「お嬢さんと呼ばれたかった」通り魔に成り果てた中年女・伊田和世の欲望と孤独

<p> 和世は確かに歪み、そして壊れていた。</p> <p> こうして周囲から見える和世の表層は、とてつもなく不安定で、風変わりだ。そして彼女の母親もかなりの変わり者として有名だったという。母親は和世と同じく、美人で派手な格好する女性として近隣から奇異な目で見られていた。また性格も強くてヒステリック。和世が幼い頃、母親が子どもを怒鳴る声が頻繁に外まで聞こえてきたという。さらに母親は機嫌が悪いと和世を人前でも罵った。他人に娘の悪口を吹聴した。娘に対する興味も薄かったのだろう。不登校になった小学生の娘に「行きたくないなら、行くな」と関心を示さなかったという。和世は幼少期から育児放棄に加え、母親からの悪意も植えつけられたといえる。</p>

「赤いドレスの通り魔」「ひらひらさん」と呼ばれた連続通り魔・伊田和世の実像

<p> 時に妙な磁場を持つ女性犯罪者や犯罪被害者が登場することがある。</p> <p> 東電OL事件の被害者となった渡辺泰子や、首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗などがそれに当てはまるが、2003年に名古屋で起きた連続通り魔事件の伊田和世もまた、そうした系譜の女の1人だ。美人でしかも水商売やソープランドで働いた経験があった、当時38歳の和世は、マスコミに大きく取り上るのに十分の“磁場”を持っていた。</p>