──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NHK「大河ドラマ」(など)に登場した人や事件をテーマに、ドラマと史実の交差点を探るべく自由勝手に考察していく! 前回は続きを読む
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佐藤二朗主演『さがす』―「ながら観」と「倍速視聴」ができない映画
『岬の兄妹』(19)で国内映画界に衝撃をもたらした片山慎三監督が、『さがす』で商業映画デビューを飾った。連続殺人犯の懸賞金を目当てに姿を消した父親・智(佐藤二朗)を捜す中学生の娘・楓(伊東蒼)が、驚くべき真相にたどりつくミステリーであり、サイコサスペンスであり、ヒューマンドラマでもある。
佐藤二朗「“演技派俳優”は俳優をバカにした表現」と問題提起 賛否両論で議論に発展?
俳優の佐藤二朗が、メディアで使われる「演技派俳優」という表現について疑問を呈し、「俳優をバカにした表現」などと不快感を表明したことが物議を醸している。
佐藤は17日、自身のTwitterで「テレビである俳優さんを紹介するのに『演技派俳優』とのテロップ。正直ここまできたかと思った。演技のプロが俳優なんだよ」とツイート。
続けて、自身が監督した映画『はるヲうるひ…
フジテレビ『99人の壁』は久々のヒット番組となる? 「番宣に使いやすい」と局内でも好評
今年10月にレギュラー放送が始まった、フジテレビ系クイズ番組『超逆境クイズバトル!! 99人の壁』(毎週土曜19時)が話題となっている。
一般人・著名人を含む100人の参加者の中から選ばれたチャレンジャーが、自身の得意分野の早押しクイズでチャレンジャーを阻止しようとする99人の“ブロッカー”と対戦。5問連続で正解できれば100万円の賞金を獲得できるというシステムだ。
「マニアックなジャンルのクイズでも、視聴者がなんとなく答えられそうなレベルの問題が多く、幅広い視聴者が楽しめる番組となっています。子どものチャレンジャーなんかもいて、ターゲットとなる年齢層も幅広い。ポテンシャルだけなら、毎週視聴率20%超えも狙えるくらいの番組ではないでしょうか」(テレビ誌記者)
さらに、フジテレビ局内では、“番宣”という意味でも効果が高いとの見方もされているようだ。
「映画やドラマの宣伝で俳優などを出演させるには、最適の番組でしょうね。普通のクイズ番組となると一般常識が求められるので、クールなイメージの俳優が“実は物知らずだった”なんていうことにもなりかねない。でも、『99人の壁』であれば、自分の得意ジャンルの問題が出される。多少マニアックな問題も許されるわけで、“ヤラセ”とまではいかないにしても、俳優を勝たせることも不可能ではない。フジしては、積極的に番宣に利用したいと考えていてもおかしくはありません」(テレビ局関係者)
レギュラー放送が始まってからは、「スペシャルワンマッチゲスト」として、DA PUMPのISSAや映画『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督など、話題の有名人も出演している。
「番宣に限らず、旬のタレントを気軽にブッキングできるのも大きなメリット。スポーツ選手や文化人、政治家などもアリですからね」(同)
そして、MCを担当するのが俳優・佐藤二朗だという点も、またメリットとなっているようだ。
「基本的にチャレンジャーは素人で、司会は俳優なので、芸人たちが生み出す“バラエティーのノリ”にはなりにくい。フリートークがほとんどなくても成立するので、トークが苦手な俳優もブッキングしやすい。しかも、俳優の佐藤が司会だから、警戒心も薄まる。画期的な番組です」(同)
とはいえ、このまま“番宣”専用番組になってしまうことへの懸念もある。
「視聴者は、俳優のぬるいチャレンジを見たいわけではないですからね。素人によるチャレンジこそが『99人の壁』の醍醐味であることは間違いない。そこを忘れて、番宣ばかりを繰り返すようになったら、あっという間に飽きられるでしょう」(同)
長年の視聴率低迷にあえぐフジテレビ。目先の利益のための番宣に目がくらんで、久々のヒット番組となりそうな『99人の壁』をつぶさなければいいが……。
『今日から俺は!!』第6話 ムロツヨシと佐藤二朗のコントが足を引っ張る
11月18日に放送された『今日から俺は!!』(日本テレビ系)の第6話は、オープニングからムロツヨシ扮する椋木先生が大フィーチャーされた回。ストーリーは、原作で言うところの「レプリカヤクザ編」である。
■ムロツヨシをメインにしたいがために選ばれた地味なエピソード
まずは、今回のストーリーをざっと説明する。気の弱い教師・坂本(じろう/シソンヌ)は道でヤクザの剛田(勝矢)に激突。偶然そこに落ちてきた電光看板から自分を救った“命の恩人”坂本に、剛田は感謝した。
ヤクザの事務所が潰れ、無職になってしまった剛田に、坂本は生徒指導専門の実習生の仕事を紹介。翌日から剛田は生徒指導の教師として軟高にやって来た。強力な用心棒を手に入れ気が大きくなった坂本は突然強気な教師にキャラ変し、三橋貴志(賀来賢人)をはじめとした不良たちに圧力を掛けていく……という内容である。
まず意外だったのは、原作に数ある秀逸なエピソードの中で、比較的地味な「レプリカヤクザ編」が選ばれたことだ。はっきり言って、特にドラマでやるべき話ではない。ほかにドラマ向けのエピソードは数多いものの、ムロをメインにしたいがために教師を中心に据えた話が選ばれただけのような気がしてならない。話の回数は限られているのに、この1週分が本当にもったいない。
しかも、原作版「レプリカヤクザ編」のいいところをことごとく改悪しているのが解せない。例えば、屋上から三橋と伊藤真司(伊藤健太郎)が飛び降りた場面。ドラマでは剛田が三橋らを追いかけるだけで終わったが、原作では「世の中の役に立とうと思っていたのに、青少年を死に追いやってしまった」と剛田はショックを受けている。
これがあるとないとでは、全然違う。ただの荒くれ者なのか、良かれと思ってやってしまっていることなのか、剛田に対する印象がまったく異なるのだ。
話の着地点も、原作のいいところがバッサリ削除された。三橋のワル知恵でみんなから「剛田先生!」と慕われ、暴力で生徒を屈服させていた剛田は「俺はオマエらの味方だー」と改心。こうして坂本の恐怖政治は終焉し、剛田は生徒に愛される教師を目指して猛勉強を始める。これが原作でのエンディングだった。しかしドラマ版では、教育者を目指すはずの剛田が、ただの悪い輩で終わってしまっている。赤坂哲夫(佐藤二朗)らの無駄なコント部分がなければ、それくらい描写できたはずなのに! 特に今回、原作にはないドラマオリジナルのくだりがことごとく足を引っ張っている。完全に失くせとは言わないが、もう少し自重してもいいのでは……。
このドラマが批判されるとしたら、その大部分はムロと佐藤のコント部分に原因がある。福田組作品にとってドラマの筋に関係ない2人のユーモラスなくだりはマストかもしれないが、冷める時だってある。
ムロが出演中のドラマ『大恋愛』(TBS系)では、彼のアドリブが作品のいいスパイスになっている。そう、スパイスでいいのだ。程々だからいい。1話丸々のムロは、正直キツかった。椋木先生は主役を張るようなキャラじゃない。今回はスピンオフ辺りでやるべき話だったと思う。
前回のレビューでもチラッと触れたが、ならば原作版の重要キャラである中野誠や高崎秀一を登場させてほしい。こういう1週分が本当にもったいないのだ。
■次回「廃ビル編」と太賀への大いなる期待値
しかし、最後の最後でテンションが上がった。第6話のクライマックスは次週予告にあった。ついに、今井勝俊(太賀)が廃ビルに閉じ込められる原作の伝説エピソードが選ばれたのだ。「廃ビル編」は、ドラマでも愛されキャラとして人気急上昇中の今井の最大の見せ場のひとつ。原作を知らない視聴者の反応が今から楽しみで仕方ない。
YouTubeで公式の次回予告では、以下のような解説が記されている。
「原作伝説のエピソード解禁!! 三橋と今井の仁義なき、そして世界一ムダな闘いが幕を開ける…!」
「原作ファンの皆様、お待たせしました!ついにあの伝説のエピソードが解禁!!原作を知らない皆様、逆に何も情報いれずに見ても滅茶苦茶おもしろいですよ!!」
「三橋を罠にかけた今井。だが今井は忘れていた…三橋はやられたら100倍にして返す男だということを…。三橋と今井の仁義なき、そして世界一ムダな闘いが幕を開ける…!」
正直、あの面白さを実写で表現するのは至難の業だと思う。しかし、もし成功したならば脱帽だ。元は背が高かったはずの今井を、決して長身ではない太賀は好演していると思う。しかし、「廃ビル編」の今井はとりわけハードルが高い。逆に言うと、これをうまく演じられたならば、ドラマ版『今日から俺は!!』の英雄になれる。三橋にしてやられた瞬間の今井のあの表情をどこまで演じきれるのか? 純粋に期待しながら、第7話を待ちたいと思う。
(文=寺西ジャジューカ)
『今日から俺は!!』第6話 ムロツヨシと佐藤二朗のコントが足を引っ張る
11月18日に放送された『今日から俺は!!』(日本テレビ系)の第6話は、オープニングからムロツヨシ扮する椋木先生が大フィーチャーされた回。ストーリーは、原作で言うところの「レプリカヤクザ編」である。
■ムロツヨシをメインにしたいがために選ばれた地味なエピソード
まずは、今回のストーリーをざっと説明する。気の弱い教師・坂本(じろう/シソンヌ)は道でヤクザの剛田(勝矢)に激突。偶然そこに落ちてきた電光看板から自分を救った“命の恩人”坂本に、剛田は感謝した。
ヤクザの事務所が潰れ、無職になってしまった剛田に、坂本は生徒指導専門の実習生の仕事を紹介。翌日から剛田は生徒指導の教師として軟高にやって来た。強力な用心棒を手に入れ気が大きくなった坂本は突然強気な教師にキャラ変し、三橋貴志(賀来賢人)をはじめとした不良たちに圧力を掛けていく……という内容である。
まず意外だったのは、原作に数ある秀逸なエピソードの中で、比較的地味な「レプリカヤクザ編」が選ばれたことだ。はっきり言って、特にドラマでやるべき話ではない。ほかにドラマ向けのエピソードは数多いものの、ムロをメインにしたいがために教師を中心に据えた話が選ばれただけのような気がしてならない。話の回数は限られているのに、この1週分が本当にもったいない。
しかも、原作版「レプリカヤクザ編」のいいところをことごとく改悪しているのが解せない。例えば、屋上から三橋と伊藤真司(伊藤健太郎)が飛び降りた場面。ドラマでは剛田が三橋らを追いかけるだけで終わったが、原作では「世の中の役に立とうと思っていたのに、青少年を死に追いやってしまった」と剛田はショックを受けている。
これがあるとないとでは、全然違う。ただの荒くれ者なのか、良かれと思ってやってしまっていることなのか、剛田に対する印象がまったく異なるのだ。
話の着地点も、原作のいいところがバッサリ削除された。三橋のワル知恵でみんなから「剛田先生!」と慕われ、暴力で生徒を屈服させていた剛田は「俺はオマエらの味方だー」と改心。こうして坂本の恐怖政治は終焉し、剛田は生徒に愛される教師を目指して猛勉強を始める。これが原作でのエンディングだった。しかしドラマ版では、教育者を目指すはずの剛田が、ただの悪い輩で終わってしまっている。赤坂哲夫(佐藤二朗)らの無駄なコント部分がなければ、それくらい描写できたはずなのに! 特に今回、原作にはないドラマオリジナルのくだりがことごとく足を引っ張っている。完全に失くせとは言わないが、もう少し自重してもいいのでは……。
このドラマが批判されるとしたら、その大部分はムロと佐藤のコント部分に原因がある。福田組作品にとってドラマの筋に関係ない2人のユーモラスなくだりはマストかもしれないが、冷める時だってある。
ムロが出演中のドラマ『大恋愛』(TBS系)では、彼のアドリブが作品のいいスパイスになっている。そう、スパイスでいいのだ。程々だからいい。1話丸々のムロは、正直キツかった。椋木先生は主役を張るようなキャラじゃない。今回はスピンオフ辺りでやるべき話だったと思う。
前回のレビューでもチラッと触れたが、ならば原作版の重要キャラである中野誠や高崎秀一を登場させてほしい。こういう1週分が本当にもったいないのだ。
■次回「廃ビル編」と太賀への大いなる期待値
しかし、最後の最後でテンションが上がった。第6話のクライマックスは次週予告にあった。ついに、今井勝俊(太賀)が廃ビルに閉じ込められる原作の伝説エピソードが選ばれたのだ。「廃ビル編」は、ドラマでも愛されキャラとして人気急上昇中の今井の最大の見せ場のひとつ。原作を知らない視聴者の反応が今から楽しみで仕方ない。
YouTubeで公式の次回予告では、以下のような解説が記されている。
「原作伝説のエピソード解禁!! 三橋と今井の仁義なき、そして世界一ムダな闘いが幕を開ける…!」
「原作ファンの皆様、お待たせしました!ついにあの伝説のエピソードが解禁!!原作を知らない皆様、逆に何も情報いれずに見ても滅茶苦茶おもしろいですよ!!」
「三橋を罠にかけた今井。だが今井は忘れていた…三橋はやられたら100倍にして返す男だということを…。三橋と今井の仁義なき、そして世界一ムダな闘いが幕を開ける…!」
正直、あの面白さを実写で表現するのは至難の業だと思う。しかし、もし成功したならば脱帽だ。元は背が高かったはずの今井を、決して長身ではない太賀は好演していると思う。しかし、「廃ビル編」の今井はとりわけハードルが高い。逆に言うと、これをうまく演じられたならば、ドラマ版『今日から俺は!!』の英雄になれる。三橋にしてやられた瞬間の今井のあの表情をどこまで演じきれるのか? 純粋に期待しながら、第7話を待ちたいと思う。
(文=寺西ジャジューカ)
佐藤二朗は大みそかに出現したフジテレビの救世主か!? クイズ番組初MCで、ついに持ち味を発揮する
昔から、クイズ司会者に俳優が起用されると、その番組の成功する確率は高くなる印象がある。パッと思い浮かぶのは、『パネルクイズ アタック25』(テレビ朝日系)の初代司会者を務めた児玉清だろう。だが、実は他にも数多いのだ。
例えば、現在の『アタック25』は谷原章介が3代目司会者に収まっているし、昭和の時代に遡ると関口宏が『クイズ100人に聞きました』『わくわく動物ランド』(ともにTBS系)の司会を務め“視聴率男”の異名をほしいままにしていた。『クイズ天国と地獄』(TBS系)の山城新伍や『クイズタイムショック』(テレビ朝日系)の田宮二郎も、紛れもない成功例である。
そして、2017年の大みそか。12月31日に放送された『超逆境クイズ99人の壁』(フジテレビ系)にて、クイズ番組初MC、それどころかバラエティ番組の初MCを務めたのは俳優の佐藤二朗だ。
■オープニングから弱音を連呼する佐藤
毎作のようにアドリブ演技を多用し、ファンならびに共演者へ特異なインパクトを残してきた佐藤。その印象からか、彼は昨年7月放送『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)にて松本人志から「(トークで)打てば響くような人だと思ってた」と評価されている。しかし、本人は「それは誤解です」とキッパリ否定! あの時の佐藤は、ダウンタウンを前にして極度の緊張状態を隠すことができなかった。
だからこそ、今回は注目だった。初のバラエティMCという大役にどう臨むのか? 実は、オンエアに先駆けて佐藤は同番組に対する思いを発信。12月26日に、Twitterで彼は「俺が?テンパる事と、浮き足立つ事に関して他の追随許さぬこの俺が?無謀。大無謀」とツイートしている。
これは、今回もガチガチか……? と思いきや、佐藤は最初からフルスロットルだった。いきなり客席を指差しながら入場し、参加者を煽りまくっておきながら「やかましい!」と一喝する勇ましさ。
かと思えば、「MCとかやったことがないのよ」「大みそかに何をさせるんだ」「フジテレビばかやろー!」「不慣れなものですから、進行がたびたび滞ることは覚悟せよ!」と、何も始まってないのに言い訳を連呼。今回は、“役者・佐藤二朗”の持ち味とスキルが十二分に活かされているように見える。
ちなみに、この番組のクイズ形式は変則だ。スタジオには100人の参加者が集結し、その中の1人がくじで“チャレンジャー”に選出される。チャレンジャーは自分の得意な分野が指定でき、そのジャンルにまつわる問題へ挑戦。ここで早押しクイズに5問正解できればクリア。そして、それを阻まんとするのは残りの参加者たち(ブロッカー)だ。回答者が勝てばブロッカーは増殖し、最終的には「1人vs99人」になる。得意ジャンルで挑戦する代わり、多勢に無勢になるというシステムである。
■挑戦者の豊富な知識に呆れる、“視聴者目線”の仕切り方に萌える
クイズ番組の司会者ともなれば、立ち回りのパターンにもさまざまある。児玉清は、誤答した回答者へ時には「○○とお答えいただきたかった!」とコメントしたり、時にはパネルの取り方を助言することも多く、優しげにアドバイスする姿勢を彼は貫いていたように思う。もしくは、パネラー席へ肘を付くスタイルが印象深く、その不思議な馴れ馴れしさが「司会者」と「回答者」の垣根を感じさせない役目を果たしていた『100人に聞きました』の関口宏のパターンも個性的だ。
そして今回。ある意味、佐藤の選んだスタイルは児玉清と真逆であった。とにかく、参加者の知識に感嘆しまくる。
例えば、ジャンル「カーリング」の際に出題された「カーリングのストーンの多くはイギリスのある島で取れた花崗岩が原料として使われていますが、その島の名前は?」という問題にて、チャレンジャーは「イギリスの~」の瞬間に早押しして正解。その様子を見た佐藤は「参ったよ(笑)」といった表情で崩れ落ち「そんなもん、普通わからんわなー?」とリアクションするのだ。
他にも「マジか!?」「ウソだろ!?」「スゲェな!」「なんでわかった!?」「(自分には)全くわかりません」と、クイズMCらしからぬ言葉を連発する佐藤。これがなんともほっこりする。端的に言うと、萌えるのだ。“上から目線”の欠片もなく、立ち位置的には完全に“視聴者目線”。だからこそ、シンパシーを覚えてしまう。
番組にもよるが、クイズの司会者は正解を知っている場合が多い。だからこそ、クイズに強くなかったとしても回答者にアドバイスを与えることはできる。難易度が高かろうが低かろうが、MCにはアドバンテージがある。
一方、この番組での佐藤の振る舞いを見ていると、彼は恐らく答えを知らないまま進行している。その状況が起因しつつ、加えて“知ったかぶり”するのは彼の性分としても気が引けるのだろう。だから、彼は剥き身のままMCに臨んだ。それが結果的に、好感の持てる仕切りへと昇華するのだ。こんなにも素のままに驚いたり、残念がったり、励ましたりするクイズ司会者は、実はかなり珍しい(強いて挙げれば、フジテレビの『カルトQ』のうじきつよしは佐藤に少し近かった)。
どうやら、今回の佐藤のMC初挑戦は好評を博しているようだ。SNS上では「佐藤二朗があまりにも良すぎ」「優しさが出てた」「司会者変更なしで第2回が見たい」「フジテレビが甦る鍵は佐藤二朗が握ってる」など、絶賛の嵐である。また、番組エンディングでは「二朗! 二朗! 二朗!」と参加者からのコールがスタジオ内でこだまし、照れと安堵の感情からか佐藤は思わず笑みをこぼしてしまっている。
放送前、「俺史上、最初で最後のMCを見届けよ」とツイートしていた佐藤だが、この番組は恐らく第2回があるはず。何しろ、『99人の壁』エンディングでは「次回を待て!」というテロップが大きく表示されていたのだ。大みそかに放送するという英断からも、フジテレビが局としてこの番組に力を入れていることは明白である。
(文=寺西ジャジューカ)