ファーストサマーウイカ、関西弁毒舌でバラエティ界に新旋風も「すべては計算済み!?」

 サイゾー読者的には、アイドルグループ「BiS」や「BILLIE IDLE」としての活動でおなじみのファーストサマーウイカ。

 そんな彼女を最近、やたらとバラエティ番組で見かける。関西弁の毒舌キャラで、思いっきりテレビタレント的に活躍している。いつの間に、そんなことになっていたのか!?

 さらに、今期のドラマ『凪のお暇』(TBS系)にも出演中ということで、ファーストサマーウイカはこのままテレビタレントになってしまうのか――。本人を直撃すると、意外と戦略的なキャラクター設定が明らかに!?

ハロプロ、スターダストは無理だけど、BiSならイケる!?

——最近、テレビで初めて知った人も多いと思うので、ざっくり、どういう経歴で今に至ったのか教えてください。

ウイカ 子どもの頃から活発な性格で、人見知りもなく、学芸会とかも積極的に中心になって参加するタイプでしたね。中学で吹奏楽、高校でバンドを始めて、ドラムをやっていたんですけど、ドラムってすごくフラストレーションがたまるんですよ。ライブで前に出られないから!

——そんなの最初からわかってるでしょ!

ウイカ ライブをやってみて、初めてそれに気がついて……。そこで、ドラマや映画にはほとんど興味がなかったんですが、自由に動き回れる役者さんっていいなって急に思い立って、「大阪 劇団」で検索して出てきた劇団に入って、関西を中心に5年くらい舞台役者をやっていました。それから「役者をやるなら一度くらいは東京に出てみたい」ということで、22歳の時に上京したんですよね。

——東京で、仕事は決まっていたんですか?

ウイカ ノープランで! 仕事も所属先もない状態で上京したら、Twitterでアイドルグループがメンバー募集しているというのを見かけて。それがBiSだったんですよ。上京して2週間後にはBiSに入ったので、突然アイドルとしての生活が始まった感じです。いつも行き当たりばったりの人生を送ってますね(笑)。

——「役者をやるなら」ということで東京に出てきたはずなのに、なぜアイドルに!?

ウイカ とにかく人前に立つことがやりたかったんです。そもそも、アイドルというものを知らなかったですからね。当時、一世風靡していたももクロさんすら知らなかったですから。

 BiSはすでにエイベックスでメジャーデビューしていたので、「舞台役者の卵」よりは明るい場所に行けるんじゃないかと。ビジュアルしかり年齢しかり、今からハロプロやスターダストには入れないだろうし、宝塚も国民的美少女コンテストも無理だけど、このグループだったら可能性あるかも! って(笑)。

——行き当たりばったりとは言いつつ、最低限のリサーチはするんですね「ここだったら……」みたいな。

ウイカ 昔からオーディションを受けるのが好きで、いろいろと知識はあったんですよ。全然受からなかったですけど。

——アイドルを知らなかったということですが、BiSってだいぶ特殊なアイドルじゃないですか。大丈夫だったんですか?

ウイカ そうですね。全裸MVを作ったり、血まみれになったり、客席にダイブしたり……。サイゾーさんに興味を持ってもらえるような破天荒なアイドルだったので、逆に性に合っていました。普通のアイドルになりたかったとしたらイヤだったと思うんですけど、特にアイドルになりたかったわけじゃないので、全然オッケーでした。

——BiSの解散後、BILLIE IDLEのメンバー として活動を始めるわけですが、そこで再びアイドルをやることになったきっかけは?

ウイカ 解散の時は24歳だったので、本当だったら女優一本に絞るとかやっていかなきゃいけないところなんですけど、NIGOさん(BILLIE IDLEのプロデューサー)から「もう一回グループでやってみないか」と誘っていただいたので、面白そうだなと思って参加しました。

 BILLIE IDLEはステージの演出や作詞など、自分たちでやれることも増えていて、表現の場としてやりたいこともできるし、いい環境ですね。

——BiSが解散して、NIGOさんから声がかからなかったら、何をしようと考えていたんですか?

ウイカ ノープランです! まあ、BiSで横浜アリーナまで行ったという実績があるので、宣材資料を作って、どこかしらの事務所に営業をかけていたと思います。元アイドルの肩書を精いっぱい利用してやっていたんじゃないかな。「元アイドルのホステスみたいな(笑)。

——今年の頭からテレビ番組でやたらと見かけるようになりましたけど、どうしてこんなことに!?

ウイカ きっかけは『女が女に怒る夜』(日本テレビ系)のオーディションを受けたことです。それまで、映画やドラマのオーディションの話は来ていたんですけど、バラエティはこれが初めてだったんです。

——オーディションって、何をやるんですか?

ウイカ ディレクターさんやプロデューサーさんとか3人くらいいて、「ムカつく女のエピソード教えてください」みたいなことを聞かれるんですよ。それにひたすら答えていった感じですね。しゃべるのは比較的得意なんで、とりあえず目の前の人を笑わせたいと。ライブみたいな感覚です。そしたらまさかの合格で! 本番は、司会がくりぃむしちゅーの上田さんだし、横に並ぶ女性タレントさんたちも、大久保佳代子さんやいとうあさこさんなど猛者ばっかりで。もちろん全員初対面ですから、緊張しましたね。

——でも、かなり爪痕を残してましたよね。それまでの活動とのイメージと、ちょっと違う雰囲気かなとも思ったんですが。

ウイカ キャラクターがあるほうがキャッチーじゃないですか。私が芸能人として憧れているのは、美輪明宏さん、叶姉妹さん、ROLLYさんと、みなさんはっきりしたキャラクターをお持ちなので、自分もそうなりたいなと思ってキャラ作りしていきました。こういう髪形してる女が関西弁でギャンギャン言ってたら、漫画のキャラクターにしやすそうかなと思って(笑)。

――なるほど……。

ウイカ これはアイドル活動で学んだことかもしれないですね。売れているアイドルさんって、漫画になっても成立するような、キャラクターが立っている人たちばっかりだから。緑色でボブだったらねむきゅん(夢眠ねむ)とか、金髪でショートカットなら(最上)もがちゃんとか。

——2~3ワードでパッと表現できるキャラクターということですね。

ウイカ そういうキャラになれたら売れやすいだろうなっていうのもあり、意図的にああいう感じにしています。さすがに、ここまでテレビに出られるようになるとは予想外でしたけどね(笑)。

——こういうキャラで「アイドル」という肩書があるのも、強みかもしれませんね。

ウイカ 確かに、それに助けられている部分も大きいですね。そういう後ろ盾がなくなった時に、本当の実力を試されると思っています。こんなブレーク状態は、いつか止まる時が来ますから。

——もうそこまで考えているんだ。冷静!

ウイカ 自分が使う側だったら、「飽きたら別の子に行けばいいや」って思いますから。そういう意味では、定番化したいなとは思っています。今は起爆剤、七味みたいな刺激物として番組に呼んでもらってますけど、将来的に、いて当たり前の存在になりたいというか。例えばYOUさん。違和感なく安心感がある、みたいな。

——毎回スゲー面白いこと言うわけじゃないけど、安定感ありますよね。

ウイカ それが定番化ってことですよね。

——今は、最初のキャラ設定がうまくハマっている状態ですが、今後のことを考えて少しずつシフトチェンジしていく 部分もあるんですか?

ウイカ 来年30歳になるので、今まで破天荒で通じていたことが「痛い」に変わる瞬間が来ると思うんですよ。下ネタとかも単に品がない感じになったり。それは、いろんな女性を見ていて思います。

今、TBSのドラマ『凪のお暇』に1話ごとに違う役で出演させていただいているんですが、ただのバカ、ただの下品な女だと思いきや「芝居もできるんだ」とか「歌もやってるんだ」とか、クリエイティブな面も知ってもらえたら、そのギャップで信頼度が上がるかなと思っています。

——これからBILLIE IDLEの全国15カ所ツアーも始まりますね。

ウイカ 主要都市だけのツアーでは行けないところにも行きます。今、バラエティで注目してもらっているおかげで、地方での知名度も多少は上がっていると思うので、ぜひこの機会に!

——「もうドラマ優先なんで、ライブには出ません」となるかもしれないですしね。

ウイカ BILLIE IDLEは、本当にいい音楽をやっているので。「ファーストサマーウイカって聞いたことある」という好奇心で来てもらいたいです。BILLIE IDLEのファーストサマーウイカが一番イケてると思いますよ! 私のライフワーク、生活の中心にある活動なので、見てもらいたいですね。
(取材・文=北村ヂン)

●BILLIE IDLE(ビリー・アイドル)
ファーストサマーウイカ、ヒラノノゾミ、モモセモモ、アキラ、プー・ルイの5人からなるガールズユニット。NIGOプロデュースにより「ネオ80’s」をテーマにしたサウンドとビジュアルイメージで、2015年4月に1stアルバム『IDLE GOSSIP』 でCDデビュー。7月28日、赤坂BLITZを皮切りに全国15カ所でツアー開催中。
https://www.billieidle.com/

『後妻業』最終回 原作を読んでいると逆に予想がつかない衝撃展開! やはり高橋克典が最強だった

『後妻業』(フジテレビ系)最終回「衝撃の最終回!黒い取引!勝つのは誰か!悪女の運命はいかに」

 視聴者の気を少しでも引こうという作戦なのか何なのか分からないが、最近のドラマはやたらと「衝撃の~」という煽り文句が使われている。

 その多くは、大して衝撃的でもないフツーの内容なのだが、『後妻業』の最終回は、確かに衝撃的で予想不可能な展開だった。

(前回までのレビューはこちらから)

やはり高橋克典が最強だった

 中瀬朋美(木村多江)から依頼を受けて「後妻業」の裏を調査していた探偵・本多芳則(伊原剛志)から殺人の証拠と引き替えに3,000万円を要求された柏木亨(高橋克典)。

 ヤクザ・舟山善宣(松尾諭)からも父親の慰謝料として5,000万円を要求されているし、もう絶体絶命!

 何だかんだで武内小夜子(木村佳乃)と柏木の「後妻業」コンビが最後に懲らしめられて終わるのかな……と思いきや、ここから気持ちよくどんでん返ししまくった。

 前回、小夜子の息子・黒澤博司(葉山奨之)は、柏木からもらった小遣いを持って、さっそくシャブを買っていた。しかし実は、舟山組がシャブを扱っている証拠写真を入手するためのおとりだったのだ。

 柏木はこの写真と引き替えに、逆に舟山へ1億円を要求する。

 本多と、本多の刑事時代の部下にも協力を仰ぎ、1億円を持ってきた舟山組の連中を一斉に逮捕し、1億円だけをゲット。

 最後は小夜子、柏木、朋美、本多、みんなで仲良くワッハッハという、急展開にもほどがある結末だった。

 確かに衝撃的だが、かなりムリヤリ感のある強引などんでん返し! ただ、振り返ってみると確かに(うっすらと)伏線は張られていたのだ。

 朋美&本多チームは、当初の「朋美の父親を殺した小夜子への復讐」という目的から、「金が手に入ればオッケー」という方向にシフトしていた。

 ほぼ忘れていたけど、本多がかつてマル暴の刑事だったというのも重要な伏線だった。

 刑事時代、舟山組を何度も検挙しようとしていたが、そのたびに逃げられて悔しい思いをしていたという。その悔しい思いが、敵対関係にあった柏木からの、かなりムチャめな計画に乗る理由付けとなったのだ。

 この計画を実行するのに絶対に必要な、現役警察官の協力者・橋口(平山祐介)も、確かに以前、チョロッと出てましたわ。……ホントにチョロッとだったので存在を完全に忘れていたけど。

 強烈に反発しあっていた小夜子と朋美も、お互いの心の闇を知ることで共感しあい、徐々に「仲良くけんかしな」状態になっていた。

 その上、後妻業で手に入れた金はほとんど寄附していたということ。「死にたい」と言っていた老人たちはみんな、小夜子が手をくだすまでもなく、自ら死んでいったのだということを明かされ、小夜子と朋美も和解ムードに。

 結局、ヤクザを騙し、本多をたきつけ、小夜子&朋美を手玉に取って計画を成功させた柏木。

 やはり高橋克典最強ドラマだった。

 ドドドーッとこれまでの種明かしが繰り広げられた最終回において、よく分からなかった……というより、必要なかったんじゃないかというエピソードは、小夜子の死んだふり。

 息子(弟)である博司と言い争ったイキオイで首を絞められた結果、原作小説ではホントに死亡していたし、映画版では死んだと思ったらギリギリ生きていた。

 そして、ドラマ版では「死んだふりをしていた」というよく分からない展開。

 ヤクザを騙して金を奪っただけに、息子を巻き込みたくなく、死んだと思わせたかった……ということらしいが、結局すぐに「死んだふりや」と博司にネタばらししていたし、このエピソード、丸ごと必要なかったんじゃないかと。

 原作小説&映画版では重要なポイントとなる印象的なエピソードだったので、ドラマ版にも一応入れてみたというところだろうが、オチが「死んだふり」というのはワケが分からなかった。

 今回のドラマ版。原作や映画から大きく改変されているため、原作と同じエピソードが起こっても、結末はまったく違うところに着地するというケースが多い。

「ここからあの展開に……ならないんかーい!」

 原作小説や映画版を知っていると、逆にミスリードさせられて混乱するという、珍しいドラマ版だ。

 原作ファンを驚かせるため、わざとこういう構成にしているのかもしれないが。

 

コンフィデンスマンの世界へようこそ!?

 最終回を見終え、このドラマ全体を振り返ってみると、やはり同じフジテレビ系列のドラマ『コンフィデンスマンJP』からの影響を強く感じた。

 コメディノリではじまり、物語が進展していくにつれ、ウェットなエピソードやシリアスな駆け引きが繰り広げられ、緊張感が高まりきったところで、ハチャメチャな種明かしが披露されるという展開。

『コンフィデンスマンJP』は1話完結で、『後妻業』は1クール通してという違いはあるものの、ドラマの構造が非常に似ている。

 やたらとハイテンションで露悪的な詐欺師という設定からして、意識しているのは間違いないだろう。

 最終回で小夜子は、後妻業で手に入れたお金はほとんど寄附しているし、老人たちの殺人にも手を染めていないと語っていた。

 しかしラストシーンでは、注射器や寄附の証明書が捨てられたごみ箱が。……やっぱり小夜子は老人を殺していたし、金もガッツリ貯め込んでいるのでは!?

「目に見えるものが真実とは限らない。何が本当で、何が嘘か。コンフィデンスマンの世界へようこそ!」(『コンフィデンスマンJP』の決めゼリフ)

 みたいなエンディングだ。

 原作小説の後味が悪い結末や、映画版のボンヤリとした終わり方に比べると、スカッと痛快なハッピーエンドで楽しく見ることのできたドラマ版。

 脚本の粗も目立ったが、お茶の間で見るテレビドラマとしては正しいアレンジだったんじゃないだろうか。

(文とイラスト=北村ヂン)

遺産や殺人の件を忘れて色恋沙汰に夢中。ホントにあと1話で終わるの?『後妻業』第8話

遺産や殺人の件を忘れて色恋沙汰に夢中。ホントにあと1話で終わるの?『後妻業』第8話の画像1

『後妻業』(フジテレビ系)第8話「逆詐欺師からの襲撃!悪女の涙と大ピンチ」

(前回までのレビューはこちらから)

みんな遺産や殺人の件、忘れてません?

 武内小夜子(木村佳乃)×イケメンじいさん・舟山喜春(中条きよし)、柏木亨(高橋克典)×中瀬朋美(木村多江)がアツーイ夜を過ごした(?)前回。

「後妻業」のことを忘れ、舟山に入れあげている小夜子に、ほんのり嫉妬心をのぞかせる柏木は、舟山の持つ不動産がインチキだと気付き忠告するが、完全に恋愛モードに入っている小夜子は聞く耳を持たず。

 かと思えば、柏木のデスクに朋美のイヤリングが置かれているのを発見して、ふたりの間に何かがあったと察知した小夜子も嫉妬する。

 さらに朋美も朋美で、自分のために一生懸命調査を進めている本多芳則(伊原剛志)よりも、柏木の方に心を奪われている様子なのだ。……本多の立場。

 みんな、遺産や殺人の件をすっかり忘れ、色恋にうつつを抜かしすぎじゃないかい? 小夜子や柏木はともかく、朋美はそれでいいのか!? 真面目に「後妻業」のことを考えているのは本多だけだよ!

ダンディなおっさんがラクダシャツ&腹巻きに

 さて、前回からのポッと出キャラながら、なかなかいい味を出していたのがイケメンじいさん・舟山だ。

 舟山に惚れている様子ではあるものの、それ以上に柏木との関係性を重要視している小夜子は、柏木からの指令に従い、舟山に「遺言公正証書を書いてください」と切り出す。

 しかし舟山は逆に、結婚する前に投資用に不動産を購入したいということで、小夜子から金を借りようとする。

「アンタ、ホンマは詐欺師やろ!?」

「なんやとコラ。誰にものぬかしてんねん、ワレ! おのれこそ詐欺師と違うんかい!」

 さっきまで標準語でダンディにしゃべっていたのに、一気にガラの悪い大阪のオッサンに。

 しかし小夜子も舟山も、プロの詐欺師だったら、お互いもうちょっと上手く騙し合おうよ……。

 公正証書だ借金だと、詐欺バレバレのド直球なワードをぶん投げて、バレたらブチ切れるという大ざっぱな計画。よくこれまで詐欺師としてやって来れたもんだ。

 しかも舟山にいたっては、ブチ切れるだけでなく、女をボッコボコにして財布を奪っていくという、アポ電強盗もビックリな強引すぎるスタイル。

 舟山は息子がヤクザだから、安心してこんなことを繰り返しているようだが、いくら息子がヤクザでも、普通に警察へ通報されたら一発アウトだと思うが……。

 小夜子から連絡を受けた柏木が押しかけた、自宅での舟山のくつろぎっぷりも笑った。

 いつものダンディズムあふれる舟山はどこへやら。ラクダシャツに腹巻き、老眼鏡というザ・ジジイスタイルで、手酌でポン酒をやりながら詐欺電話をかけていた。

 部屋には電熱ストーブ、コタツの上にはチラシを折って作ったくず入れと、ディテール
へのこだわりもよかったぞ。

 小夜子の復讐として、舟山の金玉を潰した柏木は、再び小夜子のマンションへ。長い付き合いながら、初めて小夜子の部屋に入ったということで感慨深そうだ。

「ウチ、アンタに借りが出来てもうたな。ウチの身体で返そか?」

 ということで、何だかんだでキス!

 ちょいちょい、お互いに思い合っているのをにおわせてきたふたりだが、ついに! ……しかし、要はヤリチン&ヤリマンのキスなので、『タッチ』でタッちゃん&南がキスした時ほどはときめかなかったが。

 それでも、これまでになく女の顔になっている小夜子にグッとさせられた。

 そして、ここまでやっておきながら、「今日はゆっくり休めや」と去って行く柏木の格好良さよ。

 さらに、完全にヤッたと思われていた朋美も、「カタギには手ェは出さん」ということが判明。

 それでいて、小夜子からも朋美からも思いを寄せられている柏木……最強フェロモン男や!

 一方、朋美とヤッたわりに、話の蚊帳の外に置かれている感がハンパない本多は、ひとりだけ真面目に「後妻業」の調査を続けていた。

 依頼主である朋美は遺産とかどうでもよくなっている風だし、女としても、どっちかというと柏木の方に心奪われている様子。

 こうなったら何としても「後妻業」のウラを取って柏木をギャフンと言わせるしかないという状態だろう。

 柏木の浮気が原因で別れたという三好繭美(篠田麻里子)から、朋美の父・中瀬耕造が死んだ日に「スポンサーが死んだんや」ということで「ピンドンでも白ドンでも両方でも!」と気前よくなっていたという情報を。

 さらに、もうすぐ柏木の会社を辞めるという経理担当者からは、小夜子の最初の夫が練炭自殺で死んだ前日に練炭を買った領収書&中瀬耕造が死んだ前日に注射器を買った領収書をゲット。

 人殺し道具の領収書を切るなよ……。

 フェロモンビンビンで、過去のトラウマとかもなさそうな無敵キャラの柏木だが、浮気とセコイ領収書という、わりとなさけない原因でメッキがはげてきた。

 さらに、事務所に舟山の息子(ヤクザ)が乗り込んできて3,000万円を要求してくるし、そのヤクザを調べさせようとした黒澤博司(葉山奨之)はシャブを買ってるし。最終回前にして、色々とややこしいことになってきた。

 他にも、

・小夜子が殺しの後、教会で懺悔していた件
・あれだけ稼いでいるのに、小夜子の貯金がほとんどない件
・朋美の姉ちゃん(濱田マリ)の件
・ボケているうどんチェーン店の元・社長はどうなったかという件

 などなど、張りっぱなしになっている伏線らしきものがいっぱい残っているのだが、あと1話でキレイに回収してくれるのか!?

(文とイラスト=北村ヂン)

 

43歳で漫画家デビュー! 話題のウェブ漫画『王様ランキング』作者「20代で夢破れ、再び漫画家を目指すまで」

 昨年8月、まったく無名だった作者によるウェブ漫画が、突如として話題となった。耳が聞こえない非力な王子・ボッジを主人公とした感動の成長物語『王様ランキング』だ。

 作者の十日草輔(とおか・そうすけ)は現在43歳。若い頃に漫画家を目指して投稿を続けていたものの挫折、会社勤めをしていたが、40代になってから一念発起して退社。再び漫画家を目指して漫画投稿サイト「マンガハック」で公開したところ、大きな話題を呼んだ。

 そして今年2月、『王様ランキング』の単行本がKADOKAWAから2巻同時発売された。「漫画家になる」という夢を実現させたのだ。

「夢にタイムリミットはない」とはいうが、なかなか思い切れない40代からの夢への挑戦。40代からでも夢を実現させる方法を聞いた。

絵を描くって記憶力なんだ

――子どもの頃に好きだった漫画やアニメは?

十日 「週刊少年ジャンプ」(集英社)です。30年くらい前でしょうか。ジャンプの黄金時代だったと思います。みんなアニメ化されて、今でも語られるモンスター作品ばかりでした。アニメでは、宮崎駿作品とドラえもん映画です。私が9~11歳の頃ですが、当時受けた感動はすごかったですね。『風の谷のナウシカ』(84年)は遠足か何かのバスの中で観て、何日も余韻が抜けなかったし、『天空の城ラピュタ』(86年)は映画館へ見に行って、席を立てなかった。寂しくて寂しくて、ずっと見ていたかったことを覚えています。ドラえもん映画だと、『のび太の魔界大冒険』(84年)、『のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)』(85年)、『のび太と鉄人兵団』(86年)、とんでもなくワクワクしました。アニメ以外では、『里見八犬伝』(83年)や『ネバーエンディング・ストーリー』(85年)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85年)などなど、今でも大好きな映画ですね。

――当時は、いろいろと黄金期でしたからね。では、漫画を描き始めたきっかけは?

十日 これらの漫画や映画に触れたのがきっかけだと思います。でも、漫画家になりたいとは口外しませんでした。恥ずかしいことだと思っていたので……。「夢は野球選手とサラリーマン」と答えていました。だから落書き程度で、ちゃんとした漫画は描いていなかったですね。

――野球選手とサラリーマン……。わりと振り幅ありますね(笑)。

十日 初めて描き始めたのは21歳の時です。「自分は絵がうまい」と思い込んでいたんですが、いざ描いてみるとプロの絵とは雲泥の差でビックリしました。21歳のいい大人が本気で思っていたんですよ? 当時は頭おかしかったんでしょうね。ペン入れをしてもうまく描けない。線がガタガタだし、震えているんです。ベタもきれいに塗れない。でも「印刷すればキレイになるんだろう」と本気で思っていました。で、集英社に自信満々に送って撃沈です。

 それから「絵というものは、描けば描くほど上達する」とわかってきて、資料を集めて必死でデッサンしていましたね。何度も何度も描くから、頭が記憶する。この時「絵を描くって記憶力なんだ」と気づいて、「すげえなオレ」って思いました。

 絵って、その対象を覚えて想像で描くんですよね。たとえば、指の関節がいくつあるか覚えて想像力で描く。でも、頭の中のものを絵として実現するわけで、実際のものとはちょっと違う。だから創造力でもあるんです。それに気づいてワクワクしましたね。そして2年かかって、やっとペンでまともな線を引けるようになりました。何事にも慣れや訓練って必要なんだなと、この時わかったんです。

――それなのに、漫画をいったんあきらめた理由は?

十日 もう本当にダメだったんです。まったくダメ。投稿しても、賞にかすりもしませんでした。それで、意を決して編集部に持ち込んだんです。初めは愛想よく相手をしてくれましたが、3度目くらいで「また来たのか……」という、うんざりした表情が見えちゃって……。帰路で夢破れたことに気づいて、目の前が真っ白になりました。

――編集さんも、毎日山のような原稿見てますからね……。

十日 でも、編集の方がなぜああいった表情になったのか、今はわかるんですよ。一生懸命、道を示してくれていたのに、私は作品を修正するでもなく、傲慢に「オレの漫画、面白いだろ」と、斜め上からの作品ばかり描いていたんです。読んでくれる人が何を感じるだろうと考えもせず、楽しませようという気持ちがまったくなかったんですね。

――会社員時代は、どんな仕事をしていたんですか?

十日 製版会社→ウェブコーダー→ウェブデザイナー→ウェブ担当者→ウェブマーケティングという順番です。

――わりとウェブ周りの仕事だったんですね。会社で働きつつも「いつか絵で食べていきたい」という思いはあったんでしょうか?

十日 ありました。会社員時代は、もうずっとかすみがかった世界の中で働いていました。漫画はまったく描いていませんでしたけど、絵日記やイラストを描いてはブログにアップしていました。誰も見ていませんでしたが、絵とのつながりを細い糸でもつないでおきたかったんです。何がきっかけになるかわからないという希望を持ってましたね。未練かもしれませんけど……。

1年間で結果が出なかったら、夢はあきらめる

――そこから、会社を辞めて再び漫画を描こうと思ったきっかけは?

十日 Wacomの液晶タブレットを買ってからだと思います。デジタルで絵を描くということに、すごく可能性を感じました。何より、絵と向き合う距離を縮めてもらって、すごく気軽になれたんです。

――40代でフリーになることに対して、不安はなかったですか?

十日 不安はありましたが、会社を辞めなきゃ始まらなかったし、それ以上にワクワクしてたんです。仕事と漫画の両立は無理でしたね。私はひとつのことしかできないので、働きながら……というのは、まったく考えていませんでした。

――40代から再び漫画家を目指すに当たって、立てた戦略などはありますか?

十日 戦略というか、男41歳独身、1年間で結果が出なかったらキッパリ夢はあきらめるという覚悟は決めていました。

――雑誌などに投稿するのではなく、ネットにアップすることにしたのは?

十日 実は、初めは絵本作家を目指していたんです。昔、絵本では賞をいただいたことがあったので、向いているのかなとも思っていたので。でも「ウェブ漫画」という世界があると知って、すぐ飛びついたんです。雑誌に送ることはまったく頭になかったですね。いい思い出もないですから。ウェブ漫画は誰でも投稿できて、多くの人に読んでもらえる。そんな可能性は、雑誌にはないですからね。

 雑誌に送っても、プロの編集者ひとりにしか読んでもらえない。ウェブ漫画は、その比じゃないですから。うまくいけばプロの目にも留まるかもしれないし、なにより初めは、気楽に練習のつもりだったんです。

――無収入で漫画を描いていることに、不安はなかったですか?

十日 それは初めからわかっていたことなので、不安はありませんでした。貯金もあったし、独身ですから。

――『王様ランキング』で、やっていけると感じたタイミングは?

十日 アップして2カ月で、「出版しませんか?」ってお声がかかった時ですね。結局、その話はダメになっちゃいましたけど、お金を払ってくれる人がいるってわかったのは、すごく自信になりました。あとは、読んでくれた方のコメントにもすごく励まされて、モチベーションを維持することができました。これは漫画を描いてアップした者にしかわからないと思います。本当にうれしいんですよ。

 漫画に限らず、自分が一生懸命頑張ったものを、まったく知らない人に共感してもらえた時のことを想像してみてください。社会では「一生懸命やったって、結果が出なくちゃしょうがない」なんて平気で言う人がいますけど、そんなことはないって強く思いますね!

(取材・文=北村ヂン)

43歳で漫画家デビュー! 話題のウェブ漫画『王様ランキング』作者「20代で夢破れ、再び漫画家を目指すまで」

 昨年8月、まったく無名だった作者によるウェブ漫画が、突如として話題となった。耳が聞こえない非力な王子・ボッジを主人公とした感動の成長物語『王様ランキング』だ。

 作者の十日草輔(とおか・そうすけ)は現在43歳。若い頃に漫画家を目指して投稿を続けていたものの挫折、会社勤めをしていたが、40代になってから一念発起して退社。再び漫画家を目指して漫画投稿サイト「マンガハック」で公開したところ、大きな話題を呼んだ。

 そして今年2月、『王様ランキング』の単行本がKADOKAWAから2巻同時発売された。「漫画家になる」という夢を実現させたのだ。

「夢にタイムリミットはない」とはいうが、なかなか思い切れない40代からの夢への挑戦。40代からでも夢を実現させる方法を聞いた。

絵を描くって記憶力なんだ

――子どもの頃に好きだった漫画やアニメは?

十日 「週刊少年ジャンプ」(集英社)です。30年くらい前でしょうか。ジャンプの黄金時代だったと思います。みんなアニメ化されて、今でも語られるモンスター作品ばかりでした。アニメでは、宮崎駿作品とドラえもん映画です。私が9~11歳の頃ですが、当時受けた感動はすごかったですね。『風の谷のナウシカ』(84年)は遠足か何かのバスの中で観て、何日も余韻が抜けなかったし、『天空の城ラピュタ』(86年)は映画館へ見に行って、席を立てなかった。寂しくて寂しくて、ずっと見ていたかったことを覚えています。ドラえもん映画だと、『のび太の魔界大冒険』(84年)、『のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)』(85年)、『のび太と鉄人兵団』(86年)、とんでもなくワクワクしました。アニメ以外では、『里見八犬伝』(83年)や『ネバーエンディング・ストーリー』(85年)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85年)などなど、今でも大好きな映画ですね。

――当時は、いろいろと黄金期でしたからね。では、漫画を描き始めたきっかけは?

十日 これらの漫画や映画に触れたのがきっかけだと思います。でも、漫画家になりたいとは口外しませんでした。恥ずかしいことだと思っていたので……。「夢は野球選手とサラリーマン」と答えていました。だから落書き程度で、ちゃんとした漫画は描いていなかったですね。

――野球選手とサラリーマン……。わりと振り幅ありますね(笑)。

十日 初めて描き始めたのは21歳の時です。「自分は絵がうまい」と思い込んでいたんですが、いざ描いてみるとプロの絵とは雲泥の差でビックリしました。21歳のいい大人が本気で思っていたんですよ? 当時は頭おかしかったんでしょうね。ペン入れをしてもうまく描けない。線がガタガタだし、震えているんです。ベタもきれいに塗れない。でも「印刷すればキレイになるんだろう」と本気で思っていました。で、集英社に自信満々に送って撃沈です。

 それから「絵というものは、描けば描くほど上達する」とわかってきて、資料を集めて必死でデッサンしていましたね。何度も何度も描くから、頭が記憶する。この時「絵を描くって記憶力なんだ」と気づいて、「すげえなオレ」って思いました。

 絵って、その対象を覚えて想像で描くんですよね。たとえば、指の関節がいくつあるか覚えて想像力で描く。でも、頭の中のものを絵として実現するわけで、実際のものとはちょっと違う。だから創造力でもあるんです。それに気づいてワクワクしましたね。そして2年かかって、やっとペンでまともな線を引けるようになりました。何事にも慣れや訓練って必要なんだなと、この時わかったんです。

――それなのに、漫画をいったんあきらめた理由は?

十日 もう本当にダメだったんです。まったくダメ。投稿しても、賞にかすりもしませんでした。それで、意を決して編集部に持ち込んだんです。初めは愛想よく相手をしてくれましたが、3度目くらいで「また来たのか……」という、うんざりした表情が見えちゃって……。帰路で夢破れたことに気づいて、目の前が真っ白になりました。

――編集さんも、毎日山のような原稿見てますからね……。

十日 でも、編集の方がなぜああいった表情になったのか、今はわかるんですよ。一生懸命、道を示してくれていたのに、私は作品を修正するでもなく、傲慢に「オレの漫画、面白いだろ」と、斜め上からの作品ばかり描いていたんです。読んでくれる人が何を感じるだろうと考えもせず、楽しませようという気持ちがまったくなかったんですね。

――会社員時代は、どんな仕事をしていたんですか?

十日 製版会社→ウェブコーダー→ウェブデザイナー→ウェブ担当者→ウェブマーケティングという順番です。

――わりとウェブ周りの仕事だったんですね。会社で働きつつも「いつか絵で食べていきたい」という思いはあったんでしょうか?

十日 ありました。会社員時代は、もうずっとかすみがかった世界の中で働いていました。漫画はまったく描いていませんでしたけど、絵日記やイラストを描いてはブログにアップしていました。誰も見ていませんでしたが、絵とのつながりを細い糸でもつないでおきたかったんです。何がきっかけになるかわからないという希望を持ってましたね。未練かもしれませんけど……。

1年間で結果が出なかったら、夢はあきらめる

――そこから、会社を辞めて再び漫画を描こうと思ったきっかけは?

十日 Wacomの液晶タブレットを買ってからだと思います。デジタルで絵を描くということに、すごく可能性を感じました。何より、絵と向き合う距離を縮めてもらって、すごく気軽になれたんです。

――40代でフリーになることに対して、不安はなかったですか?

十日 不安はありましたが、会社を辞めなきゃ始まらなかったし、それ以上にワクワクしてたんです。仕事と漫画の両立は無理でしたね。私はひとつのことしかできないので、働きながら……というのは、まったく考えていませんでした。

――40代から再び漫画家を目指すに当たって、立てた戦略などはありますか?

十日 戦略というか、男41歳独身、1年間で結果が出なかったらキッパリ夢はあきらめるという覚悟は決めていました。

――雑誌などに投稿するのではなく、ネットにアップすることにしたのは?

十日 実は、初めは絵本作家を目指していたんです。昔、絵本では賞をいただいたことがあったので、向いているのかなとも思っていたので。でも「ウェブ漫画」という世界があると知って、すぐ飛びついたんです。雑誌に送ることはまったく頭になかったですね。いい思い出もないですから。ウェブ漫画は誰でも投稿できて、多くの人に読んでもらえる。そんな可能性は、雑誌にはないですからね。

 雑誌に送っても、プロの編集者ひとりにしか読んでもらえない。ウェブ漫画は、その比じゃないですから。うまくいけばプロの目にも留まるかもしれないし、なにより初めは、気楽に練習のつもりだったんです。

――無収入で漫画を描いていることに、不安はなかったですか?

十日 それは初めからわかっていたことなので、不安はありませんでした。貯金もあったし、独身ですから。

――『王様ランキング』で、やっていけると感じたタイミングは?

十日 アップして2カ月で、「出版しませんか?」ってお声がかかった時ですね。結局、その話はダメになっちゃいましたけど、お金を払ってくれる人がいるってわかったのは、すごく自信になりました。あとは、読んでくれた方のコメントにもすごく励まされて、モチベーションを維持することができました。これは漫画を描いてアップした者にしかわからないと思います。本当にうれしいんですよ。

 漫画に限らず、自分が一生懸命頑張ったものを、まったく知らない人に共感してもらえた時のことを想像してみてください。社会では「一生懸命やったって、結果が出なくちゃしょうがない」なんて平気で言う人がいますけど、そんなことはないって強く思いますね!

(取材・文=北村ヂン)

『後妻業』第7話 木村佳乃も篠田麻里子も陥落……やっぱり高橋克典のフェロモンが無敵説

『後妻業』第7話 木村佳乃も篠田麻里子も陥落……やっぱり高橋克典のフェロモンが無敵説の画像1

『後妻業』(フジテレビ系)第7話「資産家老人殺人の驚きの真相発覚!不倫妻の決意とすれ違いの夜」

(前回までのレビューはこちらから)

「死にたい」は老人たちのトーク術にすぎなかったのか!?

 前回のラスト、柏木亨(高橋克典)に対して、

「小夜子ではなく、私と手を組みませんか?」

 なんて、トンデモない提案をしていた中瀬朋美(木村多江)。

 ひとまず柏木からたしなめられ、提案はうやむやになっていたが、武内小夜子(木村佳乃)&柏木の後妻業チームと、朋美&本多芳則(伊原剛志)の不倫カップルチームのバトルは激化していく。

 小夜子が「後妻業」のターゲットとして狙っていた笹島雅樹(麿赤兒)が練炭自殺で亡くなったということで、「絶対に小夜子が殺ったはず」と確信した朋美たちは、笹島邸に出入りしていた証拠をマスコミにばらまくと小夜子を脅す。

 逆に後妻業チームも朋美を呼び出して、笹島からはまだ遺言公正証書にサインをもらっていないと明かし、潔白を主張。

「笹島のじいさんは、自殺やったんやないかな」

 長年医師として活動してきた笹島は、助けられなかった患者たちへの自責の念から「早う死んでしまいたいんですわ」と語っていたのだ。

 小夜子を疑う朋美、自殺を確信する小夜子。しかし実際はどちらもハズレ。通いの家政婦による怨恨殺人だったということが判明する。

 朋美の父親も含め、「死にたい」と言っているさびしい老人は殺してあげるのがその人のためだと考えてきた小夜子。

 しかし、老人たちの語る「死にたい」は、若い女の気を引くための話題のひとつにすぎず、自殺をするほど本気で言っているわけではなかったのでは……。そう思わされる事件だった。

 笹島の件では振り上げた拳のやり場がなくなってしまった朋美。弱り目にたたり目で、浮気していた事実婚の夫・司郎からも別れを切り出されてしまう。

 事実婚だったとしても浮気に対する慰謝料は発生するはずだし、いろいろともめる方法はあるはずだが、朋美はすんなり受け入れてしまった。

 自分の不妊が原因でふたりの関係がギクシャクし、挙げ句、夫は若い女に走ってしまったという精神的ダメージに耐えるので精一杯といったところだろうか。

 これだけつらいことがあったら仕方がないかな、とも思わなくもないが、それにしてもちょと朋美はユルイ。

 夫が去った直後、何だかんだでヤッてしまった本多のところにメール。

「お酒、飲まない?」

 しかし本多から「今は、二人で会うのはまずい」という返信が来ると(これはこれで、一発ヤッたら気が済んじゃった感があるが)仕方なくひとりでホテルのバーに飲みに行く。

「東京リッチホテルのバーに行って、ひとりで飲むね」

 み……未練がましいメール!

 ところが、そこで柏木と遭遇すると、「付き合おうか?」と言われてベロ酔い。そのままホテルの部屋にお持ち帰りされてしまったのだ。

 これから裁判などで争うことになるかもしれない相手にこうもカンタンに身体を預けてしまうとは、朋美、ちょっとユルイにもほどがないだろうか。

 小夜子に犯罪行為の責任を押しつけて私と組もうと言っていただけに、柏木に対する怨恨は薄いのか?

「後妻業」を行っている小夜子&柏木のバディが憎いというよりは、やはり小夜子単体への対抗意識の方が強いということだろう。

 その小夜子の方も、「後妻業」の新たなターゲットとしてアプローチをかけている舟山(中条きよし)と食事に。

 イケメンだし紳士だし金も持っているし……。しかし冷静に見ると結婚詐欺師感がハンパない。

 それでも小夜子はイケメン・オーラにやられてメロメロになってしまっているようだ。小夜子は小夜子で、騙される側になるとこうもチョロいのか。

 小夜子も朋美も、心に傷を抱えているさびしい女同士。心にポッカリ空いた穴を攻められると弱そうだ。

 本多も、家族に出て行かれてしまったという傷がある。こう考えると、なーんにもダメージを受けていないのは柏木だけだ。

 それでいながら、特にあくどい手を使うまでもなく、おのれのフェロモンのみで篠田麻里子は抱くわ、木村多江は抱くわ、さらに小夜子からも惚れられていそうだし……。

 うーん、やっぱり高橋克典が最強だ。

 ちなみにGYAO!で配信されているスピンオフ「チェインストーリー」では、繭美(篠田麻里子)以外のホステスともヤッている。おお……。

 金持ちのジジイを狙う「後妻業」じゃなくて、柏木自身が金持ちのババアを狙った「後夫業」の方が手っ取り早かったんじゃないだろうか!?
(文とイラスト=北村ヂン)

「東京が怖い」はガチ?  キャラ作り!? 話題の青森ローカルアイドル・王林を直撃!

 青森県弘前市のご当地アイドル「りんご娘」のメンバー・王林が話題となっている。

「王林」という中国人っぽい芸名でありながら、しゃべりはド天然で津軽弁丸出し。仕事のために東京に来るたびに、人の多さや、街のにぎやかさにショックを受け、「東京が怖い」キャラとしてブレイクしているのだ。

……とはいえ、これだけ頻繁に東京のテレビ番組に出ていたら、さすがに「東京が怖い」という気持ちも薄れてきちゃうんじゃないの? もしかして、キャラ作りで「怖い」と言ってるだけ!?

 そのへんのところを突っ込んでみました。

■東京に着いても、自分はブレずに歩き続けよう

――子どもの頃から芸能活動をされていたそうですね。

王林 はい。小学校3年生の時に、弘前にある事務所に入りました。ずっとモデルに憧れていたので、てっきりモデルがやれると思っていたら、小学生で「アルプス乙女」、中学生の時に「りんご娘」というアイドルグループに入って、今みたいなことになっちゃって……。

――王林っていう芸名は「りんご娘」になってからなんですね。初めて聞いた時、どう思いましたか?

王林 「アルプス乙女」の時の芸名は「斉藤」だったんですよ、りんご農家に多い名字なので……。「りんご娘」では、みんなりんごの品種にちなんだ芸名なんですけど、本当は「彩香」ってりんごがよかったです。一番、人の名前っぽいから。

――「王林」って、よく中国人っぽい名前だって言われていますけど。

王林 私の中ではりんごのイメージしかなかったから意外でしたね。青森では常識です。

――アイドル活動をする中で、東京へも来るようになった?

王林 弘前産りんごのPRで全国を回るキャンペーンガールになったんですよ。それで、あちこち行きました。大阪とか福岡とか……。

――そのあたりもだいぶ都会ですけど、やっぱり東京が一番怖い?

王林 圧倒的に東京が怖いですね。人の数からして違いますし、来ること自体、申し訳ないんですけど……ストレスです。新幹線に乗ったら、着いた後のことを考えて自分のメンテナンスをしています。「東京に着いても、自分はブレずに歩き続けよう」って。

――???「都会の絵の具に染まらない」的な意味ですか?

王林 人がぶつかってきても対応できるような感情を、新幹線の中では作るようにしています。

――東京駅は乗り換えも大変ですよね。

王林 そのためのアプリを入れたんですけど、だからといって、そのアプリをそんなに信用していいのかどうかもわからないし……。

――アプリは信用しましょうよ。

王林 「これを見たらわかるよ」って言われていたんですけど、やっぱりわからないんですよ、携帯の画面だと。実際に「ここからここまで」って言ってもらわないと。

――地下だと特にそうですね。人には聞けなかったんですか?

王林 聞きました。

――意外と東京の人も優しいでしょ?

王林 教えてはくれるんですけど……。「わからないから聞いてるんだよ」とは思いますね。教えてくれることが難しいんですよ。「何番線ですよー」とか言われてもわからない。わかる人に聞いてもわからない!

――(笑)。東京で、どこかに遊びに行ったりはしないんですか?

王林 一度もしてません。ホテルと仕事場だけですね。基本的にはホテルに泊まりたくないというか……帰らせてほしい、その日のうちに!

――弘前から日帰りは大変じゃないですか?

王林 でも、帰ったほうが自分の気持ち的には楽になるので。ホテルが怖いんですよ。「青森の人が来た」って思われてるかもしれないじゃないですか。外に出て、もう一回入る時も「この人、本当にホテルに泊まっている人か?」って疑われてるんじゃないかと……。

――基本的に、東京のホテルに東京の人は泊まっていないですから!

――テレビ局って都会の極みみたいな場所ですけど、芸能人と会話するのは怖くないんですか?

王林 緊張はしますけど、電車で隣に座った人に話しかけるよりは、気持ちを楽にして話すことができます。それはなぜかというと、テレビにはいろんな人がいるから、私みたいな人の話も理解してくれるような気がするんです。心を開けます。

—――電車で隣に座った人に話しかけるハードルは、弘前でも同じでしょう。

王林 弘前だったら、特に話せないという感情は浮かばないです。みんな友達っていうか、みんな仲間っていうか。

――いくら弘前でも、大半は知らない人ですよね?

王林 みんな、そんなに壁を作っているような感じではないんです。気軽に話しかけるし、気軽に話しかけられるし。

――何を話すんですか?

王林 たとえば、床のタイルがはがれているのが気になったら、お互いに確実に気づいているんだから、ちゃんと話し合おうと。「はがれてますね」って。

――(笑)。東京では、知らない人とめったに話さないですからね。

王林 みんな、黙々と歩いているのが怖いんですよ。もっと人の存在を理解してほしい。みんなそこにいるのに、なぜいないことにしちゃうのかっていうのは思いますね。

――人が多すぎて、いちいち「人」だって認識してると大変ですからね。

王林 あまりにも考えなさすぎていると思ってしまいます。

――でも、最近は、東京で話しかけられたりもするんじゃないですか?

王林 ああ、すごくまれに、声をかけられるようになりました。ビックリします。東京なんて、青森から離れている場所でも私が知られているなんて。

――知ってますよ、テレビに出てたら。

王林 それをかみしめるようになってきたかもしれません。

――ところで、これだけ何度も東京に来てたら、そろそろ慣れてきてもいいんじゃないかと思うんですが。

王林 うーん、東京駅を降りて、日テレに行くのは上手になりました。

――日テレのある新橋駅まで2駅ですからね。

王林 それに気づいたのが最近でした。新幹線を降りて山手線に乗り換えるのが難しいんですよ。「山手線は『緑』と覚えておけばいい」って言われていたんですけど、色だけで認識するっていうのは、あやふやな世界観なんで。ハッキリした確信は持てないじゃないですか。

――???

王林 これは本当に緑なのか青なのか水色なのかってわからないんで、ちゃんと「山手線」という文字を探して乗るようにしています。

――内回り、外回りは理解していますか?

王林 それはまだちょっとわからないですね。新幹線を降りて最初に現れる山手線が、乗るべき山手線だっていうのは認識しています。

――これだけ東京をイヤがっていますけど、東京のテレビ番組などに呼ばれるのはうれしいんですよね?

王林 それはもう、すっごくありがたいです。東京のテレビに出て、あからさまに青森を押し出したいです。

――王林さんを平均的な青森の人として認識していいかどうかは微妙ですけどね。

王林 そこに関しては、青森の人からも「みんなこうだと思われると困る」とは言われています。でも私としては青森を背負って出てきている気持ちなんで、「まあまあそんなこと言わずに」って思います。

――東京進出っていうのは考えていない?

王林 進出っていうのは、「住む」っていうことですか? それはすみません、いつまでも通わせてほしい。同級生で、東京の大学に進学してひとり暮らししている子もいるんですけど、その話を聞くだけで耐えられないです。どういう生活ぶりをしてるんだろうって思いますね。

――「せっかく仕事で出てきているんだから、東京で会おうよ」みたいな話にならないんですか?

王林 絶対に会いたくないです。会うなら地元で会うし、東京で会う理由が何かあるなら挙げてほしいと思います。

 青森から東京に出て行く人も多いですけど、東京でいろんな物を見てからUターンして戻ってきて、それを生かして青森を盛り上げてくれるとうれしいです。だから私も、東京のテレビに出て青森を広めて、地元でりんごを盛り上げていきたい! 「りんご娘」も、もっとたくさんの方に知ってもらいたいし、もっと大きいグループになりたいと思っていますから。

――メンバーみんなが「東京で頑張っていくぞ!」と言いだしたら?

王林 それは間違っています。青森あっての「りんご娘」だから、そんなことしちゃいけないと思います。

――(笑)。じゃあ最後に、青森のアピールを。

王林 これからの時期だと、やっぱり弘前のさくらまつりが最高です! 弘前の桜が、日本で一番キレイだと思いますよ。りんごの剪定技術を桜に応用しているので、すごいボリュームでフワフワした、優しい桜なんです。あれを見てしまうと、東京の桜がすっごいスカスカに見えます。

――いちいち東京をディスらなくてもいいんですよ。

王林 東京の桜で満足している方に、弘前へ来てもらいたいです!
(取材・文=北村ヂン)

●りんご娘
2000年7月に、青森県弘前市のボランティア集団「弘前アクターズスクールプロジェクト」から誕生したダンス&ボーカルユニット。メンバーは王林、とき、ジョナゴールド、彩香(さいか)。音楽・芸能活動を通した地方からの情報発信と地元青森の活性化を目的としている。年間80本以上のイベント出演や地元施設でのボランティアライブのほか、テレビやラジオ、CMへの出演も数多く、幅広い年代層から支持され、青森県での知名度はほぼ100%。3月19日に3rdアルバム『FOUR s 』を発売予定。
http://ringomusume.com/

『後妻業』第6話 木村佳乃への対抗心で高橋克典に迫る木村多江

『後妻業』第6話 木村佳乃への対抗心で高橋克典に迫る木村多江の画像1

『後妻業』(フジテレビ系)第6話「不倫妻決死の反撃!ついに次の殺人決行」

(前回までのレビューはこちらから)

■共感しつつも反発する小夜子と朋美

 今回はラブホテルのベッドからスタート。

 何だかんだでエロ~い関係となった中瀬朋美(木村多江)と本多芳則(伊原剛志)。しかし、一晩経って本多は、

「ごめんな、オレとこんなことになって」

 なんて言い出した。

「ウチでよかったら、来るか?」とかなんとか、ちょいちょいフラグを立てておきながら、いざヤッたら責任回避するかのようなこの発言。一発抜いたら冷静になっちゃうタイプか。

 朋美の方も物わかりよく、

「ゆうべのことは忘れよう。もう、これっきりにした方がいいよね」

 このように「なかったことにしよう」としていたふたりだったが、ホテルへのチェックイン&チェックアウトの様子を、武内小夜子(木村佳乃)の弟(ホントは息子)・黒澤博司(葉山奨之)にまんまと撮影されてしまう。

 そうとも知らず、小夜子の次なるターゲットが笹島雅樹(麿赤兒)だと突き止めた朋美は、勝ち誇った顔で小夜子の元を訪れる。

「私、ぜ~んぶお話ししましたから、笹島さんに。アナタがこれまでやってきたことよ」
「どう考えても私の方がまともな女だってこと、笹島さんだって分かっているはずよ」

 勝利宣言! といった感じでドヤる朋美だったが、「これのどこがまともや」と、不倫の証拠写真を突きつけられてぐうの音も出なくなる。

 周りの同世代が母親になっていくのを見て焦りはじめた→ギリギリ高齢出産に間に合う!→……かと思ったら不妊だった→夫とギクシャクしはじめた→夫はまだ子どもの産める若い女に走った→ヤケになって本多と浮気。

 朋美の心を見透かす小夜子。

「いい加減にして。あなたのその、陳腐な想像なんてこれ以上聞きたくない」

 と強がるものの、思いっきり図星だ。

 同年代で反発しつつも、なんとなーく共感し合うふたり。前回は、子どもを欲しがっている朋美に同情をしている風な表情を見せていた小夜子だったが、いざ攻撃的になるとそんな心の傷にもえげつなく塩を塗り込んでくる。

 方向性は違うものの、共通して何か「足りない」ものを抱えているふたりだけに、共感する時は強く共感し、反発する時は強烈に反発してしまうのだろうか。

■あの女に勝ちたい!

 小夜子から言い負かされて帰った事務所で朋美は、夫が7日間の香港出張に浮気相手と一緒に行っていることを知ってしまう。踏んだり蹴ったりな日だ。

 あらゆるプライドをペチャンコにヘコまされてしまった朋美は「勝ちたい、あの女に……勝ちたい!」とつぶやく。

 小夜子に殺された父親の弔い合戦。遺産を取り戻す……などいろいろな理由をつけていたが、ただ「勝ちたい」というのが本音なのだろう。

 これまで自分は「まとも」に生きてきたはずなのに、父親の愛情も遺産も小夜子に奪われてしまった。

 小夜子ですら産んでいる子どもも持つことができない。夫にまで裏切られた。笹島に小夜子の本性をチクッても、結局笹島は小夜子の方を信じてしまう。

「まとも」でいることが正しいと信じてきた価値観が揺らぎ、しかも本多との不倫で自分が「まとも」だという確信も持てなくなった。

「こうなったら、小夜子をぶっ倒すしかない!」ということだろう。

 それが、上手く行っていない人生を挽回する材料にはならないとは思うが……。

■高橋克典はどっちと組むのか!?

「小夜子に勝つ」ため、朋美が立てた作戦は、小夜子の黒幕である柏木亨(高橋克典)と組むというウルトラC。

「後妻業」のために繰り返してきた「殺し」をすべて小夜子の単独犯にするということで手を打とうと提案する。

「小夜子より、私と組みませんか?」

 柏木のキャラなら、朋美に殺人の証拠を掴まれていると確信すれば、アッサリ小夜子を切り捨て、朋美と組むことも考えられそうだ。朋美について「ええ女やないか」と言っていたのも伏線になる。

 一方、「うちも、男に抱かれたい」とメッセージを送ろうとして止めた小夜子は、柏木に対して「後妻業」のバディとして以上の感情を抱いているように見える。

 その柏木を朋美に取られたとしたらダメージはデカそうだ。

 さて、ラストには小夜子が狙っていた笹島が死んだという情報が。

 まだ遺言公正証書を役所に届け出ていないはずなので、いつものように小夜子が殺ったのだとしたら先走りすぎだ。

 ボク的には、笹島家に通いで勤めていた家政婦も、絡んできそうな気がしているのだが、どうなるのだろうか!?
(文とイラスト=北村ヂン)

『後妻業』第6話 木村佳乃への対抗心で高橋克典に迫る木村多江

『後妻業』第6話 木村佳乃への対抗心で高橋克典に迫る木村多江の画像1

『後妻業』(フジテレビ系)第6話「不倫妻決死の反撃!ついに次の殺人決行」

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■共感しつつも反発する小夜子と朋美

 今回はラブホテルのベッドからスタート。

 何だかんだでエロ~い関係となった中瀬朋美(木村多江)と本多芳則(伊原剛志)。しかし、一晩経って本多は、

「ごめんな、オレとこんなことになって」

 なんて言い出した。

「ウチでよかったら、来るか?」とかなんとか、ちょいちょいフラグを立てておきながら、いざヤッたら責任回避するかのようなこの発言。一発抜いたら冷静になっちゃうタイプか。

 朋美の方も物わかりよく、

「ゆうべのことは忘れよう。もう、これっきりにした方がいいよね」

 このように「なかったことにしよう」としていたふたりだったが、ホテルへのチェックイン&チェックアウトの様子を、武内小夜子(木村佳乃)の弟(ホントは息子)・黒澤博司(葉山奨之)にまんまと撮影されてしまう。

 そうとも知らず、小夜子の次なるターゲットが笹島雅樹(麿赤兒)だと突き止めた朋美は、勝ち誇った顔で小夜子の元を訪れる。

「私、ぜ~んぶお話ししましたから、笹島さんに。アナタがこれまでやってきたことよ」
「どう考えても私の方がまともな女だってこと、笹島さんだって分かっているはずよ」

 勝利宣言! といった感じでドヤる朋美だったが、「これのどこがまともや」と、不倫の証拠写真を突きつけられてぐうの音も出なくなる。

 周りの同世代が母親になっていくのを見て焦りはじめた→ギリギリ高齢出産に間に合う!→……かと思ったら不妊だった→夫とギクシャクしはじめた→夫はまだ子どもの産める若い女に走った→ヤケになって本多と浮気。

 朋美の心を見透かす小夜子。

「いい加減にして。あなたのその、陳腐な想像なんてこれ以上聞きたくない」

 と強がるものの、思いっきり図星だ。

 同年代で反発しつつも、なんとなーく共感し合うふたり。前回は、子どもを欲しがっている朋美に同情をしている風な表情を見せていた小夜子だったが、いざ攻撃的になるとそんな心の傷にもえげつなく塩を塗り込んでくる。

 方向性は違うものの、共通して何か「足りない」ものを抱えているふたりだけに、共感する時は強く共感し、反発する時は強烈に反発してしまうのだろうか。

■あの女に勝ちたい!

 小夜子から言い負かされて帰った事務所で朋美は、夫が7日間の香港出張に浮気相手と一緒に行っていることを知ってしまう。踏んだり蹴ったりな日だ。

 あらゆるプライドをペチャンコにヘコまされてしまった朋美は「勝ちたい、あの女に……勝ちたい!」とつぶやく。

 小夜子に殺された父親の弔い合戦。遺産を取り戻す……などいろいろな理由をつけていたが、ただ「勝ちたい」というのが本音なのだろう。

 これまで自分は「まとも」に生きてきたはずなのに、父親の愛情も遺産も小夜子に奪われてしまった。

 小夜子ですら産んでいる子どもも持つことができない。夫にまで裏切られた。笹島に小夜子の本性をチクッても、結局笹島は小夜子の方を信じてしまう。

「まとも」でいることが正しいと信じてきた価値観が揺らぎ、しかも本多との不倫で自分が「まとも」だという確信も持てなくなった。

「こうなったら、小夜子をぶっ倒すしかない!」ということだろう。

 それが、上手く行っていない人生を挽回する材料にはならないとは思うが……。

■高橋克典はどっちと組むのか!?

「小夜子に勝つ」ため、朋美が立てた作戦は、小夜子の黒幕である柏木亨(高橋克典)と組むというウルトラC。

「後妻業」のために繰り返してきた「殺し」をすべて小夜子の単独犯にするということで手を打とうと提案する。

「小夜子より、私と組みませんか?」

 柏木のキャラなら、朋美に殺人の証拠を掴まれていると確信すれば、アッサリ小夜子を切り捨て、朋美と組むことも考えられそうだ。朋美について「ええ女やないか」と言っていたのも伏線になる。

 一方、「うちも、男に抱かれたい」とメッセージを送ろうとして止めた小夜子は、柏木に対して「後妻業」のバディとして以上の感情を抱いているように見える。

 その柏木を朋美に取られたとしたらダメージはデカそうだ。

 さて、ラストには小夜子が狙っていた笹島が死んだという情報が。

 まだ遺言公正証書を役所に届け出ていないはずなので、いつものように小夜子が殺ったのだとしたら先走りすぎだ。

 ボク的には、笹島家に通いで勤めていた家政婦も、絡んできそうな気がしているのだが、どうなるのだろうか!?
(文とイラスト=北村ヂン)

『後妻業』第5話 夫の不倫&ライバルの隠し子発覚で、自分も不倫に走る朋美……それでいいのか!?

『後妻業』第5話 夫の不倫&ライバルの隠し子発覚で、自分も不倫に走る朋美……それでいいのか!?の画像1

(前回までのレビューはこちらから)

『後妻業』(フジテレビ系)第5話「第2章突入! 夫婦の修羅場と悪女の逆襲」

 中瀬朋美(木村多江)は事実婚の夫・佐藤司郎(長谷川朝晴)と事務所スタッフ・山本絵美里(田中道子)が、まさかの事務所内で浮気している現場を目の当たりにしてしまった。

 事務所を飛び出した朋美は、学生時代の先輩であり探偵の本多芳則(伊原剛志)に電話をかけて、

「私、家には帰れない」

「ウチでよかったら、来るか?」

 とかなんとか色っぽいことを言っていたのが前回のラスト。完全にヤッちゃうフラグだと思っていたら、今回は冒頭で、

「大丈夫、今日はホテルに泊まるから」

 との返答。じゃあ何で電話かけたんだよ!

 おそらく本多はコンビニにダッシュしてコンドームを買う体勢に入っていたはず。……同情してしまう。

 

■何だかんだで共感し合う小夜子と朋美

 司郎の浮気を目撃して以来、朋美の心はだいぶ不安定になっているようだ。

 司郎と絵美里がヤッていた事務所のソファを処分し、「大阪出張が増えそう?」という司郎の言葉にいらつく。さらに、仕事上で意見が対立した司郎に絵美里が加勢したことでブチギレ。

「ふたりとも私をバカにしているの? 私が何も知らないとでも思ってるの?」

 あーあ、言っちゃった。「浮気しているのを知っている」というのは夫と別れるにしろ、つなぎ止めるにしろ強力な武器となり得るのに……。小夜子に対する時と同様、朋美って理性的に見えて、すぐに感情的になっちゃうタイプだ。

 まあ、「私ぃ~アレ(ソファ)結構気に入ってたんですよね~」などなど、明らかに朋美を挑発してきている絵美里の態度を見せられれば、ブチギレてしまう気持ちも分からなくもないが。

 父親の遺産を後妻である性悪女・武内小夜子(木村佳乃)にゴッソリ奪われたと思ったら、夫も性悪そうな女と浮気。姉の西木尚子(濱田マリ)もなかなかのボンクラだし、女に苦しめられるタイプだ。

 浮気の件をぶちまけてしまい落ちているところへ、追い打ちをかけるように小夜子から電話がかかってきた。直前に本多から「小夜子には息子がいるようだ」という情報を聞いていただけに、さらに心が揺り動かされる。

 というのも、司郎の心をつなぎ止められなかったのは、ふたりの間に子どもが出来なかったせいだと考えているから。

「あんたみたいな女が母親だなんて不公平よ、許せない」

 このあたり、原作から年齢設定を変更して、小夜子と朋美を同年代に、しかも45歳という若めの年齢に設定したのが活きている。

 同年代であるが故に、小夜子の悲惨な生い立ちを知った朋美は思わず同情をしたし、子どもがいると聞いたら「不公平よ」と思う。

 一方の小夜子の方も、朋美の存在を煙たがっていながらも、子どもが欲しそうな様子を知って神妙な面持ちになる。

「後妻業」の被害者と加害者という関係性ではあるものの、微妙に心を通じ合うふたり。今後、ふたりが手を取って、自分たちを裏切った男たちに復讐……なんて展開もありうるのか!?

■ジジイを騙すテクニックが雑

 その小夜子の「子ども」・黒澤博司(葉山奨之)は、柏木亨(高橋克典)からの指示で本多と朋美の動向を監視していた。

 そんな中、絵美里とバトルし、小夜子に子どもがいると知ってショックを受けた朋美は、半ばヤケクソ気味に本多とホテルにチェックイン!

「何してんねん」とは博司の言葉だが、ホントに何してんねん。

 前回、柏木が「泣いてる女を口説くほど困ってへん」と言っていたのに対し、夫に浮気された&不妊を悩んでいる朋美をまんまとホテルに連れ込む本多の下世話さよ。それでいいのか、朋美!

 で、柏木はその情報を三好繭美(篠田麻里子)とベッドイン中に知らされるのだが……さすがフェロモンの権化!

 ラブホに入る朋美&本多の写真を転送された小夜子は、朋美の弱味を握ってはしゃぎつつ、柏木へ「うちも、男に抱かれたい」と返信しようとして止める。

 本多と朋美のただれた関係も気になるが、柏木と小夜子の関係性も謎だ。

 小夜子のことを「商売道具」と呼び、風俗で出会った時すら肉体関係を持っていなかったと思われるふたり。フェロモン全開の柏木は何を考えているのかイマイチ分からないが、小夜子は柏木にほれているということなのだろう。

 改めて、柏木とは男女の関係ではなく、ただのビジネスパートナーだと思い直した小夜子は、色々と吹っ切れた様子で、後妻業の次なるターゲット・元開業医の笹島雅樹(麿赤兒)に遺言公正証書を書くように迫る。

 ド直球!

 ジジイを色仕掛けで騙すにしても、さすがに雑すぎないだろうか。こんな大雑把な手口でも騙せるほどのテクニックを持っているということなのか、小夜子もちょっとヤケクソ気味になっているのか。そして、もうひとりのターゲットだった佐藤蛾次郎はどうなったのか!?

(文とイラスト=北村ヂン)