重するという当たり前のこと

――この2~3年で、AVの「マッサージもの」すごい増えましたよね。マッサージされてるうちに気持ちよくなっちゃってハメちゃう系。女性向け動画サイトさんのランキング情報によると、そういう作品は、女性人気も高いようですよ。

Mさん「僕もAVはたまに見るんですけど、確かに増えたなあって思います。実は、僕がやっていたような個人での性感マッサージサービスをする男性も、増えているようで……リピーターの女性でいろいろ試している好奇心旺盛な方がいるのですが(笑)、『このあいだ、新しく開業したどこそこの誰っていう人にやってもらったけど、全然良くなかった!』とか『前にしてもらった人は、あなたと考え方が似てて良かった!』とかいろいろと評判を伺っています」

――場所代だけじゃなくて、施術料金をとってやられている男性や業者さんもいますよね。

Mさん「ありますよね。もちろん女性への奉仕をしっかりして癒しの時間を提供しているきちんとしたところが多いとは思いますが、中には5分くらい女性の体をマッサージしたら、すぐ“性器の責め”に移行してしまって満足感が得られなかった、という話を耳にすることもあります。もちろん様々なお客様がいらっしゃると思いますし、セックスだけを求める方もいるのかもしれませんが、やっぱりサービスを提供する側の“欲望”を表出してはいけないと思うんですね。本当に、信頼してもらえないと出来ないことをやっていることじゃないですか、女性は裸なわけで。僕のところに連絡してくる人は、最後の送信ボタンを押すまでに何日も悩んだと思う。そこは尊重しなきゃいけないし、その勇気はありがたく受け止めているので、だからこそ素敵な時間にしましょうねといつも言ってきました。笑顔で帰ってもらえるようにサービスしてきたつもりです」

――そもそも日本って女性向けの性風俗が圧倒的に少ないですよね。

Mさん「カップルや夫婦でのセックスの回数も少ないという統計データが出ていますよね。女性が欲望を表出しにくい社会だと思います。それに男性のやりたい放題のセックスに従ってきた女性は、セックスそのものに良い印象をもてないと思うし、セックスをしたいと思えなくなるんじゃないでしょうか。悪循環ですよね」

――性欲というものを誤解している側面もあるんじゃないかな、と思います。Mさんは個人で性感マッサージをやられているとのことでしたから、ガツガツした性欲旺盛な方なのかと想像してしまっていたのですが、性欲でやられているわけじゃないんですよね。意外でした。見た目も全然、色黒とかアクセサリーとかないですし。

Mさん「それは気をつけてるんですよ(笑)。特に新規のお客様をとっていた頃は、今よりもっと気を遣っていたかも。初対面の印象って大事じゃないですか。そこで生理的嫌悪感を持っちゃったらもう二人でホテルには行けない。僕は風貌がサルっぽいので、『黒縁メガネのちっちゃいサル顔が現れますから、サルが来たって思ってください』と、事前にハードルを下げたメールをお送りしてからお会いしていました」

――ご自身が男性向けの性風俗に行くことは?

Mさん「若い頃はたまにあったんですけどね、ピンサロとか。体育会だったのでみんなで、それこそ安いピンサロとかヘルスとか。いいのか悪いのか、体育会系でしょっちゅうコンパもあって、女性との出会いもセックスの機会も多くあったんですね。おかげさまで経験をそれなりに積ませていただいて、だからあんまり、今もう『やりたくてやりたくてしょうがない』みたいな気持ちにはならないですね」

――性感マッサージをする上での考え方は、そういう下地ありきなのかもしれませんね。

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 自分の欲望を満たすためじゃなく、相手のためにしている。これは男性向け風俗で働く女性も同じでしょうし、サービスの基本だと思います。Mさんはもう新しいお客様を受けることはないでしょうが、同じような志を持ち性感マッサージをしている男性は関東や関西に数名いらっしゃる、とおっしゃっていました。この基本を理解した女性向けの性風俗が、日本でビジネスとしても発展していくことを望みます。

■取材・文=水品佳乃

EXILE系ジャニーズというハイブリッド男子に中性的な華奢男子まで…エロメンの卵・ラブメンの「AVでは見れない素顔」

徹や月野帯人を筆頭とする女性向けAVメーカーSILK LABOの専属男優・エロメンは、今や女性の性文化に欠かせない存在です。今日もどこかでシャツのボタンを片手で外し、優しい愛撫と甘い言葉で世の女性を癒やす作品が制作されているでしょう。

 そんな中、女性のためのアダルト動画サイト・GIRL’S CHでは、「AVデビューさせたい!」というイケメンを発掘し、ユーザー投票によってデビューを決める「ラブメンプロジェクト」が進行中。デビュー前orしたての彼らは、エロメンほどの器用さをまだ持ちあわせていないはず……ウブなうちに色々知りたい!!!

 ということで、これまで5名のラブメンに突撃し、AVでは見ることのできない素顔に迫った『美しすぎる男子のヌード』。今回は特別編として、中でも人気のあった3名をピックアップしてご紹介します☆ ラブメンたちが身体を張って頑張ってくれた100枚越えのグラビア写真は、きっと心身ともに暖めてくれるはずですよ!

1位:「顔立ちはジャニーズ、身体はEXILE」ラブメン候補生の会社員・岡本健吾くんと休日まったりデート♡

SOD社員の岡本健吾くんが第一位を獲得です! 普段は制作部にてAD業務しているという岡本くんは、今回のラブメンプロジェクトに参加する前から、GIRL’S CHのオリジナル動画に何作か出演し話題を呼んでいました。

岡本くんのウリは、何と言っても“鍛え抜かれた肉体美”。撮影当時の体脂肪率は1桁だったんですから! その上、ジャニーズ系のイケメンと来たら……世の女性が放っておくわけがありませんね。納得の1位です☆

2位:ラブメン界の“逸材”降臨! 爽やか現役大学生・茂本拓也くんの休日の朝に密着♡

 動画レビュー欄にて「本物の美少年」と大絶賛だった茂本拓也くん! 彼もデビュー前からGIRL’S CHオリジナル企画「街角セクシーイケメンカタログ」にて注目を浴び、満を持してラブメンデビューしたひとりです。屈託のない笑顔とスラリと伸びた手足がイイんです~。見惚れますよ!

3位:エロメンの次はラブメン! 大注目男優・杉崎春くんの素顔♡

ラブメンプロジェクトにて真っ先にデビューが決まった杉崎春くん! 年上女性の心を鷲掴みにする、やんちゃ系男子です。無邪気な少年っぽさと、ふいに見せるオスの表情……そのギャップにクラクラします。

おすすめ写真は、シャワー上がり。色白で華奢な身体を横から撮っている写真では、薄いお腹や胸、綺麗な身体の曲線が際立っていて非常にいやらしいんです!! まだあどけなさの残る杉崎くんをイジリイジラれ……なんて妄想をお楽しみにください☆

【他2名はこちらから☆↓】

■即日デビューが決定した大注目ラブメン・麻生蛍汰くんの“ほどよい筋肉”に癒やされて♡

■八重歯が可愛い! ドSラブメン・菅田陸斗くんの“無邪気な素顔”に密着♡

現役の会社員や大学生という、ほぼ素人ならではの“飾らない姿”が癖になるラブメン。2017年も、彼らの素顔に迫り続けることをここに誓います。お楽しみに☆

秋葉原のメガ・アダルトショップに聞く「2016年に売れた女性用グッズ」!

2016年、ほんっとにあっという間でした。試しに今年1月の当連載をふり返ったところ、「iroha+」が発売されていて私自身はカンジダになっていて……そしてこの1年でirohaはほかにも新作を出し、私はその後、3回もカンジダをくり返しました(免疫なさすぎ……)。

 個人でもこんなにいろいろあるので、ラブグッズ界もいろんな動きがあったはず! どんなものが売れたのでしょう? 2016年を総括するために、私は12月某日、秋葉原の「大人のデパート エムズ」を訪ねました。この地に店舗をかまえて16年、明るくてクリーンなイメージのアダルトショップの先駆的な存在として、いまも秋葉原のランドマークと目されています。

 広報の八十島理沙さんに、ストレートにうかがいましたーー「今年売れた、女性&カップル向けグッズを教えてください!」。

◎SVAKOM「ケリ」

 スバコムは米国のブランドで、温感バイブやタッチセンサーバイブなど、これまでにないギミックに富んだバイブレーターを発表してきました。が、新作の「ケリ」はちょっと方向転換。ビギナーさんにまず手に取ってほしい、「やさしい」グッズなのです。

八十島「海外ブランドのグッズとしては、今年最も売れたアイテムです。スバコムが1万円以下で買えるって、うれしいですよね。美顔器のような外見も、手に取りやすいと思います。ローターとしてもバイブしても使えるし、女性としては自分が気持ちよくなるだけでなく、これで男性を攻めることができるので、とにかく“使える”1本であることは間違いないです。あと、注目してほしいのは音!」

 はい、わかります。これ、驚くほど振動音が静かなんです。

八十島「振動の強さをマックスにしても静かなままなので、そこに安心感を覚えて購入されるお客さまも少なくなかったと見ています。一度手にとり作動してもらえれば、瞬時にしてわかる高級感と実用性、さすがです」

◎Fun Factory「ビー ストロニック フュージョン」

八十島「ドイツブランド、ファンファクトリーは今年も元気でしたね。勢いが止まりません。そのなかでもこのビー ストロニック フュージョンは、ピストン機能がついたハイエンドモデルです」

 2016年はピストンバイブがアツい1年でした! 私も何本か試しましたが、ピンからキリまであった、というのが正直な感想。

八十島「ピストンバイブって、男性の夢なんですよね。でも、こうしたハードな刺激を求める女性も増えてきたと感じます。この商品はサイズ的にもかなり大きくて、振動がずっしり思いため、バイブ上級者の女性に支持されていると見ています」

 このバイブ、ほんとうに「巨根感」があるんですよ。なかば強引に押し広げられるようなその感覚、万人ウケはしませんが、これが好きという女性も必ずいるはず。そして、奥を力強くノックされるような力強いピストン……脳までズシンと響きます!

◎ウーマナイザー PRO40

昨年、クリトリス吸引器である同シリーズの初代が発売されたとき、私は少なからずびっくりしました。クリトリスを吸い上げるグッズ、という発想そのものが私のなかになかったからです。でも同時に、ものすごく腑に落ちたんです。だって、膣派よりクリトリス派の女性、多いですよね? これまではローターなどによる振動刺激にかぎられていましたが、吸引という選択肢が増えるのはすばらしいことです。

八十島「これ、リアルに女性のお客さまに支持されていると実感しています。ケースがつかないぶん、シリーズで最もお求めやすい価格になったというのも、売れた理由ですね。舐められたい、吸われたいという女性たちの潜在的な欲求を、このグッズがすくい上げてくれたのでしょう」

 振動+吸い上げの刺激は、多くの女性にとって未体験。ぜひ一度味わってほしいと私も思います!

◎デンマミルキー

八十島「当店とAmazonだけで限定発売している、小型電マです!」

 ずいぶん小型ですねぇ。グッズを使いはじめた当初、私のなかに「電マはコワイ」というイメージがあり、あまりオススメしてこなかったのですが、最近は電マ好きの女性も増えている気がします。あくまで体感であって、データはないんですけど。それって、こうしたハンディなタイプなど、女性でも扱いやすいバリエーションが増えているからかも。

八十島「売り場で男性のお客さまから問い合わせが多いのは、『いちばん振動が強いのって、どれですか?』なんですよ。ひたすら強さを求める男性と、使い勝手のいいものを求めて自分なりに上手に取り入れる女性とのあいだには、ちょっと温度差があるかもしれませんね。この電マは、ヘッドの可動域が広いので狙った場所に当てやすいのも、好評の一因と見ています」

◎SWAN「スクイーズ カーブ」

これ、私もむっちゃオススメします!

八十島「手で握る強さで、バイブの振動強弱を調整するという、これまでにないコントロール法に注目が集まっています。一度操作を覚えれば、感覚的に調整できるので快感に没頭デキますよ!」

 特に海外製バイブは操作ボタンが目立たないようにあしらわれていたり、振動パターンの多さゆえに何度もボタンを押さなければならなかったり……そっちに気をとらわれてしまうこともしばしば。このバイブは、握る力の強さを変えればすぐに振動の強さも変わる、つまりタイムラグがないのでストレスフリーで操作できます。

◎トカ ナチュラルプレジャージェル

ここ数年、高品質なローションが増えていると感じています。これもそのひとつ。

八十島「個包装になっているローションってほんとうに便利ですよね。衛生状態も保てるし、ラブホデートや旅行のとき必要なぶんだけ持ち歩けます。このローションは伸びがよくて潤いが途切れないので、1パック6mlで2回戦ぐらいは十分楽しめますよ。パウチを開いた瞬間、ふわっと上品かつナチュラルな香りが立つのも、女性としてはうれしいですね」

 成分が表示してあるのもポイント。粘膜にダメージのない成分なので、安心して使えます。

◎iroha stick

 まるでコスメアイテムのようなローター。これは11月末に発売されたばかりですよね!

八十島「はい、発売直後からさっそくネット通販で売れています。このルックスの勝利ですよね。こんなに買いやすいものは、そうそうないですよ。加えて1,000円台というお値段。これまでグッズを買ったことがない人に、はじめてのローターとして手にとってほしいです」

 女性同士でちょっとエロティックな贈り物……という習慣がいつか根づかないかなぁ、と私は常々思っています。今冬のギフトシーズン、このiroha stickを贈り合うのはいかがでしょう?

◎ライアン S ハートバイブ/クラシックバイブレーター

これ何ですか、お菓子ですか? と思うほどの素敵なパッケージ! もう一方は収納ポーチ付きですが、すべてが上品で、コスメブランドがこの時期によく発売する限定コフレのようです。

八十島「ライアン Sはオランダのブランドなんですが、高品質なグッズとそのパッケージとで、とことんガーリーな世界観を創りだしています。まず誰もがその外観に惹かれると思うのですが、見てください、クラシックバイブレーターはポーチにこんなものが着いているんですよ!」

八十島「実際にこれで鍵をかける女性がたくさんいるかどうかはわかりません、でもこういう秘密っぽさってなんだか気分がアガりますよね。ハートバイブにしても高級チョコレートのような箱入りだし、女性の心をくすぐるのがとても上手なブランドだけに、今年人気が出たのも納得です」

 高級路線なのは、見た目だけではありません。素材も上質、弾力があるのでさわり心地がよく、女性の肌にも粘膜にもやさしい……ほんとに女心をわかってる!

*   *   *

 グッズの話をしていると時間が経つのがあっという間! 最後に八十島さん的2016年のエムズニュースを尋ねたところ、「秋葉原店4F、ラグジュアリーコーナーがリニューアルしました!」とのこと。上記で紹介したSWANやFun Factory、スバコムほか、数々のバイブ界のラグジュアリーブランドが陳列されるにふさわしい空間へと生まれ変わったのです。

しかも朗報! エムズさんにかぎらず多くのアダルトショップは店内での写真撮影がNGですが、このエリアにかぎっては写真撮り放題! 八十島さん曰く、「私自身、Instagramが好きなんです。おもしろい場所、すてきなところに行ったらアップしたいじゃないですか。お客さまにも同じ気持ちの方が少なくないと思い、企画しました」とのこと。日本のアダルトショップは外国人旅行客も高い関心を寄せているので、SNSに写真をあげたら国内外のいろんなところから注目を集めそうです。

 2016年もグッズが豊作な年でした。となると、2017年に期待が高まりますね。来年も気持ちよくなりましょう。よいお年を!

■ 桃子
オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

格差社会ゆえに加熱する「お受験」。翻弄される母親たちの困惑と、子どもの幸せに対する切なる思い。/小説『ママたちの下剋上』深沢潮インタビュー

 女性が子どもを持つと周囲から自動的に母と見なされ、ひとりの人間を育てるのにふさわしいスキルと人間性を求められます。しかし母になることに最初から慣れている人などいません。現代の日本社会では誰もが迷い試行錯誤しながら、自ら母となっていくべく自己鍛錬をしなければならないのです。

 世の中に子育て指南の類いはあふれていますが、怪しい情報や時代錯誤な押しつけも多いもの。孤独な環境に陥りがちな母親が「何を信じたらよいのか分からない」という心情になるのも不思議ではありません。そのなかで、学歴という分かりやすい指標を信じて子育てに邁進する母親たちがいます。

 作家、深沢潮さんの新作『ママたちの下剋上』(小学館)は、中学受験に特化したクラスを持つ「聖アンジェラ学園初等部」が舞台。ひょんなことから同校の広報を務めることになった子どものいない主人公、香織の目を通して、受験に邁進する母と子の様子がリアルに描かれています。有名学校の付属校に入れるために幼稚園や小学校から子どもを受験させ、小学校受験で希望の有名校に入れなければ、中学受験専門のクラスがある小学校に入学させて次のチャンスに賭ける……。著者の深沢さんは、年々加熱する子どもの早期教育事情を、綿密な取材とご自身の体験を元に小説化したそうです。

◎無理をしてでも、有名校に。

――世の中の格差の問題が背景にありますね。昔はのんびりとしていても中間層にいられたのが、現代はもっと必死に上層部に食い込まないと生活が楽にならない。この小説のタイトルは「ママたちの下剋上」です。主人公・香織の姉がまさにそのタイプなのですが、経済的に無理をしてでも子どもを有名校に入れ、高い学歴をつけることで自分の人生も一発逆転させたい人も多いのでしょうか。

深沢「昔に比べて、全体的な小学受験者数は減っているといわれています。でも一部の人々の間では、『とりあえず入れておこう』という切迫感がむしろ高まっているのです。ですから、所得が追いつかないのに早期教育や受験に邁進している人も多いでしょう。ただ、無理して私立の学校に入れても、入ってからのママ友との付き合いが大変です。取材したなかで、子どもを私立の小学校に入学させてからマンションや車を買い替えたり、エルメスのバーキンを購入したりと背伸びしてしまう母親がいるといった話を聞きました」

――そこまでしないと、ママ友付き合いができないんですね。作中でも母親同士が、同じ塾の親子を格付けし合う会話が出てきます。本来世の中にはさまざまな経済状況の人がいて当たり前だと思うのですが、ことさらに異質な人を揶揄する姿に「子どもが同じ学校にいれば、母親同士も均質であるべき」という考えが垣間見えました。

深沢「知り合いから聞いた話ですが、子どもが超有名私立の中等部に入ってママ友のランチ会をそのクラスでやったら、欠席者がひとりもいなかったそうです。つまり欠席できない雰囲気がある。働いている母もいるはずですから、休んで来ているのでしょうね」

――働いているから忙しい、とは言えない雰囲気……。有名な小学校や中学校に子どもを通わせているあいだは、その女性が母になる以前に持っていた属性を、いったん脇に置かねば母親として務まらないのですね。

深沢「これは有名校や私立校にかぎった話ではありませんが、PTAの集まりが平日昼間にあるなど、学校には働く母親に優しくないシステムが少なからず残っています。私は自分自身が子どもを受験させてみて、周囲に専業主婦が多いことにびっくりしました。現代の社会においては専業主婦で子育てだけに専念できる人は、特権階級ですよね。でも有名な学校では、母の多くが専業主婦。実際子どもに付きっきりにならないと、超高学歴を得るようには育てられないのが現状です」

◎専業主婦家庭と、共働き家庭

――『「灘→東大理III」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方』(KADOKAWA)の著書で有名な、“プロお受験ママ”佐藤亮子さんも専業主婦でした。

深沢「そうなんです。そこまで子どもの教育に手間をかける専業主婦が多いと、両親が働いている家庭の子どもは学習面でハンディができます。医者や弁護士、官僚、有名企業などの、世の中で“ハイスペック”だといわれている人が集まる世界に、なかなかアクセスできなくなってしまいますよね」

――今の社会では少数派である専業主婦家庭で、経済的にも余裕がある親の子どもが高学歴を得て社会を動かす地位に就く構造があるのですね。しかし同じような家庭の子どもしかいない均質化された世界で育った人が、異なる環境の人に対して優しい社会を作れるかというと、疑問が湧きます。

深沢「無理でしょうね。例えばそういった人が官僚になったとして、働く女性やシングルマザー、貧困家庭をサポートするのは難しい。子どもの頃から自分と同じような環境の人しか周りにいないわけですから、想像力が働かないんです」

*   *   *

 小説に登場する主人公の夫がその典型。高学歴で母は専業主婦、加えて金持ち家庭に育ったお坊ちゃまでした。彼は悪い人間ではないけれど、単純に他者に対する理解がありません。妻の仕事を尊重せず、育児負担をすべて妻に押し付ける前提での子ども好き発言など、無神経な言動が多いのです。それは作中のキャラクターだけのことではなく、一般的に“ハイスペック”な男性は妻も自分の母と同じように専業主婦で教育に専念するよう求めるため、同じような環境で育つ“ハイスペック”人材が再生産されていく仕組みがありそうです。

日本の共働き率がどんどん上がっていくなかで、ハイスペック人材を育む世界が、現実と乖離している状況がうかがえました。

*   *   *

――子どもたちのお受験事情には、社会の歪みが表れているように見受けられます。ただし深沢さんの小説は、そういった世界を外側から批判しているわけではないですね。主人公の香織は、はじめこそ冷ややかな目でお受験ママを見ていますが、「聖アンジェラ学園初等部」の仕事に打ち込むなかで、受験する子どもたちに寄り添い、合否に一喜一憂する親の気持ちに共感していきます。

深沢「母親は基本的にはわが子を思って勉強させていますし、子どもは懸命にその思いに応えようとしています。勉強はできないよりはできたほうがいいし、チャンスがあるなら偏差値が高い学校、就職に苦労しない学校に行ってほしいと思うのは不自然なことではありませんよね。問題なのは、一生懸命になっているうちに子どもの受験結果が自分のスペックのひとつになってきてしまうこと。子どもが親の思いについてこられるうちはよいのですが、それが苦しくて圧し潰されてしまう子もいます。教育は子どものためという名目があるので、外からは歯止めが効きにくいのです」

◎自分のことも家族のことも見失う前に…

――受験にかぎらず、母親業は“子どものため”と“自分のため”の境目が曖昧なところがありますね。親子の思惑がうまく噛み合っているうちは他人が口を出すことでもないのですが、結果として自分も子どもも追い詰めてしまっては元も子もありません。

深沢「そういう状況になってしまったら、立ち止まる勇気を持ってほしいですね。母親は子どものために全速力で走りつづけてしまうので、子どもの状況を直視せず、自分が見たいように見てしまう傾向があります。お受験という狭い世界にいると、そこから外れたらもう終わりだと思いがちです。でも実際は受験は子育てのひとつのステップに過ぎません。今のわが子にとって何が本当にベストなのかを、立ち止まって、人の意見も聞きながら考える余裕を持って欲しいですね」

*   *   *

 小説のなかに「社会を変えるより、目の前の状況に合わせて生きていくほうがより現実的で、子ども個人の幸せに通じるのではないか」という、登場人物の言葉がありました。

 子どもに学歴を付けさせるためにお受験に懸命になる親は、自身も学歴のために努力したり、あるいは学歴によって差別されたりといった経験があるように見えます。学歴社会を身をもって生きてきたからこそ、子どもによい学歴を得てほしいと願うのです。

『ママたちの下剋上』を読むと、母親が「目の前の現実」である学歴社会を強烈に意識し、お受験に邁進するのも仕方がないことのように思えます。家族関係や他者への思いやりなどの、生きる上で大切なものすら見失いそうになる母たちの姿は、学歴社会に一度は翻弄されたことのある人であれば、他人事とは思えないのではないでしょうか。

(蜂谷智子)

初めてのレズプレイが終わって「扉が開いた…」とつぶやく女性たち/『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』の人気キャストに会ってきた【03】

 性の多様性が徐々に知られるようになった現在、“レズビアン風俗”というジャンルも今後、増えていくのだろうか。女性同士の性サービスを提供する風俗店「レズっ娘クラブ」とその姉妹店「ティアラ」のオーナー・御坊(おぼう)さんは次のように語る。

御坊さん(以下、御坊)「東京などの首都圏では、そうしたお店が増えているという話もちらほら聞きますが、残念ながらすべてが優良店とはいかないようです。なかには、男性スタッフが女性キャストに性サービスの講習だなんだとヘンな理屈をつけて性的関係を迫るような悪質店もあると聞きます。そこで働く女性の安全が守られて、利用する女性も安心して遊べるお店がもっと増えてくれるといいんですけどね」

 同店は、大ヒットコミックエッセイ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)に登場する実在の“レズ風俗店”として、一躍注目を集めた。こうした“レズ風俗事情”を聞くと、当時28歳、性的経験ナシだった永田カビさんが、生きづらい人生に区切りをつけるために勇気を出して予約したお店が同店でほんとうによかったと、ひとごとながら安堵する。

「人によって、何を求めて“レズ風俗”を利用するかは違いますが、それに全力で答えるのが私のモットーです」ーーと話すのは、同書に“ゆか”さんとして登場するキャストの“ゆう”さんだ。

呼んでもらったからには、オーガズムを。

ゆうさん(以下、ゆう)「たとえば、当店には性サービスなしの“デートコース”もありますが、女の子ふたりでご飯を食べておしゃべりするだけだったら、友だち同士でもできるんですよ。デートというからには日常にないシーンを作って、“特別感”を提供したい。そのためには、ふだんからお店をチェックしたり準備は怠らないよう心がけています」

 ビアンコースはホテルでふたりきりで過ごすコースだが、「利用客の大半は異性愛者女性。彼女らはなぜレズ風俗を利用するのか」で、ゆうさん自身がお話されているとおり、同店を利用する女性の多くは、ノンケ=レズビアンではない異性愛者の女性。最初は自身が何をしたいかわからない女性も多いという。

ゆう「ビアンコースでも、お食事などしてホテルに入ることもありますし、お話もたくさんします。でもお客さまは基本的に気持ちよくなるために、私を呼んでくださっているんだと思います。だから、オーガズムに達していただくのがベスト。でも、イクのに時間かかる人もいるし、時間をかけてもイケない人もいます。そんなときにあまりこっちががんばりすぎても、『そこまでしなくていいよ……』と気まずい雰囲気になっちゃうので、そうならないよう全身をソフトタッチして気持ちよくなってもらったり。逆にイキやすい人でも、それはそれで毎回同じことをしているとお客さまだけじゃなくて私も飽きちゃうので、潮吹きをしてみるとか乳首だけでイケるか挑戦するとか……いろんなバリエーションを提案させてもらいます」

 まさに、至れり尽くせり。ノンケ女性も、女性同士でしか感じられない悦びを知ることで、新たな愉しみを見出すことが多いという。

ゆう「この人、タチっぽくふるまっているけど実は隠れネコだなぁとか、回数を重ねていくとその人が求めていることも徐々にわかってきます。自分の思い込みとは違っていた、という女性も少なくないですよ。この仕事をしていていちばんうれしいと思うのは、プレイが終わった後に『ああ、来てよかった……』って自然につぶやかれるとき。『ヤバい、どうしよう』『わあ、扉開いてもうた』なんていわれると、よっしゃ! とガッツポーズしたくなりますね」

 決められた時間内に、決められたルールのもとで最大限の悦びを……という、ゆうさんの気概が伝わってくるエピソードだ。しかし、御坊さんによると、そうして扉が開いてしまったがゆえに恋愛トラブルに発展することもあるという。

レズ風俗は“特殊”ではない。

御坊「お客さまがキャストに本気になったあげくストーカー化したケースも、これまでに何度かありました。これはレズ風俗店に特有の現象ではなく、一般的な男性向け風俗店でも同様のことが少なからず起きていると聞きますから、広く風俗業特有のトラブルなのでしょう。お客さまに安心して遊んでもらうことはもちろんですが、キャストの安全も再優先に考えて対策しています。でも、ゆうさんはそうしたトラブルとは無縁ですね」

ゆう「私、ズブズブにならないよう距離感を保つのが得意なのかもしれません。踏み込ませないよう隙を見せない、っていっちゃうとイヤラシイし、ドライな性格だと思われることも多いんですけどね。でも、のめり込みそうになっているにの自分で気づき、『あかんあかん』と踏みとどまってくれるお客さまもいますよ。相手の性別はさておき、女性がこうした風俗で遊ぶこと自体に慣れていないんだと思いますが、お客さまにはきれいに遊んでほしいですね。せっかくレズ風俗という、日本ではまだ数少ないお店にたどり着いたんだから、上手に夢を見てほしいです。そのために、私も全力を注ぎますから!」

*   *   *

“レズ風俗”という単語はそれだけで刺激的で、現状では、働く女性も利用する女性も奇異な目で見られがちだ。男性にポルノ的に消費されることだってあるかもしれない。しかし、外野がそれをどれだけ解釈しようとも、同店が提供しているものは、とてもシンプルなものである。“女性と触れ合いたいという率直な欲求を持った女性に、女性が応える場”……それ以上でも以下でもなく、ゆうさんもそこに特別な意味付けをしない。どこまでも自然体で、この仕事に臨んでいるように見えた。その気負いのなさにより、レズビアン風俗の利用がビアン女性だけでなくノンケ女性にとっても特別ではない、“ごく普通のことだ”と思えてくるのだった。

(三浦ゆえ)

性風俗の仕事、人から必要とされていると実感できるから8年も続けられた/『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』の人気キャストに会ってきた

▼前篇:利用客の大半は異性愛者女性。彼女らはなぜレズ風俗を利用するのか

 今年話題となったコミックエッセイ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)。生きづらさを抱えた著者・永田カビさんが自身の内面と向き合い、それまで蓋をしていた性的な部分を解き放つため風俗店を利用した……“レズ風俗”というワードはとてもセンセーショナルだが、それ以上に彼女が長らく抱えていた苦悩や、その決断をするまでの葛藤、そして初体験を終えたあとの変化が大きな共感を呼んだ。

 同書のヒットと比例して注目度が高まったのが、女性が女性に性サービスを行う風俗店「レズっ娘クラブ」と姉妹店の「ティアラ」だ。messyでもそのオーナーである御坊(おぼう)さんが登場している。

▼『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』で一躍有名になった女性向け風俗店「レズっ娘クラブ」の苦節10年史 オーナー・御坊氏インタビュー【前編】
▼レズビアン以外も利用できます! 心と体のコミュニケーションを買う女性向け風俗店「レズっ娘クラブ」オーナー・御坊氏インタビュー【後編】

 姉妹店「ティアラ」のHPでキャスト紹介ページを見ると、“ゆう”さんのプロフィール欄に同書のカバーが掲載されている。彼女こそ、同書に登場する“ゆか”さんのモデルであり、同店では最年長にして、在籍年数が最も長いベテランでもある。

 2016年晩秋、冷たい雨がふるなか大阪某所にある待機室に帰ってきたゆうさんは、上着を脱ぎながら「まずブログを書いていいですか?」と筆者に訊ねた。彼女のブログは、利用客へのラブレターに等しい。これから会う客に一緒に過ごす時間が楽しみだと呼びかけ、会ったばかりの客にその時間がいかに自分にとって素敵だったかを語りかける。だからこの日も、仕事終えてひと息つくより前に、さっそくブログをしたため始めた。

ゆうさん(以下、ゆう)「この仕事を、こんなに長く続けるとは思っていなかったですね」

 ブログを書き終えスマホをテーブルに置いてから、ゆうさんは話しはじめた。

ゆう「いまから8年も前になるんですが、私、レズっ娘クラブに履歴書を送って落とされてるんですよ。その理由は……」

 金髪やったからや! と横から御坊さんが代わりに答えて笑う。

ゆう「そう、金髪はダメだったらしいんですけど私は、えっウソやん、もう1回送ったろと思って、同じ写真で再度応募したんです(笑)。そしたら採用してもらえた……はいいんですが、最初はまったくお客さまがつかず、ぜんぜん稼げませんでした」

◎ブログで利用客に向け発信を

ゆう「もう辞めようって何度も思いましたよ。でも、辞める前に一回がんばったろ、と思って、ブログを熱心に書くようにしたんです。いまは顔出しは一切しないんですが、当時は顔の一部がわかるような写真をアップしたり、下着姿の写真を載せたり……そしたら少しずつお客さまがつき始めました」

 そのなかから常連になる女性も出てきた。やがて、ゆうさんのブログに答えるようにして、女性客らが同店のHPに“レビュー”を書きはじめる。レビューとはキャストの接客について評価を記入するシステムだが、そこに感謝の言葉を込めることもできる。形を変えた交換日記のようなものだった。このレビューは、初めて同店を利用する人がキャストを選ぶときの参考にもなる。

ゆう「お客さまはキャストのことをすごく想ってくれるので、帰りの電車でもうブログを見にきてくださるんですよ。次に会ったとき『すぐに書いてくれたんだね』とうれしそうにいってくれるから、仕事が終わってめっちゃしんどくても、できるだけ早く書こうって思えます。こうしたちょっとしたことで、私にとってあなたは特別なんです、ってことが伝えられるなら、どんどん実践していこう……と思えるようになってから仕事が順調になりました」

予約が入る頻繁が上がるにつれ、仕事が面白くなっていったと、ゆうさんはふり返る。

ゆう「『必要とされてるやん、私!』と実感できるようになって、やる気が増しましたね。おかげさまで、いまは毎日のように予約が入っています。どん底に貧乏で、財布のなかに小銭しかなくて親に『500円貸して』といってたころがウソみたい……親は『何いうてんの、アンタ!』ってめっちゃ怒って1万円貸してくれましたけど(笑)」

 しかしオーナーの御坊さんによると、キャストのほとんどがほかに仕事を持ちながら、レズ風俗の仕事を兼業しているという。ゆうさんも、そのひとりだ。

ゆう「私の場合は、本業に使うためにここで稼いでいる面があるので、多少の貯金はするにしても、ブランド物を買ったり贅沢をしたりってことはないんです。このお仕事のためにきれいにしておこうとは思いますが、美容院に行くくらいかな」

 たしかに装いにお金をかけている様子はないが、ゆうさんの魅力はなんといっても豊かな表情にある。豪快なビッグスマイルが、特にチャーミングだ。レズ風俗というと特殊な仕事に聞こえるかもしれないが、筆者の目の前にいるのはエキセントリックでもなんでもなく、ただ魅力的なひとりの女性だった。

◎「卒業しないでね」っていわれるけど

 ゆうさんは同店では最年長ということもあり、オーナーの御坊さんから頼られることもある。同店がオープンして10年、そのうち8年の歴史を共有している。たとえば、御坊さんに「あの子ってタチやったよね?」と訊かれれば、「タチもできますが、ちょっと弱いですね。M気質が強いから」とキャスト同士だからこそ知っている性的嗜好をアドバイスすることもある。

ゆう「さっきもお話しましたが、こんなに長くこのお仕事を続けるとは思っていなかった。最近は卒業時期についても考えるようになりましたね。一応、10年でひと区切りつけようと思っています」

 すかさず御坊さんが「いやいや、15年!」とツッコむのを笑って受け止める。

ゆう「お客さまからもよく『卒業しないでね』っていわれるんですよ。冗談で『50歳まで続けるで〜』とはいうんですが(笑)。なかには『卒業したら、つき合おうね』『結婚しようね』という方もいます。私も『ハワイで挙式しよなー』と冗談で返すんけど、愛されてるなって思いますね。ありがたいことです」

▼後篇につづく

■ 三浦ゆえ
フリー編集&ライター。富山県出身。複数の出版社に勤務し、2009年にフリーに転身。女性の性と生をテーマに取材、執筆活動を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズをはじめ、『失職女子。~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで~』『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(WAVE出版)などの編集協力を担当。著書に『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。

利用客の大半は異性愛者女性。彼女らはなぜレズ風俗を利用するのか/『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』の人気キャストに会ってきた【01】

 姿見をのぞき込み、簡単にメイクを直す。ショートヘアに、シンプルなパンツスタイル。もともとメイクは薄く、それゆえかえって大きな瞳が際立っている。雑居ビルの一室は殺風景といえば、殺風景。小ぎれいに片づけられていて余分なものは何もなく、特徴的なものを強いて挙げるとすれば、カラーボックスに収められた、米国の人気ドラマ『Lの世界』のDVDセット。そして、ピンクの背表紙の本が1冊。手に取ると『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(永田カビ著、イースト・プレス)……今年の「Amazonのランキング大賞 Kindle本 コミック部門」で5位にランクインした、話題のコミックエッセイだった。

「準備、できました!」と明るくハリのある声とともにふり返る彼女こそ、同コミックに登場する“ゆう”さん(作中では“ゆか”さん)。大阪を拠点に女性同士の性サービスを提供する「レズっ娘クラブ」「ティアラ」の人気キャストで、この日もこれから予約が1件入っていた。同店のオーナーである御坊(おぼう)さんに「いってきます!」と明るく声をかけ、ゆうさんは事務所を後にした。

ゆうさん(以下、ゆう)「きょうは、初めて当店を利用するお客さま。女性同士のプレイも初めてだそうです。どんな方なんでしょうね、楽しみです」

 これからゆうさんは、事前に決めておいた待ち合わせ場所に向かう。途中まで同行させてもらった。

 事務所から数分も歩けば、そこは大阪一の繁華街。定番の待ち合わせは、百貨店の入口や、コンビニの前。女性同士がそこで落ち合っていても、友だち同士の約束にしか見えない。初めての利用の場合、前日までにその日の服装を店側に伝えることになっている。それをキャストが見つけて声をかけるので、ぎくしゃくすることなく自然に出会える。

女の子となら、怖くないかも

 同店にはいくつかのコースが用意されているが、最もライトなものは「デートコース」。文字どおり食事をしたりどこかに遊びにいったりデートを楽しむコースで、性サービスは含まれていない。一方で「ビアンコース」は基本的にホテルでふたりきりの時間を過ごす。この日の予約は、後者だった。

ゆう「実はお客さまのなかでレズビアンの方は少数派なんです。7〜8割はノンケ、つまり異性愛者です。既婚者の女性もめずらしくないですよ」

 狭い道を並んで歩いていると、前方から車が近づいてきた。さりげなく筆者を歩道側に誘導し、自分は車道側を歩くゆうさん。男性がことさらに同じことをすると鼻につきがちだが、ゆうさんのそれはとてもとても自然で、筆者は思わずドキッとしてしまう。同性にこうした気遣いを受けた経験は、これまで一度もない。

 異性愛者の女性がレズ風俗店を訪れる理由とは、いったい何なのだろう?

ゆう「初めてのお客さまにはなぜこのお店にいらしたのかを訊くのですが、ノンケ女性は『男性との行為で満足を得られないから』と答えられる方が多いですね。既婚者でもセックスレスだったり、パートナーの技術に問題があるのか相性が悪いのかはわかりませんがセックス自体を愉しめない。かといって浮気や不倫はできず、出張ホストや性感マッサージを利用するのも、なんだかコワイ。お話を聞いていると、みなさん、知らない男性と関係をもつことに強い抵抗があるのだと感じます。でも、知らない女の子とだったらできるかも……と思われるみたいですね。なかには夫公認で、お店を利用される既婚女性もいらっしゃいます」

 もともとのセクシャリティが何であれ、何かしら求めるものがあるから女性たちはレズ風俗を利用する。

ゆう「ちょっとした好奇心で利用される方もいれば、日ごろから生きづらさを感じていて、救いや居場所を求めて利用される方もいます。デートコースでもビアンコースでも、ふたりきりでいるとお客さまのほうからいろいろお話してくれるんですよ、家庭のことやお仕事のことを。それはしんどい状況やな〜と思うこともありますが、ここに来ることで気持ちが紛れたり何かを見つけられたりするのであれば、どんどん利用してほしいですね」

『さびしすぎて〜レポ』の著者・永田カビさんも生きづらさを感じていたが、同店を利用したのを機に自分のことを漫画にし、親から自立しようと思えるようになり、実際に行動した。

ゆう「このお仕事は一期一会のことも多いですが、お会いしたときに聞いたお話やそのときの様子から、その後どうしているんやろ、と気になるお客さまもいます。永田カビさんのこともずっと頭の片隅に残っていましたから、漫画を読んで、ああ、あの後そんな変化があったんや、とうれしくなりました」

 待ち合わせの場所に近づいてきた。外国人旅行客も多く、平日だというのにたいへんな人出だ。落ち合った後は、そのままラブホテルに向かうという。界隈にはラブホテルが点在しているが、東京から来た筆者には大阪のラブホテルは外装が派手なものが多いように見えた。入り口が、人通りの多い通りに面しているのにも驚く。女性ふたりで入っていくと目立つのではないか。

ゆう「あんまり気にしませんね。私が気にしないから、お客さまも気にしないよう努力してくれるみたいです」

がんばって稼いで、風俗へ

 この日は、ビアンコース250分の予約。料金は56,000円だ。そこにホテル代が別途かかり、途中で食事などをすればそのぶんも利用客の負担となる。決して安くはないことは、ゆうさんも重々承知している。

ゆう「アルバイトやお仕事をしてお金を貯めて、それでお店を利用してくれる女性も少なくないんです。お客さまの地元まで出張する場合は、往復の交通費も加算されますし、ほんとうに強い想いを感じますね。ふたりきりで過ごしているときにお仕事の愚痴や悩みを聞くこともありますが、私、思わず『無理したらあかんよ』っていっちゃうんです。風俗店のキャストとして上は『もっとがんばって稼いでくれたら、もっと会えるよ!』というべきなんでしょうけど、私はそういうことがどうしてもいえない。性分ですね(笑)」

 一方で、豪快にお金を使う女性もいるという。

ゆう「常連になってくれたお客さまは距離が近くなり、いい意味で気を遣わなくなって、近場をデートするとかホテルでずっと過ごすとか以外の過ごし方を希望されるようになりますね。旅行に連れてもらったり、普段行けない素敵な場所に連れていってもらったり。どうやったらお礼できるかな、裸になったら喜んでくれるかな……って、いままでさんざん裸で一緒に過ごしてきたのに(笑)」

 ゆうさんの話には常に笑いがある。待ち合わせ場所が近づき、「じゃあ!」と片手をあげ、歩く速度を速めて人混みに消えていったゆうさん。彼女はこれから4時間超、どんな女性とどんな時間を過ごすのだろう。

▼中篇に続く

(三浦ゆえ)