六代目山口組に発砲した76歳のヒットマン——元極妻が考える、老ヤクザの生きざま

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

ヒットマンは76歳

 2月2日午後、六代目山口組のナンバー2の自宅に発砲したヒットマンが76歳だったことが波紋を呼びましたね。引退してからだいぶたっているようですし、私の亡きオットの兄弟分たちも知り合いではないようです。銃をどこで調達したのかも明らかになっていません。

 このヒットマンが対立する神戸山口組の中核組織である山健組の関係者だったことで、対立抗争の火種との懸念もありました。ところが、六代目側はすでに、この件に関してカエシ(報復)を禁じる通達を出していることが一部で報じられています。 

 松葉会の事件の時もそうでしたが、最近は「特定抗争指定暴力団」指定を受けていることもあってか、カエシはしない方向になっているようです。

 それにしても76歳……。山健組事務所前の射殺事件のヒットマンは68歳ですから、やむにやまれぬ事情を考えてしまいますね。

今の若い不良は組員にならない

 1992年に暴力団対策法が施行されていますが、それからもしばらくは、ヤクザもヤクザらしく生きられていました。バブル期ほどではないにしても、経済的になんとかなっていて、抗争で組織のために鉄砲玉となった若者には、裁判費用や家族の生活、出所後のそれなりのポストを用意できていました。

 ところが、2011年までに暴力団排除条例が全国の自治体で施行され、景気もずっと悪いままなので、かなり厳しくなりました。正業に就けず、カタギのスポンサーやビジネスパートナーも激減したことで、違法薬物、オレオレ詐欺、博打くらいしかシノギがなくなってしまったのです。

 組のために長い懲役に行ったところで、服役中に組がなくなる可能性も否定できません。

「若いモンには(銃撃に)行かせられねえって、みんな言ってるよ。かわいそうだもん」

 オットの兄弟分の古参ヤクザは口をそろえます。少子化もあり、今どきの若いコはオレオレ詐欺の出し子などを手伝っても、盃を受ける(=正式な組員になる)ことは減っています。暴排のせいで、そっちのほうがラクだからです。今の若い不良は、ヤクザとも半グレともほどほどに付き合い、都合のいい時だけ犯罪の片棒を担ぐスタイルが増えてきていると聞いています。

 シニアのヤクザたちは、今さらそんな生き方はできません。ヤクザ組織から去るも地獄、残るも地獄となれば、シニアだって銃を取るという選択肢も出てきますね。

「持病もあるし、家族もいないから、俺も古巣のために最後に一花咲かせたいって、マジ思うことあるわ」

 タバコの煙を吐きながら、そう明かす70代もいます。その背景には、もちろん貧困もあります。とはいえ本当に高齢者がヒットマンになるのは簡単ではないですよね。でも、昨今の事件を見ていると、そんなこともあるのかなと思ってしまいます。居場所のない元ヤクザたちは、今後も行動を起こすかもしれません。

 毎度の結論ですが、過剰な暴排は本当に百害あって一利なしですよ。

【待田よりご報告】突然ですが、2月16日の深夜、ついにワタクシもテレビデビューと相成りました。以前も何度かお話をいただいており、あまりにもおこがましすぎるので、辞退申し上げていたのですが、ちょっと今回は魔が差したといいますか(笑)。
『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』という番組、関西テレビで厳密には17日の午前零時30分からで、関西限定なのですが、ご都合が合えばご覧いただきたいと思います。

山口組の関東進出で対立抗争は必至? 元極妻が考える、ヤクザの生き残り戦争

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

関東で山口組関係者の銃撃事件

 あっという間にお正月も終わって、もうすぐ2月……とか相変わらずのんびり考えていたところで、群馬・桐生市で「音が鳴り」ました。発砲事件ですね。1月24日に山口組関係者が市内のアパート駐車場で銃撃されたのです。報道によると、頭と胸を1発ずつ撃たれて即死だったそうです。おそらく至近距離からなのでしょうが、頭に命中させるのはヤクザ的には「いい仕事」ということになり、警察は戦々恐々です。

 11月末の神戸山口組関係者の射殺事件もそうでしたが、「国内に自動小銃を含めて豊富に銃器があって、それを自由に扱える者が何人もいる」というのは、権力にとって脅威でしかありませんからね。今年はオリンピックもあるのに、「安全アピール」がぜんぜんウソだったことになり、国際的にもイタいお話です。

 この原稿を書いている1月末現在、犯人はまだ逮捕されていませんが、極道業界情報によると、群馬県に拠点のあるヤクザ組織は関与を否定しているそうです。今後に注目ですね。

山口組の関東進出はますます進む?

 1月は、松葉会と山口組の衝突もありましたね。1月17日に東京・足立区の山口組傘下組織の事務所に、砂利を満載したトラックが突っ込んだのですが、実行犯は関東を中心に活動する松葉会の組員でした。相当すごい音がしたそうです。

 すぐに実行犯は逮捕されて、「松葉会の縄張りに堂々と六代目山口組の組事務所があるのが許せなかった」と供述したと報道されましたが、その事務所は前からあったし、松葉会と山口組は親戚団体なので、業界的には「なんで?」という感じだったと聞いています。でも、親戚団体なのですぐに幹部間で話し合いがあって決着したとも聞きました。

 この件で「松葉会は山口組に大きな借りを作った」と言われていましたが、それから1週間後の25日には西浅草の松葉会の本部事務所に火炎瓶らしきものが置かれていて、壁の一部を焼く事件が起こりました。

 まだ犯人は逮捕されていませんが、警察は「山口組からの報復」と「内部抗争」の両方で捜査を進めるとしています。とはいえ、この件もすでに(ヤクザ的に)話は済んでいるといわれていますから、これ以上はないかなとも思います。

 そういえば、去年春に横浜のラーメン屋で山口組関係者が殺された件は、どうなったんでしょうかね。

 これらは、いずれも山口組と関東の組織の対立が原因です。過剰な暴力団排除は、生き残りを懸けたヤクザの最終戦争を勃発させてしまうかもしれませんよ。というか、もうそうなってるかもしれません。

 ちなみに、ちょっとトリビアですが、田岡三代目の時代から全国進出していた山口組が本格的に関東に入ってきたのは、バブル期の前後からだといわれています。この頃から東京拘置所にも関西弁を話す人が増えて、差し入れ屋のおばちゃんが「生の関西弁を初めて聞いた」と驚いたという都市伝説があります。真偽のほどはわかりませんが、いいお話ですね。

 五代目山口組の渡邉芳則組長も関東のご出身ですし、1980年代の不動産バブルは関東が中心だったこともあって、みんなが東京を目指したのでしょう。たしかにあの頃は無茶苦茶でしたが、ヤクザだけでなく、銀行も大蔵省も一緒になって、不動産で大もうけしていましたよね。

 バブルがはじけたら、悪いことはみんなヤクザのせいにして暴対法を作って追い出したわけですが、完全には排除できず、「桜を見る会」問題のように政治家さんたちまでも、まだまだつながりがあるようです。「ヤクザは悪くない」とは言いませんが、過剰な暴排のせいでどんどん悪い方向に行っていると思いますよ、本当に。

山口組の関東進出で対立抗争は必至? 元極妻が考える、ヤクザの生き残り戦争

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

関東で山口組関係者の銃撃事件

 あっという間にお正月も終わって、もうすぐ2月……とか相変わらずのんびり考えていたところで、群馬・桐生市で「音が鳴り」ました。発砲事件ですね。1月24日に山口組関係者が市内のアパート駐車場で銃撃されたのです。報道によると、頭と胸を1発ずつ撃たれて即死だったそうです。おそらく至近距離からなのでしょうが、頭に命中させるのはヤクザ的には「いい仕事」ということになり、警察は戦々恐々です。

 11月末の神戸山口組関係者の射殺事件もそうでしたが、「国内に自動小銃を含めて豊富に銃器があって、それを自由に扱える者が何人もいる」というのは、権力にとって脅威でしかありませんからね。今年はオリンピックもあるのに、「安全アピール」がぜんぜんウソだったことになり、国際的にもイタいお話です。

 この原稿を書いている1月末現在、犯人はまだ逮捕されていませんが、極道業界情報によると、群馬県に拠点のあるヤクザ組織は関与を否定しているそうです。今後に注目ですね。

山口組の関東進出はますます進む?

 1月は、松葉会と山口組の衝突もありましたね。1月17日に東京・足立区の山口組傘下組織の事務所に、砂利を満載したトラックが突っ込んだのですが、実行犯は関東を中心に活動する松葉会の組員でした。相当すごい音がしたそうです。

 すぐに実行犯は逮捕されて、「松葉会の縄張りに堂々と六代目山口組の組事務所があるのが許せなかった」と供述したと報道されましたが、その事務所は前からあったし、松葉会と山口組は親戚団体なので、業界的には「なんで?」という感じだったと聞いています。でも、親戚団体なのですぐに幹部間で話し合いがあって決着したとも聞きました。

 この件で「松葉会は山口組に大きな借りを作った」と言われていましたが、それから1週間後の25日には西浅草の松葉会の本部事務所に火炎瓶らしきものが置かれていて、壁の一部を焼く事件が起こりました。

 まだ犯人は逮捕されていませんが、警察は「山口組からの報復」と「内部抗争」の両方で捜査を進めるとしています。とはいえ、この件もすでに(ヤクザ的に)話は済んでいるといわれていますから、これ以上はないかなとも思います。

 そういえば、去年春に横浜のラーメン屋で山口組関係者が殺された件は、どうなったんでしょうかね。

 これらは、いずれも山口組と関東の組織の対立が原因です。過剰な暴力団排除は、生き残りを懸けたヤクザの最終戦争を勃発させてしまうかもしれませんよ。というか、もうそうなってるかもしれません。

 ちなみに、ちょっとトリビアですが、田岡三代目の時代から全国進出していた山口組が本格的に関東に入ってきたのは、バブル期の前後からだといわれています。この頃から東京拘置所にも関西弁を話す人が増えて、差し入れ屋のおばちゃんが「生の関西弁を初めて聞いた」と驚いたという都市伝説があります。真偽のほどはわかりませんが、いいお話ですね。

 五代目山口組の渡邉芳則組長も関東のご出身ですし、1980年代の不動産バブルは関東が中心だったこともあって、みんなが東京を目指したのでしょう。たしかにあの頃は無茶苦茶でしたが、ヤクザだけでなく、銀行も大蔵省も一緒になって、不動産で大もうけしていましたよね。

 バブルがはじけたら、悪いことはみんなヤクザのせいにして暴対法を作って追い出したわけですが、完全には排除できず、「桜を見る会」問題のように政治家さんたちまでも、まだまだつながりがあるようです。「ヤクザは悪くない」とは言いませんが、過剰な暴排のせいでどんどん悪い方向に行っていると思いますよ、本当に。

「新・2つの山口組」問題――任侠山口組が「絆會」になった背景を元極妻が考える

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

「3つ目の山口組」が消滅

 世間的には、年末年始もゴーンさんの電撃出国とか国会議員の逮捕とか、すごいことになっていましたが、ヤクザの元日はおおむね静かでした。特に「特定抗争指定暴力団」に指定された六代目山口組と神戸山口組は本部事務所も使えないので、傘下組織の組員が交代で泊まり込む「当番」もなく、若い衆はラクだったようです。でも、最近は暴力団排除の影響で、ヒマでもお金はない人たちが大半ですから、お正月どころではないのも事実。まったく、これからどうなるんでしょうね。

 ……などとのんびり書いていたら、ちょっとびっくりするニュースが入ってきました。今回、「特定抗争指定暴力団」に指定されていなかった「3番目の山口組」である任侠山口組が、組織名を「絆會(きずなかい)」と改称したのだそうです。

 この任侠山口組(当初は「任俠団体山口組」)は、2017年の旗揚げの際に異例の記者会見をして注目されたことでも知られています。会見では、「本来の山口組に戻すために立ち上がった」神戸山口組が、実際には六代目山口組の路線と同じだった……と批判していました。脱・反社会的勢力を掲げながら「山口組」を名乗るのは、「自分たちこそ任俠道をわきまえた山口組」という決意だったのでしょう。設立当初は代紋も同じでしたが、今回は替えるそうです。

 これについて、メディアはだいたい同じ見方でしたね。任侠山口組は目立った抗争もなく、今回も「特定抗争指定暴力団」の指定を免れていることから、ムダな抗争は避けて当初の目的だった「山口組の再統合と大改革」も諦めて、本来の任俠の道を歩むのだろうということです。

 たしかに、かつては「山口組」という看板に威力があったのは事実です。山口組に限らず、どの組織の組員も自分の組や代紋を大切にするものですが、規模や資金力で「山口組の存在感」はすごかったですからね。でも、暴排によって、今は山口組を含めて「ヤクザであること」が重荷になってきています。正業には就けないのですから、覚醒剤やオレオレ詐欺くらいしかシノギはないですし、子どもが学校や保育園に通えないなど、家族にも迷惑がかかっています。

 とはいえ絆會が「脱・山口組」や「脱・反社会的勢力」を掲げたところで、神戸山口組や警察が「ハイそうですか」と納得することもないでしょうし、実際には何も変わらないと思います。ただ、警察的には、対立抗争の構図は「三つ巴」より「六代目山口組vs神戸山口組」のほうがラクかもしれません。もっとも絆會の監視を弱めることもないでしょうけど。

1億5,000万円を盗んだ六代目山口組傘下組員

 個人的には、絆會のニュースよりも、3年前の「ソープの金庫泥棒」が現役の六代目山口組関係者だったことのほうが驚きました。だって、自分の組織のシマですよ? いったい何があったのでしょうか……。

 オットの元兄弟分たちに聞いても、「今、どこもカネないからなあ」とか。ただし、報道にあるような「カネ回りのよさ」は誰も実感していなかったという話もあります(苦笑)。何かウラがあるのかもとは思いますが、今のところの報道だけでは「ヤクザがついに自分の組のシマで泥棒まで……」という印象しかなく、「これも暴排の影響です。過剰な暴排では、むしろ犯罪が増えます」と分析せざるを得ません。

「2019年のヤクザ業界」年末年始は? 大物出所に幹部射殺、電撃引退…… 元極妻が振り返る!

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

事始め式は滞りなく行われた

 12月13日の事始め式は、いずれの組織も大きなトラブルはなく、滞りなく行われたようです。神戸山口組は、大物幹部である太田興業・太田守正組長の事始め式当日の「引退宣言」が話題ですが、これは「幹部間の意見対立説」と「偽装引退説」があるので、今後も注目です。

また、最近は大きな事件がなかった任侠山口組も、奈良で内輪の会合を開いていたことが報道されました。ただ、17日には関連組織の事務所が神戸地裁から使用差し止めの仮処分命令を受けていますね。

 ヤクザ社会では、事始め式は一門が顔をそろえる重要なイベントだったのですが、最近は来年度の方針の発表など業務連絡だけでジミに終わっています。12月13日よりも前に年内最後の納会を開く組織も目立ち、時代とはいえ寂しい気もしますね。

10月の六代目山口組若頭の出所から「激変」

 それにしても今年は、六代目山口組と神戸山口組をめぐる事件が多かったですね。特に10月の六代目山口組の高山清司若頭の出所の少し前から、銃撃を含め、多くの事件が起こりました。「週刊実話」(日本ジャーナル出版)は「血に染まった令和元年」と評していました。むしろ前半は、国内のヤクザは全体的に「自粛傾向」だったのですが、そんなことみんな忘れてますよね。私もですけど。

 6月の大阪でのG20サミット(主要20カ国・地域首脳会議)や 2020年のオリパラに向けて、事務所に詰めたり、銃器使用の自粛を呼びかけたりしていたのです。とはいえ、いろいろと動きもありました。

 1月には任侠山口組関係者の車に六代目山口組の関係者が乗用車に発砲して逮捕されていますし、3月には、横浜で六代目山口組と稲川会のケンカがあって、六代目側の関係者が刺殺されました。また、8月には、六代目山口組系の事務所で関係者が銃撃されています。この件で、12月に神戸山口組幹部の五代目山健組・中田浩司組長が逮捕されましたね。

 そういえば9月には名古屋市内の路上で「元ヤクザ」のケンカがあり、1人が殺害されました。その一部始終を撮った動画がネットで拡散されて問題になりましたが、これは抗争とは無関係のようです。そして、10月18日に若頭が出所する1週間ほど前の10日には神戸山口組の中核組織・山健組の組事務所前での射殺事件が起こります。若頭の出所には無関係ではないと思いますし、その後はどんどん事件が続いていきます。

 11月18日には、熊本で六代目山口組関係者が神戸山口組関係者を刺傷し、翌日は北海道で六代目山口組関係者による神戸山口組関係者宅の車両特攻事件が起こっています。いずれも出所した若頭が関係団体トップを「激励」した直後だといわれています。激励といっても言葉だけではないでしょうしね。

 そして、11月27日には、六代目山口組関係者によって神戸山口組幹部の三代目古川組・古川恵一総裁が射殺されてしまいました。街中でのマシンガン発射ですから、両組織の「特定抗争指定暴力団」指定の作業が急がれることとなりました。また、銃規制の強化などにも影響するといわれています。

 この後は比較的静かに事始めも終わり、年内は何もないかなと思っていたら、12月16日には、大阪で神戸山口組関係者が六代目山口組関係者を包丁で襲撃する事件がありましたね。「今度はマシンガンでなくてよかった」と大阪在住のオットの元兄弟分は苦笑していましたが、そんな問題ではないです。

 お正月はおそらく何もないとみられていますから、次の動きは1月7日以降でしょうか。とはいえ大みそかなんかにお休みで誰もいない事務所に車両特攻などはあるかもしれませんね。まだまだ気は抜けません。

「2019年のヤクザ業界」年末年始は? 大物出所に幹部射殺、電撃引退…… 元極妻が振り返る!

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

事始め式は滞りなく行われた

 12月13日の事始め式は、いずれの組織も大きなトラブルはなく、滞りなく行われたようです。神戸山口組は、大物幹部である太田興業・太田守正組長の事始め式当日の「引退宣言」が話題ですが、これは「幹部間の意見対立説」と「偽装引退説」があるので、今後も注目です。

また、最近は大きな事件がなかった任侠山口組も、奈良で内輪の会合を開いていたことが報道されました。ただ、17日には関連組織の事務所が神戸地裁から使用差し止めの仮処分命令を受けていますね。

 ヤクザ社会では、事始め式は一門が顔をそろえる重要なイベントだったのですが、最近は来年度の方針の発表など業務連絡だけでジミに終わっています。12月13日よりも前に年内最後の納会を開く組織も目立ち、時代とはいえ寂しい気もしますね。

10月の六代目山口組若頭の出所から「激変」

 それにしても今年は、六代目山口組と神戸山口組をめぐる事件が多かったですね。特に10月の六代目山口組の高山清司若頭の出所の少し前から、銃撃を含め、多くの事件が起こりました。「週刊実話」(日本ジャーナル出版)は「血に染まった令和元年」と評していました。むしろ前半は、国内のヤクザは全体的に「自粛傾向」だったのですが、そんなことみんな忘れてますよね。私もですけど。

 6月の大阪でのG20サミット(主要20カ国・地域首脳会議)や 2020年のオリパラに向けて、事務所に詰めたり、銃器使用の自粛を呼びかけたりしていたのです。とはいえ、いろいろと動きもありました。

 1月には任侠山口組関係者の車に六代目山口組の関係者が乗用車に発砲して逮捕されていますし、3月には、横浜で六代目山口組と稲川会のケンカがあって、六代目側の関係者が刺殺されました。また、8月には、六代目山口組系の事務所で関係者が銃撃されています。この件で、12月に神戸山口組幹部の五代目山健組・中田浩司組長が逮捕されましたね。

 そういえば9月には名古屋市内の路上で「元ヤクザ」のケンカがあり、1人が殺害されました。その一部始終を撮った動画がネットで拡散されて問題になりましたが、これは抗争とは無関係のようです。そして、10月18日に若頭が出所する1週間ほど前の10日には神戸山口組の中核組織・山健組の組事務所前での射殺事件が起こります。若頭の出所には無関係ではないと思いますし、その後はどんどん事件が続いていきます。

 11月18日には、熊本で六代目山口組関係者が神戸山口組関係者を刺傷し、翌日は北海道で六代目山口組関係者による神戸山口組関係者宅の車両特攻事件が起こっています。いずれも出所した若頭が関係団体トップを「激励」した直後だといわれています。激励といっても言葉だけではないでしょうしね。

 そして、11月27日には、六代目山口組関係者によって神戸山口組幹部の三代目古川組・古川恵一総裁が射殺されてしまいました。街中でのマシンガン発射ですから、両組織の「特定抗争指定暴力団」指定の作業が急がれることとなりました。また、銃規制の強化などにも影響するといわれています。

 この後は比較的静かに事始めも終わり、年内は何もないかなと思っていたら、12月16日には、大阪で神戸山口組関係者が六代目山口組関係者を包丁で襲撃する事件がありましたね。「今度はマシンガンでなくてよかった」と大阪在住のオットの元兄弟分は苦笑していましたが、そんな問題ではないです。

 お正月はおそらく何もないとみられていますから、次の動きは1月7日以降でしょうか。とはいえ大みそかなんかにお休みで誰もいない事務所に車両特攻などはあるかもしれませんね。まだまだ気は抜けません。

元極妻が考える「反社会的勢力」の定義――ワルモノがいないと、警察の予算がつかない?

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

政府が「反社会的勢力の定義は困難」と閣議決定

「政府が反社会的勢力の定義ができないことについて、どう思われます?」
 編集者さんから聞かれました。政府として「反社会的勢力の定義は困難」と閣議決定した件ですね。

 「桜を見る会にハンシャ(反社会的勢力のことです)が出席してたって言われても、それがハンシャかどうかはわかんないし」的な言い逃れのようです。これについては、「今までの企業の契約とかのハンシャ条項はどうしてくれるんだ」という批判も噴出しているんですね。

 まあマジレスしちゃうと、もともとの定義も、たしかに「社会情勢に応じて変化」しています。ハンシャについて定義したのは、2007年の法務省の「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」が最初だといわれています。

 これには、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である『反社会的勢力』をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である」とあります。

 なんか死語が満載ですよね。総会屋も今はいないでしょうし、さらに「社会運動標ぼうゴロ」の意味がわかる人も、あんまりいないんじゃないですかね。そもそも「ゴロ」がわかんないですよね。ゴロとは「ごろつき」のことなんですが、いまどき「ごろつき」も言わないですよね。

 ちなみに「社会運動標ぼうゴロ」とは、いわゆる「エセ同和」(これも死語)とかで、「人権」をタテに恐喝とかしてくる系です。これもめっきり減りましたねえ。また、「政治活動標ぼうゴロ」とは、大音量の街宣車でやってくるアレです。これも政治的なことを言っているけど、ほんとはお金が欲しいだけで、お金を払えば解決します。さらに「特殊知能暴力集団」となったら、もう全然わからないですよね。これは株のインサイダー取引とか高度なお金もうけをヤクザとつるんでやってる人たちです。株や法律の知識がないとできないので、こんな名称のようです。こういう人たちは、たしかに外見もほぼ映画に出てくるヤクザみたいでした。

 そして、この法務省の定義には、半グレやオレオレ詐欺グループは入っていません。やはり当時の社会情勢に応じているのだと思います。いいか悪いかは別にして、要するに、ワルモノかどうかはいつの時代もおかみが決めるんですよ。

 では、なぜ定義の定まらない「反社会的勢力」という言葉ができたのでしょうか。私は、予算の都合だと思います。ワルモノがいないと、警察の予算がつかないんですよ。

 1954年をピークに殺人事件は減り続けていて、最近は年間で1000件を切っています。さらに少子高齢化や不景気で、暴力団員も減り続けています。これらは政府にとっていいことのはずなのに、ムリに「暴力団」の周辺にいそうな人たちをひとくくりにしている印象です。危機感をあおって予算を確保したいのでしょう。

 それにしても、「社会情勢で変化する」とはいえ、定義が定まってないっていうのもおかしいですよね。大枠は決めておかないと、企業だって困りますよね。それに、「個別に判断する」となったら、どこが判断するのでしょうか? 裁判所ですかね。けっこう案件が多いでしょうし、現実的ではない気がします。

 まあ裁判所もヤクザには冷たいので、今後もどんどん「反社認定」していくのでしょう。今までも「悪者」の烙印はさんざん押されてきましたから、驚きはしませんけれど。その最たるものが、「冤罪」ということになります。ヤクザ以外の皆さまも、他人事ではないですよ。

元極妻が考える「反社会的勢力」の定義――ワルモノがいないと、警察の予算がつかない?

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

政府が「反社会的勢力の定義は困難」と閣議決定

「政府が反社会的勢力の定義ができないことについて、どう思われます?」
 編集者さんから聞かれました。政府として「反社会的勢力の定義は困難」と閣議決定した件ですね。

 「桜を見る会にハンシャ(反社会的勢力のことです)が出席してたって言われても、それがハンシャかどうかはわかんないし」的な言い逃れのようです。これについては、「今までの企業の契約とかのハンシャ条項はどうしてくれるんだ」という批判も噴出しているんですね。

 まあマジレスしちゃうと、もともとの定義も、たしかに「社会情勢に応じて変化」しています。ハンシャについて定義したのは、2007年の法務省の「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」が最初だといわれています。

 これには、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である『反社会的勢力』をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である」とあります。

 なんか死語が満載ですよね。総会屋も今はいないでしょうし、さらに「社会運動標ぼうゴロ」の意味がわかる人も、あんまりいないんじゃないですかね。そもそも「ゴロ」がわかんないですよね。ゴロとは「ごろつき」のことなんですが、いまどき「ごろつき」も言わないですよね。

 ちなみに「社会運動標ぼうゴロ」とは、いわゆる「エセ同和」(これも死語)とかで、「人権」をタテに恐喝とかしてくる系です。これもめっきり減りましたねえ。また、「政治活動標ぼうゴロ」とは、大音量の街宣車でやってくるアレです。これも政治的なことを言っているけど、ほんとはお金が欲しいだけで、お金を払えば解決します。さらに「特殊知能暴力集団」となったら、もう全然わからないですよね。これは株のインサイダー取引とか高度なお金もうけをヤクザとつるんでやってる人たちです。株や法律の知識がないとできないので、こんな名称のようです。こういう人たちは、たしかに外見もほぼ映画に出てくるヤクザみたいでした。

 そして、この法務省の定義には、半グレやオレオレ詐欺グループは入っていません。やはり当時の社会情勢に応じているのだと思います。いいか悪いかは別にして、要するに、ワルモノかどうかはいつの時代もおかみが決めるんですよ。

 では、なぜ定義の定まらない「反社会的勢力」という言葉ができたのでしょうか。私は、予算の都合だと思います。ワルモノがいないと、警察の予算がつかないんですよ。

 1954年をピークに殺人事件は減り続けていて、最近は年間で1000件を切っています。さらに少子高齢化や不景気で、暴力団員も減り続けています。これらは政府にとっていいことのはずなのに、ムリに「暴力団」の周辺にいそうな人たちをひとくくりにしている印象です。危機感をあおって予算を確保したいのでしょう。

 それにしても、「社会情勢で変化する」とはいえ、定義が定まってないっていうのもおかしいですよね。大枠は決めておかないと、企業だって困りますよね。それに、「個別に判断する」となったら、どこが判断するのでしょうか? 裁判所ですかね。けっこう案件が多いでしょうし、現実的ではない気がします。

 まあ裁判所もヤクザには冷たいので、今後もどんどん「反社認定」していくのでしょう。今までも「悪者」の烙印はさんざん押されてきましたから、驚きはしませんけれど。その最たるものが、「冤罪」ということになります。ヤクザ以外の皆さまも、他人事ではないですよ。

ヤクザ業界大激震! 「ヒットマンは大親分」の衝撃――元極妻が考える今後の山口組抗争その3

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

組長が銃撃の実行犯として逮捕

 びっくりしましたねー。山健組のトップが銃撃の実行犯として逮捕されました。神戸山口組の若頭代行で、その中核組織である五代目山健組を率いる中田浩司組長です。報道によりますと、中田組長は12月3日、対立する六代目山口組傘下の弘道会系の組員を銃撃したとして殺人未遂などの容疑で兵庫県警に逮捕されています。今年の8月に、弘道会関連施設の前で弘道会関係者が撃たれて全治3カ月のけがをしているのですが、その時の現場の監視カメラの映像で中田組長と特定されたようです。

 田岡一雄三代目の大側近だったヤマケンこと山本健一親分が設立した山健組といえば、山口組の中でも名門で、五代目山口組の渡邉芳則組長ほかそうそうたる親分衆を輩出しています。その山健のスローガンといえば、「団結、沈黙、報復」なのですが、「最近は『報復』がない」「むしろ何を企んでるのかわからなくて怖い」と言われていたようです。

 でも、今は重罰化が進んでいて、そう簡単にカエシ(報復)もできないのが現実です。以前であれば、実行犯が自首すれば「だいたいOK」(例外もあります)でしたが、今は実行犯以外の幹部による殺人教唆などの逮捕が懸念されています。工藤會は、これで総裁も会長も逮捕されてしまいましたが、幹部不在だと組織の運営も厳しいですもんね。

 そういう中での神戸山口組の大幹部の中田組長の逮捕ですから、実話誌的には「ヤクザ業界大激震!」といったところでしょうか。この銃撃事件は、やっぱり4月に山健組の與(あたえ)則和若頭が弘道会系の組員に刺されたことが原因だといわれています。

 何度か書かせていただいてますが、若頭といえば事実上のナンバー2です。與若頭も生命こそ取り留めましたが、これで「カエシなし」はあり得ないでしょう。今までも何度か山健組と弘道会との事件は起こっていますが、これはかなり衝撃的でした。

 オットの兄弟分たちは、「さすが中田さんは俠(おとこ)!」「やっぱりヤクザはカエシをしてナンボやな!」と激賞していますが、「若頭代行が不在だと、組織の運営はどうなるのか……」と心配する声もあります。中田組長は、それでもカエシを選んだのですね。なんか映画になりそうです。

 実は、今回の中田組長逮捕の原因となった8月の銃撃事件の前月の定例会での中田組長の発言が気になっていました。この席で中田組長が、全直参を前に「たとえ一人になろうとも、山健組に残る」と宣言したそうです。翌月の銃撃を胸に秘めておられたのでしょうか。

 この記事を見た時、「ああ、やっぱり神戸山口組も厳しいんだなー」と思いましたね。もともと暴排の影響でシノギはきついし、2015年8月の山口組の分裂と神戸山口組の設立から、六代目山口組は出て行った関係者たちの「呼び戻し作戦」に力を入れていると聞いています。

 11月27日に射殺された神戸山口組の幹部で三代目古川組の古川恵一総裁も、神戸山口組への移籍が批判されていたと聞いています。30日には、古川総裁のお通夜が尼崎市内の斎場で営まれたそうですが、中田組長も逮捕前に列席できてよかったと思います。

 古川総裁の街中での射殺もあって、ますますヤクザへの締め付けは厳しくなるでしょうね。締め付けたところで、「本当のワル」はしっかり生き残る気がしますが、いかがでしょうか。

神戸山口組幹部「蜂の巣」射殺で激化? 元極妻が考える今後の山口組抗争その2

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

「入れ墨をした男性が撃たれています」

 11月27日、神戸山口組(六代目山口組を離脱した側です)の幹部・三代目古川組の古川恵一総裁が兵庫県尼崎市の路上で射殺されましたね。報道などによると、逮捕されたヒットマンは「自動小銃で30発くらい撃った」と話しているそうです。古川総裁は顔も撃たれていて、マフィア映画みたいな「蜂の巣」状態でした。

 私はさすがに銃は触ったことないんですが、「顔に当てる」って相当タイヘンらしいですよ。小さいから。「まずは脚を狙って動けなくする」とか「いちばん当たりやすい腹を狙う」とか、撃ち方(?)にもいろいろあるようですが、それはさておき、街中はまずかったですね。

 「60代ぐらいの入れ墨の入った人が腕を撃たれて倒れていて意識がない」と通行人が通報したそうですから、普通に人が通っているところです。「やっぱり暴力団は怖い」「出ていけ」という住民感情が高まると、地元警察だけではなくて警察庁が動く可能性もあります。となると、工藤會のようにトップが逮捕される事態も想定されます。

以前から何度も襲撃されていた

 亡くなった古川総裁は、初代古川組・古川雅章組長の実子で、2005年に二代目古川組を継承しています。博徒系で実子が継ぐのは珍しく、育ちのよさで嫉妬を買うこともあったようですが、ヤクザに限らず組織はそんなもんですね。

 二代目時代の15年12月に六代目山口組が分裂して結成された「神戸山口組」に移籍、この時にもモメたようです。山口組の分裂は8月なので、それよりちょっと後の移籍となったのは、六代目山口組側が慰留や切り崩し工作をしていた最中だったからでしょうか。

 また、神戸山口組への移籍後、さらに一部が任侠山口組に移籍していて、こちらも「二代目古川組」を名乗っています。で、神戸山口組の二代目古川組は代替わりして「三代目古川組」となって、古川組長は総裁職に就いたんですね。

 そういう流れの中で古川総裁は何回か襲撃されてもいて、けっこうなケガもしています。18年3月と19年7月に六代目山口組関係者からバットなどで暴行を受けて、どちらも全治1カ月と報道されました。

 こういうヤクザ同士の切った張ったはありがちとしても、「街中で銃をぶっぱなす」という事態には関係者も驚いています。これは、今後も波紋を呼びそうです。

 報道などによると、ヒットマンはもともと六代目山口組の傘下組織の組員で、覚醒剤の使用で破門処分を受けているようです。今年8月に覚せい剤取締法違反で岐阜地検に起訴されて保釈中で、判決言い渡し予定日は11月29日だったそうです。言い渡しの直前の事件だったのですね。

 さて、気になるのは今後です。トップから直接盃をもらっている、いわゆる「直系組長」の射殺事件は今回が初めてだそうですから、神戸山口組も黙ってはいないでしょう。「破門した覚醒剤中毒者がやったこと」というのは、あまり通用しない気もします。

 今後は壮絶なカエシ(報復)が繰り返され、街中での銃撃戦など大抗争に発展……することはまずないと思うのですが、何回かは音が鳴る(銃撃が起こる)かもしれません。そうなると、警察による暴力団壊滅がさらに進むことになります。今後の展開が気になりますね。