『アメトーーク!』が事実上の終焉? スポンサー離れで『テレビ千鳥』への移行が規定路線か

 雨上がり決死隊・宮迫博之が反社会勢力の会合に出席し、100万円の出演料を受け取った“闇営業問題”が発覚し、謹慎処分となったことで、その冠番組『アメトーーク!』(テレビ朝日系、木曜午後11時20分~)の行く末が風前の灯となっている。

 現状、蛍原徹が一人MCとして踏ん張っているものの、その番組イメージは損なわれ、CMスポンサーの撤退も目立つ。本来なら、番組を存続させること自体が困難とも思われるのだが……。

「テレ朝は10月改編でも、『アメトーーク!』を継続させると断言しています。基本線として、番組タイトルも変更しない意向のようです。『アメトーーク!』はファンも多く、視聴率も深夜番組としては上々。『MCがホトちゃん一人になっても続けてほしい』との声がたくさん寄せられていると言います。従って、視聴率を考えると、なかなか打ち切ることはできないのでしょう。ただ、問題なのは、番組イメージが毀損されてしまった点と、スポンサー離れですね。今後もスポンサーの反発が強く、新規での獲得も難しいとなれば、やはり番組を終了させるか、タイトルを変えて大幅リニューアルするしか選択肢がなくなってしまうでしょうね」(テレビ制作関係者)

 そこで、同局が検討しているのが、『アメトーーク!』から、千鳥の冠番組『テレビ千鳥』への変更だという。15日、同局は『アメトーーク!』を休止し、従来、月曜深夜1時59分からオンエアしている『テレビ千鳥』のスペシャルを放送した。これはもう、同局になんらかの意図があってのものだろう。

「『アメトーーク!』の枠で、『テレビ千鳥』が放送されたのは、これが初めてではありませんが、時期が時期だけに、『テレビ千鳥』でどれだけ数字が獲れるのかというリサーチの意味もありようです。すぐ改編ということはないのでしょうが、近い将来、千鳥の番組に取って代わる可能性が高くなったと言えそうです。『アメトーーク!』には根強いファンもいますから、番組が終了して、『テレビ千鳥』に変わるのか、あるいはタイトルを変えて、千鳥がMCを務める番組にリニューアルするのかは、今後検討されていくのでしょうね。千鳥と蛍原の3人によるMCもあるかもしれません」(同)

 いずれにせよ、『アメトーーク!』が雨上がりの冠番組である以上、このタイトルでの番組継続は困難だろう。現時点では、千鳥が後継者の最有力候補であることに変わりはなさそうだ。

『アメトーーク!』が事実上の終焉? スポンサー離れで『テレビ千鳥』への移行が規定路線か

 雨上がり決死隊・宮迫博之が反社会勢力の会合に出席し、100万円の出演料を受け取った“闇営業問題”が発覚し、謹慎処分となったことで、その冠番組『アメトーーク!』(テレビ朝日系、木曜午後11時20分~)の行く末が風前の灯となっている。

 現状、蛍原徹が一人MCとして踏ん張っているものの、その番組イメージは損なわれ、CMスポンサーの撤退も目立つ。本来なら、番組を存続させること自体が困難とも思われるのだが……。

「テレ朝は10月改編でも、『アメトーーク!』を継続させると断言しています。基本線として、番組タイトルも変更しない意向のようです。『アメトーーク!』はファンも多く、視聴率も深夜番組としては上々。『MCがホトちゃん一人になっても続けてほしい』との声がたくさん寄せられていると言います。従って、視聴率を考えると、なかなか打ち切ることはできないのでしょう。ただ、問題なのは、番組イメージが毀損されてしまった点と、スポンサー離れですね。今後もスポンサーの反発が強く、新規での獲得も難しいとなれば、やはり番組を終了させるか、タイトルを変えて大幅リニューアルするしか選択肢がなくなってしまうでしょうね」(テレビ制作関係者)

 そこで、同局が検討しているのが、『アメトーーク!』から、千鳥の冠番組『テレビ千鳥』への変更だという。15日、同局は『アメトーーク!』を休止し、従来、月曜深夜1時59分からオンエアしている『テレビ千鳥』のスペシャルを放送した。これはもう、同局になんらかの意図があってのものだろう。

「『アメトーーク!』の枠で、『テレビ千鳥』が放送されたのは、これが初めてではありませんが、時期が時期だけに、『テレビ千鳥』でどれだけ数字が獲れるのかというリサーチの意味もありようです。すぐ改編ということはないのでしょうが、近い将来、千鳥の番組に取って代わる可能性が高くなったと言えそうです。『アメトーーク!』には根強いファンもいますから、番組が終了して、『テレビ千鳥』に変わるのか、あるいはタイトルを変えて、千鳥がMCを務める番組にリニューアルするのかは、今後検討されていくのでしょうね。千鳥と蛍原の3人によるMCもあるかもしれません」(同)

 いずれにせよ、『アメトーーク!』が雨上がりの冠番組である以上、このタイトルでの番組継続は困難だろう。現時点では、千鳥が後継者の最有力候補であることに変わりはなさそうだ。

千鳥が東京五輪に触手? BSパラリンピック番組の伸びシロに期待大‼?

 いま、テレビ界隈で最も勢いがあるといわれる千鳥。今春始まったテレビ朝日での初冠番組『テレビ千鳥』では、東京オリンピック開催まであと1年を切ろうかという7月22日深夜、「スポーツ千鳥」なる企画が放送された。

 企画意図は、千鳥の2人が東京オリンピック・パラリンピックで何かしらの役割を得るため、俺たちだってスポーツできます! とアピールすること。

 その内容はさておき、あながち「東京オリンピック・パラリンピックを狙う」という千鳥の意気込みは、冗談とは言い切れないんじゃないか……そんなことを感じさせるのは、『テレビ千鳥』同様、今春からNHKで始まった千鳥の新番組『パラ×ドキッ!』(NHK-BS1、再放送は総合でも)の存在があるからだ。

<見たら必ずハマるパラスポーツの驚きのスゴ技やスピード勝負、金メダル期待の日本の超人アスリートの面白キャラクターや波乱万丈の物語をたっぷりご紹介するバラエティー番組>

 番組公式サイトにあるこの文言通り、この番組は「スポーツ番組」というよりも「バラエティー」の側面が強い。

 だからこそ、重視されるのは「面白さ」。ゲストのパラアスリートがどんな障害を負っているのか――についての情報は少なく、障害者スポーツから連想しがちな悲壮感や大変さ、といった印象はゼロ。アスリートの特徴や特技を紹介する際にも、「ただやるだけじゃつまらないので」と、ドッキリ企画を挟んだり、レポーター役の芸人がいちいちボケてみせるシーンが続く。

 個人的な好き嫌いはさておき、ひとつの狙いとしてはアリなのかな、と思う。パラ競技や障害者スポーツといえば、どこぞのチャリティ番組よろしく、「感動の物語」「とんでもない苦労エピソード」で十把一絡げにしがち。だが、実際のパラアスリートたちに話を聞くと、「もっとスポーツとして見てほしい」「アスリートとして認識してほしい」という声が聞こえてくる。

 健常者のスポーツ競技において、すでにアスリートのバラエティータレント化が目立つ昨今。ならば、パラスポーツ番組でもバラエティ路線を目指すことは必然ともいえるのだ。

 ただ、今のところ、番組構成も進行も空回りしている印象は否めない。一番の原因は、ロケ職人・千鳥がロケには行かず、後輩芸人たちのロケ取材の様子をスタジオで見守っている点だ。比較するのは悪いとは思いつつ、画面に千鳥が映っているからこそ、「これ、千鳥のロケだったら、もっと面白かったんだろうな」と思わずにはいられないし、それを仕切る千鳥のMC ぶりも不慣れなせいかグダグになりがちで、すべっていることが多いのだ(実際、この番組で一番多いツッコミワードは「すべってるがな」だと思う)。

 まあ、面白い・面白くないは個人的な感想にもなってしまうので、いったん置いておこう。この番組を見ていて違和感を抱くのには、もうひとつ理由がある。それは、あまりにも「吉本推し」が強いから。MC千鳥はもちろんのこと、脇を固める女性タレントも渡辺直美か横澤夏子。ロケ取材する若手芸人も吉本の後輩。そして、ナレーションもケンドーコバヤシの回が多い。NHKアナウンサーも出ているし、番組を締めるコメンテータ―役にパラ競技に精通したカメラマンを配置したりはしているのだが、今どきここまで吉本タレントだらけのバラエティ、って逆に珍しいのではないか。

 振り返れば、NHK総合で相葉雅紀MCの『グッと!スポーツ』が始まり、「ついにNHKスポーツもジャニーズに頼る時代かぁ」と少々寂しく思ったのが3年前。今度はNHKさん、パラスポーツで吉本に頼るのかぁ……というこの胸のモヤモヤは、昨今の吉本問題があるからこそ感じてしまうものなのか。

 この番組でパラ陸上の女王・中西麻耶選手を取り上げた際、イギリスでパラスポーツが盛んな理由として、メディアが主体的に「パラ競技のスーパースター」を生み出そうとしていたことを紹介していた。

 その紹介VTRを見て、「『パラ×ドキッ!』はすごく大事なことをしているよ」とつぶやいたのは千鳥の大悟本人。その言葉の通り、今後日本がパラスポーツ大国になっていくために、そして東京パラリンピックが成功するために、この番組はどのようにアスリートを照らしていくのか。そこにはすごく大事な意義があるはずだ。

 だからこそ引き続きこの番組には注目したいし、まさかNHKがひとつの芸能事務所に忖度した番組づくりなんてしないよね、と信じたい。

(文=オグマナオト)

吉本騒動と千鳥・大悟の”すべらない話”に見た、芸人のすごみ

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(7月21~27日)見たテレビの気になる発言をピックアップします。

太田光「テープなんかいらないんですよ。テープ以上のことが再現できちゃうから」

 吉本興業をめぐる一連の騒動は、20日の宮迫博之と田村亮の記者会見を機に、一層混迷を深めている。反社会勢力が関与するパーティーに宮迫ら複数の芸人が参加し、金銭を受け取っていたことに端を発するこの話題。2人の会見を受けた先週は、松本人志や加藤浩次が会社を離れる離れないの話になり、長時間に及ぶ社長の会見があり、宮迫の契約解除が撤回され、かと思うと契約解除の撤回の撤回が会社側からほのめかされ……と事態が推移していった。

 この騒動に関し、ワイドショーや情報番組で言及されるテーマも多岐に及ぶ。宮迫らと反社会勢力の関係をめぐる事実の確認だけでなく、吉本の若手芸人のギャラの安さ、契約書を交わさないマネジメントのあり方、経営陣と芸人たちの個人的な関係、テレビ局の芸能事務所への忖度、吉本が行政案件に食い込んでいる件、教育事業に乗りだそうとしている件、半グレ集団とは、そもそも芸人とは、池乃めだかの「(吉本興業に言いたいことは)背が高くなる薬を開発してくれということぐらい」発言、などなど。いまだにテーマは拡散し続けている。

 話題が大きくなるのは、語る人が多いためでもある。毎日放送されるワイドショーや情報番組には、吉本芸人や宮迫らをよく知る芸人が司会やコメンテーターなどで多く出演しており、先週は日替わりで誰かが当事者としてこの騒動に言及する状態になっていた。そ して、コメントは次々と連鎖していった。ある情報番組でのある芸人のコメントについて、別の情報番組で別の芸人がコメントする、それがまた別の……という具合に。膨大に交わされ、複雑さを増す言葉の収束点は、今のところ見えない。こういったコメントの連鎖が止まるのは、問題が解決したときではなくて、おそらくは時間がたって、みんなが飽きたときだ。

 今回の騒動に関し、日々積み上がっていく芸人たちの言葉。僕は先週の初めまで、テレビを見ながら一つひとつ書き起こしていた。こういう連載も持たせてもらっているわけだし。けれど、コメントする芸人のあまりの多さと、外野が「会社側」「反会社側」と芸人の対立を煽り始めたことなどに、辟易してやめた。というか、宮迫や田村、あるいは松本人志、加藤浩次、ビートたけしなど、芸人たちが次々とテレビで語る姿を見続けて、書き起こしの手が止まった。

 21日、宮迫・田村の会見翌日の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、爆笑問題の太田光は語る。

「芸人にとって一番つらいのは、舞台を奪われるってことなんですよ」

 宮迫らは、自分たちが自由に話せる状況下での謝罪会見を会社側から止められていた。そうだとすると、宮迫らが何よりも我慢できなかったのは、客に向けて自分の言葉を自由に発する舞台を奪われたことではなかったか、と。

「だからそれを奪っちゃったら、それは反乱しますよ。そこがたぶん、会社側が甘く見たんじゃないかなって僕は思うんだよね。(社長は)『テープ回してないですか?』って言ったけど、昨日の宮迫と亮のしゃべりっていうのは、見事に再現できちゃうんですよ、芸人って。舞台にさえ立てれば自分は表現できるって思ってるから。テープなんかいらないんですよ。テープ以上のことが再現できちゃうから。あれは見事な“すべらない話”だったと俺は思う」

 連日さまざまな芸人の発言をテレビで見聞きする中であらためて認識したのは、芸人が観客の前で披露しているのが、身体的なパフォーマンスであるということだった。だから、テープなど回さなくても、社長との会話を見事に再現できてしまう。いや、その場の会話以上のものも再現できてしまう。世間の空気も動かしてしまう。身体の重みを乗せたそのパフォーマンスのすごみ。そのすごみの前に、文字起こしの手がひるんで止まった。

 太田は宮迫らの会見を「見事な“すべらない話”だった」と評したけれど、そんなタイミングで、『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)が27日に放送された。面白い話はたくさんあったけれど、ここでは最もすべらない話をした者に贈られるMVS(Most Valuable すべらない話 )を受賞した、千鳥・大悟の親父の話を紹介したい。2本話されたうちの1本目である。

「子どものころの、ちょっと切ない話でもいいですか?」

 そう前置きして、大悟は語り始めた。自分が生まれ育ったのは瀬戸内海の小さな島。そこではほとんどの家が採石業に携わっている。狭い島に同業者が集まっているため、誰が社長で誰が雇われているのか、誰が「金持ち」で誰が「金持ちじゃない」のかを、みんな明確にわかっている。自分の親父は雇われている側だった。子どものころ、自分が金持ちの家の子とケンカをすると、親父は自分を連れて頭を下げに回ったりもした。謝罪の帰り、軽トラの中で親父は自分に言って聞かせた。

「ワシは頭やったらなんぼでも下げちゃるけぇ。お前は好きなように生きろ」

 そんな父親が18万円で船を買ってきた。その船に乗って、当時小学4年生だった自分は親父と一緒に釣りに出た。島の岩場と船をロープで結び、船を流しながらやる釣りだ。そのとき、クルーザーがやってきた。ロープがあるので親父は「アカンアカン!」とクルーザーに向けて警告する。クルーザーはギリギリで止まり、中から人が出てきた。親父より10~20歳ほど年下の、島の「金持ち」である。

「おいコラ! どこで釣りしとんねん、貧乏人コラ!」

 これから聞きたくない話が始まる。子どもながらにとっさにそう勘づいた。が、船の上なので逃げ場がない。聞くしかない。自分に背中を向けた親父は、「調子乗っとんかコラ!」と年下に引き続きボロクソに言われている。親父、せめて何か言ってくれ。そう願うが、親父は背中を丸めて何も言わず、罵声を浴び続けている。そうこうするうちに、クルーザーは立ち去る。ここで自分は急に悟った。

「(親父が)振り返ったときに言うセリフで、なんかワシの人生決まりそうな気がしたんです」

 自分の一生を左右するかもしれないタイミング。親父はここでなんと言ったのか。

「うちの親父、振り向いて、しわっくちゃな顔で、『お前はああなれよ』って言うたんです」

 大悟が芸人になることを決めたきっかけになったというエピソード。「~って言うたんです」と大悟が話し終わると、松本をはじめ出演者たちは「切なっ!」と言いながら一斉に笑った。僕も笑った。

 が、なぜこの話で笑ったのか、いまだによくわからない。こんなジャンル不明な話を「笑い」の文脈に乗せる大悟の技量。おそらくこの話の面白さは、僕の筆力の乏しさを差し引いても、文字だけでは十分に伝わらないはずだ。舞台に立った芸人は身体の重みを乗せた言葉で、テープが回っていなくとも、テープ以上のものを表現できてしまう。だから、芸人のパフォーマンスを記録したテープからテキストだけを抜き出すと、テープ以上のものは漏れ落ちてしまう。大悟が披露した親父の話もまた、そういう種類の“すべらない話”だった。

 あの謝罪会見をきっかけに、舞台の上に立った芸人のすごみをあらためて感じた。ただ、だからこそ一層、ああいった謝罪会見ではない舞台で、芸人のすごみを感じたいと思った。吉本興業がこれからも芸人に自由な舞台を用意し続けられる会社であることを、視聴者として願う。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

 

吉本騒動と千鳥・大悟の”すべらない話”に見た、芸人のすごみ

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(7月21~27日)見たテレビの気になる発言をピックアップします。

太田光「テープなんかいらないんですよ。テープ以上のことが再現できちゃうから」

 吉本興業をめぐる一連の騒動は、20日の宮迫博之と田村亮の記者会見を機に、一層混迷を深めている。反社会勢力が関与するパーティーに宮迫ら複数の芸人が参加し、金銭を受け取っていたことに端を発するこの話題。2人の会見を受けた先週は、松本人志や加藤浩次が会社を離れる離れないの話になり、長時間に及ぶ社長の会見があり、宮迫の契約解除が撤回され、かと思うと契約解除の撤回の撤回が会社側からほのめかされ……と事態が推移していった。

 この騒動に関し、ワイドショーや情報番組で言及されるテーマも多岐に及ぶ。宮迫らと反社会勢力の関係をめぐる事実の確認だけでなく、吉本の若手芸人のギャラの安さ、契約書を交わさないマネジメントのあり方、経営陣と芸人たちの個人的な関係、テレビ局の芸能事務所への忖度、吉本が行政案件に食い込んでいる件、教育事業に乗りだそうとしている件、半グレ集団とは、そもそも芸人とは、池乃めだかの「(吉本興業に言いたいことは)背が高くなる薬を開発してくれということぐらい」発言、などなど。いまだにテーマは拡散し続けている。

 話題が大きくなるのは、語る人が多いためでもある。毎日放送されるワイドショーや情報番組には、吉本芸人や宮迫らをよく知る芸人が司会やコメンテーターなどで多く出演しており、先週は日替わりで誰かが当事者としてこの騒動に言及する状態になっていた。そ して、コメントは次々と連鎖していった。ある情報番組でのある芸人のコメントについて、別の情報番組で別の芸人がコメントする、それがまた別の……という具合に。膨大に交わされ、複雑さを増す言葉の収束点は、今のところ見えない。こういったコメントの連鎖が止まるのは、問題が解決したときではなくて、おそらくは時間がたって、みんなが飽きたときだ。

 今回の騒動に関し、日々積み上がっていく芸人たちの言葉。僕は先週の初めまで、テレビを見ながら一つひとつ書き起こしていた。こういう連載も持たせてもらっているわけだし。けれど、コメントする芸人のあまりの多さと、外野が「会社側」「反会社側」と芸人の対立を煽り始めたことなどに、辟易してやめた。というか、宮迫や田村、あるいは松本人志、加藤浩次、ビートたけしなど、芸人たちが次々とテレビで語る姿を見続けて、書き起こしの手が止まった。

 21日、宮迫・田村の会見翌日の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、爆笑問題の太田光は語る。

「芸人にとって一番つらいのは、舞台を奪われるってことなんですよ」

 宮迫らは、自分たちが自由に話せる状況下での謝罪会見を会社側から止められていた。そうだとすると、宮迫らが何よりも我慢できなかったのは、客に向けて自分の言葉を自由に発する舞台を奪われたことではなかったか、と。

「だからそれを奪っちゃったら、それは反乱しますよ。そこがたぶん、会社側が甘く見たんじゃないかなって僕は思うんだよね。(社長は)『テープ回してないですか?』って言ったけど、昨日の宮迫と亮のしゃべりっていうのは、見事に再現できちゃうんですよ、芸人って。舞台にさえ立てれば自分は表現できるって思ってるから。テープなんかいらないんですよ。テープ以上のことが再現できちゃうから。あれは見事な“すべらない話”だったと俺は思う」

 連日さまざまな芸人の発言をテレビで見聞きする中であらためて認識したのは、芸人が観客の前で披露しているのが、身体的なパフォーマンスであるということだった。だから、テープなど回さなくても、社長との会話を見事に再現できてしまう。いや、その場の会話以上のものも再現できてしまう。世間の空気も動かしてしまう。身体の重みを乗せたそのパフォーマンスのすごみ。そのすごみの前に、文字起こしの手がひるんで止まった。

 太田は宮迫らの会見を「見事な“すべらない話”だった」と評したけれど、そんなタイミングで、『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)が27日に放送された。面白い話はたくさんあったけれど、ここでは最もすべらない話をした者に贈られるMVS(Most Valuable すべらない話 )を受賞した、千鳥・大悟の親父の話を紹介したい。2本話されたうちの1本目である。

「子どものころの、ちょっと切ない話でもいいですか?」

 そう前置きして、大悟は語り始めた。自分が生まれ育ったのは瀬戸内海の小さな島。そこではほとんどの家が採石業に携わっている。狭い島に同業者が集まっているため、誰が社長で誰が雇われているのか、誰が「金持ち」で誰が「金持ちじゃない」のかを、みんな明確にわかっている。自分の親父は雇われている側だった。子どものころ、自分が金持ちの家の子とケンカをすると、親父は自分を連れて頭を下げに回ったりもした。謝罪の帰り、軽トラの中で親父は自分に言って聞かせた。

「ワシは頭やったらなんぼでも下げちゃるけぇ。お前は好きなように生きろ」

 そんな父親が18万円で船を買ってきた。その船に乗って、当時小学4年生だった自分は親父と一緒に釣りに出た。島の岩場と船をロープで結び、船を流しながらやる釣りだ。そのとき、クルーザーがやってきた。ロープがあるので親父は「アカンアカン!」とクルーザーに向けて警告する。クルーザーはギリギリで止まり、中から人が出てきた。親父より10~20歳ほど年下の、島の「金持ち」である。

「おいコラ! どこで釣りしとんねん、貧乏人コラ!」

 これから聞きたくない話が始まる。子どもながらにとっさにそう勘づいた。が、船の上なので逃げ場がない。聞くしかない。自分に背中を向けた親父は、「調子乗っとんかコラ!」と年下に引き続きボロクソに言われている。親父、せめて何か言ってくれ。そう願うが、親父は背中を丸めて何も言わず、罵声を浴び続けている。そうこうするうちに、クルーザーは立ち去る。ここで自分は急に悟った。

「(親父が)振り返ったときに言うセリフで、なんかワシの人生決まりそうな気がしたんです」

 自分の一生を左右するかもしれないタイミング。親父はここでなんと言ったのか。

「うちの親父、振り向いて、しわっくちゃな顔で、『お前はああなれよ』って言うたんです」

 大悟が芸人になることを決めたきっかけになったというエピソード。「~って言うたんです」と大悟が話し終わると、松本をはじめ出演者たちは「切なっ!」と言いながら一斉に笑った。僕も笑った。

 が、なぜこの話で笑ったのか、いまだによくわからない。こんなジャンル不明な話を「笑い」の文脈に乗せる大悟の技量。おそらくこの話の面白さは、僕の筆力の乏しさを差し引いても、文字だけでは十分に伝わらないはずだ。舞台に立った芸人は身体の重みを乗せた言葉で、テープが回っていなくとも、テープ以上のものを表現できてしまう。だから、芸人のパフォーマンスを記録したテープからテキストだけを抜き出すと、テープ以上のものは漏れ落ちてしまう。大悟が披露した親父の話もまた、そういう種類の“すべらない話”だった。

 あの謝罪会見をきっかけに、舞台の上に立った芸人のすごみをあらためて感じた。ただ、だからこそ一層、ああいった謝罪会見ではない舞台で、芸人のすごみを感じたいと思った。吉本興業がこれからも芸人に自由な舞台を用意し続けられる会社であることを、視聴者として願う。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

 

千鳥・大悟、酒の失敗も笑いでチャラに! 大御所芸能人たちから許される「破天荒な芸人気質」

 バラエティー番組のみならず、CMやドラマにも引っぱりダコのお笑いコンビ・千鳥が12日深夜放送の『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)に出演。相変わらずの破天荒エピソードを披露した。

 この日、明かされたのはヒロミとの初共演エピソード。「深酒が原因で大遅刻しヒロミに待ちぼうけを食わせた大悟が、真冬にもかかわらずズボンをはかずにパンツだけで行った」ことが爆笑を誘って事なきを得たばかりでなく、面白いやつだと気に入ってもらえたという話である。

 ネット上ではこの発言に「真冬に家からパンイチで来られたらウケるだろ」「可愛げがあるから許される」といった擁護の声が上がる一方「どうせ志村と飲んでた、とか言い訳したんじゃない。先輩の威光を借りて許されてるだけ」や「現場に迷惑かけるのはよくない」という批判の意見も上がり、賛否両論のようだ。

「大悟の泥酔遅刻癖は昔からのもので、大阪時代にはトミーズ雅相手にもカマしています。その時は『先輩の番組に遅刻するなんてけしからん。でも、それがおもろい』としてトミーズ雅のお気に入りになりました。石橋貴明相手にも同じような話がありますね。大悟が志村けんのような大物と飲み仲間なのは有名ですし、ある意味、飲みの席は仕事のようなものなので、ヒロミといえどもおおっぴらに咎めるわけにはいかなかったのかも」(芸能ライター)

 酒の失敗を繰り返す大悟に対して現場スタッフや相方のノブなどはかなり気を揉んでいるようだが、こういった破天荒な芸人気質を持つ若手は昔から大物にかなり気に入られる傾向がある。

「そもそもヒロミ自身に、彼がまだB21スペシャルとしてトリオで活動していた頃、横山やすしのネタ番組で関西弁をバカにするコントを披露して気に入られたという逸話が残っています。関西を代表する芸人であるやすしの前で関西弁をイジったので当然怒られるわけですが、それでもヒロミは臆せず『おじさん、ちょっとそっち座ってな』とコントを続行し、それで『お前おもろい!』となったようです。それ以降やすしに気に入られたヒロミらはそのネタ番組で連勝街道を歩み、毎回飲みに連れて行ってもらったそうで。ヒロミは『初めて見た芸人がやすしさんだったんで、芸人さんてこうなんだ、これでいいんだと思った。酒飲んだりとか、スタジオにこの人だれなんだろうって人がいっぱいいたりとか』と述懐していますので、当時を思い出したのかもしれませんね」(同)

 芸人は芸人を知る、といったところだろうか。飲酒トラブルが多い昨今であるが、大悟には違悟性がないのも救いどころである。どんどん大物とのコネクションも増え、千鳥の快進撃はまだまだ続きそうだ。

千鳥・大悟、酒の失敗も笑いでチャラに! 大御所芸能人たちから許される「破天荒な芸人気質」

 バラエティー番組のみならず、CMやドラマにも引っぱりダコのお笑いコンビ・千鳥が12日深夜放送の『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)に出演。相変わらずの破天荒エピソードを披露した。

 この日、明かされたのはヒロミとの初共演エピソード。「深酒が原因で大遅刻しヒロミに待ちぼうけを食わせた大悟が、真冬にもかかわらずズボンをはかずにパンツだけで行った」ことが爆笑を誘って事なきを得たばかりでなく、面白いやつだと気に入ってもらえたという話である。

 ネット上ではこの発言に「真冬に家からパンイチで来られたらウケるだろ」「可愛げがあるから許される」といった擁護の声が上がる一方「どうせ志村と飲んでた、とか言い訳したんじゃない。先輩の威光を借りて許されてるだけ」や「現場に迷惑かけるのはよくない」という批判の意見も上がり、賛否両論のようだ。

「大悟の泥酔遅刻癖は昔からのもので、大阪時代にはトミーズ雅相手にもカマしています。その時は『先輩の番組に遅刻するなんてけしからん。でも、それがおもろい』としてトミーズ雅のお気に入りになりました。石橋貴明相手にも同じような話がありますね。大悟が志村けんのような大物と飲み仲間なのは有名ですし、ある意味、飲みの席は仕事のようなものなので、ヒロミといえどもおおっぴらに咎めるわけにはいかなかったのかも」(芸能ライター)

 酒の失敗を繰り返す大悟に対して現場スタッフや相方のノブなどはかなり気を揉んでいるようだが、こういった破天荒な芸人気質を持つ若手は昔から大物にかなり気に入られる傾向がある。

「そもそもヒロミ自身に、彼がまだB21スペシャルとしてトリオで活動していた頃、横山やすしのネタ番組で関西弁をバカにするコントを披露して気に入られたという逸話が残っています。関西を代表する芸人であるやすしの前で関西弁をイジったので当然怒られるわけですが、それでもヒロミは臆せず『おじさん、ちょっとそっち座ってな』とコントを続行し、それで『お前おもろい!』となったようです。それ以降やすしに気に入られたヒロミらはそのネタ番組で連勝街道を歩み、毎回飲みに連れて行ってもらったそうで。ヒロミは『初めて見た芸人がやすしさんだったんで、芸人さんてこうなんだ、これでいいんだと思った。酒飲んだりとか、スタジオにこの人だれなんだろうって人がいっぱいいたりとか』と述懐していますので、当時を思い出したのかもしれませんね」(同)

 芸人は芸人を知る、といったところだろうか。飲酒トラブルが多い昨今であるが、大悟には違悟性がないのも救いどころである。どんどん大物とのコネクションも増え、千鳥の快進撃はまだまだ続きそうだ。

アルコ&ピースがテレ朝・加地Pに干された一方で、あの芸人は寵愛を受け大ブレイクの舞台裏

 芸能界で売れるか売れないかは本人の実力や事務所の力もさることながら、プロデューサーに気に入られるかどうかという要素も大きい。

 そんななか、『ロンドンハーツ』『アメトーーク!』などの人気番組を手掛けるテレビ朝日の加地倫三プロデューサーが5月29日に出演したラジオ番組で、お笑いコンビ・アルコ&ピースに激怒し、出演NGにしていることを明かした。

「彼らが加地Pに干されたきっかけは『アメトーーク!』の『猫舌芸人』の回。そこでアルコ&ピース・平子祐希が熱々のカニクリームコロッケを『地球のコア』という謎のたとえで表現し、その後もスタジオがドン引きしているのに、わかりにくい例えをひたすら繰り返したのだとか。これにブチギレた加地Pは収録後、平子を長時間にわたり説教。それ以降、会議では彼らの名前は挙がらなくなったそうです」(テレビ誌記者)

 逆鱗に触れた芸人が干される一方で、加地Pは気に入った芸人に関しては売れるまでとことんプッシュすることでも知られている。

「超売れっ子芸人となった千鳥も加地Pの寵愛を受けています。彼らは2013年にレギュラー出演していた『ピカルの定理』(フジテレビ系)の終了後は、東京での仕事が激減。しかし、加地Pは『アメトーーク!』で千鳥のコーナーを作るなど起用し続け、それが現在の地位につながっています。また、最近のお気に入り芸人はかまいたち。ネタの評価が高い反面、ルックスは地味なのですが、加地Pはいぶし銀タイプが好みで、自分の番組によく出演させていますね」(お笑い関係者)

 もっとも、ラジオ番組で名前を出したということは、アルコ&ピースに再チャンスの機会を与えようとしているとも考えられる。平子が今度こそ、会心のたとえを披露できるのか注目だ。

若手芸人にとっては鬼門? 千鳥が教える『世界まる見え!』を楽しむ新たな視点

 明石家さんまは収録現場のことを“戦場”と称するが、そんな彼のイズムが最も反映された番組といえば『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)になるだろう。出演タレントは事前アンケートを提出する時点で命懸け。無理くりエピソードをひねり出し、本番では意を決して前に出る覚悟が求められる。あまりの緊張から、収録日が近づくと嘔吐する者さえいると聞くが、プレッシャーとの対峙は芸能人の宿命なのだから仕方がない。

 出演者に高い負荷をかける番組は、『御殿』だけではない。芸人にフォーカスすると、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(同)の「ハイテンション・ザ・ベストテン」「七変化」や『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)での演者のすり減り方も常軌を逸している。笑いが取れれば称賛されるが、ヘタを打てば目も当てられない。カメラ前で大ケガした芸人を、今まで何度見てきたことか。

『世界まる見え』は若手芸人の登竜門

 5月22日に放送された『チャンスの時間』(AbemaTV)が面白い企画を決行していた。題して「世界まる見えシミュレーション」。

 今夏で放送開始から30年目を迎える長寿番組『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ系)のオープニングを若手芸人にシミュレーションさせ、実際にオファーが来た際にちゃんと結果を残せるかを司会の千鳥が判定する趣旨である。

 同番組のオープニングといえば、司会のビートたけしが着ぐるみを着て登場し、スタジオを混乱状態に陥れる流れがおなじみである。水鉄砲や巨大風船、あるいはCO2を駆使し、出演者に向けてむちゃをする。この時、ターゲットになりやすいのは、もちろん芸人だ。

『世界まる見え』は若手芸人の登竜門的な番組としても知られており、過去に千鳥も出演したことがある。その時、彼らはたけしからクリーム砲を食らったという。経験者として、ノブは語った。

「こういう時(何か被害に遭う時)は、だいたい僕にやるじゃないですか? でも、あの番組はやられ慣れてない大悟にやるんですよ。どうなるか、現場に行くまでわからない。たぶん、80歳くらいの作家の人が構成してると思うんですけど」

 今回の企画に招集されたのは、プラス・マイナス、東京ホテイソン、大自然の3組。やはり、若手芸人は『世界まる見え』を鬼門だと捉えているらしい。

プラス・マイナス岩橋「(『世界まる見え』を見たら)すぐチャンネル替えます。あんなもんは見てられへん。ゾッとする! 『お笑い向上委員会』も、ゾッとするからチャンネル変えます」

 ただ、『お笑い向上委員会』と比べて『世界まる見え』は正道ではない。リアクションを求められているようで、実は全然求められていなかったりするのだ。たけしが持つ道具から何が出てくるか? それが明らかになった瞬間を笑いのピークに設定している。だから、若手芸人の取ったリアクションは、ないがしろにされることが多い。

ノブ「たけしさんが“シャーッ!”ってやって、その後、やられた側が何か言ってるくらいのところで“テーテーテテー”ってタイトルバックに入ってるから。早めにリアクションしないと」

 このスピード感は芸人にとっての苦行である。今回のシミュレーションで、それが白日の下にさらされた。というのも、トップバッターの大自然が、見ていて不憫になるほど力を発揮できていなかったのだ。

 まず、スタジオにニセたけしが登場し、大自然ののぶひろをイスにくくりつけた。その後、突如出現した風船が膨らみ、イスの真横で破裂した。驚いたのぶひろは「ウオーッ!」と叫ぶ。でも、ニセたけしは、のぶひろに見向きもしない。新たな風船を手に取り、ほかの出演者に向けて威嚇する。その風船もすぐに破裂し、スタジオにいる全員は卒倒。ニセたけしはニンマリ。それ以外の出演者はペースに巻き込まれただけ。誰も手応えを感じないカオスのまま、オープニングは終了してしまった。まさに、『世界まる見え』の世界観だ。

ノブ「手応えなかったでしょ? これなんですよ。(大自然の)ロジャーがつっこみが面白い人だとかスタッフさんたちは知らないから、“ウオーッ!”の後の風船で終わり。今、全然おいしくなかったですよね? でも、これですから」

大悟「『ウオーッ!』の後にコメント欲しいとこやん? でも、その間で次の風船が来ちゃうから。で、ほかの出演者が倒れてる時、画面にはもう提供テロップが出てるから」

『世界まる見え』はリアクションを待たない。たけしが誰かに何かを仕掛け、「こいつらの役目はもう終わり」と思ったら次のターゲットに照準を絞っている。若手がリアクションしようとしても、時すでに遅し。司会が別の行動に移ろうとするより前に、やられた側がせっかちにならないとダメなのだ。じゃないと、ただのいけにえで終わる。

 そういう意味で、この日はプラス・マイナスが頑張った。天井から温水のシャワーが降り注ぎ、ニセたけしに水鉄砲で撃たれた岩橋。すぐに濡れた衣服を脱ぎ、上半身裸で「ハワイで一番ロコモコ食う奴~!」と持ちギャグを言い放った。「うるせえ、この野郎!」とニセたけしは構わず水鉄砲を撃ち続けたが、なんだかんだ岩橋はコメントを放り込むことに成功している。あと、温水シャワーがあさっての方向へ飛び散ったのを指摘しないのもよかった。同番組では、この手のミスがよく起こるのだ。

大悟「『世界まる見え』で水が出てくる穴は、絶対どっちかに曲がってるから」

ノブ「搬入の時にズレるから(笑)。つっこんだらあかん。あれ、トラップやから」

 まさに、プレイヤー目線。今回の珍企画によって、がぜん、『世界まる見え』への注目度が増した。こんなに多くの地雷があり、実力測定場としてこんなにも機能するなんて。

大悟「いろんな先輩が、あの番組で洗礼を受けてるからね」

 ほかの番組で息づくバラエティの教科書が、まるで通用しない空間。ペースを乱された芸人のフラットな力量が確認できる、マニアックな場所。これは、いわゆる裏笑いだ。趣味が悪いと自覚はしつつ、他意を抱いて『世界まる見え』を楽しむ視点を新たに教わってしまった。

(文=寺西ジャジューカ)

ドチャクソ飯がまさかのおいしさ! 「DAIGO‘Sキッチン」で千鳥のイチャイチャ炸裂

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(5月19~25日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします

■清塚信也「実績があるんで」

 芸能界以外の業界の「面白い」人が、テレビで活躍することがある。スポーツ選手、作家、学者、医師、政治家、料理人、予備校講師……。対象となる業界は幅広い。この場合、「本業は○○なのに面白い」というギャップが、面白がられる場合が多いと思う。

 で、そんなパターンで最近テレビによく出ているのが、ピアニストの清塚信也だ。先週は、19日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演していた。清塚のピアノのコンサートは、曲の合間のトークの面白さも人気らしい。コンサートを鑑賞した松本人志も、「まぁまぁウケてやがってですね」と話す。

 ただ、清塚は言う。コンサートと同じようにトークをしても、テレビではあまりウケない。この日も次のような場面があった。ピアノには死角があるので、どうしてもコンサートではピアニストの手元が見えない席が出てくる。そこで彼は、事前にこんなトークをするという。

「その方々には前もって、『どうせ手が速すぎて見えませんから』って言うと、またすごいウケるんですよ」

 しかし、このエピソードにスタジオはウケず。もちろん、「コンサートではウケるけどテレビではウケない」という前フリを踏まえた上での、松本らの「あえて」の反応だろう。スタジオの空気を真顔で受け止め、その真顔で笑いを誘おうとする清塚の反応も、芸人がスベったときのようだ。「汗ひとつかいてません」と東野幸治にツッコまれると、次のように応じた。

「実績があるんで」

 コンサートホールでウケてきた実績があるので、これぐらいのスベリでは動じない。そう真顔で答える清塚だった。

 これまでにも「本業は○○なのに面白い」人はたくさん活躍してきた。彼らの面白さはしばしば、「本業」とのギャップによって生まれていた。バイオリニストなのにバイオレントとか(高嶋ちさ子)、作家なのにデーモン閣下のメイク(羽田圭介)とか。ただ、彼らのそういう振る舞いを、これまでテレビの共演者たちはストレートに「面白い」に変換してきたはずだ。少なくとも、登場してからしばらくは。

 けれど、清塚の場合、すでにもう周囲は「面白くない」で受け止めようとし、当人もそれを受け入れている。もちろんここでは、「面白くないことが面白い」というねじれた構造が狙われているのだろうけれど、お笑いの本業ではない人を、どうしてそんなひねった形で登場時から解釈しなければならないのか、疑問は残る。

 テレビに出る人はみんな「面白く」ないといけないわけではない。コンサートホールの清塚は「面白い」のだろうとも思う。けれど彼の場合、自ら積極的にテレビで「面白い」を見せていきたいのだろう。清塚の笑いの実績を、いつかテレビで見たいと思う。

 テレビの外で獲得した笑いを、テレビの中で業績として計上しようとする。そういうのではなく、いまテレビの真ん中で笑いの実績を積み上げているコンビのひとつが、千鳥であることは間違いない。そんな2人の冠番組『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)は、毎回楽しい。

 先週20日は、疲れ切ったノブのため、大悟が手料理を振る舞う企画が放送されていた。題して「DAIGO‘Sキッチン」。今年3月まで放送されていた、速水もこみちの「MOCO’Sキッチン」(日本テレビ『ZIP!』内)の後釜を狙おうともくろむ企画でもある。収録に使用したキッチンスタジオも、本家と同じところだ。

 ただし、大悟は料理を作った経験がない。けれど、なんだかできそうな自信があるから、レシピも見ずにイメージだけで作るという。そんな大悟の調理工程がすごかった。

 鶏肉を切ったまな板を拭いたりはせず、カメラに向かって「どうせ焼くから一緒だ」と言って、そのまましいたけを切る。「砂糖はみんなが思ってる倍入れてくれ」と豪語する。味見で使ったスプーンで料理をかき混ぜる。貝をゆでて口が開くまでの待ち時間、タバコを一服吸う。一服後も手を洗わない。豚バラを切らずに投入する。料理中にレモンチューハイを作って飲む。「お酒は、いっぱい飲まれる方は、後半自分がどれぐらい飲んだかわからなくなっちゃうから、搾ったレモンを絶対に中に入れて。そしたら、自分がいま何杯飲んだかなってわかるから」と酒飲みのライフハックを披露する。当然、食材はすべて素手でつかむ。調味料は目分量。そして、ほぼすべての料理に大量の味の素が投入されている。

 こんな工程を経て出来た料理は、「これで飯何杯でもイケるやんの茶碗蒸し」「どの国にもないめちゃくちゃうまい汁」「ドチャクソまかないご飯」「15年前にテレビで上沼さんが作ってたパスタ」の4品。ノブは最初にイタリアンをオーダーしていたが、そんな発注は無視である。パスタだって、大葉と梅干しとめんつゆを投入した和風のやつだ。

 最近の料理番組は衛生管理に気を配っており、平野レミですら手袋をして調理をするシーンがある。素材の味を楽しむオーガニックな料理もはやりだ。が、そんな時代の流れとはまったく無縁の、大悟の料理である。

 で、料理を食べたノブの感想がまたすごかった。調理中には「汚い」とツッコミを入れていたが、食べるなり「これめっちゃうまい!」と絶賛。その後も、「これうまいなぁ」「うまーい」「うーまー!」と褒め言葉を連呼する。これまた、技巧を凝らした食レポとは一線を画する、プリミティブな味の感想である。この収録の後に佐藤健と食事をする約束をしていたノブは、「行かーん!」と叫びながら「ドチャクソまかないご飯」をかっ込むのだった。

「ちょっと待とう、(料理番組の)オファーを」

 すべての料理を食べ終えたノブの提案に、大悟は応じる。

「フルチンでやらしてほしい」

 イメージだけで作り、工程も適当だった料理が美味だった(大量の味の素が理由にせよ)という結果が痛快だ。見ていて笑ったし、それ以上になんだか、幸せな気分にもなった。ノブに料理を褒められた大悟は、「料理ってこんなうれしいんや」と恥ずかしそうに笑う。料理を作る、おいしかった、以上。ただそれだけの時間も、友人となら楽しい。そんなシンプルな事実を思い出す。

 楽しげに笑い合う千鳥の2人は、なんでもない時間に大量の味の素をふりかけ、見る者に笑いのフルコースを提供しているのかもしれない。

 ……話の締めが、ドチャクソにダサくなってしまった。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)