「男女賃金格差が過去最小に」というニュースに隠された、本当の男女賃金格差。

男女賃金格差が過去最少まで縮まったというニュースが発表されました。厚生労働省が発表した2016年の調査では、フルタイムで働く女性の平均賃金は月24万4600円と3年連続で最高となったとのことです。男性の賃金の73%となり、男女賃金格差は過去最少となりました。

確かにこれは男女の社会経済格差縮小に向けた嬉しいニュースですが、あくまでもフルタイムで働く常勤雇用者に限定した調査である点が問題です。常勤雇用者でさえも男女賃金格差があるということ自体、非常に大きな問題ですが、日本の男女賃金格差、男女の社会経済的地位格差が最も強く表れているのは、女性の多くが非正規雇用であるという点です。非正規は雇用も不安定で、給与も正規雇用よりはるかに低く抑えられています。しかも、同じ非正規でも女性の方が男性よりも賃金が低いのです。

まず、性別・就労形態別の賃金格差を見てみましょう。

この図は2015年の賃金構造統計から作成したものです。日本は女性が主婦の傍ら毎月数万円程度のパートタイムで就労するという形態をとっている家庭が多いことから、子育て世代である30代から50代の女性非正規雇用者の賃金が男性非正規雇用者よりも少ないことは、ある程度理解ができます。

一方で、主婦パートという働き方は、夫の稼ぎが多い場合には「フルタイムで働かない方が得」になってしまう配偶者控除の生み出す矛盾につけこんだ、主婦労働力の搾取でもあります。彼女たちはいわゆる103万の壁を意識しながら就労日数を調整しながら働いており、賃金上昇を強く望まないため、雇用者側にも賃金を上げる理由がありません。こうした安い主婦労働力の存在は、働き盛りの女性の賃金を押し下げる一因にもなっていることも考えられます。

女性が多くついている仕事は、「主婦でもできる」とみなされがちなケアやサービス業に偏っています。こうした職業に就いている未婚や子育て中ではない働き盛りの女性が競合しなければならないのは、不当に安い賃金でも文句を言わない主婦労働力です。同じ年齢や学歴の男女が同じ仕事をしていたとしても、男性には「男性にもいてほしい」というようなプレミアムが付いても、女性ならば「ほかにいくらでも変わりがいる」状況になりかねません。男性非正規と女性非正規の賃金格差は男性正規と女性正規ほどの大きさではありませんが、それでも賃金格差がある点を見過ごすことはできません。

次の3つの図は、同じく賃金構造基本統計調査の2016年度のデータから作成したものです。

まず、短時間労働者(パート・非常勤など)が多い職業ベスト10を男女に分けています。黄色は男性と女性の両方が多くついている職業であり、「ジェンダー化されていない」職業ともいえるでしょう。

次の図は、上記職種を賃金順に並べ変えたものです。

医師・大学講師は男性労働者数の上位に入っている職種ですが、いずれも女性労働者が多い職種ではありません。医師、大学講師に次いで賃金が高いのは看護師、塾講師ですが、いずれも同じ職種の男女で300円近い賃金格差がみられます。さらに特筆すべきは、男女ともに労働者数が多く「ジェンダー化されていない」職業でも男性の方が賃金が高いことです。

例外は「娯楽接客員」で、女性が30円ほど高い賃金を得ていますが、この職種には風俗やキャバクラ接客なども含まれていると推測されるので、彼女たちの提供している感情労働、肉体労働が30円の差に値するものなのか、議論の余地があります。また、警備員についても女性の方が10円ほど高い賃金を得ています。男性が多い職種において、男性が入れないトイレや更衣室などの警備もできるという強みが賃金に反映しているためと考えられます。つまり、「女性でなければできない」「男性ばかりだが女性が必要」な職種であれば、女性労働者の賃金が上がるのです。

そもそも、非正規労働力の多くが女性であり、この表でも女性が倍近い数働いている職種がたくさんあります。特に、賃金が低い職業ほど女性がより多く働いているのは、女性労働者の多くが不当に安い賃金でも文句も言わない主婦労働力であり、より安くより多く仕事をこなす「逆張りオークション」状態で働いているからです。女性が多い職種にある男性には「男性にしかできない仕事」というプレミアが賃金に反映されていると考えられます。しかし、男性が多い職種に就く女性の賃金に「女性プレミア」が反映されることはまれです。そもそも「女性でなければできない」とみなされている仕事は多くはなく、ほとんどの場合「女でもできる仕事」「女くらいしかやらない仕事」とみなされ、そうした職種には不当な低賃金で文句も言わず働く主婦労働力が供給され続けているのです。

こうした状況を考えると、女性は労働力としての期待値がそもそも低く、労働力の主力とみなされていない状況が見えてきます。正規でも非正規でも、同じ職業についていても、女性は労働力の主力とみなされている男性の補助的な仕事に回されます。しかもそうした補助的な仕事を主とするパート・アルバイトや非正規でも、女性は男性よりも安い賃金で働いているのです。

こうした状況を改善するために、女性に対する高等教育の効果が協調されることもありますが、日本の場合、教育にどこまで男女の社会経済的格差を縮める効果があるのか疑問です。

次の図は2016年の労働力調査をもとに作成した就労者数です。messy読者層の中でも特にこの問題で苦しめられているであろうアラサー世代に焦点を当てています。驚くべきことに、高卒男性のほうが大卒女性よりも正規雇用者数が多いのです。

また、高卒男性と大卒女性を比べても、その賃金格差は歴然としています。次の図も2016年度労働力調査ら作成したものです。

年収300~399万円のグループが最も多い層で、高卒男性が濃い青、大卒女性が濃い赤で示しています。高卒男性の賃金の方が、大卒女性の賃金よりも高いことは一目瞭然です。日本の高校の8割近くが普通科や総合科などの非職業系学科なので、特別な職業スキルが身につくような教育が提供されているわけでもありません。大多数の高校、高卒男性の学力やスキルが、一般的な大卒女性よりも現代の日本に求められるスキルや能力を持っているとは考えにくいでしょう。しかし、現実的に大卒女性は高卒男性よりも正規雇用が少なく、高卒男性と大卒女性の非正規雇用の数もあまり差が無いのです。このような状況は、高等教育が日本の女性の社会的地位の上昇に持つ効果が限定的であることを示しているように思われます。

男女賃金格差は、教育によっても容易には縮まらないでしょう。教育と雇用というのは強い関連性を持つものですが、教育側ですべてを改善することは不可能です。むしろ教育の在り方というのは、労働市場の影響を強く受けるものでもあり、受け皿である労働市場側が男女の社会経済格差を是正するための取り組みを積極的にする以外に、現状の男女格差を改善することは不可能でしょう。今回のニュースは男女賃金格差の縮小という今回のニュースですが、日本の女性労働者が本当に公平な扱いを受けるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

参考

「平成27年高等学校学科別生徒数・学校数」(文部科学省)
「2016年労働力調査」(総務省統計局)
「2016年賃金構造基本統計調査」(総務省統計局)

雑誌の官能特集に思う。官能的な女性になることと、お色気作戦はどう違う?

バイブコレクターに加え、そろそろ「セックス特集ウォッチャー」も自称しようと考えている今日このごろ。しかし、寒い季節はいまひとつ活動の機会がありません。私のウォッチング欲も冬眠していましたが、3月、春の兆しとともにやってまいりましたよ。ネギを背負ったカモにも等しい好物件が! 「an・an」の「大人の女は知っている、官能の流儀」特集です。

 カバーではドラマ「カルテット」が好評の俳優・高橋一生さんが女性のバストにむぎゅっと顔を押し付けていらっしゃいます。あまり肌を見せている印象のない俳優さんですのでもうこれだけで刺激的ではありますが……なんとなくデジャヴ。

 ああ、思い出しました、同誌における俳優さん☓外国人女性モデルのベッドシーン的カバー、ちょっと構図がワンパターンすぎやしませんかね。

ジャニーズアイドルやAKBグループのメンバーもたびたびセックス系の特集でカバーに起用されていますが、異性との絡みはありません。異性と絡まなくたって色気やセクシーさは表現できるはずですが、だいたいが「肌を見せている」以上のものは感じられず、物足りなく感じていました。ただ脱がせるだけでは☓、構図が似通っていても☓とダメ出しばかりで恐縮ですが、私は単純に男の肌が観たいのではなく、男の肌が表現するエロスを観たいんです。

 果たして、高橋一生さんのグラビアページを拝見しところ、着衣のほうがセクシーだと感じました。裸体も思ったより筋肉質で男らしいのですが、たくしあげられたニットの裾から見えるヘソとか、顔の半分ほどを隠す勢いの前髪などのほうがよほど雄弁に彼のなかのエロスを語っているように見えました。

◎普通すぎる官能ポイント

 ……というのが、まさにこの後はじまる「官能の流儀」特集の前フリなのかもしれません。高橋さんのギリギリ半ケツを見て「きゃー、エロい!」「セクシーだわぁ♥」と思う人はいても「官能的だわ」と感じる人は少ないのではないでしょうか。いみじくも高橋さんはインタビューで「官能とは、隠されているもののような気がします」とお話しされています。

「大人の女は官能の嗜み方を知っている」というキャッチではじまる同特集は、なんとなくボヤッとしています。識者の方々の発言を引きながら、「官能とは“知的な遊び”である」「官能にひたることは“五感を使って思い出す作業”」「官能を身につけた女性は“老いても美しい”」と解釈を披露していますが、官能というものを特に深く考えたことない人でも「うん、知ってた」と思うレベルでしかなく、目新しさゼロ。

 続く「私が男に官能を感じる瞬間(トキ)」では著名人や読者へのアンケートに寄せられた官能ポイントが多数羅列されますが、「ニットやシャツを腕まくりしたときの筋肉」「手の甲の血管」「シャワーの後、髪を乾かす姿」といった、「う、うん、フツーだね……」といったリアクションしか取れないコメントがこれでもかと続きます。

いえ、ぜんぜんいいんですよ、フツーで! すっごいマニアックなシーンをあげられても共感しにくいですし。でも、ここでの“官能”は「色気」「セクシー」「萌え」と言い換えてもなんら不自然ではないものばかり。さんざん知性だと五感だと語った後だけにそれがあまり感じられない紋切り型の“官能”を語られたところで、肩透かし感しかありません。

 そもそも官能って何? 辞書的には「肉体的快感、特に性的感覚を享受する働き」ですが、「an・an」的には“エロいとかいうより、な~んかちょっと感度高く聞こえるっぽい言い回し?”ぐらいのものでしょうか。官能ってもっと掘り下げて考えると、現代の性に対する価値観がいろいろ見えてきて面白そうなのですが。

 全体的には、自分が“性的感覚”をキャッチするアンテナを養うための企画と、男性から官能的な女性だと思われるためのハウツー企画がごっちゃになっていて、どっちつかずの印象です。特に後者は、そのための小道具として採り上げられているのが、香り、お酒、ランジェリー……これまた見事なまでに紋切り型の“モテテク”ばかり! 知性はどこにいったのでしょう。官能というよりも“お色気大作戦!”といったほうがふさわしく見えました。。

◎官能小説入門ガイドブックとして読もう

 とガッカリ気分で読み進めたのですが、「小説で浸る、官能の世界。」はたいへん充実した内容で、官能小説ビギナーのみならず愛好家にとっても非常に役に立つ特集だと思いました。官能小説家の花房観音さんや、作家の宮木あや子さん、イラストレーターのいしいのりえさん(サイゾーウーマンで長らく官能小説レビューを連載されていますね!)などなど推薦者のラインナップもすばらしければ、採り上げられている作品も納得のものばかり。官能ではない文芸作品からのセレクトもあり、読み応えがあります。

 私もこれまであまり意識せずに“官能”“官能的”という語を使ってきましたが、たしかにそこには知的なニュアンスを込めていたような気がします。時代を代表する官能的な女性=“狂わせるガール”を紹介するページで、映画監督の大根仁さんが「エロの中でも官能って『やりてぇ』みたいに即物的なものではなく、それこそ『溺れたい』というもっと深いニュアンスを含んでいる気がします」とお話されていて、腑に落ちるものを感じました。

 官能とは、「エロい!」「セクシ~」「濡れちゃう♥」よりも、もう何段階か深いレイヤーにあるエロス。そこにたどり着くには知性あるいは美学の切符が必要……そう考えると私のなかでは、「官能とは、本能的なものとは最も遠いところから、性という本能的な欲求を刺激するもの」という解釈で落ち着きました。まどろっこしいですね~、焦れったいですね~。でもそれこそを愉しいと感じる大人の遊戯ともいえるでしょう。

「官能とは」という大きなテーマは読者が自力で行間から読み取る必要があり、それこそまどろっこしいのですが、官能小説ガイドとしては即戦力です。オススメ!

■ 桃子
オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

おっぱいには、5つの性感帯が隠れている! 乳首だけじゃもったいないおっぱい愛撫の鉄則は…

胸・乳房・バスト・パイパイ・パイオツ……呼び方がいっぱいおっぱいですね。こんにちは、大根 蘭です。

 セックスのとき、みなさんはどのようなおっぱい愛撫を受けていますか? 「全体的に揉む」ことと「乳首を刺激」することくらいじゃないの? と思った方! 本当にそれで気持ちいいですか? 実は特段気持ちよくないけれど、なんとなく気を遣って喘ぎ声を出してたりしませんか……?

 実はおっぱいには、5つの性感帯が隠れているのです! もっとあるという説もあるほど、奥の深いおっぱい。全て個人差はありますが、まずはオナニーの時に5つのポイントを攻めてみて、1番感じる部分をセックスの際に彼に伝えたら、お互いハッピーなセックスが出来るんじゃないかと思います。では、おっぱいの性感帯について解き明かしていきましょう。

◎おっぱい全体

 女性の乳房は、ほぼ脂肪(9割の脂肪と1割の乳腺)です。おっぱい全体をガッと鷲づかみにして揉みしだく男性がいますが、あの行為自体はおっぱいの持ち主にとって気持ちいいものではありません。おっぱいの柔らかい感触は男性の手にとっては気持ちいいかもしれませんが、あまり長く揉まれると、私の場合、痛みを感じます。「揉まれている」というシチュエーションに興奮を覚える女性もいるものの、おそらく誰も、この行為で喘いでしまうほどの肉体的快感は覚えていないと思います。鷲づかみにされて喘いでいるのは……AV女優さんの見事な演技です。

 とはいえ、おっぱい全体を舌や指先でサワ~っとなぞられたり、触れてるか触れてないかくらいのフェザータッチで乳首周りをに円を描くように愛撫されるのは気持ちいいものです。快感というより、「だんだん舌が乳首に近づいてくるぅ~」……というドキドキで精神的興奮度が高まっている効果もあるかと思います。

◎乳首

 ここは感じる女性が多いですよね。上半身の中で“最も感じる性感帯”といわれているビーチク。乳首には、側面と正面があり、感度が違います。正面の方が感度が高いため、攻めるときは側面から。「指先で挟む」「軽く引っ張る」「舌で舐める」と乳首を愛撫される時は、意外にも側面攻撃が多いと思われます。

 正面は、側面に比べて敏感な部分なので強すぎる刺激には気をつけて下さい。指先でトントンと強弱をつけて「圧迫」。指先が触れるか触れないかくらいの「軽い刺激」。それ以上擦ってしまうと痛みを感じてしまう方もいるので、自分の指で確認して、自分にとってほどよい刺激はどの程度なのか確認してみましょう。慣れてきたら、親指と中指で側面を挟み、人差し指で軽く擦るという上級テクも試してみてはいかがでしょうか。彼にしてもらう時は、人差し指の代わりに舌を利用してもらいましょう。指先よりも生温かくて柔らかい感触が、堪らんはず。

◎アンダーバスト

ブラジャーのワイヤーが入っているところ、おっぱいの付け根部分。ここも神経が通っている性感帯なのですが、感じる人と全く感じないと大きな個人差があるといわれています。指先で優しくなぞってみたり、さすったりの攻め方になりますが、アンダーバストのみを刺激するというより、キスしながら、またはその他の部分を舌で愛撫してもらいながらサスサスされると快感につながります。全く感じない人もオナニーの時に乳首だけでなくアンダー愛撫を取り入れてみると、開発されていくかもしれません。

◎ミルクライン

 可愛らしいこのネーミング、男女ともに初耳の方もいるのではないでしょうか? 脇の下(腋窩リンパ節)から乳頭を通り恥骨へと向かうライン上には、連続ではなく、飛び飛びに性感ポイントが存在しています。実はここ「ホルモンの通り道」ともいわれ、ここをマッサージすることで女性ホルモンのバランスが整うと考えられています。愛撫に限らず是非ボディケアとしても取り入れたいマッサージです。

 ミルクラインは、揉んだり押したり振動に対して、とても敏感な場所。そのため、指で愛撫する方法はミルクラインに沿って、「指で軽い圧迫」をする程度に留めること。口(舌)を使う愛撫では、乳首に向かいながら「舌でねっとりと舐めあげる」か「唇で強めに吸う」と強い快感を得ることができるようです。

◎スペンス乳腺(おっぱいのGスポット)

 膣にしかないと思っていたGスポット! 実はおっぱいにもある性感帯です。脇の下とおっぱいの境界線部分に通っている神経、そここそがパイオツのGスポット(Bスポットとも呼ばれています)!

 ここは、おっぱいを脇の下からゆっくりと押し上げるような「軽い圧迫」をしながら、なぞるのがポイント! 舌で他の場所を刺激しながらのW攻撃をすることで快感が増すようです(スペンス乳腺に強めのキスやキスマークをつけたりもいいらしい)。このGスポットの存在を知らない人は多く、最初は「くすぐったい」感覚の方が上回ってしまう可能性がありますが、少しずつ愛撫を繰り返して慣れると、快感に転じます。貪欲な貴女、開発しましょう!

おっぱいの性感帯はどれも、最初は快感よりくすぐったい感覚を覚えやすいので、まずは自分で探ってみたほうがいいです。セックスの時には、触る・なぞる・さする……と指先や舌をソフトに優しくすることが快感へ導く重要ポイントになるので、セックスの相手には「くれぐれもフェザータッチでヨロシク」と伝えましょう。

(大根 蘭)

痴漢現場をスルーしてはいけない。電車内痴漢行為と逮捕の一部始終

今まで、痴漢を目撃し証言者として名乗り出た経験が数回ありますが、「痴漢検挙しました」という話をすると、友人から「後日、その痴漢オヤジが逆恨みから何かしてくるかもしれなくない? 怖くない?」と聞かれます。確かに逆恨みされる懸念のある行動ですが、今のところ尾け回されたり刺されたりといった報復は受けていません(そもそも痴漢行為が犯罪なのですから、それを通報したからといって恨まれる筋合いなんてないはずです)。実は現場で危害を加えられた経験が一度だけあり、そのことについて今回、詳細をお伝えしたいと思います。

◎4年前、痴漢被害にあっている女性を目撃した

 季節は夏~秋だったでしょうか。いつもの路線でいつものように車内はつり革に空きはなく、真ん中の通り道に1~2列分立っている程度の状態(隣・後ろに立つ人と身体が触れるほどの混雑ではない)。つり革に掴まる私の右隣に20歳の大学生と思しき女性(トップスは薄手の長袖ニット。ボトムスはチノパンというカジュアルな服装で決して露出が多いわけではありません)。その女性の後ろに痴漢オヤジ(40代・スーツ姿の会社員)という状況。

 私自身、スマホ画面を熱心にスクロールしている最中だったのですが、隣から妙な空気感を察してふと右方向に目をやりました。すると隣の女性は、携帯電話を片手で持っているものの、その目は画面を見ているわけでもなく、うつむき気味。何気なく彼女のお尻の方に目を向けると、後ろに立つオヤジが、カバンで手元を隠しながら手の甲でゆっくり、女性のお尻をスリスリ(電車の揺れに合わせてる感じ)していました。

 痴漢に遭遇すると、目撃者まで心臓バクバクするものですぐには動けません。まず自分の呼吸を整えながら、1~2駅くらい動向をみていました(都内の地下鉄・私鉄ではないので1駅の間隔が長い)。この間、痴漢オヤジは「この女は、何も抵抗しない相手」とみなしたのか、触り方が大胆になり、付近にいる人間のほとんどが気付くレベルで尻を撫で回すようになりました。ここで私は、被害者女性の右隣の男性と痴漢オヤジの右隣の男性も気付いているはずだと確信し、まずそちらに(あなたが捕まえてください)と念を送り、ガン見をしました。が……私の視線に気づいて目が合ったにもかかわらず、彼らは目を逸らします。立ち位置を変える人もいました。

 頼りになる人間がいないことがわかると、(私が助けるっきゃない!)と正義感がみなぎるわけですが、被害にあっている女性がそのことを訴えられる心境にあるか確認しなければいけません。というのは、過去、同じように痴漢されてる女性に遭遇した際、「何やってんすか」と痴漢オヤジに言ったら「何もしてねーよ」と言われ、被害女性に「触られてたよね?」と聞いたところ消え入りそうな声で「だ、大丈夫です……」と言われて何もなかったことになった、という経験があるからです。そこで、私はこの時、まず自分のスマホのメール画面に文章を入力し、彼女がちょっと目を動かせば見える位置にスマホを持っていき<痴漢にあってるよね? 捕まえますが、一緒に降りることはできますか?>この文章を読んでもらいます。女性がここで「はい」と言葉に出せない可能性も高く、首を軽く動かしたり視線で頷くなどの反応があれば行動に移します。「思いもよらないこと、勘違いです!」という反応をされたらもちろん別ですが、これまでそういったケースはありませんでした。

◎車両から出そうとした右手を、カッターナイフで切られる

 次の駅で止まり、ドアが開く直前。私は女性の尻を撫でている男の手を掴み、もともと低い声をもっと低くして「おい、さっきから見てんだよ、こっちは」と言い、その腕を引っ張って車両からホームに連れ出しました。

 駅員が駆け寄って来るまでのわずかな時間、私はホームで痴漢オヤジの腕を掴んだままいたのですが、隣で立ちすくんでいた被害者女性が「大丈夫ですかっ!?」と私の右手を指し悲鳴を上げました。自分の右腕(手の甲付近)を見ると血がタラ~リ。それまで痛みも感じていなかったのに血を見た途端に痛くなり「なんじゃこりゃー」状態でプチパニック! 一体なぜ血が? その後、警察が合流してから、痴漢オヤジはミニカッターを所持していたことが判明しましたが、本人は私の手は切っていないと主張(そもそも、ポケットにカッターナイフが入ってるのおかしいだろ)しました。傷害罪として告訴することも出来るのでしょうが、これ以上この痴漢オヤジと関わりたくなかったので断りました。

 ホームで男が刃物を振り回さなかっただけマシかもしれませんが、痛いし、恐怖を感じたことは事実です。血を流しながら、駅員が呼んだ鉄道警察の方に身振り手振りで痴漢していた様子を証言すると、男は痴漢行為を認めて警察に連行されていきました。被害者女性は母親に電話しながら号泣し、私に電話を渡してきたので、彼女の母親に事情を説明したりもしました。このケースでは半日が潰れることとなりました。でも、見て見ぬふりをしなくて良かったと私は思えます。

 証言者としてもっと長い時間を拘束されることもあるかもしれません。それでも痴漢の現場に立ち会ったなら、声を出せない被害者に代わって目撃者が声をあげて、心強い証言者になってください。痴漢はスルーされない、許されない犯罪であるということを、多くの電車利用者が痴漢加害者に知らしめてください。

 また、痴漢被害にあっている人の中には、「何度も同じ人に痴漢され、顔も覚えてる。でも声をあげることができない」という人も少なくないようです。自分から行動するには、まず、鉄道警察の方に相談をしてみてください。

痴漢被害相談(警視庁HPより)

(大根 蘭)

新人風俗嬢が出会った、「のどちんこ」を見ないと興奮しない“LLサイズ”の気弱な巨根男

――男が、恋人や友人ではない、風俗嬢にしか見せない姿や感情はどんなものだろうか。セックスをした「他人」だけに見せる、男たちの情けなさ、みっともなさ、滑稽さ、そして優しさをアラフォー風俗嬢がつづります。

◎頭の沸いた男からの質問
 なんてことないと思いながら働く女性もいると思う。アラフォー風俗嬢に意外といるのが、女としての自分の価値を見いだすために、男に抱かれる仕事を始めたという人。でも、大半の女性は好きでこんな仕事やっていない。99%と言ってもいい。皆、生きる=お金のため。

「SEXが好きなんだね」とか「ちんこしゃぶるのそんなに好きなの?」とか、頭の沸いた男がたまにする質問。んなわけねーだろ。

「気持ちよくなれて、ラクしてお金も稼げていい仕事だよねー」なんて、たまにそれ本気で言ってんの? なんて思うクソ客もいる。お金はいただけるが、稼げるかというと決してそうではないし、まったくもってラクではない。

 そして大半のプレイが気持ちよくない。

 初めて入ったお店は講習もなかったので、コンドームの着け方、素股の仕方、フェラの仕方など、全てネットで動画検索して勉強した。右も左もわからない世界。精神安定剤を飲み、怖くて震えながらの初仕事はもう何も覚えていない。

◎のどちんこで興奮するLLサイズの男
 風俗(デリヘル)デビュー間もない頃の記憶で、入店2日目くらいに出会ったお兄さんが1番印象に残っている。ロン毛を1つにまとめていて、眼鏡をかけたちょっとインテリ風の30代後半のお兄さん。

 広告代理店に勤めているその人は、決してイケメンでもブサイクでもないけれど、どちらかというと雰囲気イケメン。一度、真夜中のドライブに連れて行ってもらったことがあった。渋谷区の広くおしゃれなマンションに車はベンツ。一見、モテそうな条件は揃っている。なのに、独身なのが不思議だった。

 ところが徐々にエスカレートしていくプレイでわかった。

 のどちんこをみると興奮する。いや、のどちんこを見ないと興奮しない。

 何度も何度ものどちんこを見せてと言われたり、まるで漫画の「おぼっちゃまくん」かとでもいうような、強烈なべろんべろんの舌を絡ませたキス。何度も何度も「唾液ちょうだい」と言われ、彼の口の中に私の唾液を垂れ流す。

 これは彼女ができたとして、もしやったら引くだろう。

 当時、人を疑うことをまったくしなかった私は、毎回2~3時間のロングコースをリピート指名してくることに、気をよくし安心しきっていた。Mサイズのゴムじゃ入りきらないLLサイズのデカイちんこのお兄さんに、突然、押さえつけられ生で挿入され、そのまま強引に中出しをされてしまった。

 ところが、でかいちんことは真逆の気弱な性格。

 非難した私がまるで悪者にでも見えるかのような落ち込みっぷり。ブチ切れて怒った私をそれ以来、お兄さんは二度と指名することはなかった。

 それっきり、あっさりさようなら。風俗なんて結局そんなもんだ。

◎新人風俗嬢が大好物の男たち
 風俗ではプレイ前とプレイ後にお客さんと一緒にお風呂に入る。1日平均10回前後もシャワーを浴びまくっているので、別に汗・皮脂ではそんなに汚れていない。

 それでも深夜、家に帰ると体が汚い気がしてシャワーでゴシゴシ洗っていた。口の中もそう。念入りに歯磨きをして、フロスして、マウスウォッシュして寝ているのに翌朝には口の中からちんこの臭いがして気持ち悪かった。

 洗っても洗っても、臭くて汚い自分。そして洗いすぎて細菌性膣炎になった。強烈な臭い。いわゆる性病臭とでもいうのか、生臭い魚のにおいがまんこからする。

 風俗を始めてまだ1カ月ちょっとで、もう性病にでもなったのかとパニックなった。ほかにもHIVのことなど考えると、怖くて夜も眠れなかった。性病のことを考えると、考えが暴走してパニック発作を起こしたこともあった。

 ちんこをしゃぶりすぎて、口がちんこ臭くて食事も食べる気にならない。陰毛が常に口の奥にあって取れない錯覚。

 目をつむると、ちんこと陰毛が目に焼き付いている。ちん毛が口に入ると気持ち悪すぎて、嘔吐しながら仕事をしていた。病院代に借金返済、生活費を稼がないと、誰が私の家賃を払う? 心療内科でもらったいろんな薬を飲みながら、気持ちを奮い立たせて無理をした。そして、今だったら有り難いほどの、出勤すれば予約で即完売するほどのビギナーズラック。

 風俗業界には、風俗未経験の新人が大好物の男たちの多いこと。気が付けば、ほかの子の平均収入1カ月分を1週間で稼ぐほどのナンバーワンになっていた。

mandara

*曼荼羅*(まんだら)
デリヘルで風俗デビューし、現在出稼ぎ&吉原ソープを掛け持ちするアラフォー。子宮筋腫と腎臓の手術経験があり、現在は子宮頸がん中等度異形成持ち。売りはHカップのおっぱいだけれど、1日2万稼ぐのがやっとの売れない風俗嬢。
ブログ「続・おちぶれ続けるアラフォーでぶ女の赤字返済計画

新人風俗嬢が出会った、「のどちんこ」を見ないと興奮しない“LLサイズ”の気弱な巨根男

――男が、恋人や友人ではない、風俗嬢にしか見せない姿や感情はどんなものだろうか。セックスをした「他人」だけに見せる、男たちの情けなさ、みっともなさ、滑稽さ、そして優しさをアラフォー風俗嬢がつづります。

◎頭の沸いた男からの質問
 なんてことないと思いながら働く女性もいると思う。アラフォー風俗嬢に意外といるのが、女としての自分の価値を見いだすために、男に抱かれる仕事を始めたという人。でも、大半の女性は好きでこんな仕事やっていない。99%と言ってもいい。皆、生きる=お金のため。

「SEXが好きなんだね」とか「ちんこしゃぶるのそんなに好きなの?」とか、頭の沸いた男がたまにする質問。んなわけねーだろ。

「気持ちよくなれて、ラクしてお金も稼げていい仕事だよねー」なんて、たまにそれ本気で言ってんの? なんて思うクソ客もいる。お金はいただけるが、稼げるかというと決してそうではないし、まったくもってラクではない。

 そして大半のプレイが気持ちよくない。

 初めて入ったお店は講習もなかったので、コンドームの着け方、素股の仕方、フェラの仕方など、全てネットで動画検索して勉強した。右も左もわからない世界。精神安定剤を飲み、怖くて震えながらの初仕事はもう何も覚えていない。

◎のどちんこで興奮するLLサイズの男
 風俗(デリヘル)デビュー間もない頃の記憶で、入店2日目くらいに出会ったお兄さんが1番印象に残っている。ロン毛を1つにまとめていて、眼鏡をかけたちょっとインテリ風の30代後半のお兄さん。

 広告代理店に勤めているその人は、決してイケメンでもブサイクでもないけれど、どちらかというと雰囲気イケメン。一度、真夜中のドライブに連れて行ってもらったことがあった。渋谷区の広くおしゃれなマンションに車はベンツ。一見、モテそうな条件は揃っている。なのに、独身なのが不思議だった。

 ところが徐々にエスカレートしていくプレイでわかった。

 のどちんこをみると興奮する。いや、のどちんこを見ないと興奮しない。

 何度も何度ものどちんこを見せてと言われたり、まるで漫画の「おぼっちゃまくん」かとでもいうような、強烈なべろんべろんの舌を絡ませたキス。何度も何度も「唾液ちょうだい」と言われ、彼の口の中に私の唾液を垂れ流す。

 これは彼女ができたとして、もしやったら引くだろう。

 当時、人を疑うことをまったくしなかった私は、毎回2~3時間のロングコースをリピート指名してくることに、気をよくし安心しきっていた。Mサイズのゴムじゃ入りきらないLLサイズのデカイちんこのお兄さんに、突然、押さえつけられ生で挿入され、そのまま強引に中出しをされてしまった。

 ところが、でかいちんことは真逆の気弱な性格。

 非難した私がまるで悪者にでも見えるかのような落ち込みっぷり。ブチ切れて怒った私をそれ以来、お兄さんは二度と指名することはなかった。

 それっきり、あっさりさようなら。風俗なんて結局そんなもんだ。

◎新人風俗嬢が大好物の男たち
 風俗ではプレイ前とプレイ後にお客さんと一緒にお風呂に入る。1日平均10回前後もシャワーを浴びまくっているので、別に汗・皮脂ではそんなに汚れていない。

 それでも深夜、家に帰ると体が汚い気がしてシャワーでゴシゴシ洗っていた。口の中もそう。念入りに歯磨きをして、フロスして、マウスウォッシュして寝ているのに翌朝には口の中からちんこの臭いがして気持ち悪かった。

 洗っても洗っても、臭くて汚い自分。そして洗いすぎて細菌性膣炎になった。強烈な臭い。いわゆる性病臭とでもいうのか、生臭い魚のにおいがまんこからする。

 風俗を始めてまだ1カ月ちょっとで、もう性病にでもなったのかとパニックなった。ほかにもHIVのことなど考えると、怖くて夜も眠れなかった。性病のことを考えると、考えが暴走してパニック発作を起こしたこともあった。

 ちんこをしゃぶりすぎて、口がちんこ臭くて食事も食べる気にならない。陰毛が常に口の奥にあって取れない錯覚。

 目をつむると、ちんこと陰毛が目に焼き付いている。ちん毛が口に入ると気持ち悪すぎて、嘔吐しながら仕事をしていた。病院代に借金返済、生活費を稼がないと、誰が私の家賃を払う? 心療内科でもらったいろんな薬を飲みながら、気持ちを奮い立たせて無理をした。そして、今だったら有り難いほどの、出勤すれば予約で即完売するほどのビギナーズラック。

 風俗業界には、風俗未経験の新人が大好物の男たちの多いこと。気が付けば、ほかの子の平均収入1カ月分を1週間で稼ぐほどのナンバーワンになっていた。

mandara

*曼荼羅*(まんだら)
デリヘルで風俗デビューし、現在出稼ぎ&吉原ソープを掛け持ちするアラフォー。子宮筋腫と腎臓の手術経験があり、現在は子宮頸がん中等度異形成持ち。売りはHカップのおっぱいだけれど、1日2万稼ぐのがやっとの売れない風俗嬢。
ブログ「続・おちぶれ続けるアラフォーでぶ女の赤字返済計画

セックスで膣口が痛い? お腹が痛い? 産後の女性たちが悩む「性交痛」。フェラで対応、暗示スパークで乗り切る猛者も

 この世に生まれて30数年、初体験から15年以上。セックスは気持ちいいものだと思っていた。それなのに突然、産後、性交痛に悩まされるようになった。以前はセックスが大好きだったのに、痛いからしたくない、なんて思うようにもなってしまった。そのうえ、入口(痛みを強く感じるところ)が破れそう! というイメージに囚われてしまうのは会陰切開の影響か?

 誰にも言えずに数年過ごしていたが、取材で会った複数の産婦人科医たちから、産後の性交痛や加齢による性交痛はそう珍しくないことだと聞いた。そうだったのか。でも、周りはどんどん2人目を授かっている。つまりセックスしているということだ。

 よく、「女性は30代から性的快感に目覚めて貪欲になる」と言われるし、だいぶ前にネットかどこかで読んだ情報では、「産後の女性はもっと感じやすくなる」とか書かれていた。でも私にそんな気配はない。都市伝説なのか?

 ママ友たちは、どうなのだろう。痛いけど密かに無理しているのか? そして性交痛からはいつ、どうやって解放されるのか? このたび、現状を探るべく、まわりの出産経験のある女性たちにおそるおそる聞いてみた。

 ちなみに私は子供が近くで寝ているときはセックスする気分にもならず、もし見られてトラウマになられるのも嫌だ、という気持ちもあり、いつも躊躇していた。夫の家事育児へのコミット具合が低かったことも、セックスする気持ちをなくさせた。産後1年ぐらいで超久々のセックスに挑んだが、痛みで気が散る。そこからしばらくの期間は完全にセックスレスになってしまったものの、ここ最近、子供はまだ未就学児だが乳児の頃よりは熟睡してくれるようになったこと、夫の家事育児能力が上がったことなどから気分も持ち直し、ようやく数カ月に一度の頻度に復活(とまではいかないが)したという経緯がある。だけどまだちょっと痛い。

 最初におそるおそる聞いてみたのは仕事関係の知人女性。なんと同じように性交痛持ちだった!

「M~Lサイズまたはそれ以上だと、膣の奥のほうというか、下腹部が突かれるたびに痛くて痛くてどうしようもなかったです。入り口は広がるので痛くはないですけど、お腹は本当にずっと痛い。翌日になっても痛かったです。婦人科を受診しましたが、なんともない、で終わりでした。濡れてはいるので、潤滑剤があれば痛くないということでもなさそう。今も解決してないですけど『セックスをしないこと』で乗り切ってます。実は夫がXLサイズなので、どう頑張っても痛いんですよ。手マンは大丈夫なので、Sサイズのペニスなら痛くないのかもしれません。フェラは平気です、フェラするしかないです」(30代・子供1人)

 性交痛持ちだけど、私と痛みを感じる場所が違う。痛い場所も人それぞれなんだなぁ。なかなか聞きづらい話題なので、かなり人を選んで、他にも何人かの友人知人に聞いてみた。すると、「性交痛、あった/あるよ」という声がいくつか上がってきたではないか。

「第一子出産後の初セックスは痛かったです。久しぶりでおっかなびっくり、とか、授乳期だったから胸が痛い、とか悪条件が重なりセックスに集中できず、リラックスもできなくてあんまり濡れなかったんだと思います。で、ピストンされると膣がひりひり痛くて……。
ですがそのうち、集中して頭の中で『最高です最高です!』とか唱えてたら馴染んできたのか大丈夫になり、スパークして妊娠前より気持ちよくなりました。夫はなにも変わらずいつも通りの流れでやっていたので、私の後半のスパークぷりに驚いていました。
こちらとしては、妊娠と出産で変化した心身で挑むには、『いつも通り』では済ませないんだよ、そこまで自分で自分を高めないとできないんだよと、思ったことを覚えています」(30代・子供2人)

「あんまり変わらないと思います。ただそんなヒマがなくて間があくために痛いとかはあるかと。毎週してれば痛くないのかもしれないけれど、一カ月~数カ月に一回のペースだとになっているので。
私は帝王切開だったから、膣が痛いことがあっても、お産とは関係ないのではと思っています。ただホルモンバランスが崩れるのは、経膣だろうが帝王切開だろうが関係ないんだなって思いました。生まれた後、即おっぱいが乳汁の生産を始めた感がすごかったですし、腱鞘炎とか毛が抜けるとかそういうのは全部、帝王切開でもなんも変わらんなと」(40代・子供1人)

「メキシコ人としたときにデカすぎたということ以外、痛かったという経験がないです。経産婦の友達も同じく痛みはないとのこと」(30代・子供2人)

「夫が、“産後セックスレスになりタイミングも逃したままずっとそれが続いている”という上司から『無理やりでも産後2~3カ月に1回はやっておけ』という含蓄あるアドバイスを受けて、それを忠実に守っています。でも夫も私も淡白だから、そのアドバイスがなかったらセックスレスになっていたかもしれないので、本当にその上司の人には感謝してますよ。
でも全然、最初は無理だった。主たる症状は濡れない。トレーニング期間と思って頑張りました。そうはいっても、濡れない問題は解決されなかったので今はゼリーを使ってます。ただゼリーを塗るタイミングで、コンドームつけるときみたいに、気まずい間ができるのがちょっと……。あ、ゼリーはボトルじゃなくて個包装のものを使ってます、使用頻度が2~3カ月なのでボトルタイプは使い切るまでに何年かかるんだろうって。
挿入時の膣の痛みはゼリーで軽減されはしますけど、体位によっても全然ダメなものがあったりします」(30代・子供1人)

 性交痛持ちは、自分だけじゃなかった!!!! 仲間を見つけた嬉しさに震えた。だが、喜んでいる場合ではない。このままでは何も解決しない。皆のありがたい回答から傾向と対策を考えなければ前には進めないのである。やはり産後は、妊娠前よりもセックスの頻度が下がることと、濡れないこと、これが大きいのだろうか? また、久しぶりにセックスするとちょっと膣がキツくなっているような感覚を覚えるが、産後でセックスの頻度が下がっているので、この膣キツ現象も起こっているのかもしれない。ひとまずは『最高です最高です!』と自分を高める努力をしつつ、次回は、回答をもとに、専門家にその解消法を詳しく聞いてみたい。

(山尻コマ子)

国家に都合の良い日本人を量産するための「家庭教育支援法案」は危険である

自民党が今国会で提出を目指す「家庭教育支援法案」の全容が明らかになりました。朝日新聞の報道によると、家庭教育の重要性を再認識し、公的に助けようという内容のもので、国や自治体が家庭教育支援の基本方針を定め、地域住民に国や自治体の施策への協力を求めることなどが柱とされているようです。

自民党は家庭教育支援法案の全文を一般公開していないので、具体的に何が書かれているのか、どのような議論の変遷があったのか、詳細はわかりません。しかし、公権力が家庭という私的領域にまで踏み込んでいくことは、個人や家庭の自由・尊厳を守るという視点では危険もあります。また本法案は、婚姻や家族と個人の尊厳を保証する憲法二十四条の改正も睨んでいると考えられます。

目指すところは一億総翼賛体制?

今回の家庭教育支援法案では、素案段階で「基本理念」に「子に国家及び社会の形成者として必要な資質が備わるようにする」という文言があったとされています。これは、自民党の憲法改正草案、またすでに改正された教育基本法とも照らし合わせると、自民党が教育を通じてどのような日本人をつくりたいのかが見えてきます。また、学校教育と家庭教育の間に「矛盾」が生じさせないよう、国家全体で足並みを揃えて「理想的な日本人を育てる」という目的に向けて子どもを育てていこう、という意図が透けて見えます。

自民党はどういう日本人を育てたいと思っているのでしょうか。まず、家庭教育支援法案のバックグラウンドとなっている、改正された教育基本法をみてみましょう。もともと教育基本法には家庭教育に関する規定はありませんでしたが、自民党による平成18年の改正で、家庭教育に関する条項(第十条)などが追加されました。

(家庭教育)
第十条
父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
2  国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。

(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第十三条  学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。

こうした「家庭教育は国家が管轄すべき教育の一環である」という位置づけが新たに追加されたことにより、「家庭教育支援法案」のような、家庭教育に対して公権力が踏み込んでいく後ろ盾ができたのです。

さらに、改正教育基本法には、教育行政が教育基本法だけで成立するものではないということも追加されています(黒字強調は筆者)。

(教育行政)
第十六条  教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。
2  国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。
3  地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。
4  国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない

家庭、地方自治体、国家機関の相互協力のもとに、教育に関する施策を策定、実施するということが明記されたわけです。旧来の教育基本法は、個人の自由や尊厳、そして個性を重視するという点が協調されていました。それは、戦時中の翼賛体制、全体主義下における学校教育が個人の尊厳や人権を踏みにじるものであったということに対する反省でもあったのです。

しかし教育基本法が上述のような形で改正され、次に家庭教育支援法案が成立した場合、家庭と国家が協力して国家にとって理想的日本人を育てるという体制が出来上がってしまいかねません。それでは「国家権力にとって都合のよい子ども」以外の多様な思想や信条を持つ日本人を育成する隙が無くなっていくことになります。一億総活躍ならぬ、一億総翼賛体制です。

戦後教育の歩みを無視

さて、自民党が家庭教育支援法の先に睨んでいるのが憲法改正です。

家庭や個人の尊厳と直接かかわるものは、憲法二十四条です。現行の憲法二十四条が規定しているのは、婚姻、夫婦の平等であって、家族とはどうあるべきかを規定するものではありません。しかし、これまでmessyでも様々言及されてきたように、自民党草案では、現行の憲法二十四条には無い「前文」が追加されています。

第二十四条
家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。
家族は、互いに助け合わなければならない。

これは一見すると「当たり前のこと」だと考える方もいるかもしれません。しかし「個人」ではなく「家族」を国家の基本単位とすることを強調するような、まるで戦前・戦時中の家制度への回帰とも取れるような内容となっています。個人よりも家族が優先される。家族のためであれば個人は犠牲になってもいい。そういう社会を理想としているのです。

憲法というものは国家権力を規定・制限するためのものであり、国民一人一人の自由や尊厳を規定・制限するためのものではありません。家族の形態が多様化している中で、人によって家族を優先するか個人を優先するか、それぞれ異なる考え方があります。それにもかかわらず、本来国家権力を制限するための憲法で、個人に対して「家族は助け合うべきだ」と押し付けようとしていることがそもそもおかしいのです。

戦後の教育基本法は、戦前の教育勅語に込められていた儒教的要素を徹底排除することから始まりました。それは、教育勅語の中にある日本型儒教思想が尊王攘夷思想の発露そのものだったからです。つまり絶対権力である天皇を父とする日本国の家族的形態の強化と、富国強兵を目途にして、儒教的世界観で精神論を謳いあげた教育勅語は、国家主義と外国排斥の思想に他ならなかったのです。

安倍首相は先日、園児に教育勅語や軍歌を歌わせることで話題になっている塚本幼稚園を運営する森友学園の園長について「思想を共有する方」と国会で答弁しました。安倍首相と自民党は、教育勅語の歴史的な意味、そしてそれに対する反省から始まった戦後教育の歩みを無視して、家庭教育や学校教育の在り方を根本的に変えようとしているようです。しかし、公権力が家族や家庭教育の領域に安易に踏み込むことを許してしまうと、個人や各々の家庭・家族の自由が奪われることになりかねません。これは私たちの生活に直結する問題です。今後の展開に十分に目を光らせなければなりません。

「性暴力を禁止する法律を育てていく」/あらゆる性差別を禁じる“Title IX”のコーディネーターに聞く、アメリカの今

昨年は、東京大学、慶應大学、近畿大学、千葉大学などで起きた、大学生による悪質な性的暴行事件が報道された。発覚した事件は氷山の一角だとも思われ、キャンパス・レイプ事件への大学の対応も問われる状況となっている。

キャンパス・レイプはアメリカでも深刻な社会問題となっている。キャンパス・レイプを巡る、警察、司法、そして大学の対応の問題をえぐり出したジョン・クラカワーの『ミズーラ』(亜紀書房)は、アメリカでベストセラーとなった(多発するキャンパス・レイプ 「レイプの首都」と呼ばれたアメリカの大学街で起きた普遍的な性暴力を巡る問題)。

アメリカには、1972年に制定された教育改正法第9編(以下、Title IX)という、連邦が財政支援をする教育プログラムや活動における性差別の禁止を規定した法律がある。オバマ政権下の2011年、教育省公民権局が、Title IXに定められた「性差別」は、学生同士の性暴力やセクシャル・ハラスメントも含むと明確に示した教育関係者向けの「同僚への書簡」(Dear Colleague Letter)を出したことで、教育現場における性暴力対応が大きく変わった。また司法省と教育省は連名で、トランスジェンダーの学生に関する「書簡」を2016年に出した。これによってTitle IXは性自認やトランスジェンダーであることに基づく差別をも含むとし、トランスジェンダーの学生が教育を受ける上で不利益を被らないためのガイドラインが提示された。

現在、トランプ政権下のアメリカでは、女性や性的マイノリティ(LGBT)の人権に関する様々な政策への反動が懸念されているが、Title IXが関係する学校での性暴力撤廃への動きも、トランスジェンダーの差別撤廃の動きも後退するのではないかと不安視されている。

オバマ政権時代にTitle IXに関して、アメリカの大学では具体的にどのような変化があったのだろうか。また、現在の課題はどのようなものなのだろうか。トランプ政権のもとではどうなってしまうのか。私の勤務校であるモンタナ州立大学(モンタナ州ボーズマン市)のTitle IXコーディネーター、ジル・シェーファーさんに、トランプ政権に移行する直前の昨年12月にお話を伺った。シェーファーさんは大学のOffice of Institutional Equityという、差別やハラスメントなどに対応する部署のディレクター。性差別のみならず、他のあらゆる差別に対応する仕事を担当しているが、今回はTitle IX関連、特に性暴力対応に焦点を当てる。

◎オバマ政権下でのTitle IX

オバマ政権は「同僚への書簡」の後も、2014年にキャンパスでの性暴力に関してホワイトハウスのタスクフォースを作るなど、積極的に大学での性暴力問題の対応を行った。アメリカでは連邦の財政支援を一切受けていない大学というのは少数の例外を除いてほとんどなく、全米の大部分の大学にTitle IXが適用されるため、政権による一連の対応が与えた影響は甚大で、大半の大学で性的暴行の訴えに対応する方針や制度を変えなくてはならなくなった。

まず2011年の「書簡」によって、性差別のみならず、性暴力、セクシャル・ハラスメント、ストーキング、親密な関係間の暴力(デートレイプやDVなど)その他のすべての性的な違法行為がTitle IXの範疇だと示された。そして、大学で雇用されている人たちは、学生の性差別や性暴力、セクハラなどの被害について聞いた場合、迅速に(24時間以内に)Title IX担当者に報告するのが義務と定められた。被害当事者が報告をためらったり、迷っている場合でも、事件を聞いた教職員には報告義務がある。教員のみならず、学長、事務方や寮の学生アシスタント、清掃担当者まで、フルタイム、パートタイムや客員などのステータスに関わらず、大学に雇われている人たちは全員が同じように報告義務を負う(例外は秘密保持義務が関わる医療関係者やカウンセラーなどのみ)。そして、性暴力やハラスメントに関する全教職員向けのトレーニングも必修となった。

さらに、性暴力事件の報告を受けた大学は、捜査を迅速に開始し、進めなくてはならないとも定められた(裁定には60日間の期限が推奨された)。このため大学は、性暴力の訴えがあった後、しばらく対応をせず放置しておくとか、警察の捜査の結果を待ってから調査をするなどはできなくなった。そして、刑事司法制度において使われる「合理的な疑いを挟む余地がない」の基準、すなわち事件が起きたかどうかについて、疑いが残る場合には事実認定ができない、いわゆる「疑わしきは罰せず」という基準ではなく、民事訴訟で適用される「証拠の優越」(preponderance of evidence)という、より低い立証ハードルの基準が大学内での性的暴行事件認定において使われることを義務付けた。要するに、この「書簡」以降、被疑者が罪を犯した疑いの方がより強ければ、訴えられた側の責任を問える制度になった。レイプという犯罪を行った学生が罪を逃れるケースを減らすため、軽い立証責任としたのだ(クラカワー『ミズーラ』p.255)。

2011年の「書簡」の内容は、ブッシュ政権時の2001年に教育省から出された指針とそう大きく違う内容ではなかったとシェーファーさんは言う。だが、2011年は、政権の取り組みの真剣度に加え、学生たちの性暴力反対の運動の広がりなどの要素もあり、2001年に比べて影響力が大きかった。シェーファーさんは「Title IXは使う人たちが育てる法律だと思う」として、学生たちの運動や、名乗り出たサバイバーたちの役割の大きさも強調した。また「ついつい日々この仕事をする中で、まだまだ課題が大きいと思ってしまいがちだけれど、考えてみたらこの5年での大学での変化はすごく急速なものでした。大学という組織は通常、変化は遅々としたものなのですが、Title IXに関しては本当に変化が大きかったと思います」ともシェーファーさんは語っている。

◎もし学生が性暴力の被害にあったら?

2011年の「書簡」以降、全米の大学で多くのTitle IXコーディネーターが雇われることになった。シェーファーさんもその時からTitle IXコーディネーターとしての仕事を他大学で始めたという。

Title IXコーディネーターは、学生が被害を報告しやすい、信頼できる環境を作るとともに、被害者が授業やカウンセリング、そのほかの助けを求めている場合には、様々な部署や教職員と連携を取りつつサポートする。さらに、Title IXコーディネーターは、通常の性暴力やハラスメントの被害者支援活動とも少し異なり、被害者一人のサポートに限定されず、大学や、その中の組織や場所などのコミュニティも視野におき、コミュニティそのものが安全な場になるようにする仕事でもあるという。

実際、学生が被害にあった場合、どういうプロセスを経るのか。モンタナ州立大学の場合について、シェーファーさんに聞いてみた。

1.被害学生の話を聞き、正式に告発を希望された場合は書類を作成する。
2.訴えられた側に知らせがいき、Title IX担当のオフィスによる調査が行われる。訴えた側、訴えられた側双方や証人の話を聞き、セキュリティカメラの映像、ソーシャルメディアでの発信、写真やビデオがあるならその検証など、ありとあらゆる方向から調査を行い、記録する。
3.Title IXオフィスが結論を出し、両側に知らせる。その後、訴えた側、訴えられた側双方に、再度回答の機会がある。
4.Title IX担当オフィスがさらなるアセスメントを行い、最終的な結論を出す。その後で訴えた側、訴えられた側に決定とその理由を知らせる。結論への抗議(アピール
は訴えられた側のみならず、訴えた側もすることができる(これは2011年の「書簡」で要求された点だ)。
5.結論が確定し、加害があったと認定されたら、被害者個人、及びコミュニティにとって二度と同様なことが起きないように、加害者に罰則を与える。裁定の最大の罰則は退学となる。

なお、一連の調査や決定は、警察の捜査とは独立してTitle IXオフィスにより行われる。適用される基準が異なることもあり、決定が司法刑事制度による判決と異なることもありうる。

私は、ミシガン大学の大学院生の時にストーキングの被害にあったことがある。1990年代で、Title IXに性暴力もストーキングも含まれてはいなかった時代だ。その時には、ミシガン大学の「学生行動規範」に基づき私が原告として訴え、学内裁判のような審問(ヒアリング)のプロセスを経て、被告側の学生への処分決定が出た。私の場合は裁判長役のロースクールの教員が決定を下す方法となったが、裁判員システム的な方法を使う場合もある。クラカワーの『ミズーラ』では、「学生行動規範」のもとでの大学裁判所での審問を通じて、被害者への二次被害がこれでもか、これでもかと積み重ねられていく様子が描かれていたが、当時のミシガン大学の「学生行動規範」による制度にも審問が含まれており、同様の事態が起きうる。私自身、審問の間、被告側の学生(加害者)とは同室にいなくてはならず、さらに質問にも答える必要が、相当の緊張や恐怖を強いられる経験だった。

2011年の「書簡」は、以前はほとんどの大学で実践されていたという、告発者への反対尋問を行わないことを強く推奨した。シェーファーさんによれば、今もまだ「学生行動規範」モデルを使っている大学もあるが、その数はだいぶ減ったという。例えば現在のモンタナ州立大学では、コーディネーターの指揮のもとにTitle IXオフィスがすべての調査を行い、告発した側、された側が同席する審問は行わずに結論を出す。

私がストーキング被害にあった際には自ら大学警察、市の警察、隣の市の警察など複数の警察や、大学内でも複数のオフィスに連絡せざるを得なかった。また、被害者が複数いた事件だったため、同じ大学のみならず、近隣の様々な街や隣町の大学にも広がっており、被害届が別の警察署に出され、横の連携が取れないという問題もあった。そもそもストーキングなどの犯罪は、必ずしも大学キャンパス内で起きるのみならず、どこでも起きうるものだ。シェーファーさんに聞いてみると、現在のTitle IX担当者は、そうした様々な関連機関の連携を担う役割をも担っているという。被害者にとって、同じ自らが被害にあったストーリーを何度も繰り返し違う人たちに説明をするということだけでも、ストレスが溜まる経験であり、二次被害ともなりうることだからだ。

クラカワー『ミズーラ』で描かれたモンタナ大学(モンタナ州ミズーラ市)で2012年に発生したレイプ事件の場合、2011年の「書簡」送付から半年も経っていなかったため、大学側が立証責任の新基準を学生行動規範に反映するのが遅れており、どの証拠基準を採用するかで混乱があった。また、州の高等教育局も「書簡」で定められた「証拠の優越」基準を無視するなど、制度があまりに整っておらず、問題がある対応が目立った。その後、ミズーラのモンタナ大学にはメディアが注目し、米国司法省の調査が入るなどもあり、制度の変更を余儀なくされた結果、性的暴行対応の制度は大幅に改善されたと、現役の同校教員は語っている。

◎トランスジェンダーに関する「書簡」

もう一つ、オバマ政権が大学キャンパスに与えた大きな影響は、LGBTへの差別撤廃への動きだった。2014年、オバマ大統領は、職場におけるLGBTの差別を禁止する大統領令を発行。そして、 2016年には、教育省公民権局と司法省公民権局が連名で、トランスジェンダーの学生に関する書簡(Dear Colleague Letter)を出した。学生の性自認やトランスジェンダーであることに基づく差別もTitle IXが禁止した性差別の範疇だとしたのだ。

例えば学校は、学生が望む性自認に合わせて、大学関係書類を発行したり、学生が望む性別の代名詞を使って呼ばれるようにすること、またトランスジェンダーの学生の性自認にあった、トイレやロッカールームなどの設備を使える環境を整えることなどが必要だとした。シェーファーさんはこの書簡をとても充実したものだと高く評価するが、その反面、ほとんどの大学はこの書簡の内容に従う準備が追いついておらず、反発や混乱も大きかったともいう。

こうしたオバマ政権の一連の政策により、大学におけるLGBTに関する対応は大きく変わった。さらにそれとともに、あるいはこうした動きをリードした形で、大学キャンパスにおけるLGBTの学生たちの積極的な運動が与えた影響は多大で、モンタナ州立大学も全く例外ではなかった。ちょうど私がモンタナ州立大学にきてすぐにオバマが大統領に就任したが、この8年間、LGBTの学生団体が大学や市、地元メディアへの働きかけなどを積極的に行い続け、LGBTをめぐる状況は大きく変化した。

◎課題は何か

現在のTitle IXに関連した課題は何か。

「何よりもまず、被害が報告される数を上げることです。レポートしやすくすること」それをまず達成することが現段階では重要なのだとシェーファーさんは強調した。被害の届け出が増えるということは、人々がそれについて話しているということ、そういう環境が作られているということになるから、と。被害の届出が少ないのは、事件が起きていないというより、むしろ隠蔽されている可能性の方が高い。現段階では被害の届出が多ければ多いほど、大学内での性暴力対応の試みが成功していると解釈されると言うことだ。もちろん、事件がそもそも起きないような環境づくりも大切であることは当然だ。通常の職場などに比べ、大学は人の移り変わりが激しいことが特色でもあり、常に性暴力やハラスメント問題について教育しつつ、対話ができる環境を作ることも大切だという。

さらにシェーファーさんは続けた。

「キャンパスでの性暴力問題が、白人でヘテロセクシャル、シスジェンダー、上流階級の問題として認識されがちであることも大きな問題なんです。沈黙させられている学生層がまだまだたくさんいます。特に留学生は沈黙させられていることが多く、最大の課題だと思います」

性暴力に対応する上でも、人種、民族、セクシュアリティや性自認、階層や障害などに基づく様々な状況や差別も絡む。常に「インターセクショナリティ」を意識して対応する必要がある問題なのだとシェーファーさんは強調した。

さらには、アメリカの大学が変わり、これだけ性暴力対応をすべきだという機運が高まり、教職員にも対応義務が生じた。良い展開なのだが、そんな中で、「教員や職員の中にも、性暴力のサバイバーがいるのは確実だろう。これだけ性暴力の対応をしなくてはいけなくなった状況で、サバイバーの教職員は実は自らが抱えるトラウマを想起させられるなど、厳しい思いをしている場合もあるのでは」という思いも頭をもたげるという。そうした教職員自身が抱えてしまうかもしれない問題の対応については、まだまだ話されていないことで今後の課題だという。

シェーファーさんは続ける。

「キャンパスの性暴力の問題は、グローバルな課題でもあるんです。例えば、モンタナ州立大学の学生が交換留学などで海外に行った場合どうなるのか、我々は我々の基準で対応したくても、現地ではまた違うかもしれない。そうした場合、自分たちの大学でだけ性暴力問題に対応しているから良いという問題ではないわけです」

シェーファーさんによれば、今、キャンパスでの性暴力問題については、インド、カナダ、オーストラリア、イギリスなどでも議論が起き、そうした国々の人たちとも情報交換ができる状況になってきたという。

「日本は今、どうなっているんですか? 日本もこの国際的に行われているキャンパスの性暴力をめぐる議論に入ってくれたらすごく意味がある。色々情報交換をして、一緒にキャンパスの性暴力の問題を解決していきたいんです。そういう意味でも、『ミズーラ』が日本語に翻訳されたのは、とても意味があることだと思います。『ミズーラ』について日本の読者がどういう感想を抱いているのか、ぜひ私も知りたいですよ」

さらに、2016年に「書簡」が出たばかりの大学でのトランスジェンダー学生への差別の撤廃に関しては、大学での対応が追いついておらず、課題は山積みという状況であるという。トランスジェンダーのトイレ問題はアメリカの保守派の反発が特に強く、トランプ政権となった現在、LGBTの権利の中でもトランスジェンダーへの差別撤廃は最も後退が危惧される状況となっている。

◎トランプ政権でどうなるのか

トランプ政権下のアメリカで、女性やLGBTの人権に関する政策の後退が懸念されている。そんな中、トランプ大統領は、富豪で教育問題の慈善家ベッツィー・デボス氏を教育省長官に指名した。デボス氏は公教育に関わった経験がなく、承認に関する上院公聴会でも知識の少なさを露呈し、批判が殺到した。2月14日、デボス氏の承認投票は上院において異例の賛否同数となり、史上初めて議長を務めるペンス副大統領が投票する展開となり、ようやく承認された。

このデボス氏の公聴会で、2011年のTitle IX「書簡」、すなわち学校における性暴力についてのガイドラインに関する質問があった。だが、自身の立場を問われたデボス氏は、それについて答えるのは時期尚早だと述べた。もともとTitle IXに基づく性暴力対策にトランプ政権は消極的なのではないかと懸念されてはいたが、このデボス氏の回答によって、アメリカの教育現場における性暴力対応の後退の可能性が高いと考えられる状況だ。

トランプ政権下では、キャンパス・レイプの問題に関しても、トランスジェンダーへの差別撤廃に関しても、後ろ向きになることが予測される。シェーファーさんは、「今後どうなるかは現段階(2016年12月)ではわからないが、法律が変わらない限り、今までの動きを大学では続けたい」と答えた。積み重ねてきたこの動きはそう簡単に止まるようなものではないはずだと。

現実にはまだまだキャンパスにおける性暴力問題は解決とは程遠い状況でもある。クラカワーによれば、大学の審理プロセスは各校でかなりばらつきがあり、混乱状態で方針が機能していない大学も多いという(クラカワー p.478)。性的暴行やセクシュアルハラスメントなどに関して、Title IXの規定に基づき、連邦政府が大学の取り扱いに不手際があったとして捜査を行なったケースは367件にものぼり、そのうち解決されたのは58件にすぎない(2017年2月15日現在)。デボス新教育長官の下で、過去8年間Title IXのもとで急速に進んできた様々な取り組みが今後どうなるのか、予断を許さない状況にある。

追記:2月22日、NYタイムズ紙など米メディアは、トランプ政権が、オバマ政権が2016年の「書簡」で出したトランスジェンダーの生徒や学生の性自認にあったトイレやロッカールームなどの設備を使えるように求める指針を取り消す予定だと報じた。間も無く新たな指針が出されるという。

追記2:現地時間の2月22日、トランプ政権は新たに「同僚への書簡」を出し、オバマ政権のトランスジェンダーの生徒や学生が、学校や大学で自らの性自認にあったトイレを支える環境を整えるとした指針を取り消した。(NYタイムズ記事)デボス教育長官が指針撤回への懸念を示したものの、セッションズ司法長官やトランプ大統領が強くオバマ政権の方針撤回を推したと報道されている。

■ 山口智美
モンタナ州立大学社会学・人類学部教員。ミシガン大学大学院人類学部博士課程修了、Ph.D. 日本の社会運動を研究テーマとし、70年代から現在に至る日本のフェミニズム運動、2000年代の右派運動などを追いかけている。共著に、『社会運動の戸惑いーフェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』(斉藤正美・荻上チキとの共著、勁草書房2012)、『海を渡る「慰安婦」問題ー右派の歴史戦を問う』(能川元一・テッサ・モーリスースズキ・小山エミとの共著、岩波書店2016)、共編に『行動する女たちの会資料集成 全8巻』(行動する会復刻版資料編集委員会編、六花出版2015, 2016)など。現在、『田嶋陽子論』(斉藤正美との共著)と、日本の草の根保守運動についての単著を執筆中。「24条変えさせないキャンペーン」呼びかけ人。

認可保育園「見学しない派」が、申し込みの希望順位を決めた基準とは?

保活における情報収集作業で、大きなウエイトを占めるのは〈園の見学〉でしょう。保育士たちの子どもへの接し方や、在園児たちの雰囲気など、自分の目で確認しておくべきポイントはたくさん。ところがどれだけ入念に見学したところで、最終的には内定をもらえた園に行くよりほか、道はありません。そのせいか保活時には、〈見学する派〉と〈見学しない派〉にわかれます。私の場合は、〈極力しない派〉。認可保育園の〈一定基準はクリアしているという点を信用する〉と決めたことと、フリーランスなのである程度融通がきくとはいえ仕事時間を見学に削られるのは結構痛い、という2点が大きな理由です。かわりにネット上の情報と、ひたすら想像してみた子どもの園生活を合体させ、自分なりの判断基準を設定してみました。

我が家のポイントは「園庭」「クラス人数」「情報量」「口コミ情報」の4つ。考え方は各家庭によってそれぞれですから、あくまで〈こうやって決めた例もある〉というだけの雑談ではありますが、これから保活を始める方へ何かしらのご参考になれば幸いです。

また、最後には0歳児時点での保活で失敗した際に見かけた、預けるには結構な勇気がいる認可外保育園もいくつかご紹介したいと思います。

◎やっぱり「園庭アリ」は優先項目

待機児童解消に向けて認可保育園の規制が緩和されたことにより、園庭のない保育園でも付近の公園などを〈代替〉とすることで、認可として認められるようになりました。受け皿を増やすためにはいろいろな形が必要でしょうし、園庭がない分毎日いろいろな公園で遊べる楽しみや、集団で公道を移動する際のルールが身につきやすくなるなど、いい面もたくさんありそうです。

でもやはり園庭があれば、お天気が微妙な日などに短時間でもパッと外に出てリフレッシュできるというのは大きな魅力です。子どもによっては、外遊びできないとフラストレーションがたまりまくる! というタイプもそこそこいそう。プロの保育士たちが長年の経験と知識を持って対処してくれているでしょうからこう考えるのは申し訳ないとは思いつつも、園庭のない環境だと梅雨時なんかは室内が何だか荒れそう……という心配が。やや小心者っぽい雰囲気がチラホラ見受けられるようになってきたわが子が、部屋の隅で萎縮している姿も想像してしまい、園庭優先ということにしました。もしかしたら自分自身が、ものすご~く狭い(全校生徒が校庭に出るとみっちみちになり、体育館は地下!)都内の某小学校に通っていた反動かもしれません。

◎クラスの人数は、多すぎず少なすぎず

認可保育園はめったなことでは空きが出ませんから、小学校に上がるまでの平日の日中、ほぼ固定メンバーで過ごすことになるでしょう。お友達とは「誰とでも仲良く遊びましょう!」なんていっても、どうやってもお互い水が合わない相手が出てくるのは当たり前。そんなとき、一番無難な対策法は〈無理して仲良くしなくても、気の合う相手と遊べばいい〉だと思いますが、あまりに少人数だとそれができないのが辛そうです。

なんてことを考えてみると、4~5歳クラスの各定員20人程度の園が妥当かなと思いました(園の総定員にして100名前後)。もちろん保育ママや小規模園ならではの魅力もたくさんありますので、どれが一番! ということはありません。「うちの子だったらこんな感じがいいかな」という程度のお話です。

◎新設園や民営化予定園など、運営会社の情報が少ない園は希望順位を低めに設定

昨今は区立の保育園が次々と民営化されたり、待機児童対策により新設園がどんどん設立されていきます。そのため新設園の場合はどんな保育をしているのかという実際の評判が存在しないこともあります。またタイミングよく室内を見学できてもオープン前では〈保育現場〉が確認できないことから志望者が少なくなる傾向があり、だからこそ〈狙い目〉という考え方もあります。

でも、自分はそういう新設園に不安を感じる派。某保育園では〈オープン後1年の間に、次々と保育士がやめていった〉なんて話もあり、入園した子供たちが落ち着いて過ごすどころではなさそうです。今年はさらに〈数年後に民営化になるけれど事業者は未定〉なんて園が少なくありませんでした。これもまた不安要素は同様です。認可保育園に入れる可能性が限りなく低いこのご時世、情報の少ない園をリストから外すということまではできませんでしたが、希望順位は限りなく下げたのでした。

◎ネットで拾う口コミ情報は「転職サイト」もチェック

地域の評判や、ママ友からの〈口コミ〉情報も大きい判断材料です。それらはもちろん、私はネット上の口コミもどんどん検索していきました。保育園の情報が掲載されるサイトの運営方針によっては〈特定の事業者に対してのネガティブな内容の書き込みは禁止〉などのルールが設けられていたりもするので、ネット上の口コミ情報は比較的いい話に偏るのが難点ですが、〈転職サイト〉はそれを補ういいヒントになりました。

私立の場合、保育園名ではなく運営会社で検索すると、現場からの声と思われるクレームが書き込まれているところもあります。施設がいくらキレイで素敵でも、そこで働く保育士さんたちが不満を爆発させているような環境は、結局のところ子供へしわ寄せがくるはず。それらの園に加え、建設時に地域で反対運動を起こされていた経緯があったりする園もリストから削除。周囲からクレームが来るので窓を開けられなかったり園庭が使えなかったり、いろいろと大変なようです。

◎個性的すぎる園は、詳細を要確認

以上が我が家の認可保育園を選んだ基準ですが、入園後に「保育方針がていねい過ぎてついていかれない」と転園申し込みをした地方在住の友人がいました。その地域では超有名な自然派園とのことで、持ち物はキャラ禁止、裸足で泥んこになって遊ぶので着替えは毎日10組。これだけでもひえ~と思っていたら、各種袋ものの中に〈どんぐり入れ〉という項目があるのが極めつきでした。その袋が手づくりであることはもちろん、名前も〈刺繍〉で入れること必須。「マジックで書いちゃダメですか」と聞いたところ、サクッと却下されたそうです。ダイナミックな制作物や、広大な敷地、大型動物の飼育など魅力は大きかったけど「とにかく、めんどくささに負けた」と、友人。傍から聞いていると大笑いなのですが、当人はさぞかし大変だったことでしょう。

友人の場合は年度途中の転居などもあり、その自然派園しか空きがなかったので選べる状況ではなかったという事情もありますが、数ある中から事前に候補を絞れるなら、あまりに自分と教育方針がかけ離れていたり、子どもの性質と合わなそうな保育内容の園は、避けられるなら避けておきたいところです。それにしても、どんぐり入れ袋って(笑)。

ということで個性的な園は〈毎日の持ち物などもよくチェック〉という項目も付け加えておきましょう。

◎認可外は、見学必須!

それぞれの特色が強い認証保育園やベビーホテル等の場合は、逆に〈見学必須〉と言えるでしょう。いくつか見学した中で強烈だったのは、室内をひと目みた瞬間〈カオス〉という単語が頭をよぎった保育所です。昨年2月に認可保育園に落ちた後、保険となる園をキープできていなかったため、大慌てで〈4月からの0歳クラスに空きはないか〉〈今どれくらい順番待ちがいるのか〉とかたっぱしからメールで問い合わせを開始。普通はその時期、とっくに申し込みなど終わり既に入園者が決まりつつあるころですから、当然のごとく返信はありません。ところがその園からは即レスで「0歳さん、預かれます!」と返信が届いたのです。え、本当!? と一瞬嬉しくなると同時に、「この時期に空いてるって、なんだろう」という気持ちも……。

保活激戦の都内は、認可落ちした場合の保険としていかに早いタイミングで認可外を抑えておくかが勝負になり、この時点で空きがあるなんてことは、珍しいを通り越し何だか怪しい。結局怖いもの見たさで見学してみたのですが、いやあ、すさまじかったです。狭くて急な階段を上がった雑居ビルの2階にあった保育所は、0~5歳が1部屋で過ごし、ギャワ~と泣き叫びながらバンボに座らせられている乳児の周りを、4歳くらいの男児たちが戦いごっこをしながら全力で走り回り、ベソベソとぐずっている園児には「泣けばかまってもらえると思ってるわけ?」と園長から厳しいお言葉がぴしゃり。そしてその中を、一番年上かと思われる女児が、一生懸命小さい子を抱っこしたりおもちゃを渡したり、忙しそうにひたすら働く働く。「うちは大家族みたいな感覚なんです」とのお話でしたが、なるほど雑然とした部屋の状況といい、ビッグダディとかそっち系の大家族のイメージとは完全一致です。

さらに離乳食はおろか麦茶などの飲み物も全てパックのものを保護者が持参、普通食が食べられる年齢になるとお昼は保育所が注文する仕出し弁当を食べさせるとのことで、栄養的にもちょっと心配。「ここに預けるくらいなら、仕事辞める」と思えてきました。これでも第3者評価だけ見れば、問題があるような園には見えないんですよね。

このほかに「たったさっき、0歳クラス1名空きが出ました!」と連絡をくれた認可外保育園は、24時間土日も預かりOKという、夜のお仕事の保護者にはありがたい条件でした。認可保育園では〈通常保育は9~18時〉〈朝は9時までには登園〉などのルールがあるのに対し、ここは〈昼過ぎでも、連れてきた時間から契約した時間内を預かりますよ〉など、認可にはありえないゆるゆる規則。さまざまな国の子どもが在園していたり、超絶柔軟な対応など、自由業の身にはかなり魅力がありましたが、ずるずると自分の不規則生活が子供にも影響しそうな気がしてしまい……。シャワー室がワンルームマンションのユニットバスそのまんまだったり、子ども用のトイレも微妙に狭くて暗いなど、水回りがやや不快だったのも、および腰になってしまうポイントでした。それでも認可に落ちてからの園探しという状況だったので、〈0歳の間だけならギリギリ許容範囲〉ということで、入園金+1カ月の保育料前払いで10万近く支払いましたが。

その他には午睡光景がまるで〈タコ部屋〉状態になっている園も、凄かったです。ベビーベッドに頭を突っ込んで寝ている大きい子や、団子のように固まって寝ている推定1~2歳児など、事故が起こりそうで、ああ怖い。これらの認可外保育園を見たあとで、その次の年のためにといくつか認証園を見学しましたが、そこでは美しく整列したコット(簡易ベッド)に園児がひとりひとり気持ちよさそうにおさまり、仰向けOR横姿勢ですやすや眠っているではありませんか。ああ、やっぱりこういうところに預けたい! 結局その後、たまたま問い合わせをしたタイミングがよく、至れり尽くせり愛情たっぷり保育してくださる認証保育園の0歳クラスに決まったので、本当にラッキーでした。

今しかできない体験と思えば保育園の見学も楽しく思えてきますが、育児家事仕事をしながらの見学は限度がありますので、闇雲に回るよりは自分基準を決めるのも、ひとつの手ではないでしょうか。それにしても、もう1度やれと言われたら全力で拒否したい活動です。有料でもいいから巷のお受験対策みたいに、傾向と対策と条件にマッチする場所を一緒に考えてくれるアドバイザーがいると、世の親たちはこのうえなく助かりますのに。何だか精神的に、どっと疲れた保活でした。これから先、もっといいシステムが生まれることを祈りつつ、保活に関わる皆様のご健闘をお祈りいたします!

(ムシモアゼルギリコ)