元極妻が見るドラマ『日本統一 関東編』――リアルヤクザは“絶滅危惧種”に

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

暴力団員の数は2万2,400人、50代以上が半分超

 毎年恒例の警察庁・暴力団統計(『令和4年における組織犯罪の情勢』)について書かせていただきますね。

 同統計によりますと、「暴力団員の数は18年連続で減少」し、「検挙(逮捕・書類送検)した組員は9,903人で、初めて1万人を割」ったそうです。

 主な組織の人数は六代目山口組が8,100人、住吉会が3,800人、稲川会が3,100人、神戸山口組は760人などで、合計で2万2,400人、去年から1,700人減っています。

 個人的には六代目山口組が1万人以下、神戸山口組が六代目の1割以下になってるのが「時代」を感じましたね。かつて「4万人軍団」といわれた六代目山口組が分裂するとは思いませんでしたし、独立した神戸山口組も当時はそれなりの支持がありましたから、まさに隔世の感があります。

 また、高齢化も進んでますね。一番多いのが「50代」で30.8%、「60代」が12.5%で、「70代以上」は11.6%、つまり今や「ヤクザの半分超は50代以上」なんですよ。そして、「40代」は26.3%、「30代」は12.9%、「20代」は5.4%となっています。

 むしろ、まだ20代は5%ちょっといるんですか。みんな半グレや闇サイトに持ってかれてますよね。過剰な暴力団排除も原因と思いますが、今どきの若者に「組員さん」は務まらないのでしょう。とにかくタテ社会で理不尽なことだらけですからね。そこを辛抱して成り上がっていくのが俠(おとこ)の道だったのですが……。

 ちなみに、元警視庁警視の櫻井裕一御大は、「FNNプライムオンライン」が配信した暴力団統計のニュースに対し、「暴力団特有の犯罪も年々減少傾向であり、犯罪の前面に出れなくなっている。その反面、裏で堅気の者を闇バイト等で集めその者らを使って強盗事件などの凶悪犯罪を敢行するようになって来ている。そのため組織までメスを入れることも困難になっていることも事実である」とコメントされてます。

 元警察官さんとしては「ずいぶん他人事ですね」という感想しかないです。追い込むだけ追い込んで「組織までメスを入れ」にくくしたのは、どなた様なのでしょうか? 「暴力団」を排除したところで、「悪人」が減るわけなどないのです。

 最近の「ルフィ」関係者もヤクザとの関係がうわさされていますし、いくら排除したところで、よりわかりにくい「悪い人」が登場する「無理ゲー状態」は続くと思いますよ。

「ファンタジーとしてのヤクザ」の人気は不動

 「絶滅危惧」とかいわれながら、なぜかヤクザ社会をテーマにしたテレビドラマや映画は相変わらず人気ですね。

 4月からは日本テレビ系で『日本統一 関東編』がスタートして話題です。これはもともとVシネマで、ネット配信されています。

 神戸市に本部を置く日本最大のヤクザ組織「侠和会」が舞台で、「日本統一」を目指すイケオジたちの熾烈な争いなわけですが、なんと若い女性にも人気があるんですね。悪質な闇金業者や詐欺師などにヤキを入れる「任俠ぶり」がウケているんだとか。確かにこういうのは、あくまでもファンタジーとしては楽しめますね。

 一方で、リアルヤクザも不動の人気です。光文社のニュースサイト「Smart FLASH」は「ヤクザサミット」開催の様子を紹介していました。

 記事によると、4月12日に六代目山口組の髙山清司若頭、住吉会・小川修司会長と稲川会・内堀和也会長が稲川会の「稲川会館」で食事会をしたそうです。「デザートを食べてるところ」は公開しなくてもよかったんじゃないかと思うけど、いいんですかね(苦笑)。

 ただ、住吉・稲川はご当代なのに山口組は若頭って……? と思ったら、山口組が「我々は、住吉会と稲川会よりひとつ上の存在」とアピールしたと記事にありました。

 取材に応じた内堀会長は「親睦を深めるためにやった」「非常にいい雰囲気だった」と言っていますが、まあ緊張感はあったでしょうね。

 今年で山口組の分裂8年目ですから、「他団体との連携強化は重要」との指摘もあります。「再統合のXデー」はまだまだわかりませんが、今後も注目です。

元極妻が、元ヤクザYouTuberの「絶縁」処分を解説! 「破門」との違いとは?

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

20年も前の「破門処分」を変更でざわつき

 組織を脱退後にYouTuberになっていた六代目山口組系組織傘下の元組員さんの「絶縁」が話題になっていますね。

 この方は、20年以上も前にカタギになっていて、もともとは破門されていたそうです。それが今年3月に突然「絶縁」されたので、理由について臆測が流れているんですね。「破門」処分が「絶縁」処分に変わること自体は、多くはないですが、まあありますね。

 有名なところでは、1997年の山口組若頭射殺事件ですね。傘下の組員に射殺を指示したとされる中野会・中野太郎会長は、最初は破門でしたが、流れ弾が当たった無関係のカタギさんが亡くなられたことで絶縁処分を受けています。そのくらい重いことなんですよ。

 話がそれましたが、3月25日付のニュースサイト「FRIDAYデジタル」には「絶縁状」が掲載されていたものの、その理由が書かれていません。昔なら「鬼畜にもとる所業」とか書かれていて味わい深かったのですが、今はそういうのもないですね。

 この件について、記事では「組についてYouTubeで情報発信することが問題視されたのではないか」としています。私もときどき拝見してましたけど、「組について」の言及はない気がしますし、あったらそれこそ炎上でしょう。

 また、記事には「チャンネル登録者数も1万人を超える人気ぶり」ともありますが、似たような経歴の懲役太郎さんは約43万人ですから、そんなにすごい「人気」なのかなあと思いました。

 あと、「最近のヤクザ業界ではしばしばYouTubeが議論の的になっていて、組織の内情について配信するユーチューバーを問題視する向きが確かにある。回ってくる通達文でも、特定のユーチューバーの名前を出した上で『まったくのデマである』『信じてはいけない』と訂正することが多くなってきた」そうですが、これってYouTubeに限ったことではないんですよ。

 昔は普通にコンビニや書店で売られてた「実話雑誌」の記事や、Vシネマのテーマ(〇〇抗争とか)なんかもヤクザの間では話題になってました。

 オットのところには「この記事はケシカラン。〇〇は適当なことしゃべりやがって」とか「このVシネの事件はウチの組の話だろう。勝手に使いやがって」とか怒ってくる人が結構いたんです。

 オットは「いや俺に言われてもわからんから、作ってる会社に聞いたら?」などと言ってました。

 だいぶ後になって、編集者さんから「最近は『現役』さんからクレーム電話が来なくなりました」と聞きました。クレームの何件かはオットに言われたせいかもしれません。その節はすみませんでした。

ヤクザの「絶縁」と「破門」の違い

「ところで、ヤクザの『絶縁』と『破門』て、どう違うんですか?」

 編集者さんから聞かれました。やっぱりカタギさんには遠い世界のことですね。

 ヤクザ社会には、もともと厳しい独自の法律、すなわち「掟」があります。このあたりは、故・宮崎学さんが、ご著書『法と掟と―頼りにできるのは、「俺」と「俺たち」だけだ!』(洋泉社、2005年)などで詳しく書かれていました。

 かつてはこの「掟」に従っていれば、ヤクザもまあまあ暮らしていけました。Vシネマに出てくるような「ハイブランドの黒のスーツ・金時計・外車」みたいな人はむしろ少数派なんですが、妻子やカノジョを養う程度のシノギはあったんです。夜の街の飲食店経営や、飲食店へのおしぼりや植木のリース業のほか不動産、貸金業などいろいろでしたね。

 今は「暴力団員」というだけで、こうした合法的なシノギはできなくなり、クスリ(違法薬物)やオレオレ詐欺に手を出すしかないんですが、非合法のシノギに手を出したら「即・処罰」となるのも珍しくなくなりました。

 処罰には大きく分けて、「絶縁」と「破門」があります。

 最も重い処分が「絶縁」で、ヤクザ社会には戻れないものです。友好団体にはハガキやファクスで絶縁した組員の所属や名前などを送るので、かばうようなことをしたら、その組織と敵対することになります。

 これに対して「破門」は、まだ復帰の余地があるものです。とはいえ、すぐにはムリですし、絶縁と同じで破門したことはハガキやファクスで友好団体に通知されますので、足を洗うしかないのですが、難しいですよね。カタギとして生きていけなくてヤクザになったのですから、路頭に迷うことも多いようです。

 ちなみに「偽装破門」もあります。ヤクザはクルマの運転もできない(免許も取れない、車も買えない)ので、いったんやめたことにして、「周辺者」として組に貢献してもらうのですが、これだと警察も把握しにくいと思いますよ。

ルフィ強盗事件への関与は暴力団にとって致命的! 元極妻が考えるヤクザの「コンプライアンス」

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

ヤクザも「コンプライアンス」の時代

「ヤクザのコンプライアンス(法令遵守)って、すごいですね」

 編集者さんから言われました。先日、関東の指定団体が傘下組織に通達したといわれる「文書」が出回っている件ですね。

 例の「ルフィ」問題で、指定団体の関与がちらほら報道されていることとは無関係ではないようです。

 ネットで確認できる「通達」の文面には、「最近報道されている強盗 特殊詐欺等の事案」とあり、「この様な事件に加担した者が居た場合又は接触を持ったりした者が居た場合は当人は元より一家一門まで厳しく処罰する」として、違反した場合は本人だけでなく、その親分や兄弟分たちまで厳罰だそうです。

 もう一つは、「ETC」ですね。名前こそ出ていないものの、他人名義のETCカードを使用して割引料金で高速道路を通ったとして、今年の2月に大阪府警が山口組幹部を逮捕したことについて、「私達にも起こり得る事件で御座いますので注意して下さい」と書かれています。

 ネットでは「厳しすぎる」とか「異例」とかざわついているようですが、こういう「注意喚起の通達」自体は、これまで何度も複数の組織が出しています。

 最近では東京オリンピック関連ですね。当初予定されていた2020年の開催を前に、19年2月、関東の組織六団体で構成される「関東親睦会」(14年発足、旧・関東二十日会)が、「東京五輪・パラリンピックに向けて、銃器の使用の自重を改めて要請する」と関係組織にファクスで送ったことが報道されています。

 「オリパラの時期以外なら発砲OKなのか」といわれると、そういうことでもないのですが、この頃は今以上にいろいろあった時期でしたからね。18年10月には神戸山口組関係者が路上で発砲したり、12月には東京・歌舞伎町の住吉会の関係先のビルに銃弾が撃ち込まれたりしていました。

 「今どきファクス?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、国会も中央官庁も、街場のクリニックもファクスは現役ですよ。到達確認がしやすいし、処方薬の発注書など紙で管理するほうが便利だそうです。ちなみに「盗聴されにくい」というのは都市伝説らしいです。

ヤクザも若い衆を叱りにくい時代に?

 こうした「通達」は、簡単に言えば「アリバイづくり」ですね。組としては「傘下の者たちに厳しく指導しており、それを破るのは組のせいではない」ということです。殺人の教唆や民事の使用者責任問題から逃れるためです。

 最近はオレオレ詐欺について、トップの使用者責任が認められ、億単位で損害賠償の支払いを命じられることも珍しくなくなっていますから、ここで「ルフィ」のような闇バイトへの関与があったとしたら致命的です。

 過剰な暴力団排除でシノギがきつくなっているので、オレオレ詐欺や闇バイト、クスリ(違法薬物)に手を出すのは仕方ない面もあります。追いつめられたら、もっと悪いことをすると思いますよ。

 そもそも「高額のギャラ」に釣られて闇バイトに応募してくるカタギさんたちが後を絶たないのは、不景気だからでしょう。なんでもかんでもヤクザのせいにしないでほしいですよね。

 冒頭の通達には、ほかにも「会員同士のお金の貸し借りは禁止」とか「会合中は携帯電話はマナーモードに」とかがあったそうです。これはヤクザには合わない感じもしますよね。週刊誌には「新入社員が研修で学ぶような“社会人としての心得”」と揶揄されていました。

 元極妻的には、お金の貸し借りはともかく、会合中に携帯電話の電源を切るのは最低限のマナーですけどね。昔は部屋住みの若い衆は、お掃除から調理、接客と、礼儀作法を厳しく叩き込まれたものでしたが、今はちょっと厳しくするとやめちゃうから言いづらいとも聞いています。

 だいぶ前ですが、オットの兄弟分だった親分は「ふと2階の窓から外を見たら、庭にホースで水をまいてた若い衆が笑いながら携帯電話で話してたから、灰皿を投げつけてやった。うまいこと命中してた」と笑ってました。アルミ製だったそうで、よかったです。クリスタル製なら死んでます。

 ヤクザに限らず、昔はどこにでも「叱ってくれる人」がいましたが、今はいないから、こんな通達を出さねばならないのでしょうか。寂しい気もしますね。

ヤクザが「スーパーのポイントカード」を持ったら、なぜ逮捕? 元極妻が解説

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

「変なヤクザ」に微苦笑

 ネットで「変なヤクザ」が話題ですね。元極妻的には聞き捨てならないパワーワードであります。

 このワードは、立憲民主党の小西洋之参院議員が入手した総務省の内部告発文書に出てきたもの。元総務官僚で、当時安倍晋三総理の補佐官だった礒崎陽輔元参議院議員が、総務省側と「放送法の解釈(というか規制)」に関してやりとりした内容が記されているほか、総務官僚で安倍総理の秘書官だった山田真貴子氏と総務省担当者の協議の様子も記録されています。

 文書作成当時の総務大臣・高市早苗経済安全保障担当相が「ホンモノなら議員を辞める」と言いだしたことで注目されているんですね。

 このやりとりは全文が公開されていて、総務省は「本物」としてます。

 「変なヤクザ」とは礒崎氏のこと、一方、そう表現したのは山田氏です。

 磯崎氏が、放送法の規制について「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ。首が飛ぶぞ」とスゴみ、それを総務省担当者から聞いた山田氏が「礒崎補佐官は官邸内で影響力はない。今回の話は変なヤクザに絡まれたって話ではないか」「(放送内容に口を出すのは)言論弾圧ではないか」とおっしゃったそうで、全部バッチリ文書に残されています。

 政治家に転身したOBに口を出されてイラッてとされたのかもですが、「変なヤクザ」っておもしろくないですか? まあ、みんな変なんですけどね。「赤い紅薔薇」みたいな話で、「いいヤクザ」はいないんです。

 これは、元福岡県警の藪正孝御大もご指摘されてますね。

「時にましなヤクザはいた。だがいいヤクザなどいない」

 ご著書『福岡県警工藤會対策課 現場指揮官が語る工藤會との死闘』(彩図社)などで、このように述べられています。

 ここでいう「まし」な行動とは、パクられた(逮捕された)ときに潔く罪を認めたりすることだそうです。それは「まし」というよりは、警察に都合がいいというだけのことじゃないかなとも思いますが、それはさておき「変じゃないヤクザ」についてはまた書きたいです。

 前置きのつもりでしたが、やや長くなってしまいました。本題です。

 もう起訴猶予処分になってるかなとも思いますが、名古屋市内のスーパーマーケットのポイントカードを持っていた六代目山口組の二次団体幹部が逮捕されましたね。詐欺の疑いだそうです。

 カードの規約には暴排条項があったようですが、ああいうのは超・細かい文字で書かれてますし、いちいち店員さんも「暴力団員はダメです」とか確認はしませんよね。それが「詐欺」とはちょっと行きすぎ感が否めないです。捜査だって税金ですからね。

 ちなみにネットでも「同情論」が結構あったのは意外でしたね。「さすがにかわいそう」「行きすぎ」「規約なんか誰も読んでない」などのコメントが目立ち、別件逮捕を疑うものもありました。

 別件逮捕自体は前からあるんですが、確かに体感的には増えた気がします。今どきは、指定団体関係者はクルマも携帯電話も買えないので、半グレなどと連携するのは普通ですから、別件で逮捕して協力関係を探るのです。

 最近は例の連続強盗犯グループの指示役とされる「ルフィ」とヤクザの関係も取り沙汰されてますね。そういう捜査の目的もあるのかもしれません。

 ていうか安倍元総理が亡くなってから、警察や検察の捜査だけでなく、いろんなことが「なんでもアリ」になってきた気がします。「変なヤクザ」文書も、元総理がご存命なら、出てこなかったのではないでしょうか。

ヤクザが車に乗れなくなる? 「ETC規制強化」問題を元極妻が解説

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ヤクザにとっては死活問題のETC規制

 元極妻としてはとても注目している「暴力団」のETC規制問題ですが、いきなりこの3月から規制強化に踏み切ると報じられました。

 ETCカード、皆さんも使ってますよね。口座引き落としで高速料金を払うカード(ETCパーソナルカード)です。係員とかに現金を払う料金所はだいぶ減りましたが、業界的には「全ETC化」を狙ってるそうで、「ヤクザにETCカードを使わせたらイカンのじゃないか」と言いだす人がいたようです。

 今後は申込用紙に暴力団排除条項を入れて、暴力団員は申し込めず、暴力団員であることを隠して申し込んだら詐欺でパクる(逮捕する)ということになります。

 これは事務所使用禁止なんかより、全然厳しいです。クルマに乗れないのは死活問題ですからね。

 「朝日新聞」の記事によりますと、今までも規約に「暴力団関係者であった場合は会員資格を取り消すことができる」旨の文言はあったそうですが、申し込む時に「暴力団員ですか?」みたいな確認もなかったんですね。

久々の「ヤクザと憲法をめぐる裁判」に?

 このETC規制の件、なぜか「朝日新聞」以外の日刊紙はまったく触れてません。どうなってるんでしょうか。

「高速を車で走るのに、やましいことは何もしていない。身分を偽るウソをつくような『ヘタうち』もしていない。それでも暴力団員であることだけを理由にETCを使わせないというなら、徹底的に争うことになる」

 昨年の12月7日付の「朝日新聞」で紹介されていた現役ヤクザの「闘争宣言」です。これもっと注目されていいと思うんですけどね。

 有料記事なのでご紹介できませんが、「徹底的な争い」は、国賠(国家賠償訴訟)の可能性もありますよね。

 昔は「暴対法は違憲」とかでヤクザが提訴したりしていましたが、最近は珍しいです。東京地裁か名古屋地裁ですかね。倍率がかなり高そうですが、傍聴券の抽選にはぜひ並びたいと思っています。

 3月からの規制について、カード運営会社のNEXCO東日本の広報担当者は、「暴力団に対してはきぜんとした対応をとる」としているそうですが、そもそも「暴力団員」のETCカード使用と逮捕については、以前からたまに報道されています。

 昨年の9月には「暴力団員であることを隠してETCパーソナルカードの交付を受けた」として六代目山口組関係者9人が詐欺容疑で逮捕されましたが、その中に大幹部である若頭や若頭補佐の運転手の名前があったことで話題になっています。

 「デイリー新潮」の記事(2022年12月15日配信)にもありますが、逮捕者のうち約半数が、事前にカード会社の事務局に問い合わせているそうです。

 「反社がカードを取得した場合、利用停止になることがあっても、警察から逮捕されるようなことはないですね?」と聞き、「そのようなことはない」と回答した音声データもあるようで、この記事が事実ならカード会社のほうが「詐欺」の可能性もあります。しかも、この件は全員不起訴になっています。

 また、今年の2月2日には「他人名義のETCカードの不正使用」で、やはり六代目山口組関係者11人が逮捕されていますが、これまた不起訴な気がします。「気がする」のは、捜査当局は不起訴にしたこととか、その理由を正式には公表しないから、よくわからないんですよ。

 これって、最近の不起訴率が高くなっていることとともに前から問題になっているんですが、なぜか放置されているんですよね。

 逮捕する時には大々的に報道して、不起訴だったり起訴猶予だったりした時はコッソリ書いたり、あるいはまったく書かなかったりするのは昔からですが、マスコミの皆さんが警察にソンタクしているような気がしてなりません。いかがでしょうか?

「ルフィ」グループの死刑判決はあり得る! 元極妻が断言するワケ

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「ルフィ」グループの死刑判決はアリ

 2月9日早朝、特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で、指示役「ルフィ」らのグループの主要メンバー4人のうち、残っていた2人の容疑者がフィリピンから帰国しましたね。

 報道によると、このグループによる被害総額は60億円以上で、1月に狛江市で90歳女性が殺害された強盗殺人事件への関与も疑われているようです。

 デジタル時代ならではの犯罪といえますが、今後の捜査はどうなりますかね。グループはロシアが開発した内容を解析しにくいメッセンジャーアプリ「テレグラム」をメインに使っていたといわれ、「フィリピンからの殺人指示の立証は難しい」という見方もあるようです。

 私は、「ルフィ」グループの死刑判決はアリと思います。今まで証拠がなくても「推認」だけで有罪判決を受けている例は結構ありますからね。わかりやすいのが工藤會のトップの裁判です。すべて状況証拠と推認だけで死刑までいってしまいました。いわば「福岡県警方式」です。もともとは警察庁の指示でしょうが、「とにかく暴力団は悪いから、証拠なんかなくても有罪でいく」という論理なのでしょう。

 一昨年の工藤會の判決については、慎重な意見も出ています。例えば、南山大学の丸山雅夫先生は、東海テレビのインタビューに対して「(推認のみの判決は)今後、警察・検察の追い風になる判決」「やみくもに暴力団つぶしに走れるかというと、組織犯罪処罰法のような法律の要件にあてはまらないと立件できませんので、慎重に運用していかなければいけない」と解説されています。

 こうした分析は、もっと重視されてほしいですね。

 ちなみに工藤會トップの2人の控訴審の初公判は9月13日に決まったようで、こちらも注目しています。まだ真冬なのに秋の話題です。

 工藤會については、地元・福岡県に本社のある西日本新聞がずっと取材してきましたが、死刑事件の記事を1冊にまとめた『落日の工藤会』(KADOKAWA)が3月に出版されるそうです。

 まあ記事はだいたい読んでましたから内容はわかってますし、特に今すぐ読みたいわけでもないのですが、SNSではすでに結構話題ですね。まだまだ工藤會は人気があるんですね。

 この本に限らず、不良の本や映画は相変わらず需要があるようで、最近では「同和のドン」こと「自由同和会」創立メンバーの上田藤兵衞(うえだ・とうべえ)さんの評伝『同和のドン 上田藤兵衞 「人権」と「暴力」の戦後史』(講談社)が話題ですね。

 紹介記事には「永田町(政界)、霞が関(官界)、経済界、任侠界を縦横無尽に飛び回る部落解放運動家──通称『同和のドン』と呼ばれるフィクサー」とあり、ヤクザではないですが、ヤクザ業界で知らない人はいません。1945年生まれで今もご健在 、ネットには亡くなる1カ月前の安倍元総理と撮った写真も出回っています。

 まあ不良的には「六代目山口組若頭から恐喝された人」ですね。この恐喝事件で若頭は有罪判決を受けて服役しています。失礼ながら上田氏は「ヤクザに脅されました。怖かったです」とおっしゃるような方ではないと思うので、早く読みたいです。

 あと、ご本人はすでに亡くなられているのに、定期的に出てくるテーマの一つに、中野太郎会長率いる中野会の事件があります。なんと中野会長に対する床屋さんでの銃撃事件をテーマにした映画が公開されてるそうです。

 これも拝見したいですね。現役のヤクザはカタギさんにいろいろ「解釈」されるのは微妙でしょうが、いろんな見方があっていいと思います。拝見できたら、感想も書かせていただきますね。

 最後に宣伝でスミマセン。以前ご紹介させていただいたグリコ・森永事件の真相に関する記事が『昭和の謎99』(大洋図書)に再録されています。内容は同じなのですが、ほかの記事も面白そうですよ。気になった方は、ぜひお手に取ってみてください。

東京・狛江「90歳女性の虐殺事件」はプロの犯行じゃない! 元極妻が推測する“犯人像”

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「半グレ捜査本部」発足で別件逮捕が続く?

 1月18日に福岡県警が「準暴力団等集中取締本部」発足式を開催したそうですね。

 警視庁や大阪府警にも半グレ捜査の担当者はいますが、230人体制で半グレ対策を進めるのは「日本初」の取り組みだそうです。ほんとお役所は「初物」好きだなという感想しかないですが、それはさておき。

 ニュースにもあるように、「半グレは暴力団と違って拠点を持たない上、特殊詐欺などで資金を得ているとの見方が強く、実態が把握しづらい」のが現状。しかし、ドヤって報道させるあたり、何かネタがあるんだろうと思ってましたら、20日に北九州・小倉で有名な半グレのボスがパクられ(逮捕され)ましたね。

 「あいさつをしなかった」知り合いをシャンパンのボトルで殴ったそうですが、そもそも昨年5月の事件ですし、容疑も傷害ですから、裁判的にもたいしたことないですね。大物逮捕にしてはショボいといえばショボいけど、ネタはなんでもよかったのでしょう。

 むしろ狙いは、関係者の「スマホの中身」やお金の流れですね。身柄を拘束しておいて、強盗やオレオレ詐欺、クスリ(違法薬物)の密売などへの関与を調べる目的の、いわば「別件逮捕」だと思います。

 実態のわからない半グレを捜査するために、影響力がありそうな人物をとにかく逮捕して調べていく流れが、今後も続くのかなと思います。

プロはお年寄りをボコボコにしない

 それにしても、最近は強盗事件が目立ちますね。ヤクザはタタキ(強盗)なんかしない……ということはもちろんなく、今までもヤクザによる強盗殺人や強盗傷害事件は何度も起こっています。

 でも、東京・狛江で起こった90歳女性の虐殺はプロじゃないなと思いました。プロはお年寄りをここまでボコボコにするようなことはしません。別にお年寄りがかわいそうなのではなく、プロなら致命傷を与えたら、さっさと去るからです。

 実行犯は、今までケンカなんかしたことなかったんじゃないでしょうか? 「ステゴロ」は今や死語となってしまいました。かつてはヤクザに限らずケンカといえば、鈍器や刃物や拳銃を持たずに素手でするケンカ(ステゴロ)が主流でしたが、今はそういうケンカははやりません。「自分より弱いやつをボコれる」ことがうれしかったんですかね。

 あるいは闇サイトの「高額ギャラ募集」に釣られただけで、怖くなったのかもしれません。怖くって無我夢中だったのかなとも思います。

 イヤな事件ですが、これからも増えそうですよね。

 ネットでは「自民党のせいでみんなが貧しくなり、強盗のような凶悪犯罪も増えた」というような意味合いで「#ありがとう自民党政治」というハッシュタグが盛り上がっていると報道されています。

 まあヤクザになる理由も貧困と差別が圧倒的に多いので、大間違いともいえないのですが、不況は今に始まったわけではなく、30年も続いてますよね。

 最近のハンパない「物価上昇」が引き金になったのかもしれないものの、この原稿を書いている1月26日現在で、自衛官が2人も強盗で逮捕されてることを考えると、問題は貧困だけではなさそうです。ギャンブルの借金は「貧困」とはちょっと違う気もしますしね。

 自衛官だけでなく、ネットの募集に応じられる人たちは、スマホを使えるくらいの生活をしてるのですから、それを「貧困」というのかどうか……と、疑問に思います。半グレのボスを取り調べることで、どんな「事実関係」がわかってくるのでしょうか? 今後も注目です。

元極妻が考える「未解決事件」――群馬一家3人殺害事件から25年、なぜ警察は逮捕できないのか?

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狭山市の射殺事件の被害者は絆會幹部

 今年もよろしくお願い申し上げます。新年早々、狭山市の射殺事件、びっくりしましたね。

 報道によりますと、被害者は絆會の幹部のようです。絆會とは、2015年に六代目山口組から離脱した関係者らが設立した「神戸山口組」を、さらに離脱した関係者らによって設立された組織です。

 被害者は、マンションの駐車場から自宅に入るところを撃たれましたが、一緒にいたご家族は無事だったそうです。

4年前の銃撃事件の報復?

 お世話になっている編集者さんは、「普通の住宅街で起こった惨劇」がとても怖かったと話していました。そうですよね……。抗争事件でカタギさんが巻き込まれた事件はたくさんありますし、今回のように家族の目の前でヤクザが射殺される事件もありましたから、「暴力団」が嫌がられるのは当然です。

 この原稿を書いている1月12日現在、犯人はまだ逮捕されていないので、動機や事件の背景はわかりませんが、ネット上では19年1月の稲川会系組織の組長と姐さん、若い衆が銃撃された事件の「報復」ではないかといわれています。

 この事件、いろいろ微妙なんですが、私もちらっと書かせていただいております。姐さんが撃たれながらも組長をかばってヒットマンにタックルするところが映っている監視カメラの映像は、今も動画サイトで見られます。

 この記事を書いた時には、逮捕された5人のうち4人が釈放されたと報道されていましたが、その後に全員が不起訴になったことが報じられました。不起訴ではありましたが、逮捕された住吉会傘下組織の関係者は所属組織から絶縁処分を受けており、事件への関与はあったというのが通説です。

 また、逮捕された5人の中に「絆會関係者」がいて(これも当時からうわさになっていました) 、それが今回の被害者のようです。いずれにしろ犯人が不明なので、これ以上のことはわかりません。

 捜査の行方を見守るしかないのですが、そういえば昨年暮れの宮台真司さんの襲撃事件も未解決。どうなっているのでしょう?

 思えば未解決事件も多いですよね。

 毎年の暮れには、東京・世田谷で家族4人が殺害された事件が報道されます。昨年で、発生から22年だそうです。

 また、今年の1月14日は、1998年に現在の高崎市内の旧群馬町三ツ寺で一家3人が殺害された事件から25年だそうです。

 運送業者の小暮洋史(殺人容疑で全国指名手配中)が納品先で知り合った女性にストーカー行為を続けた揚げ句、実家に上がり込んで家族3人を殺して待ち伏せ、女性を強姦しようとした事件です。

 ウチに帰ってきたら、家族全員が殺されてて、潜んでいたオッサンにレイプされそうになるって、元極妻だって怖いですよ。レイプはなんとか回避できたそうですが、そんなことは何の慰めにもなりません。

 なぜ警察は逮捕できないのでしょうか?

 ヤクザが地元でブイブイ言わせていた時代であれば、世田谷も高崎もとっくにパクられて(逮捕されて)たかなと思わないでもないですが……。

 ヤクザが地元を守るのは自分のためなので、街の住人でも、見かけない顔の人でも、しっかりチェックしていました。それに挙動不審な人には必ず声をかけますし、何かあれば捜査に協力するフリをして、警察に貸しを作るために情報提供してたのです。

 でも、92年の暴対法、11年に出そろった都道府県の暴排条例で、警察との協力関係はどんどん薄れています。ヤクザが排除されるのは自業自得なところもあるのですが、警察は下着泥棒とか拳銃暴発とか、しょうもない事件ばかり起こしてないで、未解決事件の捜査を頑張ってほしいものです。

元極妻が予想する「2023年アウトロー情勢」――「餃子の王将」社長射殺事件その後、分裂した山口組の動向

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

昨年は池田組組長襲撃事件や「餃子の王将」社長射殺事件に注目

 読者の皆様、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。そして、いつもお読みいただき、あらためて御礼申し上げます。

 昨年は神戸山口組から脱退した池田組の組長に対する襲撃事件や、2013年に起こった「餃子の王将」社長射殺事件の実行犯逮捕などが注目されましたね。今年はどうなるのでしょうか?

元・神戸山口組幹部が六代目山口組に「謝罪」

 昨年暮れに、山口組をめぐる大きな動きがありました。12月20日に、神戸山口組を離脱していた侠友会の寺岡修会長が、六代目山口組の高山清司若頭に面会して謝罪したそうです。

 寺岡会長は、六代目山口組で若頭補佐まで務めた大幹部でしたが、15年8月に離脱して神戸山口組に加わり、若頭の重責に就いています。ところが昨年8月には神戸山口組を離脱、引退説もささやかれていました。

 今回の面会は、稲川会の内堀和也会長の仲裁だそうで、場所も横浜の稲川会館でした。寺岡会長が高山若頭に「離脱」を正式に謝罪、翌21日に侠友会の解散と会長の引退届が兵庫県警に提出されたことが報じられています。トップの引退を受けて侠友会の組員は大半が引退、一部は六代目山口組に戻るようです。

 歴史的な謝罪だと思いますが、寺岡会長はカタギになるので、山口組分裂問題については直接の影響はないでしょう。また、寺岡会長に何かあれば内堀会長のメンツもつぶれますから、事件は起こりませんね。

 それにしても15年夏に六代目山口組から離脱したグループが神戸山口組を結成してから今年で8年目を迎えますが、ここまで分裂状態が続くとは、誰も想像していなかったと思います。

 もちろんいろいろな「動き」はありましたよね。神戸山口組からさらに離脱者が出て絆會(当時は任俠団体山口組)が発足していますし、池田組や侠友会は独立組織となりました。それなりに死傷者も出ていますが、かつてのような大抗争に至らなかったのは、トップの逮捕を恐れてのことですね。

 暮れには、福岡県内の神戸山口組関係者宅の車両に火をつけた六代目山口組の組員に対して、「次に何かあったら、司(六代目山口組・司忍組長)をトル(逮捕する)からな!」と福岡県警の捜査員が言ったことが報道されました。

 具体的にいつ言ったのかは書かれていませんし、実は言ってないかもしれませんが(よくあります)、こういう記事が出た以上、襲撃事件などはしばらくないでしょうか。

 個人的に気になっているのは、13年の「餃子の王将」社長殺害事件です。事件から9年もたった昨年、工藤會関係者のTさんが逮捕されましたが、Tさんと社長さんに接点はなく、Tさんは取り調べで事件については黙秘しているそうですね。

 しかも逮捕の決め手となった監視カメラ映像を解析した会社が「マンションの一室にある民間の研究所」だそうで、記者さんたちの間では「大丈夫か?」とうわさになっているそうです。別にマンションにあってもいいんですが、調べるための機械とかを置けるのでしょうか?

 面白いのは、写真週刊誌「フライデー」(講談社)がこの研究所に取材を申し込んだら、王将事件の鑑定を認めて、「『フライデー』で連載させてくれたら話す」と言ったそうです。そもそも警察の仕事について明かすのはどうかと思いますし、交換条件を出すって、どんな会社なんでしょうかね。

 そんなんで大丈夫かと私も思いますが、Tさんについては「逮捕ありき」ですから、よほどのことがない限り、公判は維持されるでしょう。

工藤會の弁護人が10人から1人に

 そして、工藤會についてはもう一つ。野村悟総裁らツートップの裁判の控訴趣意書が期限である12月20日に提出されたそうです。提出期限は昨年7月とされていましたが、期限を前に約10人の弁護団が解任されため、12月まで延期され、新しく選任された弁護人が提出したんですね。

 関係者によると、なんと今後は「弁護人は1人」だそうです。初公判あたりまでは20人近い弁護士さんがいたようですが、いつの間にか10人になってましたしね。

 やっぱり人をたくさん雇えばお金もかかりますし、「こんなにカネをかけたのに、死刑とは……」となるのもわかりますが、もともと「死刑ありき」の国策裁判といわれていましたから、弁護士さんは大変だと思います。

 昨年は映画『ゴッドファーザー』公開から50年だったそうですが、表立って活動できなくなった日本のヤクザのマフィア化は進むかもしれませんね。しっかりウォッチしていきたいと思います。

元極妻が紹介する、2022年のオススメ本! 青学教授による「女子大生レイプ事件」の真相に思うこと

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

事始め式は今年も静かに

 あっという間に今年も終わりですね。12月13日は、各組織とも静かに事始め式を済ませたようです。

 質素な事始め式は、もう何年も続いています。2011年までに全都道府県で暴排条例が施行されてますが、これを境に徐々に派手なことができなくなっていきました。ごちそうが出て、芸人さんを呼んだ時代を知っていると、寂しいですね。

大物ヤクザの訃報が目立った2022年――昭和はますます「昔」に

 2022年は、皆さまにとっていかがでしたか? とにかく今年は「いろんな方が亡くなった」感じです。大物ヤクザの訃報も目立ちました。

 5月7日には、極東会の松山眞一元会長(享年94)の死去が報じられています。報道によると、警視庁は「事件性はない」としているそうで、ご年齢から考えて老衰でしょうか。でも亡くなるまでしっかりトップを務められたようです。

 そして、同じ5月の31日には住吉会の関功前代表が76歳で亡くなられています。

 ニュースサイト「文春オンライン」などは関前代表の葬儀を紹介していました。掲載されている写真には、六代目山口組、稲川会ほか指定団体のご当代の皆さんによる供花と名札が写っています。大親分の名前がずらっと並び、六代目山口組・司忍組長の名札は「司」の一文字。これは知名度が低いとできませんね。獄中で控訴審の開廷を待たれる五代目工藤會の野村悟総裁の札もありました。

 激動の昭和を生き抜いた大物ヤクザの死去が相次いだことで、ヤクザ社会的にもますます「昭和は遠くなりにけり」となりました。

 3月30日に亡くなられた作家の宮崎学さん(享年76)は、「『終わった』のは『昭和のヤクザ』であり、『平成のヤクザ』である。これからも形を変えながら『21世紀のヤクザ』の時代は続いていく」と、『伝説のヤクザ18人』(山平重樹著/イースト・プレス刊)で解説されていましたが、どうなりますか。

 安倍晋三元総理(7月8日没・享年67)の射殺事件にもびっくりしました。ヤクザはもともと自民支持が多いので大騒ぎでしたが、今回ばかりはアンチの方からも「こんなふうに死んでほしくなかった」との声が出ていましたね。

 まだコロナの感染も収まらない年越しとなりそうですから、おうちで暖かくして読書などいかがでしょうか。『伝説のヤクザ18人』も面白いですが、2022年に出版された中からいくつかご紹介します。

 イチオシは、村山治さんの『工藤會事件』(新潮社)です。以前も書かせていただいていますが、毎日新聞社から朝日新聞社に移られ、現在はフリージャーナリストの村山さんは「権力監視」の視点に定評があり、『工藤會事件』も、公平に取材されていると思います。

 来年は野村総裁と田上文雄会長の控訴審もあり、工藤會は引き続き注目です。

 今どきの不良について解説された『常識として知っておきたい裏社会』(彩図社)もいいですね。チャンネル登録者数42万人を誇るYouTuber・懲役太郎さんとライターの草下シンヤさんとの共著です。

 あと、もはやご存じの方は少ないと思いますが、45年前の青学の教授による女子大生レイプ事件を追った『そして陰謀が教授を潰した~青山学院春木教授事件 四十五年目の真実~』(小学館)も読みごたえがありました。

 あの頃の青山界隈は、イッセイミヤケやコム デ ギャルソンなどのメゾンに交じって、怪しげなバブル紳士たちの事務所もたくさんありました。春木教授がこのバブル紳士の餌食にされたというのは、当時のヤクザはみんな知ってました。事件そのものはバブル前夜といえますが、まあ、あの頃の「ひどい話」ということです。

宮崎学さんとグリコ森永事件についてのインタビュー

 もうひとつは、宣伝です。

 セブン-イレブン限定ですが、アマゾンでも販売されているムック「昭和の不思議101 2022-23年 冬の男祭号」(大洋図書)で、宮崎学さんとグリコ森永事件についてインタビューを受けました。

 ちなみに編集長の比嘉健二さんは、『特攻服を着た少女と1825日』で、今年の「小学館ノンフィクション大賞」を受賞されました。66歳! 若い人はもちろん、中堅ライターさんたちにとっても励みになりますよね。この場をお借りしてお祝い申し上げます。

 比嘉さんは、ミリオン出版(18年に大洋図書に吸収合併)の元社長さんで、「ティーンズロード」や「GON!」「実話ナックルズ」「漫画ナックルズ」などの雑誌を創刊されています。

 受賞作は、「ティーンズロード」で当時取材したレディースの女の子たちについて再び取材したもので、小学館から春ごろに出版されるそうです。とても楽しみです。

 今年も好き勝手なことばかり書かせていただきましたが、お読みいただき、ありがとうございました。皆様、どうぞよいお年をお迎えください。