八丈島“闇スナック”は、なぜ摘発されたか──「韓国系」に甘かった当局の緩み

 東京・八丈島で無許可のスナックを営業したとして、韓国籍の経営者と店長の2人が風営法違反の疑いで警視庁に逮捕された。経営者の高春華容疑者と店長の田京順容疑者は、東京都公安委員会の風俗営業許可を受けずに、5年前から店を営業していたとされる。

 八丈島で飲食店を営む男性によると、「女性ホステスが客の隣に座って接客をするという、実質的にはキャバクラ運営だった」と明かす。

「大きくはない店ですけど、確か2~3人の女の子を雇ってたと思いますよ。スナックであれば、客にはカウンター越しで接客しないといけないはずで、カラオケのデュエットもダメとか、規定があったんですが、そういうのを破っていて、実質キャバクラ。そうなると接待遊飲営業というカテゴリーで申請が必要で、警察から止めるように指導を受けてたみたいですけど、一度そういうのやっちゃったら、客をつなぎとめるために止められませんからね」

 ならばキャバクラとして影響すればよさそうなものだが、「キャバクラにするには広さや明るさに制限があるし、営業時間も0時までだから、スナックのフリをして申請しない業者がいる」と男性。

 ただ、八丈島で風営法違反の摘発は初めてだという。

「そりゃ本土に比べて警察の監視も緩いですよ。観光客がお金を落としてくれる収入は貴重なんですから」(同)

 八丈島は羽田から飛行機で1時間弱の距離だが、人口は1970年代の約1万人から右肩下がりで8,000人を切るほどに減っており、地域活性化が島の最重要課題となっている。そのため、島の収入源の約半分を占める観光業の低迷には危機感が強い。違法営業と見られるスナックがあっても、指導などにとどめて改善の猶予を持たせていたようだ。

「大きな声では言えませんが、中でも韓国系スナックに対しては緩い感じがありました。島の空港はもともと日本軍が飛行場として作ったんですが、その工事には数百人の韓国人を動員していて、現在もその親族が住んでいますから、“日韓友好”の印という意味もあって大目に見られていたんですよ。一部では過去、韓国に帰った元労働者の方を招待しようという動きがあったほどですからね。警察だって、波風を立てたくなかったはずですよ」(同)

 しかし、それが一転して摘発となったのはなぜだろうか。

「長く続く不況もあって、敵意を持った同業者が通報するんです。同じ韓国スナック同士でも、日本国籍を持っているとか持っていないとかで対立しているところがあるくらいでね。あとは政治問題なんかで日本が韓国とモメるたびに、島の歴史を知りもしない連中が『韓国系スナック出ていけ』とか言い出したり、チクり(通報)が増えるんですよ。島を発展させたいのはみんな同じだから、ギスギスしてもいいことは何もないんですけどねえ」(同)

 それでも、店が違法操業だったのは間違いなさそうで、昨年12月、警察は行政立ち入りを行っていた。高容疑者らはこれを甘く見て営業を継続していたことで「なあなあになっていた」と容疑を認めているという。

 グルメ芸人として知られるアンジャッシュ・渡部建も毎年訪れるという八丈島、夜の街も健全な経営で観光客を楽しませてほしいものである。
(文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

これが“岐阜らしい風景”!? 閑散「問屋EXPO」に未来はあるか……実行委員会代表を直撃!

「有名人が多数出演など豪華企画なのに客が全くいないという事態に……」2月10日からの3連休の期間に開催された催しが、そんな不本意な形で注目されてしまった。

 注目を集めたのは、2月10・11日の2日間、岐阜市で開催された『Tonya EXPO(問屋EXPO)』だ。会場となった岐阜市の問屋町は戦後、縫製業で発展した地域。だが、近年は衰退が著しく、最盛期には2,000あった店舗も、今は200を割り込む事態になっていた。そうした中で、街の再生を願う地元の人々によって立ち上げられたのが、今回のイベントだった。

 ステージには、ET-KINGや土屋アンナなど著名アーティストも登壇。歩行者天国を実施し屋台も並ぶ、力のこもった企画が揃えられた。ところが、当日のイベント開催中の時間から来場者のTwitterでの写真付きツイートが、予期せぬ形で注目を集めてしまった。

 * * *

「岐阜駅前問屋街の活性化のため、有名アーティストを多数動員、駅前のメインストリートを歩行者天国にするなど鳴り物入りで今日から始まった問屋EXPOいくら天気が悪いといっても、これはあかんやろ…」

 * * *

 などの言葉と共にアップされたのは、閑散としたイベント会場の風景。これを見た人々が「岐阜らしい」「完全に広報の失敗」などとツイートし、主催者には不本意な形で「問屋EXPO」の名前が広まることになってしまったのだ。

 しかし、さまざまな形で開催の様子を調べるとステージは盛り上がっていたり、人が集まっている様子も。加えて、閉会後に公式サイトに掲載された挨拶では来場者は8万人としている。

 どうも、事実にそぐわない形で催しは失敗だったと広まっているのではないか。そう考えて、実行委員会にコンタクトを取った。

 

■「意図的に切り取られた」風景

 

 答えてくれたのは、実行委員会代表の林伸将さん。まず聞いたのは、togetterにもまとめられている閑散とした催しの風景についてだ。

「意図的に切り取られています。会場は広いので実際に誰もいない通りも時間帯にやって存在しましたが悪意のある投稿です」

 一見、憤りを感じているようにも聞こえる言葉だが、同時に林さんは、こうも話す。

「これも表現の仕方なので貴重な意見として受け止めています」

 そして、批判に対しても謙虚な言葉を。

「企画から開催までの期間が短かったこともあり、契約書の問題で発表ができないことが多かったことや、場所の許可書の申請がギリギリまで通らなかったことで、広報ができませんでした。来場者数も目標に対しては少なかったです。ただ広報の問題や他にも原因となる課題は鮮明になっているので、次回に向けてしっかりと目標値に合わせたいと思います」

 今回、注目が集まった点として上げられるものの中に、地域を盛り上げるイベントにもかかわらず、商店がカレンダー通りに休んでいることがあった。これは、問屋EXPOが初めての試みということもあり、様子を見る商店が多かったことが理由だ。

「問屋町の復興に共感していただいた方のみが当日出店された方です。数が少ないのは、それが現実です。だからこそ今まで衰退した原因です」

 今回の開催は収支だけを見れば、赤字だという。それでも、林さんをはじめ実行委員のメンバーは当初の予定通りに、今年7月と10月の開催を決めている。

「継続しないと目的に対して効果は出ません。ですから開催します」

 これまで筆者は、さまざまな地方での町おこしや活性化などを目的としたイベントを取材してきた。その中で「うまくいっている」「継続している」ものは、巨額な予算が投じられているとか、大勢の来場者がいるものではない。

 主催者や運営スタッフ自身が、明確な目的意識を持ったり楽しんでやっているものである。要は「なんか、面白そうなことをやっているな」と、周囲の人に感じてもらえるかどうかがカギとなる。

 問屋EXPOの運営には、まだ手探りの部分も多いように見受けられる。それでも、問題点を洗い出し継続しようとする意志が感じられる。そこには、今後の発展の可能性が表れているのではないのかと思う。
(文=昼間たかし)

アキバの老舗・かんだ食堂が閉店という悲劇……登記簿から見える閉店理由と今後のこと

 秋葉原……今はオタク文化の中心地となった街で、やっちゃ場(神田青果市場)のあった時代から、漢たちの腹を満たしてきたのが、かんだ食堂。

 そこは、メシの激戦区。サッシの扉を開ければ「いらっしゃいませ」の声。おばちゃんに指示されて席につけば、注文に迷うことはない。豊富なメニューの数々……でも、変わらないのは、ごはん大盛り。刹那に運ばれてくる、どんぶり飯を濃いめの味付けのおかずと共に流し込む。

 隣に座る見知らぬ客は、いわばライバル。競うようにかき込む米、米、米。その先に見えるのは、果てしなき米の宇宙……。

 そんな店の風景は、永遠に続くと思っていたのに!!

 1958年の創業以来続いてきた風景が、3月24日をもって終わることが店頭に告知され、多くの人々を悲しませている。

 いったい、なぜ、かんだ食堂が閉店しなくてはならないのか。これまでにウワサされている閉店の理由は、ビルのオーナーが変わったというもの。

 それは、本当なのだろうか。とすると、開発が予定されているのか? ならば隣の老舗喫茶店・タニタも、ヤバイのではなかろうか。

 そこで登記簿を見てみると、さまざまな事情が見えてきた。

 まず、かんだ食堂の入るビルのオーナー変更は事実である。登記簿によれば、この土地は、昨年11月に中央区にある不動産会社A社から、千代田区にある別の不動産会社P社へと所有権が移転している。

 このP社のサイトを見てみると、主に扱っているのは自社物件のマンションの販売。となると、一帯をマンションとして開発することを目指しているのか。

 ところが、その老舗喫茶店・タニタのほうの登記簿を見ると、所有者は前出のA社のまま。また、かんだ食堂からは裏にあたる、じゃんぱらのある部分の登記簿は、別の個人が所有していることがわかる。

 ここからは、すぐに再開発が行われるわけではなさそうな雰囲気を感じる。ならば、なぜ、かんだ食堂は閉店を余儀なくされたのか。

「いま、都心では不動産会社による『地上げ』が盛んに行われています。新オーナーが家賃の大幅値上げを要求したために、閉店する店も多いんです」(不動産業者)

 先日も、神保町の老舗・キッチン南海が閉店するのではないかという根も葉もないウワサが流れたが、その原因は隣のおにぎり屋が、新オーナーに家賃を大幅値上げされたために、閉店というものだった。

 不動産会社が利潤を追求する姿勢は、決して否定することはできない。でも、チェーン店ばかりの、つまらん街のどこに魅力があるのか。
(文=昼間たかし)

インターネットがなければ陸の孤島と化す……単なる“椿事”に終わらない! 田舎でケーブルテレビがなくなる怖さ

 いきなりテレビが見られなくなった。

 インターネットが普及した今となっては、そんなに不便ではないかもしれない。それでも、昨日まで視聴していたテレビ番組が一切見られなくなるとすれば、それは確かに不安である。

 そんな由々しき事態が、長野県の佐久穂町の一部で起こっている。先月15日から、ケーブルテレビ会社「佐久高原ケーブルビジョン」が町や加入者に無断で放送を中断したのが原因だ。

 このケーブルテレビ会社の主な事業は、山間部にあり放送電波を受信しにくい地域への、地上波テレビ番組の配信。加入世帯数わずか650世帯にすぎない同社では、かねてより事業継続のための資金繰りが困難であると表明。当初は、佐久穂町と施設の無償譲渡で合意したものの、佐久穂町側は高額な施設維持費を理由に譲渡受け入れを撤回。ケーブルビジョン側は、年末から放送の中断を宣言していた。

「これは他人事ではなく、人口減の時代に突入したことで事業の継続が困難になるケーブルテレビ会社は、これから増加すると思います」

 そう話すのは、ある地方ケーブルテレビ局の関係者だ。長野県をはじめ、山間部が多くテレビ電波を受信しにくい地域では、ケーブルテレビの普及率が高い。

「地域の独占企業といえば、安定した収入が見込めると錯覚しますが、たいていの地域では加入世帯が減ることはあっても増えることはありません。わずか650世帯の契約数で、よく放送を維持していたと思いますよ」(同・地方ケーブル局関係者)

 近年、ケーブルテレビ会社が破綻した例としては、2014年の栃木県の「真岡ケーブルテレビ」がある。この会社の場合、加入世帯数は約3,000世帯あったが、それでも事業の継続はかなわなかった。放送設備を24時間維持するためには、機材はもちろん人件費にも膨大な金額が割かれる。人口減に伴う加入世帯の減少で、同様のケースが起こるのは想像に難くない。

 もちろん、テレビが見られなくなっても、特に問題を感じない人も多いだろう。問題は、同時にインターネットも利用ができなくなってしまうことだ。

「地方の山間部では、ケーブルテレビ会社が提供するインターネット回線を利用するケースが多いのです。そうした地域は、そもそもほかにインターネット回線が皆無のところも多い。NTTの光回線はもちろん、ADSLにすら対応していないところもあります。もしも、ケーブルテレビ会社がなくなれば、完全に情報から隔絶されてしまうわけです」(同)

 インターネットさえあれば、一定の情報は得られる。Amazonや楽天などが利用できれば、生活必需品をはじめ、あらゆる商品が宅配され、都会から遠く離れた山奥でもある程度は不便なく暮らせるはず。でも、そこにこそ意外な落とし穴があるのかもしれない。
(文=是枝了以)

特に行きたい理由のない県・茨城県の椿事 茨城県北ジオパークが史上初の“認定取り消し”処分

 どんなにひどい運営体制だったのか。日本全国に広がっている「ジオパーク」の認定。その中で昨年12月、茨城県北ジオパークが史上初となる認定取り消し処分を日本ジオパーク委員会から宣告され、物議を醸している。

 ジオパークとは、いわば大地の公園。地質や自然地形などで貴重なものを保全し、次世代へと伝えるための教育事業などを行う施策で、各地でその整備が進められている。日本では、日本ジオパーク委員会が認定を行い、現在のところ洞爺湖有珠山ジオパークや糸魚川ジオパークなど、8地域が世界ジオパークとしても認定されている。いうなれば、地質学における世界遺産のようなものである。

「ジオパークというのは、単なる地質学的に貴重な土地を保存するものではありません。公的機関や民間団体などを通じて教育活動なども行われることが求められます。単に、珍しい地形を保存して観光に用いようというものではないのです」(自治体関係者)

 茨城北ジオパークは、県内の五浦海岸や千波湖などを特色のある「ジオサイト」として2011年に認定。ところが、官民でつくる県北ジオパーク推進協議会の職員不足や、紹介する施設が少ないなどの問題点を指摘され、15年には2年間で対策を取ることを求められる「条件付き再認定」を突きつけられていた。

 今回の現地審査で、委員会は企業やガイド、学生などの活動を評価する一方で、連携不足と運営体制の脆弱性などが改善されていないことを理由に認定取り消しの判断を下したのである。

 事情を知る茨城県の関係者は「認定取り消しに対する関係者の怒りの声そのものが、取り消しの理由を露わにしている」と語る。

「関係者の間では“組織うんぬん以前に活動は努力している”というような声が多く、認定を取り消した委員会を“権威主義者の団体”と呼ぶ声もあります。さらに“地域活性化のために……”と怒っている人も多いんです。どうも、新たな観光資源ととらえ、勘違いしたままの活動を修正できないでいた印象です」(同)

 その観光資源として生かす方法にしても、公式サイトを見ると、どこかズレている感じが伝わってくる。見どころの説明もイマイチわかりにくい上、本題である、何がどう貴重なのかも説明できていないのだ。

 特に行きたい理由もない県としては、上位に名前が上がりがちな茨城県。これで心折れるのではなく、再認定に向けて本腰を入れてほしい。
(文=特別取材班)

「営業してるの……?」アドベンチャーワールドの“和歌山のパンダ”が、閑散としすぎてて見やすいぞ!

 日本において、パンダの本場は和歌山県!!

 ついに、和歌山県知事自ら、上野動物園に叩きつけた挑戦状に注目が集まっている。

 和歌山県民の怒りがわき上がったのは、19日に始まった上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃん。シャンシャンをめぐる報道だ。

 さまざまなマスコミがシャンシャンのかわいさを書きたて、全国紙やテレビニュースでも報道が止むことはない。

 これに対して、待ったをかけたのが和歌山県の仁坂吉伸知事だ。仁坂知事は20日に開かれた記者会見の中で「上野のシャンシャンしか世の中にいないのか、というくらいの浮かれようだ」と発言。「和歌山にもいるんですよ、と一言くらい入れてくれたらいいのに」と、マスコミに苦言を呈したのである。

 実に和歌山県は日本におけるパンダの本場である。パンダがいるのは、和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールド。ここでは、現在5頭のジャイアントパンダを飼育。昨年には、メスの結浜(ゆいひん)が生まれている。

 だが、それが全国区のニュースになることはない。

 もし、純粋にパンダを見たいならば、上野動物園で行列するほどのことはない。何しろ、アドベンチャーワールドは平日ならば、驚くほどゆったりとパンダを見ることができるのだから。

 そんなウワサを聞いた筆者は、今年5月にアドベンチャーワールドを訪れた。白浜町の温泉地を回るバスでたどり着いたそこで感じた第一印象は「大丈夫か、ここは……」というもの。

 なにしろ、平日のそこは営業しているのが疑わしいレベルで閑散としていたのである。

 あちこちに設置されたパンダのモニュメントなどを横目に、中に入る。やはり、人の数は少ない。次第に不安になる筆者の目に飛び込んできたのは、パンダを囲む人だかりであった。

 閑散とした中で、パンダの前にだけは人だかりができている。とはいえ、人だかりは驚くほどに小さい。これまで、パンダを見るためには行列が必須、あるいは「立ち止まらないでくださーい」と、チラッと白黒の物体が見えたかと思ったら、すぐに移動させられた記憶ばかり。

 ところが、ここでは誰もが思い思いにパンダを眺めて、写真を撮っているではないか。ウワサに聞いた、パンダをゆっくりと見ることができる伝説の地。その存在を、筆者は五感で味わったのである。

 感無量な筆者にこみ上げてきた思い。それは忘れることはできない。

「ホントに、パンダって笹食って寝てるだけなんだな……」

 なお、帰りの白浜駅行きバスが、ほぼ、とれとれ市場に停車する設定になっているという観光地っぽさも忘れがたい。

ソレ とれ とれ とれ とれ とれ とれとれ
とれ とれ とれ とれ とれ とーれ(テーマ曲「とれとれ音頭」)

(文=昼間たかし)

「営業してるの……?」アドベンチャーワールドの“和歌山のパンダ”が、閑散としすぎてて見やすいぞ!

 日本において、パンダの本場は和歌山県!!

 ついに、和歌山県知事自ら、上野動物園に叩きつけた挑戦状に注目が集まっている。

 和歌山県民の怒りがわき上がったのは、19日に始まった上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃん。シャンシャンをめぐる報道だ。

 さまざまなマスコミがシャンシャンのかわいさを書きたて、全国紙やテレビニュースでも報道が止むことはない。

 これに対して、待ったをかけたのが和歌山県の仁坂吉伸知事だ。仁坂知事は20日に開かれた記者会見の中で「上野のシャンシャンしか世の中にいないのか、というくらいの浮かれようだ」と発言。「和歌山にもいるんですよ、と一言くらい入れてくれたらいいのに」と、マスコミに苦言を呈したのである。

 実に和歌山県は日本におけるパンダの本場である。パンダがいるのは、和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールド。ここでは、現在5頭のジャイアントパンダを飼育。昨年には、メスの結浜(ゆいひん)が生まれている。

 だが、それが全国区のニュースになることはない。

 もし、純粋にパンダを見たいならば、上野動物園で行列するほどのことはない。何しろ、アドベンチャーワールドは平日ならば、驚くほどゆったりとパンダを見ることができるのだから。

 そんなウワサを聞いた筆者は、今年5月にアドベンチャーワールドを訪れた。白浜町の温泉地を回るバスでたどり着いたそこで感じた第一印象は「大丈夫か、ここは……」というもの。

 なにしろ、平日のそこは営業しているのが疑わしいレベルで閑散としていたのである。

 あちこちに設置されたパンダのモニュメントなどを横目に、中に入る。やはり、人の数は少ない。次第に不安になる筆者の目に飛び込んできたのは、パンダを囲む人だかりであった。

 閑散とした中で、パンダの前にだけは人だかりができている。とはいえ、人だかりは驚くほどに小さい。これまで、パンダを見るためには行列が必須、あるいは「立ち止まらないでくださーい」と、チラッと白黒の物体が見えたかと思ったら、すぐに移動させられた記憶ばかり。

 ところが、ここでは誰もが思い思いにパンダを眺めて、写真を撮っているではないか。ウワサに聞いた、パンダをゆっくりと見ることができる伝説の地。その存在を、筆者は五感で味わったのである。

 感無量な筆者にこみ上げてきた思い。それは忘れることはできない。

「ホントに、パンダって笹食って寝てるだけなんだな……」

 なお、帰りの白浜駅行きバスが、ほぼ、とれとれ市場に停車する設定になっているという観光地っぽさも忘れがたい。

ソレ とれ とれ とれ とれ とれ とれとれ
とれ とれ とれ とれ とれ とーれ(テーマ曲「とれとれ音頭」)

(文=昼間たかし)

【画像アリ】ゲテモノを超えた本物のグルメ! 信州では当たり前の昆虫食が集結した「大昆蟲食博」

 昆虫食は、ゲテモノ食い? いやいや、昆虫は美味いのだ。

 単なる怖いもの見たさを超えた本気の昆虫食を展示する「大昆蟲食博」が、長野県伊那市にある市立伊那市創造館で来年5月7日まで開催されている。

 この伊那市というのは、日本でも有数の昆虫食文化が存在する地域。中でも知られるのが、ざざ虫である。ざざ虫とはトビケラ、カワゲラ、ヘビトンボといった川に住む虫の総称。冬になると伊那市周辺の天竜川では、ざざ虫を捕るざざ虫漁が現在も盛んに行われている。「虫踏み」というこの漁法は、河原の石を集めて、鉄製のかんじきでイモを洗うように踏むもの。すると、石の裏についている虫が流れて、網にひっかかるのだ。この地方では、冬の風物詩となっている。

 そうして捕れた虫は、主に佃煮にして食べられる。なぜ佃煮にするのか? その理由を案内してくれた地元のざざ虫博士・牧田豊さんは語る。

「佃煮は作るのも簡単だし、保存がしやすいのが理由でしょう。ただ、佃煮は今でこそ砂糖を使って甘辛く味付けしていますが、昔は砂糖を使わず、もっとしょっぱかったはずです」

 

 牧田さんによれば、ざざ虫を食べる文化は伊那地方だけでなく各地に存在していた。その中で“伊那=昆虫食”のイメージができたのは、大正時代に創業した「かねまん(2011年に閉店)」の存在が大きいという。同店では、ざざ虫の佃煮をお土産などとして販売していた。それは次第に珍味として知られるようになり、東京の料亭などでも販売されるようになった。

 つまり、自家消費だけでなく産業となったことで残ったのだという。

 ただ、それによって、食べられる虫にも変化が起きた。前述のように、ざざ虫とは川に住む虫の総称。その中でもトビケラなどの小さい虫のほうが、メジャーなざざ虫となったのである。

「本当に美味しいのは、孫太郎虫(ヘビトンボの幼虫)。小指くらいのサイズがあるので、しっかりと食べている感じを味わえます。ただ、そんな大きさのためか、佃煮にするとグロいので、販売されているものには使われていません」

 そう聞くと、逆に食べてみたい。そこで、どこに行けば食べられるのかを聞いてみると……。

「う~ん、地元の漁師さんにお願いするしか……」

 この企画展を立案した館長の捧(ささげ)剛太さんも、やはり昆虫食を探求中。この企画に当たっては「カンボジアで売っているタランチュラのフライを買ってきてもらって食べたのですが、美味い!!」という。その探究心はとどまるところを知らず、現在、毎日のように「ざざ虫のピザ」「イナゴとざざ虫と蜂の子のパスタ」「虫の軍艦巻き」などの新メニューを考案中だ。

 これからの時代。虫はメジャーな食べ物になっていくのか?

 なお来年3月には、昆虫食に詳しい人々を招き、講演を兼ねた実食会も予定されている。
(文=昼間たかし)

 

【画像アリ】ゲテモノを超えた本物のグルメ! 信州では当たり前の昆虫食が集結した「大昆蟲食博」

 昆虫食は、ゲテモノ食い? いやいや、昆虫は美味いのだ。

 単なる怖いもの見たさを超えた本気の昆虫食を展示する「大昆蟲食博」が、長野県伊那市にある市立伊那市創造館で来年5月7日まで開催されている。

 この伊那市というのは、日本でも有数の昆虫食文化が存在する地域。中でも知られるのが、ざざ虫である。ざざ虫とはトビケラ、カワゲラ、ヘビトンボといった川に住む虫の総称。冬になると伊那市周辺の天竜川では、ざざ虫を捕るざざ虫漁が現在も盛んに行われている。「虫踏み」というこの漁法は、河原の石を集めて、鉄製のかんじきでイモを洗うように踏むもの。すると、石の裏についている虫が流れて、網にひっかかるのだ。この地方では、冬の風物詩となっている。

 そうして捕れた虫は、主に佃煮にして食べられる。なぜ佃煮にするのか? その理由を案内してくれた地元のざざ虫博士・牧田豊さんは語る。

「佃煮は作るのも簡単だし、保存がしやすいのが理由でしょう。ただ、佃煮は今でこそ砂糖を使って甘辛く味付けしていますが、昔は砂糖を使わず、もっとしょっぱかったはずです」

 

 牧田さんによれば、ざざ虫を食べる文化は伊那地方だけでなく各地に存在していた。その中で“伊那=昆虫食”のイメージができたのは、大正時代に創業した「かねまん(2011年に閉店)」の存在が大きいという。同店では、ざざ虫の佃煮をお土産などとして販売していた。それは次第に珍味として知られるようになり、東京の料亭などでも販売されるようになった。

 つまり、自家消費だけでなく産業となったことで残ったのだという。

 ただ、それによって、食べられる虫にも変化が起きた。前述のように、ざざ虫とは川に住む虫の総称。その中でもトビケラなどの小さい虫のほうが、メジャーなざざ虫となったのである。

「本当に美味しいのは、孫太郎虫(ヘビトンボの幼虫)。小指くらいのサイズがあるので、しっかりと食べている感じを味わえます。ただ、そんな大きさのためか、佃煮にするとグロいので、販売されているものには使われていません」

 そう聞くと、逆に食べてみたい。そこで、どこに行けば食べられるのかを聞いてみると……。

「う~ん、地元の漁師さんにお願いするしか……」

 この企画展を立案した館長の捧(ささげ)剛太さんも、やはり昆虫食を探求中。この企画に当たっては「カンボジアで売っているタランチュラのフライを買ってきてもらって食べたのですが、美味い!!」という。その探究心はとどまるところを知らず、現在、毎日のように「ざざ虫のピザ」「イナゴとざざ虫と蜂の子のパスタ」「虫の軍艦巻き」などの新メニューを考案中だ。

 これからの時代。虫はメジャーな食べ物になっていくのか?

 なお来年3月には、昆虫食に詳しい人々を招き、講演を兼ねた実食会も予定されている。
(文=昼間たかし)

 

中には『八つ墓村』みたいな体験をできる宿も!? 規制も仕方ないと論じられる“民泊の真の魅力”とは

「深夜にインターフォンを鳴らされて、何事かと思ってモニターを見たら、スーツケースを抱えた謎の外国人が立っていた」

 都内近辺でオートロックのマンションに住んでいる人からは、そんな話をよく聞くようになった。夜中に見知らぬ人が尋ねて来る得体の知れない恐怖。その原因となっているのが、民泊である。

 東京をはじめ、大阪や京都など大都市では、観光客の増加によって常にホテルはパンク状態。一般的なビジネスホテルでも1泊1万円になることがある昨今、民泊の需要は高まっている。

 各地を取材で訪れる筆者は、民泊を利用する機会も多い。地域の実情を知るには、民泊のほうが何かと都合のよい側面はある。部屋を貸してくれるホストと交流するのは、民泊でなくてはできない楽しみだと思う。

 しかし、いろいろな民泊を利用していると、決してそんな楽しい宿ばかりではない。やはり、空き部屋を利用して稼ごうという意志が前面に立っているところにも出くわすことになる。

 先日、関東某所で民泊を利用する機会があった。民泊を探す時に利用するのは、宿泊サービス「Airbnb」のサイト。その宿に興味を持ったのは、意味がわからない安さである。周辺がどこも3,000円台だというのに、そこだけは2,000円を切る値段を表示していたのである。

 これはいったいどんな宿なのか……。

 掲載されている写真やレビューを見る限りは、決して悪い評価は付いていない。おそるおそる予約をし、ホストとカギの受け渡しなどのやりとりのためメッセージを交換した。

 この時点で、ちょっと疑問が。妙に日本語がたどたどしいのである。そして、仕事に出掛けているのでカギはポストのロックを外して入れておくから、勝手に入ってくれという。

 これは、何かハプニングがあるのかも。そう思って訪れたのは、最寄り駅から徒歩10分ほどの古めの集合住宅。カギを開けて入った部屋は、2LDKの生活感にあふれる空間であった。どの部屋を使えばよいのか案内もない。布団が敷かれている部屋が、多分そうだろうと思い中に入る。あるのはWi-Fiの案内だけ。あとは、台所にゴミの分別方法が書いてある以外は、何も案内がない。

 深夜になり、ようやくこの部屋の片鱗がつかめた。誰かがドアを開ける音がしたので様子をうかがうと、アジア系らしい女性のグループ。話しかけてみるが、日本語は通じない。彼女らが、もうひとつの部屋に入ってカギをかける姿を見て理解した。ああ、ここは、こっそり運営している「ヤミ民泊」の類いなのだろうな、と。

 空いているマンションの一室を、家主が管理組合などに許可なく民泊にする。あるいは賃貸人が家主には内緒で運営する「ヤミ民泊」の数は増えている。とりわけ問題が深刻なのは、都内に増えた新築のマンション群。これらの部屋には値上がりを期待して資産として購入されているものも多い。そうした、将来は売る予定の部屋を、民泊にして利潤を得ているのだ。

 結果、困るのは同じ物件の別部屋の住人たち。宿というものは、周囲の人に迷惑がかからぬように静かに使うもの。でも「旅の恥はかき捨て」と思っている連中は、人種・民族を問わず存在する。共用スペースで騒ぐ者やら、宴会で騒音をまき散らす者まで。そうした連中の存在は、民泊への規制議論を本格化させている。

 新宿区では、営業できる日を週末を中心に限ることを盛り込んだ条例案をまとめ、近く区議会に諮る予定だという。迷惑な利用者がいる以上、もはや規制も仕方ないところまで来ているのだろう。

 だが、一方で民泊は魅力的だ。何しろ「Airbnb」を見ると「二度と泊まりたくない」と、話題になりそうなネタ物件候補も、次々と見つかるもの。

 前述の宿など、まだマシなほう。「単に板の間に汚い布団が敷いてあるだけだった」という体験をする人も多い。さらに「農家を体験と書かれている宿に泊まったら、生活していた時のままなのか、やたら広い一軒家。中には仏壇もあったりして、農家じゃなくて八つ墓村みたいだった」という体験をした人も。

 予定通りにいかないことこそ、旅のひとつの魅力。今日の宿はいったいどんな体験が待っているのか……その、ギャンブル性は新たな旅の楽しみになっているような気がする。
(文=昼間たかし)