手コキ、どうしてる? 痛い「手コキ」にガマンする男子多し! 押さえておくべき2点

こんにちは。月経カップを洗面所に置き忘れていたのですが(実家暮らし)、物干しハンガーにぶら下がってました。父よ……なんだと思って洗ったんだろうか、大根 蘭です。

 セックスのとき、オッパイを鷲づかみで力強く揉みしだく彼に対して「痛いっつーの。AVの観すぎ!」と苦痛に感じる女性は今なお少なくないのではないでしょうか。「ホント、男って……」と思っているアナタ! アナタも男性に対して痛い思いをさせている可能性があるんです! 人のふり見て我がふり直せ、ということで、今回はチンチンを愛撫するときの「手コキ」についてです。

◎「手コキ」でイタイ思いをしている男性多し

 フェラに関しては探究心を持ち、熱心にリサーチをしている女性も多いと思います。では、「手コキ」はどうでしょう? フェラに必死なあまり、手コキは適当になっていませんか? とはいえ、風俗店では重要なテクニックのひとつではありますが、通常のセックスでは取り入れない方もいるでしょうし、フェラをする際、“なんとなく”手も一緒に動かしているという方も少なくないと思います。しかし! この手コキに対して「痛い!」と心で叫んでいる男性が、なかなか多いようです(※怒りがこみ上げるほど痛いのに、気を遣って「気持ちいい」と言っていることもあるようですよ……)。

 手コキテクを学ぶために、男性同様AVや動画を観る女性もいますが、男性が女性のオッパイを激しく揉みしだくのと同じく、AVの演出として強く擦っている(もしくは、映像だと力強く上下に動かしているように見える)ものを観たって意味がありません。そんな私も今まで「口だけでヤッてほしい」派の男性と対峙することが多かったため、たま~に手コキ機会があると力加減がわからず、静かなるパニック状態で探り探りやってきました。もしかしたら、痛みを与えている可能性大です……。

 手コキは、上下運動のほかにも「指2本で竿を~」「両手で包んで~」「尿道は舐めながら~」などなどたくさんのテクニックがありますが、それはまたの機会にお伝えできればと思います。今回は、テクニックの前に知っておくべき注意点をお伝えしていきますので、心に留めていただきたく候。

◎「痛い!」理由は?

 男性が手コキで痛いと感じる理由には「力が強すぎる」「皮を引っ張りすぎ」の2点があります。ちんこの感受性には個人差があって、ちょっとした刺激でも痛みを感じて萎えてしまう人もいれば、強く握りながら上下に動かしても大丈夫な人もいます(女性のクリに対する感じかたと同じですね)。必死になるあまり、勃起しているカッチカチ状態のちんこは繊細である、ということを忘れ、無意識に強く握ってしまっていませんか? ちんこは全体的に皮膚が薄く繊細な場所だということを忘れないようにしてください。

 また、皮膚が薄い上に乾燥している状態で擦られると、摩擦が痛みを感じさせてしまうので、フェラの時よりもさらに唾液をたっぷり出してちんこをコーティングしておくか、ローションでヌルヌル状態にしておくことがポイントです。

◎「皮と一緒に上下」は仮性包茎のみ!?

 ちんこの皮は、引っ張られると激痛を感じる場所だそうですが、「痛い手コキ」で1番多くみられるのが、「上下運動の際に思いっきり皮を引っ張っられる」こと。私自身、調べていく中で驚きの事実がありました。手コキのテクニックとして「皮と一緒に上下する」といつかどこかで学習した記憶があります。ただ、ここには忘れてはいけない重要な大前提があったのです。それは「仮性包茎の場合は」ということ。

 「日本人男性の半数以上は仮性包茎」と言われていますが、仮性包茎の場合は、勃起した状態でも、表面の皮だけが動くほど皮に余裕がある状態です。さらに、膨張率(通常時と勃起時の差)が高くなるとさらに皮は余るようです。この「仮性包茎」なら「皮と一緒に上下」で間違いないのですが、逆に包茎ではない場合や、皮が余っていないちんこの場合、無理に上下に動かそうとすると亀頭と竿のつなぎ目部分に痛みを与えてしまうようです。

※仮性包茎でも皮の余り具合はそれぞれなので「皮確認」は必要です。

 仮性包茎ではない人・皮がほとんど動かない男性への手コキは、ちんこを握って上下運動をする際に(唾液をたっぷりorローション活用で)、手とちんこの皮膚同士の摩擦が強くなりすぎぬように心がけましょう。

◎STOP! 強い「手コキ」

 男性のオナニーは基本的に手コキ。つまり、普段のオナニーの仕方次第で、刺激に対しての感じかたは大きく変わってくるものだと思います。普段は刺激弱めのオナニーをしている男性の場合、「彼女の力任せな手コキが痛い!」と悲鳴を上げるでしょうし、逆にいつも強めに握ってオナニーをしている場合は「弱すぎて全然感じない……」と物足りなく感じるかもしれません。「普段、どんな感じで握ってるぅ~?」なんて聞かれても、まぁ答えにくいでしょうから、優しい愛撫からはじめて、相手の反応や強弱の加減を聞いてみるのが得策だと思います。

 ただ、個人的に思うことですが……男性のオナニーは“射精するため”の手コキなので、セックスの前戯として行う手コキでは、強さよりも“ヌルヌルの状態”や視覚的な興奮、焦らし効果のためにも、弱めの手コキの方がいいんじゃないかなぁ~と思っています。膣圧より強い力の手コキをして(普段のオナニーで力強い手コキに慣れている男性もそうですが)、その強さに慣れてしまうと、挿入してもイケない「膣内射精障害」になってしまう危険性もあるので、気をつけてください!

(大根 蘭)

夫とのセックスがどんどんよくなる――。セックスフルのまま迎えた結婚19年目/加奈子さん45歳

出会いは友人の結婚式。1年間の遠距離恋愛を経て結婚した4つ年上の会社員の夫を持つ専業主婦の加奈子さん(45)は、雑誌『STORY』(光文社)の読者スナップに掲載されていても不思議ではない、イマドキの清潔なカジュアルスタイルをサラっと着こなす美人。白い肌と頬のツヤが印象的でさぞかしお手入れにも余念がないかと思いきや……現在18歳・16歳・13歳男子と、10歳の女の子の子育て真っ最中で、普段は子育てに追われてイライラすることも多いそうだ。それでこの美貌ってどれだけ神は不公平なのかと思ったが、そんな加奈子さんのストレス発散はずばり、セックスだと聞いて合点がいった。結婚19年目の夫とのセックスは現在も<気持ち良さ>を互いに探究、追求する日々が続いているという。驚きの連続であったインタビューの全貌をどうぞ。

◎夫とのセックスを楽しむために、避妊リングを装着

――毎日4人のお子さんの子育て、お疲れさまです。ところで、いまは避妊リングを装着していらっしゃるとお聞きしているのですが?

「はい。5年前からミレーナという避妊リングを使っていて、ちょうどそろそろ交換時期になります」

――避妊リングを使ってみようと思われたきっかけを教えていただけますか。

「結婚当初から、子供は4人欲しいと考えていたんですね。30代後半までで予定通りに順調に授かることができましたし、もう4人以上は子供は育てられないなぁと。これからは、純粋にセックスだけ思い切り楽しみたいと思うようになりました。でもまだ生理はあるので妊娠の可能性はゼロではありません。同じ頃、生理前のPMSの症状が突然酷くなってしまって。そこで産婦人科の先生、女医さんなんですけれど、その方にライフスタイルやPMSについて相談してみたところ避妊リングを勧められたので……使ってみることにしたんです」

――リングを装着するとPMSが軽減されるということでしょうか?

「はい、ミレーナは黄体ホルモンを子宮内に持続的に放出するシステムなんです。これにより子宮内膜は薄い状態を保つことが出来、月経量が減少するとともに、つらいPMS症状の軽減が期待できるんですね。これのおかげで、私はPMS時の一番の悩みだった吐き気がピタリと治まりました」

――避妊、そしてホルモンバランスの安定というと、ピルもあると思うのですが、加奈子さんは避妊リングを選択されたわけなんですね。

「ピルだと、毎日必ず飲み続けないとダメですよね。私、自分の性格上、絶対に飲み忘れちゃうと思ったので。リングを選択したんです」

――費用はおいくらぐらいかかるものなんでしょうか?

「私が装着した5年前は検診費用なども含めて8万円ぐらいでした。でも、いまは価格が下がって、4万円ほどで装着することができるようです」

――最初からすんなりとリングが体に馴染むものなのか――。リング未体験の方はそこが気になるところだと思うのですが。

「最初からすんなりとはいきませんでした。装着してから1カ月間は不正出血が続いたり、お腹が痛かったり。あとやっぱり少し違和感があるんですね。落ち着くまでは1カ月に1度は検診に行きました。それが数カ月続いて……やがて体が馴れて、まったく平気になりました。いまはミレーナを装着していることさえ忘れているぐらいです。1年に1度、人間ドッグのときにずれていないかをチェックしてもらっています」

――体に異物を入れているわけですものね。最初はなんらかの反応があって当然かと。ミレーナを装着すると、排卵はするけれど生理の出血が少なくなったり、人によっては出血がなくなる場合もあるようですが。加奈子さんの場合は現在どんな感じでしょう?

「装着当初の不正出血が収まったあと、私の場合は生理の出血もなくなりました。でも生理前独特の感覚はあるんです。胸や乳首が痛いとか下腹部が痛かったりとか。けれど30日周期でその症状が必ずあるわけでもなく、たま~にそんな感じがするなぁ、という程度です」

「出血の有無では判断できなくなるので、もう少し年齢を重ねたらホルモンをチェックして調べてみようと思っているんです。閉経したら、もうリングは必要ないですものね」

――ミレーナは黄体ホルモンがついているので、更年期の症状を和らげる効果が期待できる、とされるお医者様もいらっしゃるようですが。加奈子さんは更年期を自覚することはありますか?

「最近あるんです。とにかくイライラしちゃうのと、あと動悸が激しくって。ただ子供が4人もいるので、イライラはそのせいかなって感じたりもするんですけれど」

――4人も育てていらっしゃるんですもの、日々のイライラは当たり前だと思います! ところで、4人のお子さまを共に育てていらっしゃるご主人さまとは、仲良しでいらっしゃいますか?

「会話はどうしても子供のことばかりになっちゃいますけど、仲はいいほうだと思います。主人は普段、仕事から帰るのがめちゃくちゃ遅くって。夜の12時を過ぎるのは当たり前なんです。だから平日の子育ては私。そのかわり土日は主人に完全にお任せですね」

――平日深夜まで働いて、土日はお子様の相手をする。すごくタフな旦那様ですね。

◎10日でも「久しぶり」。セックス充実の19年。

――「セックスを思いきり楽しみたいからミレーナを入れた」とおっしゃっていましたから、加奈子さんはとてもセックスに前向きなように思えるのですが……ご主人がそんなに激務だとセックスする時間が取れているのかどうか心配です。

「そう! そこなんですよ、なかなかセックスの時間が取れないのが悩みで。いま、リビングの隣の和室を主人とふたりの寝室にしているんですけれど……上の男の子たちがリビングで夜中までテレビを観ているんですよ。最悪なのは、そのままソファで息子が寝落ちしちゃったりしたとき。なんでそこで寝るの! セックスできないじゃない! と。まさかそれを言えるわけもないので、またそれでイラっと(笑)」

――お子さんが思春期、そこに日本の住宅事情が重なると、ほんとに夫婦のセックスは難しいですよね。のびのびセックスできる環境にありませんから。「早く自分の部屋で寝なさいよ!」と子供には声を大にして言いたいですね。

「私は各自部屋にこもってほしいのに、なぜかリビングに集まってくるんですね。集まると兄弟喧嘩ばかりしているくせに」

――リビングに集まってくるなんて、加奈子さんのお宅はいいご家庭なんでしょうね。普通、その年代だと部屋にこもりがちなのに。

「そうなんでしょうかねぇ(笑)。でも兄弟喧嘩は多いし。喧嘩が始まるととにかく家の中はしっちゃかめっちゃかですよ。そんなストレスを解消するのが、私にはセックスなんだと思います。だからたとえ子供がソファで寝落ちしているとわかっていても、どうしても我慢できないときはセックスしちゃいます」

――えっ!? ふすま一枚へだてて?

「はい。しちゃいます。主に明け方が多いんですけれど。夜はやはり主人も疲れているので、早々と寝落ちしちゃうことが多いんですよね」

――なるほど~。明け方、どちらが主に動き出すのでしょう?

「だいたい主人が。ゴソゴソっと私の布団にやってきます(笑)」

――ご主人さま、激務なのにアクティブ! もちろん加奈子さんもゴソゴソっとこられてイヤじゃないわけですよね?

「あの……私ね、好きなんですセックスが。それなのに、いまは子供もいるし、主人の帰りも遅いし思うようにできないじゃないですか。もうお互いにどうにも我慢ができなくなると、主人が半休を取るんですよ。それで午前中は家でセックスをして、終わると身支度して外で一緒にランチをして。そこから主人は会社に行くので、私はいってらっしゃいとそれを見送るんです」

――いいですねー。なんて仲良しなご夫婦! 素敵ですね~。

「そうですね、セックスの面では仲良しかも。でも普段の日常生活トータルで夫婦として仲良しかといえば……またちょっと違う気もするんですけどね」

――でも日常生活でいがみあっていると、セックスする気にもなれないかと。

「そうですね、そこはたしかに。嫌い、触らないで、となればセックスはできませんものね。ただ、私も主人もセックスを運動だと捉えている、という面があると思うんです」

――なるほど、運動ですか。ご夫婦のセックスの頻度はどれぐらいですか?

「週1、多い時は週2かな。昨日、久しぶりにしたんですけれど……10日ぶりでしたね」

――10日で久しぶり、ってなっちゃうんですね……。

「はい、あぁやっとできる! っていう感じでしたね」

セックスフルな加奈子さんご夫妻。そのスタイルは新婚当初から変わらないという。ただ、セックスの相性でいうと、最初から抜群というわけではなかった。セックスが好きな加奈子さんと、どちらかというと淡泊だったご主人。擦れ違いそうな相性を「どこが気持ちいいのか」「どうすれば気もちよくなるのか」と話しあうことで歩み寄って行き、最近ではご主人のほうがセックスに積極的になっているという。「確実に気持ちよくなるセックスをしているから、マンネリでも気にならない」と断言する加奈子さん。夫婦という長い時間を共にするパートナー同士のセックスだからこそ、しっかりと話し合うことがいかに大切であるかを痛感した。

◎夫は家族。家族だけれどもセックスもしたい。

――4人のお子さんを出産されていますが、出産後のセックスは怖くなかったですか?

「最初の子を出産したときは、やっぱり少し怖くって。3カ月ぐらいは空いたかな。でも下の子供たちのときは出産から1カ月後には再開していましたよ」

――出産後、セックスレスになる、という事例を多く聞きますが……加奈子さんの場合はそれもなかったと。

「出産後のセックスが痛くてイヤになる原因は、主に会陰切開をしたことにあると思うんですね。私も1人目の時はそれが怖くて3カ月待ちました。下の子たちは助産院での出産で会陰切開がないので、セックスも早めにスタートできたと思うんです」

――産後、ホルモンバランスの変化から、まったく性欲がなくなるという話もよく聞きますが。

「そんな話はお友達からよく聞くんですけれど。私の場合はまったく当てはまらず。妊娠中もずっとむらむらしていて、ひとりエッチも1日何度もしてましたし。なんでこんなにむらむらするんだろう、って自分でも思ってましたけど」

――出産してからは赤ちゃんの世話に夢中でレスになりがち。いったんレスになると、次はいつセックスを再開したらいいのか、そのスイッチを押すタイミングがわからなくなる……。それでもっと時間が経ってしまうと最終的には「もう家族だから」と。レスになった理由をそんなふうに話す人も多いようですね。でも加奈子さんの場合は家族でもちゃんとセックスは続けられていらっしゃる。

「家族という思いは私ももちろん強いです。昔みたいに、好き、好き、大好き! なんていう気持ちはもうありませんけれど。でも、それはそれなんですね。家族だけれど、私はセックスもしたいんです」

――さきほど、更年期かなと思うときがある、とおっしゃっていましたが、性生活のほうでそういう自覚はありますか? 更年期世代だと性交痛があるとか濡れにくくなる、という症状が出てきますが。

「今日は少し濡れにくいな、っていうのがありますけれど……それはここ最近に始まったことではないので。更年期じゃなく、体調のせいかなぁ」

――加奈子さんの場合、年齢と比例して、気持ちよさもグングンと上がってきているという感じですか?

「はい、どんどん気持ちよくなっています。年齢とともに、挿入時に気持ちいいと感じる場所が変化してきたと思うんです」

――変化ですか? それは、たとえば挿入時に奥のほうがよくなったとか?

「ええ。昔は奥ってただ痛いだけであまり好きじゃなかったんですけど。いまはもちろん浅いところも気持ちいいんですけれど、とにかく奥がすごくいいんです」

――年齢を重ねるごとに体も変化していくんですね。では、閉経を迎えたと仮定して。加奈子さんはそれをご主人に話されますか?

「はい、話します」

――うん、きっと話せますよね。それだけ体の関係がずっとあるご夫婦ならば。

「話したとしても、なにそれ? ぐらいの反応でしょうけど(笑)」

――それだけ旦那さまとのセックスが充実しているなら、ほかの男性とセックスしてみたいなぁと思ったことなんてないでしょうね~。

「それがあるんです。最近はたまに主人と3Pをしてみたいね、って話していて」

――ちなみにその3Pの構成は?

「私は、もうひとり女性を加えて、私と主人とその女性の3Pがいいんですけど」

――えっ!? そっちなんですね!?

「そうなんです。でも主人は、男性を加えての3Pがいいらしくって」

――セックスの相性・タイミング共に抜群のお二人でも、そこは意見がわかれるところ(笑)。

「あとは刺激が欲しいからハプニングバーにも行ってみたいね、なんて話もしたことあるんですけど……でもあれって警察に踏みこまれたら、公然わいせつ罪で逮捕されちゃうんですものね」

――飲んでるだけならいいんですけど、セックスしている最中に踏みこまれると……。お父さんとお母さんが公然わいせつ罪で揃って逮捕、はさすがにお子さんたちにとってまずいですものね。

「それは……子供たちになんていえばいいか(笑)」

――安全に刺激を楽しめる方法があればいいんですけど。国が公認でなんか考えてくれたらいいのになぁって思いますよね。JAPAN公認マークとかつけて(笑)、これは安心安全なセックスパーティですよ、って。

「私の場合、ほんとにセックスが趣味なんで。運動だと思ってますし、趣味がジム通いっていうのとなんら変わりない感覚なんですね。趣味なんだから、ホントはもっと堂々と色々楽しみたいんです」

――趣味・夫とのセックス。それってすごく素敵ですよね。そんな加奈子さんなら、きっと閉経することで女性が終わる、なんて意識はまったくないですよね。

「リングを入れてから、生理がないので。いまもほとんど生理のことは忘れてしまっている感じなんです。だから閉経したとしてもなんにも変らない気がしますね。閉経したらリングも外してもっと思いっきりセックスを楽しめるんだなって、そう思ってます。ただね、私いったい何歳までセックスできるのかなぁとか、そういうことは今もちょっと考えたりしますけど」

――たしかにそれはありますね。けれど、年齢を重ねたなら、それはまたその年代に合うセックスがきっとあると思うんですよ。パワーセックスばっかりがセックスじゃないですからね。挿入にこだわる必要もありませんし。

「いまもたまに主人のほうが、途中で元気がなくなるときがあるんですけれど……」

――そういう場合はなにか対策があるんですか?

「相手の目の前で自慰をして見せあいっこをするんです、お互い。休日の朝、子供がまだ眠っているときにお風呂とかで、たまに。オモチャを使っていたこともあるんですけど、いまは音が気になってしまうので……」

――やっぱりセックスフルな生活には、いろんな対応策や秘策があるんですね。今日は楽しいお話しがたくさん聞けました。ありがとうございました。

<取材を終えて>

日本はいつのまにか<夫婦はセックスレス>が当たり前の国になった。「家族なんだからいまさらセックスなんて」と話す人が男女を問わず多い中、「うちはいまも夫とがっつりセックスしています」とは気恥ずかしくて言えない、そんな風潮もあるような気がする。けれど、そもそも結婚をするということは、安心安全なセックスを思いっきり楽しめるということとイコールだと捉えてもいいはず……。そんななか、結婚後も夫と話し合い協力してセックスの良さを追求する加奈子さんの姿勢には清々しさを感じたし、夫婦本来のあるべき姿を見たような気もした。筆者はいつの日にかまた加奈子さんとお会いしてインタビューをしてみたい。「60歳になられたわけですが、最近ご主人とセックスしてますか?」と。

(取材・構成=日々晴雨)

春限定・出会い現場をリストアップ! マッチングアプリも今が狙い目

みなさんこんにちは、みほたんです。春ですね! 春といえばやっぱり新しい出会いの季節! 今回は見逃すことの出来ない出会い現場をピックアップしました。

・花見

やっぱり人が沢山集まるところには出会いがある! Twitterのタイムライン上でナンパ師たちの「花見即」というツイートがちらほら咲いていますよ。まぁ即……つまりワンナイトじゃ駄目だろ問題はあるのですが、出会いを求めて男性陣が集まってきているというのは明らかです。

そういえば、去年昼間に少人数でお花見していたのですが、夜からのお花見の場所取りをしていた大学生たちとちょっと絡んだなぁ。あと逆におじさんたちに乱入されたりも。年齢問わずいろんな人が集まってきているので、人を集めてガッツリ……は出来なくても花見スポットをぶらぶらするだけでも何かあるかもしれませんよ! 今週末に友達が各方面の繋がり集めてお花見するっていうので、意気込んでお弁当のメニューとか考えちゃったりしてます! 予報は雨ですけど!

・マッチングアプリ

ちょっと開いてみたらあるわあるわ、「就職で引っ越してきたのでまだ知り合いが全然いません! 一緒にご飯食べに行ったり飲みに行ける人が見つかったらいいなぁ」っていう自己紹介文! 新社会人に限らず、転職や転勤で新天地に移ったりと、春は新しい出会いを探している人がわんさかいます。同じように「私も全然詳しくないんでよろしくお願いします~」と攻めるも良し、「おすすめのお店紹介しますよ」と先輩ぶるのも良し。とにかく新しい季節は、アプリを新規登録する人や再開する人が増えるので狙い目シーズンです。

・プチ同窓会

私は地方出身なので、大阪に住んでる時も東京に行ってからも「こっちに住んでる同級生で集まろうぜ」っていう会が月1ペースで開催されていました。特に社会人3年目くらいからどっと増えたんですよね! みんな仕事に余裕が出てきて、プライベートに裂く時間が増えたからなのか、はたまた大学からの繋がりが一旦リセットされて「やっぱり地元の友達が合うわ~」って実感するタイミングなのか。理由は定かではありませんが、飲み会が定例化した後にみんな旅行なんか行っちゃったりして、それで見事同窓生同士がくっついたりして、結果ゴールイン! しちゃったりして……。そんなカップルを目の当たりにしているので、この繋がりは甘く見れません。

会合がないなら自分から開いちゃってもいいですよね! 何年か前、高校時代の元彼に会いたい一心で同窓会開催して100人以上集まったけど、当の本人は欠席だったっていう思い出があります。30歳目前の今こそもう一回やろうかな……!

かなり王道のチョイスをピックアップしましたが、この他にもチャレンジしたいなぁと思っていることがいくつかありまして、おまけとしてご紹介します。

・大学生のフリして新歓コンパに潜り込む

飲み屋でやってるやつは無理だと思うんですけど、外でやってる新歓花見とかなら行けるんじゃね!? とソワソワしております。うわ~、ガムテープに名前書いて、服にぺたっと貼ってみたい~!!  実際に、大学卒業して1年目に友達数人と潜り込んでみたことがあるんですけど、普通に「同い年じゃないですよね?」ってバレました。「実は浪人で……」ってとっさに言いましたけどね!

・気になる飲み屋に入ってみる

これも春が絶好の機会だと思うんですよ!! 最初に知らないお店に入るのって勇気がいりますよね。前々から飲み屋での出会いに憧れを抱いている身として、日々タイミングを伺っているのですが、やっぱり新しい季節は何かと理由がつけやすいじゃないですか。最近引っ越しをしたので「ちょっと前に越してきて開拓してるんですよね~」って言えるじゃん! と意気込んでおります。

・サークルに入る、習い事を始める

カメラサークルも映画会も断念しているわたくしですが、今春こそ何か新しいコミュニティに飛び込みたいと思っているわけですよ。やっぱり輪が出来あがっているところにひとりで飛び込むのは難しいし、馴染みづらいですが、春だったら同じタイミングで入る人もいそう! というわけで物色しております。

気付けばこの連載も1年が過ぎ、正直、婚活パーティだの合コンだのクラブだのスタンダードなところは一通り行ったわけですよ。でも、去年は花見ネタやってないし、海も収穫なかったし、大学の学祭に行くぞ! って言っていたのに結局行かなかったし、まだまだ季節に絡んだイベントとか参加していないものはいっぱいあるんですよね。マッチングアプリなどネット系は日々新しいものがリリースされていますし、まだまだ開拓するのはあるぞー! やるぞー! というわけで、なんだか年度初めの意気込み発表みたいな感じになってしまいましたが、皆さんも面白いイベントとか現場があれば是非教えてくださいねー!

ローターじゃない、クリにジャストフィットする遠隔操作プレイ界のニューフェイスがスゴすぎた

 料理が得意とはいえない私ですが……いえ、得意ではないからこそ、ちょっとしたキッチングッズに惹かれます。それがあるとラクができる、なのに料理がグレードアップする、と淡い夢を見るのです。でも吝嗇なのでたとえば圧力鍋やブランド家電といった大物には手を出さない。キャベツピーラー(千切りが苦手)とかミニサイズのスキレット(なんかオシャレな気がした)とか、チープなものを買っては喜んでいます。

 なかにはハズレもありますが、買ってよかった~とつくづく思えるものもあり、実際は料理をする時間が数分、短縮されただけなのに、生活全般が捗るじゃん! と歓喜することもしばしば。「道具って魔法だなぁ」と実感するのです。

 私はアダルトグッズもこれと同じだと思っています。同じくハズレも多々ありますが、それまでできなかったことができるようになったり、ちょっと時間を短縮できたり、性生活全般が捗っちゃう!

「アダルトグッズ、使ったことない~」「私、別に必要ないし」という発言を私はこれまで数えきれないほど聞いてきました。そのなかには、「私、そういうの使わなくても十分満足しているから(フッ)」といったマウンティング的なニュアンスを感じる人もいます。道具に頼らないと感じないってカワイソウね、と。いまの快感に満足できているというのはとても幸せなことです。でも、そのことで「まだ納得のいく快感に出会っていない人」「さらなる快感を求める人」に冷笑的なまなざしを向けるというのは、ちょっといただけません。

◎グッズを使わないと不可能なプレイ

 加えて、そういう方たちもおそらく料理や掃除、収納といった生活の便利グッズは積極的に取り入れると思うんですよね。そうしたジャンルでは「いまあるものでも十分だけど、ちょっとした道具を取り入れることで生活がよりステキになる」と知っているのに、“性”生活に関してはそれをしないって、性が少し低く見られている所以なのだろうかと悲しい気分になります。

 第一、道具を使わないとできないプレイもありますしね。たとえば、「お出かけ遠隔操作プレイ」! 念のため説明しますと、女性の下着のなかにローターを仕込んでおいて、それを男性がリモコンで操作するというものです。

 といいつつも、私はこれまであまりこのプレイに好意的ではありませんでした。理由はシンプルで、気持よくないんだもん。これで女性が感じてしまって、でも人目が気になって、キャーどうしようモジモジ、ってあくまでオトコが描くエロファンタジー。現実的ではなかったのです。

 まずローターを膣内に挿入するパターン。ローターはだいたい短いので気持ちよくないんですよね。それに振動しているときならまだしも、そうじゃないときはタンポン入れているのと一緒で別に何も感じない。挿れていることに慣れてしまいます。でも男性は「彼女の中にいまローターが入ってる!」ってことで興奮する……この温度差。

 それからローターをクリトリスにあてがっておくパターン。じっとしているときならともかく、歩くと確実にズレます。テーピング用のテープで固定するという強者の話も聞いたことがありますし、そうしたローターを納めるポケットのようなものがついた専用パンティも売っています。それでも気持ちいいところにジャストミートすることはなく、女性としてはもどかしい思いをせざるをえません。少なくとも下着からローターがぽろり落下事件は防げますけどね。

 つまりはどちらにしろローターは気持ちよさにつながることのない、的はずれな場所でブルブル震えるているだけ。なのにパートナーに期待に満ちた視線を剥けられて、モジモジ恥ずかしそうな表情を浮かべてみせる……これ多くの遠隔操作プレイ経験者にとってあるあるだと思われます。

 そんな男のファンタジー強要問題に、やっと救世主が現れたのです。その名も「バイブラティッシモ パンティバスター」!

生理用ナプキンを、先細りにしたようなこの形。インド料理のナンに見えなくもないです。説明しなくとも、どのように使うかわかりますよね。私が何よりプッシュしたいのはこの薄さ! 下着内でかさばらず、よほどタイトなパンツスタイルでなければ服に響くこともありません。

◎「感じているふり」の遠隔プレイはもう終わり

 デリケートゾーン全体を覆い、面で振動を繰り出す……なんでこの発想、いままでなかったの!? ってぐらい完璧。歩いたことによってちょっとぐらいズレても、クリトリスから外れることは絶対にないといえます。。

 これまでの遠隔操作用グッズはリモコンもイケてませんでした。誰かに見られたら「何それ?」と不審に思われかねないし、かつては特殊な電池を使用するものもありました。買いにいくのがめんどうだから、それが切れたらオシマイ。もったいなかったなぁ。

 このバイブラティッシモはスマホで操作するので、そんな心配からきれいに解放されます。前もって専用アプリをスマホにダウンロードし、Bluetoothでグッズを認識させます。本体のON/OFFだけでなく、画面を指でなぞることによって振動の強弱をコントロールできるのです。指の動きと振動の変化にタイムラグがないのがいいですね。

 たとえば電車内で、隣同士ではなくあえて向かい合わせの席に座り、彼がスマホでローターを操作し、彼女の様子を観察するプレイ。車内でスマホを触っていてもなんら不自然ではありませんし、誰に知られることなく、そして周囲を不快にさせることもなく、秘密のプレイに興じることができるのです。

 こういう新機軸のグッズを取り入れることによって、これまで敬遠していたプレイにまでテリトリーを広げられるって、私はすてきなことだと思うんです。これぞ人類の叡智。利用しない手はないですよね。

■桃子
オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

小学生にはエロすぎた…「愛ゆえのセックスは正当だ」と少女に教え込んだマンガ/種村有菜『神風怪盗ジャンヌ』

ラブコメ作品を中心にヒットを飛ばしまくっていた90年代の集英社『りぼん』。“魔法”や“変身”や“悪との闘い”が登場するSF系、戦闘系の作品は、全体から見ると比較的少数派だったものの、池野恋の『ときめきトゥナイト』(1982~1994年)、水沢めぐみの『姫ちゃんのリボン』(1990~1994年)『赤ずきんチャチャ』(1992~2000年)などの長編ヒット作もあり、アニメ化される傾向にあった(未就学~低学年の女児は、魔法と変身が大好き♡)。

 今回紹介するのは、種村有菜の『神風怪盗ジャンヌ』(1998~2000年)。昼は女子高生の日下部まろんが、夜ごと怪盗ジャンヌに変身して悪と対決していく……という物語である。実は、この作品が連載開始した当時、既に小学校高学年になっていた私は「(低学年向けの)闘いモノがはじまったんだ~。絵があんまり『りぼん』って感じじゃないな~」くらいにしか思っていなかった。ところが、……これが……エロかった!!!!!

 セックスという言葉は出てこないし、処女=純潔を守る、性行為=純潔を奪われる、など回りくどい表現に置き換えられているものの(今読むとそれが逆にエロかったりするけど)、それでも『りぼん』がよくOKしたよな……と驚くくらい、きわどい性描写やセリフがたびたび登場する。何というか……二次元的なエロさというか……私はその道に明るくないけれど、同人誌的なエロの空気がそこにある(そして種村有菜は、『ジャンヌ』のアダルト同人誌も出している)。制服のデザインはコスプレ系で凝っていて可愛らしいのだけど(秋葉原のカフェスタッフさんみたい)、ボディラインが際立つ(おっぱいは大きく、ウエストは極端に細く)。種村有菜は目が大きくてラインがくっきりの女児向けアニメ系のキラキラした絵柄が特徴的だが、頬を赤らめて目を潤ませる女性キャラの表情は、はっきり言って、エロい。子供ながらに「なんかよくわかんないけど、これってエロい」とドキドキさせられたことを覚えている。

 エロについては一旦置いておいて、『ジャンヌ』のヒロイン・まろんとヒーロー・稚空(ちあき)が、とことん理想と願望を具現化したような人物造形であること、そんなヒロインとヒーローの織りなす恋愛模様も極限まで理想と願望を追求した完璧なものだったことについて、まず触れていきたい。ちょっと恥ずかしくて読み進めるのが無理なほどのクサいセリフが、ありすぎるのだ。チャラくてモテモテでボンボンの謎の隣人である稚空が、まろんの“健気さ”に心を揺さぶられ、超一途に愛を注ぎ、決め台詞を吐きまくる……毎号ときめき、骨抜きにされた読者は多かったのではないか。

◎明るく強いモテモテ美少女、だけど繊細で泣き虫という「全盛り」ヒロイン

 ヒロインは、16歳の女子高生、日下部まろん(くさかべ・まろん)。両親がそれぞれ海外で仕事をしているため、広いマンションで一人暮らしをしているが、ある日ちいさな“天使”の女の子・フィンがやって来て、「まろんはジャンヌ・ダルクの生まれ変わり。神様のために悪魔を回収して」と要請されたことから、毎夜“神風怪盗ジャンヌ”に変身しては美しい絵画を狙って街に繰り出している。この“悪魔”というのは美しい絵画に潜み、絵の持ち主を悪い人間に変貌させてしまう。その悪魔を回収して封印、そして神の力を取り戻す「チェックメイト!」を果たすことがジャンヌの目的だ。

 もう少し詳しく解説すると、まずこの世には、大昔から世界征服を企んでいる「魔王」がいる。魔王は人間界の美しい絵に悪魔を憑依させ、絵を見て「美しい」と感じた人間の心を蝕む。人間の美しい心は「神様の命の源」。もし魔王が人間の美しい心を蝕み続けると、いずれ神様は死に、人類は滅び、世界に誰もいなくなる。だから悪魔を回収しないとヤバい……というわけだが、それができるのはジャンヌ・ダルクの生まれ変わりで神の力を受け継いでいるまろんただ一人。歴史上の人物を引っ張り出してヒロインの前世にするなんて、驚いた。しかもまろん、ジャンヌ・ダルクよりさらにもっと昔は旧約聖書に登場するイヴだったというのだから、作品の設定、大胆過ぎる……。

 平成の世を生きる16歳女子児童の肩に人類の未来がかかっているなんて、戦中の学徒出陣並みに重苦しい任務だと思うが、怪盗ジャンヌに変身したまろんは次々と襲い掛かる困難をかわしながら、悪魔を回収、チェックメイトを果たしていく。その姿は勇敢で、颯爽としていて、気高くもあり、とにかくめちゃくちゃかっこいい。ちなみにジャンヌの衣装は、かの『美少女戦士セーラームーン』のようなブリブリ系ではなく、和装とアラビアンナイトをミックスさせたような感じ(ミニスカだけど)で、ジャンヌの芯の強さやストイックさが強調されている。

 まろんは女子高生としても、ものすごくイケている。美人で成績優秀で委員長、得意の新体操を披露すればめちゃくちゃ華麗で、観客はみんなメロメロになる。ちなみに稚空がまろんを高く抱き上げて「まろんは軽いな 羽根が生えてるみたいだ」と言うシーンもあるのだが、胸などは柔らかくて「抱き心地がいい」そうなのでスタイルもめちゃくちゃ良いらしい。女子から嫉妬されることもなく(到底かなわないから)憧れの的として崇められ、男子からはモテまくり。性格も高飛車な振る舞いなんてせず、明るくて公明正大で優しくて利他的。まさにキラキラ女子さん。しかしそれは学校にいる時の表向きのまろんである。また、ジャンヌに変身しているときのまろんも、強くてカッコよくて美しくて警官さえ虜にする魅力的な女性。でも“本当のまろん”は、弱くて壊れそうに脆くて繊細で……とくるから、だからヒロインとして「完璧」なのである。

 というのも、実はまろん、親の愛に飢えていることが原因で、メンヘラ&アダルトチルドレンが進行しつつある。まろんが10歳の頃、不仲だった両親は仕事を理由にそれぞれ海外赴任し、まろんのことはマンション隣室に住む幼なじみ家族に任せっきり、生活費は振り込んでも連絡はしてこない。幼なじみ家族に見守られながらも1人暮らししているまろんの心は、もう孤独、孤独、孤独でいっぱい。前回の『グッドモーニング・コール』(http://mess-y.com/archives/42366)では、中学生男女が親元離れての2人暮らしを十二分に楽しんでいたが、まろんは自らの家庭環境を憂え、両親を恋しがって連絡を心待ちにしている。拒否されるのが怖過ぎて、自分からの連絡はできない。一般的に高校生なんて「親、うぜぇ」シーズンだが、まろんときたら両親恋しさに幼子のように頼りなく、眉をハの字にして少し垂れ目の大きな瞳をうるうる……この描写がまたとてつもなく可憐で、それはそれは……「守ってあげたくなる女の子」!!!

 美しくて、かっこよくて、頼りない。3つの魅力を絶妙なバランスで搭載されたまろんは少女漫画のヒロイン像としてまさに完璧だ。これ、なかなかすごいことである。才色兼備で周囲に憧れられる要素を山ほど持っていながら、実は孤独で、弱い面もあり、それを知ったヒーローが「絶対に俺が守る!」とお姫様抱っこ。見事な全盛りじゃないか。どれだけ美少女でもメンヘラが過ぎると「重い女」「悲劇のヒロイン」「キモい」なんてレッテルを貼られるものだが、まろんの場合、弱さを露見させる時以外はジャンヌとして活躍したり新体操で優勝したり、とにかく「美しくてかっこいい、華のある人物」であることが徹底して描かれており、読者の多くはまろんにドン引きすることなく、むしろまろんを「理想的なヒロイン」と捉え、憧れを募らせたのではないだろうか。

 不遇な家庭環境、弱さや淋しさも含めて、まろんというキャラクターは、ごくごくフツーの家庭で安穏と過ごす女児にとっては「羨ましさ」でしかない。作中まろんが親に葛藤を抱けば抱くほど、孤独を募らせれば募らせるほど、稚空は「ヒロインを寵愛する献身的な王子様」へと成長していく。『神風怪盗ジャンヌ』は、悲劇のヒロインになって王子様に守られたいというメンヘラちっくな願望を募らせる、罪深い作品でもある。

◎ヒロインの反応こそが「エロい」

 そろそろエロ描写の話をしよう。天真爛漫に見えて深い孤独を抱えたまろんの心の殻をぶち破ってくれるかっこいい王子様、転校生の名古屋稚空(なごや・ちあき)。彼もまた、16歳でありながらまろんの隣室(2LDK以上あるはず……)にて1人暮らしをはじめるのだが、実父が大病院の院長で、妻(=稚空の実母)を亡くしてから後妻をとっかえひっかえしていることに嫌気がさして家出をした少年だ。見た目はもちろん、クラス中の女子が群がるほどカッコイイ。

 稚空はジャンヌと同じように悪魔の回収を行っている怪盗シンドバッドの正体で、当初はジャンヌの悪魔の回収を阻む“ライバル”“邪魔者”的な面もあったのだが、かといって正真正銘の“敵”というわけでもなく、むしろここぞという時にはジャンヌを助けてもくれる。それは昼間、“まろん”と“稚空”でいる時も同様で、稚空はまろんの抱える孤独にすぐさま気づき、頑張り過ぎるまろんに助け船を出すこともしばしば。まろんは愛ってよくわからないし、シンドバッドは敵なはずだし、と稚空をすぐには信じることができなかったが、互いの事情や内面に触れたり、助け合ったりするうちに2人は惹かれ合っていく。その接近に伴って『ジャンヌ』紙面では、2人のラブ&エロ描写が幾度となく登場することになる。

 エロ兆候は物語スタート時から表出しており、着替え途中だったまろんがうっかり上半身下着姿(谷間あり)のままベランダに出て稚空と会話したり(第1話)、まろんが同級生の水無月大和に壁ドンされて強引にキスされそうになり(第2話)、シンドバッドの稚空がジャンヌのまろんに強引にキスしてどうやら舌が入ってるだろうと思わせる描写(第4話)など、毎回ちょいちょいエロい。まろんはいわゆる“襲われ役”で、心臓病を患う中学生・高土屋全(たかづちや・ぜん)が臨終間際に不意打ちキスするとか(第16話)、悪魔騎士のノインがまろんを押し倒しギシギシ鳴るソファでレイプ未遂(第17~第18話)なんて描写もある。全体的に「男子が女子(まろん)を強引に……」が多い。ただそれだけならエロだと断言もできないが、何がエロいって、<まろんの反応がエロい>のである。

 稚空に心惹かれているまろんは、強引に抱きすくめられたりキスされたり胸を触られたりすると「やんやんっ」しながらも受け入れる。だって稚空がそういうことをするのは、まろんのことが好きすぎて・まろんが可愛すぎて、我慢できなくなってしまうから。彼の強引さや欲望の源は“性欲”とか“支配欲”とか“征服欲”で・は・な・く・て、「まろんのことが可愛くて好きでたまらないから、まろんに触りたくてたまらなくなっちゃう!!!」という言い訳が毎回絶対に用意されている。愛情の表出としての性描写なのだ。というかそれなら、前述の全くんやノインや水無月くんもそうで、全員「まろん大好き」だから彼女と密着したがっている。

 もちろんそんなの『ジャンヌ』に限ったことではなく、女児向けマンガならもっと過激なエロ描写のある雑誌でも同様だけれど、「愛しているからセックスしたい」という理屈がどの作品にも通底している。そうした作品群に触れて育つ女性たちが、「強引さは愛情の裏返し(好きな女児にちょっかい出す男児、の延長みたいな感じで)」「これが男と女がいちゃつく時の理想(あるいは模範)」と捉えてしまうことはあるだろうし、そういう潜在意識を持ったまま性知識を持って恋愛してセックスして結婚する女性も少なくないように思う。実際にはセックスには愛由来以外のバリエーションも様々あるのだが、「セックス=愛しているから」という解釈のみ採択してしまうと、「浮気許すまじ」思考に偏るだろうことも考えられる。そりゃあ女児向けのマンガで「愛由来ではないセックス」なんて絶対に描けないだろうけれど……。

 こんなことを書きつつ、アラサーの私は『ジャンヌ』を読み返してキュンとなっていた。第19話では、遊園地の観覧車内でまろんのキスマーク(ノインによるもの)を見てカッとなった稚空がまろんにキスを迫るも、まろんは拒否。まろんが「なんで稚空すぐキスしようとするの?」と聞けば、稚空は「お前のことかわいいと思うからしたいんだ しょうがないだろ」と答える。これは、正直、同じこと言われたいと思った。「かわいいと思うからしたい」って……絶妙過ぎる。

 第22話では、セックスはなしだけどまろんと稚空が同じベッドで目を覚まし、学校で調子を崩したまろんを稚空が抱きかかえ保健室へ運び、まろんは「いやっ」とか言いながらも、稚空の強引なキス&「誰かに優しくしてほしいときに 一番に俺を頼って」にうるうる、からの「世界中の人に嫌われてる気がしてこわいの…こわいのぉっ…」。メンヘラ放出しまくって王子様に求められるヒロインまろんに羨ましさを覚えてしまった。これだから少女マンガはやめられない。

◎セックスの肯定と「守られたい願望」の覚醒

 『ジャンヌ』以前に、矢沢あい『ご近所物語』(1995~97年)が、主人公カップルがセックスを済ませたことを明確に示す場面を描いてはいたが、『ジャンヌ』は最終話前話という超クライマックス(第29話)にそのシーンを持ってきた。初体験の場所はなんと、天界である。神様が見てる!!! まろんが「魔王」との戦い(果し合いのような形式)を控えた前夜、まろんと稚空は、天界の王宮のような豪奢なしつらえのベッドルームに二人で寝る。このとき、まろんが決戦に挑むことへの不安を吐露する稚空に、まろんは「私にはもう こわいものなんてない あるとしたらあなたに嫌われることだけ…」「すき… 稚空が…すき…すきなの…」と号泣して想いを告げ、感極まった稚空はまろんを押し倒す。上半身裸(に見える)まろんと稚空は微妙に汗ばみ、頬を紅潮させ、そして深いキス。翌朝、決戦直前のジャンヌのモノローグに「神様以外の人を愛しても 心が気高さと誇りを忘れなければ 女の子は誰しも『純潔』なままでいられるものなのね」とある。これは画期的で印象深い言葉だと思う。セックスは汚いことではないんだ、とはっきり肯定しているのだから。

 最後にもう一度、まろんと稚空の関係性が私たちに与えた影響について考えてみよう。可憐で健気な美少女だけれど、深い孤独に打ちひしがれているため、とっても重い。しかし彼女は本当は、つくられるべくしてつくられたメンヘラ。魔王はイヴの魂の生まれ変わりたる日下部まろんが、心に傷を負い脆弱な人間に育つよう仕組み、両親を操ってわざと海外放浪させていたのだ。魔王のくせに、やることが丁寧で陰湿だなあ。魔王の企みによって何年もかけて醸成されたまろんの弱い心はしかし、持ち前の強さと、彼女を守ろうと奮闘する稚空や親友によって克服される。全体的にセカイ系な世界観の広がる『ジャンヌ』だが、実はここが最大のファンタジー要素だと思う。親友は心からまろんを信じているし、稚空は決してまろんを重荷に感じたりしない。稚空は理想的な都合のよい男、いや都合のよい王子様だ。

 ヒロインがどのような状態になっても(どう転んでも可愛いのだが)、変わらぬ愛を注ぐ王子。でも恋愛って実際はそういうものではない。こういう関係性が描かれることって、女性に「守られたい願望」を植え付けてしまう(あるいは呼び覚ましてしまう)のではないか? と、そんなふうに考えてしまうのは良くないだろうか。また前述したように『ジャンヌ』における「好きだし可愛いと思うからセックスしたい」という論理展開での性描写によって、「愛されセックスとはこういうもの」「かわいいと思って“もらえれば”、押し倒して“もらえる”」と捉えてしまう可能性にも留意したい。セックスも恋愛も、そんな一面的なものではないからだ。

 前世どころか天地創造まで遡る壮大な世界観およびストーリーも、恋愛も友情も主人公の成長も、脇役である天使たちの動向も、詰め込めるだけ詰め込んだラーメン次郎的な盛りだくさんマンガ『ジャンヌ』。実に濃い少女漫画といえる。女同士の不器用な友情、家族の問題、天使たちの反乱、堕天使の裏切り、アダムとイヴ、ジャンヌ・ダルク、人類滅亡の危機などなど。「魔王」の正体が、神様の「さみしい心」が実体化したものだったという設定、最終話はジャンヌとの対決を経て、魔王に善が芽生える(悪者にも救いを与える、『りぼん』らしい終わり方だ)という徹底した性善説が貫かれている。だからこそ多少のエロ描写はあれども、夢と希望を与える少女マンガ誌「りぼん」で何度も巻頭カラーを飾る人気連載たりえたのだろう。ありとあらゆる少女の憧れ要素を濃縮還元して散りばめた、実に少女マンガらしい一作といえる。

■ 中崎亜衣
1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

「女の子は勉強しても意味がない」 シングルマザーの貧困とその連鎖は女子教育軽視の産物である

近年、日本では貧困問題がメディアで取り上げられることが増えてきました。数ある貧困問題の中でも女子教育の問題と強い関連があるものが、シングルマザーの貧困と、その貧困の連鎖です。今回は、なぜシングルマザーの貧困が貧困の連鎖を生み出してしまうのか、そしてそれがなぜこれまで日本が女子教育を軽視してきた産物なのか話をしていきたいと思います。

◎ひとり親世帯と婚姻世帯の子供の教育格差

ひとり親世帯の貧困がその子供の貧困へと連鎖していく原因の一つは、子供の教育水準が低い所で留まりがちという点です。

平成27年4月20日厚生労働省「ひとり親家庭等の現状について」によると、全世帯の大学進学率が53.7%あるのに対して、ひとり親世帯はわずか23.9%と、半分以下に留まっています。第二回の記事でも紹介したように、女性が大学に行くコストは約1300万円ですが、大卒女性と高卒女性の生涯賃金の差は約6300万円と、大学進学のコストよりもメリットのほうが大幅に上回っています。

ふたつの数字だけみても、教育機会を通じてひとり親世帯の貧困が子供に連鎖しやすいということが分かるかと思いますが、事態はもっと深刻なものになっています。それは、ひとり親世帯の子供の教育水準(学歴・教育年数)が低くなりがちなだけでなく、そもそも学力が低くなってしまっているという事実です。

近年の教育経済学分野の研究では、学歴などの単純な教育水準よりも学力の方が、所得向上や貧困削減にとっては重要であることが明らかになってきています。これは考えてみれば当然で、学校に行っても何も学んでいなければ全く意味がないですし、リケジョを取り上げた記事でも言及したように、その後の所得に影響を与えるのも、何をどれだけ学んだかの方が重要であることを示唆しています。

ひとり親世帯の子供たちがどれだけ学んでいるかをみるために、2012年に実施された国際学力調査の結果を見てみましょう。

上の図は、数学・科学・読解でそれぞれひとり親世帯の子供と婚姻世帯の子供でどれぐらい学力差があるのかを示しています。日本は数学で下から三番目、科学で下から二番目、読解で最下位と、先進国の中でも最もひとり親世帯の子供と婚姻世帯の子供の間の学力差が大きな国の一つとなっています。この学力差が、進学できる大学など様々な経路を通じて将来の所得格差となり、シングルマザー世帯の貧困の連鎖の一因となります。

この国際学力調査は15歳を対象としたものです。つまり15歳の時点で既にこれだけの学力差が存在してしまっており、ひとり親世帯の貧困の連鎖を防ぐためには、大学に進学するコストである1300万円をローンや奨学金の形で支援する(教育を受けるための流動性制約を取り除く) だけでは不十分で、それ以前の教育段階から教育支援が必要であることも意味します。

このような現状を受けて、近年ひとり親世帯の子供の学習支援などがNPOなどによって行われるようになってきました。こうした活動は今現在ひとり親世帯で暮らす子供のために非常に重要なもの(特に、子供を宿した時点でシングルマザーとなっている世帯に対して、お腹に子供が宿ってからの1000日間を集中的に支援する必要が非常に高いです)ですが、同時に根本的な原因にも取り組む必要があります。それが、女子教育の軽視です。

◎シングルマザーの教育水準と教育投資のための資源水準

はじめに書いたように、シングルマザー世帯の貧困の連鎖は女子教育軽視の産物だと言えます。

全国母子世帯等調査によると、平成23年時点でひとり親世帯の数は約146万世帯にのぼり(日本の子供の約8人に1人はひとり親世帯で暮らしている計算になります)、そのうちの約85%が母子世帯です。

シングルマザーの特徴の一つとして、教育水準が低いという点を挙げることができます。全国母子世帯等調査によると、シングルマザーの中で教育水準が大卒またはそれ以上の人の割合は6.9%となっていますが、同時期の国勢調査の結果を見ると15歳以上の女性の中で大卒またはそれ以上の教育水準を持つ人の割合は11.9%となっています。調査対象の層の違いを考慮すると、シングルマザーで大卒の人の割合は、婚姻世帯の女性のそれの半分程度ぐらいになるのではないかと考えられます。この現象の背景の一つとして、女子教育が、「結婚年齢が上昇する」「男性と対等に接することができる」といった、離婚につながりづらくなる要因に影響を与えるためだと推測されます(この点は三回目の記事でも言及しました)。いずれにせよ、このシングルマザーの教育水準が一般的に低いという特徴が、シングルマザーの貧困とその連鎖の一因となっています。

上の表は全国母子世帯等調査で集められたシングルマザーの教育水準別の所得水準を表しています。この表が示すように、教育水準が低いシングルマザーほど貧困状態に直面しています。原因の一つはやはり教育水準の低いシングルマザーほど就労収入が少ないということですが、もうひとつ、前述のように女子教育は女性をエンパワメントし、配偶者との交渉能力を高めることに寄与します。これが離婚の際の養育費交渉にも当てはまり、教育水準の低い女性ほど養育費の受け取り状況が悪くなっています。

もちろん、夫婦の教育水準は同程度になる傾向があるので、高卒シングルマザーの元配偶者の経済状況が大卒シングルマザーのそれよりも厳しい状況にあり、養育費の支払いに支障をきたしている可能性もあります。しかし、離婚時に養育費の支払いに関して文書で取り決めをした高卒のシングルマザーは約24%しかいないのに対し、大卒シングルマザーの約41%はこれを行っています。この差がエンパワメントの差だと考えられ、交渉能力の高低も要因の一つであることは十分に考えられます。

このように就労収入と、養育費などを含む非就労収入双方で差が生じるため、平均すると大卒シングルマザーは高卒シングルマザーよりも年間で163万円多く収入を得ることができています。そしてこれが子供に対する教育投資額にも反映されていると考えられます。このことを考慮すると、特に教育水準の低いシングルマザーの子供に対して公教育支出が私教育支出を補う形で重点的に投下される必要があると言えるでしょう。

◎母子世帯間の教育水準による教育希望格差

さらに、教育水準の低いシングルマザーの子供の教育問題は、教育投資に充てられる資源量(お金や時間など)だけでなく、親の教育期待格差(希望格差)を通じても発生しています。

全国母子世帯等調査で集計された上の表が示すように、大卒シングルマザーのほとんどが子供に大学まで行くことを希望している一方で、高卒シングルマザーの中で子供に大学まで行くことを希望しているのは1/3にも満たない状況です。

このような希望格差が子供に対する教育投資に反映されるのはもちろんですが、親から子供への教育支援にもこれが反映されるでしょうし、子供の学習意欲にも影響があると考えられます。例えば、途上国では金銭的に中学校に進学できる見込みがない子供はそもそも小学校の段階で退学してしまいますが、日本でも同様に家庭の事情で大学に進学できる見込みがない子供が高校での勉強だけでなく、ほぼ高校に全入している状況を考えると中学時点で勉強に身が入らなくなっている事態が想定されます。これらが先に示した学力格差の一因になっていると推測されます。

つまり、シングルマザーの貧困と貧困の連鎖を改善するためには、大学進学時点はもちろん、高校段階での支援でもすでに手遅れになってしまっている可能性があるのです。より早期の教育支援こそが必要とされています。

◎まとめ

日本のシングルマザーの特徴として教育水準が低い点が挙げられますが、その教育水準の低いシングルマザーの世帯で貧困の連鎖が起きやすい状況にあります。この問題の根っこにあるのは、「女の子に教育はいらない」という意識ではないでしょうか? 女の子が教育を受けても結婚して家庭に入るのだから意味がない、女の子が教育を受けても嫁に行けないまたは行き遅れるだけだ、というのは昔の日本ではそうであったのかもしれません。

しかし、現代の日本では「離婚」という要因も考慮に入れる必要があるでしょう。確かに、男女ともに教育水準の高い人ほど初婚が遅れる傾向がありますが、それと同時に教育水準の低い人ほど離婚率が高いという事実があります。そして家庭に入ったとしても離婚した場合に起こる惨状は記事中で説明したとおりです。自分たちの娘と孫、ないしは自分自身と将来の子供が貧困に陥らないためにも、21世紀を生きる我々には、女子教育に対するマインドシフトが必要ではないでしょうか?

「女の子は勉強しても意味がない」 シングルマザーの貧困とその連鎖は女子教育軽視の産物である

近年、日本では貧困問題がメディアで取り上げられることが増えてきました。数ある貧困問題の中でも女子教育の問題と強い関連があるものが、シングルマザーの貧困と、その貧困の連鎖です。今回は、なぜシングルマザーの貧困が貧困の連鎖を生み出してしまうのか、そしてそれがなぜこれまで日本が女子教育を軽視してきた産物なのか話をしていきたいと思います。

◎ひとり親世帯と婚姻世帯の子供の教育格差

ひとり親世帯の貧困がその子供の貧困へと連鎖していく原因の一つは、子供の教育水準が低い所で留まりがちという点です。

平成27年4月20日厚生労働省「ひとり親家庭等の現状について」によると、全世帯の大学進学率が53.7%あるのに対して、ひとり親世帯はわずか23.9%と、半分以下に留まっています。第二回の記事でも紹介したように、女性が大学に行くコストは約1300万円ですが、大卒女性と高卒女性の生涯賃金の差は約6300万円と、大学進学のコストよりもメリットのほうが大幅に上回っています。

ふたつの数字だけみても、教育機会を通じてひとり親世帯の貧困が子供に連鎖しやすいということが分かるかと思いますが、事態はもっと深刻なものになっています。それは、ひとり親世帯の子供の教育水準(学歴・教育年数)が低くなりがちなだけでなく、そもそも学力が低くなってしまっているという事実です。

近年の教育経済学分野の研究では、学歴などの単純な教育水準よりも学力の方が、所得向上や貧困削減にとっては重要であることが明らかになってきています。これは考えてみれば当然で、学校に行っても何も学んでいなければ全く意味がないですし、リケジョを取り上げた記事でも言及したように、その後の所得に影響を与えるのも、何をどれだけ学んだかの方が重要であることを示唆しています。

ひとり親世帯の子供たちがどれだけ学んでいるかをみるために、2012年に実施された国際学力調査の結果を見てみましょう。

上の図は、数学・科学・読解でそれぞれひとり親世帯の子供と婚姻世帯の子供でどれぐらい学力差があるのかを示しています。日本は数学で下から三番目、科学で下から二番目、読解で最下位と、先進国の中でも最もひとり親世帯の子供と婚姻世帯の子供の間の学力差が大きな国の一つとなっています。この学力差が、進学できる大学など様々な経路を通じて将来の所得格差となり、シングルマザー世帯の貧困の連鎖の一因となります。

この国際学力調査は15歳を対象としたものです。つまり15歳の時点で既にこれだけの学力差が存在してしまっており、ひとり親世帯の貧困の連鎖を防ぐためには、大学に進学するコストである1300万円をローンや奨学金の形で支援する(教育を受けるための流動性制約を取り除く) だけでは不十分で、それ以前の教育段階から教育支援が必要であることも意味します。

このような現状を受けて、近年ひとり親世帯の子供の学習支援などがNPOなどによって行われるようになってきました。こうした活動は今現在ひとり親世帯で暮らす子供のために非常に重要なもの(特に、子供を宿した時点でシングルマザーとなっている世帯に対して、お腹に子供が宿ってからの1000日間を集中的に支援する必要が非常に高いです)ですが、同時に根本的な原因にも取り組む必要があります。それが、女子教育の軽視です。

◎シングルマザーの教育水準と教育投資のための資源水準

はじめに書いたように、シングルマザー世帯の貧困の連鎖は女子教育軽視の産物だと言えます。

全国母子世帯等調査によると、平成23年時点でひとり親世帯の数は約146万世帯にのぼり(日本の子供の約8人に1人はひとり親世帯で暮らしている計算になります)、そのうちの約85%が母子世帯です。

シングルマザーの特徴の一つとして、教育水準が低いという点を挙げることができます。全国母子世帯等調査によると、シングルマザーの中で教育水準が大卒またはそれ以上の人の割合は6.9%となっていますが、同時期の国勢調査の結果を見ると15歳以上の女性の中で大卒またはそれ以上の教育水準を持つ人の割合は11.9%となっています。調査対象の層の違いを考慮すると、シングルマザーで大卒の人の割合は、婚姻世帯の女性のそれの半分程度ぐらいになるのではないかと考えられます。この現象の背景の一つとして、女子教育が、「結婚年齢が上昇する」「男性と対等に接することができる」といった、離婚につながりづらくなる要因に影響を与えるためだと推測されます(この点は三回目の記事でも言及しました)。いずれにせよ、このシングルマザーの教育水準が一般的に低いという特徴が、シングルマザーの貧困とその連鎖の一因となっています。

上の表は全国母子世帯等調査で集められたシングルマザーの教育水準別の所得水準を表しています。この表が示すように、教育水準が低いシングルマザーほど貧困状態に直面しています。原因の一つはやはり教育水準の低いシングルマザーほど就労収入が少ないということですが、もうひとつ、前述のように女子教育は女性をエンパワメントし、配偶者との交渉能力を高めることに寄与します。これが離婚の際の養育費交渉にも当てはまり、教育水準の低い女性ほど養育費の受け取り状況が悪くなっています。

もちろん、夫婦の教育水準は同程度になる傾向があるので、高卒シングルマザーの元配偶者の経済状況が大卒シングルマザーのそれよりも厳しい状況にあり、養育費の支払いに支障をきたしている可能性もあります。しかし、離婚時に養育費の支払いに関して文書で取り決めをした高卒のシングルマザーは約24%しかいないのに対し、大卒シングルマザーの約41%はこれを行っています。この差がエンパワメントの差だと考えられ、交渉能力の高低も要因の一つであることは十分に考えられます。

このように就労収入と、養育費などを含む非就労収入双方で差が生じるため、平均すると大卒シングルマザーは高卒シングルマザーよりも年間で163万円多く収入を得ることができています。そしてこれが子供に対する教育投資額にも反映されていると考えられます。このことを考慮すると、特に教育水準の低いシングルマザーの子供に対して公教育支出が私教育支出を補う形で重点的に投下される必要があると言えるでしょう。

◎母子世帯間の教育水準による教育希望格差

さらに、教育水準の低いシングルマザーの子供の教育問題は、教育投資に充てられる資源量(お金や時間など)だけでなく、親の教育期待格差(希望格差)を通じても発生しています。

全国母子世帯等調査で集計された上の表が示すように、大卒シングルマザーのほとんどが子供に大学まで行くことを希望している一方で、高卒シングルマザーの中で子供に大学まで行くことを希望しているのは1/3にも満たない状況です。

このような希望格差が子供に対する教育投資に反映されるのはもちろんですが、親から子供への教育支援にもこれが反映されるでしょうし、子供の学習意欲にも影響があると考えられます。例えば、途上国では金銭的に中学校に進学できる見込みがない子供はそもそも小学校の段階で退学してしまいますが、日本でも同様に家庭の事情で大学に進学できる見込みがない子供が高校での勉強だけでなく、ほぼ高校に全入している状況を考えると中学時点で勉強に身が入らなくなっている事態が想定されます。これらが先に示した学力格差の一因になっていると推測されます。

つまり、シングルマザーの貧困と貧困の連鎖を改善するためには、大学進学時点はもちろん、高校段階での支援でもすでに手遅れになってしまっている可能性があるのです。より早期の教育支援こそが必要とされています。

◎まとめ

日本のシングルマザーの特徴として教育水準が低い点が挙げられますが、その教育水準の低いシングルマザーの世帯で貧困の連鎖が起きやすい状況にあります。この問題の根っこにあるのは、「女の子に教育はいらない」という意識ではないでしょうか? 女の子が教育を受けても結婚して家庭に入るのだから意味がない、女の子が教育を受けても嫁に行けないまたは行き遅れるだけだ、というのは昔の日本ではそうであったのかもしれません。

しかし、現代の日本では「離婚」という要因も考慮に入れる必要があるでしょう。確かに、男女ともに教育水準の高い人ほど初婚が遅れる傾向がありますが、それと同時に教育水準の低い人ほど離婚率が高いという事実があります。そして家庭に入ったとしても離婚した場合に起こる惨状は記事中で説明したとおりです。自分たちの娘と孫、ないしは自分自身と将来の子供が貧困に陥らないためにも、21世紀を生きる我々には、女子教育に対するマインドシフトが必要ではないでしょうか?

ママ手作りの離乳食は安心・安全・愛情たっぷり、という刷り込みへの疑問

生後5~6カ月になると、1日1食の離乳食を与えることを推奨される。個人差はあるだろうが、歯が生え始めてきたり、大人が食べているのを見てヨダレを垂らしたりし始めたら離乳食スタートの最適な時期だそうだ。

これまでも、初めての育児にあれこれ翻弄されてきた私だったが、この離乳食……私にはまた1つ大きな難関だった。

夫や周囲の人は微笑ましい顔で「そろそろ離乳食だね♪」と言うが、♪の前にその離乳食を作るのは私である。元々細かな作業が好きではないし(大人が食べる料理を作ることもあまり好きではない)、それを赤ちゃん用に、素材や調理法に気を配りながら、月齢に合わせた柔らかさで、安全な食事を作る、だなんて繊細な仕事、考えただけで憂鬱になりそうだった。

息子は早い段階で前述の「離乳食スタートサイン」なるものが表れていたのだが、きちんと1日1食取り入れたのは6カ月半ばを過ぎたころからだった。初めてスプーンで食べ物を口の中に受け入れるという作業も容易ではなく、今までミルクを飲んでいた時の舌の動き(上唇と舌で潰すようにする)を利用しようとするから、上手く食べさせることもすぐには難しい。

息子も息子で、ミルクだったらガブガブと飲め空腹を満たすことができるのに、それが叶わないことにイライラして大泣き。身体をのけ反らせ、ギャーと泣き始めるともうその後はミルクしか受け付けない。

最初の1カ月ぐらいはこんな調子で、でも「食べること」の訓練だと思って根気よく続けるうちに、息子もスプーンから食べ物を得るということに慣れ、今(10カ月)ではすっかり上手に何でも食べるようになった。

離乳食初期に、どんなものを食べさせたら良いか? と悩んだ私がAmazonで注文した書籍が『フリージング離乳食』(主婦の友社)というものだった。1週間分の離乳食をまとめて作り冷凍、食べる時にはレンジでチンしてすぐに与えられるラクラク法というような主旨の内容だったのだが、見開き1ページ目で早速心が折れかけた。

「何を食べさせたらいいのかわかりません」という一般の声の後に、答えとして大々的に書かれていた活字。

『食材を3つのグループに分けて組み合わせればOKです』

ぎゃー。もう無理。

「エネルギー」「ビタミン・ミネラル」「タンパク質源」という、大人の必要栄養素とほぼ変わらない3つのグループの食材を組み合わせて、柔らかく煮てすり潰し、凍らせる(フリージング)。

これは私が求めていた本ではないのではないか……警戒心たっぷりで読み進めると、子供の発育が「〇〇期」という成長段階に区切られていて、その時期に食べて良いもの、硬さなどが詳しく載っている。

「ゴックン期」「モグモグ期」「カミカミ期」「パクパク期」

う~ん、一体なにが違うのかわからない。
だいたい、そんな大事なこと擬音で済ませないでほしいというのが個人的な感想だった。

月齢で「大体これぐらいか?」と思う部分を読んでみると、「おかゆは米1:水1」で「量は80g」で食べさせるとか、他の食材もゆで加減や何センチに切るとか何g食べさせるとか、それらを組み合わせてこんなメニューができます♪ とか書かれており、おしゃれな皿やランチョンマットに柔らか~く煮たにんじんやほうれん草などが美しく盛り付けられていた。

こりゃ無理だと半ばあきらめ、それからの数日をベビーフード中心にやり過ごした。
しかし、ベビーフードだって安くはない。1食100円と考えれば安価だが、それが今後2回食3回食となっていけば、月単位で見たときに結構大きな出費だ。

ここで、私にもひとつ不安があった。

ベビーフードって、食育の観点から見てどうなのだろう?

◎手作りは果たして安心安全か、という不安

前述の書籍をざっと読んだ最初の私の感想は「やっぱりベビーフード(以下BF)でやっていきたい」というものだった。

それでなくても仕事と家事で時間の余裕はないし、つかまり立ち・伝い歩きをするようになった息子からは目が離せないし、書籍を読んだことで「離乳食とはやっぱりここまで手をかけなければならないんだ」という負担から苦手意識が一層強まってしまった。

そもそも、離乳食を手間暇かけて作るメリットって具体的にどんなことなのだろう?

こんな疑問を抱く段階で、子育てにまつわる他の項目と一緒で「今の母親は手抜きだ」と古い世代の人は思うかもしれない。

私も昔、知人男性(あるいは姑側?)から「嫁がBFばっかり頼っていて手抜きばかり。どうなのかと思う」という愚痴のような話を聞かされたことがあった。今までにもさんざん書いてきたが、育児=精神論で何とかすべき、というのが古い人の多くが持っている考えなのだから、手作りの離乳食=善でBF=悪となってしまうのは容易に想像できる。

しかし、時代が変わり、女性も働かなくては家計を維持できない=育児に手間をかける時間がそんなにない、というのが現実だ。いくら子供を大切に思っていたところでこれはもう、仕方のないことだ。

そういう時代背景が当たり前になってきたからこそBFも各社こぞって色んな種類を発売しているのだろうし、それも簡素なものではなく驚くほど手の凝ったメニューが増えている。BFコーナーに行くと種類の多さとクオリティの高さについ立ち止まり、商品を手に取ってしまう。

共働き家庭の忙しい母親にとっては本当にありがたい商品。だから、「子供は手間暇かけたものを食べさせて育てるべき、BFなんてかわいそう」というただの精神論にはまったく賛同できないのだが、問題はコストの部分と、それらを離乳完了期まで使い続けることで食育的に問題はないだろうか? という懸念だ。

先述したが、BFはひと月単位で考えれば決して安くはない。商品にもよるが1食だいたい100~150円程度。まず私を悩ませたのはお財布事情だった。

続いて、既に出来上がっている食品を食べ続けることに問題はないか? という心配があった。私たち大人でさえ、レトルトばかりでは健康面で影響を及ぼすと警鐘を鳴らされているというのに大丈夫なんだろうか。

しかも、前出の書籍を読む限りじゃ「こんな所まで気を使うの!?」と驚くくらい赤ちゃんへの配慮が“必要なこと”として描かれており、それぐらい食べ物が小さな身体に与える影響というのは多大なるものなのだと印象づけられた。普通の離乳食本でこうなのだから、自然派推奨系になると「食は命の源」なんてがっつり書いてあり相当病みそうである。

しかし、それならそれで、自分で作るほうが何だか怖いという思いもある。本の表紙にもキャッチーな感じで「安心♪安全♪ママの手作り♪」とか書かれていたが、スーパーで食材を選ぶ段階から調理、保存に至るまですべて素人の人間がやるとなれば、必ずしも安全ではない。たとえば食中毒の懸念は拭えないのではないか?

それならBFのほうが、品質面で様々な検査(今では放射線検査なども取り入れているらしい)をクリアし、月齢に合った食材や調味料などを使ってできているものだから安全っちゃ安全だ。

内臓も骨格もまだまだ未熟で、存在自体が吹けば飛ぶような小さく繊細な身体を育てているからこそ、慣れない母親にとってはBFのほうが安心だ! と思い、私はしばらくの間BFのみを与えた。

おかゆひとつを作るのだって、大人が食べる用なら何とも思わないが、何か間違って赤子に取っては毒となるような鍋のアルミが解けたやつが入ったら……とか考え出したらキリがない(私が異様なほどに心配性っていう理由もあるけど)。

つまり、自分の作ったもの次第で赤子を生かすも殺すもできてしまう(大げさだが)と思うと、生の野菜を買ってきて調理して与えるなんて何だか怖くて無理だった。

それこそ息子の月齢が進み、免疫力もできてきて、ほぼ何でも食べられるようになった月齢10カ月の今じゃ、ちょっとのことじゃ死なないと思えるようになってきたけれど。やっぱり最初の「母乳またはミルクのみ」の食生活からいきなり食べ物を与える瞬間というのは、私ほどじゃないにしても誰だって緊張するものじゃないだろうか。

そんな「安全面」での心配をクリアしてくれたBFだったが、やはりコスト以上に、離乳完了期(1歳過ぎ)まで、半年以上も毎日与え続けて大丈夫か? という心配が、息子が2回食になった頃から大きくなった。

ネットで調べると、BFは確かに安全だけれど味が濃い目に作られているので、これから成長していく中で食材そのものの味や、薄い出汁の味を嫌うようになる(好き嫌いが激しくなる)懸念もあると書かれている。結果、野菜嫌いになったり、ジャンクフードのような味の濃いものを好むようになり、将来的に栄養面で支障をきたす可能性があるとのこと。

脅しのように感じられなくもないけれど、これらの情報は、育児でおなじみの「精神論」ではなく、医学的に基づいている情報のような気もしたので、私も一日の食事全てをBFでまかなうというのには抵抗が出てきた。

8カ月ごろ、息子が「食べること」にずいぶん慣れてきて、なんとなく「赤ちゃん」から「幼児」に近づいてきたなと感じた時期、素人が作ったものでも死にゃしないだろうと思えるようになり、それをきっかけに手作り離乳食に挑戦することになった。

最初は前出の書籍を参考に、とりあえずこの通りに作ってみようと気合いを入れてやってみた。いざやってみれば意外と何てことないかもしれない。それに一度作ってしまえば後は冷凍して、使う時にチンするだけなのだから楽だろう。

しかし、おかゆやうどんなどの炭水化物から野菜類、たんぱく源となるささみ肉や出汁に使うスープなど全て調理してみると、やっぱりかなりの時間がかかり、個包装して冷凍に至るまで2時間も要した。細かく刻んだり潰したりする作業が入る分、普通の料理の下ごしらえよりは遥かに手間がかかる。

確かにその後の何日かは、メニューを組み合わせてチンするだけなので、BFとまではいかないにしても楽といえば楽だった。

しかし1週間後にはまた同じ作業をしなければならない。結局、忙しい毎日の中でコンスタントに週1で2時間という時間を確約するのが難しく、いつの間にか適当になっていってしまった。

◎飾りや彩りに気を配る…それは意味ある努力なの?

毎週まとまった時間を取るのが難しかったことと、元々細かい作業が嫌いな私には手の込んだ離乳食は不向きだと思ったわけだが、バランスよく栄養を与えることや、味覚を鍛えるために手作りのものを与える重要性というのは理解できた。今後の食事作りについて学ぶことは出来たから、得るものはあったように思う。

しかしどうしても理解できないのは、「赤ちゃんが飽きないように」や「食事を楽しいと思えるように」というコンセプトで、毎日違う可愛い器を使ったり、鮮やかな盛り付けにする……などの配慮だ。ネットなどでそのあたり調べてみても、「赤ちゃんが美味しそう♪と思えるように、食欲を引き出してあげることが大切だ」とか、「視覚から入る食事の楽しさを与えてあげましょう」とか書かれているが、これは本当に必要なのだろうか?

前出の書籍でも、メニューの写真は決まって、大人が食べるようなクオリティの出来栄え(彩りや盛り付け)になっている。ランチョンマットまで毎日違う(これはさすがに雑誌用だろうけど)。

私も最初の頃は、「おかゆ」「かぼちゃ」「ささみ肉」などをそれぞれの器に盛り、与えていた。結果、とんでもないことになった。おかず→ごはん→おかず→ごはん、のループをしながらいちいち碗を置かなければならないし、その都度変な間が入って息子は大泣き。バクバク食べたいのに変にじらされているのが腹立ったのだろうか、結局後半はおかゆの碗に他のおかずをぶち込んで、そのまま与えることとなった。その方が私も息子も楽で、テンポも良くスムーズに完了することができた。

「赤ちゃんのために楽しい食事を」をコンセプトに、楽しい器を使ったり鮮やかな盛り付けを推奨されているが、少なくとも私の息子は器なんて見ちゃいない。盛り付けだって、与えるのは私なので別に意味がない。食べる前に「ほら、綺麗でしょ?」と見せたとしても、「早くよこせーー!! ぎゃー」と怒り泣き出すだけだ。

それ以降、私はすっかり「ねこまんま」状態にして息子に離乳食を与えている。見た目汚いことこの上ない。最近では日中用のお弁当も用意しなければならないが、それもおかゆと冷凍したおかずとフルーツをタッパーにぶち込んだだけで何の飾り気もない。息子がお世話になっている保育ママEさん(私の駆け込み寺)に、こんな簡素な昼飯で大丈夫か相談した。

「離乳食なんて何だっていいのよ。〇〇ちゃん(息子)が食べたい! と要求してくる時点で立派に食育面成長してる証拠よ。前私が見てた子なんて、おかゆに湯をかけただけって子もいたのよ。その子ももう小学生だけどすごく丈夫な子に育ってるもの。そんなにシビアになることないんじゃない?」

Eさんはいつものようにあっけらかんと言った。

確かに、息子の食欲は日に日に旺盛になっていき、ヘタにスプーンやお椀を息子の目に入れられないほど(食器を見るだけで連想して食事を要求してくるので)、「食べる」ことへの欲が育ってきた証拠だ。

そのうち、「食事」をする楽しさを感じられる年齢になったら、綺麗な盛り付けを施すなどの工夫次第で、食育も進むだろうし苦手な物も食べられるようにもなるかもしれない。しかし、そもそも「母乳やミルク以外のものを身体に取り入れる」とか「固形物に慣れていく」という目的だから「離乳食」と呼ぶのであって、赤ちゃんが「食べやすい」と感じるやり方を重要視すべきではないだろうか。イライラしたりすれば、「楽しい」には繋がらず、離乳食自体進めていくのが難しくなるだろう。

◎やっぱり、人それぞれ

今までも、育児とは「人それぞれ」だという主張を散々書いてきたが、離乳食も例外なくそれにあたると思う。

BFが良いのか手作りが良いのか、経済面でもそうだが食育的にもどういうメリット・デメリットがあるかは各個人で把握し判断すればいいし、やっぱり他人がああだこうだと口を出すべきことではない。

BFの最大のメリットは、自分では調理しにくい食材(レバーなど)も簡単に取り入れられることで、私も未だにちょくちょく利用している。

他方、全て手作りで行い、盛り付けを重視しSNSにアップしている母親もちらほら見受けられるが、そんな「手の込んだものを作れるママ☆」アピールは、とりあえず赤ちゃん(離乳食時)じゃなくて、SNSを閲覧する他人に向けたものである。私には、多くの「離乳食の作り方」をテーマにした書籍が、“「手の込んだものを作れるママ☆」になるためのプロセス”に準ずるコンセプトな気がしてならない。

本当に欲しい情報は、月齢ごとに食べて良い食材だったり、どうすればスムーズに食べられるかということであり、綺麗な食事を用意する方法ではない。それに、あんな風にランチョンマットだの色とりどりの食器だの、極めつきに彩りのためにおかゆの上に盛られたグリーンの葉っぱだの見せられた日にゃ、私のような大雑把な母親には「ここまでしないと離乳食じゃないの!?」という苦手意識を何となく植えつけられてしまう気がする。

ただでさえ、初めてのことに取り組むのは不安だらけなのだから、せめてリアルな日常に沿った描き方をしてほしいものだ。

<バックナンバー>

▼1/「正しいお母さんのルール」が満遍なく染み渡ったこの世界が気味悪い
▼2/「ベビたん」エコー写真の公開は聖母化したいプレママの自己暗示ではないか?
▼3/先輩ママのネガティブな次回予告「産まれてからの方がもっと大変だよ」は何を意味しているのか
▼4/「乳首を吸われたくない」私が完全粉ミルクを選択した理由と、母乳信仰
▼5/新米ママが「頑張っているアピール」を怠ると先輩ママからフルボッコにされる、荒んだ育児文化がある
▼6/帝王切開は「産む」じゃなく「出す」!? 産婦を追い詰める世間の認識と、当事者が抱える闇
▼7/イクメンとかいう言葉そのものが、妻にとっては邪魔でしかない
▼8/育児で悩む母親を「贅沢者」呼ばわりしないでほしい
▼9/マウント凝縮フルコース「先輩ママ」の友人宅訪問は地獄でしかなかった
▼10/「素敵なお母さん」になるために育児書に従うやり方は、赤ちゃんにとって快適なんだろうか
▼11/私は『ママ友』の必要性を全く感じていない

■ 小出 愛
1981年生まれ、学生時代から10年以上スポーツ一本、卒業後はスポーツトレーナーとして第一線を志すも、いろいろあってパチ屋店員に。そこで旦那と出会い、結婚、2016年に第一子出産。プロレスは知らないけど猪木が好き。ママ友ヒエラルキーには入りません。

早期発見・早期治療というけれど…乳がん検診の精密検査を受けた話

去る2月上旬、一介の会社員である私は、会社の加入する健康保険組合の案内による年に1度の健康診断を受けに、都心の巨大なオフィスビルにある洗練された健診用クリニックの待合室にいました。もうかれこれ10年はここで年1の健診を受けており、乳がん・子宮頸がん・心電図や超音波などなど一通り体の具合を確認してもらっています。30歳を超えてからは地獄のバリウム検査も加わりました。何が地獄って、飲んだ直後(いや、喉を流し込む最中)から死ぬほど吐きたいのに、絶対に吐いてはいけないということですよね。

これまで特に問題が見つかったことはなく、検査結果の通知書には「痩せすぎ、太りましょう。禁煙しましょう。お酒を減らしましょう。運動をしましょう」と記されるのみ。だから毎年この時期だけ健康意欲が高まるのですが、今年はちょっと違っていました。まず健診の最後、すべての検査を終えてから内科医による問診タイムがあるのですが、名前を呼ばれて診察室に入った瞬間からなんとなく雰囲気が違う。初対面のお医者さんはこう言いました。

「右胸には以前から良性のしこりがありますよね。でも左側は自分で気付きませんでした?」

えっ。

「これね、乳がんの精密検査を出来るだけ早く受けてくださいね~」

えっ!!!! なんか軽くないですか!? 出来るだけ早くって何? てか、乳がんの可能性あるんですか!? 驚きすぎて表情にも言葉にも何も出せず、「あ、はい……」とだけ言ってすんなり退室してしまいました。もうその直後から後悔。もっと詳しく聞くべきじゃなかったんか。精密検査ってここでやるんですか、予約すぐ取るものなんですか、結果の書類が届く前でも出来るんですか、ていうか自分で触ってもしこり認識できないんですけどそれは。

ちなみにこのとき私が受けたのは、マンモグラフィーではなく超音波検査です。20代の頃にマンモグラフィーを受けたこともあったのですが、非常にボリュームの薄い胸をギューッと引っ張られてこりゃ痛くてかなわん、正確性にも疑問が提示されてるし超音波でいこう★ と、ここ数年は超音波検診を選択していました。超音波もそれはそれで、めちゃめちゃくすぐったくてツライんですけど。くすぐったいよりは痛いほうが私は好きです。

そんなことより、精密検査。健診の問診直後は、とりあえず会社戻って仕事をし、子供を保育園にお迎えに行って帰宅し、家族と夕飯を食べました。しかし内心、「今自分の体がどうなっているか自分では全然わからないけど、もしかしたら何か病気になってるかもしれないんだ」という不安がムクムク膨らんでいて、この日から数日間は心ここにあらず。とにかくとっとと精密検査を受けたいけれど、まずは先日の健診の結果票が手元に届かなければ、どこか専門のクリニックや総合病院を受診することも出来ないそうなので、ひたすら待つしかありませんでした。

この結果票がいつ届くのかわからなかったので、クリニックに電話をして「問診で精密検査に行ってくださいと言われたのですが、結果票はいつ届きますか?」と伺うと、「2~3週間後になります」。け、結構かかりますね……嘘でしょ? そしたら3月になっちゃう。そんであっという間に4月になっちゃう。もしこれが『がん』だった場合、この数カ月でどんどん進行したり下手したら転移したりしちゃうこともあるんじゃないんですかっ!? とパニック状態に陥った私は「もう少し早めにしてもらうことって難しいですか? なるべく早く精密検査の予約だけでも取りたいんですけど」と粘り「なるはやで頑張ります」との返事を得、結果、健診当日の10日後に郵送で手元に届きました。なるはやで頑張ってくださいました。

◎精密検査の予約を取るのって難しい

さて、結果票には「D2 要精密検査」と記され、詳細部分に「【乳房超音波】医療機関を受診し精密検査を受けて下さい」とありました。いつも通り「やせすぎです。もう少し体重があった方が良いでしょう。酒類を控えてください。禁煙してください」とも書いてましたが。

では一体どこで精密検査を受ければ良いのでしょう? 皆目見当もつかず、まず健診をしたクリニックに電話をかけ、「精密検査ってどこで受ければいいんですか?」と素直に聞いてみました。「どこか乳がん専門の診療科のある病院で受けるか、当院で受けられても大丈夫です」ということなので、では「当院」で受ける場合いつ予約がとれるのか伺うと……

「今からですと、最短で4月になります」

えっ。今2月ですけど、最短で4月!? 嘘でしょ!?

「大変混みあっておりまして……」

そうですか……。電話を切り、次に、もしこれが「がん」だった場合、そのまま治療を進められる大きい病院のほうが色々良いんじゃないか? と思った私はググりまして、東京都内の乳がん治療実績のある大きな病院をいくつかピックアップ。かかったことはないけれど名前だけは知っている、有名なところばかりです。が、代表受付に電話をかけてみると、A病院は「紹介状が必要」、B病院も「紹介状が必要」……。そうか、紹介状が必要なのか。やっぱり、最初はもっと小さな乳がん検査専門のクリニックで精密検査を受けるべきなのかもしれません。

というわけで今度は、そういう「乳がん検査専門クリニック」を複数ピックアップ。といっても、それオンリーのクリニックは東京都内でもそんなに数はありません。多くは、健診用クリニックで乳腺外科・乳腺外来を用意している感じです。片っ端から電話をかけ、「健診で精密検査が必要といわれたので予約したいのですが」と切り出すのですが、なんと。

「今からですと最短で4月中旬のご案内になります」
「5月のゴールデンウィーク明けでしたらお取りできます」
「4月下旬の水曜日はご都合いかがですか」

このとき2月なんですが、まあ~予約がすぐには取れない! 何軒もかけているうちにそういうものなのだと知りました。あちこち電話をかけながら何だか惨めな気持ちになってきて、会社の非常階段踊り場でボロボロ泣けてきました。まだ病気かどうかもわからない状態なのは承知で、でもすっごく不安だから早くはっきりさせたいのに、はっきりさせるまで一カ月以上も待たなきゃいけないものなんだと……。知らなかった、世界の常識。でも何が早期発見・早期治療だよ、これじゃ発見できないよ。

もう都内の人が多いところは無理だと見切りをつけ、埼玉方面に狙いを定めました。すると、ある乳がん検査専門クリニックが……「明日どうぞ」。それまでさんざん「すぐ検査するなんて無理です!」と断られて、即検査を望んだ自分が非常識なのかと思えるほど打ちひしがれていたので、聞き間違いかと思い「えっ、明日でいいんですか?」と繰り返してしまいました。明日で良かったんです。この精密検査日時が決定しただけで、なぜか「もう大丈夫だー!」という気持ちになり、不安が随分晴れました。まだ何もはっきりしていないのに、診てもらえることになったことで安心出来たんですね。

そうして翌朝、出勤前にそのクリニックを訪問し、マンモグラフィーと超音波検査を受けました。おじさん医師は超音波を診ながら、「やっぱりこれだと、しこりが悪性か良性か判別つかないので、針生検をしましょう」と言いました。まず左乳房に麻酔を打ち、それから太めの針をグイグイッと奥(しこりの位置)まで刺して細胞を採取。まあ、痛い。痛いんですけど、わりと痛みに耐えることが好きな性癖のため、くすぐったいのが続くよりはずっと平気でした。検査結果は一週間後にはわかるとのこと。早い! 混んでるクリニックに予約入れて4月まで待ったりしなくて良かった! でもこの時点から結果告知までの一週間は、「悪性か良性か50:50」ということで、(もし悪性だったらどう闘病していくか、子供は5歳だし預金少ないしまあ保険入ってるから何とかなるかーでも仕事も休みたくないし痛い治療はいいけど吐き気はいやだなあ……)等々、とりとめもなくぐるぐると頭の中を巡っていました。

一週間後。結果を聞きにクリニックへ向かう電車の中、悪い結果であっても出来る限りショックを受けないようにしたいという心の働きにより(恋愛関係でもそうで防衛として最悪のシミュレーションを常にしてしまう)、超どんよりした気分で揺られていたのですが、クリニックのドアを開けて1分で診察室へ呼ばれ、開口一番「良性でした」と。一気に脱力しました。そうか、このしこりは悪性ではなかったか……。といっても経過観察は必要なので一年後にまた同じクリニックで検診を受ける予定が組まれていますが、ひとまずは安心することができました。

今回学んだこと。乳がんの可能性があるとされる「しこり」は、私の場合、自分で触ってもまったく自覚できませんでした。乳房の脂肪がそんなに多くないので、触れてみて少し硬くても乳腺なのか筋肉なのかそれとも骨なのか、自分ではわからないんですね。柔らかい脂肪の中でそこだけフト塊になっている、という状態ならまだわかるかもしれないのですが、骨と皮メインの乳だと何がなにやら。いや、若い女性の乳房は乳腺が発達していて固めであることが多く、貧乳ではなくても「しこり」に気付きにくいかもしれません。

また、乳がんに限らないことかと思いますが、健康診断で何か異変が見つかって精密検査を、となったときに、すぐに受け入れてくれるクリニックはそんなにないのかもしれません。今回はたまたま受け入れてもらえるクリニックに電話がつながったけれど、じゃあ今度自分が、あるいは家族が、なんらかの病気の可能性があって詳しいことを知るため専門医を受診しなければとなったとき、迅速にアクセス出来るんだろうか。診断して治療して、というプロセスに淀みなく辿りつくことは実は難しいことなんじゃないか。がん治療の実績を多く持つ大病院では、患者が列をなしている状態であるため、各診療科ごとに治療開始までにかかる日数をwebサイトで公表しており、数週間~数カ月待ちの科がほとんどです。早期発見・早期治療というけれど、「早期」がいつまでなのかもわからず、私は今回いたずらに不安になってしまいました。もう33歳のいい大人なのに焦って不安ばかりを募らせて今思い返すと恥ずかしいのですが、自分の未熟さを再確認する出来事でした。

(下戸山うさこ)

お尻の愛撫は「アナル」だけじゃない! お尻の快感ポイントと刺激方法

クリーニングに出そうと思ったコートがまだ活躍しそうです。衣替えをするタイミングがわかりません。こんにちは、大根 蘭です。

 「前戯」といえば、女性にはオッパイ(乳首)愛撫やクンニ・指マン、男性には乳首責めやフェラが鉄板だと思いますが、意外に忘れられている場所が「お尻」。アナルセックスに興味のある方はいると思いますが、「肛門」以外のお尻周辺も愛撫によって快感を得る部分であることをお伝えしたいと思います。

◎お尻

 お尻は「側面(そくめん)」「臀部(でんぶ)」「谷間(割れ目)」の3つで出来上がっています。

「側面」は、下半身が疲れている時に“押すと気持ちいい”と言われる部分でもあるので、強めの力でも問題ナシですがセックスの時は優しく触った方が快感に変わります。筋肉と脂肪に包まれた「臀部」は、強めの愛撫が気持ちいい刺激を与えますが「谷間」は、性器が近くにあるため敏感な部分です。というようにそれぞれ感度が違うので、この3つのパーツごとに愛撫の強さを変えていくことが大事なポイントです。

*「側面」両手でゆっくり円を描くように優しく撫でる

*「臀部」手の平で臀部を強めに撫で、掴む(揉む)

*「谷間」指先で谷間の側面を優しく刺激する

 セックス中はもちろん、セックス前のイチャつきの際にお尻愛撫で感度を集中させることからはじめてみてはいかがでしょうか。

◎蟻の門渡り
 正式名称は「会陰部(えいんぶ)」。男性はタマタマと肛門の間、女性では膣と肛門の間の部分を指します。「蟻の門渡り」は、男女共に快感をもたらす神経がたくさん集まっている上にリンパも流れているので、この部分を刺激することで血液が促進される効果があるようです。さらに男性の場合、この裏側には“開発すれば、ドライオーガズムへ導く”前立腺が存在します。これは攻撃するっきゃないですね。

 蟻の門渡りは、指または舌先で「圧力や振動」を与える愛撫方法になります。圧力といっても、力強く押したり震わせるのではなく、愛撫では鉄則の「優しく」「フェザータッチ」で上下や円を描くように刺激を与え、快感が高まってきたら、優しくプッシュしてみてください。

 私の経験では、フェラで元気にさせたあとに蟻の門渡りを攻撃していたら、ちんこが萎えてしまった経験があります。数名の男性に聞いてみたところ、蟻の門渡り・アナルのほうに意識が集中してしまいペニスの血液が分散してしまった可能性が高いのでは? とのこと。もう1度ちんこを元気にする2度手間になりましたので「蟻の門渡り」はフェラ前に行うか、利き手でちんこをしごきながら舌先(もしくはフェラをしながら指先)で刺激する、ダブル攻撃がよさそうです。

◎スパンキング

 最後に、お尻責めのひとつ「スパンキング」。物や手の平でお尻を叩くことを指すのですが、カップルがセックスのスパイスとして取り入れる場合、叩く場所はお尻・道具は使わず手の平で行うスパンキングがちょうどいいかと思います。

 お尻を叩かれて感じる女性は、痛みで感じる系の女性だけとは限りません。「叩かれてるぅ~」という精神的興奮もありますが、実は感じるのには理由があるんです。お尻を叩かれた瞬間(叩かれると思った瞬間にも)、反射的に下腹部やアナル周辺の筋肉と、まんこ周辺の筋肉が収縮することで快感を得るといわれています(中には、叩かれただけでイッてしまう女性もいるんだとか!)。

 叩く場所は、基本的には先ほど紹介したプリンとした部分「臀部」。もしくはもう少し下の太ももとお尻の連結部分もアリです。反対に叩いてはいけない場所は、腰」と「背骨」。骨のある部分はダメージを与えてしまう可能性もあります。特に腰は、向こう側に内臓があるので絶対に叩いてはいけない部分です。

 スパンキングに最適なタイミングは、カップルによって様々だと思いますが「バックで挿入中」が自然流れかと思います。私の場合、抱き合っている時や愛撫の最中にお尻を優しく撫でる&揉まれ、バックで挿入中の体位で軽く数回スパンキングされたときは痛みも感じず、気持ちよさを感じました。そう、要するにタイミングというよりも、「すでに快感を得ている最中であること」と「スパンキングをする側のテクニック」が必要になってきます。スパンキングのポイントは、皮膚と肉だけを叩くように意識すること! 叩かれてる側の痛みなどを考えず、独占欲・支配欲からやみくもに「ペチン! ペチン!」と音を鳴らすことだけ考えて強く叩いてしまうと、痛いだけです。

 叩く力加減もリズムも、受ける側の感じ方は人それぞれです。はじめてスパンキングをする・される時は、軽く揉んだりかる~いお尻ペンペンからスタートして、相手の反応をきちんと観察することを忘れないでください。そして、スパンキングを受けた時に気持ちよさを感じない場合は中断するようにしてください。

 スパンキングによってヒップアップ効果があればいいんですけどねぇ。どうやらそれは期待できないようです。

(大根 蘭)