『後妻業』第5話 夫の不倫&ライバルの隠し子発覚で、自分も不倫に走る朋美……それでいいのか!?

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『後妻業』(フジテレビ系)第5話「第2章突入! 夫婦の修羅場と悪女の逆襲」

 中瀬朋美(木村多江)は事実婚の夫・佐藤司郎(長谷川朝晴)と事務所スタッフ・山本絵美里(田中道子)が、まさかの事務所内で浮気している現場を目の当たりにしてしまった。

 事務所を飛び出した朋美は、学生時代の先輩であり探偵の本多芳則(伊原剛志)に電話をかけて、

「私、家には帰れない」

「ウチでよかったら、来るか?」

 とかなんとか色っぽいことを言っていたのが前回のラスト。完全にヤッちゃうフラグだと思っていたら、今回は冒頭で、

「大丈夫、今日はホテルに泊まるから」

 との返答。じゃあ何で電話かけたんだよ!

 おそらく本多はコンビニにダッシュしてコンドームを買う体勢に入っていたはず。……同情してしまう。

 

■何だかんだで共感し合う小夜子と朋美

 司郎の浮気を目撃して以来、朋美の心はだいぶ不安定になっているようだ。

 司郎と絵美里がヤッていた事務所のソファを処分し、「大阪出張が増えそう?」という司郎の言葉にいらつく。さらに、仕事上で意見が対立した司郎に絵美里が加勢したことでブチギレ。

「ふたりとも私をバカにしているの? 私が何も知らないとでも思ってるの?」

 あーあ、言っちゃった。「浮気しているのを知っている」というのは夫と別れるにしろ、つなぎ止めるにしろ強力な武器となり得るのに……。小夜子に対する時と同様、朋美って理性的に見えて、すぐに感情的になっちゃうタイプだ。

 まあ、「私ぃ~アレ(ソファ)結構気に入ってたんですよね~」などなど、明らかに朋美を挑発してきている絵美里の態度を見せられれば、ブチギレてしまう気持ちも分からなくもないが。

 父親の遺産を後妻である性悪女・武内小夜子(木村佳乃)にゴッソリ奪われたと思ったら、夫も性悪そうな女と浮気。姉の西木尚子(濱田マリ)もなかなかのボンクラだし、女に苦しめられるタイプだ。

 浮気の件をぶちまけてしまい落ちているところへ、追い打ちをかけるように小夜子から電話がかかってきた。直前に本多から「小夜子には息子がいるようだ」という情報を聞いていただけに、さらに心が揺り動かされる。

 というのも、司郎の心をつなぎ止められなかったのは、ふたりの間に子どもが出来なかったせいだと考えているから。

「あんたみたいな女が母親だなんて不公平よ、許せない」

 このあたり、原作から年齢設定を変更して、小夜子と朋美を同年代に、しかも45歳という若めの年齢に設定したのが活きている。

 同年代であるが故に、小夜子の悲惨な生い立ちを知った朋美は思わず同情をしたし、子どもがいると聞いたら「不公平よ」と思う。

 一方の小夜子の方も、朋美の存在を煙たがっていながらも、子どもが欲しそうな様子を知って神妙な面持ちになる。

「後妻業」の被害者と加害者という関係性ではあるものの、微妙に心を通じ合うふたり。今後、ふたりが手を取って、自分たちを裏切った男たちに復讐……なんて展開もありうるのか!?

■ジジイを騙すテクニックが雑

 その小夜子の「子ども」・黒澤博司(葉山奨之)は、柏木亨(高橋克典)からの指示で本多と朋美の動向を監視していた。

 そんな中、絵美里とバトルし、小夜子に子どもがいると知ってショックを受けた朋美は、半ばヤケクソ気味に本多とホテルにチェックイン!

「何してんねん」とは博司の言葉だが、ホントに何してんねん。

 前回、柏木が「泣いてる女を口説くほど困ってへん」と言っていたのに対し、夫に浮気された&不妊を悩んでいる朋美をまんまとホテルに連れ込む本多の下世話さよ。それでいいのか、朋美!

 で、柏木はその情報を三好繭美(篠田麻里子)とベッドイン中に知らされるのだが……さすがフェロモンの権化!

 ラブホに入る朋美&本多の写真を転送された小夜子は、朋美の弱味を握ってはしゃぎつつ、柏木へ「うちも、男に抱かれたい」と返信しようとして止める。

 本多と朋美のただれた関係も気になるが、柏木と小夜子の関係性も謎だ。

 小夜子のことを「商売道具」と呼び、風俗で出会った時すら肉体関係を持っていなかったと思われるふたり。フェロモン全開の柏木は何を考えているのかイマイチ分からないが、小夜子は柏木にほれているということなのだろう。

 改めて、柏木とは男女の関係ではなく、ただのビジネスパートナーだと思い直した小夜子は、色々と吹っ切れた様子で、後妻業の次なるターゲット・元開業医の笹島雅樹(麿赤兒)に遺言公正証書を書くように迫る。

 ド直球!

 ジジイを色仕掛けで騙すにしても、さすがに雑すぎないだろうか。こんな大雑把な手口でも騙せるほどのテクニックを持っているということなのか、小夜子もちょっとヤケクソ気味になっているのか。そして、もうひとりのターゲットだった佐藤蛾次郎はどうなったのか!?

(文とイラスト=北村ヂン)

DV、セクハラ、風俗、隠し子……小夜子の過去が『ザ・ノンフィクション』級に壮絶すぎる『後妻業』第4話


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『後妻業』(フジテレビ系)第4話「火花散らす正面衝突!悪女の哀しい過去」

 前半は、武内小夜子(木村佳乃)たちによる「後妻業」の調査をしている探偵・本多芳則(伊原剛志)大活躍回。

 小夜子が新たな「後妻業」ターゲットに狙いを定めていることを突き止め、柏木亨(高橋克典)の事務所に押しかけ、「後妻業」の片棒をかついでいた司法書士にプレッシャーをかけ、小夜子の過去を調べ上げ……八面六臂の大活躍だ。

 ほんのりと好意を抱いているように見える中瀬朋美(木村多江)からの依頼だということはもちろん、元大阪府警のマル暴刑事だったというプライドや、女&子どもが出て行ってしまったストレスなどが相まって、仕事という枠を超え、偏執的なまでに調査にのめり込んでいる。

 ……というか一応、仕事として朋美から調査の依頼を受けているわけだが、調査費用はどうなっているのだろうか? こんだけ時間をかけていたら相当高額になりそうだけど。

 もはや「金とかいらないから、とにかく『後妻業』の実体を暴いてやる」的なモードに入っているのだろうか?

 

■木村佳乃、木村多江の乳を同時もみする佐藤蛾次郎が羨ましい

 ここまでガンガン動き回って小夜子の調査に没頭している本多なのに、朋美が小夜子の元に乗り込んでいくという時には、なぜか着いてきてくれない。

 顔を合わせればいつも感情的な言い合いに終始してしまう小夜子と朋美。その場に本多がいてくれれば、もうちょっと本質的な話し合いができそうなものだが。

 秘密裏に調査を進めるため、小夜子には顔を知られたくない、などの事情があるのか? そのわりには柏木の前には無防備に姿をさらしているが。

 今回も、小夜子の新たなターゲット・富樫幹夫(佐藤蛾次郎)に忠告をしようと、朋美が老人ホームに乗り込んでいったところ、小夜子と鉢合わせし、例のごとく美熟女ふたりによるバトルがスタート。

 その前に明かされていた小夜子の生い立ち――。

 実父からDVを受け、児童養護施設に預けられ、引き取られた先の叔母からはいじめ、叔父からはセクハラを受けており、18歳で家を出てからは、水商売で生計を立てていたものの、男に騙されて風俗に売られた。

 こんなヘヴィーな情報で暗い雰囲気になりそうになると開始されるW木村のプロレス。

 美熟女ビンタ合戦では「バシッ!」「ビシッ!」とベタな効果音まで入り、完全にコント状態だ。

 もう少し真剣に感情をぶつけ合うシーンも見たいところだが、ドラマ全体の雰囲気を暗くしすぎないよう、バランスを保つためのミニコーナーとして意図的に挿入されているのかも知れない。

 とりあえず、ドサクサに紛れてW木村のおっぱいをガッチリもんだ佐藤蛾次郎が羨ましいぞ!

■弟かと思ったら息子! 壮絶人生すぎるだろ

 あんな激しいバトルを繰り広げつつも、

「親の愛情を知らないで育つとあんな風になっちゃうのかなぁ……」

 なんて、小夜子への同情を語っていた朋美。

 1億円近い遺産を小夜子に奪われているというのにとんでもないお人好しだが、確かにそれでも同情しそうになる、『ザ・ノンフィクション』級の壮絶人生だ。

 しかし今回は、さらにヘヴィーな過去情報も明かされた。

 小夜子の弟・黒澤博司(葉山奨之)が5年の服役を終えてシャバに帰ってきた。シャブの運び屋をやっていて捕まったという、まあロクでもない雰囲気全開の男だ。

「何がかなしゅうてあんなヤツの面倒みなアカンのよ」

「(博司に)部屋を借りたって。できたら大阪じゃないとこ。遠いところがええ」

 と小夜子も言っていたので、単純に道を踏み外した弟を煙たがっているのだと思っていたら、なんと本当は弟ではなく、実の息子だということが判明する。

 博司の年齢設定が分からないので、いつ頃産んだ子なのかは不明。

 小夜子を風俗に売り飛ばした男の子どもというあたりが本命だろうが、可能性としては、セクハラをし続けていた叔父の子どもというエグいパターンもあり得るか。

「こんなワルが母親やったらガッカリするやろうから」

 ということで、博司には母子であることを隠しているようだが、他にも何か深い事情があるのかも知れない。

「後妻業」で莫大な収入を得ているはずの小夜子の銀行通帳に30万円チョイしか入っていないという謎も、この辺に理由がありそうだが……?

 さらに、朋美の方は朋美の方で、事実婚の夫・佐藤司郎(長谷川朝晴)が事務所で思いっきり浮気している現場に遭遇してしまう。

 妻(朋美)が大阪に行っていると思い込んでいたにしても、事務所の鍵なんて他のスタッフたちも持っているだろうに、超・無防備! ……というかラブホ代くらいケチるなよ!

 傷心の朋美は本多に電話を入れ、

「私、家には帰れない」

「家でよかったら、来るか?」

 と、こちらも大きく関係性が動きそうなのだ。

(文とイラスト=北村ヂン)

 

『後妻業』第3話 ジジイを殺したのは「頼まれたから」小夜子の衝撃告白にさらなる泥仕合必死

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『後妻業』(フジテレビ系)第3話「夫たちの死の真相!悪女の衝撃告白とは」

 

■「殺してくれって頼まれた」とは?

 武内小夜子(木村佳乃)と柏木亨(高橋克典)がさっそく次のターゲットに狙いを定める中、亡くなった中瀬耕造(泉谷しげる)の娘・朋美(木村多江)から依頼を受けた探偵・本多芳則(伊原剛志)は、小夜子の過去を調べ上げていた。

 小夜子は、耕造の前に三度も結婚しており、いずれの夫とも死別しているのだという。

 しかもそれぞれ、練炭による一酸化炭素中毒死、風呂場で溺死、踏切に飛び込んでの自殺(目撃者は小夜子のみ)というアヤシイにもほどがある死因なのだ。

 3人+耕造は結婚相談所「ブライダル微祥」で小夜子と出会ったという共通点も持っており、朋美は、小夜子が「ブライダル微祥」と組んで耕造を殺したに違いないと確信する。

「正面からぶつかりたい、小夜子と。私たちが調べてること、絶対にバレないように気をつける」

「私、自分であの女を探りたい」

 探偵をさしおいて、素人がどう探るのかと思ったら、いきなり小夜子のマンションに押しかけての直接対決。

「あなた、後妻業よね!」

 直球ゥ~。「調べてること、絶対にバレないように気をつける」と言ってたのはなんだったんだという、どストレートな発言。

 これに対して小夜子が返してきたのは、

「うちは、殺してくれって頼まれたんや!」

 という爆弾発言だった。

 

■生きててもしゃあないさびしい老人たち

 これまで、浮かれた銭ゲバ殺人鬼的な側面しか見せてこなかった小夜子だが、ここにきてちょいちょい別の顔をのぞかせている。

 小夜子曰く、耕造が「殺してくれ」と頼んできたのにはこんな事情があったという。

 最初の妻に先立たれた耕造は、さびしさを埋めるように結婚相談所に登録して二度も再婚したものの、その妻たちにも先立たれてしまい、

「これ以上、生きとっても娘たちに迷惑かけるだけや」

 と考えた耕造は、最後に楽しいひとときを過ごしたいと小夜子と(内縁関係だが)結婚式を挙げた。

 過去の3人の夫たちも、みな「孤独」に耐えかねて死にたがっていたのだという。

 耕造が「はよ、お前(最初の妻)のとこ行きたい」と言っていたり、小夜子に空気注射を打たれる直前に「ありがとう。小夜子、おおきに」と言ってた回想シーンが現実なのか、妄想なのか、ただの嘘なのかハッキリしないところはあるが、「孤独」な耕造の元に寄りついていなかった娘たちを牽制するには十分な発言だろう。

 みんながみんな死にたがってたなんて、そんな都合のいいことが……。

「もう生きててもしゃあないって思ってる、さびしい老人たちの願い。それをかなえてあげるためのお手伝いや~」

 実際に耕造から巨額の遺産をせしめているため、金目当てで「後妻業」をやっているのは間違いないのだが、柏木との会話中で出てきた、

「(身内に顧みられていない老人について)切なすぎるわ、ボケてまで長生きせなあかんなんて……」

「武内のじいさん、成仏しとるやろか? 中瀬のじいさんも天国で幸せになっとるやろか?」

 という発言からは、「孤独に耐えかねた老人たちを助けている」と本気で思っているようにも見えるし、「お前は尊厳死のプロなんや」とたきつける柏木から洗脳され、いいように操られているようにも見える。

■関西では高視聴率をキープ中

 罪悪感を抱えている小夜子、夫の浮気に薄々気付いている様子の朋美、家族が出て行ってしまった本多。

 それぞれに闇を抱えている三者+相変わらずフェロモン&うさんくささ前回の柏木が絡み合い、さらなる泥仕合が展開する。

 ……と思ったら、小夜子の3番目の夫・武内宗次郎の娘・香代(平岩紙)も参戦!

 宗次郎を虐待する鬼嫁だった(から殺してくれと頼まれた)と主張する小夜子に対して、香代はヒステリックに猛反発する。

「私と、財産を根こそぎ奪った女、どちらを信じるんですか!」

 中途半端に「いい人感」を出しているせいで、小夜子とバトルするにしてもイマイチ不完全燃焼になっている朋美に対して、香代は思いっきり「遺産を奪われたことが許せない」と金の恨みを丸出し。ますますのドロドロ展開が期待できそうだ。

 このドラマ、関東地方では視聴率1ケタ台で低空飛行しているが、関西地方では12.0%(ビデオリサーチ調べ)と2ケタ台をキープしているという。

 やっぱり、こういうベタなドロドロドラマ、関西の方がウケるんだろうか?

(文とイラスト=北村ヂン)

『後妻業』第2話 木村佳乃と木村多江が遺体の前で“どつきあいコント”開始!?

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『後妻業』(フジテレビ系)第2話「莫大な遺産を強奪!悪女が動く運命の夜」

 金持ちジジイをたぶらかして後妻に収まり、遺産を狙う「後妻業」を営む小夜子(木村佳乃)。

 そのターゲットとなった中瀬耕造(泉谷しげる)は、塩気が多くて脂っこいものばっかり食べさせる、無茶な運動をやらせる、という小夜子の策略で、まんまと寝たきり状態になってしまった。

 今がチャンスとばかりに小夜子は、「後妻業」のパートナー・柏木亨(高橋克典)とともに、耕造が隠し持っていた金庫を開け、預金通帳や投資信託など総額4,000万円以上をゲット。用なしとなった耕造を始末することにする。

 

■木村佳乃の演技に目が慣れてきた!?

 泉谷しげる演じるジジイ役がなかなかいい味を出していたので、死にそうで死なない感じでしばらく引っ張ると思っていたら、予想以上にアッサリ死んで(殺されて)しまいましたな。

 遺産狙いを隠そうともしないコント的な役作りで、「こんなヤツに騙される人いるか?」と違和感のあった木村佳乃の演技だが、さすがに耕造を殺すというパートではさまざまな思いが滲む、いい表情を見せていた。

 あのコントじみた変なキャラも、「後妻業」に対する罪悪感をごまかすため、あえて露悪的に振る舞っている、ということなのだろう。

 そんな簡単に夜中の病室に忍び込んで空気注射とか打てるの!? カメラとかないの!? 殺した後のBGMが「怒りの日」って、仰々し過ぎない!? ……などなど、いろいろと突っ込みどころはあったものの、木村佳乃の演技にもようやく目が慣れてきた。

■遺体の前でコントをはじめるな!

 耕三が死ぬ前から、遺産や葬式の話を出していた小夜子もヒドイが、娘ふたりも結構ヒドイ。

 耕三が元気だった頃からマンションには寄りつかず、寝たきり状態のまま自宅介護になりそうだという話が持ち上がると姉妹で押し付け合いをはじめる。転院手続きや葬式を小夜子が仕切るのもイヤだけど、自分がやるのも面倒くさい……。

 濱田マリ演じる姉・西木尚子は、ただ単に何も考えていない感じだが、妹・中瀬朋美(木村多江)の方は、いろいろと闇を抱えていそうだ。

 不妊が原因で籍を入れていない事実婚の夫・佐藤司郎(長谷川朝晴)は、事務所で雇った若い娘・山本英美里(田中道子)と不倫してる臭いし、小夜子の調査を依頼している大学の先輩・本多芳則(伊原剛志)からは、

「オレも籍は入れてへん。中瀬と同じや」

 なーんて言われて、こっちはこっちで不倫フラグ立ちまくり。

 私生活でたまりまくりの鬱屈とした思いが、小夜子への復讐に駆り立てていくのか!?

 それにしても、亡くなった耕造の枕元ではじまった小夜子と朋美のどつきあいは完全にコントだった。

「耕造さ~ん!」
「お父さ~ん!」

 と、耕造の遺体を奪い合う。BGMまで面白ミュージックになっており、「吉本新喜劇でこんなシーン見たことあるよ!」という感じ。

 もうちょっとガチなW木村バトルが見たかったんだけど……。肝心なところで吉本新喜劇の血が流れる関西演出が入ってくるなぁ。

 

■どうして耕造とだけ籍を入れていなかったのか?

 今回、小夜子の過去もちょこちょこ明かされていた。

 耕造の前に、3人の夫と結婚しているのだが、全員入籍後2年以内に死んでいる。

 しかし今回の中瀬耕造とは入籍をしておらず、3番目の夫の「武内」姓のまま内縁の妻となって遺言を書かせていたのだ。

 確かに、これまでの調子で結婚しては殺して……を繰り返していたら戸籍が汚れまくってしまうので、内縁の妻ポジションで戸籍を汚さずに遺産をゲットしたいというのは分かるが、「武内」姓を残したままなのは何故なのか?

 新築分譲で買ったばかりだという耕造のマンションは即売り払ってしまうのに、「武内のじいさん」から買ってもらった家は「本宅」と呼んで住み続けていることからも、「武内のじいさん」に対して何か思い入れがありそうだ。

 とことん下品な銭ゲバに徹していた小夜子の、別の顔が見えてきた第2回。

 第3話以降、ちょいちょい小夜子のバックボーンが明かされつつ、朋美とのバトルも激化していくことだろう。W木村による、本気のビンタ合戦あたりに期待!
(文とイラスト=北村ヂン)

『後妻業』第1話。木村佳乃が大竹しのぶと演技で張り合うのは厳しいのでエロスで対抗して欲しい

 木村佳乃主演のドラマ『後妻業』(フジテレビ系)がスタートした。

 原作は直木賞作家である黒川博行の小説『後妻業』。2016年には大竹しのぶ主演の『後妻業の女』というタイトルで映画化もされている。

 多額の資産を持つ高齢者に狙いを定めて「後妻」となり、夫の死後に多額の遺産をゲットすることを目的にした「後妻業」がテーマの本作。

 実際問題、いくら年寄りと結婚したからって、そうそう都合よく死ぬわけじゃないだろうし、「稼業」として成立するのかどうかは分からないが、最近でいうと紀州のドン・ファン事件だったり、平尾昌晃、やしきたかじん、加藤茶などなど、芸能界で栄光&ビッグマネーを手にした大御所が、晩年になって若い姉ちゃんに入れ込んじゃっている例は多数。

 遺産を巡って後妻と子どもたちが大モメというのはワイドショーネタの定番だけに、ドラマとしても注目度の高いテーマだろう。

 

■大竹しのぶの演技とどうしても比べてしまうが……

 ジジイ転がし&殺しの天才・武内小夜子(木村佳乃)は、結婚相談所「ブライダル微祥」を経営する柏木亨(高橋克典)と組んでビッグな資産を持つ高齢者たちをたぶらかし、遺産をゲットしてきた。

 そんな小夜子の新たなターゲットは元・教師の中瀬耕造(泉谷しげる)。

 まんまと後妻の座をゲットした小夜子は、高カロリー&高塩分の食事、無茶な運動で、さっそく不整脈持ちの耕造を殺そうとする。

 計画通り、耕造は発作を起こして倒れてしまうが、報せを受けて駆けつけた娘たち・中瀬朋美(木村多江)、西木尚子(濱田マリ)と大モメに。

 小夜子と再婚したことすら聞かされていなかったことで強い不信感を抱いた朋美は、大学時代の先輩で、元刑事の探偵・本多芳則(伊原剛志)に小夜子の調査を依頼する。

 原作や映画との大きな違いは、木村佳乃演じる武内小夜子がメチャクチャ若いこと。

 原作では69歳設定のところ、ドラマでは45歳。それだけに、財産狙いの結婚だということがより露骨に見える。

 演技面で大竹しのぶと比較するのは酷ではあるが、業の深い女を演じさせた時の、あの迫力と存在感にはなかなか太刀打ちできないところ。

 木村佳乃は映画版の大竹しのぶとはまた別の、かなり誇張した演技で、財産狙いであることを隠そうともしないコント的なキャラクターを作りあげている。

 しかしこんなタイプのキャラ、どこかで見たことあるなと思ったのだが、同じくフジテレビ系のドラマ『コンフィデンスマンJP』における長澤まさみだ。露悪的&軽いノリで犯罪行為を行うあの女詐欺師!

 フジテレビ的に、『コンフィデンスマンJP』が好評だっただけに、似たようなキャラクターを求められたのかもしれないが、逆に長澤との年齢差を考えると……40代の木村佳乃が浮かれたキャラクターを演じているのは見ていて少々キツイものがある。

 大竹しのぶと長澤まさみにはさまれ(?)、なかなか厳しい戦いだが、木村佳乃演じる武内小夜子は、浮かれたハイテンションな詐欺師であるだけではなく、深い闇を抱えていそうな伏線も張られている。

 今後、コント的なだけではない、深みのある演技も見せて欲しい!

■高橋克典のフェロモンでエロ展開を期待

 木村佳乃のキャラクターは賛否両論ありそうだが、周囲を固めるキャスト陣はなかなかいいラインナップだ。

 財産を狙われる泉谷しげるはナイスなもうろくジジイっぷりを発揮しているし、木村佳乃とバディを組む高橋克典は早くもフェロモン全開。

 メインストーリーにどう絡んでくるのかはまだ分からないが、高橋克典のセフレ・三好繭美役として登場した篠田麻里子もエロ~い女を好演していた。

 AKB48卒業後、いまいちパッとしていない篠田麻里子だが、こういう下品な役をやらせるとハマる!

 このドラマ版が映画版と張り合える要素として、やはり「エロス」は重要なポイントだろう。

 木村佳乃と高橋克典のバディは、仕事上のパートナーだけではない、エロ~いいわくがありそうな関係。

 一方、父親の遺産を守る側の木村多江も、事実婚の夫がいるにもかかわらず、学校の先輩である探偵・伊原剛志と過去にいろいろあったっぽい雰囲気をプンプン漂わせている。

 木村多江の事実婚の夫・佐藤司郎(長谷川朝晴)も、建築設計事務所に雇い入れた若い娘(田中道子)と不倫しそうなフラグがビンビンだ。

 初回は、ひとまず各キャラクターと関係性のお披露目といった感じで、ストーリーが転がってくるのはこれから。

 フェロモン・高橋克典を中心としたお色気展開、そして何より木村佳乃・木村多江のW木村の、遺産を巡る昼ドラばりのドロドロなバトルにも期待したいところ。

 ちなみに本作では、地上波での放送とは別に、「GYAO!」独占で『後妻業チェインストーリー』というスピンオフも配信している。「1.5話」「2.5話」といった感じで、地上波での各話の間を埋めるようなストーリーが展開されるようだ。

「後妻業」がテーマだけに、若干上の年代がターゲットになっていそうな本作で、ネットのみの配信なんてやらなくても、とも思うのだが……。

 地上波で普通にドラマを放送しているだけではなかなか厳しい時代、フジテレビ的にもいろいろチャレンジしている最中といったところか。
(文とイラスト=北村ヂン)

『後妻業』第1話。木村佳乃が大竹しのぶと演技で張り合うのは厳しいのでエロスで対抗して欲しい

 木村佳乃主演のドラマ『後妻業』(フジテレビ系)がスタートした。

 原作は直木賞作家である黒川博行の小説『後妻業』。2016年には大竹しのぶ主演の『後妻業の女』というタイトルで映画化もされている。

 多額の資産を持つ高齢者に狙いを定めて「後妻」となり、夫の死後に多額の遺産をゲットすることを目的にした「後妻業」がテーマの本作。

 実際問題、いくら年寄りと結婚したからって、そうそう都合よく死ぬわけじゃないだろうし、「稼業」として成立するのかどうかは分からないが、最近でいうと紀州のドン・ファン事件だったり、平尾昌晃、やしきたかじん、加藤茶などなど、芸能界で栄光&ビッグマネーを手にした大御所が、晩年になって若い姉ちゃんに入れ込んじゃっている例は多数。

 遺産を巡って後妻と子どもたちが大モメというのはワイドショーネタの定番だけに、ドラマとしても注目度の高いテーマだろう。

 

■大竹しのぶの演技とどうしても比べてしまうが……

 ジジイ転がし&殺しの天才・武内小夜子(木村佳乃)は、結婚相談所「ブライダル微祥」を経営する柏木亨(高橋克典)と組んでビッグな資産を持つ高齢者たちをたぶらかし、遺産をゲットしてきた。

 そんな小夜子の新たなターゲットは元・教師の中瀬耕造(泉谷しげる)。

 まんまと後妻の座をゲットした小夜子は、高カロリー&高塩分の食事、無茶な運動で、さっそく不整脈持ちの耕造を殺そうとする。

 計画通り、耕造は発作を起こして倒れてしまうが、報せを受けて駆けつけた娘たち・中瀬朋美(木村多江)、西木尚子(濱田マリ)と大モメに。

 小夜子と再婚したことすら聞かされていなかったことで強い不信感を抱いた朋美は、大学時代の先輩で、元刑事の探偵・本多芳則(伊原剛志)に小夜子の調査を依頼する。

 原作や映画との大きな違いは、木村佳乃演じる武内小夜子がメチャクチャ若いこと。

 原作では69歳設定のところ、ドラマでは45歳。それだけに、財産狙いの結婚だということがより露骨に見える。

 演技面で大竹しのぶと比較するのは酷ではあるが、業の深い女を演じさせた時の、あの迫力と存在感にはなかなか太刀打ちできないところ。

 木村佳乃は映画版の大竹しのぶとはまた別の、かなり誇張した演技で、財産狙いであることを隠そうともしないコント的なキャラクターを作りあげている。

 しかしこんなタイプのキャラ、どこかで見たことあるなと思ったのだが、同じくフジテレビ系のドラマ『コンフィデンスマンJP』における長澤まさみだ。露悪的&軽いノリで犯罪行為を行うあの女詐欺師!

 フジテレビ的に、『コンフィデンスマンJP』が好評だっただけに、似たようなキャラクターを求められたのかもしれないが、逆に長澤との年齢差を考えると……40代の木村佳乃が浮かれたキャラクターを演じているのは見ていて少々キツイものがある。

 大竹しのぶと長澤まさみにはさまれ(?)、なかなか厳しい戦いだが、木村佳乃演じる武内小夜子は、浮かれたハイテンションな詐欺師であるだけではなく、深い闇を抱えていそうな伏線も張られている。

 今後、コント的なだけではない、深みのある演技も見せて欲しい!

■高橋克典のフェロモンでエロ展開を期待

 木村佳乃のキャラクターは賛否両論ありそうだが、周囲を固めるキャスト陣はなかなかいいラインナップだ。

 財産を狙われる泉谷しげるはナイスなもうろくジジイっぷりを発揮しているし、木村佳乃とバディを組む高橋克典は早くもフェロモン全開。

 メインストーリーにどう絡んでくるのかはまだ分からないが、高橋克典のセフレ・三好繭美役として登場した篠田麻里子もエロ~い女を好演していた。

 AKB48卒業後、いまいちパッとしていない篠田麻里子だが、こういう下品な役をやらせるとハマる!

 このドラマ版が映画版と張り合える要素として、やはり「エロス」は重要なポイントだろう。

 木村佳乃と高橋克典のバディは、仕事上のパートナーだけではない、エロ~いいわくがありそうな関係。

 一方、父親の遺産を守る側の木村多江も、事実婚の夫がいるにもかかわらず、学校の先輩である探偵・伊原剛志と過去にいろいろあったっぽい雰囲気をプンプン漂わせている。

 木村多江の事実婚の夫・佐藤司郎(長谷川朝晴)も、建築設計事務所に雇い入れた若い娘(田中道子)と不倫しそうなフラグがビンビンだ。

 初回は、ひとまず各キャラクターと関係性のお披露目といった感じで、ストーリーが転がってくるのはこれから。

 フェロモン・高橋克典を中心としたお色気展開、そして何より木村佳乃・木村多江のW木村の、遺産を巡る昼ドラばりのドロドロなバトルにも期待したいところ。

 ちなみに本作では、地上波での放送とは別に、「GYAO!」独占で『後妻業チェインストーリー』というスピンオフも配信している。「1.5話」「2.5話」といった感じで、地上波での各話の間を埋めるようなストーリーが展開されるようだ。

「後妻業」がテーマだけに、若干上の年代がターゲットになっていそうな本作で、ネットのみの配信なんてやらなくても、とも思うのだが……。

 地上波で普通にドラマを放送しているだけではなかなか厳しい時代、フジテレビ的にもいろいろチャレンジしている最中といったところか。
(文とイラスト=北村ヂン)

売れない芸人の意外な才能がYouTubeで開花! 「無駄づくり」発明家・藤原麻里菜のほどほどな生き方

「歩くたびにおっぱいが大きくなる靴」「社会人のための会社を休む理由をランダムで生成するマシーン」などなど、発明というか工作というか……、とにかく人類の進歩にあまり役立つとは思えない「無駄」なものを作り続けているYouTuber藤原麻里菜。

 2013年にYouTubeチャンネル「無駄づくり / MUDA-ZUKURI」を開設し、5年間で200
以上もの「無駄」を生み出している。

 初の著書となる『無駄なことを続けるために ~ほどほどに暮らせる稼ぎ方~』(ヨシモトブックス)では、そんな活動を通じて彼女が編み出した、スターYouTuberのように数億円は稼げないけれど、「好きなこと」を続けられる程度には稼げる、ささやかなマネタイズ戦略を紹介。

 同じく、食えるんだか食えないんだかよくわからない活動をしているフリーライターのボクが、「若いのにいろいろ考えてて偉いなぁ~」と感心しながら話を聞いたぞ!

■「すごく暗いけど面白い」お笑いをやりたい

――藤原さんって、どんな子どもだったんですか?

藤原 鬱屈してました。友達は目立っている子が多かったんで、一緒にカラオケ行った
り、マックでだべったりとかリア充っぽいことをしていたんですけど、家に帰ったらネッ
トで「デイリーポータルZ」とかを見て……。 ネットの影響で中学の頃からサブカルも加速しちゃって。漫画も「週刊少年ジャンプ」じゃなくて「つげ義春」とか。音楽も「ORANGE RANGE(オレンジレンジ)」じゃなくて「くるり」とか「SEX PISTOLS(セックス・ピストルズ)」を聴いていました。

――ああー……。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の芸人さん だったそうですけど、そんなサブカルっ子が、どうして芸人になろうと?

藤原 『あらびき団』(TBS系)が好きで、そこから若手芸人のライブにも行くようになったんです。テレビってキラキラした人が出ているけど、ライブだと「すごく暗いけど面白い人」もいっぱいいて。私も、心の底が暗いので、「こういうお笑いをやってみたいな」と思ったんです。で、大喜利のラジオにハガキを書いたら読まれて、「才能あるんじゃないか?」と思ったり(笑)。それで勘違いしてNSC(吉本総合芸能学院) に行った感じですね。でも入ったら入ったで、批評にさらされるわけで……。「つまらない自分」を受け止めなきゃならなくて、すぐに「お笑いやりたくない」ってなっちゃいました。

――コンビとかは組まなかったんですか?

藤原 一度組んだんですけど、私、メチャメチャ厳しくなっちゃうんですよ。自分でもイ
ヤになるくらい相方にいろいろ言っちゃって。でも、ピンになって最初のネタ見せで褒められたんで、「私、ひとりのほうがイケんじゃん」って(笑)。

――どんなネタをやっていたんですか?

藤原 往年のギャグの中に、フリーメイソンの陰謀が隠されている……みたいな、ネガテ
ィブなネタをやっていました。

――(笑)。

■YouTuber一本にしたほうが、道が開けるんじゃないか!?

――そんな頃、よしもと内で「YouTuberのオーディション」が行われたそうですけど、YouTuberなんて勝手になるもんじゃないですか?

藤原 私自身もそう思っていましたが、よしもとから経費を支援してもらいつつ、YouTuberになれる「オーディションに受かった人だけYouTuberをやっていい」という企画だったんです。。5年前なんでYouTuberも今ほど知られてなかったんですけど、「何かのチャンスになれば」くらいの感じで、若手芸人はほとんど、そのオーディーションを受けていました。

――オーディションでは、どんなことを?

藤原 その場で企画を書いて、「家の中にあるものでピタゴラスイッチを作る」「商店街の婦人服屋に行って、今風のコーディネートをする」みたいなものを提出したら、「ピタ
ゴラスイッチ、いいね!」と言われて、YouTuberになれる50組に選ばれたんです。でも、工作なんてやったことないし、ピタゴラスイッチなんて作れなかったので、無駄なものを作る「無駄づくり」に方向転換しようと。

――特に工作がやりたかったわけではなく「たまたま選ばれた」だけだったんですね。

藤原 当時、お笑いをやってても全然褒められなくて……。そんな時にYouTubeで「無駄づくり」をやったら、社内での評価がよかったんです。……というのも、ほかの芸人さんはネタ動画みたいなものばっかりだったんで。

――まあ、普通はそうなりますよね。

藤原 私はヘンな工作を作る、シュールすぎる動画だったんで逆に目立って(笑)。

――最初から再生数もよかった?

藤原 初期に「再生数を伸ばすためには下ネタをやれ」って言われて、「乳首を永遠に気持
ちよくさせる装置」を作ったんです。みんなYouTubeで「乳首」って検索するんでしょうね。すぐに1,000再生くらいまで行った記憶があります。ド素人なんで、イメージしたものが全然作れないし、メチャメチャ時間もかかるし……工作するのはつらかったんですけど、だんだんと自分の中で好きなものになっていったという感じですね。

――芸人よりも「無駄づくり」のほうが向いているんじゃないかと?

藤原 私、水道橋博士の本とかを読んでいたんで、中途半端にYouTuberをやっているのが、自分の中で許せなくて……。だったら芸人をスパッと辞めて、YouTuber一本にしたほうが、道が開けるんじゃないかと。

――でも結果的に、今でもよしもとに所属しているんですよね?

藤原 偉い人に「辞めたいです」と言いに行ったら「ここは興行会社だから、芸人じゃなくてもいいんだよ。面白いことをやりたいんだったら、絶対ウチにいたほうがいいから」って言ってもらえたんです。

――YouTuber一本に絞るに当たって、何か戦略はあったんですか?

藤原 とりあえず「新しい面白いことをしよう」とは思っていました。そうなると技術が
必要になるので、電子工作の勉強もして。

――面白い工作というと「見た目を面白くする」という方向もありますけど、中身を工夫
する方向に行ったんですね。今でも、ガワはわりとガラクタみたいですし……。

藤原 そうですね、骨組みだけで(笑)。私が作る工作は、コンセプトが面白いのはもちろん、それとは別の軸で「ヘンな動きをする」という面白さも出したいと思っていて。そういう意味でも、電子工作のほうが向いていると思ったんですよね。

――工作のテーマとしては「鬱屈した感情」が大きいということですが、普段、そんな
に鬱屈してるんですか?

藤原 してますね! 「人に対してメチャメチャ嫉妬心が強い」とか「承認欲求がすごい」とか。生活している中で、格好つけている自分が嫌になったり、ダメな自分に気づいたりした時に、「無駄づくり」として昇華させるとスッキリするんです。

――「壁ドンされたいけど相手がいないから、マシーンを作った」みたいに、欲望を具現
化した工作が多いですけど、別にマシーンに壁ドンされたところで欲望は解消されないで
すよね……?

藤原 されないですね(笑)。「こういう欲望を抱えて、こんなモノを作っているヤバい女がいる」みたいなところまで含めて、ネタとしてウケれば満足です。ウケなかったら、またフラストレーションがたまりますけど。

■何か稼げる方法があるんじゃないか

――芸人をやったり、ヘンな工作をしたり、稼げるんだか稼げないんだかわからない活動
を続けてきて、今回の本のように「続けていくには、稼がないと!」という意識に目覚め
たのはいつ頃なんですか?

藤原 2年くらい前ですね。某ウェブライターさんと話す機会があって「YouTubeで、
月5,000円ぐらいしか稼げてないんです」みたいな話をしたんです。お金がない上に東京で一人暮らししてたんで、メチャメチャ借金してて。そうしたら、「俺は自分のことを面白いと思ってるし、世界中のみんなが俺の記事を待ってるって信じている。それなのに『お金がない』という理由で面白いことができなくなったら、みんなかわいそうじゃん。だから、ちゃんと稼いでいかないと!」って言われて。それでハッとしました。芸人出身なんで、稼げないことが当たり前だと思ってたんですよ。

――芸人の世界って、スターになるかバイト生活か……みたいなところがありますもんね。

藤原 だからYouTuberでも、メチャメチャ人気者にならないと稼げないと、ずっと思っていたんです。でも、何か稼げる方法があるんじゃないかと思って、ブログを一生懸命更新するようにしたら、それを見たウェブメディアの人が仕事をくれたり。Twitterのフォロワーを増やしたら、プロモーションの仕事が入ったり。 そういうのがドンドンつながっていって、原稿料やプロモーションのおかげで、「無駄づくり」だけで普通に生活できるようになったんです。

――「とりあえず生き抜いて続けていく」って重要ですよね。芸人でもライターでも、長
くやってると売れるか、やめるか、死ぬか……になっちゃうんで。

藤原 やめるのは何回も考えたんですよ。続けていても、全然お金にならなかったし……。

――その時期に辞 めなかった理由は?

藤原 うーん、「場所がそこしかなかった」からですかね。辞 めてもほかにやることがなかったから「とりあえず『無駄づくり』やっとくか」みたいな。たとえばその頃に、いい企業から「ウチに入らない?」と言われていたら、辞 めてそっちに行ってたかもしれません。

■ずーっと続けていけたら、すごくいい人生

――今回の本の企画は、よしもとから?

藤原 そうです。昨年のお正月に書いた「稼ぎ方」の記事をきっかけに声をかけてもらいました。。

――この本って、「ヘンなことをやってきた人が、手の内を明かしちゃう」みたいな部分もあるじゃないですか。そこはイヤじゃなかったんですか?

藤原 メチャメチャ悩みました。こんなふざけてる人が真面目なことを書くなんて……。
「でも、本出して~しな~」と(笑)。そんな感じで引き受けたんですけど、「私、『無駄づくり』のこういうところが好きなんだ」「こういう理由で続けてるんだ」と、書けば書くほど自分のことがわかってきて、面白かったです。

――若いのにちゃんと考えてて、偉いな~と思いましたよ。今のところ「とにかく続ける」を第一にやってるわけですが、今度の展望としては?

藤原 「やめようかな」と思いながらも続けてきた結果、本を出せたり、台湾で個展をや
れたり、自分が全然想像していなかった方向に「無駄づくり」がメチャメチャ大きくなっ
てる気がして。 これからも、とりあえず続けていって「無駄づくり」がもっと広がれば面白いなと思います。

――特に「コレがやりたい!」とかはない?

藤原 自分から「やりたい!」ということは少ないんですが、「無駄づくり」をやっていると時々、ヘンな依頼が来るんですよ。そういうのに一個一個丁寧に食らいついていって、ヘンなものが出来上がって、それがまた別のヘンな話につながって……みたいなことをずーっと続けていけたら、すごくいい人生なんじゃないかと思っています。
(取材・文=北村ヂン)

風俗レポの域を超えた文才の無駄使い! 25歳素人童貞「素童」の果てなき風俗愛

 19歳で風俗初体験をして以来、7年間にわたってネットに風俗レポートをアップし続けている素人童貞・通称「素童」。

 ピンサロに始まり、デリヘル、M性感、「男の娘」ヘルス……数々の風俗に通い綴られた、時に文学的・哲学的な風俗レポートはネットで大きな話題を呼び、ついには『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)にまで出演してしまった。

 そんな素童の風俗レポートが『昼休み、またピンクサロンに走り出していた』(ぶんか社)という1冊の本に! 風俗レポートの書籍化って……平口広美の漫画くらいしか知らないよ。

 なぜ彼はそこまで風俗に通い詰めるのか? そして「素人童貞」を捨てたいとは思わないのか?

■小6から彼女がいたけど、素人童貞

——まず、リアル童貞だった頃の話から聞きたいんですが、どんな子どもだったんですか?

素童 普通だと思いますよ。セックスを知るのも遅かったんで。

——じゃあ、風俗の存在を知ったのは?

素童 中学生の頃です。ブックオフにあった、風俗嬢のインタビュー集みたいなのを読んで。

——エロ本より前にそっち!? やっぱりエロ文を書く素質があったんですね。性に目覚めて、普通に「彼女作りたい」とかの方向にはいかなかったんですか?

素童 彼女はいたんですよ。

——なにーっ!(怒) いつですか?

素童 最初の彼女は小6ですね。

——小学生で彼女って! でも小6だから、具体的に何かをやるとかは……。

素童 ないですね。メールしたり、一緒に学校から帰ったりくらいです。

——そこから、彼女は何人くらいいたんですか?

素童 5人くらいいたんですけど……。

——はぁ〜っ!? なに素人童貞やってるんだよ!

素童 小6で1人、中学で2人、高校で1人、大学で1人……みたいな感じで。

——高校・大学になったら、ヤル人はヤルじゃないですか。そういう方向にはいかなかったんですか?

素童 そうなんですよね。なんか、セックスって難しいじゃないですか。

——それから「成人式前に風俗というものに行ってみたい」ということでピンサロに行ったそうですけど。その頃、風俗のジャンル分けって理解できてましたか?

素童 まったく。「ソープは本番ができる」みたいな話は知ってましたけど、「素股」がなんなのかとか、わかってなかったです。

——ピンサロがなんなのか区別がついてない状態で、1人で行くのって勇気いりません?

素童 怖かったですよ~。

——しかも、全裸で待機していたらピンサロ嬢に爆笑されて、発射もできなかったって。俺だったらもう二度と行かないと思いますよ。

素童 でも「そんなもんかな」って。「ヌキたかったな」とは思ったけど、「失敗だったな」とは思わなかったですね。

――ピンサロって、いくらくらいかかるんですか?

素童 最初のところは高かったんですよ。7,000円ぐらい払って。

――大学生にとって7,000円ってデカイでしょう。

素童 でも、奨学金もらってたんで。

――奨学金でピンサロ! 2度目の風俗には、どのくらいの間隔で行ったんですか?

素童 1週間ぐらいで行きました。

――エーッ!! パチンコ屋で7,000円負けても、しばらく行くのやめようって思うのに。

素童 風俗以外にお金使うこと、特になかったんで。食費も節約してました。

――それからはガンガン通うように?

素童 すごい行ってましたね。週に3回くらい。さすがに「これはお金がヤバイ」と思って(笑)。そこで、レポートサイトに投稿すると、お金をもらえるっていうのを知って。ピンサロに行ってレポートするようになったんです。

――なるほど、かなり初期の段階から風俗レポートを書いていたんですね。

素童 最初はピンサロに行くお金を稼ぐためだったんですが、だんだんと「レポートを書きたい」という気持ちのほうが強くなりましたね。そのレポートサイトで、割と簡単にアクセス上位に入れたんですよ。「初めて認められた!」みたいな。

――そこで成功体験をしちゃったんだ。玄人童貞を喪失したのは、いわゆる「本サロ」(本番ができるとかできないとかいううわさのあるピンサロ)ってヤツですよね。ピンサロ以外の業態には行かないんですか?

素童 当時はピンサロだけでしたね。レポートを書くには、ピンサロに詳しくないといけないじゃないですか。で、通い詰める中で「本サロ」というのがあるのを知って「1回行っておかなくちゃ」って。

――やっぱり「本番もヤリたい!」みたいな気持ちも。

素童 いや、本番には抵抗あるんですよね。でも、ピンサロのレポートサイトって、本サロのレポートが載ると「ウォー!」ってなるんです(笑)とはいえ、「本番は1回経験できてよかった」ぐらいのもんでしたね。本番やったら先がないんで、変な気持ちになるんですよ。目的を見失ってしまって。

――普通の人だったらそこから、「素人ともヤリたい」みたいな目標になると思うんですけど、「風俗の頂点を極めてしまったからもういいや」と。

素童 だから本番系はその1回だけです。

■謝ってるけど、俺はピンサロ行ってきたからね!

——社会人になってからは、どのぐらいのペースで?

素童 月に6〜10回くらいですね。予算的に、10万円台ぐらいに収まればいいと思ってます。本当に性欲がそんなに強くないんで。

——何を言ってるのかわからない!

素童 風俗は3日に1回ぐらいで十分なんですよ、マックスでも。

——働きながら10回行くって、けっこう大変じゃないですか?

素童 大変ですよ。池袋に住んでるんで「平日はできるだけ池袋にしよう」とは考えてます。

――本のタイトル通り、本当に昼休みに行くこともあるんですか?

素童 ピンサロには行きます。時間的にデリヘルはムリですね。

――昼休みにまでピンサロに行くモチベーションって、どこから来ているんでしょう?

素童 仕事でうまくいってない時とか、行きたくなりますね。取引先の人に謝んなきゃいけない時とか(笑)。

――謝りに行く前に行ってるんですか?

素童 はい。

――最低の謝罪ですね。イソジン臭い口で謝って(笑)。

素童 「反逆心」みたいのを持ちたくて……。「謝ってるけど、俺はピンサロ行ってきたからね」みたいな(笑)。

――「心の安定剤」的な部分もあるんですかね?

素童 ありますよ! やっぱり面白いことが起きると安定しますね。

――ホント、レポートのネタ探し感覚なんですね。

素童 でも、ヌケなかったら不安定になります。

――難しい(笑)。「抜ければいいけど、面白いことが起こったらもっといい」という。

■「乳首舐めのための乳首舐め」は崇高

――風俗嬢にもいろいろいると思いますが、「こんな子がいい」っていうこだわりポイントは?

素童 うーん。まあ、みんないいんですけどね。

――みんな違ってみんないい(笑)。

素童 現場でよくなかったとしても、レポートが面白くなればいいんで。よくなかった中で「どんなふうによくなかったか」のほうが重要です。だからあまりプレイに没頭できないんですけどね、観察しちゃうから。

――ピークが発射した瞬間じゃなくて、レポートを上げてネットでウケた瞬間だったりするんですかね?

素童 終わって振り返る時がピークですね。「面白い人だったなー」って。それから「じゃあ文章に書こう」と。

――面白ければ、どんな子でもいい?

素童 どっちかというと、唾液が多い子がいいですけど。

――(笑)。それは風俗情報サイトで調べても出てこない情報ですね。

素童 ないですねー。飛び込みで行って、唾液が多かったらうれしいです。

――唾液の何がいいんですか?

素童 顔を舐められたり、ツバかけてもらったらうれしいじゃないですか。

――あ、単純にMなんですね。これまでで「面白かったなー」と思うプレイは?

素童 先週デリヘルに行ったんですけど、「乳首舐め」ってしてもらうじゃないですか。

――知らないけど(笑)。

素童 普通、女の子は射精させるため、チンコ勃たせるために乳首を舐めるんですよ。でも、この前の子は、プレイが終わった後もずっと乳首を舐め続けてくれて。それはもう「乳首舐めを目的とした乳首舐め」なんです。……それは良かったですね!

――ただ単に、手持ち無沙汰だったんじゃないですか?

素童 いやいや、崇高な感じがするじゃないですか!

――風俗にもいろんな業態がありますけど、どういう気分で行き分けているんでしょう?

素童 素直になりたい時はM性感とか、女の子の新鮮な表情が見たいなっていう時は[A2] 、素人系のお店に行きますね。

――風俗を極めるに当たっていろんな業態に行きたいというのは分かるんですけど、男相手の風俗に行く気持ちはまったく共感できないんですよ。なんで「男の娘」風俗に行ったんですか!?

素童 大学の先生が、すごいリベラルな人だったんで……。今の時代、性別とかに関して寛容じゃないとダメじゃないですか。

――それは「男とヤレ」って話じゃないですよ(笑)。

素童 「ヤッてみたら世界が変わる」とかそういう話も聞くんで、行ってみないとわかんないのかなと。でも、チンコを舐めると男臭くて……男の娘風俗は1回で十分でしたね。

■「前向きな風俗嬢」にウケるレポートを書きたい

――小学校から大学までコンスタントに彼女がいたわけですけど、今は欲しいとは思わない?

素童 そうですね。彼女と一緒にしたいことがないんで。 今のところ行きたいところ風俗しかないですし、 風俗のことを考えるのに忙しいです。

――今回、本が出ましたけど「これからこうしていきたい」という展望はあるんですか?

素童 お店の人や女の子が楽しんでくれるような文章を書いていきたいですね。普通の風俗レポートって「客がどれだけいい思いするか」ばっかりなんで。それよりは「前向きな風俗嬢」にウケるレポートを書きたいです。

――「恩返し」みたいなところもある?

素童 本も出させていただいたし、そういう気持ちになってきました。

――「本を出したから、これからは文化人だ!」っていうこともなく。

素童 そうやって失敗していく作家さんとかいますからね。ホント、今すぐにM性感に行って素直になろうと思ってますよ。

――本の印税がある程度まとまって入るんじゃないかと思いますけど、やっぱりそれは「風俗にぶっ込んでいこう」という感じで?

素童 それしかないでしょう!

(取材・文=北村ヂン)

 

『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』#23「ステイタス・ゴールド」

 予告で『料理の鉄人』風の料理対決がフィーチャーされていたので、コメディー回かと思っていたのだが、ノエル(元木聖也)に対して警戒心をむきだしにしていた宵町透真(濱正悟)が、ちょっぴりノエルのことを信頼しはじめる、なかなかグッとくるエピソードだった。

●ノエルはんは人たらしのプロフェッショナルやで!

 料理教室の講師が次々と行方不明になる事件が発生。

 おとり捜査のためパトレンジャーの3人が潜入したものの、料理が下手すぎるため「講師」と認識してもらえなくて、何も起こらず。

 そこでノエルは、ビストロ「ジュレ」で調理を担当するプロの料理人でもあるルパンブルー・透真におとり捜査を依頼する。

 これまでルパレン、パトレンの中では一番、ノエルを信用していない空気を出していた透真が「入手したルパン・コレクションは透真がもらう」という条件付きとはいえ、ノエルとふたりで行動することになる。

 はじめはイヤそうにしていた透真だったが、おとりとはいえ料理に対してはザ・真剣。

 いつになく柔和な表情で真剣に料理をする透真。何の番組を見せられているんだというほどガチの料理シーンが繰り広げた結果、「料理講師」と認識され、人間に変身していたギャングラー怪人・ウシバロック・ザ・ブロウ(CV:竹本英史)にまんまと誘拐されることに成功する。

 しかし、その後のバトルで透真の持つVSビークルが壊れてしまい、快盗チェンジすることができなくなってしまう。

 修理を申し出るノエルだったが、「オレの願いがかかった大事な物を他人に預けるわけにはいかない」と断られてしまう。

 そこでノエルが、透真を信頼させるためにくすぐったのが「プロフェッショナル」としての誇り。透真が料理のプロであるのと同じく、ノエルはルパン・コレクションを扱うプロなのだ。

「壊れたコレクションをそのままにしておくなんてできない。この気持ちも信じてもらえない?」

 いまだに何が目的なのかよく分からないのに、みんなから一定の信用を得ていっているノエル。コレクションを扱うプロであるとともに、人たらしのプロだよ!

 ところで、VSビークルが壊れると変身が解けてしまうって、ものすごい弱点だと思うんだけど……。なぜギャングラーたちはそこを狙っていかない!?

●道場六三郎的な怪人が愛おしいッ!

 今回、そんな「プロフェッショナル」魂を持つキャラクターがもう一体登場していた。ウシバロック・ザ・ブロウだ。

 ……道場六三郎ってことだろうなぁ。

 ギャングラーの新幹部・ライモン率いるライモン軍団の一員で、専属料理人として働いているウシバロック。

「忙しいからこき使える新しいコックが欲しい」ということで、料理講師たちを次々と誘拐していハズなのに、透真との料理対決に敗れ、ライモンから「今日からアイツがメシ係だ」と宣言されると嫉妬心を全開にしてしまう。

「オレはライモンちゃんのために料理を覚えたんだーっ!」

 ……なんちゅうカワイイ怪人なのだ。

 ポーダマンたちと料理に使う食材を運んでいる最中にルパンブルー、ルパンエックスがあらわれた時にも、「お前たち、ちゃんと運んでおけ!」と、バトルよりも食材を優先。

 ポーダマンと一緒だったら、もっと有利に戦えていたろうに……!

 その心、プロフェッショナルなり。

 料理対決時の『ミスター味っ子』的なリアクションといい、ライモンちゃんとギーウィ、ウシバロックの組み合わせはいいチームだったので、ウシバロックが早々にやられちゃったのが悲しい。

●両親の財布はもう限界よ!

 新幹部・ライモンが持つ「ステイタス・ゴールド」の金庫は、通常のダイヤルファイターでは開けられないという新情報も明かされた。

 要はドラクエにおける「きんのとびら」は「きんのかぎ」じゃないと開けられない的な話なんだと思われるが……。ということは、また新しいおもちゃを売るつもりだな!

 次回は明神つかさ(奥山かずさ)ちゃん回の模様。

 最近どうにもこうにもパッとしないパトレンジャーがそこそろ活躍してくれるだろうか?
(文と絵=北村ヂン)

『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』#23「ステイタス・ゴールド」

 予告で『料理の鉄人』風の料理対決がフィーチャーされていたので、コメディー回かと思っていたのだが、ノエル(元木聖也)に対して警戒心をむきだしにしていた宵町透真(濱正悟)が、ちょっぴりノエルのことを信頼しはじめる、なかなかグッとくるエピソードだった。

●ノエルはんは人たらしのプロフェッショナルやで!

 料理教室の講師が次々と行方不明になる事件が発生。

 おとり捜査のためパトレンジャーの3人が潜入したものの、料理が下手すぎるため「講師」と認識してもらえなくて、何も起こらず。

 そこでノエルは、ビストロ「ジュレ」で調理を担当するプロの料理人でもあるルパンブルー・透真におとり捜査を依頼する。

 これまでルパレン、パトレンの中では一番、ノエルを信用していない空気を出していた透真が「入手したルパン・コレクションは透真がもらう」という条件付きとはいえ、ノエルとふたりで行動することになる。

 はじめはイヤそうにしていた透真だったが、おとりとはいえ料理に対してはザ・真剣。

 いつになく柔和な表情で真剣に料理をする透真。何の番組を見せられているんだというほどガチの料理シーンが繰り広げた結果、「料理講師」と認識され、人間に変身していたギャングラー怪人・ウシバロック・ザ・ブロウ(CV:竹本英史)にまんまと誘拐されることに成功する。

 しかし、その後のバトルで透真の持つVSビークルが壊れてしまい、快盗チェンジすることができなくなってしまう。

 修理を申し出るノエルだったが、「オレの願いがかかった大事な物を他人に預けるわけにはいかない」と断られてしまう。

 そこでノエルが、透真を信頼させるためにくすぐったのが「プロフェッショナル」としての誇り。透真が料理のプロであるのと同じく、ノエルはルパン・コレクションを扱うプロなのだ。

「壊れたコレクションをそのままにしておくなんてできない。この気持ちも信じてもらえない?」

 いまだに何が目的なのかよく分からないのに、みんなから一定の信用を得ていっているノエル。コレクションを扱うプロであるとともに、人たらしのプロだよ!

 ところで、VSビークルが壊れると変身が解けてしまうって、ものすごい弱点だと思うんだけど……。なぜギャングラーたちはそこを狙っていかない!?

●道場六三郎的な怪人が愛おしいッ!

 今回、そんな「プロフェッショナル」魂を持つキャラクターがもう一体登場していた。ウシバロック・ザ・ブロウだ。

 ……道場六三郎ってことだろうなぁ。

 ギャングラーの新幹部・ライモン率いるライモン軍団の一員で、専属料理人として働いているウシバロック。

「忙しいからこき使える新しいコックが欲しい」ということで、料理講師たちを次々と誘拐していハズなのに、透真との料理対決に敗れ、ライモンから「今日からアイツがメシ係だ」と宣言されると嫉妬心を全開にしてしまう。

「オレはライモンちゃんのために料理を覚えたんだーっ!」

 ……なんちゅうカワイイ怪人なのだ。

 ポーダマンたちと料理に使う食材を運んでいる最中にルパンブルー、ルパンエックスがあらわれた時にも、「お前たち、ちゃんと運んでおけ!」と、バトルよりも食材を優先。

 ポーダマンと一緒だったら、もっと有利に戦えていたろうに……!

 その心、プロフェッショナルなり。

 料理対決時の『ミスター味っ子』的なリアクションといい、ライモンちゃんとギーウィ、ウシバロックの組み合わせはいいチームだったので、ウシバロックが早々にやられちゃったのが悲しい。

●両親の財布はもう限界よ!

 新幹部・ライモンが持つ「ステイタス・ゴールド」の金庫は、通常のダイヤルファイターでは開けられないという新情報も明かされた。

 要はドラクエにおける「きんのとびら」は「きんのかぎ」じゃないと開けられない的な話なんだと思われるが……。ということは、また新しいおもちゃを売るつもりだな!

 次回は明神つかさ(奥山かずさ)ちゃん回の模様。

 最近どうにもこうにもパッとしないパトレンジャーがそこそろ活躍してくれるだろうか?
(文と絵=北村ヂン)