手越祐也、“キャバクラ手越”報道への弁明を聞き「オトナとしてやっていけない」と感じたワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「僕、嘘がつけないんで」手越祐也
記者会見(6月23日)

 新聞や週刊誌が書いた記事は、「正しい」こともあれば、「間違っている」こともある。その記事が「正しい」のなら問題はないが、読んでいるほうは「正しい」かどうかを確認する術はなく、たとえ間違っていたとしても、その記事をもとに世論は形成されていく。こうなるとマスコミにとっては「書いたもん勝ち」もしくは、有名人にとっては「書かれ損」という状況が生じてしまう。特にやってもいない悪いことを「やった」と決めつけられたほうはたまらないだろう。

 これまで多くの有名人が煮え湯を飲まされてきただろうが、最近はYoutubeで、自分の意見を発信できるようになった。ジャニーズ事務所を6月19日に退所した手越祐也が「あまりに事実と違う報道が多すぎる」「自分の口から真実を伝えたい」として、YouTubeで記者会見を生配信したのは、そんな意味が込められているのではないだろうか。

 手越が会見で述べたのは、ざっとまとめると以下の通りだ。

1.ジャニーズ事務所とは揉めておらず、円満退所
2.NEWSのメンバーとも揉めていない
3.5〜6年前から、退所のことを考えていた
4.事務所から自粛を言い渡されて退所することになったと報道されているが、実際は3月に自分から申し出ていた
5.「文春オンライン」で書かれた「キャバクラ手越(女性を集めて飲酒した)」に関しては、事前にチーフマネジャーに会食予定と連絡を入れていた(ただし、女性が一緒で、お酒を飲むとは伝えてはいない)
6.その席では、医療従事者と、人の命を助けることの手伝いやボランティアができないかと話し合っていた
7.政府やジャニーズ事務所がステイホームを打ち出している中、3月に二度も外出したのは、すでに退所の意向を伝えてあったため、今後の活動について早急に打ち合わせる必要があった。だから、不要不急の外出ではない

 つまり、手越はもう何年も前から退所について考えていて、今年の3月に実際に事務所に意向を伝えた。だからクビにされたわけではない。チーフマネジャーに外出することについても報告しているし、今後の人生のために必要な会合だったから、不要不急の外出ではない。さらに飲み会の内容も、ボランティアに関してなど真面目なものだから、やましいことはない、と言いたかったのだろう。事実、手越はあの会見で、ひたすら謝罪に徹していたという印象は受けなかった。

◎手越は嘘がつけないゆえに印象を悪くした?

 会見で手越は「僕、嘘がつけないんで、思ってないことも言えないし、ゴマをすることもできない」と発言していた。子どもの頃、大人に「嘘をついてはいけない」と教えられた人は多いだろう。嘘をつかないことは善人の証でもある。手越は自分は嘘をついてまで、人に媚びたり、おもねったりしないので「誤解されやすいところがある」と自分を思っているのではないだろうか。

 確かに手越は元来、嘘つきではないと思う。会見での彼の言い訳は、辻褄が合っていないし、ポイントもずれていて、イメージを悪くした気がした。嘘をつきなれている人なら、もっとうまくやったのではないだろうか。

 それを強く感じたのが、先ほど挙げた会見の要点の「5」と「6」である。

 緊急事態宣言といっても、全ての外出を自粛せよと言われていたわけではなく、例えば通院や食料品などの買い出しは認められていた。だから、手越が外出したとしても、それ相応の理由があれば、責められるいわれはない。外出がダメなのではなく、「理由」が問われるわけだ。

 手越は、その点に関し、「医療従事者と、人の命を助けることの手伝いやボランティアができないかを話し合うため」と説明しているが、4月1日に日本医師会は、感染者が増え続ければ医療現場が持たないとして、「医療危機的状況宣言」を発令している。もし人の命を助けたいと本気で願うなら、医療崩壊を招かないようにすることが重要であり、とりあえずできることは自分が患者にならない、つまり人と接触しないことに尽きるので、会食をしている場合ではない。食事相手の医療従事者が前線で治療に当たっているとしたら、感染リスクを高めるような行為をうかつに取るはずがないし、もし前線にはいない医療従事者と食事をしたのなら、それは人命を助ける手伝いとどうつながるのだろうか。

 また、理由にボランティアを持ってくるところも、ちょっとヘタクソだ。イメージを良くしたいときに、芸能人が人のための仕事である介護やボランティア、その他の社会貢献に取り組むと強調することはよくある。

 2009年に酒井法子が覚せい剤取締法違反で逮捕された際、裁判で「芸能界は引退して、介護の仕事をしたい」と話していた(実際は介護の世界には進まず、芸能界に復帰)。19年、夫が知人男性への恐喝容疑で逮捕され、自身にも美人局疑惑が持ち上がり、書類送検された道端アンジェリカは、芸能活動を休止せざるを得なくなったものの、不起訴になって芸能界復帰を宣言。インスタグラムで「社会貢献活動を通して、またみなさまを幸せにできますよう努力いたします」と発表した。

 無私の活動にエネルギーを注ぐことでイメージをアップしたいと思っているのかもしれないが、それで騙されるほど大衆は甘くない。手越の場合も、新型コロナウイルスの影響で、経済的に追い詰められているお店や友人にお金を届けたくらいのことを言ったほうが、よかったのではないだろうか。

 チーフマネジャーに事前に連絡するくらいオープンにしていた会食だったというのも、これまたワキが甘い言い訳だ。やましいものではないと言いたいのかもしれないが、肝心の「誰と一緒」については触れていないことを明らかにしてしまっている。マネジメントする側が知りたいのは「外出するかどうか」よりも「誰と何をしているか」ではないだろうか。

◎嘘がつけないなら、手越は清廉潔白を心がけて

 「嘘も方便」ということわざがある通り、嘘は必ずしも悪いものではないし、特に大人の世界では嘘をつかねばならない時もある。「嘘がつけない」のなら、嘘をつかなくてもいいように清廉潔白を心がける必要があるだろう。もし嘘をつかねばならないなら、細部までしっかり作りこんで、スキがあってはいけない。もしくは悪いことをしたら素直に謝り、かつ許されるという一流のかわいげを身に着けるしかない。嘘はつけない、でも謝るのも嫌では、オトナとしてやっていけないだろう。

 手越はポジティブなキャラで売っているそうだが、記者会見の様子を見ている分には、本当は暗いのに自分を鼓舞して無理に明るくしているようにも感じられた。これは私の直感でしかないが、他人にはちゃんと嘘をつき、でも、自分に嘘をつかず、体に気を付けて頑張っていただきたい。そうでないと、NEWSのファンは浮かばれないよ。

渡部建の不倫騒動は、案外「すぐ忘れられる」? 川谷絵音の「大衆の心をつかんだ」スキャンダルを振り返る

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「テレビで言うと絶対反感買うんですけど」ゲスの極み乙女。・川谷絵音
『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系、6月16日)

 「週刊文春」6月18日号(文藝春秋)で報じられた、アンジャッシュ・渡部建の不倫問題。女優・佐々木希を妻に持ち、お子さんにも恵まれながら、一般人女性を多目的トイレに呼び出し、短時間で致して、1万円を渡していたそうだ。渡部の不倫相手はほかにもいて、「はい、やって」と口での奉仕を促し、コトが終わるとすぐに帰らせるといったことも。女性を性欲解消の道具とでも思っているかのような仕打ちに、ネットでは「最低」「気持ち悪い」という声が上がった。

 しかし、同業者はある程度、渡部のウラの顔を知っていたようだ。『あさパラ!』(読売テレビ)に出演した千原兄弟・千原せいじによると、「ある程度のキャリアのある芸人やったら、ウワサは耳に入っていた」と言うし、『アッコにおまかせ!』(TBS系)に出演した出川哲朗は、「(女性を)好きだったというのは、もちろん有名でしたけれども」「結婚したらさすがに、もうそういうのは、まったくなくなったんだろうなって、多分みんなそれは思っていたんで……そこはビックリしましたよね」と語るなど、「そういう人」だと知っていたようなコメントだった。

 渡部バッシングは終わる気配がない。渡部と一時、愛人契約のような関係を持っていた女性が新たに名乗りを上げた。「女性セブン」7月2日号(小学館)によると、2人は2014年頃に交際クラブで知り合い、関係を開始。渡部はその女性と1回デートするたびに5万円を渡していたそうだ。トイレでセックスすることもあったが、高級ホテルに行くこともあったそうだから、当時はまだ良心的だったと言えるだろう。『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)に出演した芸能リポーターの井上公造氏は「各週刊誌に続々とタレコミが来ている」と明かしていたので、続報が入る可能性はあるだろう。

■渡部建の不倫騒動は「イラッと」度が低い?

 人気芸能人のスキャンダルだけに、ワイドショーやネットがこの話題を扱うのは理解できる。しかし、「芸能ニュース」として考えると、私はこの不倫は特に興味を引かれないし、案外世間はすぐ忘れる気もしている。というのも、所詮は“他人事”である芸能ニュースが、大衆の心をつかむのに必要なこととは、「人々をイラッとさせること」ではないかと思うのだが、渡部の不倫騒動は、その「イラッと」度が低いように感じるのだ。

 渡部の女性たちへの態度を見ていると、余分な時間とカネをかけないで性欲を発散させたいという心理が垣間見え、特に女性を「イラッと」させるかもしれないが、ある意味で彼の態度は一貫しているし、「妻以外の女性に心まで奪われていない」と見ることもでき、人を「イラッと」させる度は低いとも言える。

 一方、「文春」や「セブン」に登場する女性たちが芸能人ではなく一般人なのは、渡部の「人気芸能人である自分と一般人では使える権力や社会的影響力が違うので、あえて弱い人を狙った」というずる賢さを感じ、これまた人を「イラッと」させるのかもしれない。ただ、女性側だって、渡部の態度に不満を感じるなら、関係を解消することができるはずだ。「文春」によると、渡部の相手の一人だった女性は「あんなかわいい奥さんがいるのに、どうしてこんなことをするの?」と聞いたというが、それは逆に言うと、その女性は渡部が既婚者であると知っていたことの証明になる。相手が既婚者と知りながら関係を続けていた女性も褒められたものではないという意味で、どっちもどっちと言え、渡部への「イラッと」度は下がるだろう。
やはり人々は、「この人、何を考えてるんだろう」「どうしてこんなことをするんだろう」とよりイライラさせられるニュースに、くぎ付けになるのではないか。

 具体例を挙げると、俳優・東出昌大。彼は、女優・杏という妻と3人の子どもがいるのに、若手女優・唐田えりかと3年にもわたる不倫関係にあったと「文春」に報じられた。唐田は東出とのツーショット写真をプリントアウトして仲間に配ったり、東出そっくりの壁画とキスするような画像をインスタにアップしたりと、“匂わせ”を連発している。自分から不倫関係をバラしたいかのような唐田の行動も謎だが、それをいさめない東出も理解に苦しむので、人々をイラッとさせるだろう。

 また、「文春」報道を受け、東出の所属事務所は「今回の別居は離婚へ向かうものではなく、なんとか修復のステップを踏むためへの冷却期間と聞いております」というコメントを発表した。つまり、東出は離婚する気はないということで、「それならバレないように、なぜ注意して不倫しないんだ」と再度イラッとさせられたという人も少なくないのではないか。

■世間を大いに「イラッと」させた川谷絵音

 もう一人、世間を大いにイラッとさせてくれた人が、ベッキーとの不倫で世間をにぎわせたゲスの極み乙女。の川谷絵音である。一般女性と結婚していたものの、ベッキーと知り合い、交際。結婚の約束をしていたが、「文春」に不倫を撮られて、その計画はおじゃんになってしまった。売れたミュージシャンが糟糠の妻を捨て、芸能人と結婚するパターンはよくあるので、それほど驚かないが、川谷の行動は理解に苦しむ。

 妻がいながら、川谷は正月、長崎の実家にベッキーを連れて帰省している。まず実家の両親もびっくりするだろうし、妻のメンツは丸つぶれだし、ベッキーとて困るだろう。ベッキーは『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)で、「実家に行ったことは間違いだった」とMC・中居正広に話していたが、この帰省を「文春」に撮られてしまったことが、ベッキーのながーい苦難の始まりになる。

 「文春」報道を受けて、記者会見を開き、「川谷とは友達」と説明したベッキーだが、川谷とのLINEのやりとりが流出したことで、言い逃れはできなくなった。このLINEでの川谷の発言にも、イラッとさせられた。川谷は妻(当時)に離婚の話を切り出した際、「大切にしたい人がいるって言った」と別の女性の存在を明かしてしまう。こんなことを言われて「はい、わかりました」とあっさり離婚する妻がいるだろうか? 妻の権利を侵害されたわけだから、彼女が相手の女性を突きとめて、社会的制裁を加えてやりたいと思っても、責められないと思う。川谷の妻は「それってアウトだよね?」とルール違反であることを指摘してきたそうだが、今思えば、この「アウト」という言葉は非常に意味深と言えるだろう。週刊誌はネタ元を明かさないので、決めつけてはいけないものの、「文春」に掲載された実家への帰省スケジュールを知ることができる人、川谷の携帯を触れる人というのは、ごく限られていると考えると、ネタ元は誰である可能性が高いかは察することができる。感情的というか、脇が甘いというか、ベッキーを一番追い詰めているのは、川谷のような気がしてならないのだ。

 スキャンダル後、川谷がベッキーと比べ、大した制裁を受けなかったことも、世間の「イラッと」ポイントとなるだろう。ベッキーは全ての仕事をキャンセルしたため、多額の違約金を抱えることになる。しかし、川谷に特にペナルティーはない。川谷とは別れ、別の男性と結婚したベッキーだが、19年2月23日付のニュースサイト「デイリー新潮」の記事によると、ベッキーがバラエティ番組に出演すると、いまだに視聴者から「なぜベッキーを出演させる」と抗議の電話が寄せられるそうだ。こうなると、不倫をする前のようにテレビに出ることは難しいだろう。

 一方の川谷は、未成年であるタレント・ほのかりんと飲酒していたことを「文春」に撮られ、活動を自粛するが、その期間はたった5カ月月。ベッキーとの不倫で日本中に自分の名前が浸透したことを考えると、かえって不倫でトクをしたとも言えるのではないだろうか。このあたりもイラッとさせられる。

■芸能人にとって「イラッと」させるのは才能なのか?

 その川谷が6月16日放送の『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演した。かつては「ベッキーの不倫相手」と認識されていた川谷だが、今やラジオでパーソナリティーを務め、3誌で連載を持ち、写真家・蜷川実花らセレブとの人脈を築き、うまいものに舌鼓を打っているという。川谷は実は大食いだそうで、1日5食。焼きギョーザ3人前とチャーハンを平らげていた。「そんなに食べて太らない?」とスタッフに質問されると、「テレビで言うと絶対反感買うんですけど、太らないんです」と答えていた。

 いやいや、別にあなたの体形を「痩せた?」「太った?」と気にしている人はそんなにいないから反感買うもないもないわよ、大丈夫。自意識過剰よと、川谷は、またもや「イラッと」させてくれた。

 川谷に比べると、やはり渡部の、人を「イラッと」させる度は低いように思う。けれど、芸能人にとって、川谷のように人の心をかき乱すというのも、注目を集め続けられるという意味で、「才能」なのではないだろうか。川谷が再びどデカいことをやらかす日は、近い気がしてならない。

アンジャッシュ・渡部建、多目的トイレ使用の“場所代0円不倫”に考える「カネを使わない人」の問題点

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「恋焦がれているような人に会いに行く感覚なので、手土産の一つも持っていきたくなる」アンジャッシュ・渡部建
『今夜くらべてみました』(日本テレビ系、6月3日)

 緊急事態宣言が出されているにもかかわらず、NEWS手越裕也が複数の女性を集めて、飲み会を開いていたことを5月21日号の「週刊文春」(文藝春秋)が報じた。記事には女性とのLINEのやりとりも掲載され、言い逃れはできない状態だけに、多くのファンはがっかりしたことだろう。しかし、落胆しているファンのみなさんには申し訳ないが、私は「いい青年じゃないか」と思ってしまった。

 というのも、手越はLINEで、女性と「20:30」に待ち合わせをしていたが「タクシーで来るでしょ?」「領収書もらってきてねー」と自分がタクシー代を出す意志があることを示している。会う前に自分から女性に対し、「カネを出す」意志を表明していることが素晴らしいと感じたのだ。

 今の若い人はワリカンが主流で、女性はおごってもらうことを負担に感じるという話を聞いたことがある。そういう考えの人たちは「なぜ、タクシー代を出してもらう必要があるのか」と思うかもしれないが、「自分の都合」もしくは「バレてはいけない関係、もしくは用事」で「夜遅くに」「女性を」呼び出すときに、こうした対応を取れない人は、「安全面を考慮できない」という意味で、オトナとしてちょっと足りないと私は思う。

 こう言っても、若い世代は「別に20:30は遅くない」「女性は自分が行きたくて行くわけだから、お金は必要ない」と思うかもしれないが、カネを使うことに代表される「相手への配慮」を怠ると、自身を窮地に追いやる可能性もあるのだ。

 そんなカネを使わない男の末路のサンプルケースになるのが、アンジャッシュ・渡部建ではないだろうか。

 6月9日、渡部がテレビ各局に番組出演を自粛する意向を申し入れた。その時点で、理由が明かされていなかったので、いったい何が起きたんだとSNSがザワついたが、6月18日号の「週刊文春」(文藝春秋)によると、女優・佐々木希と結婚し、一児の父でもある渡部が、複数の女性との不倫を認めたという。そのうちの一人である女性Bさんによると、密会場所は六本木ヒルズの地下駐車場に隣接した多目的トイレ。渡部は地下2~4階にあるトイレをチェックし、誰もいないフロアを確認して、そこにBさんを呼び出していたそうだ。行為の所要時間は35分。帰り際に1万円を渡してきたそうだが、場所代0円の不倫である。

 場所代がかからない不倫と言えば、俳優・原田龍二も、車の中で女性と不倫していることを「文春」に撮られてしまった。原田が女性を車でピックアップして、郊外の公園に移動して、そこに車を停めると、女性の隣に移動してきて下半身をポロン。10分で終わるというスピード不倫だったそうだ。

 原田も渡部も不倫に場所代、さらに時間をかけないという共通点がある。どちらも気持ち悪いが、より嫌悪を抱くのは、私の場合、断然、渡部のほうだ。なぜなら、原田は不倫相手の女性を「最寄り駅まで送っていた」そうで、最低限、相手の安全に気を配っていると見ることができる一方、渡部にそういった配慮はなかったらしく、加えて「人の何倍も気が使えるタイプなのに、不倫相手には気を使わない」ことが見て取れるからだ。

◎ミスター自己管理だから「無駄なもの」に金を払わない?

 6月3日放送の『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演した渡部は、グラビアアイドルで、最近は高級料理研究家として活動する辰巳奈都子とグルメタレントの在り方についてやりあって見せた。辰巳が「渡部さんは飲食店にあいさつとして、手土産を渡しているが、あれをやめてほしい。ほかの人のプレッシャーになる」と抗議すると、渡部は手土産を持っていく理由を「恋焦がれているような人に会いに行く感覚なので、手土産の一つも持っていきたくなる」「好きなお店のシェフを笑顔にしたい」「いつもお世話になっているから、お礼がしたい」と純粋な気持ちであることを説明した。要は、渡部は好きな人、大事な人、お世話になっている人なら、カネを使うということを意味するのではないだろうか。飲食店は手土産を期待しているわけではないだろうが、気を使ってもらって悪い気はしないだろう。こういう気配りが飲食店側にも好ましく思われているから、芸能界のグルメ王という地位を築けたのかもしれない。

 渡部と言えば、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で、これだけ外食続きなのに体形を維持していることから、「ミスター自己管理」と呼ばれていたことがある。太らないコツとして、夜に外食したら歩いて帰ることや、食べたら最低でも3時間は起きている(すぐに寝ない)ことを明かしていた。体重は維持できても性欲は我慢できなかったのかと言う人もいるかもしれないが、Bさんには失礼ながら、自己管理が徹底しているから、無駄なものにカネを出さなかったと言えるのではないだろうか。

 セフレや不倫など、人に言えない関係というのは、当人同士が納得しているのなら、一概に悪いとは言いきれないと思う。しかしそういう関係こそ、ルールやマナーがあり、その中心にあるのは「安全性を保つこと」ではないだろうか。関係や行動がバレない、つまり安全を守るためには、移動や場所にカネを使うべきだし、一方がこの関係を遊びと捉えているなら、相手に不満を抱かせないためにも、さらなるカネやプレゼントは不可欠である。特に顔が売れている芸能人はケチってはいけない。一昔前の週刊誌なら、お相手の一般人の訴えなど無視しただろうが、今は「文春」をはじめとして、ネットから編集部に直接タレこめる時代である。ささいなことで相手側から恨みを買うと、芸能活動を自粛しなくてはならなくなるかもしれないのだから。

 『今夜くらべてみました』で、シェフへの手土産は「たいしたものじゃなくていい」「そういうのってお金じゃないから」と説明していた渡部。その気遣いを「お世話になっている」女性に向けていたら……と思わずにはいられないが、時すでに遅し。しばらく反省するしかなさそうだ。

豊田真由子氏、「このハゲ〜!」パワハラ騒動からの復活ーー「努力は報われる」と語る彼女に助言したいこと

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「自分の子どもには、『努力は報われる』と伝えたかった」豊田真由子
「婦人公論」6月9日号(中央公論新社)

 めぐり合わせが良いというか、それとも「持ってる」というべきかーー。

 元厚生労働省官僚で元衆議院議員・豊田真由子氏が『バイキング』(フジテレビ系)に新型コロナウィルスに関して解説を行うコメンテーターとして出演したときは、一瞬目を疑ったが、豊田氏、実は米ハーバード大学大学院で公衆衛生学を学んだ感染症対策の専門家だという。ヘアスタイルを変えたせいかに若返ったように感じたし、コメントもわかりやすかった。

 今から4年前の2016年、衆議院議員であった豊田氏は、秘書の男性に対する暴言や暴行を「週刊新潮」(新潮社)に報じられた。「このハゲ〜!」という豊田氏の怒声が、YouTubeチャンネル「デイリー新潮」で公開されると、パワハラの動かぬ証拠としてあっという間に拡散された。豊田氏はバッシングされ、自民党から離党。衆議院議員選挙に無所属で出馬するが、イメージダウンは避けられなかったようで、落選している。

 以来、マスコミの前から姿を消していた豊田氏だが、新型コロナ関連のコメンテーター業が高評価だったからだろうか、「婦人公論」6月9日号(中央公論新社)で現在の心境を語っている。進学校として名高い名門女子校から東大法学部に進み、官僚に。言うまでもなくスーパーエリートであるが、その一方で気弱な素顔が見え隠れする。政治家に転身してからは、早朝に駅の前に立ち、そこから国会へ。その後は、党の政策会合、その後は地元に戻る。夜は会合で出席者全員にお酌をして回り、話を聞く。夜中に帰宅して資料を読み込むので睡眠時間は2〜3時間。二人のお子さんを持つ豊田氏は、これらに加えてお子さんと時間をもうけなくてはならなかったそうで、肉体的にも精神的にもギリギリの生活を送っていたと言っていいだろう。

 こんな時、凡人や要領のいい甘え上手であれば、会合に優先順位をつけるとか、嘘をついて出席しないなどのズルをするのだろうが、豊田氏は自身のことを「少しも手を抜くことができない」と言っていた。「やれることは全てやっておきたいし、最善を尽くしたい(そして、能力が高いので、こなせてしまう)」という完ぺき主義者なのかもしれないが、存在するタスクを全てこなさないと前に進めないという意味では「タスクの奴隷」と見ることができるのではないか。

 スキャンダルにより議員でなくなり、激しいバッシングにさらされた豊田氏は希死願望にとらわれるが、それを救ったのはお子さんの存在だったという。豊田氏はお子さんへの思いを下記のように語っている。

「自分の子どもには、『努力は報われる』と伝えたかったのですが、私は日本中から全否定された人間です。『たとえ一生懸命頑張ったとことで、こんなふうに全部崩れてしまうのだったら、努力する意味なんてないじゃないか』と、子どもは心のどこかで思っているのではないかと、悩んでいました」

 しかし、コメンテーターとして復活できたことから、やはりお子さんには「努力は無駄にならない」と言えるようになったと述べている。

 社会的制裁も受けたが、コメンテーターとして返り咲き、イメージも回復してきた。なにせ能力の高い人なので、今後、違う道もまた拓けてくるだろう。パワハラは褒められたことではないが、かといってそのペナルティーを一生背負うのは妥当とは言えない。しかし社会復帰できてよかったねと言いたい一方で、「努力は報われる」とお子さんに伝えるのは、正しいのか考えてしまう。

 「新潮」によると、パワハラを告発した秘書は、支持者のバースデーカードの宛先とカードの名前が違うという、かなり初歩的なミスを犯している。もともとポンコツな人を採用してしまったのかもしれないが、豊田氏が「努力する」ことで、秘書の担う仕事量が増え、要求されるレベルも高くなって疲弊し、その結果、ミスが頻発した可能性もないとは言えないのではないか。「文藝春秋」(文藝春秋社)で、豊田氏は辞めた秘書の数を15人程度と話していた。これが多いのか少ないのか私には判断がつかないが、秘書は機械ではないので、自分の思うように動いてくれないことは確かである。スーパーウーマンの豊田氏が今後どんな仕事をするのかはわからないが、「努力は報われる」と信じて努力を続ける限り、豊田氏の下に付く人は、強い緊張状態を強いられることは間違いないだろう。

 豊田氏に必要なのは、「努力が報われる」と信じることよりも、「努力してもできない人もいる」と知ることではないか。世の中の大半は「できない人」であり、そういう人との付き合い方を覚えなければ、今後もパワハラだと訴えられる可能性はなくならないように思う。

 しかし、努力で人生を切り開いてきた人にとって、努力しないことはかなりの苦痛を伴うことだろうし、「できない人」の気持ちも理解しづらいのではないか。回復期を迎えている豊田氏だが、同時に人生最大の“難問”に直面しているのかもしれない。

NEWS・手越祐也、「いい人としか接しないw」と豪語も週刊誌に“売られて”しまうワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「俺、頭良くて成功してる人好きだからいい人とかすごい人しか接しないw」NEWS・手越祐也
「週刊文春」2020年5月21日号(文藝春秋)

 ゲスの極み乙女。・川谷絵音とタレント・ベッキーの不倫騒動は、妻帯者の川谷が、正月に長崎の実家へベッキーを連れ帰ったことを「週刊文春」(文藝春秋)に報じられたことで始まった。当時、CM契約をたくさん抱えていたベッキーは、マスコミからの質疑応答の時間を設けない釈明会見を開き、「友人関係であることは間違いありません」「川谷絵音さんの作る音楽のファンでありまして」と、不倫関係を否定。しかし、まもなくして「文春」に、川谷とベッキーのLINEのやりとりが掲載される。「(会見は)友達で押し通す予定!笑」「逆に堂々とできるきっかけになるかも」というやりとりで、不倫は確定してしまった。

 女優・斉藤由貴が医師である男性と、個人事務所として使うマンションで密会したり、恋人つなぎで映画館デートをしている様子を「文春」に撮られたとき、斉藤は「往診してもらっていた」「よろけたので、一瞬手をつないだ」と説明していた。しかし、「フラッシュ」(光文社)に、二人のプライベートなキス写真と、男性が斉藤のものと思われるパンツを頭からかぶっている写真が掲載されたことで、ただならぬ関係であることが明らかになってしまった。

 ベッキー、斉藤の事例から見てもわかる通り、今や芸能人にとって、週刊誌記者の張り込みよりも、スマホからLINEや画像が流出することのほうが、自身を追い詰めるという意味で、怖いのではないだろうか。

 プラスして、世間にさらされたくない自分のデータを、「一般人が持っている」という状況だと、さらに流出リスクは高いだろう。持ち主が芸能人であれば、相手も自身のイメージに傷がつくリスクがあるので、トラブルを避けるための話し合いに応じてくれる可能性はあるだろうが、一般人の場合、そういうしがらみがないため、暴露することに躊躇はない。

 このように芸能人は、ひと昔前なら明るみにならなかった“悪事”が、バレる可能性が高まっているわけだが、NEWS・手越祐也はそういう時代の流れに気づかなかったのか、それとも、自分だけは特別だと思っていたのかーー。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、小池百合子都知事が3月25日に「感染爆発の重大局面」と発表、外出をできるだけ控えるように呼び掛けた。人が集まるといわゆる「三密」の状態が生まれてしまうため、同27日に東京都は花見の自粛令を出している。その後、安倍晋三総理は4月7日に緊急事態宣言を発令、5月25日に解除した。

 そんな中、3月下旬に、手越が安倍総理夫人・昭恵氏ら十数名で花見をしていたことを「週刊ポスト」(小学館)が写真付きで報じている。同誌はこの写真を「参加者のひとりが撮影したもののようだ」と説明。悪い言い方をすれば、昭恵氏や手越は「売られた」わけだ。総理大臣夫人が何をやっているんだと批判されたが、その会合に参加した手越ら芸能人を疑問視する声も上がった。4月1日号「女性セブン」(同)には、この会に参加したカリスマシェフの証言が載せられている。メンバーは芸能人、シェフ、IT関係者で、昭恵氏が頑張っている若手を応援するために開いた会だそうだ。さしずめ「成功者の交流会」と言ったところだろうか。

 この後、5月21日号の「文春」で、緊急宣言下の4月上旬に、手越が複数の女性を集めて、飲み会を開いていたと報じられた。ジャニーズ事務所は事態を重く見て、期間限定チャリティーユニット「Twenty☆Twenty」のメンバーから手越を外すと発表。しかし、手越は処分直後の23日にも、六本木で女性らと酒盛りしていたことをニュースサイト「文春オンライン」が報じた。

 これを受けて、ジャニーズ事務所は、手越の芸能活動休止を発表した。新型コロナは人命にかかわることだけに、動かぬ証拠と共に報道されてしまったら、事務所も見過ごすことはできなかったのかもしれない。

 証拠と言えば、4月上旬の飲み会に関しても、手越が女性とやりとりしたLINEが「文春」に流出。待ち合わせ時間などの連絡に加えて、手越は「俺、頭良くて成功してる人好きだからいい人とかすごい人しか接しないw」と書いている。

 しかし、「いい人とかすごい人しか接しないw」という割に、有名人である昭恵氏や手越にとって、不都合なデータが週刊誌にバンバン載るのはなぜなのだろうか? もし花見のメンバーが、集合写真という証拠を週刊誌に売ったのだとしたら、その会に参加している時点で「成功してる=すごい人」に間違いないが、本当に「いい人」と言えるのだろうか。それは一緒に飲み会をした女性も同じで、本当に「いい人」なら、飲み会そのものを止めるか、LINE画面を週刊誌に提供することはしないのではないだろうか。

 なぜ手越は、「いい人」とは思えない人を、「いい人」と認識して、付き合ってしまうのか。大手の事務所や大企業など、強い後ろ盾があるとき、しかもその中でめざましい成果を上げて成功したとき、多くの人が優しくしてくれるだろう。しかし、その優しさの中には「成功した人と親しくしておくとトク」という打算がまったくないとは言いきれない。手越は、そうした人たちの上辺の優しさしか見ていないのではないか。

 かつて『有吉ゼミ』(日本テレビ系)で、元光GENJI・諸星和己が「結婚できない理由」として「他人を信じられない」ことを挙げていた。解散して事務所を辞めると、スタッフもファンも自分の周りから去っていったために、人間不信になってしまったのだという。頂点を極めた人ならではの苦しみとも言えるが、逆に言うと、それでも残ってくれた人が「いい人」「大事な人」であることに気づくはずだ。それは手越も同様だろう。手越と同じように「俺、頭良くて成功してる人好きだからいい人とかすごい人しか接しないw」と考えて、人付き合いをする人は少なからずいるだろうし、それが間違っているとは思わない。しかし、そういう人は、芸能活動ができなくなった手越に、手を差し伸べてくれるのだろうか。

 「スポニチアネックス」によると、手越は知名度を生かして実業家への転身を考えているというが、手越はビジネスの勉強とは別に「人を見る目」も養う必要があるのかもしれない。

石田純一、「カネ」への態度に見る人となり……息子への「お金だけが人生じゃない」という言葉に思うこと

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「お金だけが人生じゃない」石田純一
「女性自身」(光文社)2020年5月19日発売号

 相手の人となりを判断するとき、多くの人が、その人の“発言”を根拠にするだろう。「こんな立派なことを言っていたから、立派な人に違いない」と判断するわけだ。しかし、人間には嘘をつく能力があるので、言っていることが本心なのかはまた別の問題になってくる。

 なので、言葉ではなく、相手の実際の行動を判断基準にするべきだという人もいる。例えば、愛妻家であることを公言していた芸能人が不倫をしていたとしたら、その人を愛妻家とみなす人は減るだろう。

 しかし、他人の行動を逐一見張ることはできないわけだから、行動で人格を定義するというのも現実的ではない。それでは、何でもって相手を判断すればいいかというと、「カネ」に対する態度だと私は思っている。資本主義社会において、カネは命の次に大事なものといっても過言ではない。カネをもらうことに躊躇はなくても、なるべくなら払いたくないというのが、多くの人の本音ではないだろうか。だからこそ、カネの払い方や遣い方に人となりが表れるし、またカネを払った場合は大概証拠が残るので、ウソもつきにくい。どんなに立派なことを言っても、例えば税金や養育費など払うべきものを払わない人、金遣いが荒い人は、その程度の人と言えるのではないだろうか。

 今、芸能界で一番カネのやりくりに頭を痛めているのは、俳優・石田純一かもしれない。

 石田が新型コロナウイルスに感染したことを発表したのは、4月15日のことだった。所属事務所の説明によると、石田は「仕事のため」沖縄で経営する飲食店を訪れて打ち合わせをした。しかし、体調が悪かったためホテルで安静にした後、帰京。病院に行ったところ、新型コロナウイルスに感染していることがわかり、入院したという。そして、この発表の翌日、実際には仕事関係者とゴルフに行き、プレー中に体がだるく感じたということも公表した。

 緊急事態宣言が出ている中での、沖縄訪問。ゴルフが不要不急の案件に該当すると感じた人は多く、石田は批判にさらされた。そんな中、「スポーツニッポン」が新たな爆弾を投下する。

 石田は4月5日にも、北関東のゴルフ場でプレーをし、その後女性を交えて食事会を行ったとのこと。この食事会に参加した複数のメンバーが、新型コロナウイルスに感染していることがわかったといい、石田もこの会で「もらってしまった」可能性はゼロではない。

 もし石田がこの会で感染したと仮定するのなら、石田は沖縄行きの飛行機で乗り合わせた人、客室乗務員、空港の人、自身が経営する店や宿泊したホテル、ゴルフ場の従業員の感染リスクを高めてしまったと考えられる。石田が故意に感染させようとしたとは思わないが、軽率だとそしられるのは仕方がないことだろう。体調が回復したとしても、好感度が落ちた石田に仕事のオファーがあるかは不明なので、収入が減る可能性は否めないし、もし副業の飲食店を経営し続けるなら、光熱費や家賃や人件費などは払い続けなくてはいけない。

 失墜したイメージを回復しようとしているのか、「女性自身」(光文社)の電話取材に応じた石田は、現在、自宅内で家族と隔離されて生活していること、病室で死を意識し、息子さんに「偉くなるとか、お金をいっぱい稼ぐだけが人生じゃない。努力して新しい自分を獲得すること。これが本当に大切なことなんだよ」という遺言まで用意したことを明かしている。

 おそらく、社会的地位や経済的繁栄を追い求めるより、大事なことがあると言いたかったのだと思われるが、カネと言えば、石田の金銭的な浮き沈みをご存じだろうか。

 石田は3回結婚しているが、2回目の結婚相手は女優・松原千明で、その娘が現在女優として活躍するすみれである。松原との結婚の最中、石田はモデル・長谷川理恵と不倫関係に陥る。ワイドショーのリポーターに追いかけられたときに、石田は「不倫は文化」と発言し、猛バッシングされた。3月放送の『おかべろ』(関西テレビ)によると、すみれは小学校受験の親子面接の際に、面接官から「不倫は文化なんですか?」と発言を蒸し返され、結局不合格になったという。

 その後、マスコミから逃げるようにハワイに渡った松原とすみれだが、すみれがオバマ元大統領の出身校である名門高校に合格すると、石田からカルティエの時計をプレゼントされたたそうだ。番組名は失念したが、すみれが「パパはこういう目立つことをするのが好き。時計より、お金を送ってくれるほうがありがたかった」などと、父との間に金銭的なしこりがあることを思わせるような発言をしていた記憶がある。

 この件と関係があるとは断言できないが、2013年放送の『金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)に出演した石田は、不倫騒動の影響で仕事が激減、副業として開いていたタオルショップも閉店に追いこまれ、多額の借金を背負ったことを告白していた。そのせいで養育費も払えなくなり、松原に減額を申し出たというから、相当困っていたのだろう。

 一方のすみれは、授業料が年間500万かかる全米屈指の名門大学に進学したいと願うようになる。母親である松原は「家を売ってでも、進学させてあげる」と言ってくれたが、それだけは避けたいとの思いから、17歳のすみれは、石田に援助を頼んだと、15年5月15日放送の『気まずい二人が久しぶりに会ってみました』(フジテレビ系)で明かしていた。石田が快く応じたと美談になっていたが、親が子どもの学費を出すのは「当たり前」と言えるだろう。すみれが意を決して頼みごとをしたのは、石田がそもそもカネを出したがらないことを知っていたからではないだろうか。

 そのほかにも、石田は現在の妻であるタレント・東尾理子に何の相談もなく冷麺の店をオープンし、お金が足りなくなったのか、保証人の欄にサインをするように求めてきたと、理子が一昨年放送の『梅沢富美男のズバっと聞きます』(フジテレビ系)で明かしていた。店がテレビで紹介されたことで客が増え、2号店を出すことにも意欲的だそうだが、理子に直接的な報告や相談はしていないらしい。

 このように見ていくと、石田は松原との結婚時から今に至るまで、副業と金欠を繰り返していると言えるのではないだろうか。芸能界は浮き沈みが激しいから、副業をして備えているのだろうが、結果的に、「お金だけが人生じゃない」という割に、カネに振り回されているように感じられるのだ。石田のカネにまつわるエピソードから判断すると、派手好みで、自己中心的なところがあると言えるのではないか。

 そんな「カネ」をめぐるさまざまなエピソードから、石田の人格を察することができるが、現実問題として「カネ」の問題で、完全に再起不能になるかというと、そうはならないと思う。石田には妻という切り札がある。理子の父親は元西武ライオンズの監督を務めた東尾修で、彼は殿堂入りも果たした大投手であり、理子はその一人娘だ。

 17年、ニッポン放送のラジオ番組『あなたとハッピー!』に出演した理子によると、東尾氏は女性関係がおサカンで、家庭内には、外泊をすると、ペナルティーとして理子に1万円を上げるという決まりがあったという。すると、すぐにお金が貯まって、高校生でありながらゴルフの会員権が買える金額が貯まったというから、東尾氏の財力は推して知るべしである。

 打ち出の小づちのような妻がいて、小さなお子さんが3人いるのだから、石田もしばらくは、「カネ」に振り回されないよう、おとなしくしていたらどうか。コロナ禍で何かとイラついている人が多い今、不用意な行動が、芸能人生命を縮めるといっても過言でないように思えてならない。

壇蜜、「若い子好きの夫」に不安を抱く妻に助言も……「悩み相談の名手らしからぬ」と感じたワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「もうおばさんなの」壇蜜
ウェブサイト「OTEKOMACHI(大手小町)」4月29日

 新聞や雑誌には、よく人生相談のコーナーがあり、心理学や法律の専門家、そして有名人などが回答をしている。相談に対して、思ったことを言えばいいラクな仕事と言う人もいるかもしれないが、けっこう難しいのではないだろうか。

 ウェブサイト「ニッポン放送NEWS ONLINE」で連載中の作家・瀬戸内寂聴のコラム「今日を生きるための言葉」によると、「みんな話し相手が欲しいのです。悩み事は外に吐き出すだけでも楽になります。だから、話し相手や聞き役になってあげるだけでも、価値ある布施になるのです」と書いている。この文章からは、悩みには直接的な答えよりも、相手の話をよく聞く姿勢を見せることのほうが大事ということが感じられる。

 しかし、友人など親しい間柄の場合はこれでいいと思うが、タレントが仕事として人生相談を請け負った場合、

1.よく知らない人に対して、
2.傷ついた相手の気持ちを損ねることなく、
3.タレントとしての自分のカラーを出しながら、
4.仕事を発注した人々を満足させ、
5.お悩みとは無関係の読者も満足させる回答をする

という、5つのハードルをクリアしなければいけないだろう。そのためには、読んで書く能力に加え、タレントとしての知名度やキャラも確立されている必要なのではないか。

 こう考えると、壇蜜にお悩み相談のオファーが舞い込むのも納得がいく。29歳という年齢で遅いグラビアデビューを果たした壇蜜だが、『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、そのコメントぶりが「誰も責めないとして評価されている印象。最近は文筆家としての活動も始めた。知名度もあるし、ホステス経験もあるので、壇蜜に男女の機微を語らせたいと思っている人は多いのではないか。しかし、「上手の手から水が漏れる」という諺のとおり、そんな壇蜜でも失敗する時があるのだと思うことがあった。

 読売新聞が運営する女性向けウェブサイト「OTEKOMACHI(大手小町)」。壇蜜はここで、お悩みアドバイザーを務めている。「若い女性が好きで飲みに誘う夫 どうしたら信じられる?」というお悩みが寄せられた。

 相談者の女性は、30歳前後の一児の母。26歳の時に14歳年上の男性と社内結婚をしたが、当時から夫は社内で「若い子好き」とうわさされていた。けれど、若い子なら誰彼かまわずということはなく、後輩に慕われてもいるそうだ。現在、結婚から3年、夫は家庭を大事にしてくれているが、こっそり社内の若い女性と連絡を取っているという。浮気の証拠はないものの、相談者は不安になってしまうのだそうだ。

 壇蜜の回答は、いくら若い子が好きでも「ついていけない」と夫も思う日が来るので、少し様子を見てみることを提案。

 「『もうおばさんなの。ふふ。でも一番大事な人にはかわいいって言ってほしいわね』と、自分は若くない、でも土俵が違うことをアピールして、ゆっくり旦那さんに微笑んでみましょう」「おばさんという隠れ蓑を使って、一線をひいた余裕の姿勢はきっと今のヤキモキを変えてくれるでしょう」と助言し、「『あなたも(若い子が)好きねぇ。そんなにいいのか私も試してみようかしら』とヒヤリとさせる一言も忘れずに」としめくくっている。

 「Yahoo!ニュース」に記事が転載されると、辛口なコメントが並ぶと言われる“ヤフコメ”で、この回答はネットユーザーから「さすが壇蜜」「知的」「こういう女性と結婚できた夫は幸せ」と歓迎されていた(余談だが、私が書いた記事に対するヤフコメ民のみなさんのコメントは、「ババア」とか「ションベンライター」といった類いのものばかりだ)。これらの称賛する書き込みを見るに、おそらく男性のものと思われるが、夫の携帯を見るとか、「どういうことか」と問い詰めるというような実力行使に出ない、ソフトな牽制が、男性のツボを刺激したのだろう。

 人生相談は読者が「うまい!」と思うことが大事であって、実際の解決方法を提案する必要はない。ヤフコメを見る限り、壇蜜の回答が支持されているわけだから「いい仕事をした」と見ていいのだろう。

 しかし、壇蜜の持ち味である「誰も責めない」という原則が、今回の相談では珍しく破られているのにお気づきだろうか。幼子を抱えた30歳前後の女性が、「40代の夫が若い子にちょっかいを出していること」に不安を持っている。「妻子持ちが何やってるんだ」と夫を責めず、30歳そこそこの女性に、若い子と対極の存在を意味する「おばさん」を自称させようとしている。つまり壇蜜は、相談者の女性を直接的に責めてはいないものの、「自分自身を貶めさせる」ことを推奨するのは、間接的に責めているように感じるのだ。妻が「おばさん」を自称する真意に気づかずに「本人が言ってるんだから、おばさんとして扱っていいんだ」と、夫が素直に信じてしまう可能性もなくはないだろう。やはり自分で自分を貶めるようなことは言わないほうがいいのではないか。

 壇蜜のメインの支持層が男性だから、その層を傷つけない、だから相談者の夫も悪く言わないと言うのは、タレントとして賢明な判断だとも思う。しかし、それは女性側を傷つけていいという意味ではないだろう。「誰も責めない」ことが評価されているように見える壇蜜にしては珍しいミスだと私は思ったが、それでは、どう回答すればいいのかと言うと、これがまた難しい。

 例えば、「若い女性が40歳過ぎた妻子持ちなんて相手にしませんよ!」と言えば、相談者の愛する夫を貶めることになる。一方、昭和の人生相談でよくなされていた、「あなたは妻なのだから、どっしりと構えていなさい」という回答もふさわしくないだろう。これは「妻以外の女性とのセックスは所詮、遊びなのだから」という意味が含まれた回答だが、これだけ芸能人の不倫や離婚が取りざたされる中、相談者も妻という立場に胡坐をかいてもいられないからだ。はたまた「社内の若い子を飲みに頻繁に誘っていると、セクハラって言われるかもよ!」というのも、壇蜜のキャラと合わないからNGなのではないか。

 悩み相談の名手・壇蜜ですら、このお悩みに「誰も傷つけない答え」を導きだせないのは、そもそもこの相談自体にねじれがあるからではないだろうか。

 「浮気しているとしか思えない」証拠を見つけてしまったのなら話は別だが、相談者の夫が若い女性と連絡を取っていることを、「浮気してる」と見るか、「仕事の相談に乗っているんだ、それだけ後輩に慕われているんだ」と思うかは、相談者の感じ方の問題のように思う。不安を感じやすいタイプの人だったり、自分も違う女性から夫を奪い取ったなど「身に覚え」がある人は、ささいな出来事も、悪いほうに考えてしまうだろう。こういう人に「浮気なんてしないと思うよ」と言ったとしても、世の中に100%はないので「なぜ、そんなこと断言できるの?」と不興を買うことも考えられる。なので、この問題の芯は、夫が若い子が好きなことではなく、なぜ相談者がそんなに不安になるのか、なぜ夫を信じられないのかを考えることではないだろうか。

 求められてもいない私の意見はさておき、ジェンダーをめぐる炎上が珍しくない時代、30代そこそこの女性に「おばさん」は適切な表現ではなかったと思う。壇蜜がいきなり男女平等を訴えるキャラになる必要はないが、不用意に女性を貶めないことは、今後の壇蜜にとって一つの課題となるのかもしれない。

ブルゾンちえみの「ヴィーガン告白」に考える、「面倒くさがられること」を受け入れる大切さ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「はいはい、そういう系ねとカテゴライズされて面倒くさがられることを恐れ」ブルゾンちえみ(藤原史織)
(公式Twitter、4月23日)

 2020年3月末に所属していたワタナベエンターテインメントを退所したタレント・ブルゾンちえみ。人気芸能人が実質的に芸能界を引退し、イタリアに留学というのはずいぶん思い切った決断をしたのではないだろうか。

 ブルゾンといえば、個性的なメイクが思い浮かぶ。「VOCE」(講談社)で、ブルゾンは「メイクで男ウケを狙う人っているじゃない? でも、ありのままの自分を好きになってくれる人じゃなきゃ、結局うまくいかない。だから、誰になんと言われようが、ダークレッド色のリップを譲る気はないの」「寂しいパーツがあると他のパーツも寂しく見えるから、ON and ONが絶対」と、顔のパーツ全てを強調したメイクにしていることを明かしている。日本では長年「化粧をしているように見えない」ナチュラルメイクが職場や男性にウケがいいとされてきた。「男のためでないメイク」「濃いメイクが好き」というブルゾンの主義は、特にブルゾンと同世代の女性に新しく感じられたことだろう。

 そんな日本であまり見ない、海外的なセンスの濃いメイクで、2人のオトコを従えた自称キャリアウーマンが、腰をくねらせて「オンナに生まれてよかった」とちょっと上から目線で説く。強くて自由なオンナを思わせる「35億ネタ」で、ブルゾンは17年に大ブレークを果たしたが、ネタ中のセリフが、占星術家Keiko氏の著書の一部に酷似していると、盗作疑惑が持ち上がったことがある。「週刊文春」(文藝春秋)の直撃を受けたブルゾンは「どうとでも言ってください」と強気なコメント。私は本を書く側なので、どうしても著者の肩を持ってしまうが、法的には問題がなくても、もうちょっと言い方があるのではないだろうか。ブルゾンに、プライドが高くて面倒くさい人なのかもしれないという印象を受けた。

 「35億」でブレーク後、ブルゾンはお笑いだけでなく女優業に進出し、『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系、17年)に出演。また同年『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)のチャリティランナーに選ばれ、完走している。しかし、お笑いのほうではあまりめざましい活躍をしたとは言い難いだろう。「オンナのイヤはイヤじゃない」なる新ネタを発表したが、女性の心からの拒絶を「OKサイン」と受け取る男性が生まれかねない表現だとして、ネット上で批判の声が上がった。

 『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)の水曜レギュラーだったこともあるが、笑いを生み出していたとは言いにくい。クイズの時は、ボケずにすぐに正解を答えてしまうし、ラグビー発祥の地でスクラムを体験するロケでは、「恥ずかしい」「女子がすることじゃない」と逃げ腰だった。芸人だからカラダを張れと言うつもりはないが、そのほかの部分で見せ場を生み出せていないように感じられた。

 引退直前に出演した『行列のできる法律相談所』(同)で、ブルゾンは自身のスキルのなさに悩んでいたことを明かしている。芸歴2年目で大ブレークし、芸の蓄積がないまま、東野幸治ら人気芸人と共演という大舞台を与えられてしまったブルゾン。やはり、力量の差は否めず、話題を振られても黙りこんでしまうこともあったようだ。「私じゃないほうが、もっと面白い番組になるのになぁ」と悩んでいたことを涙ながらに明かしていたから、陰で相当悩んでいたのだろう。あのまま芸人を続けていれば、「面白くないのに出ている」と言われかねない。ほかにやりたいことがあるのなら、そちらを選ぶほうが賢明だろう。

 しかし、イタリアに留学するにあたり、ブルゾンはやりたいことが何かを明言していない。公式インスタグラムを見ると、環境問題や政治、動物愛護に興味を持っていることがわかる。何か新しい活動を始めようとする場合、お笑いで培った知名度とインパクトのあるメイクが施された顔は大きな武器になると言える。留学の準備が整うまで語学を勉強しつつ、ファンやフォロワーとつながっておくことが夢の実現の近道なのではないだろうか。

◎「面倒くささ」こそ、ブルゾンちえみらしさ

 現在は、「ブルゾンちえみ」という名前を捨て、本名の藤原史織としてTwitterとYouTubeを開始したようだ。Twitterでは「2年前から肉を食べていない」ことを明かし、その理由として「“ベジタリアン”とか“ヴィーガン”とかはいはい、そういう系ねとカテゴライズされて面倒くさがられることを恐れ、肉を食べないことを言えずにいた。でも無理しなくていいんだ。そう思える仲間ができたこと。それが嬉しかったこと」と付け加えている。

 「肉を食べない女性芸能人」といえば、女優・浅芽陽子が思い出される。「エバラ焼き肉のたれ」のCMに出演していた浅芽だが、「私は肉を食べない」と発言したことで、降板に追い込まれる騒動が起きたのだ。芸能人が特定の思想や主義があると、スポンサー絡みで仕事に影響する恐れがある。だから、ブルゾンも公言するのを控えていたのかもしれない。芸能界を引退することで、いろいろなしがらみが解放されて、言いたいことを言える自由をかみしめているだろう。

 が、少し気になるのは「カテゴライズされて、面倒くさがられることを恐れ」という言い回しだ。つまり、ブルゾンは「あいつ、面倒くせー」と言われたくないのだろうが、この「面倒くささ」こそが、「ブルゾンちえみの“らしさ”」ではないか。

 19年2月1日放送の『アナザー・スカイ』(同)にブルゾンちえみが出演した時のこと。司会である今田耕司が「どんな30代を過ごしたいか?」と質問したところ、ブルゾンはなぜか答えられず、長いこと黙りこくり、今田が「軽く考えたら」と促したことがあった。あの沈黙の長さは結構なものだったと私は感じた。ブルゾンは自分を「真面目」と自己分析しており、だからこそ、先輩に向かって適当なことを言えないとか、視聴者の心に響くことを言おうと思って考えこんだのかもしれない。しかし、自分以外の立場、つまり今田や視聴者の目線で考えてみたら、どうだろう。ブルゾンが黙り込むことで番組が止まってしまっては、今田がブルゾンを追い込んでいるように見えなくもないので、今田もやりにくいし、視聴者も違和感を覚えるのではないか。そう考えると、ブルゾンの行動は、今田にも視聴者にも「面倒くさい」と捉えられるように思うのだ。

 裁判での証言のように「嘘をついてはいけない」わけではないのだから、適当に答えてもいいだろうし、ほかの女性ゲストが出演した回を見れば、「どんな30代を過ごしたいか?」といった質問がされることも、事前に把握できたはず。おそらくブルゾンがこうしたフリートークを苦手とするのは、自分の殻に閉じこもりがちで、周りの動きが目に入らず、ゆえに準備が足りないからではないだろうか。しかし、これは、SNSの発達により他者からの視線を気にしすぎて、自意識過剰になってしまう、そんな今どきの若い人が持つ大きな特徴の一つでもあるように感じるのだ。だからこそ、ブルゾンに対し、「私と同じだ」とシンパシーを感じ、ファンになる若者は少なくないと思う。

 ベジタリアンやヴィーガンに限らず、多数派でないものを悪く言ったり、「面倒くさい」と言う人はいる。しかし、ビジネスを伴った自己実現という観点から言うと、そういうところは、自分が第一人者として立てる場所であり、「面倒くさい」は金脈と言えるのではないだろうか。

 新型コロナウィルスの影響ですぐに留学は無理だろうが、海外に行けば、ブルゾンは自分の常識が無意味なことに気づくだろう。ブルゾンが喜んで「面倒くさい人」であることを受け入れた頃、彼女は新しい肩書で私たちの目の前に現れるのかもしれない。
(仁科友里)

フジモンこと藤本敏史が、離婚で失ったモノ……木下優樹菜は「水戸黄門の印籠」だった?

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「元嫁からこのアカウントを引き継いで初めてのSNSやってみまーす」
(藤本敏史インスタグラムより)

 昨年末に離婚を発表したタレント・木下優樹菜とお笑い芸人・FJIWARAの藤本敏史(以下、フジモン)。私は「離婚しない」と勝手に決めつけていたので驚いた。藤本が優樹菜にブサイクとののしられることは、夫婦恒例のネタだった。しかし、ある時から、そのイジりが笑いの範疇を超えてきつくなってきたと感じられることが増えたが、あれは離婚の一つのシグナルだったのかもしれない。

 それでも、なぜ私が、フジモンと優樹菜は離婚しないと考えたかというと、この結婚はフジモンにメリットが大きいため、フジモンは優樹菜を手放さない、また優樹菜に愛想を尽かされないように良い夫に徹すると思ったからだ。

 番組名は失念したが、二人が交際中、バラエティ番組で「フジモンは、みんなのいる楽屋で、木下が掲載されているファッション誌をわざわざ読む」と暴露されていたことがある。フジモンは「彼女に感想を求められるから、読まされる」と説明していたが、それなら家で見てもいいはずだ。「彼女がモデルであること」を、フジモンは周りにアピールしたかったのだろう。加えて、優樹菜はフジモンの17歳年下である。若い女性を妻にすることにステイタスを感じる男性は多いので、優樹菜はフジモンにとって「得難い、自慢の彼女」だったのではないだろうか。

 フジモンの猛アプローチで結婚に至った二人だが、芸歴はフジモンのほうが長いにもかかわらず、収入は優樹菜のほうが上だったという。新婚時に二人に密着した番組を見たことがあるが、優樹菜のほうが収入が上なので、優樹菜がフジモンのための車を買い、保険も払っていると話していた。

 独身時代はおバカタレントの一人だった優樹菜だが、結婚後はタレントとして、さらに飛躍を遂げたと言っていいのではないだろうか。出産後はママタレとしても人気で、オリコンが調査した「好きなママタレントランキング」で2016年に1位に輝くなど、支持する人は多い。インスタグラムのフォロワー数も国内上位をキープしていた。

 フジモンも優樹菜の活躍には敬意を表していたようだ。15年12月13日放送の『上沼・高田のクギヅケ!』(読売テレビ)によると、「(優樹菜の)1年契約の仕事のギャラをチラっと見たら、絶対ショックを受けると思って見ないようにしていた。でも置いてあった。それはもうビックリして……。ボクがそれぐらい稼ごうと思ったら、ルミネの劇場に800回くらい出なあかん!」と話していたから、かなりの収入格差があるのだろう。しかし、当時のフジモンはその格差を気にすることなく、「そんなプライド捨てたら、めっちゃ楽になりますよ。妻が一家の大黒柱と思ったら、めっちゃ楽になります」と語っていた。

 「寄らば大樹の陰」ということわざがあるが、若く美しく稼ぐ妻のそばにいると何かとトクなはずだし、お子さんも二人いる。だからフジモンは離婚したくないだろうし、離婚を回避すべく優樹菜に尽くすはずと、私は思っていた。しかし、そういう端から見える「条件面」だけではどうにもならないのが、結婚の不思議な点なのかもしれない。

 交際から結婚、妊娠出産、育児とプライベートをかなりオープンにしてきた優樹菜とフジモンだが、離婚についてはかなり歯切れが悪い。フジモンは3月26日放送の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)で、離婚の原因について「昔だったらケンカして言い合ってスッキリしていたのが、だんだんと言うのも嫌になってきた。それが溜まっていって……。お互いね。じわじわなのよ」と、決定的な何かがあったわけではないと説明。優樹菜が離婚理由についてコメントを出せば、世間から大きな反響を呼んだだろうが、“タピオカ騒動”の責任を取って現在は休業中なので、特に話題にもならず、フジモンに離婚特需が起きることはなかった。

 そんなフジモンが4月12日、インスタを始めた。フジモン本人が新しく立ち上げたものではなく、優樹菜が「嫁が旦那フジモンを載せていくだけのアカウント」として使っていたものを、引き継いだのだという。フジモンが「元嫁からこのアカウントを引き継いで初めてのSNSやってみまーす」とプロフィール欄に書いたことで、「円満アピール」「偽装離婚」という声がネットで上がっているようだ。

 離婚しても「優樹菜が撮ったフジモンの写真」がアップされるなら、円満アピールや偽装離婚と言われるかもしれないが、実際はそうではないようだ。では、なぜわざわざ、別れた妻のアカウントを使うのかというと、妻のアカウントについていたフォロワーを引き継ぎたかったからではないだろうか。

 バラエティ番組で、タレントを紹介するとき「SNSのフォロワーは○人」と言うように、現代ではフォロワー数を人気のバロメーターとみなす傾向がある。企業もフォロワーが多い人を宣伝に登用したりするので、人気商売の人にとって、フォロワー数は重要な商売道具であると言えるだろう。

 優樹菜がフジモンの写真を載せていくだけのアカウントをフォローしたり、「いいね!」をしてくれた人は、自分を評価してくれるファンなはずだから、引き継がない手はないー。もし、フジモンがそう思ったとしたら、それは見当違いではないだろうか。

 フォロワーは「優樹菜の夫」もしくは「結婚しても、ずっと妻に優しい仲良し円満夫婦の夫」が見たいのだと思う。過去の投稿を見ると、フジモン単体の写真よりも、優樹菜と一緒のの写真ほうが、「いいね!」数のケタは1桁増える。となると、離婚して優樹菜とフジモンが無関係になれば、フジモンはフォローしたい対象からはずれるだろう。それに、優樹菜の人気が低下すればフォロワーは減ると言える。

 15年1月11日放送のラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系)で、有吉がフジモンを「貧乏だから、餅も買えないだろうから、1万円くらい早めのお年玉でもやろうか?」とイジったところ、「俺の嫁、誰だと思ってんねん! 木下優樹菜やぞ!」と返されたことを明かしていたが、水戸黄門の印籠のような妻はもういない。

 金銭的に頼りにすることもできないし、家族ネタで仕事を取ることもできない。これまで優樹菜から受けてきた有形無形の恩恵を、フジモンはひしひしと感じているのかもしれない。

松嶋尚美、「昨日、家で友達と遊んだ」発言で批判の嵐も……彼女は「天然」ではなく「策士」と感じるワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「昨日、友達と遊んじゃって、家で」松嶋尚美
『バイキング』(フジテレビ系、4月8日)

 あなたの周囲に、自分に知識や常識がないことをアピールする人はいませんか?

 例えば、漢字が読めないとか、言葉の言い間違いを披露したり、入社試験や昇進試験のときに、いかにその場にそぐわない服装や態度で臨んだかを話す人。私はこういう人を見たら、面倒くさそうなので、すぐに距離を置くようにしている。幸いなことに、人に会わない仕事のため、それで済んでいるが、4月8日放送の『バイキング』(フジテレビ系)に出演した松嶋尚美を見て、やっぱりこういう人は苦手だと、あらためて思った。

 新型コロナウィルス感染症の拡大で、とうとう7都道府県に緊急事態宣言が出た。新しいウィルスなので、治療薬はなく、対処療法を取るしかない。4月8日の「福井新聞」によると、ワクチン候補は50種類以上あるが、安全性の確認など、越えなければいけない壁がいくつもあるとのこと。となると、薬が開発されるまで、私たちはともかくうつら(さ)ないことを心がけるしかない。

 安倍晋三首相は、緊急事態宣言で「人の接触を8割減らして」と呼びかけたが、リモートワークできない仕事も少なくないだろう。また、テレビも新型コロナの影響を受けている。ロケは中止となり、ソーシャルディスタンスを保つため、ゲストの距離は離されている。ニュースやワイドショーも、いかにして感染を防ぐかについて報じているが、そんな中、松嶋は『バイキング」で「昨日、友達と遊んじゃって、家で」と発言。「心苦しい、本当に今日は最後よ」と笑って話し、「今日から(人との接触8割減を)本当にするから」と誓っていた。

 松嶋と言えば、千代大海を「千代大会」だと思っていたり、ニコラス・ケイジを「ニコラス刑事」だと信じていたなどの天然ボケエピソードに事欠かないことから、今回の「友達と家で遊んだ」発言も、その延長だと見る人もいるだろう。

 しかし、松嶋は万事無防備かというと、そうでもないようだ。松嶋は宅配便のサインをする際に、宅配の人が持っているボールペンは使わず、自分ものを使うと話していた。いろいろな人が触るボールペンにウィルスがついていることを想定した自衛策だろう。

 人を家に呼んで遊ぶという、感染の確率を高めかねないことをする一方で、人が触ったボールペンには抵抗がある。これはつまり、自分の楽しみは優先するけれど、人からうつされるのはイヤという意識が強いということではないだろうか。天然ボケというと、何も考えていない人を連想するだろうが、松嶋は自分に甘い一方で、案外ディフェンスは固い人なんだなと感じるのだ。

 加えて、松嶋の判断力は鋭敏な気がする。一般人の雑談ならともかく、芸能人はギャラが発生する場所で話すとき、「今、この話をしていいのかどうか」という判断力が試されるだろう。「友達と家で遊んだ」発言に対し、共演者のおぎやはぎは「何やってんの」と呆れていたが、番組司会の坂上忍は、激怒するかと思いきや、笑った後に「正直な飾らない尚美ちゃんが好きですけど、今日から(人との接触8割減を)お願いします」と言うに留めた。ネットでは、松嶋の行為に批判が噴出したが、番組内で力を持っているであろう坂上は怒っていない。非常識なことを言えるのは、何を言ったら、その場にいる実力者が怒るか/怒らないかを読む能力があるか、もしくは、実力者に気に入られているので怒られない勝算があるかのどちらかで、それができる人は、天然ボケというより、策士ではないだろうか

 ネットでは、松嶋は降板すべきだという意見もあったが、松嶋はかなり『バイキング』向きのコメンテーターと言えるように思う

 『バイキング」の特徴の一つは、坂上が、司会という立場を超えて意見を言うことだと私は思っている。坂上は弁が立つタイプであり、ネットの反応を恐れずに自分の意見が言えるところもある一方、自分の意見と違ったり、進行役の榎並大二郎アナウンサーなど目下がとちったりすると、相手に詰め寄るといった強権的な部分もある。こういう人がメインの場合、脇を高める人は、水曜MC・おぎやはぎのように、ゆるさがあるほうがいいだろう。

 女性コメンテーターも同様で、これまでのケースから見ると、自己主張の強い女性タレントはレギュラーになっていない。今は“卒業”してしまったが、YOUがレギュラーだったときも、ほかの番組とは打って変わって、歯切れが悪かった。興味のない話題を振られていた可能性は否めないが、意見をはっきり言わないほうが、坂上のお好みであることに気づいていたからではないだろうか。もしそうだとすると、いつも突拍子もないことを言う(かつ、坂上を怒らせない)松嶋は、『バイキング」には欠かせないコメンテーターと言えるだろう。

 松嶋と言えば、かつて中島知子と共にオセロとして活躍していたが、中島が占い師の女性に洗脳されたという疑惑が浮上し、激太りしたと騒がれ、また家賃を滞納するなどのトラブルを起こして、所属事務所から解雇された。その後、コンビも解散したが、当時『ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)に出演した中島によると、“奇行”の原因は所属事務所と話が合わなかったことに加え、「(松嶋が)何年か前に独立した。コンビなのに独立した」と個人事務所を作ったことも理由に挙げていた。この言葉から考えると、中島は「相談もなく独立され、裏切られた」と思ったのかもしれない。今はテレビで中島を見ることはなくなってしまったが、相方に相談せず、いち早く独立し、解散しても一人で芸能界に生き残っている松嶋は、順風満帆そのものと言えるのではないだろうか。

 非常識な言動を見せても生き残れる人というのは、人の何倍もチャンスやタイミングを見ることに敏いと言えるのかもしれない。おそらく、今後もすっとぼけた発言を繰り返し、芸能界を渡っていくであろう彼女を、私は震えながら見つめていくつもりだ。