どんなに優良企業に勤めていても、どんなに好きな仕事でも「今日は会社に行きたくない」「辞めたいな…」「あの仕事やりたくない!」…などと思…
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「専業主婦かバリキャリか」二択の時代ではない! 女性のライフプランに必要なこととは?
配偶者控除廃止問題をきっかけに、現代女性が置かれている日本社会の現状について前編で触れた。では、これからの日本で女性はどう考え、行動して生きていけばよいのだろうか。引き続き、大沢真知子さんに聞いた。
■日本社会は女性に厳しい時代に
――女性がこれからの社会を生きていくためには、どういったライフプランを考えることが大切ですか?
大沢真知子さん(以下、大沢) 今後、配偶者控除が廃止になる可能性は高く、そうなれば、女性が自分自身で自立し、稼ぐことのできるスキルを身につける覚悟をしなくてはいけません。
自分の人生についての設計がなく、「専業主婦になればいい」という安易な考えでは、生活保障がない上に、結婚して子どもができても金銭的に大変になります。子どもを養育するためにも、お母さんが働ける力を持つことは必要になってくると思います。
「専業主婦かバリキャリか」と二極化して考えてしまいがちですが、そうではなくて、何があってもきちんと稼げるスキルを持っていることが重要なのです。例えば、市場価値のある資格を取って、夫の転勤についていったとしても働けるようなスキルを持つこと。そのためには、20代で自己投資をして、スキルを身につけていかないといけない。
稼がないといけないし、子育てもしなければならない。日本社会は女性に優しくない。非常に厳しい時代になってきたと感じています。
――女性にとって厳しい時代とは、具体的にどういうことでしょうか?
大沢 配偶者控除廃止の問題と合わさって、企業が配偶者手当も廃止するところまで踏み込んでしまうと、日本的雇用慣行は変質します。今までは妻の内助の功を前提にした経営がなされていたのですが、これからは子育て支援にシフトしていくと思われます。これは本当に大きな転換だと思います。
日本は今、時代の転換点に立っていると思うのですが、どういう意味で転換点かというと、女性の社会進出が加速化して、女性が「○○ちゃんのお母さん」というアイデンティティと共に、会社では個人の名前で活躍する両方の領域を持つ時代がやってきたということです。女性に選択肢が増えたという意味では、もちろん良い面もあります。ただ、その分、今回の配偶者控除の問題のように、今まで保護されていた部分がなくなっていくことも理解しなければなりません。男性の賃金も自動的に上がる時代ではなくなりました。
欧米諸国の場合は、男女の差別なく、女性も活躍できる社会的環境を整えていきますが、日本の場合はそれがまだ十分になされていない。大きな問題です。実際は企業における男女の差別もまだまだ根強く維持されたままで、正規・非正規の問題も解決せず、女性に対して「仕事もしてね」「子どもも産んでね」「子どもを産んでも、仕事辞めないでね」「でも、保育所は十分にないよ」という状況になっています。女性は「一体どうすればいいの!」ってなってしまいますよね。だから結婚しない女性、子どもを産まない女性も増えている。そりゃできないでしょ、って感じです。
ここまで国が「女性を活躍させます」ということで動くのであれば、まずは女性と男性が同じような条件で仕事ができる、昇進においても差別されないような仕組みを整えることが第一です。それによって、男性は仕事、女性は家庭というステレオタイプな価値観が壊れると思います。
■正社員と同給で雇用が保障された欧米の就業形態「パート」
――海外という話が出ましたが、日本と海外の女性の働き方を比べた時に、大きな違いはありますか?
大沢 今、日本は時代の転換点に立っていると言いましたが、欧米諸国では、それを1970年代から80年代に、すでに経験しています。なので、配偶者控除の問題について、そういう変化をすでに経験している欧米の人に説明すると、向こうは女性が働いているのが当たり前の社会なので、「税金のそんなところの制限について、今ごろ議論しているんですか?」と言われます。女性がもっと稼いでいるので、海外の人から見たら、103万円の壁なんてたかが知しれた額だという認識です。
欧米諸国では、正社員の短時間勤務のことを「パート」と言います。これは正社員と同じ時給で、雇用が保障されており、ただ労働時間を短くすることができるという就業形態です。基本は熟練を積んだ女性が、子育てのために時間を使いたいという時に、労働時間の調整ができるシステムになっています。日本のように正社員と比べて時給が低かったり、雇用が保障されていなかったりすることはないんですね。
日本では、基本的な就業形態は、正社員でフルタイムの労働をするか、非正規で最低賃金に近いような時給で働くかの二択になっています。本当は働き手にとって一番ニーズがあるのではないかということで、「限定正社員」という考えがやっと登場しましたが、まだこれも始まったばかり。あまり広まっていません。働かないといけないし、子育てもしなくてはいけない女性のニーズを埋められるような、ワークライフバランス社会の実現が必要なのではと考えています。
現状は、やはり正社員で長時間働くというのがモデルになっています。それを変えて、中間層をくみ取って、男性も女性も社会の中で仕事と生活とのバランスを保てる社会を作らないといけない。ですが、そこに関する議論は十分に行われていないという印象があります。
■管理者の意識改革が特に遅れている
――女性のワークライフバランスを変えていくためには、男性の意識改革や協力が必要になると思いますが、いかがでしょうか?
大沢 その通りです。男女共同参画基本計画の第4次計画の中に男性の育児休暇の取得率を高めることで、男性の家庭参加を高めるという文言があります。しかし、現状は企業の努力義務に任されていて、ただでさえ忙しい企業が、簡単に男性の働き方を変えることは難しい。若いお父さん世代の人たちが、長時間労働を強いられているのが現状です。
アンケートを取ると、多くの男性が「子どもと、もっとコミュニケーションを取りたい」「成長を見守りたい」と言っています。しかし、家庭を優先させて転勤を断るとか、残業をしないとなれば、出世を諦めることになってしまう。実際はまだまだ男性の方が稼ぎ主なので、家族にとってよいのは頑張って働くことなのだと悩んでいる男性も多いです。
いくら男性の意識が変わっても、社会の構造を変えなければ意味がない。それができるのは国のリーダーなのに、全く力が足りていない。会社も同じです。組織の風土が長時間労働を評価するようなものであれば、いくら制度を作っても意味がない。会社の場合は、管理者の意識改革が特に遅れていると思います。日本ではこのような問題が、男性/女性の意識の問題にすり替えられがちですが、社会の構造に大きな問題があるということを認識すべきです。
ただ、夫婦の関係については、私たち個人が柔軟に考えていくことも必要になります。従来のスタイルに当てはまる家庭ももちろんあると思いますが、お母さんが家にいることだけが子どもにとっていい影響があるとは考えないで、自分たちにとっての一番いい夫婦の関係や子育ての形を探していくことが大切です。
例えば妻の方に管理職の能力があって、夫は子ども好きだし家庭のことがきっちりとできる人だというケースもあり得ますよね。どちらが昇進のスピードが早いかで育児休暇を取る方を決めるなど、「男は仕事で女は家庭」という意識を取っ払っていくことが、これからの時代は必要になると思います。
(田村はるか)
大沢真知子(おおさわ・まちこ)
シカゴ大学ヒューレット・フェロー、ミシガン大学ディアボーン校助教授、日本労働研究機構研究員、亜細亜大学助教授を経て、日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授。2013年、同大学の「現代女性キャリア研究所」所長に就任。内閣府男女共同参画会議の専門調査会、厚生労働省のパートタイム労働研究会などの委員を務める。
「専業主婦かバリキャリか」二択の時代ではない! 女性のライフプランに必要なこととは?
配偶者控除廃止問題をきっかけに、現代女性が置かれている日本社会の現状について前編で触れた。では、これからの日本で女性はどう考え、行動して生きていけばよいのだろうか。引き続き、大沢真知子さんに聞いた。
■日本社会は女性に厳しい時代に
――女性がこれからの社会を生きていくためには、どういったライフプランを考えることが大切ですか?
大沢真知子さん(以下、大沢) 今後、配偶者控除が廃止になる可能性は高く、そうなれば、女性が自分自身で自立し、稼ぐことのできるスキルを身につける覚悟をしなくてはいけません。
自分の人生についての設計がなく、「専業主婦になればいい」という安易な考えでは、生活保障がない上に、結婚して子どもができても金銭的に大変になります。子どもを養育するためにも、お母さんが働ける力を持つことは必要になってくると思います。
「専業主婦かバリキャリか」と二極化して考えてしまいがちですが、そうではなくて、何があってもきちんと稼げるスキルを持っていることが重要なのです。例えば、市場価値のある資格を取って、夫の転勤についていったとしても働けるようなスキルを持つこと。そのためには、20代で自己投資をして、スキルを身につけていかないといけない。
稼がないといけないし、子育てもしなければならない。日本社会は女性に優しくない。非常に厳しい時代になってきたと感じています。
――女性にとって厳しい時代とは、具体的にどういうことでしょうか?
大沢 配偶者控除廃止の問題と合わさって、企業が配偶者手当も廃止するところまで踏み込んでしまうと、日本的雇用慣行は変質します。今までは妻の内助の功を前提にした経営がなされていたのですが、これからは子育て支援にシフトしていくと思われます。これは本当に大きな転換だと思います。
日本は今、時代の転換点に立っていると思うのですが、どういう意味で転換点かというと、女性の社会進出が加速化して、女性が「○○ちゃんのお母さん」というアイデンティティと共に、会社では個人の名前で活躍する両方の領域を持つ時代がやってきたということです。女性に選択肢が増えたという意味では、もちろん良い面もあります。ただ、その分、今回の配偶者控除の問題のように、今まで保護されていた部分がなくなっていくことも理解しなければなりません。男性の賃金も自動的に上がる時代ではなくなりました。
欧米諸国の場合は、男女の差別なく、女性も活躍できる社会的環境を整えていきますが、日本の場合はそれがまだ十分になされていない。大きな問題です。実際は企業における男女の差別もまだまだ根強く維持されたままで、正規・非正規の問題も解決せず、女性に対して「仕事もしてね」「子どもも産んでね」「子どもを産んでも、仕事辞めないでね」「でも、保育所は十分にないよ」という状況になっています。女性は「一体どうすればいいの!」ってなってしまいますよね。だから結婚しない女性、子どもを産まない女性も増えている。そりゃできないでしょ、って感じです。
ここまで国が「女性を活躍させます」ということで動くのであれば、まずは女性と男性が同じような条件で仕事ができる、昇進においても差別されないような仕組みを整えることが第一です。それによって、男性は仕事、女性は家庭というステレオタイプな価値観が壊れると思います。
■正社員と同給で雇用が保障された欧米の就業形態「パート」
――海外という話が出ましたが、日本と海外の女性の働き方を比べた時に、大きな違いはありますか?
大沢 今、日本は時代の転換点に立っていると言いましたが、欧米諸国では、それを1970年代から80年代に、すでに経験しています。なので、配偶者控除の問題について、そういう変化をすでに経験している欧米の人に説明すると、向こうは女性が働いているのが当たり前の社会なので、「税金のそんなところの制限について、今ごろ議論しているんですか?」と言われます。女性がもっと稼いでいるので、海外の人から見たら、103万円の壁なんてたかが知しれた額だという認識です。
欧米諸国では、正社員の短時間勤務のことを「パート」と言います。これは正社員と同じ時給で、雇用が保障されており、ただ労働時間を短くすることができるという就業形態です。基本は熟練を積んだ女性が、子育てのために時間を使いたいという時に、労働時間の調整ができるシステムになっています。日本のように正社員と比べて時給が低かったり、雇用が保障されていなかったりすることはないんですね。
日本では、基本的な就業形態は、正社員でフルタイムの労働をするか、非正規で最低賃金に近いような時給で働くかの二択になっています。本当は働き手にとって一番ニーズがあるのではないかということで、「限定正社員」という考えがやっと登場しましたが、まだこれも始まったばかり。あまり広まっていません。働かないといけないし、子育てもしなくてはいけない女性のニーズを埋められるような、ワークライフバランス社会の実現が必要なのではと考えています。
現状は、やはり正社員で長時間働くというのがモデルになっています。それを変えて、中間層をくみ取って、男性も女性も社会の中で仕事と生活とのバランスを保てる社会を作らないといけない。ですが、そこに関する議論は十分に行われていないという印象があります。
■管理者の意識改革が特に遅れている
――女性のワークライフバランスを変えていくためには、男性の意識改革や協力が必要になると思いますが、いかがでしょうか?
大沢 その通りです。男女共同参画基本計画の第4次計画の中に男性の育児休暇の取得率を高めることで、男性の家庭参加を高めるという文言があります。しかし、現状は企業の努力義務に任されていて、ただでさえ忙しい企業が、簡単に男性の働き方を変えることは難しい。若いお父さん世代の人たちが、長時間労働を強いられているのが現状です。
アンケートを取ると、多くの男性が「子どもと、もっとコミュニケーションを取りたい」「成長を見守りたい」と言っています。しかし、家庭を優先させて転勤を断るとか、残業をしないとなれば、出世を諦めることになってしまう。実際はまだまだ男性の方が稼ぎ主なので、家族にとってよいのは頑張って働くことなのだと悩んでいる男性も多いです。
いくら男性の意識が変わっても、社会の構造を変えなければ意味がない。それができるのは国のリーダーなのに、全く力が足りていない。会社も同じです。組織の風土が長時間労働を評価するようなものであれば、いくら制度を作っても意味がない。会社の場合は、管理者の意識改革が特に遅れていると思います。日本ではこのような問題が、男性/女性の意識の問題にすり替えられがちですが、社会の構造に大きな問題があるということを認識すべきです。
ただ、夫婦の関係については、私たち個人が柔軟に考えていくことも必要になります。従来のスタイルに当てはまる家庭ももちろんあると思いますが、お母さんが家にいることだけが子どもにとっていい影響があるとは考えないで、自分たちにとっての一番いい夫婦の関係や子育ての形を探していくことが大切です。
例えば妻の方に管理職の能力があって、夫は子ども好きだし家庭のことがきっちりとできる人だというケースもあり得ますよね。どちらが昇進のスピードが早いかで育児休暇を取る方を決めるなど、「男は仕事で女は家庭」という意識を取っ払っていくことが、これからの時代は必要になると思います。
(田村はるか)
大沢真知子(おおさわ・まちこ)
シカゴ大学ヒューレット・フェロー、ミシガン大学ディアボーン校助教授、日本労働研究機構研究員、亜細亜大学助教授を経て、日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授。2013年、同大学の「現代女性キャリア研究所」所長に就任。内閣府男女共同参画会議の専門調査会、厚生労働省のパートタイム労働研究会などの委員を務める。
「配偶者控除を廃止すれば女性が働きやすくなるわけではない」現代女性が本当に活躍するためには?
「働く女性の裾野を広げよう」と声高にアピールしてきた安倍政権の一大課題である税制改革。その中で廃止が取り沙汰された「配偶者控除」は、結局、廃止が見送られることになったが、2016年12月22日に閣議決定された17年度の税制改正大綱で、満額の控除が受けられる配偶者の年収上限は103万円から150万円に引き上げられることになった。「配偶者控除が廃止されれば、女性が活躍できる社会がやってくる!」と考える人は少なくないようだが、本当に女性が社会で活躍するための課題は、想像以上に、複雑に絡み合いながら存在している。
「配偶者控除廃止問題」から見えてくる、現代女性が本当に活躍するために必要なことについて、日本女子大学・現代女性キャリア研究所所長の大沢真知子さんに話を聞いた。
■年収が103万円を超えないと、所得税がかからない
――そもそも配偶者控除とは、どのような制度で、なぜ作られたのでしょうか?
大沢真知子さん(以下、大沢) 1961年に創設された制度で、それまでは16歳以上の扶養家族がいる世帯主に認められていた「扶養控除」に主婦も含まれていたのですが、そこから独立して作られました。当時の議論では、自営業の人ならば「基礎控除」があるのに、専業主婦の場合は所得がないので基礎控除がない。ということから、妻の分の代わりに、夫に配偶者控除を認めた経緯があったと聞いています。また、背後には妻の内助の功を認める意味合いもあったようです。
「103万円の壁」と言われますが、働く人は、すべての納税者が対象の「基礎控除」38万円と、給与所得者が対象の控除65万円の2つの控除が受けられます。つまり、誰でも年収が103万円(2つの控除の合計)を超えないと所得税がかからない仕組みになっています。
配偶者控除とは、妻の所得が最低課税限度額の103万円までなら、夫の課税対象所得から38万円を控除できる制度のことです。
――今年度の廃止はひとまず見送られましたが、なぜ、廃止が検討されるようになったのですか?
大沢 制度が導入された時には、既婚女性で被雇用者(企業・団体等に雇われている人)として働いている女性は、15歳以上人口の1割程度。農業部門や中小企業で自営業者や家族従業者として働いている既婚女性は多かったのですが、被雇用者として働く女性は少なかったのです。しかし今は被雇用者の方が多くなっています。
さらに、働く女性が増加していることに加えて、日本の女性の所得分布を見ると、100万円あたりにピークがあり、その後、150~199万円が少なくなっています。ここから、税制の壁が女性の就業を抑制させているとして、女性の働き方に中立ではないと考えられたのです。
先ほどの「103万円の壁」は、年収103万円を超えると世帯の税負担が増えるため、自然に103万円以内に抑えるというインセンティブ(動機付け)が働いてしまうということです。
ただ、87年に「配偶者特別控除」(年収103万円を超えても141万円未満の間で、金額に応じて段階的に受けられる控除)という制度によって解決されています。それにもかかわらず、壁があるのはなぜかというと、妻の所得が103万円を超えてしまうと、夫に企業から支給される「配偶者手当」がなくなってしまうのが大きな原因の1つです。15年の民間企業における配偶者手当は、月あたりの平均で1万3,885円でした。
■専業主婦の1割は貧困層
――やはり103万円の壁はなくすべきということですか?
大沢 配偶者控除をなくすだけでなく、次世代に貧困が連鎖していかないような税負担と給付のあり方を考えていく必要があります。最近の研究で、専業主婦の1割は貧困だと言われています。シングルファザーやシングルマザーも増えています。独身の女性の貧困問題も顕在化しています。つまり、所得の再配分機能を強化するような形での制度改革が必要だと思います。
――専業主婦にとって厳しい時代だということですね。
大沢 今、経済界は、配偶者手当に代わる「家族介護手当」に切り替えることを検討していると聞いています。また、00年代になって既婚女性の労働力率(15歳以上に占める労働力人口の割合)が上昇している背後には、夫の所得の減少があります。最近のみずほ総合研究所のリポートでも、女性の雇用が拡大し、年収100~149万円に女性の所得が集中しているのは、夫の所得の減少が背後にあると指摘しています。2人以上の勤労世帯の世帯主の月の平均賃金は、97年から2015年にかけて7万円以上減少しています。
こう見ると、世間で語られがちな「配偶者控除は女性の働き方に制限をかけているから、なくすべきだ」という単純な議論とは全く違うことがわかってくると思います。
今、日本の政府は大きな赤字を抱えています。その理由の1つは、高齢化による社会保障費の増大です。社会保障制度の支え手を増やすことで借金を減らし、福祉を充実させなければならないので、将来的に配偶者控除のような制度を維持していくことは難しいと思います。
■「103万円の壁」がなくなれば女性が働きやすくなるとはいえない
――103万円の壁がなくなれば、女性の社会進出が進むのだろうというイメージを持っている方は多いと思いますが、実際は違うということでしょうか?
大沢 103万円の壁は「税金の壁」ですが、もう1つ「130万円の壁」があります。これは「社会保険の壁」と言われていて、年収が130万円を超えてしまうと、たとえパート社員であっても社会保険に加入する必要が出てきます。つまり社会保険料の支払いが発生し、夫の扶養から外れなければいけない。昨年の10月からは、501人以上従業員のいる企業に勤めていて、週20時間以上働いており、年収106万円以上の人には加入が義務付けられました。中小企業でも、労使の合意があれば、年収106万円から厚生年金に加入できるようにする法案が検討されています。これは非常に大きな壁です。
社会保険料は企業も半分負担しなくてはいけないので、企業側からすると、女性に年収を106万円未満に抑えてもらって、社会保険や健康保険の負担を避けたいと考えるかもしれない。従業員の雇用において、非正規化に拍車をかける可能性も高まります。簡単に、この103万円の壁がなくなることで女性が働きやすいようになるかというと、そうは言えないと思います。
ただ、これにはメリットもあります。年収106万円を超えて働き、若いうちに社会保険に入っていれば年金が充実することになり、将来的には年金や医療保険などの保障が女性自ら得られるようになります。厚生年金に加入すれば基礎年金に加えて、企業と折半で支払う保険料によって年金の上乗せ部分(報酬比例部分)があるので、若い人に限れば、プラスに働くことになるかと思います。
■配偶者控除の廃止だけを議論しても意味がない
――配偶者控除廃止だけが問題ではなくて、雇用の正規・非正規の問題にも密接につながっているということですか?
大沢 日本は正規雇用と非正規雇用の間に、ものすごく大きな賃金差があります。なぜ非正規の賃金がこんなに安く、経験年数に伴って上昇することもないのか? 生産性が正規と非正規の間で明らかに違っていればわかりやすいですが、同じ仕事をしている場合もあります。また、非正規の約3割は正規と同じ時間働いていることが統計上わかっています。
非正規の賃金がもっと高ければ、そもそも配偶者控除が廃止になっても大した問題にはなりません。あたかも女性が活躍できないのは配偶者控除があるからだという理屈がまかり通っていますが、そうではない。非正規の人の中には会社で中核の仕事をしている人もいるのに、「非正規」と呼ばれて賃金が低い。そういう労働市場の仕組み、構造に問題があることを、もっと考えていく必要があります。この問題の解決のために、同一労働同一賃金についての指針が作成されましたが、企業の努力義務にすぎません。
加えて企業にとっては、103万円、106万円の壁があることで、支払う賃金も低いままでいい、社会保険料の負担もないのであれば、非正規で十分だと、非正規を雇う理由を与えてしまうわけです。
今回は年収1,220万円までの世帯主を対象に、控除を受けられる配偶者の年収の上限が103万円から150万円に引き上げられましたが、配偶者控除がなくなっても106万円や130万円の壁があるので、引き続き、既婚女性の就労は100万円から149万円に抑えられるのではないでしょうか。しかし、それは女性の就労調整の結果ではなく、人件費を削減したい企業側の都合によるものです。
そうは言っても、若者の人口が減少していくと、「壁」を維持していれば良い人材が育たない。それは長期的に見ると会社にとってもマイナスです。非正社員の正社員化を進めている会社も増えていますが、そうしないと良い人材が他の企業に移ってしまうからです。
女性の活躍を推進するということであれば、まずは就労を希望する子育て中の主婦たちのために、就職を前提としたインターンシップ制度を整えるとか、働くスキルを獲得できるような通信講座の受講料や授業料に対する助成、企業に対して非正規から正規への移動を促すためのインセンティブの付与などをすることによって、女性が就業能力を身につけ、子育て後もきちんとした処遇で働けるような社会をつくっていかなければならないと思います。問題は、主婦が再就職をしようとしても子どもを預けるところがなかったりして、希望に合ういい仕事に就けないことで、そこにきちんと踏み込んでいかないまま、配偶者控除の廃止だけを議論しても「なんのための改革なの?」という話になってしまいます。
(田村はるか)
(後編へつづく)
大沢真知子(おおさわ・まちこ)
シカゴ大学ヒューレット・フェロー、ミシガン大学ディアボーン校助教授、日本労働研究機構研究員、亜細亜大学助教授を経て、日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授。2013年同大学の「現代女性キャリア研究所」所長に就任。内閣府男女共同参画会議の専門調査会、厚生労働省のパートタイム労働研究会などの委員を務める。
【9/16~22の運勢】ありえ~る・ろどんの週間占い
(C)メーテル・タムラ
新しい1週間が始まりました。今週はどんな1週間になるのでしょうか?
「TV Bros.」(東京ニュース通信社)をはじめ、数々の女性ファッション誌などで執筆、ズバリ当たると評判の占星術師、ありえ~る・ろどん先生の12星座占いで今週の運勢をチェックしましょう!
★牡羊座(3/21〜4/19生まれ)
★牡牛座(4/20〜5/20生まれ)
★双子座(5/21〜6/21生まれ)
★蟹座(6/22〜7/22生まれ)
★獅子座(7/23〜8/21生まれ)
★乙女座(8/22〜9/22生まれ)
★天秤座(9/23〜10/23生まれ)
★蠍座(10/24〜11/22生まれ)
★射手座(11/23〜12/21生まれ)
★山羊座(12/22〜1/19生まれ)
★水瓶座(1/20〜2/18生まれ)
★魚座(2/19〜3/20生まれ)
■ありえ~る・ろどん
主に星の動きとタロットを合わせて未来を占う占星術師。雑誌「TV Bros.」(東京ニュース通信社)、「SEDA」(日之出出版)などで連載中。双子座。趣味は「計画をしないで出かけるパワースポット巡り」。
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ブラックな性格があらわに! あなたの「裏切り度」がわかる心理テスト
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総運はフルネームの画数をすべて足した数。全部で81タイプありますが、ここでは導き出した画数の1の位の数字を使います。21画なら総運「1」、40画なら総運「0」です。さっそく見ていきましょう。
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