芸能人はヤクザが好き!? 元極妻が考える「暴力団と芸能界」

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■吉本興業問題に元組長が発言

 この暴排の世の中で、「発言する元親分」がここまで増えるとは、誰が想像できたでしょう。元山口組の直参(二次団体)の天野組・天野洋志穂(よしお)元組長が「週刊ポスト」(小学館)のインタビューに応じて、吉本興業問題を「スケールが小さ過ぎてイヤになる」とコメントしたことが話題になっています。

 お写真で見る限り、数えで傘寿の天野元組長は、とてもお元気そうです。そもそもヤクザや元ヤクザが元気で長生きする時代が来たというのもすごいですね。天野組長は、山口組の中でも「武闘派」と呼ばれた方で、1997年に射殺された宅見勝若頭の宅見組の副組長でした。若頭の仇(かたき)である中野会の副会長を、キッチリ若い衆に撃たせています。このことは、中野会の中野太郎元会長の著書『悲憤』(講談社)にも詳しく書かれています。中野会副会長も人望があったそうで、中野元会長もショックと怒りを隠せなかったそうです。思えば中野元会長も「発言する元親分」ですね。やはり当事者の言葉は重いですね。

■山口組との「関係」で干された美空ひばり

 「週刊ポスト」の天野元組長へのインタビュー内容は、芸能界とヤクザの関係が中心でした。まあ登場人物は高倉健さんとか勝新太郎さんとかなので新しくはないのですが、昔はそれなりにカタギと親分衆が仲良くできていたことはわかります。

 ただ、よくいわれる美空ひばりさんと三代目山口組の田岡一雄組長の関係は、当時も問題視されていました。もちろん今ほどの大問題にはなっていませんが、「暴力団組長と付き合うような歌手は『紅白歌合戦』に出演させるな」といった苦情がNHKにたくさん寄せられたそうです。その頃にひばりさんの実弟さんが不祥事を起こしてしまい、さらにバッシングも強まっています。でも、ひばりさんが実弟さんや田岡組長から離れることはありませんでした。

 結局、ひばりさんは73年末には紅白出場を辞退させられています。それまで17回も出場して、63年から10年連続の紅組トリを務めたのに、その後は特別出演などはあっても正式な出場はしていないとウィキペディアにもあります。半世紀近く前の話ですが、構造的には今と変わらないんですね。

「今はもう、われわれが芸能界から恩恵を受けることは一つもない」
「利益供与なんか一銭もない。むしろ、われわれは利用されている」

 六代目山口組・司忍組長は、産経新聞に芸能界との関係をこう明かしています。 

 ちなみに主な「利益供与」とは、ヤクザが芸能人にお小遣いをあげるほうですね。芸能人からお金を取り上げるヤクザもゼロとは言いませんが、基本的にヤクザも芸能人が好きなので、「ワシ、○○と友だちやねん」とか自慢したいし、自慢できる関係になるのが「恩恵」なのだと思います。

 というか、そもそも「飲む・打つ・買う」がキホンの芸人さんを時間通りに高座やテレビ局に行かせたり、芸人さん同士のトラブルを収めたりするのもコワモテの仕事ですからね。怖い人が言わなければ、言うことなんか聞きません。

 芸能人も芸能人で、今でもたまに「黒い交際」などと報道されたりしますが、ヤクザと付き合う人は珍しくありませんでした。というか、むしろ喜んで付き合ってましたね。むしろ芸能人のほうが、ヤクザを好きな気がします。

 なお、以前も書かせていただきましたが、大物歌手のKさんは、年齢もあって紅白を引退するつもりだったのに、「今やめたら、『やっぱりヤクザと関係があったんかい!』とうわさになるので、仕方なく続けた」そうです。真偽のほどは微妙ですが、ありそうなお話ですね。

元極妻が考えるヒットマンと引きこもり――「いろんな人」が排除される社会が生んだ悲劇

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■突然のヒットマン指名

 先月末に、『満期出獄 ヒットマン・中保喜代春』(かや書房)というまたまたすごい本が出版されました。中保さんは、あの「五代目山口組・宅見勝若頭射殺事件」の実行犯のお一人です。

 著者は大ベテランの木村勝美さんで、これまでも若頭射殺事件に関して何冊も本を書かれています。組織のために長い懲役を務めて出所された中保さんの気持ちが、著者との獄中書簡なども交えながらつづられています。ちなみに中保さん自身も、獄中から2001年に『ヒットマン―獄中の父からいとしいわが子へ』(講談社)を出版されていて、これも興味深かったです。事件(1997年)の翌年10月に逮捕され、逮捕の前月には息子さんも誕生されていたのに……。ヤクザとして生きている以上は仕方ないことでもあるのですが、事件を通じて関係者への恨み節もにじんでいます。

 ネタバレしない程度でお話をご紹介しますと、中保さんの稼業入り(ヤクザデビュー)は46歳とかなり遅めなのですが、もともと頭がよくて、シノギもうまくいっていたようです。事件のあった97年当時は、バブル経済崩壊後の不景気や92年に施行された暴対法の影響はあったものの、まだヤクザの居場所はありました。

 中保さんはシノギがちゃんとしているので「ちゃんとしたヤクザ」と見なされたのでしょうか、所属していた中野会の幹部に目をかけられ、ヒットマンとしてスカウトされてしまいます。

「目をかけてくれるのは、はっきりいって、ありがた迷惑でした」

 中保さんは、自著でこう振り返っているほどです。中野会とは、若頭射殺事件後に絶縁された中野太郎会長率いる山口組の二次団体です。会長以下、皆さんの個性が強烈すぎることで有名でした。このあたりは会長の自著『悲憤』(講談社)に詳しく、おもしろエピソードもありますよ。今回の『満期出獄~』も、この中野会幹部への恨みがかなり多めです。

「きっちりタマを取らないかん。おまえらそのメンバーや」

 秘密の会合でこう言われ、「一同は凍りついた」そうです。そりゃそうですね。でも、断ったら自分が殺されますから、仕方なく指名された面識のない3人とグループを作り、同じ組織のナンバー2という雲の上の人の生命を狙うことになったのです。

 さて渋々と襲撃を決めたものの、実行犯グループは、若頭の追跡に四苦八苦します。事件当時の若頭は持病があって都内の病院に入院したりと、移動が多かったんですね。それでも、「その日」が来てしまいました。

 97年8月28日午後。神戸市内のシティホテルのほぼ満席の喫茶室に、サングラスに帽子、青色の作業服の4人の男が突然現れ、2人の山口組幹部とコーヒーを飲んでいた若頭を至近距離から銃撃しました。

「さすが、山口組の若頭や。並の根性とちがう」

 中保さんは『ヒットマン~』で、こう書かれています。45口径の銃弾を10発くらい撃ち込まれながらも、若頭はなおもつかみかかろうとしてきたのだそうです。即死ではなく、搬送先の病院で亡くなっていますしね。

 実行犯グループはいったん逃亡しますが、中保さんは逮捕されました。その後、1人は遺体で見つかり、あとの2人は懲役刑が確定しました。また、現場の指揮役は16年の逃亡の末に13年に逮捕され、無期懲役の刑が確定したことも話題になりました。

 六代目山口組・司忍組長は、産経新聞の記者にこう明かしました。

「そもそもやくざをしていて得なことはない。懲役とは隣り合わせだし、ときには生命の危険もある。それでも人が集まってくる。昔から言われることだが、この世界で救われる者がいるからだと思う」

「社会から落ちこぼれた若者たちが無軌道になって、かたぎに迷惑をかけないように目を光らせることもわれわれの務めだと思っている」

 落ちこぼれがヤクザの世界に入ることで救われる……というのは、今となっては説得力がないのですが、最近は就職氷河期世代の男性の事件も目立ちますよね。川崎で児童を含む20人を殺傷した男性、エリートのお父さんに殺された息子さん、ネットで相手を「低能」と罵倒していた「低能先生」による有名ブロガーの殺害。そして、7月18日には京都アニメーションで放火殺人事件がありましたが、これも犯人は41歳男性だそうです。

 これらを「ヤクザが目を光らせない結果」とは言いませんが、「ヤクザという厄介者」だけではなく、「いろんな人」が排除される社会で、悲劇が繰り返されているのかなと思います。

爆笑問題・太田光も「排除のいきすぎ」を懸念――元極妻が考える、逃亡犯とヤクザの情報網

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■太田光の闇営業問題をめぐる発言

「なにが、光り輝く社会だ。こんなふうに(宮迫博之たちを)社会的に(寄ってたかって)抹殺して」(7月3日付スポニチアネックス)

 素晴らしいですね、爆笑問題の太田光さんのコメント。本当にその通りだと思いました。いわゆる芸人さんの反社会的勢力(反社)関係者への闇営業問題をめぐっての発言です。ちょっとでも反社の匂いがすれば容赦なく抹殺する空気が気になっていたのですが、太田さんのほかにも「排除のいきすぎ」を懸念する発言は出てきていますね。

 元極妻の私が反社叩きを批判するのもアレかしら……と思っていたところでしたので、溜飲が下がりました。

■恐るべきヤクザの情報網

 神奈川県内で実刑判決確定後に逃走、4日後に逮捕されたKさんも「テキヤの息子」で、「暴力団員の知人が多い」ことが報道されていますね。

 6月23日早朝に知人のアパートの部屋にいたところを逮捕された時には、なぜか複数の男女がいて、女性の泣き声も聞こえていたそうです。女性が泣く理由がわかりませんが、覚醒剤を使ったらしい注射器も何本か見つかっていますね。

 Kさんは服や髪形を変えながら逃げていたそうですが、たこ八郎さん(古いですね)を思い出させる前髪が印象的でした。

 それにしても、Kさんに関する報道は錯綜していますね。傷害致死から強姦、大規模窃盗など前科13犯(!)で人生の半分を刑務所で過ごしているのに、なぜか奥様やお子さんもいて、家族思いの面があり、女性にもモテるようです。

 「FLASH」(7月16日号/光文社)によると、暴走族を経て18歳でヤクザになっていますが、その後に脱退、窃盗団を率いて盗みを繰り返し、覚醒剤も使用していたそうです。

 Kさんを知るヤクザは、FLASHの記者さんに「キレたら手のつけられない、ヤバい男だった」とか、「とにかく何をしでかすかわからない男で、今回の逃亡劇も、彼ならやりかねない」と思ったとか明かしています。現役にここまで言わせるのはたいしたものですが(笑)、実際にはKさんの動きは全部把握していたようです。

 同じ記事で現役さんは「いくらでも居場所は追跡できるし、このまま逃走させて、警察からデカい懸賞金がかけられるまで泳がしておこう」となっていたことも話していました。まあ殺人でもないので懸賞金は冗談でしょうね。もちろんKさんを逃がした検察が、責任を取って懸賞金の原資を出せば別ですが。とはいえ地元ヤクザがKさんの動きを把握していたというのは、さすがです。監視カメラよりも正確なんですね。

 実は、「犯罪の検挙率が下がっているのは、ヤクザが捜査に協力しないから」という説があるのです。私は、これはあながち間違いではないと思います。ヤクザの情報網をナメちゃだめですよ。

 戦後しばらくの検挙率は7割台と、とっても高かったのですが、これはかなりテキトーな見込み捜査の可能性も高く、冤罪の問題もありました。それで、90年代に入る頃までは5~7割台で推移していましたが、どんどん下がってしまい、2001年には過去最悪の19.8%となっています。10人の泥棒のうち2人も捕まえられないのです。ここ何年かは3割台で推移していますが、それでも3人しか捕まえられないということですね。

 暴力団対策法(暴対法)が施行される1992年の少し前まではヤクザと警察は協力関係にありましたから、犯人検挙に結びつく情報交換も盛んだったのです。最近のヤクザは、警察にはほとんど協力しないそうですよ。

 話が飛んでしまいましたが、Kさんの今後も気になりますね。尿から覚醒剤の陽性反応も出たそうですから、確定していた窃盗(3年8カ月)や今回の公務執行妨害と併せて、7年くらいは服役するとみられています。出所したら、ご家族は温かく迎えてくれるのでしょうか?

爆笑問題・太田光も「排除のいきすぎ」を懸念――元極妻が考える、逃亡犯とヤクザの情報網

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■太田光の闇営業問題をめぐる発言

「なにが、光り輝く社会だ。こんなふうに(宮迫博之たちを)社会的に(寄ってたかって)抹殺して」(7月3日付スポニチアネックス)

 素晴らしいですね、爆笑問題の太田光さんのコメント。本当にその通りだと思いました。いわゆる芸人さんの反社会的勢力(反社)関係者への闇営業問題をめぐっての発言です。ちょっとでも反社の匂いがすれば容赦なく抹殺する空気が気になっていたのですが、太田さんのほかにも「排除のいきすぎ」を懸念する発言は出てきていますね。

 元極妻の私が反社叩きを批判するのもアレかしら……と思っていたところでしたので、溜飲が下がりました。

■恐るべきヤクザの情報網

 神奈川県内で実刑判決確定後に逃走、4日後に逮捕されたKさんも「テキヤの息子」で、「暴力団員の知人が多い」ことが報道されていますね。

 6月23日早朝に知人のアパートの部屋にいたところを逮捕された時には、なぜか複数の男女がいて、女性の泣き声も聞こえていたそうです。女性が泣く理由がわかりませんが、覚醒剤を使ったらしい注射器も何本か見つかっていますね。

 Kさんは服や髪形を変えながら逃げていたそうですが、たこ八郎さん(古いですね)を思い出させる前髪が印象的でした。

 それにしても、Kさんに関する報道は錯綜していますね。傷害致死から強姦、大規模窃盗など前科13犯(!)で人生の半分を刑務所で過ごしているのに、なぜか奥様やお子さんもいて、家族思いの面があり、女性にもモテるようです。

 「FLASH」(7月16日号/光文社)によると、暴走族を経て18歳でヤクザになっていますが、その後に脱退、窃盗団を率いて盗みを繰り返し、覚醒剤も使用していたそうです。

 Kさんを知るヤクザは、FLASHの記者さんに「キレたら手のつけられない、ヤバい男だった」とか、「とにかく何をしでかすかわからない男で、今回の逃亡劇も、彼ならやりかねない」と思ったとか明かしています。現役にここまで言わせるのはたいしたものですが(笑)、実際にはKさんの動きは全部把握していたようです。

 同じ記事で現役さんは「いくらでも居場所は追跡できるし、このまま逃走させて、警察からデカい懸賞金がかけられるまで泳がしておこう」となっていたことも話していました。まあ殺人でもないので懸賞金は冗談でしょうね。もちろんKさんを逃がした検察が、責任を取って懸賞金の原資を出せば別ですが。とはいえ地元ヤクザがKさんの動きを把握していたというのは、さすがです。監視カメラよりも正確なんですね。

 実は、「犯罪の検挙率が下がっているのは、ヤクザが捜査に協力しないから」という説があるのです。私は、これはあながち間違いではないと思います。ヤクザの情報網をナメちゃだめですよ。

 戦後しばらくの検挙率は7割台と、とっても高かったのですが、これはかなりテキトーな見込み捜査の可能性も高く、冤罪の問題もありました。それで、90年代に入る頃までは5~7割台で推移していましたが、どんどん下がってしまい、2001年には過去最悪の19.8%となっています。10人の泥棒のうち2人も捕まえられないのです。ここ何年かは3割台で推移していますが、それでも3人しか捕まえられないということですね。

 暴力団対策法(暴対法)が施行される1992年の少し前まではヤクザと警察は協力関係にありましたから、犯人検挙に結びつく情報交換も盛んだったのです。最近のヤクザは、警察にはほとんど協力しないそうですよ。

 話が飛んでしまいましたが、Kさんの今後も気になりますね。尿から覚醒剤の陽性反応も出たそうですから、確定していた窃盗(3年8カ月)や今回の公務執行妨害と併せて、7年くらいは服役するとみられています。出所したら、ご家族は温かく迎えてくれるのでしょうか?

元極妻が考えるタピオカ&カラテカ・入江問題――「ヤクザとは知らなかった」では通用しない?

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■タピオカだけじゃないヤクザの商売

 「タピオカ屋がヤクザのシノギになっている」というニュースが話題ですね。ヤクザはタダ同然のものを高く売り、あなたが買ったものが知らないうちにヤクザの資金源になっているかもしれない……というお話です。

 タピオカに限らず、原価率は低ければ低いほどいいのがテキヤの世界。要するに安く作って高く売るということで、タピオカも相当安く作れるんですね。というか、不良たちが流行の商品に乗っかるのは、今に始まったことではないです。イタリアのマフィアが粗悪なオリーブオイルを売っているのも、前から問題になっています。 

 とはいえ、繁華街のボッタクリスナックみたいに「ビール大瓶1本10万円」という話ではないですよね。流行のタピオカミルクティーはせいぜい500円前後ですから、お店の維持費などを考えて、原価50円から100円くらいで作ったものをその値段で売っても、「ボッタクリ」とは言わないでしょう。それに、「屋台=暴力団」ということではないですし、仮に「実は暴力団員」がコッソリと売っていても、そこそこのお値段でおいしければ、消費者的にはOKですよね。

 では、何が問題なのでしょうか? 記事にもあるように、「あなたが買ったタピオカミルクティーが、暴力団の犯罪資金源になっているかもしれない」ということでしょうか?

 でも、それはわかんないですよ。資金源になっている可能性もなくはないですが、確認のしようがありません。本当に暴力団員のシノギだったとしても、そのお金でヤクザの子どもが学校に行ってるかもしれませんしね。

 今どきのヤクザや「準暴力団」の幹部などはみんなスマートで、ヤクザ映画に出てくるようなわかりやすい人は珍しいですが、今後は「知らなかったもので……」と言って通用するのかどうかは微妙ですね。その例が、先日の元カラテカの入江慎也さんの問題です。詐欺グループの関係者のパーティーに著名な芸人さんたちを誘って出席していたそうですが、「犯罪者とは知らなかった」とか。

 私は、「いろんなことが見えにくくなっていること」が問題だと思うのですが、見えにくくさせているのは、やっぱり暴排条例です。いいか悪いかは別として、以前はヤクザも堂々としていたので、「ヤクザとは知りませんでした」という言い訳は、あまり聞いたことがありませんでした。

 暴排条例が施行される前は、ヤクザが主催している宴席やゴルフコンペであるとわかった上で、芸能人の皆さんはおいでになっていました。事始めの余興などに売れない芸人さんをあえて呼んでお小遣いをあげている親分も結構いましたよ。お名前はさすがに出せませんけど、私も相当いろんな芸人さんにお会いしています。

 テレビで見たままの方や、まるで別人のような印象の方、「ネーチャン、はよ酒つげや」と威張る方、いろいろでしたね。まあ私が極妻だからかもしれませんが、だいたいは皆さん感じよくて、楽しい方たちでした。これからは、そんな牧歌的なことはなくて、頼まれて撮った2ショット写真やパーティーの動画をさらされて、「黒い交際」とか言われるケースが増えるのでしょうか。なんとも世知辛いお話です。

 あとは、冤罪的な風評被害の問題もありますね。たとえば「○○店はヤクザが経営しているとのウワサ」とライバル店がネットで流したらどうでしょうか?

 「あの店、ヤクザ経営ってホント?」というウワサから、「どうやらヤクザらしい」、そして「ヤクザ経営に決まってる」と、尾ひれがついて広まってしまうかもしれませんよ。そして、いったんネットに出てしまうと、全部消すのは不可能です。その後は何かにつけて「○○店はヤクザ経営だ」と言われちゃいます。

 毎度同じ結論で申し訳ないですが、やっぱり過剰な暴排は「百害」しかないのです。排除されたヤクザがわかりにくい存在になったことで、知らないうちにヤクザと関わっていたとしたら、結局ソンをするのは一般の皆さんですからね。

元極妻が考えるタピオカ&カラテカ・入江問題――「ヤクザとは知らなかった」では通用しない?

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■タピオカだけじゃないヤクザの商売

 「タピオカ屋がヤクザのシノギになっている」というニュースが話題ですね。ヤクザはタダ同然のものを高く売り、あなたが買ったものが知らないうちにヤクザの資金源になっているかもしれない……というお話です。

 タピオカに限らず、原価率は低ければ低いほどいいのがテキヤの世界。要するに安く作って高く売るということで、タピオカも相当安く作れるんですね。というか、不良たちが流行の商品に乗っかるのは、今に始まったことではないです。イタリアのマフィアが粗悪なオリーブオイルを売っているのも、前から問題になっています。 

 とはいえ、繁華街のボッタクリスナックみたいに「ビール大瓶1本10万円」という話ではないですよね。流行のタピオカミルクティーはせいぜい500円前後ですから、お店の維持費などを考えて、原価50円から100円くらいで作ったものをその値段で売っても、「ボッタクリ」とは言わないでしょう。それに、「屋台=暴力団」ということではないですし、仮に「実は暴力団員」がコッソリと売っていても、そこそこのお値段でおいしければ、消費者的にはOKですよね。

 では、何が問題なのでしょうか? 記事にもあるように、「あなたが買ったタピオカミルクティーが、暴力団の犯罪資金源になっているかもしれない」ということでしょうか?

 でも、それはわかんないですよ。資金源になっている可能性もなくはないですが、確認のしようがありません。本当に暴力団員のシノギだったとしても、そのお金でヤクザの子どもが学校に行ってるかもしれませんしね。

 今どきのヤクザや「準暴力団」の幹部などはみんなスマートで、ヤクザ映画に出てくるようなわかりやすい人は珍しいですが、今後は「知らなかったもので……」と言って通用するのかどうかは微妙ですね。その例が、先日の元カラテカの入江慎也さんの問題です。詐欺グループの関係者のパーティーに著名な芸人さんたちを誘って出席していたそうですが、「犯罪者とは知らなかった」とか。

 私は、「いろんなことが見えにくくなっていること」が問題だと思うのですが、見えにくくさせているのは、やっぱり暴排条例です。いいか悪いかは別として、以前はヤクザも堂々としていたので、「ヤクザとは知りませんでした」という言い訳は、あまり聞いたことがありませんでした。

 暴排条例が施行される前は、ヤクザが主催している宴席やゴルフコンペであるとわかった上で、芸能人の皆さんはおいでになっていました。事始めの余興などに売れない芸人さんをあえて呼んでお小遣いをあげている親分も結構いましたよ。お名前はさすがに出せませんけど、私も相当いろんな芸人さんにお会いしています。

 テレビで見たままの方や、まるで別人のような印象の方、「ネーチャン、はよ酒つげや」と威張る方、いろいろでしたね。まあ私が極妻だからかもしれませんが、だいたいは皆さん感じよくて、楽しい方たちでした。これからは、そんな牧歌的なことはなくて、頼まれて撮った2ショット写真やパーティーの動画をさらされて、「黒い交際」とか言われるケースが増えるのでしょうか。なんとも世知辛いお話です。

 あとは、冤罪的な風評被害の問題もありますね。たとえば「○○店はヤクザが経営しているとのウワサ」とライバル店がネットで流したらどうでしょうか?

 「あの店、ヤクザ経営ってホント?」というウワサから、「どうやらヤクザらしい」、そして「ヤクザ経営に決まってる」と、尾ひれがついて広まってしまうかもしれませんよ。そして、いったんネットに出てしまうと、全部消すのは不可能です。その後は何かにつけて「○○店はヤクザ経営だ」と言われちゃいます。

 毎度同じ結論で申し訳ないですが、やっぱり過剰な暴排は「百害」しかないのです。排除されたヤクザがわかりにくい存在になったことで、知らないうちにヤクザと関わっていたとしたら、結局ソンをするのは一般の皆さんですからね。

元極妻が考える「殺人動画」問題――ネットで喜んで拡散するカタギさんのほうが怖い?

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■元ヤクザ同士の殺人映像がネットに流出

 5月26日のお昼でしたか、オットの元若い衆からLINEで連絡がありました。

「姐さん、すごい動画が出回ってます。ガチでスナッフです。見ます?」

 なんだか無邪気な感じです。スナッフビデオって……殺人ですよね。正直見たくはなかったのですが、気にはなりました。

「何の?」
「被害者も加害者も元ヤクザで、名古屋で昨夜殺したようです。ツイッターでも出回ってます」

 元ヤクザ……。そう言われたら、見ないとダメな気もしてきましたが、見てすぐに後悔しました。ガチでリアルな殺人現場でした。

加害者:おりゃあああああ!
被害者:聞いてください! 責任は取ります!
加害者:責任って? 何のだ?
被害者:全部です!
加害者:どりゃあああああああ
被害者:全部! 全部!
加害者:おりゃあああああああ

 加害者は、被害者が飲んで帰るところを、凶器を用意して待ち伏せていたようです。シャベルみたいなものでボコボコと頭を叩いて、日本刀みたいな長い包丁で何度も刺していました。女性が片言っぽい日本語で「死んじゃう!」「やめて、お願い!」と叫んでいる声もします。ネットで「書き起こし」も出回っていましたが、ほぼこんな感じでした。加害者はその後、いったん現場から逃げたようですが、すぐに逮捕されていましたね。

 その後の報道によると、被害者の頭や胸、腹、腕や脚にはたくさんの刺し傷や切り傷があり、頭蓋骨も折れていました。そりゃそうですよね。死因は出血性ショックでした。

 東海テレビは、加害者が「服役中に妻の世話を頼んでおいたのに、世話をしてくれなかった」と動機を説明していると報じていました。被害者の言う「責任」とは、奥様に関することなのでしょうか。加害者は出所して間もないとの報道もありました。

 組織のために懲役に行き、その間の家族の生活を心配するのは、ヤクザにはありがちです。「そんなに奥さんが心配なら、ヤクザにならなければいいのに」と言われてしまいそうですが、そう簡単な話ではありません。何度も書かせていただいていますが、たいていのヤクザは、選択肢がなくてヤクザになるしかなかったのです。なりたくてヤクザになっているのは、かなりの少数派ですよ。

 それにしても、すごい時代になりましたね。偶然その場にいた方が事件や事故を撮影してネット配信すること自体は珍しくありませんが、これほどすごい殺人の様子がネットで公開されたことはなかったのではないでしょうか。

 喜んで拡散するカタギさんの気持ちがわからないですね。だいたい動画もイヤですが、一緒に出回っている画像もイヤでしたね。おなかに包丁みたいものが突き刺さってるじゃないですか。元極妻でも、こういうのはイヤなんですよ。オットの元若い衆たちにとっても衝撃だったようで、しばらく話題になりました。

「あれこそヤクザの鑑ですよ! 最初から殺す気満々だったんでしょう」
「すごい殺気だったなー」
「いや、あれはヤクザらしくない。人前であんなふうにボコボコにするなんて。だから、『暴力団』て言われるんだよ……」
「まあたしかにチャカ一発とかのほうがいいかなー」
「2人とも今はカタギらしいから、カエシ(報復)はないだろうな?」
「いや(殺人の動機は)女房らしいが、まだわからんしな」

 などなど、みんな言いたい放題です。

 さて、加害者は裁判で真実を明かすでしょうか? 私は私怨の気もしますが……どうでしょうね。

 ちなみに最近はなんでも「トップの責任」が問われる傾向にありますが、「ヤクザの行動原理」もケースバイケース。親分から暗黙の命令を受けたのか、直接口頭で指示されたのか、あるいは自分で忖度したのかは、本人にしかわかりません。裁判所は予断を持たずに審理してほしいです。

元極妻が考える「暴排の暴走」――かわいすぎる「暴排犬」と警察の情報漏洩問題

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■かわいすぎる「暴排犬」の謎

「A組はもう終わった」
「B組はまだカネがある」
「C組は親分が追い出されるらしい」

 現役のヤクザはもちろん、元ヤクザも刑事さんも毎日そんなお話ばかりです。今まで、これほど毎日「ヤクザ情報」が更新される時代はありませんでした。週刊誌の記者さんたちは大変ですね。

 もちろん「終わった」といわれてからだいぶ経っても存続している組織も多く、シノギもまだある組織も目立ちますね。まあ全体的にシノギは厳しく、若手の確保には苦労しているようですが……。これは過剰な暴力団排除と併せて少子化のせいでしょう。

 でも、そろそろ「暴排」もネタ切れらしく、警察もメディアも苦労しているようです。以前なら報道されないような小さな事件も「暴力団は悪いアピール」らしく大きくニュースになっていますね。

 最近の暴排の「ネタ切れ」感を象徴しているのは、やはり「暴排犬」ですね。

 5月19日の福島民友ニュースによりますと、福島県警須賀川署と「須賀川南暴力団排除重点モデル地区暴排パトロール隊」が暴排犬の「羽琥(はく)」(雄、7歳)と須賀川市中心市街地をパトロールし、「暴力団の根絶」などを呼びかけたそうです。

 「羽琥をはじめ隊員らは、各飲食店に広報用のチラシやティッシュを配布。暴力団のない安全・安心なまちづくりに向け、目を光らせていた」とあり、添えられた写真のわんこのかわいいことといったら! モフモフの白いわんこのつぶらな瞳に癒やされました。特にわんこ大好きでなくても、萌えますよ。

……いやちょっと待って。これって一体、何のためなんでしょう? こんなんで「暴力団」を排除できるなら、苦労しませんよ。そもそも、なぜわんこ? 普段はちゃんとお世話されてるんでしょうか? 警察から任命されているのであれば、税金ですよね? そこまでする必要があるのでしょうか?

 でも、「羽琥ちゃん」に人気が集まれば、二番煎じ、三番煎じが必ず出てきますね。次はにゃんこでしょうね。にゃんこは気まますぎで、わんこ以上に「暴排」には向いていないと思いますけど、かわいければいいということでしょうか?

 「暴排犬」はかわいいし、平和だから、まあいいとして、警察の情報漏洩問題は相変わらずです。

 1992年に暴対法が施行され、2011年までに全国の都道府県で暴排条例が施行されてきましたが、それまではヤクザと警察は「持ちつ持たれつ」の関係にあったのは、指摘されてきたことです。だってヤクザに接近しないと、警察だって捜査がしにくいんですよ。情報が取れてナンボの世界ですから。そこで癒着も生まれるわけです。

 この5月には、警視庁組織犯罪対策4課の男性巡査長(42)が、捜査協力者に暴力団事件の関係者の個人情報を漏らしたとして書類送検されました。この件は「暴力団員に」情報を漏らしていたのではなく、「暴力団員の」情報を漏らしていたのですが、「漏らした相手」とはどのような方なのか、気になるところです。

 報道によると、巡査長は「(漏えいによって)協力者から良い情報を取り、犯罪組織の実態が解明されることに充実感を得ていた」と供述しているそうですが(5月17日付け時事通信)、正直意味がわかりません。

 そもそも今どきは私たちのネットやコンビニでのお買いものの情報も警察に提出されている時代ですから、それらがきちんと管理されていない証明でもあります。しかも、この巡査長は、TBSの取材に対して「知らない。一切そういうことはしていない」と否定していたそうです。

 この事件とごっちゃになるのが、4月の報道ですね。16年に発覚した「暴力団関係者」への情報漏洩問題について、警視庁麻布署の男性巡査部長(48)が4月25日に略式起訴され、懲戒処分を受けて辞職していました。

 朝日新聞は、2月に「『暴力団関係者と親しくしている』との匿名の通報があり、巡査部長の携帯電話の通話履歴などを調べたところ、この暴力団関係者と連絡を取っていたことが判明したという。警視庁は『引き続き事実関係を確認し、調査の結果を踏まえて適切に対処する』としている」と報道していました。

 ちなみに、アラフォーで「巡査長」って、どうなんでしょうね。巡査長とは「警察法62条に定められた正式な階級」ではないそうです。ほぼ交番勤務の「巡査」と同じで、ウィキペディアによると「勤務年数が高卒採用から10年を超えてなお巡査である者に対しては、懲戒歴などが無ければ特段の選考を経ずに昇任させる」そうですよ……。

 もしかして、「警部」とかだと相手が緊張するから、あえて「巡査長」にとどまっておられるとか? それはないでしょうが、これらの事件は「ムリしないと捜査できない」という現状を反映しているのだと思います。つまり、みんな過剰な暴排が悪いのです。「暴排犬」も含めて、暴排が暴走している例だともいえます。

元極妻が解説する「ヤクザの連休」……「刺青全開」河原でBBQ、海外でカジノや賭けゴルフ

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■刑務所はヒマで、真珠を入れる者も

 皆様、連休はいかがお過ごしでしたか? 私の場合は、子どもたちとオットのお墓参りをしたり、友達と外食したりしているうちに終わってしまいました。まあ例年こんな感じです。

「ヤクザって、連休とか休めるんですか?」

 編集者さんから素朴な疑問をいただいたので、今回はヤクザの連休の過ごし方について書かせていただきますね。

 なお、最初から脱線してしまいますが、刑務所にいる時は、連休は「あまりありがたくない」そうです。刑務作業も面会もないので、とにかくヒマなんですね。読書や手紙書き、雑談などをしてやり過ごすしかありません。

 だから、読書が好きじゃなかったり、手紙を書く相手がいなかったりすると、もうつまんないだけなんですね。こうなると、しかたないから雑談し続けるんですが、もちろん飽きますから、「チン○に真珠を入れてやろう」とか言いだすことになります。

 どこの施設にも「ドクターX」とか呼ばれる手術の担当がいて、ロクに消毒もしないで男性器に傷をつけて真珠ならぬ丸く削ったプラスチック(元は歯ブラシの柄など)を埋め込むんですね。こんなの不衛生だし、痛いし、いいことはないですよ。そもそも手術(?)が成功したところで、女性は真珠なんか喜びませんからね。本のタイトルにもありましたね、そういえば(笑)。

 なお施設によっては、ゴールデンウィークや9月のシルバーウィークに運動会を企画するところもあるようですが、服役経験の長いオットの元若い衆も「連休はひたすらヒマなので、ロクなことを考えませんでした」と言っていました。

 さて、本題に戻ります。

 飲食店やカジノバーの経営など、連休もフル稼働のシノギがあると、なかなか出かけられませんが、それでも以前はけっこう遊べた記憶があります。暴対法施行(1992年)後も、しばらくは大丈夫でしたね。

 オットの組でも、5月の連休には若い衆の子どもたちも連れてオートキャンプ場とかに行っていました。みんな高級車で刺青全開ですから、かなり目立っていましたが、それで見とがめられることはありませんでした。思えば、のんびりした時代でしたね。

 若い衆たちは、現地で知り合った若い女の子たちのグループにエビやカニなどBBQ用の高級食材を惜しげもなく分けてあげたりして、楽しく過ごしていました。飲酒運転も今ほどはうるさくなかったですしね。

 また、「海外脱出」組も多かったです。主な目的は海外のカジノや賭けゴルフで、事前に警察に「仁義」(つまりワイロ)を切っておくと、外貨持ち出しで逮捕(パク)られることもなかったと聞いております。「100万円以上の現金を海外に持ち出す時には届け出る」というアレですね。

 ちなみにもっと昔の昭和は、警察の慰安旅行にヤクザが寄付することもあったようです。親分のところに警察官が来て、「来週から○○温泉へ行くんですわ」とか言うと、親分が「ほうか。ほな気をつけて」とか言って現金を渡すんですね。「それをやっておくと、小さな事件は見逃してもらえるから。父がようやってた」と宮崎学先生がおっしゃっていました。まあ昔の話ですね。

■別荘で過ごす親分衆も

 昔は昔で苦労もあったので、戻りたいとも思いませんが、今はヤクザにとって「受難の時代」です。

 今どきのヤクザは高級ホテルや温泉旅館に泊まるのもムリですし、海外も前科があると制限されますが、そもそもシノギが細いので、余裕がありません。それに、今どきは姐さんの名義のクルマに親分を乗せただけで虚偽記載(「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」の罪)で逮捕される時代ですから、旅行もおちおち行けませんよ。

 そうはいっても、まだ別荘で過ごせる親分衆もいますが、警察関係者は「暴力団関係者所有の不動産は、数が多いから放置しているだけ。物件はすべて把握しており、いつでも検挙できる」と豪語しています。まあ警察も人手不足ですから、いっぺんに検挙するのは難しいだけでしょうね。

 過剰な暴排のせいで、大半のヤクザは連休もゆっくりできません。「それがイヤならヤクザをやめればいい」と、言うのは簡単なのですが……。

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今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■刑務所はヒマで、真珠を入れる者も

 皆様、連休はいかがお過ごしでしたか? 私の場合は、子どもたちとオットのお墓参りをしたり、友達と外食したりしているうちに終わってしまいました。まあ例年こんな感じです。

「ヤクザって、連休とか休めるんですか?」

 編集者さんから素朴な疑問をいただいたので、今回はヤクザの連休の過ごし方について書かせていただきますね。

 なお、最初から脱線してしまいますが、刑務所にいる時は、連休は「あまりありがたくない」そうです。刑務作業も面会もないので、とにかくヒマなんですね。読書や手紙書き、雑談などをしてやり過ごすしかありません。

 だから、読書が好きじゃなかったり、手紙を書く相手がいなかったりすると、もうつまんないだけなんですね。こうなると、しかたないから雑談し続けるんですが、もちろん飽きますから、「チン○に真珠を入れてやろう」とか言いだすことになります。

 どこの施設にも「ドクターX」とか呼ばれる手術の担当がいて、ロクに消毒もしないで男性器に傷をつけて真珠ならぬ丸く削ったプラスチック(元は歯ブラシの柄など)を埋め込むんですね。こんなの不衛生だし、痛いし、いいことはないですよ。そもそも手術(?)が成功したところで、女性は真珠なんか喜びませんからね。本のタイトルにもありましたね、そういえば(笑)。

 なお施設によっては、ゴールデンウィークや9月のシルバーウィークに運動会を企画するところもあるようですが、服役経験の長いオットの元若い衆も「連休はひたすらヒマなので、ロクなことを考えませんでした」と言っていました。

 さて、本題に戻ります。

 飲食店やカジノバーの経営など、連休もフル稼働のシノギがあると、なかなか出かけられませんが、それでも以前はけっこう遊べた記憶があります。暴対法施行(1992年)後も、しばらくは大丈夫でしたね。

 オットの組でも、5月の連休には若い衆の子どもたちも連れてオートキャンプ場とかに行っていました。みんな高級車で刺青全開ですから、かなり目立っていましたが、それで見とがめられることはありませんでした。思えば、のんびりした時代でしたね。

 若い衆たちは、現地で知り合った若い女の子たちのグループにエビやカニなどBBQ用の高級食材を惜しげもなく分けてあげたりして、楽しく過ごしていました。飲酒運転も今ほどはうるさくなかったですしね。

 また、「海外脱出」組も多かったです。主な目的は海外のカジノや賭けゴルフで、事前に警察に「仁義」(つまりワイロ)を切っておくと、外貨持ち出しで逮捕(パク)られることもなかったと聞いております。「100万円以上の現金を海外に持ち出す時には届け出る」というアレですね。

 ちなみにもっと昔の昭和は、警察の慰安旅行にヤクザが寄付することもあったようです。親分のところに警察官が来て、「来週から○○温泉へ行くんですわ」とか言うと、親分が「ほうか。ほな気をつけて」とか言って現金を渡すんですね。「それをやっておくと、小さな事件は見逃してもらえるから。父がようやってた」と宮崎学先生がおっしゃっていました。まあ昔の話ですね。

■別荘で過ごす親分衆も

 昔は昔で苦労もあったので、戻りたいとも思いませんが、今はヤクザにとって「受難の時代」です。

 今どきのヤクザは高級ホテルや温泉旅館に泊まるのもムリですし、海外も前科があると制限されますが、そもそもシノギが細いので、余裕がありません。それに、今どきは姐さんの名義のクルマに親分を乗せただけで虚偽記載(「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」の罪)で逮捕される時代ですから、旅行もおちおち行けませんよ。

 そうはいっても、まだ別荘で過ごせる親分衆もいますが、警察関係者は「暴力団関係者所有の不動産は、数が多いから放置しているだけ。物件はすべて把握しており、いつでも検挙できる」と豪語しています。まあ警察も人手不足ですから、いっぺんに検挙するのは難しいだけでしょうね。

 過剰な暴排のせいで、大半のヤクザは連休もゆっくりできません。「それがイヤならヤクザをやめればいい」と、言うのは簡単なのですが……。