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特別養護老人ホームの入所待機者が52万人との報道があった。保育所の待機児童と似た構図だ。いまや保育所に入る「保活」なる言葉も登場する時代。遺言や葬儀の用意をする「終活」がブームだが、死んだ後よりも、どこでどうやって死ぬかの方が問題だ。死ぬまでの「終活」も考えねばならない。人間、最後まで忙しい。
<登場人物プロフィール>
設楽 八重子(47) 夫、長男と都内で暮らす
渡辺 勝成(76) 介護の必要な妻と二人暮らし
■愚痴を言い合える場が広がっていった
専業主婦だった設楽さんは、数年前実母を介護して看取った。その後、介護経験を生かしたいとヘルパーの資格を取得し、訪問介護の仕事に就いた。そこで在宅介護をしている家族が心身ともに疲弊していく様子を目の当たりにし、何とかしたいと考えるようになった。大学時代心理学を専攻していたこともあり、介護をする家族が悩みを話せる場を作ったのは3年前のことだ。
「最初は、デイサービスに行っているちょっとの時間に、お茶でも飲みながら息抜きをしてもらおうと、好きなことをおしゃべりしてもらっていたんです。それが次第に口コミで参加者が増えてきました。するとご主人を介護している奥さん、親御さんを介護している娘さん、義父母を介護しているお嫁さんなど、立場が違うとわかり合えない場面も出てくるようになってきました。姑世代の前では、お嫁さんはなかなか本音が言えませんからね(笑)。それで奥さんグループ、娘さんグループ、お嫁さんグループに分けてみたんです」