『不貞の季節』/文藝春秋
■今回の官能小説
『不貞の季節』(団鬼六、文藝春秋)
愛する者の裏切り行為は、時に人のマゾヒスティックな気持ちを呼び覚ます。例えば恋人が、自分以外の女とセックスしていると気付いた時、例えようのない悲しみと怒りに包まれながら、どこかその半面「愛する人が、ほかの女を抱いていた」という現実に、えも言われぬ“官能”を感じることはないだろうか。ほかの女をどう抱いたのか――? そんないやらしい好奇心を抱いてしまう自分が、どこかに存在してしまうこともある。
SM作家の第一人者である大御所・団鬼六の自叙伝的小説『不貞の季節』(文藝春秋)は、当時40歳だった鬼六に起きた、衝撃的な日常が赤裸裸に描かれている。

