“元暴力団員”ハマコーの息子は入閣! 「野田聖子議員の夫」の何が問題か、元極妻が解説

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

野田聖子議員の夫が「元暴力団員は真実」

 野田聖子議員のおつれあいである野田文信氏が「暴力団員だった」という「週刊文春」(文藝春秋)の記事を最高裁が「真実」としましたね。

 けっこう好きだった記者さんを含め、全国民レベルで野田夫妻を叩いていて、そっちのほうが怖いです。

「ウソ」をついているのは誰?

「何が問題かよくわからない」

 今年の流行語大賞になりそうな福田達夫・自民党総務会長のお言葉です。統一教会に関する発言で炎上して、火消しに追われていましたね。

 今回の野田夫妻へのバッシングに対しては、まさに「何が問題なのか」という感じです。

 ネットの反応を見ると、「最高裁が『週刊文春』の記事を『真実』と認定したから、記事を『違う』と言うのはウソつき」ということのようです。あとは「夫が元暴力団員なのに総裁選に出るとは図々しい」とか、みんな道義的な話なんですよね。

 もちろん、道義的なことを論じるなという意味ではないです。「20年以上も前に暴力団員だった」ことが人でも殺したみたいな話になっているのは、どうなのかなあということです。

 「一億総いじめっこ状態」になっている印象しかないですが、「あの」井川意高さんがツイッターで「だからなんなんだよ。聖子先生も文信さんも存じ上げてるが、いま現在文信さん今なにか世の中に迷惑かけてるか?」とつぶやいていて、ちょっと興味深かったです。

金融庁恫喝の件は「文春」側敗訴

 それにしても、もともと文信氏の「元暴力団員」という報道は、どこから来たんでしょうかね。

 以前も書いていますが、同じ記事で仮想通貨をめぐる部分では「文春」は敗訴していて、最高裁の判断も同じでした。

 ぶっちゃけ「金融庁恫喝問題に自信ないから『元ヤクザ』を出してきた」印象しかないです。

 文信氏が提訴した裁判では、「当時の親分」という方が、文信氏が暴力団に所属していたと証言したそうですが、野田議員はこれをツイッターで「偽証」とされています。京都府警が偽証罪で捜査していたものの、この人物が亡くなり、捜査は打ち切られたとのことです。

 これについて、ツイッター民の反応は「もう言い訳はいいから」的な感じでしたが、私は親分の偽証はあり得るかもと思いました。そういううわさは京都でも出ているそうですよ。

 そもそも仮に「元暴力団員」だったとして、20年以上も前の話ですしね。暴力団排除条例ですら、「みなし暴力団員」とするのは「やめてから5年間」ですよ。もちろん5年たったからといって「元暴力団員」のレッテルがとれるわけではなく、銀行口座を作れないとかの条例の適用がなくなるだけですけどね。

 「暴力団員」は「暴力団」をやめても、一生「元暴力団員」と言われ続けるのは、まあしょうがないんですが、井川氏のおっしゃる通り、「だからなんなんだよ」ですね。

 たとえば今回入閣した浜田靖一議員は、ハマコーこと浜田幸一元議員の息子さんですよね。元議員は「元暴力団員」をカミングアウトされていましたが、靖一議員はちゃんと当選されてきましたし、「ヤクザの息子を入閣させるな」と言う人はまずいないと思います。

 もしかして、子どもは親を選べないが、オトナはパートナーを選ぶべき……とかそういう話なのかもしれませんけどね。

 ちなみにお会いしたことはないのですが、元山口組組員で現在は司法書士の甲村柳市先生も、「20年以上前に暴力団員だった」ことを理由に自動車を買えなかったそうです。

 最近は元受刑者や元ヤクザの更生もよく話題になっているのに、やっぱり更生のハードルは高いんですね。とても残念です。

工藤會の「死刑判決」を元極妻が解説! 弁護団解任と『工藤會事件』著者のインタビューから考える

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

死刑判決を受けた工藤會トップが弁護団を「全員解任」

 ここにきて工藤會がまた話題ですね。野村悟総裁と田上文雄会長(稼業名)の裁判の弁護団を「全員解任」て、何があったんでしょうか。

 まあ名だたる先生方に引き受けていただいていたのに「死刑」でしたから、納得できないというところもあるんでしょうね。でも、この裁判は先生方のせいではなくて、国策ですからね。

 今は亡き宮崎学さんは「工藤會トップの死刑は(福岡県警でなく)警察庁の既定路線」とされていましたし、私もそう思っていましたが、県内では工藤會シンパだけではなくて、福岡県警も「死刑はない」と考えていたようです。

 元福岡県警捜査員の藪正孝さんは、ご著書『福岡県警工藤會対策課 現場指揮官が語る工藤會との死闘』(彩図社)で「正直、私は野村総裁らの有罪は確信していたが、求刑どおりの死刑ではなく、無期懲役か懲役刑の最高である懲役三十年ではないかと考えていた」と書かれています。

 工藤會を捜査していた方がこう思われるのですから、工藤會関係者が死刑と思っていなかったのはしょうがないかなと思います。

工藤會を公平な視点で取材した本『工藤會事件』

 もう一冊、発売前から話題だったのは、村山治さんによる『工藤會事件』(新潮社)です。村山さんは、毎日新聞から朝日新聞に移籍されて定年退職され、今はフリーの立場で取材されていて、記者歴約半世紀の大ベテランです。

 予約までしておいた同書は、発売から1週間くらいで安倍元総理の事件が起こってしまい、しばらく積ん読でしたが、先日ようやく読めました。

 私は熱心な読者ではないですが、村山さんは「権力監視」の視点に定評があり、『工藤會事件』も、きちんと取材されていると思いました。

 新潮社のPR誌「」では、上智大学の奥山俊宏先生が書評を書かれています。

 まあ奥山先生は「工藤會がここまで悪くなったのは、放置していた警察や検察の責任もある」的なニュアンスで評されていますが、そもそも工藤會って、そこまで悪いのかなというのが私なんかにはありますね。

 たとえば野村総裁と田上会長の裁判の事件も相当古いですよ。本当のワルなら事件なんかいくらでもあるでしょうに、いっぺん裁判が終わっているのまで出してくるのは、どういうことなんでしょうか?

 工藤會の皆様がいい人とは言いませんが、「こんなに悪い集団はない」というアピールのわりに、裁判はしょぼい印象しかないです。

 別件の野村総裁の脱税問題もそうですね。村山さんもインタビューで指摘されていますが、「脱税事件ははっきり言って綱渡り」だったそうです。

「工藤會が組員から徴収した会費の一部が野村さんのプライベートな使途に充てられていると見立てて逮捕したのですが、逮捕当日に、組員供述で2011年以降、野村さんが工藤會の経費からプライベートに支出したことはないことが判明する。脱税容疑の前提事実がガラガラと崩れてしまったわけです」

 子分さんたちから集めた「会費」は、組織や友好団体の冠婚葬祭や組織関係者の裁判費用、逮捕された組員の家族の生活費などに充てるのがタテマエです。ぶっちゃけ横領する例もないとはいえませんが、野村総裁は実家も資産家なので、それはないかなと思いました。

 「組織のプール金の私的利用による脱税」が立件できなかったので、「みかじめ料」の脱税で逮捕(パク)りました。みかじめ料は違法ではありますが、「収益」ではあるので納税義務も発生するというわけです。まあ、みかじめ料はヤクザのシノギですから、これはしょうがないですかね。

 インタビューのシメに「捜査にも、起訴にも、判決にも、多くの論点を含んでいるのが工藤會事件です」とおっしゃったのも、深いと思いました。本当はもう少し踏み込んで「工藤會ならなんでもアリ」という捜査の批判もしていただきたかったですね。

 私は、この「なんでもアリ」が怖いと思っているのです。たとえば安倍元総理の射殺事件でも、被害者は元総理「だけ」ですが、死刑を望む声も多いようです。 

 「元総理がお気の毒だから」死刑も国葬もアリというのは、どうなんでしょうね?

 ちなみに、工藤會総裁に死刑判決を言い渡したことで「一生後悔する」とスゴまれた足立勉裁判長について、インタビュアーが「エース」と言ったら、村山さんは「『エース』かどうか知りませんが」と答えたのはおもしろいと思いました。普通はスルーするかなと思うんですけど、わざわざ「『エース』かどうか知らない」と念を押したのはなぜなんでしょう?

 そんな感じで、工藤會をいろいろ客観的に取材した珍しい本なのでオススメですよ。

安倍元総理銃撃事件の背景にCIAや工藤會のトンデモ説――元極妻が語るヤクザと自民党の関係

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

安倍晋三元総理銃撃事件のヒットマン像

 いろんな意味でびっくりしましたね、安倍晋三元総理の銃撃事件。元極妻という微妙な立場ではありますが、衷心よりお悔やみ申し上げます。

 事件は7月8日。その場で現行犯逮捕された40代ヒットマンの「特定の宗教団体」への「私怨」が動機とされていると報じられました。お約束の「元同級生」や「ご近所さん」の証言、卒アル公開とかはあるのに、「特定の宗教団体」についてはNHKとかが名前を出さないのが謎でしたが、いわゆる旧・統一教会(今は「世界平和統一家庭連合」)の田中富広会長が11日に記者会見したことで、やっと報道されるようになりました。

 ヒットマンは、取り調べに対して「お母さんが統一教会にハマって破産した」「ネット上の動画を見て安倍晋三と統一教会がつながっていると思い、殺そうと思った」などと供述、犯行当日も「ネットで調べて現場に行った」とか言っているようです。

犯人の背後にCIA!?

 まあ、だいたいそんなところなのでしょうが、それでもまだネットには陰謀論が渦巻いていますね。特に『人類の月面着陸は無かったろう論』(徳間書店)の著者の副島隆彦先生の分析はすごいです。この本は2005年に「日本トンデモ本大賞」を受賞していますが、それはさておき。

 副島先生は主宰するネット掲示板で、「安倍晋三の銃撃死亡は単独犯ではない。CIAと統一教会の内部抗争によるものだ」と指摘されています。

「果たして、こんな粗悪な、手製の拳銃で、人間を殺傷出来るのか。銃弾が見つかった、と、聞かない。犯人を取り押さえようとして、路上に転がった、はっきりと映っている、この粗悪な手製銃から、硝煙(しょうえん)反応のような痕跡が無い。ただのおもちゃの金属筒を黒テープでぐるぐる巻きにしただけのおもちゃのような銃だ」と指摘、さらに「犯人は別にいる」としています。それがCIAなんですね。

 これを「陰謀論」と片づけるのは簡単なのですが、動画ではたしかに出血が少ないですし、服も破れていないように見えます。あと、後ろから撃たれているのに、なんであおむけ? 

 銃も、ビニールテープなんか巻いて大丈夫か? って感じですよね。そんなんで、元総理「だけ」に命中させられるのでしょうか? まあヒットマンは元・海上自衛隊員だそうですけどね。

 そして、「CIA説」以上にインパクトがあったのが「背後に工藤會説」でした。

「姐さん、アレはやっぱり工藤會ですかね?」

 事件当日、オットの元兄弟分が電話してきました。今の工藤會は大幹部がみんな獄中(なか)ですし、それはないと思いますが、まあ元総理と工藤會は過去のイキサツがありますから、実は「まったくトンデモ」ということでもないのです。

 2000年6月から8月にかけて安倍元総理(当時は官房副長官/同年7月就任)の自宅や後援会事務所に火炎瓶が投げつけられる事件があったのですが、逮捕された工藤會関係者が「1999年の下関市長選挙で、安倍サイドが推す自民党関係者の対立候補の選挙妨害を500万円で請け負ったが、実際には300万円しか渡されなかったので事務所襲撃を計画した」と証言しています。

 これは裁判所も認定している事実だそうですが、元総理は不問のままでした。それは怒りますよね。だからといって火炎瓶投げちゃダメなんですが、ヤクザはメンツで生きてますから。まあ今回の件は関係ないと思います。

元総理の訃報に涙する元不良たち

 ヤクザは基本的に自民党支持で、選挙協力はかなりしていますから、私のオットも複数の与党系議員と仲よくしていました。

 今回の件では、親の言うことも聞かずに不良になったオッサンたちが元総理の死を悲しんで泣いています。みんな純粋だからこそ不良になるし、有名人の死に涙が出るんですよ。

 「いやでもアベノマスク10億円の損失は?」とか「モリカケは?」とか思ってしまう元極妻は「野暮天認定」されそうです。でも、アベノマスクしてないですよね……。

山口組の“魔の8月”を元極妻が解説! 長引く「分裂」で得するのは誰か?

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

山口組の「魔の8月」

 毎日暑いですね。この原稿を書いている6月30日現在、すでに梅雨も明けて35度超えの日々が続いております。そして、どんどん「魔の8月」が近づいています。

 8月は、過去に山口組に関して2つの重大事件が起こっており、こう呼ばれているのです。というか「魔の8月」という表現は、山口組だけでなくヤクザ業界全体に浸透していました。

 ひとつは、1997年8月28日の、五代目山口組の宅見勝若頭射殺事件です。四代目山口組・竹中正久組長の射殺事件(85年1月27日)は、竹中組長の四代目襲名に不満を持つ組員さんたちの脱退からの事件でしたから、まあわかりやすかったのですが、宅見若頭の事件は、今も謎が多いといわれています。

 実行犯は中野太郎会長率いる中野会の組員でしたが、事件の日から中野会の関与はわかっていたはずなのに指名手配までに半年くらいかかっていますし、中野会長も当時は関与を否定していました。そして、中野会長は晩年、五代目山口組・渡邉芳則組長の同事件への関与をほのめかすご本を出していますが、記事の捏造疑惑も消えません。

 私はホントだと思ってますけどね。あれはエアでは書けないでしょう。それはさておき、この「身内による大幹部射殺」というタブー中のタブーの事件をきっかけに、組員同士がみんな疑心暗鬼状態になって本音で話せなくなったことで、執行部への不満が噴出、渡邉五代目の「クーデターによる失脚」説も出てきたといわれています。

 なので、若頭射殺事件をきっかけに山口組の人間関係が「悪い方向」へいったという意味合いでの「魔の8月」なんですね。

5月の騒動も一瞬で終わり?

 2015年8月27日には山口組が分裂するという「大事件」が発生します。もう7年も前なんですね。この7年間は、「魔の8月」に「必ず再統一を」というのが山口組の目標のようですが、簡単にはいかないようです。

 しばらく静かな感じがありましたが、この5月には、神戸山口組の副組長の自宅(大阪府内)で車両特攻事件(8日未明)、10日のお昼前には三重県伊賀市内の病院の駐車場で絆會関係者が銃撃されて重傷を負っています。

 「このまま大抗争に発展?」との見方もありましたが、この事件以降はいまのところ静けさを保っています。もちろんメディアは面白がって「抗争『決着』へ山口組攻勢 分裂から7年、襲撃多発」とかハデな見出しが躍っていますね。

 たしかに「お盆休み明けが危ない」と毎年言われていますから、気は抜けないですよね。まあ報道も相変わらず「抗争の恐怖」をあおり、警察が「(神戸山口組の)井上邦雄組長が意地になって抗争を続けているが、やり返す力がないのでは」というトンチンカンな分析をしています。

 そもそも井上組長は、「抗争」は続けてませんし、もともと神戸山口組側がカエシ(報復)をしないのは、「井上組長がパクられる(逮捕される)と、組が存続できないから」とか「神戸山口組に兵隊がいないから」とか「“元”とはいえ、同胞に銃口を向けたくないから」など、さまざまな臆測が飛び交っていますが、どれも断定はできないのですよ。

 それにしても分裂状態が7年も続くなんて、誰が想像したでしょうか? ソッコーで「井上組長引退・希望者は六代目山口組復帰」となるだろうというお話でしたけどね。「誰得」を考えると、やっぱりネタに困らないマスコミと、予算をつけてもらえる警察でしょうか。

半グレがヤクザと“コラボ”するメリットとは? 元極妻が考える「ヤカラ」と「絶滅危惧種」の関係

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

極東会に住吉会、大親分の訃報が続く

 今年ももう前半が終わりますが、5月は大親分の訃報が続きましたね。

 5月7日に極東会の松山眞一元会長(94)、31日には住吉会の関功代表(76)が亡くなられました。お2人とも病気が原因のようです。

 松山元会長の葬儀はご遺族だけで行われたそうですが、関代表の葬儀は出身母体の八代目共和一家(千葉・富里市)で行われ、全国から親分衆が参列したことが伝えられていますね。

 特に六代目山口組・司忍組長は東京駅で「フライデー」されて、構内も騒然となったようです。

 六代目は傘壽(80歳ですよ)とは思えない貫禄でしたが、「こういうのって、事前に『六代目が東京に来る』とかわかってるんですか?」と編集者さんから聞かれました。もちろんです。警察もメディアも、バッチリ情報を押さえています。警察がうるさいから六代目ご一行は葬儀場には10分ほどしかいらっしゃらなかったそうですが、まあご不幸ですからそんなに長居しなくてもいいですよね。

半グレがヤクザの傘下組織に?

 前置きが長くなりましたが、今週のお題です。

 5月8日に起こった「神戸山口組ナンバー2自宅襲撃事件」で、実行犯がメジャーな半グレのグループの元幹部だったことが波紋を呼んでいるようです。

 実行犯はすでに逮捕されていて、逮捕後の調べに「やったことは認める。でも動機はいわない」と言っているそうです。実行犯が在籍していた半グレ組織は、最盛期にはボッタクリで月に5,000万円以上ももうけていたそうですが、ハデにやりすぎて逮捕者が続出、2019年に解散しているそうです。

 ただし、こういう半グレたちが山口組などのヤクザとコラボしているのは、今に始まったわけではないです。もともと「持ちつ持たれつ」的なところはありましたし、むしろ過剰な暴力団排除で身動きの取れないヤクザは「絶滅危惧種」とか言われてますから、

 「これからはヤクザに代わって半グレが台頭する」とみていた関係者も多かったはずです。でもニュースを見る限り、結局は半グレもヤクザの傘下組織になり、資金源にもされてるんですね。半グレの特徴といえる「リーダーを中心にしたゆるいヨコ型のつながり」は、トラブった時には弱いからかもしれません。「親分を頂点にした厳格なタテ型組織」は窮屈ではありますが、何かあった時は頼もしいのでしょう。

 ちなみに「半グレ」という言葉は、あの溝口敦御大の「命名説」がありますが、昔から普通に使われていましたよ。たとえば安部譲二さんの『スゴめ、サラリーマン! ヤクザ業界に学ぼう出世のキーワード118』(徳間書店、1989年)では、「半分グレている」を語源として、「組織にも属さずに暗黒街をとりわけ柄悪くうごめいている手合いの蔑称」とされています。あくまで「蔑称」なのです。

 また、宮崎学さんの『現代ヤクザの意気地と修羅場 現役任侠100人の本音』(双葉社、2014年)では、現役の組員が半グレを「単なるヤカラ」と断じていました。脅威になどなるわけがないというわけです。ヤカラは、漢字にすると「輩」ですね。

 もとは「先輩」や「後輩」など、同じグループや系列、血族などを意味していたようですが、今は「不平や苦情。また、不平を言ったり口論をしかける者」が第一の定義です。昔は「不逞のヤカラ」とか言いましたね。不逞とは、「不平をいだいて無法なふるまいをすること」「気ままにふるまうこと」だそうです。

 半グレは自由度が高い代わりに組織防衛力が弱いということになりますが、最近はヤクザ組織も資金難ですから、組員の裁判や服役に対する支援体制が整えられなくなっていると聞いています。このフォローこそが「組織らしさ」なんですけど、世知辛いことですね。

「職務質問」には応じたらダメ!? 元極妻が教える“正しい対応”の仕方

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

初めての職質

 少し前ですが、「職質デビュー」しました。

 酔いもあって、けっこう「地金」が丸出しになってしまい、同行者たち(オットの兄弟分2名)にあきれられましたので、「こんな職質対応はダメだ!」という見本にしていただきたいと思います。

 というか、もともと同行者たちがアヤしいからですよ。カタギになって久しいのに、どう見ても反社……。オットの祥月命日の数日前(当日は家族で行きます)に3人でお墓参りをして、帰りにちょっと献杯したタイミングでした。

 いきなり現れた2人のおまわりさんに行く手をふさがれた私たち。

おまわりさんA:すんません、どちらへ?
同行者A:は? 帰るとこですけど?
私:ちょっとお、何い? 職質う? 動画撮るから!
おまわりさんB:どうぞ
おまわりさんA:お姉さんはお友達ですか?
私:関係ないでしょ? ていうか女子(自分のことですスミマセン)に職質て何なの?
おまわりさんA:いや最近は女性にもお願いしてます。悪いことしてないならカバン見せてください。
私:絶対イヤ! 令状持ってきなさいよ!
おまわりさんA:れ、令状?
同行者B:ままま、おまわりさん、自分たち応じますから(といってカバンを開けて見せる)
私:おまわりさん、手つっこまないでよ!(手を入れられるのは持ち主のみです)

 同行者2名が素直に応じて免許証も見せたので、このあたりから酔っ払いのオバハンは無視された感じでした。

 それで、帰りに2人から「姐さん、ああいうのがいちばんダメですよ」「ああいう時は素直に見せてさっさと帰るんですよ」とお説教されてしまいました。もう帰る気しなくて、もう一軒入りましたとさ。

 以前も書きましたけど、素直に応じたほうが早いんですが、ン十年も不良と過ごしてきて初めてでしたし、酔ってもいたので……。素直に応じて、動画を撮るのがオススメです。

 タイムリーというか、サイゾーウーマンでは、TOKIOの松岡さんが職質されたことが紹介されていましたね。

 帽子・メガネ・マスク姿の松岡さんに、おまわりさんはまったく気づかず、社員証を見てようやく気づいたようです。やっぱり素直に応じたほうがいいですかねえ。

 それにしても何なんですかね、職質。内閣府から警察庁、各都道府県までいろんな「月間」を決めてノルマを課しています。

 たとえば6月の厚生労働省「外国人労働者問題啓発月間」に合わせて、警察庁も「来日外国人犯罪対策及び不法滞在・不法就労防止のための活動強化月間」をやってますし、毎年10月と11月の2カ月間は厚労省と都道府県が「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動」を実施しています。

 超のつく「タテ割り行政」なのに、こういうところは連携するんですね。まあ前から「見た目反社」の人や「有色人種」に対する違法な職質は問題になっていました。

 おまわりさんから「だって黒人でしょ?」(=黒人だから悪いことをしているに決まっている)と言われたとか、「カバンに手を入れられた」とか、もう国際問題レベルです。

 さすがにまずいということで、警察庁も「人種差別的と誤解される職務質問」を避けるようにと各都道府県警に文書で伝えていたことがニュースになっていました。

 ほんと、ひどい職質してる時ありますもんね。今度見たら注意しようと思いました。というわけで懲りていませんが、ひとつ宣伝をさせてください。

 6月6日発売の『昭和の不思議101 2022年 夏の男祭号』(ミリオンムック、大洋図書発行)で、3月に急逝された宮崎学さんの追悼記事を書かせていただきました。「アウトロー好きなら押さえておきたい必読10冊」的なアレです。ご一読いただければ幸いです。

 宮崎さんは強いだけでははく「ヤクザもいる明るい社会」に象徴される、ゆるい社会のあり方を提唱されていましたね。「宮崎節」で、うっとうしい梅雨も乗り切りましょう。

『極主夫道』はヤクザにも「評判がいい」けれど……元極妻がダメ出ししたいシーン

 5月27日放送の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて、2020年10月期の同局人気ドラマ『極主夫道』の新作『極主夫道 爆笑!カチコミSP』が放送される。

 『極主夫道』は、おおのこうすけ氏の同名漫画(新潮社)が原作で、“伝説の極道”であり、現在は専業主夫をしている龍(玉木宏)の生活を描くコメディー作品。20年にドラマ化されたあと、翌21年には動画配信サービス・Netflixでアニメ化、さらに今年6月3日からは、ドラマ版と同じ主要キャストによる実写映画『極主夫道 ザ・シネマ』が公開される。

 「伝説の極道」が「専業主夫」になるというギャップが視聴者に受け、人気を博した同作だが、サイゾーウーマンで「『元極妻』芳子姐さんのつぶやき」を連載中の待田芳子氏によると、現役ヤクザの間でも「なかなか評判がいい」のだとか。一方で待田氏は、ドラマの「ありえない」設定にダメ出しをしたいそうで……。

 元極妻と現役ヤクザは『極主夫道』をどのように見ていたのか、『金曜ロードショー』に合わせて、ドラマ放送当時の記事をぜひチェックしてほしい。
(編集部)


 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

『極主夫道』は現役ヤクザも面白がるドラマ

 10月から元ヤクザの専業主夫が主人公のテレビドラマ『極主夫道』(日本テレビ系)が始まりましたね。毎回楽しく見ています。

 玉木宏さん演じる主人公「不死身の龍(タツ)」は、もともとは武闘派ヤクザで、結婚を機に足を洗った専業主夫のイケメンさんという設定です。玉木さんはとてもとても素敵で、ワタクシ的には「こんなイケメンの不良はいないけどな」と思いながら、見とれています。

 ちなみにイケメンかどうかはともかく、家事が得意なヤクザは珍しくありません。若い頃に事務所や親分の自宅で「部屋住み」として家事全般や礼儀作法を叩き込まれるからです。もちろん性格的に向いてないとか、部屋住みがつらくて逃げ出したり、懲役に行ったりして家事修業(?)の機会を失うこともあるので、全員というわけではないです。

 また、たいてい勉強が嫌いなので、進学しないで板前修業→先輩や板長とケンカ→不良のコースも王道です。刑務所では調理も懲役(受刑者)がするのですが、部屋住みや板前修業の経験者がいる施設は「結構おいしい」そうですよ。

 オットの元兄弟分(現在はカタギ)によると、なんと『極主夫道』は「現役ヤクザ」の間でもなかなか評判がいいのだそうです。もともとテレビや芸能界が大好きなヤクザは多く、この作品に限らず、ヤクザをテーマにした作品はけっこう人気があります。

 「不良がヨガに行くとかありえないけど、『組長に木刀でどつかれた時のポーズ』とかおもろかった。“ヤクザあるある”やな」とか、「細かいところは気になるが、ファンタジーとして見れば普通におもしろい」とか言われているようです。

 あと竹中直人さん演じる親分の姐さんが稲森いずみさんなのですが、「この夫婦もありえないけど好き」という声もありました。姐さんの名前「江口雲雀(ひばり)」さんは、江口寿史さんの漫画『ストップ!!ひばりくん!』からでしょうね。実は読んでました。ひばりくんはヤクザの親分の息子で、トランスジェンダーの美人さんという設定ですよね。

 原作のある作品が「原作と違う!」ってなるのはありがちですが、『極主夫道』もいろいろあるようです。

 ネットニュースでは、原作は「ボロアパートに2人暮らし」なのに、ドラマは「一戸建てに奥さんと連れ子と暮らしている」ことなどにがっかりしているファンの声が紹介されています。

 なぜわざわざそんな設定に変更したのか謎ですが、元極妻として気になったところもありましたね。畏れながらダメ出しさせていただきますと、たとえば昭和の暴走族じゃあるまいし、ステゴロ(=素手で戦うこと)の集団乱闘などはありえないです。これも原作にはないシーンだそうで、ネットには「いらない」との指摘もありました。私もそう思います。

 また、町の交番勤務のおまわりさんが、いちいちヤクザの動向をチェックして抗争を警戒することもないです。それと玉木さんがナイフのことを「武器」と言っていましたが、この場合は「道具」ですね。ま、普通は「道具」といえば拳銃なんですけどね。

 あと、登場人物が多すぎて正直入ってきませんでしたが、これはトシのせいか(苦笑)。玉木さんはかっこいいし、竹中さんみたいな親分もいないけど、普通におもしろくて、猫ちゃんもかわいいので、次回も楽しみです。

※2020年10月25日初出の記事に追記、編集を加えています。

山口組の再統一は「8月」? 「ヤクザはメンツとケンカが哲学」と断言する元極妻が抗争激化を示唆

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

相次ぐ山口組や拳銃に関する事件

 連休明けの少し前から山口組や拳銃に関する事件が相次ぎ、関係者はざわついているようです。時系列で見てみます。

5月8日(日)午前2時45分頃
神戸山口組の副組長の自宅(大阪府内)で車両特攻事件。運転者は玄関門などを損壊し、車を放置して逃走。8日のうちに半グレのグループ(すでに解散)の元幹部で対立関係にある六代目山口組傘下の弘道会関係者(26歳)が逮捕される。

5月10日(火)午前11時半頃
三重県伊賀市内の病院の駐車場で、車中にいた絆會関係者(54歳)が銃撃されて重傷を負う。14日(土)午後に六代目山口組・三代目一心会系組織の組員(26歳)が千葉県の警察署に出頭して逮捕され、伊賀署に身柄を移送される。 

5月14日(土)朝
大阪ミナミ・東心斎橋のビルとビルの70センチの隙間で発見された遺体が六代目山口組・弘道会系組織の組長と判明。司法解剖の結果、死因は頭部挫滅で、殺人事件として捜査開始。 

5月17日(火)夜
福島県郡山市内で拳銃のようなもの1丁と刃渡り6センチを超える刃物2本を所持していた住所不定・無職の男(54歳)が逮捕される。「発砲音を聞いた」という通報で警察が急行した時には、「現場にいた人たち」に取り押さえられていた。

 最近は静かな感じだったので、カタギの皆さんも驚かれたのではないでしょうか。

 山口組が2015年に分裂して、もう7年ですから、なんとなく事件も「年中行事化」しているところは正直ありましたね。再統一へ向けて「年明けに動く」「5月の連休明けに何か起こる」「お盆明けに解決」などなど、再統一への臆測は常に流れていた気がします。

 なので、今回も「5月の連休明けは危ない」といわれていたんですが、まああるとしても車両特攻くらいかなとは思っていました。実際にありましたしね。

 ただ実行犯が半グレグループから六代目山口組へ移籍していたというのは、ちょっと意外でした。今どきは「ヤクザは終わった。これからは半グレや」みたいな話が多いですからね。

 また、5月10日の絆會関係者の銃撃は、今年の1月17日に茨城・水戸市内で起こった六代目山口組傘下組織の幹部射殺事件に対する「六代目山口組からの報復説」が出ています。そうなると、今後の抗争発展もあります。

 1月の事件は未解決なんですが、「NEWSポストセブン」は、「事件前に神戸若頭が所属していた組と絆會との間で組員の引き抜きを巡るトラブルが起きていました。六代目山口組側は神戸若頭射殺を絆會の犯行と考え、報復に出たと見られています」としています。

 この事件については私も以前に書かせていただいていますが、映画みたいな事件でしたね。

 個人的には、郡山市内で逮捕された住所不定・無職さんの事件が気になりました。「拳銃のようなもの」1丁と刃渡り6センチを超える刃物2本を持って暴れている(しかも発砲している)ヨッパライを「現場にいた人たち」が取り押さえていたんですね。警察が来た時には、すでに取り押さえられていたんですよ。すごくないですか?

 持っていたのが包丁だけなら「酒癖の悪いオッサン」と考えてもいいですが、「拳銃のようなもの」とはリアル拳銃だったのでしょうか? リアル拳銃を持てるとすると、組織関係者だったのでしょうか? 続報が待たれるところです。

 また、ミナミで見つかったご遺体は、弘道会関係者ですから、これも新たな火種になりますね。今ごろは組織との関係、個人的な怨恨など、いろいろ捜査されているでしょう。

 山口組の分裂は15年8月だったので、六代目山口組としては毎年「8月までには再統一を」という思いがあるようです。これから夏に向かって、抗争激化の可能性も想定しておくべきですかね。

 ヤクザはメンツとケンカが「哲学」なので、仕方ないといえば仕方ないのですが、カタギさんには迷惑をかけないことを第一にしてほしいです。

暴力団のヒットマン候補たちが偽装脱退? 元極妻が語る「ヤクザ減少の理由」

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

「暴力団員」は30年で4分の1に

 今どきは若い人がヤクザの組長になりたがらない……というニュースが目に留まりました。

 まあ大間違いというほどではないですが、大組織で安定している少数派を除けば、かなり前から年長者だってムリでしたよ。シノギがきつければ苦労するだけですから。

 まあ「暴力団員」が減少しているのは事実ですよね。このニュースには、暴対法施行前の1991年には約9万1,000人いた組員らの数が、去年(2021年)末にはおよそ2万4,100人と約4分の1に減り、組織も5,000団体余りが解散している、とあります。

 問題は、この「減った分」の人たちが「元暴力団員」としてきちんと生活できているのか、ということです。以前も書かせていただいていますが、食えなければ半グレや詐欺師集団、窃盗団などの犯罪集団と関わるしかないですよ。

暴力団員減少の理由もいろいろ

 最近の報道は、暴対法と暴排条例の「おかげ」で「暴力団員」が減ったみたいな印象ですが、実際には暴排条例の「せい」だと思います。実際に暴対法が施行された92年からしばらくは、特に減っていません。

 警察庁の資料(『令和3年における組織犯罪の情勢』)では、暴力団員数を「平成17年以降減少し、令和3年末現在で2万4,100人、このうち暴力団構成員の数は1万2,300人・準構成員等の数は1万1,900人」としています。

 下の図のように、むしろジュンコー(準構成員)は05年(平成17年)までは増えていたんですね。

 この「準構成員」とは、「暴力団構成員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがあるもの、又は暴力団若しくは暴力団構成員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し、若しくは関与するもの」(『令和3年版警察白書』)とされています。

 どうやって「暴力団と関係を有する者」と判断するかは微妙なところですが、裁判では「幹部の運転手をしている」「暴力団事務所や関連企業に出入りしている」とかが判断の基準になっています。

 さて、なぜ92年の暴対法施行から10年以上もたった05年から減り始めたのでしょうか?

 ひとつは前年の04年4月の暴対法改定があるかなと思います。抗争でカタギさんが被害を受けた時には組織のトップがいわゆる「使用者責任」を負い、被害者は損害賠償請求訴訟を起こせるようになりました。 

 深読みしちゃうと、法改定を受けて親分が「使用者責任」を負わないように、ヒットマン候補たちが偽装脱退を始めた……ということですかね。

 また、05年7月には今の六代目山口組・司忍組長が組長を襲名し、8月には山口組から絶縁された中野会が解散届を出しています。 

 司六代目体制の発足は「組員さん減少」には関係ないでしょうが、中野会関係者が一斉に脱退すると、ちょっと人数的には減った感はしますね。

 あとは経済の動きも関係あると思います。06年には、ホリエモンこと堀江貴文さんと村上ファンドの村上世彰さんが逮捕されていて、上半期は市場が混乱しています。

 さらに08年9月のリーマンショックですね。11年の暴排条例全都道府県施行まではヤクザも証券会社の口座を持てましたし、それ以上に、タニマチ的な富裕層がいたんです。

 ヤクザ映画ではなくリアルヤクザが好きな人は、昔は珍しくなくて、結構なお金持ちもいました。そもそも「実話時代」(三和出版)や「実話時報」(竹書房)などのヤクザ雑誌の購買層も、半分くらいはカタギさんです。あとは警察関係者も多いと聞いています。

 タニマチ衆の懐が寂しくなったところで11年の東日本大震災と暴排条例施行ですから、もともとの30年不況に加えてカタギの経済が回らず、ヤクザの経済も厳しくなっていきます。

 そして暴排条例施行後は、「食えないから」やめる例が増えていきますが、やめたところで「晴れてカタギ」になんかなれませんよ。「元暴力団の肩書、一生外れんけんね」とか、刑事さんにも言われるんですから。

 やめた組員さんたちが事件を起こさずに暮らせるかどうかは、本人の意思だけでなく社会の更生支援が不可欠ですが、ハードルは高いですね。私も考えていきたいと思っています。

ヤクザがそば屋に集まったら何が問題? 元極妻が考える「暴力団への便宜供与」

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

警視庁が「街娼支援」!?

 コロナに戦争に円安……といいニュースがまったくないですが、皆様はいかがお過ごしですか?

 そして吉野家の「生娘をシャブ漬け」からの警視庁の「街娼支援」……。エロ不祥事が絶えない警視庁が売春婦を保護、だそうです。しかも記事を見たら、「それっぽい女性を見かけたら生活保護の窓口に連れて行く」だけでした。

 そもそも売春とは、女性だけでなく社会の貧困の問題ですから、警察が生活保護窓口を紹介するだけでは解決しないと思うんですが、いかがでしょうか?

 元極妻ごときが言うことでもないですけど、警察の組織の目的は、「個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持するため、民主的理念を基調とする警察の管理と運営を保障」(警察法第一条)するものであって、「悪いことをしそうな人に何かする」ものではないんですよね。

 ていうか「売春しそうな人」に声をかけて、生活保護の担当窓口を紹介するくらいは普通の業務かなと。

暴力団員が食事したおそば屋さんに指導

 そして、4月に入ってすぐには、大阪のおそば屋さんが「暴力団に定例会の場を提供している」として府公安委員会から暴排条例の指導を受けたことが報道されていましたね。

 報道では、お店のご主人はお客である「暴力団員たち」に便宜を図ったことを認めて、「新型コロナウイルスの影響で売り上げが減る中、月に1度、間違いなく入る収入はありがたかった」と明かしています。

 まあこれもどうなんでしょうかね。以前も、「暴力団員とは知らずに交際していた」のに、長期勾留されて仕方なく「実は暴力団員と知っていた」と認めさせられて、会社が倒産した例もありましたよね。

 おそば屋さんの件も、騒いでお店に迷惑をかけるとかがなければ、別に問題ないケースではないのですか?

 3月に急逝された宮崎学さんの著書に『ヤクザに弁当売ったら犯罪か?』(2012年、筑摩書房)というのがありました。 

 マンガみたいですけど、大真面目な議論なんですよ。実際に北九州であった話です。工藤會が事始め式で一折1万円くらいのお弁当を500個くらい発注した件で、地元のデパートがめちゃくちゃ叩かれたんです。

 大阪のおそば屋さんもですが、「一罰百戒」という言葉しか思い浮かびませんね。目立ったところを叩いているだけですね。「暴力団員数」は減ったとはいえ、まだ準構成員を含めれば数万人はいますから、毎日どこかで組員さんたちはごはんを食べているのです。そこを全部叩けないから、「何かをやってる感」を出している印象です。

 たとえばお弁当は「500個買ったらダメ」で、「3個ならセーフ」とか、そういうことですかね。

 これは、私のような者ではなく、あの石原慎太郎都知事(当時)が東京都の暴力団排除条例が施行された11年10月1日に、記者団に対して「文房具屋さんが、暴力団員と分かっている人間がボールペン1本売ってくれって来たら売らないわけにいかないでしょう。100本売ったら経済利益の供与になるんでしょうか? それがよくわからないと(反対派が)言うのは確かにそうでしょうな」(同日付毎日新聞)と言ってるんです。今は有料データベースから記事が消えているのがちょっと怖いですけどね。

 「1本ならよくて、100本はダメ」とかの線引きをどこに置くのか、わからないまま暴排条例は施行から10年以上がたってしまいました。

 これは宮崎さんの受け売りですが、「ヤクザは悪くない」とは言っていません。悪いんですよ。悪いんですけど、ある日突然悪くなったわけではなく、悪くなるには理由があるんです。売春もそうですね。いろんな理由があって、仕方なく売春をするんです。

 「悪い人だから」と息もさせないのか……ということはどうなのかなと思います。