まだこんな“コネ入社”が……メディア企業と県庁幹部の「癒着」と不条理な「強制人事」

 世の中にはまだ、こんな“コネ入社”が存在したのか……。

 ある地方都市に居を構える某メディアでは、現役の県庁幹部のご息女が父親の“ゴリ押し”により入社。ところが、まったく使い物にならず、周囲を悩ませているという。

 事情を知る全国紙社会部記者が、声を潜めて語る。

「今のご時世、どこも余裕がないのに、よくあんな人を入れますよね。彼女が入社したのは、メディアとしてはかなり老舗の会社。裏口、コネ入社はなかなか認めないはずなのですがね」

 時期は今から3年ほど前にさかのぼる。半ば“自由人”だった彼女だが「たまたま、この会社のトップと県庁幹部が親しい関係だった。外で遊ばせるのもいいが、そろそろ娘を社会人として働かせたいということもあり、採用期間外に『正社員としてなんとか入れてくれ』と話をした」という。

 ところがこのメディアにそんな余裕はなく、結局、系列の下請け会社で受け入れたが「なんと、最初の配属先は報道の外勤。周囲は一斉に『あり得ない……』と口をそろえた」という。だが、何かとミスを繰り返すなどポンコツぶりを発揮し、すぐに他部署へと左遷。これが会社のトップの知らないところで行われたこともあり、後にトップに発覚した際は「すぐに戻せ!」と“強制的人事”が発動されたという。

 ここまでならよくある話だが、問題は、なぜ彼女を特別待遇で受け入れたのかだ。

「実はこのメディア、近々移転することが決まっています。その土地を巡って県庁幹部にかなりの口利きをしてもらったようなんです。その見返りとして娘さんを働かせる、といった形になりました」(別の県庁関係者)

 一歩間違えれば各方面から批判を浴びかねない“裏取引”は、いつになったら撲滅されるのか……。

事実上、玄関先へ荷物を放置!? 人手不足と再配達のコストの中で「ゆうパック」が考える新たなサービス

 人手不足に苦しむ宅配便業界。ついに業界では禁じ手も是認する動きが始まっている。「ゆうパック」が、事実上、玄関先へ荷物を放置するサービスを計画しているのだ。

「ゆうパック」を運営する日本郵便が、来春にも導入を予定しているサービスは「指定場所配達サービス」というもの。今のところ明らかになっている情報によれば、受取人が不在だった場合、あらかじめ指定した場所であれば自宅の玄関先や車庫などに荷物を置いておくことができるようになるという。

 宅配便業界において、玄関前への放置は、まずあり得ない行為。これまで、受取人が要求しても盗難の恐れがあり責任も取れないことから、行ってはならない行為とされてきた。

 今回の日本郵便が進めるサービスでも、盗難のリスクを考え、当面利用できるのは、同意を得た特定の事業者の荷物だけになる予定。とはいえども、これは宅配便業界において、大きな変化だ。

 同様のサービスは、昨年、アスクルが個人向け通販「LOHACO」で導入。これは購入金額3万円以下に限り、ユーザーがあらかじめ指定しておくと玄関の前や物置の中などに配達した荷物を置いてもらうことができる。

 ここ数年間、宅配便業界における人手不足や、再配達によるコスト増は大きな問題となっている。2016年度の国内の宅配便の取扱個数は約40億1,900万個。その9割以上をヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社が占めている。

 業界内でのシェアが増えれば、利益もうなぎのぼりのはず。しかし、そう単純にはいかない。すでに3社ともにキャパシティを大幅に超えているのだ。

「人手を確保するために各社とも時給は、どんどん高くなっています。ヤマト運輸なんて都内では、配達を担うフィールドキャストの時給が1,500円以上のところも。それでも人手は足りていません。ヤマト運輸よりも時給の安い日本郵便が、もっと悲惨なのは当然です」(郵便局関係者)

 そんな状況の中で、もっとも無駄な労力を割かれるのが再配達。すでに、日本郵便では依頼がなければ再配達をしないとして、コスト削減に取り組んでいる。

 わずかな金額で指定した日の指定した時間に、間違いなく荷物が届くのが当たり前となってきた宅配便業界。でも、それ自体が「奇跡」だったということか。
(文=是枝了以)

「金を払って働け」のマーマーマガジンだけじゃない! 出版業界の“超絶ブラック”地獄絵図

 安倍晋三首相が「70年ぶりの大改革」とアピールする働き方改革関連法案で、労働者に不当な労働条件を強いられる可能性があることが問題とされる中、「試用期間中は会社に金を払って働け」とする仰天告知を出したのが岐阜県美濃市の出版社エムエムブックスだった。ライフスタイル誌「マーマーマガジン」などを発行する同社は5月末、マネジャーらスタッフ募集の告知を公式ホームページに掲載。それは驚きの内容だった。

「今回、『お金を払って働いていただく』という試みを行いたいと思います。『お金を払ってでもマーマーマガジン編集部で働きたい』『エムエム・ブックスでの取り組みを積極的に学びたい』という方を採用させていただきたく、このような方法を採択することとしました」

 記載には「現在、服部が編集・執筆業務について人員が足らず、大変困っております」と、編集長の服部みれい氏がスタッフ不足に悩んでいる旨も記載されていたが、業務内容は編集以外にも「畑仕事から犬の散歩まであらゆること」とされ、1~3カ月とする試用期間を「『ここで学んだ』ということに対して対価を払っていただける方(対価については、みなさまが『学んだ』と思うに見合う額を自由にお支払いください)」とし、給与は本契約後に支払うとした。

 これにはTwitterなどで「試用期間が終わってから給与を払うって、それまでかすみでも食って生きろと?」「労働搾取の最たるもの。超ブラック企業」などの批判が巻き起こった。

 結果、同社は募集を中止したが、実は、各地の出版関係者からは「自分も似たような経験をしている」との声が複数、聞かれている。

 過去にプロレス月刊誌で働いた女性は「アルバイト募集の告知を見て編集部に採用されたのに半年以上も報酬はゼロだった」という。

「記者会見の取材などに行かされて週6日も写真を撮ってメモを編集部に渡す作業をしたのに、編集長は『試用期間3カ月は修業の身。金を払ってもいいぐらいだ』なんて言って報酬をくれませんでした。ときどき取材現場までの交通費だと言って、千円札を1枚か2枚もらうことはありましたけど、働けば働くほど赤字。仕方なく別のアルバイトをやっていたんですが、3カ月が過ぎて『正式に雇ってくれますか』と聞くと、編集長は『原稿も書けないくせに図々しい』と言うだけ。原稿を書く指示は一度も受けていないのに、です。結局、一度も報酬はもらえないまま辞めて、別の出版社に就職しました。そこも経営難ですぐ潰れてしまったんですけどね」(同)

 サブカルチャーなど雑多な情報を扱っていた別の月刊誌では、編集部で働く4人のスタッフのうち編集長以外3人が給与明細もない状態で5年以上も働いていたという。

「一般的な編集作業のほか、かなりのページで記事も書いていました。毎月10万円の振り込みがあったんですが、実はこれカラクリがあったんです。同時にまったく別の雑誌編集部にも手伝いでよく行かされていたんですが、その出先からは会社に月10万円の報酬が出ていたことがわかったんです」(20代男性)

 つまり、会社は他で稼がせた金を、さも自社で支払ったかのように渡し、実際には1円の人件費もかけていなかったのである。

「編集長には『社員登用はそのうち』と言われ続け、給与明細もなかったので知らなかったんですよ。あるとき編集長にそのことを聞いたら『試用期間だから』と言われました。当然、何の福利厚生もないまま。最後は3人で抗議したところ感情的な言い合いになって、みんなで辞めたんです。3人とも人生経験が浅い20代前半だったんで、当初は『そういう世界なのか』と思わされちゃっていました」(同)

 労働基準法では、勤務が14日を超えた時点で平均賃金30日分以上の支払い義務が生じると定められている。賃金の額は当然、法で定められた最低賃金以上となっている。一部、最低賃金以下に減額できる特例もあるにはあるが、これは都道府県の労働局長の許可があった場合だけだ。

 しかし、現実的にはそうした法律をそっちのけで、出版界に限らず試用期間という制度を悪用した雇用トラブルが全国で相次いでいるのである。あるベテラン編集者は「特に出版界では、スキルが身につけられるんだから我慢しろ、という風潮がある」という。

「でも、それは本や雑誌がバンバン売れた時代の名残。月収100万越えがたくさんいた頃は、一人前になれば実際稼げるから、そんな発想があったし、みんな納得してたんですよ。でも、いま年々出版不況になって編集スキルなんて大して役に立たず、30年やってきた編集者でも仕事がなくなっているし、エムエムブックスみたいな弱小出版社で働いたって大金を稼げる編集者になる可能性なんてかなり低い。なのに経営者や編集者がいまだに上から目線なんですから、困ったものです。マスコミのくせに時代を読めていないのが儲からない原因なんですよ」

 マーマーマガジンは公式サイトに、「自分を大切にして生きるための雑誌」とし、「持続可能なライフスタイル」を届けるとしていたが、とても人を大切にする組織には見えず、持続可能ではないライフスタイルの提案をしていたことになる。別の出版関係者は「ただでさえ人が集まらなくなっている業界なのに、よくもこんなイメージダウンになる迷惑なことをしてくれたもんだ」とも嘆いている。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)

 

実録! テレビ局“働き方改革”の舞台裏「AD優遇で、ディレクターにさらなる負担が……」

「ブラック企業」「長時間労働問題」などを撲滅するため、国が主導で進める「働き方改革」。先日も、テレビ朝日の局員が2015年2月に心不全で死亡した件について、三田労働基準監督署が労政認定するなど、メディアにも厳しい目が向けられている。

 先月28日には日本テレビの定例社長会見の場で、大久保好男社長が「適正な形になるよう、会社全体で進めているところです」と言及。世間が働き方改革の是正を叫びだす前から、会社として取り組んでいることをアピールしたが、同局の制作現場で働く関係者は「なかなか改善はされませんよ」と苦笑する。

「番組を制作するに当たっては、ロケなり打ち合わせなりが必要ですが、これをどこまで勤務時間として組み込むか。事務部門ならパソコンの電源が入っている時間などで算出することも可能ですが、外打ち(外出した上での打ち合わせや仕事)が多い現場にとっては、あまり意味がない。そもそも、タレントを抱える芸能事務所なんて、決まった就業時間はあってないようなもの。そこ相手に仕事をしている限り、やはり改善は厳しいと思います」(同)

 もっとも、権限がなく立場的に弱いADに対しては「上長が『早く帰宅しなさい』と、やみくもに声をかけている。今はその言葉を真に受けてADも帰るんですから、その分、ディレクターは以前の2倍、3倍の負担を強いられます。それを1人でカバーするか、クオリティを下げるか。最近は後者のパターンが多いので、番組もつまらなくなったと言われているのだと思います」という。

 地方テレビ局の幹部は“働き方改革”で「人材育成に、かなりの影響が出ている」と頭を抱える。

「東京や大阪などのテレビ局と比べて、我々の仕事の規模は小さい。その分、1人で何役もこなすことになりますが、それを以前の3分の1くらいの時間で教え込まないといけない。全員にやる気があり、要領も良ければなんとか大丈夫でしょうけど、そうもいかない。また、休日に部下を呼び出すには、上長の許可が必要となった。前は、休日返上で勉強を兼ねて現場に来させたりして、それが後々生かされたこともあったけど、今は本人たちが『行かせてください!』と猛烈アピールでもしない限り無理です。問題は10年後。彼らに後輩ができたとき、何も教えられなくなっていますから。それでも、テレビ局は存在するんですかね……」(同)

 今回の「改革」は、テレビ業界の現場にとっては四方八方ふさがりの「改悪」ともなりかねない状況のようだ。

『ガイアの夜明け』テレビ東京の“レオパレス告発”で踏んだ「虎の尾」

 5月29日放送の『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)が、賃貸アパート大手のレオパレスのアパートに建築基準法違反の疑いがあることを告発。レオパレスは番組放送直前に記者会見を行い、施工不良があったことを認めた。

 レオパレスのアパートに関しては、「壁が薄く、音漏れがひどい」との声がネットに寄せられており、告発はそれを証明した形だが、テレビ東京が“パンドラの箱”を開けたのも事実だ。

 同日の放送は、不動産投資の実態に切り込んだものだった。番組によれば、レオパレスの一部のアパートの天井裏には、遮音や延焼を防ぐ「界壁」が設置されていなかったとのこと。しかも『ガイアの夜明け』がレオパレスを告発するのは二度目のことだ。週刊誌の経済記者が語る。

「『ガイアの夜明け』は昨年末、不動産業界の経営手法に疑問を呈する特集の中でレオパレスを取り上げました。番組にはレオパレスのアパートのオーナーが登場し、家賃保証はまったくのウソで、営業マンがオーナーに家賃収入の減額や解約を迫る実態を告発。『契約から10年を超えたアパートは、基本的に解約を前提とした交渉を行う』という社内メールを突きつけられた社長が、言葉に詰まるシーンも放送されました。ところが29日の放送は、詐欺まがいの経営手法のみならず、アパート自体にも問題があることを白日の下に晒しました」(経済記者)

 界壁がなければ、部屋と部屋との遮音性が著しく失われるだけでなく、ひとたび火事が発生すれば、瞬く間に火が燃え広がってしまう。ネットニュース編集者によれば、レオパレスに関しては、ネットでこんな都市伝説が語られていたそうだ。

「レオパレスの音漏れネタは、ネットでは有名でした。『チャイムならされたと思って玄関を開けたら、四軒隣の部屋だった』『ティッシュを取る音が聞こえてくるのは当たり前、携帯のポチポチが聞こえることも』『右の隣の部屋の住人が屁をこいたら、左の部屋の住人が壁ドンしてきた』といった“レオパレス伝説”がありましたが、実際に音が漏れるような構造になっていたということですよね」(ネットニュース編集者)

『ガイアの夜明け』で自社のことが報じられることを知ったレオパレスは、29日の夕方に急遽会見を行い、施工の不備を認める一方で、意図的な手抜き工事ではないと主張。レオパレスのアパートは全3万棟以上も存在するため、影響は広がりそうだが、「今回の放送でテレ東は虎の尾を踏んだ」と語るのは、大手広告代理店の関係者だ。

「レオパレスもそうですが、アパート経営の大手はテレビ業界の大スポンサーです。東建コーポレーションやシノケン、大東建託などは、有名芸能人を起用してバンバンCMを流しているので、ご存知の方も多いでしょう。本来ならば、同業他社の不祥事はビジネスチャンスですが、繰り返しアパート経営のいかがわしさが報じられると、『アパート経営は胡散臭いもの』という認識が広がり、市場全体が萎む可能性があります。『ガイアの夜明け』はテレビ東京と日本経済新聞が全面的に協力して作っている番組ですが、あまりに不動産業界を叩くと、テレ東も日経新聞も大口スポンサーを失うリスクはあるでしょう」

 視聴率が伸びず、新聞が売れない今、スポンサーはお客様以上に大事な存在。スクープの社会的意義は大きかったが、相応のリスクは背負い込んでしまったようだ。

地元では怒りの声も……人気居酒屋チェーン・塚田農場が産地偽装で宮崎県民も唖然

「こんな偽装をされて、風評被害も甚だしいですよ」

 宮崎県出身者に話を聞くと、そんな怒りの声を上げた。

 居酒屋チェーン「塚田農場」を展開するエー・ピーカンパニーが、看板メニューである鶏肉の産地を虚偽表示していたことが発覚したのである。

 その「虚偽」の内容は唖然とするものだ。

 店名に「宮崎県日南市 塚田農場」と看板を掲げて、宮崎県の「みやざき地頭鶏」など、地鶏を使用していることをウリにしている同チェーン。そのメニューでも、ページを割いて厳選された地鶏を使用していることを記している。

 ところが、実際には一部のメニューでは地鶏ではなく、タイ産のブロイラーを使用していたのだ。メニューをよく読めば確かに理解はできるのだが、たいていの人が誤解する記述。それが、消費者庁から「景品表示法違反(優良誤認)」と指摘されたのである。

 メニューには「地鶏一筋」など、企業理念としてこだわりを示していたのが「塚田農場」の特徴。宮崎県産の地鶏を使い、地鶏と宮崎県を強調してきただけに、宮崎県の風評被害への懸念と怒りは大きい。

「宮崎県内の養鶏農家で、同社が取引先になっているところは多いのです。これで取引を停止するというわけにはいきません。ただ、一部のメニューでブロイラーを使用していたとはいえ、ブランドイメージ全体にも風評被害を及ぼすのは避けられません。宮崎県民で怒らない人はいませんよ」(地元紙記者)

 宮崎県民はカンカンのこの事件だが、消費者庁は指摘したのはメニューの表示。ということは、口にして「これは地鶏じゃない!!」と気づいた客はいたのか、いなかったのか。そこも気になるところだが……。
(文=是枝了以)

“売り手市場”の就職活動──今年の学生は就活をするだけで儲かる?

 内定は取れないしカネはどんどん出ていくし……バブル世代の体験談に怨みを抱きながら過ごした就職氷河期世代。そんな時代も終わり、また就活生はラクラク内定を得て、ついでに儲かる時代になっている。

 リクルートキャリアの『就職白書2018』を読むと、2月1日に内定をもらっている人の数は2017年卒学生が2.3%なのに対して2019年卒学生は4.5%にまで急増。この背景として、売り手市場の中で企業が、早期の優秀な人材確保に動きだしているからだという。

 とはいえ、そんなのは“MARCH”以上とか優秀な大学の学生の話。Fランなどといわれる三流以下の学生は、相も変わらずなのではないか。そう思って尋ねて見ると……

「誰でも知ってる一流企業は無理ですが……早々と複数の会社に内定をもらえたので、さらに上を目指しています」(都内の三流大学の学生)

 さらにチャレンジを続けるのは素晴らしいが、同時に「就職活動は小遣い稼ぎにピッタリ」との話も。

「合同説明会では、『○社以上ブースを回るとQUOカードプレゼント』という企画をよくやってます。それも500円とかじゃなくて2,000円。企業でも説明会に参加するだけで2000円分のQUOカードをくれたりするところも増えました。小遣い稼ぎには最適ですよ」(別の都内の学生)

 こういった売り手市場のなか、学生にとってさらにうれしいイベントも。

「ある会社が開催しているベンチャー企業の合同説明会があります。一人ずつプレゼンして、その日のうちに内定がもらえるというイベントなんですが、友達紹介で一人あたり5,000円もらえます。20人紹介すれば10万円ですよ」(同)

 バブルの時代に比べると慎ましやかな儲け。とはいえ、就職氷河期世代にしてみれば、天国のよう。また、この国はバブルに向かっているのか?
(文=大居候)

“売り手市場”の就職活動──今年の学生は就活をするだけで儲かる?

 内定は取れないしカネはどんどん出ていくし……バブル世代の体験談に怨みを抱きながら過ごした就職氷河期世代。そんな時代も終わり、また就活生はラクラク内定を得て、ついでに儲かる時代になっている。

 リクルートキャリアの『就職白書2018』を読むと、2月1日に内定をもらっている人の数は2017年卒学生が2.3%なのに対して2019年卒学生は4.5%にまで急増。この背景として、売り手市場の中で企業が、早期の優秀な人材確保に動きだしているからだという。

 とはいえ、そんなのは“MARCH”以上とか優秀な大学の学生の話。Fランなどといわれる三流以下の学生は、相も変わらずなのではないか。そう思って尋ねて見ると……

「誰でも知ってる一流企業は無理ですが……早々と複数の会社に内定をもらえたので、さらに上を目指しています」(都内の三流大学の学生)

 さらにチャレンジを続けるのは素晴らしいが、同時に「就職活動は小遣い稼ぎにピッタリ」との話も。

「合同説明会では、『○社以上ブースを回るとQUOカードプレゼント』という企画をよくやってます。それも500円とかじゃなくて2,000円。企業でも説明会に参加するだけで2000円分のQUOカードをくれたりするところも増えました。小遣い稼ぎには最適ですよ」(別の都内の学生)

 こういった売り手市場のなか、学生にとってさらにうれしいイベントも。

「ある会社が開催しているベンチャー企業の合同説明会があります。一人ずつプレゼンして、その日のうちに内定がもらえるというイベントなんですが、友達紹介で一人あたり5,000円もらえます。20人紹介すれば10万円ですよ」(同)

 バブルの時代に比べると慎ましやかな儲け。とはいえ、就職氷河期世代にしてみれば、天国のよう。また、この国はバブルに向かっているのか?
(文=大居候)

現場レベルでは変化なし……KADOKAWAの組織再編は、引越準備なのか?

 4月に大規模な組織再編を行ったKADOKAWA。その再編の理由をめぐりさまざまな憶測が流れている。

 今回の組織再編のもっとも大きな動きは、アスキー・メディアワークス事業局の解体だ。これまであった文芸・ノンフィクション局が文芸局に名称変更。アスキー・メディアワークス事業局は文芸局に吸収されることになった。

「昨年、アスキー・メディアワークスの代表取締役を務めたこともある佐藤辰男氏が取締役相談役に就任。塚田正晃執行役員が、アスキー・メディアワークス事業局長から外れ、旧・角川書店の文芸出身だった郡司聡氏が、アスキー・メディアワークス事業局も担当するなどの動きもありましたが、文芸局と統合されたのは、どういう理由なのか。ちょっと理解に苦しんでいます」(出版業界関係者)

 ここでさらに注目されているのはアスキー・メディアワークスの看板ともいえる「電撃文庫」の配置だ。KADOKAWAのラノベレーベルは、エンタテインメントノベル局の傘下にあるのだが、電撃文庫だけは文芸局傘下になっているのだ。

「ご存じの通り、ラノベの読者層は既に年齢を重ねています。電撃文庫を文芸局傘下にする背景には、年齢層の広がりを受けて、より上の世代に対応できるラノベを作っていく意図があるのではないでしょうか」(同)

 KADOKAWAでは2015年に、2013年のグループ各社との合併によって生まれた社内カンパニー制を廃止し、コミックや雑誌などジャンルごとの「局」への再編を実施。この再編で「角川書店」や「富士見書房」などはブランドとしてのみ残ることとなった。1945年の創業以来続いた「角川書店」の名前は、ここに歴史の役割を終えていたが、アスキー・メディアワークスだけは会社の部門として残っていた。

「電撃文庫系の編集部は、文芸局・電撃メディアワークス編集部としては残りますが、組織名としてのアスキー・メディアワークスは消滅することになりました。さすがに伝統のある名前だけに組織名から外すのは社内でもさまざまな意見があったそうです」(同)

 伝統ある組織名を消滅させる方向へと舵を切ったのは大きな変化。ただ、実際にこの組織再編によって、なにか大きな変化があったのだろうか。上記、再編の該当となった某編集部の編集者に聞いてみると、

「いや……特に、現場レベルではなんにもなくて。いつも通り出勤して仕事している毎日なんですけど……」

 とはいえ、大規模な再編。とりわけ、電撃文庫も文芸局傘下となる変化は気になる様子。

「なんだかんだといっても、角川書店は文芸から始まった会社ですから、現代の文学ともいえるラノベを重視しているのではないでしょうか……ともあれ、現実的な線としては所沢移転に向けた部署の整理だとウワサされています」(同)

 ……え、もしや組織再編は引っ越しの準備?
(文=是枝了以)

最新のインフルエンサー!? 増えまくる“職業的コスプレイヤー”が持てはやされる裏事情

 最近、あちこちの企業系イベントや製品発表会で、頻繁に見かけるようになったのがゲストとして招かれる「コスプレイヤー」である。

 以前は、タレントなどがゲストとして招かれ、ニュースでは「タレントの○○さんが~」と、なっていた記述が最近は「コスプレイヤーの~」となっているワケである。

 この変化はなんなのか。もう、従来のアイドルや芸人が飽きられているのか。あるいは、コスプレイヤーのほうがギャラが安いのだろうか、などなど、さまざまな勘ぐりをしてしまう。

 そこには、広告効果を高めたい企業と、コスプレイヤー側との両方が得をする事情があった。

「企業側が求めるのは、広告効果です。実は、扱う製品やサービスによっては、コスプレイヤーのほうが広告効果が高いといわれているのです」

 そう話すのは、ある大手広告代理店の営業マンだ。この人物によれば、コスプレイヤーの最大の利点はファンの年齢層が広いことだという。

「一般のタレントなどでは、どうしてもファンの年齢層が一部に偏ってしまっている場合が多いんです。ところが、コスプレイヤーの場合は、もっとさまざまな年齢層にファンが広がっています。ですので、広告効果が高いとみています」

 さらに、多くのコスプレイヤーはイベント出演などをすると、自分のTwitterなどで熱心に宣伝をしてくれるという。つまり、インフルエンサーとしてコスプレイヤーは凡百のタレントよりも価値があるのだ。

「つまり、同じギャラを払うなら芸能事務所に所属しているタレントよりも、コスプレイヤーのほうがコストパフォーマンスが格段によいのです……それに、業界慣れしていないコスプレイヤーは、同じギャラでも“こんなにもらえるんですか!”と、メチャクチャ熱心にやってくれますから。これからしばらくは、宣伝イベントにおいてコスプレイヤーは、欠かせない存在だと思っていますよ」

 まだ、発展途上ゆえに情熱度の高いコスプレイヤーという存在。近年は、コスプレイヤーを扱う芸能事務所も増えているが、古きに飲み込まれて熱さを失わないことを願って止まない。
(文=コスプレ取材班)