今や、テレビよりもYouTube、Twitter、Instagram、TikTokなどの投稿動画を目にする頻度が多くなっている一方、自分で動画を編集することに対しては、まだまだハードルの高さを感じてしまう人も多いはず。
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「きさらぎ駅」の海外版? YouTube動画『The Backrooms』と“架空のどこか”への恐怖
今年1月、YouTube上にアップロードされたとある短編ホラーが「YouTube史上最も気味の悪い動画」と話題を呼んだ。
GACKT、滞在する香港の過激動画を投稿して悲鳴続出「衝撃的すぎて最後まで見られない」
歌手のGACKTが12日、自身のインスタグラムに投稿した内容が話題となっている。
GACKTは11日、住民による政府への抗議デモが続いている香港へ向かったことを報告。そしてこの日、「香港に着いて香港人の仲間に、騒動に巻き込まれないように注意を受けた。どんな大義があったとしてもこれは人のすることじゃない。どんな理由があれ狂ってるとしか言いようがない。残念すぎる」とつづり、火をつけられて炎に包まれる男性を映した過激な動画を投稿した。
この内容に対し、インスタグラム上では「どうかご無事に帰ってきてほしいです」「動画が衝撃的すぎて最後まで見られなかった」「怖い!GACKTさんも心配」といった悲鳴が多く寄せられている。
GACKTといえば先日、首里城再建に向けて特別グッズを販売し、その収益を寄付すると発表したことでも話題に。今回は香港の現状を伝えるために動画を投稿したようだが、あまりの衝撃的な内容に、驚きの声や現地にいるGACKTを心配する声が上がっている。
テンセントにネットフリックスも参戦! もはや毒肉まんは過去の話、国家も支援する「中国食動画」
――中華料理なんてものはない――中国の広大な国土の中で多様な民族がおりなす食を紹介する動画が今、熱い。さままざな形で同地のグルメを追求する動画が中国では大量に生産されており、ユーチューブなどで配信されている。13億人の人民がユーザーが熱狂する、ハイクオリティグルメ動画をご紹介!
最国・雲南省にある屋台街が真俯瞰で映し出される。もうもうと煙が立ち込める小さな店内に、客たちは名物の牛肉串焼きを50本、100本単位で注文し、黙々と食べ続けている。ドローンなど最新の撮影機器を使用した映像は、欧米のドキュメンタリーとそん色がない。ナレーションは従来のドキュメンタリーのように静ひつさや重厚さはなく、話し言葉のようにポップな口調で展開される。そこに「1本が安くてもこれだけ食べると割高だよ」「串焼きを食べ過ぎるとがんになるって、ばあちゃんが言ってた」などの弾幕(コメント)が映像にかぶさって飛び交う。
中国各地の串焼きを紹介する「人生一串」【1】のワンシーンだ。同作は、中国最大級の動画プラットフォーム「bilibili(ビリビリ)」が2018年夏に初めて制作したオリジナルのドキュメンタリー。
「人生一串」のシーズン1(全6話)は約5697万回再生され、約1万人のユーザーによるレビューも9・8と高スコアとなっている。7月のシーズン2の放映開始を前にして、多くのユーザーが続編を心待ちにしているようだ。同作の特徴は「90后」や「00后」といった90年~00年代生まれの若者をターゲットにしたところで、ビリビリのメイン層である二次元・アニメオタクに刺さるタイトルやナレーションを多用している。弾幕でユーザーたちがコメントを入れられるよう、あえて「ツッコミどころ」を要所要所に忍ばせてあるのだ。
中国では近年、ドキュメンタリー番組が急増している。中国国務院「中国ドキュメンタリー発展報告2019」によれば昨年、全土で番組制作に投入された総額は約766億円(前年比19%増)、同市場規模は約980億円以上となっている。この急成長の原因のひとつは間違いなくグルメ番組の存在だ。昨年、中国で最も観られたのはグルメドキュメンタリー「風味人間」【2】で、視聴回数は10・7億回、2位の「舌尖上的中国シーズン3」(約4億回)もグルメ番組だ。他ジャンルと違ってグルメ番組に若者の視聴者が多いのは、ビリビリのような事例のほか、スマホやスマートテレビの動画配信で気軽にクオリティの高いグルメ番組が見られるからだろう。
世界的に「食コンテンツ」がはやり始めたのは16年頃から。ネットフリックスやアマゾンプライムでは「シェフのテーブル」や「アグリー・デリシャス」などグルメ番組が数多く作られるようになり、時を同じくしてSNS上では「Tasty」や「Delish Kitchen」などオシャレで質の高いレシピ動画が多くの人々の間でシェアされるようになる。日本では「孤独のグルメ」や「深夜食堂」などグルメドラマがヒットし、食コンテンツはテレビ・動画のメインジャンルのひとつとなった。
こうしたなか、中国の食コンテンツは世界の潮流から影響を受けつつ、独自の進化を遂げてきた。中国のグルメドキュメンタリーの元祖にして金字塔とも言われるのは12年に放送された「舌尖上的中国(舌の上の中国)」【3】だ。中国国営のCCTVが制作した同作は各地の名産品や郷土料理を紹介する内容で、3シーズン累計で10億人以上が視聴し、ネットで10億回以上再生されたオバケ番組。シーズン1(全7話)の撮影期間は13カ月、中国の70のエリアで撮影され、ドキュメンタリー番組として中国で初めてHDカメラが導入された。国内だけでなく、マレーシアなど東南アジアやベルギーなどEU圏のテレビ局が放映権を購入し、各国で放送されている。
映像はいわゆる欧米のドキュメンタリーそのもの。さまざまな手法で撮られた食材や料理、美しい山間や海辺の風景。生産者やシェフへのインタビューなどが“国営”ならではの重厚なナレーションとともに紹介されていく。一部ではクルーにオランダ人など海外のカメラマンを起用していたという。シーズン3は昨年2月に放送が終了したが、今も動画配信プラットフォームではキラー・コンテンツのひとつとなっている。
「舌尖上的中国」の総監督を務めたドキュメンタリー映画の著名な監督・陳暁卿は中国メディアのインタビューで、「当時、世界でスローフードがはやりだして、その視点で中国グルメを紹介したいと思った」と述べている。同作が誕生した時期はまだ胡錦濤政権の時代。規律より拝金が横行していた。毒食品や偽装食品など食の現場で不正が横行した時期でもある。こうした情勢の中、中国では安全で安心な食品・原材料への関心が高まっていたこともあり、同作のテーマと視点は一般大衆の心に刺さったのだろう。
シーズン1終了後、陳には1・6億円の投資が集まり、番組名の使用権は12億円の値がついたという。一躍、有名人となった陳はこの後シーズン2で番組を降板し、新たにテンセントと前述の「風味人間」という人気シリーズを手がけていく。テンセントビデオで独占配信された同作は昨年の中国動画ランキングで特別賞を受賞し、公開3時間後に再生回数が1億回を突破するなど大きな話題を呼んだ。日本はもちろん、欧米のドキュメンタリーをも超える高レベルの圧倒的なクオリティにいち早く目をつけたのがネットフリックスで、同社は陳と独占配信契約を結び、「風味人間」の続編に当たる「風味原産地/Flavorful Origins(邦題:美味の起源 奥深き潮州料理の世界へ)」【4】を制作。同作はネットフリックスオリジナルのドキュメンタリー作品で初となる中国語作品で、20言語に翻訳され、190カ国以上に配信された。
陳が切り開いた中国のグルメドキュメンタリーは、ネットフリックスが独占契約したことにより、新たなステージに入った。豊富な資金力でトップクリエイターを招集し、最新の撮影技術やCGで学術的な食材に関する知識をわかりやすく、丁寧に伝えて世界中の人々に感動を与える。完成した映像は芸術品そのものだ。お笑い芸人による食レポや大食いを中心とした稚拙な食コンテンツがまん延する我が国との差は歴然としている。中国人動画配信者による、日本料理や食品の紹介は中国本土でも人気コンテンツだが、近い将来、中国のクルーが日本にやってきて、和食をテーマにしたクオリティの高いグルメドキュメンタリーを制作する日も近いのではないか。
中国の食コンテンツでもうひとつ、注目すべきは素人による動画配信だ。グルメの世界においても多数の中国版ユーチューバーが出現し、芸能人並みの人気を得ている配信者もいる。
テンセントが発表した「2018年十大美食紅人」(紅人は人気配信者の意)に挙がった10人はそれぞれ、オーソドックスな中華料理のレシピを紹介する人や中国やアジアのスイーツをひたすら食べ歩く女性、美少女大食い系などジャンルもさまざまだ。皆、「優酷(Youku)」やテンセントビデオ、ビリビリ、微博などのプラットフォームを利用しており、フォロワー数は数百万人を抱えている。先の十大美食紅人でトップに輝いた「美食家大雄」【5】は、家庭料理を紹介するごく普通の内容だが、語り口調や手際の良さ、短時間で美味しい料理を作る小技が受け、フォロワー数は800万人に上る。
ひときわオリジナリティ溢れる人気配信者のひとりが「亦公室小野(オフィスの小野さん)」【6】という25歳の女性だ。ユーチューブにもチャンネルがあり、日本語の動画説明もある。ただし日本人ではなく、四川師範大学出身でIT企業に勤める高畑充希似の中国人だ。日本名を名乗っているのは日本文化に親しみを持つ90后だからなのかもしれない。彼女はオフィスにあるもので料理を作るという一風変わったテーマを採用。17年に「ウォーターサーバーで火鍋を作ってみた」がバズって有名配信者となった。工作や実験の要素を取り入れたクッキング動画が世界中で受け、ユーチューブのチャンネル登録者数は670万人を突破。昨年、中国本土在住者で唯一のカリスマユーチューバーとしてグーグルからも表彰された。ちなみにユーチューブのアクセスが禁止されている中国で、彼女を含めた多くの食関連の配信者がどうやって動画をアップしているのか謎だが、国内動画サイトで配信した作品を、香港などにいるパートナーがアップしているようだ。テーマが食で“無害”だからか、今のところ中国当局は黙認している様子。
もうひとり、十大美食紅人で忘れてはいけないのが「李子柒」【7】だ。四川省の山奥で祖母と暮らすアラサーの美女で、動画にナレーションはなく、彼女の声も一切入らない。ただ淡々と素朴な日々の暮らしを伝えるものばかりだ。映像は素人とは思えないクオリティで、美しい風景とともに自給自足の中国スローライフを紹介する彼女の動画は瞬く間に人気が出た。微博のフォロワーはなんと1698万人。ユーチューブのチャンネル登録者数は496万人に上っている。
ただし李子柒をめぐっては、さまざまなうわさも飛び交う。「四川省の省都・成都でDJをしていたが父の死をきっかけに田舎に戻った」という設定だが、売れないタレントでバックにプロデュースする男性がいるという話もある。彼女の微博での投稿は中国共産党青年団のアカウントが頻繁にリツイートして称賛していることから、中国政府のプロパガンダではないかと見る向きもある。数々の謎に包まれている彼女だが、それもまた魅力になっているのだろうか。
彼らは動画広告や企業とのタイアップ、番組出演などでマネタイズする。中には法人化して投資を受ける配信者もいる。テンセントが発表した「2018微博アカウント発展レポート」によれば、月10億PV以上ある20のカテゴリーのひとつに「美食」がランクインしている。関連アカウントは現在1・5億以上あり、MCN(配信者のマネジメント会社)は150を越えるという。今後も関連コンテンツは増えていくだろう。
「食の本場」の名の通り、中国の食コンテンツは想像をはるかに超える規模で発展し、欧米を凌駕しつつある。今後、どんな作品が発表されるのか楽しみだ。(サイゾー8月号『中韓(禁)エンタメ大全』より)
テンセントにネットフリックスも参戦! もはや毒肉まんは過去の話、国家も支援する「中国食動画」
――中華料理なんてものはない――中国の広大な国土の中で多様な民族がおりなす食を紹介する動画が今、熱い。さままざな形で同地のグルメを追求する動画が中国では大量に生産されており、ユーチューブなどで配信されている。13億人の人民がユーザーが熱狂する、ハイクオリティグルメ動画をご紹介!
最国・雲南省にある屋台街が真俯瞰で映し出される。もうもうと煙が立ち込める小さな店内に、客たちは名物の牛肉串焼きを50本、100本単位で注文し、黙々と食べ続けている。ドローンなど最新の撮影機器を使用した映像は、欧米のドキュメンタリーとそん色がない。ナレーションは従来のドキュメンタリーのように静ひつさや重厚さはなく、話し言葉のようにポップな口調で展開される。そこに「1本が安くてもこれだけ食べると割高だよ」「串焼きを食べ過ぎるとがんになるって、ばあちゃんが言ってた」などの弾幕(コメント)が映像にかぶさって飛び交う。
中国各地の串焼きを紹介する「人生一串」【1】のワンシーンだ。同作は、中国最大級の動画プラットフォーム「bilibili(ビリビリ)」が2018年夏に初めて制作したオリジナルのドキュメンタリー。
「人生一串」のシーズン1(全6話)は約5697万回再生され、約1万人のユーザーによるレビューも9・8と高スコアとなっている。7月のシーズン2の放映開始を前にして、多くのユーザーが続編を心待ちにしているようだ。同作の特徴は「90后」や「00后」といった90年~00年代生まれの若者をターゲットにしたところで、ビリビリのメイン層である二次元・アニメオタクに刺さるタイトルやナレーションを多用している。弾幕でユーザーたちがコメントを入れられるよう、あえて「ツッコミどころ」を要所要所に忍ばせてあるのだ。
中国では近年、ドキュメンタリー番組が急増している。中国国務院「中国ドキュメンタリー発展報告2019」によれば昨年、全土で番組制作に投入された総額は約766億円(前年比19%増)、同市場規模は約980億円以上となっている。この急成長の原因のひとつは間違いなくグルメ番組の存在だ。昨年、中国で最も観られたのはグルメドキュメンタリー「風味人間」【2】で、視聴回数は10・7億回、2位の「舌尖上的中国シーズン3」(約4億回)もグルメ番組だ。他ジャンルと違ってグルメ番組に若者の視聴者が多いのは、ビリビリのような事例のほか、スマホやスマートテレビの動画配信で気軽にクオリティの高いグルメ番組が見られるからだろう。
世界的に「食コンテンツ」がはやり始めたのは16年頃から。ネットフリックスやアマゾンプライムでは「シェフのテーブル」や「アグリー・デリシャス」などグルメ番組が数多く作られるようになり、時を同じくしてSNS上では「Tasty」や「Delish Kitchen」などオシャレで質の高いレシピ動画が多くの人々の間でシェアされるようになる。日本では「孤独のグルメ」や「深夜食堂」などグルメドラマがヒットし、食コンテンツはテレビ・動画のメインジャンルのひとつとなった。
こうしたなか、中国の食コンテンツは世界の潮流から影響を受けつつ、独自の進化を遂げてきた。中国のグルメドキュメンタリーの元祖にして金字塔とも言われるのは12年に放送された「舌尖上的中国(舌の上の中国)」【3】だ。中国国営のCCTVが制作した同作は各地の名産品や郷土料理を紹介する内容で、3シーズン累計で10億人以上が視聴し、ネットで10億回以上再生されたオバケ番組。シーズン1(全7話)の撮影期間は13カ月、中国の70のエリアで撮影され、ドキュメンタリー番組として中国で初めてHDカメラが導入された。国内だけでなく、マレーシアなど東南アジアやベルギーなどEU圏のテレビ局が放映権を購入し、各国で放送されている。
映像はいわゆる欧米のドキュメンタリーそのもの。さまざまな手法で撮られた食材や料理、美しい山間や海辺の風景。生産者やシェフへのインタビューなどが“国営”ならではの重厚なナレーションとともに紹介されていく。一部ではクルーにオランダ人など海外のカメラマンを起用していたという。シーズン3は昨年2月に放送が終了したが、今も動画配信プラットフォームではキラー・コンテンツのひとつとなっている。
「舌尖上的中国」の総監督を務めたドキュメンタリー映画の著名な監督・陳暁卿は中国メディアのインタビューで、「当時、世界でスローフードがはやりだして、その視点で中国グルメを紹介したいと思った」と述べている。同作が誕生した時期はまだ胡錦濤政権の時代。規律より拝金が横行していた。毒食品や偽装食品など食の現場で不正が横行した時期でもある。こうした情勢の中、中国では安全で安心な食品・原材料への関心が高まっていたこともあり、同作のテーマと視点は一般大衆の心に刺さったのだろう。
シーズン1終了後、陳には1・6億円の投資が集まり、番組名の使用権は12億円の値がついたという。一躍、有名人となった陳はこの後シーズン2で番組を降板し、新たにテンセントと前述の「風味人間」という人気シリーズを手がけていく。テンセントビデオで独占配信された同作は昨年の中国動画ランキングで特別賞を受賞し、公開3時間後に再生回数が1億回を突破するなど大きな話題を呼んだ。日本はもちろん、欧米のドキュメンタリーをも超える高レベルの圧倒的なクオリティにいち早く目をつけたのがネットフリックスで、同社は陳と独占配信契約を結び、「風味人間」の続編に当たる「風味原産地/Flavorful Origins(邦題:美味の起源 奥深き潮州料理の世界へ)」【4】を制作。同作はネットフリックスオリジナルのドキュメンタリー作品で初となる中国語作品で、20言語に翻訳され、190カ国以上に配信された。
陳が切り開いた中国のグルメドキュメンタリーは、ネットフリックスが独占契約したことにより、新たなステージに入った。豊富な資金力でトップクリエイターを招集し、最新の撮影技術やCGで学術的な食材に関する知識をわかりやすく、丁寧に伝えて世界中の人々に感動を与える。完成した映像は芸術品そのものだ。お笑い芸人による食レポや大食いを中心とした稚拙な食コンテンツがまん延する我が国との差は歴然としている。中国人動画配信者による、日本料理や食品の紹介は中国本土でも人気コンテンツだが、近い将来、中国のクルーが日本にやってきて、和食をテーマにしたクオリティの高いグルメドキュメンタリーを制作する日も近いのではないか。
中国の食コンテンツでもうひとつ、注目すべきは素人による動画配信だ。グルメの世界においても多数の中国版ユーチューバーが出現し、芸能人並みの人気を得ている配信者もいる。
テンセントが発表した「2018年十大美食紅人」(紅人は人気配信者の意)に挙がった10人はそれぞれ、オーソドックスな中華料理のレシピを紹介する人や中国やアジアのスイーツをひたすら食べ歩く女性、美少女大食い系などジャンルもさまざまだ。皆、「優酷(Youku)」やテンセントビデオ、ビリビリ、微博などのプラットフォームを利用しており、フォロワー数は数百万人を抱えている。先の十大美食紅人でトップに輝いた「美食家大雄」【5】は、家庭料理を紹介するごく普通の内容だが、語り口調や手際の良さ、短時間で美味しい料理を作る小技が受け、フォロワー数は800万人に上る。
ひときわオリジナリティ溢れる人気配信者のひとりが「亦公室小野(オフィスの小野さん)」【6】という25歳の女性だ。ユーチューブにもチャンネルがあり、日本語の動画説明もある。ただし日本人ではなく、四川師範大学出身でIT企業に勤める高畑充希似の中国人だ。日本名を名乗っているのは日本文化に親しみを持つ90后だからなのかもしれない。彼女はオフィスにあるもので料理を作るという一風変わったテーマを採用。17年に「ウォーターサーバーで火鍋を作ってみた」がバズって有名配信者となった。工作や実験の要素を取り入れたクッキング動画が世界中で受け、ユーチューブのチャンネル登録者数は670万人を突破。昨年、中国本土在住者で唯一のカリスマユーチューバーとしてグーグルからも表彰された。ちなみにユーチューブのアクセスが禁止されている中国で、彼女を含めた多くの食関連の配信者がどうやって動画をアップしているのか謎だが、国内動画サイトで配信した作品を、香港などにいるパートナーがアップしているようだ。テーマが食で“無害”だからか、今のところ中国当局は黙認している様子。
もうひとり、十大美食紅人で忘れてはいけないのが「李子柒」【7】だ。四川省の山奥で祖母と暮らすアラサーの美女で、動画にナレーションはなく、彼女の声も一切入らない。ただ淡々と素朴な日々の暮らしを伝えるものばかりだ。映像は素人とは思えないクオリティで、美しい風景とともに自給自足の中国スローライフを紹介する彼女の動画は瞬く間に人気が出た。微博のフォロワーはなんと1698万人。ユーチューブのチャンネル登録者数は496万人に上っている。
ただし李子柒をめぐっては、さまざまなうわさも飛び交う。「四川省の省都・成都でDJをしていたが父の死をきっかけに田舎に戻った」という設定だが、売れないタレントでバックにプロデュースする男性がいるという話もある。彼女の微博での投稿は中国共産党青年団のアカウントが頻繁にリツイートして称賛していることから、中国政府のプロパガンダではないかと見る向きもある。数々の謎に包まれている彼女だが、それもまた魅力になっているのだろうか。
彼らは動画広告や企業とのタイアップ、番組出演などでマネタイズする。中には法人化して投資を受ける配信者もいる。テンセントが発表した「2018微博アカウント発展レポート」によれば、月10億PV以上ある20のカテゴリーのひとつに「美食」がランクインしている。関連アカウントは現在1・5億以上あり、MCN(配信者のマネジメント会社)は150を越えるという。今後も関連コンテンツは増えていくだろう。
「食の本場」の名の通り、中国の食コンテンツは想像をはるかに超える規模で発展し、欧米を凌駕しつつある。今後、どんな作品が発表されるのか楽しみだ。(サイゾー8月号『中韓(禁)エンタメ大全』より)
美人インフルエンサーの素顔は汚女! マンションを糞尿まみれにして夜逃げ
中国では「綱紅(ワンホン)」と呼ばれるネットインフルエンサーの影響力が強く、SNSで100万超のフォロワーを抱える者も少なくない。タレント顔負けのきらびやかな生活を送る一方で、裏の顔を持つ者もいるようだ。
「澎湃新聞」(9月22日付)などによると、陝西省西安市に住む陳さんは、所有しているマンションの一室を賃貸に出していた。19日にその契約が終了することになっていたが、借主と連絡がつかなくなってしまった。しかも、管理費や光熱費など3,000元(約4万5,000円)が未払いのままだ。そこで部屋を訪れてみると、その変わり果てた姿に驚いた。借主は犬を飼っていたため、ドアなどはかみ傷だらけ。部屋の中は、犬の糞尿とゴミであふれていたのだ。
陳さんによると、借主の外見は美しく、外出の際はいつも小ぎれいな格好をしていた。それもそのはず。困り果てた陳さんが借主の情報をネットに公開したところ、「李艾佳Lisa」という名前で活動しているネットインフルエンサーであることがわかったのだ。李は、中国版Twitter「微博」で110万人以上のフォロワーを抱えている。
この件を受け、管理会社が警察に通報したところ、李は23日夜になって陳さんの前に姿を現し、謝罪するとともに部屋の掃除を行ったという。さらに26日には、自身の「微博」に謝罪動画を投稿。それまで金髪だった髪の毛を黒くしてメガネをかけ、反省している姿勢を演出したうえで、同日夜に事の経緯をライブ動画配信で説明すると打ち明けた。
その配信によると、李は出張で3~4日家を空けていたために、部屋の中が犬の糞尿まみれになってしまったのだという。しかも、引っ越しをしなければならない時期にちょうど体調を崩して入院し、部屋の掃除ができなかったと釈明する。それに対し、視聴者からは「3~4日であんなに汚くなるか?」「体調が悪いと言った途端にせき払いをした」「笑わせるな」といった厳しいコメントが殺到。必死の演出も実らず、ユーザーは彼女の釈明をウソと判断したようだ。それでも時折涙を見せながら、約2時間も淀みなく話し続けた李。彼女を擁護するフォロワーも少しはいるだけに、もはや「投げ銭」を目的とした炎上商法にしか見えないが……。
(文=中山介石)
“巨額脱税女優”ファン・ビンビン 映画界を干され、”美容系YouTuber”に転身か
昨年5月、中国の国民的女優ファン・ビンビン(范冰冰)に脱税疑惑が発覚し、当局の監視下に置かれていた事件は記憶に新しい(参照記事1)。日本でも大きく報じられた彼女の失踪、脱税事件は最終的に追徴課税や罰金など8億8,000万元(約146億円/当時)という巨額の支払いを当局が命じ、幕引きとなった。その後、ハリウッド映画への出演を果たしたものの、同作は中国で上映禁止になるなど、脱税の余波は今も続いている。
そんな中、中国「51新聞」(9月17日付)によると、すっかりメディア露出の減ったファンは現在、動画配信者として荒稼ぎしているのだという。ネット上で自身の公式動画チャンネルを開設し、メイク術や化粧品に関する動画を配信。自身のプロデュースする化粧品の実演販売をして収入を得ているそうだ。
ファンは2017年末、自身が運営するオリジナル美容ブランド《FAN BEAUTY》を設立し、これまでに化粧水や保湿クリーム、美顔器などを発売してきた。脱税で軟禁状態となっている間は、当然ながらブランドの運営も停止していた。しかし、自由の身となっても女優復帰がままならないため、ブランド運営を再開。今年4月には久々の新商品となるシートパックを発売し、大ヒットを飛ばしている。ファン自身、「パックの女王」という異名を持つほどのパック好きで、その美しい肌の秘訣を「パックのおかげ」と公言するほどなのだ。海ぶどうの成分を使ったというこの新作パック、先日は30分間の実演販売で、なんと1,000万元(約1億5,000万円)を売り上げた。また、オリジナルブランドのほか、3月には北京に超高級エステサロンを開業し、100万元(1,500万円)という高額な入会費にもかかわらず、大盛況というから驚きだ。
昨年の脱税事件に続き、今年6月には婚約者との破局が報じられたファンだが(参照記事2)、その美しさと稼ぎっぷりは今も健在のようだ。
(文=青山大樹)
禁漁水域で投網漁中に落水し……人気動画配信者が生配信中に溺死
日本同様、中国の若者の間では動画配信で収入を得る者が増えている。その数3億人といわれるが、注目を浴びるために危険な行為に及ぶ者も多く、事故が頻発している。そんな中、人気配信者が生配信中に死亡するという事故が起こってしまった。
「半島網」(9月2日付)によると8月28日、江蘇省南京市の川で、人気動画配信者の男性が溺死した。友人2人を連れ、市内の秦淮河で投網漁の様子を生配信していたという。
深夜1時からの配信にもかかわらず、およそ7,000人の視聴者が見守る中、事故は起こった。友人2人と小型船上で作業を行っていたところ、配信者の男性がバランスを崩し、足を滑らせて、川に転落してしまったのだ。カメラを片手に実況しながら、まさに網を巻き上げようとしていたときだった。
事故発生当時、夜で周囲は真っ暗だったうえ、雨で川が増水していたこともあって救助は難航。視聴者たちの応援もむなしく、男性の姿は水面から消えた。地元警察は、翌日午後4時過ぎになってようやく、心肺停止状態の男性を水中で発見した。
この地域の川では釣りが禁止されており、注意喚起の看板なども立てられていた。警察は、2人の友人から事情聴取を行い、釣りを行った経緯などを調べている。
こうした動画配信中の死亡事故は、今回が初めてではない。今年3月には大連市の男性が動画配信中に酒や油を大量に飲んで死亡する事故が、また5月には高層ビルで危険なパフォーマンスを行っていた動画配信者の男性が転落死している。
名を売りたいがため、PVを稼ぎたいがための命の危険を顧みない動画配信者に対し、サイト運営側はアカウント凍結などの措置を応じているが、対策としては十分とはいえないようだ。
(文=青山大樹)
風俗取り締まり強化の中国で、ロリータ娘「福利姫」が暗躍中?
習近平政権が誕生した2012年以降、中国では大々的に風俗壊滅作戦が実行され、性サービスを提供していたカラオケ、床屋、サウナ、マッサージ店などは壊滅状態にある。その一方でSNSを利用した出張型風俗など、無店舗型営業のサービスも台頭するなど新たな性産業が誕生しつつあるが、そんな中で流行語となりつつあるのが「福利姫」だ。
「網易新聞」(8月28日付)によると、中国のネット上で話題を集めている少女に、とある疑惑が持ち上がっている。その少女は中国の大学受験シーズンとなる今年6月、メディアの取材を受け、受験への意気込みを語ったのだが、ロリータファッションとそのかわいらしさから、たちまちネット上で話題となっていた。
ところが一部ネットユーザーの間で、少女がネット上で性的な行為を配信している動画配信者であるという指摘が持ち上がり、少女が過去に配信していたとみられる動画などがネットに流出したのだ。少女は公園や路上など公共の場で、スカートをめくり下着を見せたり、時には全裸でダンスを披露するなどの行為を動画で配信していたようだ。
中国では今こうしたロリータファッションなど、男好きするコスチュームで扇情的な動画を配信する「福利姫」と呼ばれる若い女性が増えている。福利とは隠語で“性的”という意味で、わいせつ動画を配信し、視聴者からの投げ銭を集めているという。中には、20分ほどのわいせつ動画を1,500元(約2万4,000円)ほどで販売したり、有料会員を集めている者もいるのだ。
今年4月には、福利姫としてわいせつ動画を配信していた未成年の少女が当局に逮捕されるという事件も発生している。この少女はネット上で自分が着用した下着や、自撮りしたわいせつ動画なども販売していたと報じられている。福利姫の中には、金銭欲しさに視聴者と実際に会い、売春に手を染める者も多いという。
当局による風俗取り締まり強化も、いたちごっこの様相だ。
(文=青山大樹)
バズるために命懸け⁉ 自撮り中のカップルを列車が吹き飛ばす動画が拡散
アクセス数を稼ぐため、刺激的な映像を撮影しようとして誤って命を落とすYouTuberが世界各地で後を絶たない。
中国ではネット規制により、通常の方法ではYouTubeを見ることはできないが、独自のネット動画サービスが人気を集め、さまざまな動画がアップされている。
撮影のためにむちゃをするのは中国版YouTuberも同じで、2017年11月には、命綱をつけずに高層ビルでパフォーマンスをしていた男性が墜落して亡くなるという事故も起こっている。
最近でもあわや危機一髪、という事件が起きている。7月28日、広東省梅州市で若いカップルが線路の敷地内に入り込み、撮影を行っていた。そこに列車が猛スピードで迫ってきたようで、激しい汽笛の音が聞こえてくる。
にもかかわらず、撮影を続ける2人……と、彼らのすぐ後ろを列車が通り過ぎ、その瞬間、2人は前方に吹き飛ばされて地面に倒れ込んだ。
どうやら2人は、列車にぶつかることはなかったものの、列車が通り過ぎる際の風圧で激しく吹き飛ばされたようだ。
すぐさま病院に運ばれ手当てを受けた2人の命に別状はなかったものの、女性は大腿骨を骨折し、体中傷だらけに。男性も背中に重傷を負ったという。
この動画を見た中国のネット民たちも、「命懸けで撮影しているんだな」「なんでそんなに命を粗末にするんだ?」「みんな、列車の威力を軽視しすぎ」「列車に巻き込まれずに済んだだけでもラッキー」「確かに迫力のある映像が撮れているよ」などとあきれるばかり。
とはいえ、こんな事件が起こっても、危険な映像を撮る若者は後を絶たないのだろう。
(文=佐久間賢三)