元極妻が考える「指名手配」——捕まらなかった逃亡犯の哀しい末路

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■28年の逃亡の末に死亡と判断

 少し前の11月23日、28年前の事件について「容疑者死亡」のまま書類送検される見込みだと報道されました。1990年11月に沖縄市内で警察官2名が射殺され、居合わせた主婦も流れ弾で重傷を負った事件です。実行犯2人は三代目旭琉会の組員で、うち1人は殺人容疑で逮捕されて現在も服役しています。この実行犯によると、警察官を撃ったのは「抗争相手と間違えた」からだそうです。

 今回は、指名手配されていたもう1人の実行犯とされる又吉建男さんが、28年の逃亡の末に死亡と判断されることになりました。生きていれば69歳。私が言うのもアレですが、ほんとヤクザはつらいですね。

 事件当時の沖縄は、「沖縄旭琉会」と「三代目旭琉会」による壮絶な内部抗争の真っ最中でした。本土復帰直前の70年に発足した「沖縄連合旭琉会」が90年に分裂、92年にかけて対立抗争が続いていたのです。この一連の抗争で、警察官のほか高校生を含む計7名が射殺され、13名が負傷する事態となっていました。

 また、この事件は射殺された警察官のご遺族が、三代目旭琉会の幹部に対して損害賠償請求を起こしたことでも知られています。当時はまだ「使用者責任」ではなく「共同不法行為」でしたが、「元祖・使用者責任事件」といわれています。会の幹部に総額約1億3800万円の支払いが命じられていました。ちなみに、今後は事件を風化させないために、慰霊碑も作られるそうです。

 「死亡」とされた又吉さんについては、以前から死亡説があったのですが、事件は「平成のうちに」一応の決着となりました。

 又吉さんの指名手配ポスターは、約30年にわたって警察署前などに貼られていたので、ご覧になったことのある方も多いと思います。「両肩に花のいれずみ」とあったのが、不良の間ではちょっと話題でした。「『花』って……ザツすぎ」とか「牡丹とか蓮とか具体的に書くべきよね」とか、私なども警察のセンスに苦笑したものです。

 それはさておき「指名手配」のポスターは、「推定無罪」の原則に反しているという指摘があります。私もそう思います。裁判で有罪が確定するまでは「無罪」のはずなのに、「犯人扱い」はおかしくないですか? でも、一般的なイメージとしては「指名手配=有罪確定」です。又吉さんのポスターも、当初は堂々と「犯人」と書かれていました。裁判で無罪だったらどうなるんでしょうね。それもまずないでしょうけど。

 思えば、指名手配ポスターには印象的なのが結構あります。有名なのは「おい、小池!」ですね。2001年に徳島と兵庫で起こった強盗殺人事件の犯人とされた小池俊一さんのポスターです。

 「犯人」に直接呼びかけることでプレッシャーをかけ、世間にも注目されるようにと考えられたのだそうで、かなり画期的でした。8年間で108万枚が全国に配布されたのだとか。たしかにインパクトはありますが、「まだ起訴もされてないのに、『おい』はないんじゃないの?」と個人的には思いましたけどね。奪われた預金通帳も使われた形跡はないそうですし。

 この小池さんの死亡は、「本名がわからないので火葬できない」という葬儀屋さんの通報で発覚したという意外な結末を迎えています。ポスターの顔写真が本人とぜんぜん似ていなかったので、11年も逃げられたんですね。潜伏中は、偽名で一回りくらい年上の女性のお宅に転がり込んでいたそうです。「週刊実話」(日本ジャーナル出版)さんは、ご近所の方のお話として、エッ○している声がご近所にまる聞こえだったことを書いてました。お年でもお盛んなのはいいことです(笑)。

 いずれにしろ、逃亡犯の末路は哀しいものですね。小池さんはヤクザではないですが、逃げ続けるのは不安のほうが大きかったと思います。

「内臓と血液をぜんぶ抜き取った」遺体も! ヤクザ界「平成最大の謎」を元極妻が語る

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■謎また謎の射殺事件

 最近は、毎日のように「平成最後の……」とか「平成のうちに……」というフレーズにふれますよね。ちょっと飽きてきましたが、不良業界(?)で一番の「平成問題」は、前回でもご紹介した若頭射殺事件です。

 日本最大組織の若頭という事実上のナンバー2の射殺事件なのに、今も謎が多すぎるのですが、「平成のうちに」ご本人の著書を含め関連書籍が2冊も出版されるとは……。すごい動きです。

 今のところわかっている若頭の「襲撃グループ」は、皆さん、中野太郎会長率いる中野会系の組員でした。事件当日から山口組執行部はそれをわかっていたといわれていますが、警察が犯人を特定して指名手配するのに半年かかっています。しかも当初は詐欺などの別件でした。

 ここでもう「警察はナニをやってるのか」的な謎がありますが、トップの中野会長は今日まで逮捕されていません(もちろん「逮捕してほしい」と言っているわけではないです)。

 この襲撃グループのメンバーはホテルの射撃犯と見届け役、指示役の合計6人で、このうち2人は遺体で発見されています。1人は滞在先の韓国で「病死」とされましたが、韓国の当局が「内臓と血液をぜんぶ抜き取った状態」で日本に返してきたそうで、これも謎です。おなかには綿が詰められていたそうで、一体何のためにそんなことをしたのか、さっぱりわかりません。もちろん病死ではなく、若頭を殺された宅見組のカエシ(報復)ではないのかとか、中野会による口封じではないのか……というのも不良の間では話題になりました。

 もう1人は「通報」で発見されました。警察官が指定された場所に行くと、ご遺体が衣装ケースに入れられていたそうです。糖尿の持病があったそうで、ガリガリに痩せて、足は壊死していたと報道にありました。

 そして、最後に逮捕された見届け役は、事件から17年にわたって逃亡を続けていて、逮捕された時は「ほっとした」そうです。判決は無期懲役でした。

 元極妻が言うことではないですが、やはりヤクザは哀しいですね。

 この襲撃グループの逃亡資金は、どうしていたのでしょうか。中野会系の組員なのですから、中野会長がご存じないとは思えません。

 以前の中野会長は「日本一のお金持ちヤクザ」や「元ヤクザで同和事業の大物」の皆さんと交流があったので、お金も何とかなっていたのだと思います。今はこのお2人も亡くなっていますが、事件直後は何とかなっていたのでしょうか。ただ17年も逃げるって大変ですよね。報道では、見届け役さんは逮捕された時も現金をかなり持っていたそうで、「お財布さん」がいたはずです。

 一方で、山口組執行部は、事件のあとに中野会関係者への襲撃を禁止する通達を何度も出しています。これは中野会を守るためでも、ご近所さんの迷惑を考えてのことでもなく、暴力団対策法で「抗争状態」となると事務所が使えなくなるからです。もっとも宅見組は事実上容認されていて、バンバンやっていました。このあたりを中野さんは、どう語られるのでしょうね。

 一説には、渡邉芳則五代目が中野さんに若頭の銃撃を命令したともいわれています。でも、若頭は当時かなり体調を崩されていて、引退もほのめかしていました。たとえ対立していたとしても、銃撃までする必要があったのでしょうか。

 ちなみに若頭は前から肝臓が悪く、フランスにも治療に行っていますが、フランスに着いたとたんに入国拒否されて帰国したことがありました。実は、若頭のような大物ヤクザがフランスまで行けたのは安倍晋三総理のお父さんのおかげ……と、亡くなられた田中森一元弁護士が『反転 闇社会の守護神と呼ばれて』(幻冬舎)に書かれています。今では考えられませんね。こんなのを書いてしまった田中元弁護士は、やっぱり有罪判決を受けて服役しました。

 本当に謎の多い射殺事件、中野さんは何を語られるのか、興味津々です。山平重樹先生の評伝とも併せて楽しみです。

「ヤクザのナンパ」に中止命令!?  元極妻が考える、今どきの暴力団の扱い

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■大洪水の処理もヤクザなら早いのに……

この原稿を書かせていただいている7月11日も、まだ西日本の豪雨被害が続々と伝えられています。気象庁が「平成30年7月豪雨」と名付けたそうで、平成最後に最悪の水害……というのは、なんとも悲しいことですね。11日22時現在の報道では、13府県で死者175人、行方不明や連絡の取れない人は少なくとも61人、土砂災害は483件だそうです。これからは農作物の被害も深刻ですね。

震災もそうですが、21世紀でもこんな被害が出るのは驚きとしか言いようがないです。被害のない場所にいる私はコンビニでお釣りを募金させていただくくらいですが、ヤフーやLINEも募金を受け付けているそうですよ。ネットといえば、岡山県は32人の安否不明者のお名前などをサイトで公表したら、生存情報が寄せられて、不明者は18人にまで減ったそうです。まだ18人も……。でも、ネットすごいですね。

 前回は大阪北部の地震について書かせていただいたのですが、やっぱりこういう時は、ヤクザの出番だったのですけどね。おうちの中に入った泥のかきだしなんかも、うまいもんですよ。親分の号令の下、てきぱきと作業を進めます。警察も親も先生も怖くないけど親分は怖いから、みんながんばるのです。今なんか、ヘタに被災地に入ったら通報すらされちゃいますからね。

■ナンパはヤクザの仕事みたいなもの

 1995年の阪神・淡路大震災の際も、すでにマスコミはヤクザの災害支援をスルーしていましたが、それでもあの頃はまだできていました。テキヤによる焼きそばの炊き出しとか大好評でしたからね。海外のマスコミは、おもしろがって報道してましたけど。

 日本のヤクザは、事務所とトップの名前と顔と自宅を広く知られているわけですが、これは外国のマフィアではありえないことですし、ましてやマフィアが表立って災害支援なんかするわけないので、単純に「珍しい」のだと思います。

 で、若い衆は被災地でもナンパしたりするわけです。ナンパはヤクザの仕事みたいなもの。ヤクザにとって人生でいちばん大切なのは「モテ」なので、ナンパは最重要課題なのです。

 でも、6月1日付で、なんとヤクザに全国初の「ナンパ」中止命令が出たそうで、不良の間では話題になりました。報道によりますと、5月中旬に40~70代の幹部組員ら3人が組事務所近くで20代の女性の腕を引っ張り、立ちふさがったりにらみつけたりして「電話番号を教えろ。今から言う番号にかけてくれ」などと要求したそうです。これに対して、千葉県警が、暴力団対策法に基づく中止命令を出したとのこと。

 そもそも、これって事実なのでしょうか? 事実なら、これは「ナンパ」じゃなくて強要罪とかですよ。さっさと逮捕(パク)ればいいのに、何を意図して「ナンパ」の「中止命令」を出したのか、ほんと意味がわかりません。「70代のオジーのヤクザがいいトシしてナンパ」を前面に出して、ウケを狙いたかっただけのような気がします。

 あと、警察に限らず、お役所は「初物好き」ですよね。「日本初の」とか「女性初の」とか。でも“ヤクザ初”のナンパ中止命令……。警察は、よっぽどネタに困ってるのでしょうか? もうギャグでしかないです。

 前から気になってましたが、何かやらかして報道される有名人さんは、たいてい「事実と違うことを書かれた」とおっしゃってますよね。私も覆面で書いてますんで、お聞きしづらいところではありますが、ご本人にお聞きしたら、やっぱり「ぜんぜん違うお話」なのだと思いますよ。

大災害時こそ“ヤクザの出番”!?  元極妻が明かす、コワモテが非常時に活躍するワケ

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■大災害といえばヤクザの出番

 このたびの大地震で被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 関西の地震にはびっくりしましたが、その前日の6月17日に群馬県と周辺地域で震度5弱の地震がありましたね。千葉県と周辺地域の地震はずっと続いていて、都内の元極妻の友達と「群馬と千葉で地震なんて怖いわね。次は東京かしらね」なんて言っていたら、東京を飛び越えてしまいました。余震は各地で続いているようですし、東京などほかの地域も用心に越したことはありません。

 さて、最近の暴力団排除条例のせいでなかなか活動できませんが、かつては大災害といえばヤクザの出番でした。

 今回も、関西では元親分たちがご近所の屋根から落ちた瓦を片づけ、屋根にブルーシートをかけてあげたりしているそうです。ご近所限定で、タダだそうですよ。「暴排条例がなければ、知り合いの現役にも声をかけて、もう少し手伝ってあげられるのに」と残念そうでした。ほんと残念ですね。くどいですが、暴排条例は困る人のほうが多いと思いますよ。

 炊き出しも、以前はよくやっていました。特にテキヤさんたちの焼きそばなどの炊き出しは大人気で、行列ができたと聞いています。プロなんだから当たり前ですよね。それに、友好団体と連携しての物資の運搬でも力を発揮していました。

 でも、せっかく各地域からの支援物資が届いても、避難所の人数と合わないことも多々あります。お役所はとにかく「悪平等」で、当日が消費期限のおにぎりも、数がそろわなければ配らなかったりした例も多いそうです。

「ナニ? 足りない? すぐに確保してやるから、先にジジババとガキに回せや」

 コワモテが配りながらこう言えば、不平不満も出にくいんですね(笑)。実際に、その後に別の友好団体から届いた食料を、ちゃんと配っています。

 そして、もうひとつのヤクザの出番は、がれきの撤去作業です。道に散乱したさまざまなものをどかさないと、クルマが通れません。実は、解体業と並んでレッカー車などの移動業務は、資本金が少なくてもできる「屈強なオトコたちのビジネス」なのです。もちろん解体業者さんやレッカー業者さんが「反社会的勢力」という意味ではないですよ、念のため。「屈強なオトコたち」の中には、少なからず不良もいたということです。

「地震や津波が起こったら、真っ先に乗り込むのはレッカー部隊だよ。がれきをどけないと、先に進めないからな」

 引退した親分が、懐かしそうにこうおっしゃっていました。

「ヤクザが被災地に入るのは、シノギのタネを見つける目的もあるっちゃあるけど、マジで『困った時はお互いさま』と思ってるから。家を失った人たちが自分の作った焼きそばを食べて『おいしい』って言ってくれたら、うれしいんだよ、純粋に。まあ家庭に恵まれてないから、承認欲求ての? も強いんだわ」

 そうなんですよ。不良になるのは、たいてい家族に問題がある子どもですね。本当は寂しいんですよ。

「そうはいっても、物資を調達したり運んだりするカネは、『どうせ人を泣かせて取ったカネだろう』って言われるから、痛いやね(苦笑)。まあ、街角で募金集めてるヤクザもいるからなあ」

 ガクッとくるオチですが、暴排のせいで「人を泣かせない合法なビジネス」がシノギにできないのですから、何だってやるしかありません。過度な暴力団排除で、いいことは何もありません。「ヤクザをやめろ」というなら、正業に就けるようにしないと「貧困暴力団」による犯罪がますます増えますよ。

■暴排が生んだ「貧困暴力団」

 災害から話が飛びますが、「貧困暴力団」が問題になっているようですね。暴排条例によって正業に就けず、困窮のあまり「任俠」を忘れてなりふり構わない暴力団、というような意味らしいです。報道によれば、「貧困暴力団」の犯罪は、薬物、密漁、他組織や半グレとの連携などだそうで、「いや、それは昔からだし」というのがヤクザ業界の共通した見方です。

 「新しい脅威」とかいわれていますが、これだけ締めつけられれば、今までやらなかった犯罪だってやりますよ。さすがに海外銀行の内部情報をハッキングしてATMで14億円ものお金を一斉に不正引き出しするような事件は、以前では考えられませんでしたね。2016年の事件ですが、関係者の逮捕は最近まで続いています。

 こうした犯罪を可能にしたのは、テクノロジーですね。LINEで連絡を取り合っていたそうですが、全員と連絡を取って指令を出していたのは数人でしょう。みんなでやっていたら、必ず取り分でモメますからね。ヤクザらしくない犯罪に走らせているのが、暴排条例なんですよ。

 ヤクザも元ヤクザも、正業に就けていれば犯罪も減りますし、何より労働現場での人手不足も解消されますよ。これからは建設業を含めて空前の人手不足時代がやってきますし、大災害時にもヤクザが活躍したら、かなり助かると思います。

“極妻への質問”ナンバーワンはアレ! 元極妻が明かす「オットの真珠」の真相

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■極妻への質問で一番多いのは……

 突然ですが、もうすぐこの連載が本になります。なんと徳間書店さん。「アサヒ芸能」(同)は夫婦で愛読しておりましたので、感無量です。

 ガチで裏社会にいた私がここで書かせていただくのも、かなりおこがましいのに、さらに単行本……。早すぎる展開にクラクラしますが、面白くてやがて哀しきヤクザ社会について、もっと知っていただきたいというのも本心ですしね。今まで何度かいただいていたテレビ出演のご依頼はご辞退させていただいておりましたが、本の宣伝のために、これからは謹んでお受けしようかしらとも思っております。

 前置きが長くなりました。サイゾーウーマンの編集者さんは女性なのですが、徳間書店さんは男性です。お打ち合わせでいろいろお話ししていると、「極妻への質問で一番多いのは、やっぱり『なんでヤクザと結婚したんですか?』ってことですか?」と聞かれました。

「いえ、むしろそんなふうにストレートにお聞きになる方は少ないですね。サイゾーウーマンでは聞かれましたけどね」
「じゃあ、どんなことを聞かれるんですか?」
「そうですねえ。『やっぱご主人、真珠入れてるんですか?』ですかね」
「えええええ? 結婚より全然どストレートじゃないですか!」
「そうですか?」

 ボケたつもりはなかったのですが、かなり驚かれましたね。

「で? どうなんすか? 姐さんのご主人は?」
「入れてましたとも」

 男性編集者さん、バカ受け。私は何度も聞かれているので、感覚がマヒしていたようです。オット亡きあと、極妻を卒業してけっこう時間がたっているのですが、まだまだ極妻気質は抜けませんね。

 それにしても、男性のシンボルに真珠を入れるというのは、一体どなたがお考えになったのでしょう? 東映の久々のヤクザ映画『孤狼の血』にも、マル暴刑事役の役所広司さんが、口を割らせるためにチンピラのシンボルを切開して真珠を取り出す場面が出てきます。とても痛そうでしたね。

 周囲のヤクザを見てみますと、実際に入れているのは半分くらいではないでしょうか。ムショでこっそり入れる場合と、パイプカッ○をする時についでに入れる場合が多いようです。手術ならともかく、ムショでは消毒もできないでしょうに、なぜやるんですかねえ。

 獄中は、刑務作業以外はあまりにもヒマなので、妄想くらいしかすることがないのだと思います。「外に待っているオンナがいる」とかですね。ホントにいれば面会に来てくれるはずですけど、だいたい来ないようです。

 ムショの真珠は、歯ブラシの柄などを刑務作業用の工具で丸く削って作ります。「真珠」ではなくプラスチックですね。シンボルに傷をつけて、これを埋め込むのですが、麻酔も消毒もナシですし、相当痛いでしょうねえ。化膿したらどうするんでしょうね。

 そういえば今年の「全国矯正展」では、刑務所内で摘発された「禁則品」が展示されていて、ケースにプラスチックらしき青い真珠大の粒が並べられていました。さすがに会場の方に「これがウワサの真珠ですか?」とは聞けませんでした。ちなみに全国矯正展は、毎年行われている刑務作業製品(受刑者が刑務所内の作業で作った、家具や雑貨などの製品)の即売会を兼ねた展示会で、たまにお邪魔しています。いろいろなものがあって、楽しいですよ。

■真珠を入れるのは、百害あって一利なし

 真珠を入れる人はいまだにいるようで、ムショでは2カ月に1回、「真珠や刺青が増えていないかどうか」の全裸検査があるそうです。刺青も入れる人がいるんですよ、獄中で。これも痛いでしょうね。

 シャバの外科医による「タマ入れ」は、ちゃんと麻酔をかけるわけですが、ついでにシリコンなんかも入れるようですね。こうなると、もはやサイボーグです。でも、相方としてはぜんぜん気持ちよくないというか、むしろ痛いだけですよ。ヘタしたら女性が出血することもあるようです。とはいえ、もともとは「女性を喜ばせたい素敵なオレちゃん」的な発想で、悪気はないのです。女性たちも優しいから、文句を言わないんですね。

 これを読んで真珠を入れたくなる殿方は、まずいらっしゃらないと思いますが、普通の女性は真珠入りを見たら逃げます。手術をすればお金はかかるし、痛いし、女性は嫌がるしで、いいことはひとつもありません。それよりも、本物のダイヤモンドでもプレゼントしたほうがいいですね。

元極妻が考える日大アメフト部事件——「鉄砲玉」に「破門」なんてヤクザ映画の見すぎ

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■ヤクザと付き合うのがダメなワケ

 日大のアメフト部事件、前任の監督とコーチの「除名」で落ちつくかと思っていましたが、ちょっと前に「流出」してた理事長さんとヤクザの大親分のツーショット写真がまた浮上したりして、どうなることやらです。でも、「黒い交際」を今になって暴露されるのはさすがにお気の毒です。いい悪いは別にして、ちょっと前までは政財界の大物と大親分のお付き合いは珍しくなかったのです。安倍晋三総理も、そういう問題が取り沙汰されていましたし。

 そもそも、なぜヤクザと付き合うのがダメなのでしょうか?

 暴排条例では、「暴力団関係者と交際しない」ことを基本理念にしています。あくまでも「理念」なんですよ。で、この理念の下に「何かをあげる(「利益供与」といいます)のはダメ」とか「名義貸しをしてはダメ」とか決められているんですね。

 名義貸しはともかく「利益供与」とは何なのかというと、実はよくわかりません。たとえば見た目が「反社会的勢力」な人がコンビニへお弁当を買いに来た時に、売ってもいいのでしょうか? 都条例では、この人が「暴力団員かどうか」を毎回確認しなくてもいいとしています。

「この規定については、努力義務規定であり、例えば、スーパーやコンビニで日用品を売買するなど、通常、一般的に取引の相手方について身分を確認しないような場合についてまで、あえて相手方の確認をするよう求めるものではありません」と、警視庁のサイトにはわざわざ明記されています。

 たぶんどの自治体も同じでしょうね。確認していたらキリがないからなのでしょうが、こういうのって、いちいち書くことなんでしょうか?

 ちょっと笑ったのは、ネット上で反則タックルした日大アメフト部選手のMさんが「鉄砲玉」、タックルを指示した監督が「組長」、コーチが「見届け役」になぞらえられていたことです。除名が「破門」というわけですが、それはヤクザ映画の見すぎ(笑)。

 私はむしろMさんの中に、戦争中に亡くなった少年兵の姿を思いました。一部の権力者たちの勝手で戦死しなくてはならなかった人たちは、どれだけいたことでしょう。なんの補償もなく「死んでこい」と。ヤクザよりひどいです。

 これに対して、ヤクザの鉄砲玉には報酬があります。今はダメですが、かつての鉄砲玉は敵をトれ(殺せ)ば、出所後はそれなりのポジションに就けて、マイホームも買えた時代がありました。家族や愛する人のために自ら志願したんです。

 映画のお話になっちゃいますが、『仁義なき戦い 頂上作戦』では、小倉一郎さん演じる野崎弘が幼い弟妹にテレビを買ってあげるために初めて人を殺します。野崎は組員ではなく、「被爆したお母さんたちと原爆スラムに住んでいるチンピラ」という設定でした。

 では、日大のMさんはどうでしょうか? 仮にタックルが問題にならなかったとしても、テレビはもちろん、お小遣いすらもらえなかったでしょう。もらうべきものではないですしね。

 こういうことは、成功しても失敗しても、悲しい結果にしかなりません。来年の今ごろは、タックル事件をほとんどの人が忘れているでしょうが、ネットには永久に残ります。まだお若いMさんは、お気の毒としかいいようがないです。私はお会いする機会はないと思いますが、周囲の方は温かく見守ってあげてくださいね。

元極妻が語る、神戸山口組「山健組」の代替わりと20年間「刑事被告人」だった親分の死

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■ヤクザのマフィア化も心配です

 暑かったり寒かったり、地震があったりで落ち着きませんが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 稼業の世界も何かと落ち着きませんね。

 中でも3年前に発足した神戸山口組の中核組織である「山健組」の代替わりは注目されました。もともとは山口組・田岡一雄三代目の腹心の部下だった山本健一氏がつくった組織で、この5月に五代目体制が発足しています。このことに関連して、神戸山口組からさらに分かれた「任侠山口組」との「三つ巴」の関係の変化や、移籍や引退者の動向が注目されていたのです。

 私のオットの元若い衆の話やネットのウワサによりますと、それほどたくさんの移籍や引退はないみたいですね。それでもメディアは「県警は新人事が抗争の火種になる恐れもあるとみて警戒を強めている」(5月16日付「神戸新聞」)などと、カタギの皆様の不安をあおるのがお得意ですが、まあ今どきドンパチはないですよ。抗争になればトップが逮捕されるからです。ただでさえヤクザ社会への逆風が強い時代に親分不在では、組織が運営できませんからね。実行犯の刑罰も重く、人生の時間ももったいないですし。

 仮に誰かを襲撃するなら、犯人が誰だかわからないようにするでしょう。完全なマフィア化ですね。「きっちり『いい仕事』をして自首する」というかつての日本の侠(おとこ)はもう絶滅です。

 もうひとつ、山口組をめぐって気になるニュースがありました。

 5月9日に、山口組で若頭補佐や顧問を歴任した芳菱会(現・國領屋一家)の元総長・瀧澤孝氏(80歳)が亡くなられました。瀧澤氏は、2009年に引退されていますが、01年に「ボディガード役の子分さんに拳銃を持たせていた」という銃刀法違反で起訴されて以来、亡くなるまでの約20年を「刑事被告人」として過ごされたことで、ヤクザやメディア関係者の間では有名な方です。

 1997年に山口組五代目の若頭だった宅見勝氏が射殺されてから、「親分衆はボディガードに銃を持たせている」という警察の見込み捜査が続いていたのですが、瀧澤氏は「銃の所持は指示していない」と最初から否認していました。

 結果は、一審も二審も無罪。ざっくりいうと、「拳銃を持つように命令したかどうか証拠がない」すなわち「ヤクザだからって、指示したかどうかわからないなら、無罪でいいじゃん」的な判断だったのです。今では考えられませんけどね。でも、最高裁は「明確な指示? そんなこと知るか。暴力団組長に無罪判決なんか出せねえ」と思ったらしく、地裁に差し戻しました。それで、地裁がまた無罪判決を出し、次は高裁が再び差し戻し……という異例の無限ループ裁判となったのです。

 瀧澤氏が亡くなられた日は、大阪高裁でナント8度目(!)の審理となる「第二次差し戻し控訴審」の判決が言い渡される予定でした。氏は以前から体調を崩されていて、この日も弁護団が健康上の理由で公判手続き停止を求めていたと報道にありました。被告人である瀧澤氏が亡くなられたことで公訴棄却となりましたが、ご存命であれば、まだまだ続いていたのでしょう。すごいお話ですね。

 弁護士さんは儲かったかもしれませんが、基本、裁判が開かれるために使われるお金は全部税金です。なんでこんなムダが堂々と行われているのでしょうか? 誰か止める人はいなかったんですかね。

 ちなみに、瀧澤氏の起訴とほぼ同時期に、現在の山口組六代目である司忍氏、三代目山健組の桑田兼吉氏(07年死去)も同様の案件で起訴されています。司氏は一審では無罪だったものの、05年に有罪が確定、桑田氏は一審から有罪で03年に確定して、それぞれ収監されています。そういえば司氏は10億円、瀧澤氏は12億円という破格の保釈金も当時は話題でした。

 今なら間違いなく一審から有罪でしょうが、ズルズルと結論を先延ばしにされるのも、気持ちのいいものではないですね。それにしても、晩年をずっと刑事被告人として過ごされるのって、どうなんでしょうか? 「病状の悪化は、裁判のストレスが原因」とおっしゃる関係者もいらっしゃいます。迅速な裁判を受ける権利は、憲法で保障されているのに、ヤクザにはそれすら認められません。まさにヤクザであることが罪だという「ヤクザ罪」です。

 「それがイヤならヤクザをやめろ」と思われるでしょうね。でも、やめても生活できる方は限られていますし、瀧澤氏クラスになれば、たくさんの若い衆を養わなくてはならないので、簡単にはやめられないでしょう。元当事者として、いろいろ考えさせられるニュースでした。

松山刑務所の脱走犯は逮捕されて「ほっとした」!?  元極妻が語る、受刑者が逃亡する心理

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■脱走の理由は「人間関係」

 4月30日、愛媛・今治の松山刑務所の作業場から脱走していた受刑者のHさんが20日以上の逃亡の末に逮捕されましたね。ひとまず誰かを殺したり、本人が死んだりしていなかったので、ほっとしています。

 報道によると脱走の理由は「人間関係」で、刑務官のいじめも指摘されているそうですね。松山刑務所は処遇の厳しさで知られる施設ですから、若いHさんには耐えられなかったのかもしれません。逮捕容疑は単純逃走だけのようでしたが、これから窃盗罪や住居侵入罪もつくでしょうから、服役期間も長くなるでしょう。若いんだから、がんばってほしいですね。

■「捕まってほっとした」

 今回に限らず、逃亡犯はむしろ捕まって「ほっとした」と言うことが多いですね。1997年の山口組の若頭射殺事件のヒットマンの1人は、16年にわたる逃亡生活を経て2014年に逮捕されましたが、やはり「ほっとした」と漏らしたと報道にありました。20年近くもどんな思いで逃げていたのかを考えると、「やっぱりヤクザの末路は哀しいなあ」と思ってしまいます。逃げるくらいなら事件を起こさなきゃいいのに……と言うのは簡単なのですが、そこは「ヤクザの諸事情」というやつですね。生きるためには致し方ないこともあるんですよ。

 ていうか、Hさんは13年に逮捕(パク)られるまでに121件もの窃盗や車上荒らしを重ねていたそうですが、それまで警察はナニをしてたんでしょうかね? 今回だって、すぐにパクられると思ったのに、時間がめちゃめちゃかかったのはどういうことなんでしょう?

 Hさんが窃盗を重ねたり、脱走を思いついたりした時に、「やめとけ」と言ってくれる人がそばにいればよかったのですが、そういう人間関係には恵まれなかったのでしょうね。

 もともとヤクザの親分の家とは、人間関係のうまくいかない人たちが集まる「場」でもありました。いわゆる「組事務所」ではなくて、親分のおうちに行けば、組員でなくても食べさせてもらえたんです。それでそのうち組員になって、悪いことをするんですけどね。『山口組三代目 田岡一雄自伝』(徳間書店)にも、戦後の貧しい時期、ごはんを食べに押しかけてくる若者たちのために、三代目の姐さんが苦労して食事を用意するお話が出てきます。

 私が現役(笑)の頃はそんなでもなかったですが、やっぱり若い衆は食べる量が違いますから、当番のコたちといろいろ工夫したものです。ごはんだけではなくて、彼女とケンカした時に仲直りの方法を一緒に考えたりしてました。

 短気なオットやカシラ(若頭、いわゆるナンバー2)に怒鳴られた若いコに、「『出てけ』って言われても、出ていかないで謝ってみて。どうせケロッとしてるわよ」って諭したりと、けっこう姐っぽいこともしてましたね。今思い出しましたけど。

■「和める場」がどんどん減っている

 最近は組事務所が機能しなくなって、姐さんたちもそういうことを言える機会もないし、そもそも若いコたちと顔を合わせないのでしょう。「和める場」がどんどん減っているから、世知辛い事件も起こるのかなと思います。

 そういえばウチじゃないですけど、親分から「出てけ」って言われて出て行った若いコが、行き場がなくてコンビニ強盗をやらかして逮捕された事件もありました。侠(おとこ)の世界ですから、もちろんそういうこともあるのですが、心細い時にそばにいてあげるのが、姐さんの務めなんです。

 まあ、あんまりしゃしゃり出ると、「めんどり(女性、そして極妻のことですね)がうるさい組は長持ちしない」とか「出しゃばり」って言われちゃいますから。こう見えて、(元)極妻もいろいろタイヘンなんですのよ(笑)。

ハッテン場で強盗殺人後に自殺……元極妻が語る、元ヤクザ「夜回り組長」の哀しき末路

gokutsuma24 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■強盗殺人事件で逃走中に、別の事件を起こして自殺

「イシハラさんがハッテン場で人を殺してトンで(逃げて)るってウワサ、聞いてます?」

 昨年の暮れ頃に、オットの若い衆だったサブちゃん(仮)から聞かれたことがありました。「ハッテン場」がわからない方は、ググってくださいね。

「イシハラさんて?」
「夜回り組長の……」
「ああ、石原伸司さん……。不良の更生支援してるんじゃなかったっけ?」
「最近はカネに困ってたみたいです。自分の知り合いも、カネ貸してました」
「ふうん……」

 その時はそんな話だったのですが、単なるウワサのようでもあり、正直スルーしていました。でも4月になって、この石原さんが強盗殺人を犯して逃走中に、別の傷害事件を起こし、自殺していたことが報道されて、びっくりしました。

■浮浪児からヤクザ、そして作家へ

 私は石原さんとは面識はなかったのですが、元ヤクザで作家活動をされているということで、知り合いの記者さんからご本をいただいたことがありました。幼少期はいわゆる浮浪児(今でいうストリートチルドレン)で、銀座のホステスさんに拾われて読み書きを習ったそうです。

 今は私を含めて浮浪児を見たことのない人のほうが多いでしょうが、古参の親分衆の中には浮浪児だった方も結構います。たとえば2013年に死刑が執行された熊谷徳久受刑者はヤクザではありませんが、終戦直後に浮浪児として育ち、多くの事件を起こして死刑判決を受けました。自分の本名も知らなかったそうです。

 浮浪児だった石原さんに、読み書きを教えてくれたホステスさん……。なんか話ができすぎで、どこまで本当か微妙でしたが、石原さんと懲役で一緒だったことのあるサブちゃんは、石原さんが毎日本を読んで、小説を書いているのを見ています。

 「掃除とかはよくさぼるけど、キホンは気のいいオッサンで、『読み書きは大事だ。オレは作家になるんだ』って言ってました」とサブちゃん。

「でも当時から『両刀』をカミングアウトしていたんで、みんな引いてましたね」
「えー! 閉鎖空間で、その発言はないわ」 

 それはさておき、ムショはヒマなので、仕方なく読書をする人は多いのですが(私のオットもそうでした)、石原さんはもともと本がお好きで、才能もおありだったのでしょう。出所されてからは作家としてデビューされ、ご著書も何冊か出されていますし、ご自身の経験を生かしてか「夜回り組長」として少年少女たちの更生支援を続けておいででした。

 ご本人をモデルにした映画(『逢えてよかった。』)も製作されていますし、テレビや雑誌でご活躍をご覧になった方も多いでしょうね。それに、歌舞伎町で夜回りをしていた石原さんに声をかけられ、編集者を紹介されてライターになった方もいらっしゃいます。私の周囲にもファンこそいませんが、特にディスる人もいませんでした。

 とはいえ世間様は不良や元不良には冷たいですから、冷淡に見る方も多かったと思います。そして、最悪の結果となってしまいました。

■生活保護も受給していた

 石原さんは、それなりにご活躍だったと思うのですが、なんでこんなことになってしまったのでしょうか?

 4月17発売の「週刊アサヒ芸能」(徳間書店)によると、石原さんは妹さんが亡くなって生活できなくなったそうで、去年くらいから記者さんたちにもお金を借りてたんですね。でも、サブちゃんが聞いてきた話では、生活保護は以前から受けていたそうです。

 元不良が生活保護を受ける例は結構ありますし、贅沢しなければ生活できるはずなのですが、実際には難しいのでしょう。アサ芸の記事には、最後に住んでいたアパートに「コワモテ」が訪れていたとありました。コワモテ……。借金取りですね。そのコワモテから逃げるために、ハッテン場に潜伏していたのでしょう。

 一方で、石原さんの事件には「愛欲絡み」のウワサも消えません。報道によれば、絞殺された被害者さんが着ていたガウンには体液(!)もついていたそうですね。殺すつもりはなくて、単なる「首絞めプレイ」だったということでしょうか。いずれにしろ、ヤクザの最期は哀しいものです。

 被害者さんとともに、石原さんにも合掌させていただきます。来世は安らかな人生を送れますように。

ハッテン場で強盗殺人後に自殺……元極妻が語る、元ヤクザ「夜回り組長」の哀しき末路

gokutsuma24 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■強盗殺人事件で逃走中に、別の事件を起こして自殺

「イシハラさんがハッテン場で人を殺してトンで(逃げて)るってウワサ、聞いてます?」

 昨年の暮れ頃に、オットの若い衆だったサブちゃん(仮)から聞かれたことがありました。「ハッテン場」がわからない方は、ググってくださいね。

「イシハラさんて?」
「夜回り組長の……」
「ああ、石原伸司さん……。不良の更生支援してるんじゃなかったっけ?」
「最近はカネに困ってたみたいです。自分の知り合いも、カネ貸してました」
「ふうん……」

 その時はそんな話だったのですが、単なるウワサのようでもあり、正直スルーしていました。でも4月になって、この石原さんが強盗殺人を犯して逃走中に、別の傷害事件を起こし、自殺していたことが報道されて、びっくりしました。

■浮浪児からヤクザ、そして作家へ

 私は石原さんとは面識はなかったのですが、元ヤクザで作家活動をされているということで、知り合いの記者さんからご本をいただいたことがありました。幼少期はいわゆる浮浪児(今でいうストリートチルドレン)で、銀座のホステスさんに拾われて読み書きを習ったそうです。

 今は私を含めて浮浪児を見たことのない人のほうが多いでしょうが、古参の親分衆の中には浮浪児だった方も結構います。たとえば2013年に死刑が執行された熊谷徳久受刑者はヤクザではありませんが、終戦直後に浮浪児として育ち、多くの事件を起こして死刑判決を受けました。自分の本名も知らなかったそうです。

 浮浪児だった石原さんに、読み書きを教えてくれたホステスさん……。なんか話ができすぎで、どこまで本当か微妙でしたが、石原さんと懲役で一緒だったことのあるサブちゃんは、石原さんが毎日本を読んで、小説を書いているのを見ています。

 「掃除とかはよくさぼるけど、キホンは気のいいオッサンで、『読み書きは大事だ。オレは作家になるんだ』って言ってました」とサブちゃん。

「でも当時から『両刀』をカミングアウトしていたんで、みんな引いてましたね」
「えー! 閉鎖空間で、その発言はないわ」 

 それはさておき、ムショはヒマなので、仕方なく読書をする人は多いのですが(私のオットもそうでした)、石原さんはもともと本がお好きで、才能もおありだったのでしょう。出所されてからは作家としてデビューされ、ご著書も何冊か出されていますし、ご自身の経験を生かしてか「夜回り組長」として少年少女たちの更生支援を続けておいででした。

 ご本人をモデルにした映画(『逢えてよかった。』)も製作されていますし、テレビや雑誌でご活躍をご覧になった方も多いでしょうね。それに、歌舞伎町で夜回りをしていた石原さんに声をかけられ、編集者を紹介されてライターになった方もいらっしゃいます。私の周囲にもファンこそいませんが、特にディスる人もいませんでした。

 とはいえ世間様は不良や元不良には冷たいですから、冷淡に見る方も多かったと思います。そして、最悪の結果となってしまいました。

■生活保護も受給していた

 石原さんは、それなりにご活躍だったと思うのですが、なんでこんなことになってしまったのでしょうか?

 4月17発売の「週刊アサヒ芸能」(徳間書店)によると、石原さんは妹さんが亡くなって生活できなくなったそうで、去年くらいから記者さんたちにもお金を借りてたんですね。でも、サブちゃんが聞いてきた話では、生活保護は以前から受けていたそうです。

 元不良が生活保護を受ける例は結構ありますし、贅沢しなければ生活できるはずなのですが、実際には難しいのでしょう。アサ芸の記事には、最後に住んでいたアパートに「コワモテ」が訪れていたとありました。コワモテ……。借金取りですね。そのコワモテから逃げるために、ハッテン場に潜伏していたのでしょう。

 一方で、石原さんの事件には「愛欲絡み」のウワサも消えません。報道によれば、絞殺された被害者さんが着ていたガウンには体液(!)もついていたそうですね。殺すつもりはなくて、単なる「首絞めプレイ」だったということでしょうか。いずれにしろ、ヤクザの最期は哀しいものです。

 被害者さんとともに、石原さんにも合掌させていただきます。来世は安らかな人生を送れますように。