情報も種類もたくさんありすぎて、どれを選んだらいいか混乱してしまう家電。いったい何を基準にどれを買えばいいの!? とにかく面倒くさがりな編集者・くさ子とドケチなライター・ケチ美が、家電コーディネーター・戸井田園子さんに、いま話題の製品や間違いのない製品を聞きました。
第3回は、めちゃくちゃ軽いのにちゃんと吸う「スティック型コードレス掃除機」をご紹介します。
ダイソンは日本の掃除スタイルを大きく変えた!

ライター・ケチ美(以下、ケチ美) いやー、申し訳ないですけど、ぶっちゃけスティック型コードレス掃除機は、吸わない・充電がすぐ切れるというイメージしかないです。
戸井田園子さん(以下、戸井田) それは一昔前のイメージですね。確かに、タイヤが付いている一般的なキャニスター型掃除機がメインの時代は、「コードレスはラクだけど、パワーや連続使用時間が気になる」と言われていました。しかし、2011年にダイソンがスティック型コードレス掃除機「DC35」を発売して市場を開拓してきた結果、今やスティック型コードレス掃除機はサブではなくメインユースとして支持されているんですよ。
編集者・くさ子(以下、くさ子) ええー、そうなんですか! 知りませんでした。コード付きの掃除機って本当にめんどくさいですよね。「あとちょっと」というところで届かなくて掃除を諦めたことが何度もあります。コードレス、ほしいです。
ケチ美 ま、お値段次第ですかね。
戸井田 ボリュームゾーンは4〜5万円。キャニスター型と同じくらいです。フルスペックの最上位モデルは7万円前後です。
ケチ美 えっ、ボリュームゾーンですら想像よりもだいぶ高い!!
戸井田 かつてサブ的に使われていたころは1万円以下が主流でしたね。そこへダイソンが高額な製品を次々に発売し、それが売れた。そこで日本のメーカーも「それだけの価格を付けていいなら、パワーも連続使用時間も十分なものがつくれる」と参入し始めたんです。重さでいうと、ボリュームゾーンの4〜5万円台は1.5kg前後の軽量タイプ。7万円以上の製品は、2.0kgより重めの“本気タイプ”。主要なメーカーはどちらのタイプも出していますが、ここ1年ほどは軽量タイプが支持されています。
くさ子 “本気タイプ”でなくてもメイン機として使えますか?
戸井田 もともと軽量タイプは「キャニスター型を持っているけれど、忙しい週中はもっと手軽に掃除したい」という人に支持されていたのですが、毎日5分程度でもまめに掃除しておくと“きれい”が維持できて、週末にわざわざキャニスター型を出して掃除しなくてもよくなるんですよ。スティック型コードレス掃除機の普及で日本の掃除スタイルが大きく変わったと思います。
くさ子 ズボラな私でもコードレスならまめに掃除できるような気がします!
口コミ評価の高さやデザインよりも生活に合ったものを【マキタ・エレクトロラックス】
ケチ美 軽量タイプだとマキタが人気だと小耳に挟みました。
戸井田 マキタはよい情報が独り歩きしすぎてる気がしますね。かつて軽量タイプのパワーが弱かった時代は画期的だったんですが、今は他社の軽量タイプもかなり吸うので差はありません。むしろ、業務用を想定している電動工具メーカーのマキタよりも、家庭内の掃除を熟知している家電メーカーのほうが毛足の長いカーペットや傷つきやすいフローリングなどにも柔軟に対応できて、ストレスが少ないように思います。
くさ子 単に「有名だから」「人気があるから」で選ばないほうがいいということですね。
戸井田 そうですね。今は各社どれも吸引力はあります。ただ使い勝手に個性があるので、自分の生活にマッチするものを選ぶといいでしょう。たとえば、スウェーデンのメーカー、エレクトロラックスのコードレスクリーナーは、デザインがスタイリッシュなスティック型掃除機の草分け的存在として女性に人気。かつてはパワーに不安がありましたが、今は改良されてよく吸います。足元にモーターを配置しているので手元が軽い。ただし、足元が重い分、てこの原理が働いて段差を持ち上げるのがたいへんです。重めの置敷きのカーペットや和室の段差などが少ないフラットなマンション向きです。
くさ子 モーターの位置なんて気にしたことなかったです。
戸井田 エアコンの上など高いところや階段の掃除をしたければ、足元ではなく手元にモーターがあるタイプがおすすめです。
くさ子 エアコンの上? そんなところ掃除する人いるんですか?
戸井田 いますよ(笑)。シャープ「RACTIVE Air(ラクティブ エア)」は、RACTIVE Air Power以外は1.5kg以下でとにかく軽い。エアコンの上やカーテンレールの上なども簡単に掃除できます。
くさ子 自分の背丈より上の掃除なんて年に一度もしないけど、これならエアコンのフィルター掃除もできそう。
戸井田 ユニークなところでは三菱「iNSTICK ZUBAQ(インスティック・ズバキュー)」。HC-JD1J、HC-JM1Jは、スタンドから片手で着脱できて、サッと掃除を始められる「ワンモーションデザイン」がウリ。赤ちゃんを抱っこしながらでも掃除できると評判です。本体から持ち上げるだけでハンディクリーナーにもなりますし、ヘッドをフラットにすることでソファの下など高さ約6cmまでの狭いすき間にも入るように設計されています。掃除のしやすさをとことん追求したタイプですね。
ケチ美 どれも同じように見えて意外と個性があるわあ。これは迷う。
モップ付きやダストケース洗浄などの工夫も【アイリス・日立】
戸井田 個性といえば、アイリスオーヤマ「極細軽量スティッククリーナー IC-SLDCP6M」は1.6kg、2万円台でお手頃。しかも、ホコリを吸い取るモップが付属していて、掃除をしながらモップがかけられるというユニークな製品。モップに付いたホコリは掃除機のスタンドが吸ってくれます。紙パック式で約1年分(25枚)も同梱されているのでお得感もあります。
ケチ美 安い! お得! モップ付き!
戸井田 日立「ラクかるスティック」も売れています。「ラクかるスティック」は1.4kg、シャープ「ラクティブ エア」の最軽量モデル(EC-VR3SX、EC-VR3S)が1.3kg。それぞれコンパクトなボディにふさわしい高効率モーターを開発し、競い合っています。ハンディ型としても使えたり、すき間に便利なノズルが付いていたり、ダストケースを分解してまるごと洗えたりするという点も似ている。東芝「TORNEO V cordless(トルネオV コードレス)」も同様です。
戸井田 パワー重視だったダイソンも、2019年に本体質量が2.15kgの「Dyson V8 Slim」を発売。これは日本の住環境に合わせて開発した製品で、コンパクトで軽量。女性の体に合うサイズです。価格も従来のモデルよりも抑えめで5〜6万円。ダイソンは、吸引力自体は他のメーカーと比べて突出しているわけではありませんが、吸引力が続くという点では優れています。ハウスダストに困っている方にはおすすめです。
ケチ美 憧れのダイソンがこのくらいの価格で手が届くと考えるとお得な気がする。ほしいな。
くさ子 私はとにかく掃除は簡単に済ませたいから、軽さ重視でシャープ「ラクティブ エア」が気になるな。ダストカップが取り外して洗えるのもうれしい。でも、アイリスのモップ付きも面白い。
ケチ美 気になるのはバッテリー。スマホもバッテリーがすぐだめになるじゃないですか? バッテリーの買い替えは意外と高いからバカにならない。
戸井田 シャープ「ラクティブ エア」EC-VR3SXは、バッテリー2個付き。バッテリー1個あたり最長約32分使用でき、2個交換しながら使えば約2,200回、約6年間使える計算になります。他社も明言していませんが同程度使えるとみていいでしょう。バッテリーの技術はどんどん進化してますからね。ただし、メーカーや機種によってバッテリーが取り外しできるタイプと内蔵型があるので、そこはチェックが必要です。内蔵型はバッテリーが消耗したら本体ごと買い換えなければなりません。
くさ子 なるほど〜。スティック型コードレス掃除機で脱ズボラ、毎日まめに掃除ができるようがんばります!
――次回は、ロボット型掃除機の選び方を教えてもらいます!
戸井田園子(といだ・そのこ)
家電コーディネーター。All about家電ガイド。大手プレハブメーカーでインテリアコーディネートを担当し、インテリア研究所を経て商品企画部へ。現在は、雑誌・新聞・テレビなどで活躍中。夫と息子の3人暮らし。