渡辺直美を「わきまえた女」だと思っていた!? 佐々木宏氏、ブタの格好で「チャーミングに見える」発言の“男尊女卑”

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「これで彼女がチャーミングに見えると思ったのですが」佐々木宏氏
(「週刊文春」2021年3月25日号、文藝春秋)

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(当時)が、「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」「(大会組織委員会の女性役員7人は)わきまえている」と発言したことが問題視され、辞任に追い込まれたのは2月中旬のこと。差別を許さない、平和の祭典の長として不適切な発言だっただけに、辞任は当然のことだと思うが、森氏を気の毒にも感じている。

 世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数2020」によると、日本は153国中121位。後ろから数えたほうが早い、ジェンダー後進国、もしくは男尊女卑国家だ。日本では、2018年頃から広がった「#MeToo運動」以降、SNSを中心に、女性差別に関して声を上げようという風潮になってきたが、長い歴史から考えると、それは「ここ最近」の出来事。80代の森氏に、今さらそれを理解せよと言っても、無理だろうと思うからのである。

 森氏がいなくなったから、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が一気に男女平等の方向に向かうと、私は思わない。これだけ長いこと男尊女卑を抱えてきた国なのだから、「森的なもの」はそこかしこに含まれているはずで、それらはゆっくり時間をかけて、けれど決してあきらめずに一つずつ解決していくしかない……と思っていたら、「ニュー森」が現れた。開閉式の演出を指揮する「総合統括責任者」の佐々木宏氏だ。氏は電通出身のCMクリエイターで、66歳。サントリー「BOSS」の「宇宙人ジョーンズ」やソフトバンクの「白戸家」シリーズを手掛けたことで知られている。

 この佐々木氏が、五輪開会式の演出プランとして、タレント・渡辺直美にブタの衣装を着せ、「舌を出して『オリンピッグ』と言わせる」という内容を提案していたこと、また、周囲のスタッフに「ヤバい」と指摘され、却下になっていたことが、「週刊文春」(文藝春秋)の取材でわかった。

 小池百合子都知事ではないが、絶句してしまう。しかし、佐々木氏本人に罪の意識はないようで、「文春」の取材に対し、「これで彼女がチャーミングに見えると思った」と“善意”による提案であったと釈明した。

◎渡辺直美にとって「痩せているか太っているか」は問題ではない

 そもそも、佐々木氏はブタが意味するものをご存じなのだろうか?

 キリスト教の世界では、ブタは侮蔑の対象である。また、第二次世界大戦中、ナチスドイツがユダヤ人の大量虐殺を行ったことはご存じの通りだが、手塚治虫の名作『アドルフに告ぐ』(文春文庫)では、女性が「私はユダヤのメス豚です 私は何人も ドイツ人の男をベッドへさそいこみ 堕落させました」と書かれた札を首にかけさせられ、群衆から「豚!」「売春婦ーッ!」とののしられるシーンがある。手塚氏が取材に基づいて描いたのかは不明だが、当時ユダヤ人が、ブタと呼ばれていたことについては、数々の証拠が存在する。反対にブタを褒め言葉をして使う国もあるが、いろいろな国の人が集まることを考えると、誤解を生むような表現を避けるべきではないだろうか。

 渡辺にブタの格好をさせようと思ったのは、オリンピックのピックとブタ(ピッグ)をかけたのだろうが、それは渡辺の体形も関係しているのではないか。痩せている女性が美しいとされる日本で、渡辺はそのルールに自分をあてはめようとしない。

 2018年12月3日放送の『人生が変わる1分間の深イイ話 2時間スペシャル』(日本テレビ系)では、中国の『紅白歌合戦』ともいえる人気番組に出演し、大好評を博した渡辺に密着していた。パフォーマンスを終え、疲労回復のために裸体になってマッサージを受けようとした渡辺だが、肩甲骨のあたりで肉が波打っていることに、男性スタッフが驚く。その時、渡辺は「太っていると思ってるでしょう?」と聞いた後、「でも、私は今の自分が好き」「ひざが痛くて踊れないとかならともかく、人の基準に合わせて痩せようとは思わない」といった話をしていた。

 これはおそらく、痩せているか太っているかは、渡辺にとって、さしたる問題ではないという意味だろう。しかし、番組では終始、渡辺を「女性らしさとは真逆」と表現していた。

◎ブタの衣装は、男尊女卑的視線の象徴

 太っているのは女性らしくないと決めつけることは、男尊女卑の最たるものだと私は思うが、その実、男尊女卑的な思考の人ほど、「太っている女性」のことを愛でる傾向があるのではないか。

 私は新卒でごりごりの男尊女卑会社に入ったが、その時の経験からいうと、男尊女卑的な思考の強い男性ほど、若い細身の美しい女性を好むように感じている。まぁ、世の男性の多くはそういう女性が好きだろうが、ポイントは、男尊女卑度の高い男性こそ、若くない、細くない、美人でない女性につけいられていたということだ。

 これはどういうことかというと、若くない、細くない、美人でない女性が、「私、オバちゃんだし」「私、デブだし」「私、ブスだし」といった具合に、欠点を自ら口にすると、男尊女卑度の高い男は「彼女はわきまえた女」として、掌中に入れてかわいがるようになる。当時、女性社員の中には、職場での自身の居場所を確保するため、割り切って「わきまえた女」を演じていた人もいたと思う。

 反対に、そういうオジサンに下手に出ず、距離を狭めない、仕事だけしている女性は、「愛想やかわいげがない」「外見の問題じゃなくて、性格が悪い」と悪い評価をどんどん上乗せされてしまう。

 佐々木氏は、渡辺にブタの格好をさせることを「これで彼女がチャーミングに見えると思ったのですが」とコメントしている。人にブタの格好をさせて、なぜチャーミングに見えるのか、私には理解できないが、男尊女卑的な視線で見ると、佐々木氏は、(渡辺の意思とは別に)バラエティで体形をイジられる彼女を見て、「太っていることをわきまえ、笑いを取って頑張っている」「その姿が健気でチャーミング」とでも思ったのではないか。

 渡辺は台湾や中国、アメリカでも活動し、ファンを増やしている。それは、渡辺の見た目も含めた芸が受け入れられているのだと私は思うが、やはり男尊女卑度の高い人は、常に外見でしか女性を見ようとしないのではないか。ブタの衣装は、男尊女卑的視線の象徴のような気がしてならない。

 渡辺は4月から活動拠点をアメリカに移すと発表していた。こんなくだらない男尊女卑オジサン、もしくは男尊女卑国家にとらわれることなく、どうか思いっきりアメリカで実力を発揮してもらいたいものだ。

吉本興業から“報復”を受けた? ハラスメントに抗議して1人になった加藤浩次に、いま伝えたいこと

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「吉本興業さんのほうから『契約は延長しない』と言われまして」加藤浩次
『スッキリ』(日本テレビ系、3月10日)

 今、話題の卓球女子五輪メダリスト・福原愛の不倫報道。「女性セブン」(小学館)が、福原と一般男性の横浜デート、また高級ホテルに泊まったことを報じ、一方で「週刊文春」(文藝春秋)は、福原の中ですでに離婚を決意済みで、その原因は夫である台湾卓球五輪代表・江宏傑のモラハラだと、福原の肩を持つかのように思える報道をしている。なお福原本人は「一緒の部屋に泊まった事実はありません」と不倫関係については否定した。

 私は、このニュースに対するフリーアナウンサー・大橋未歩の反応が印象深かった。3月7日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、この話題を取り上げた際、彼女は「全力で愛さんを擁護しようと思って」と語り、その理由について「はっきりと本人が(不倫を)否定していますし」「愛さんにテレビ業界はどんだけのものをもらった?」と、彼女がテレビ界の功労者であることを挙げた。

 テレビ東京時代、スポーツニュースを担当していた大橋アナは、真冬でも下着なのかと思うくらい薄着だったし、『やりすぎコージー』などで自分の性癖を話すこともあるなど、どちらかというとお色気担当であったように、私は記憶している。それは上司の指示なのか、それとも本人の判断かは不明だが、最近の大橋アナは「料理は女性がするものという考えにドン引き」と話したり、東京五輪組織委員会の森喜朗元会長の「女性の入る会議は長くなる」「女性は競争意識が強い」発言に対し、『5時に夢中!』(TOKYO MX)で「私の中にも、ふかわさん(同番組MC・ふかわりょう)の中にも、みなさんの中にも森さんは住んでいると思うんですよ」と述べるなど、ジェンダーを意識したかのような発言が目立つ。

 彼女はこれまで、局にお色気キャラを押し付けられるセクハラを受けてきたが、時代が変わって、今は言いたいことを言えるようになったと思っているのかもしれない。もしくは、お色気で勝負できない年齢になってきて、「そもそもお色気で勝負しなければいけない社会の在り方が悪い」と開眼したのかもしれない。彼女自身、自らを「女性の味方であるフェミニスト」と思っているようにも感じるが、それで売っていくには、ちょっと中途半端ではないだろうか。

 というのも、彼女は福原の不倫問題について、「愛さんに、テレビ業界はどんだけのものをもらった?」と口にしていた。それはつまり、「業績がある人だから、ほかのことは大目に見よう」という業界最優先の考えだといえるだろう。こうした思考回路では、セクハラに抗議するどころか、セクハラが軽視もしくは放置されてしまうと思うのだ。

 誰もがハラスメントを含めた差別のない世界を望んでいるだろう。もちろん私もその1人だが、差別を一気になくすことは簡単ではないと思っている。なぜなら、たいていハラスメントには利権が絡んでいるから、構造そのものを改革しないとトカゲのしっぽ切りで終わってしまう可能性がある。また、ハラスメントを告発したことで、告発者が不利益を被らないとは言い切れない。もし告発した人がバカを見るようなことがあれば、誰もが口をつぐんでしまうから、ますますハラスメントはなくならないだろう。

 そういう意味で、私が注目していたのは、加藤浩次だった。

 2019年、闇営業問題で吉本興業を解雇された雨上がり決死隊・宮迫博之は、その後、自分で会見を開き、ロンドンブーツ1号2号の田村亮とともに吉本から圧力をかけられたと暴露した。2人はいち早く釈明会見を開きたかったが、岡本昭彦社長に「会見するなら、(闇営業に関わった芸人を)全員クビ」と言われたという。また、亮によると、会見を全編ネット配信したいという要望に対し、吉本側は「テレビ局の在京5社、在阪5社は吉本の株主だから大丈夫」と話し、テレビ局と吉本興業の“結びつき”の強さを示唆したそうだ。これはつまり、会見のネット配信を阻止し、吉本の意向に沿った内容をテレビ局に放送させる……という意味にも取れるだけに、宮迫と亮は吉本からパワハラを受けたと考えられる。

 そんな中、おそらくギャラの取り分なども含めて、吉本に思うことがいろいろあったのだろう、加藤は自身がMCを務める情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)で、岡本社長や大崎洋会長を批判し、この体制が変わらなければ「俺は吉本を辞める」と発言していた。ネットユーザーは加藤の発言を称賛していたような印象があるが、加藤は大崎会長と2人で話した結果、エージェント契約を結ぶことになり、吉本を辞めることにはならなかった。

 若い世代は特に、「不正に声を上げて、会社を変えていくべき」「声を上げれば、悪しき体制は変わる」と考えがちだろう。しかし、そうした世界を描いたドラマ『半沢直樹』(TBS系)が大ヒットするのは、現実社会に半沢直樹がいないからだ。

 一般人の世界でも、社員が大会社の会長を批判して、無傷でいられるわけがない。加藤は必ず“報復”されると思っていたところ、今年になって、彼のレギュラー番組『スーパーサッカー』『この差って何ですか?』(ともに同)が、この春終了することになった。また『スッキリ』の裏番組であるTBSの『グッとラック』は、まもなく終了し、その新番組のMCには、吉本興業の後輩、麒麟・川島明が抜てきされた。吉本が、加藤包囲網を作っているのではないかという記事もちらほら見られた中、3月10日放送の『スッキリ』で、加藤は「吉本興業さんのほうから『契約は延長しない』と言われまして」とはっきり発言したため、やはり彼は吉本に「切られた」ということだろう。

 エージェント契約にした加藤と吉本のギャラの取り分は「8対2」だといわれており、吉本からすれば、確かにこの契約ではうまみが少なすぎるのかもしれない。しかし私はそれよりも会社の見せしめ的なものを感じた。会長をテレビで批判するような加藤を放置すれば、第2、第3の加藤が生まれかねないし、そうすると、組織自体が崩壊する危険もあるだろう。一気に排除するとネットでいろいろ言われるので、時間をかけて実行したのではないだろうか。今のところ『スッキリ』は続くそうだが、この分だといつまで続くかはわからない。加藤は、会社のハラスメントに抗議した結果、組織を優先させたい吉本によって、窮地に立たされてしまったわけだ。

 闇営業問題に関しては、ダウンタウン・松本人志も「松本、動きます」とツイートして、称賛された。宮迫の代わりに番組に出たり、見えないところで吉本芸人に対していろいろと尽力したのだろうが、何がはっきり変わったのかは、一般人には伝わってこない。それは松本の能力不足ということではなく、上述した通り、利権が複雑に絡んだ業界というのは、そう簡単に壊せないからだと思う。

 「#MeToo運動」がSNSで世界的な盛り上がりを見せたが、ネットの意見が世の中の総意ではないし、仮に総意だったとしても、抗議する人の思うようにコトが進むかはわからない。だから、社会や組織に歯向かうなというのではなく、私は加藤の件も踏まえて「1人ではとても太刀打ちできないし、社会的な死が待ち受けている可能性もあるから、1人で戦うな」と言いたいのだ。まず同じ志を持つ人たちを探して、その人たちと団結する。事務所の庇護をなくして1人になった加藤も、再スタートを切るにあたり、まず信頼できるスタッフで周りを固めることから始めるといいのかもしれない。

福原愛、不倫スキャンダルで「好感度下がりまくり」の声! 吉田沙保里ら女性アスリートに見るメディアとの“無情な関係”

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 元卓球日本代表選手・福原愛と元卓球台湾代表・江宏傑のアスリート夫婦が、今、世間を騒がせている。3月4日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が江の“モラハラ疑惑”を、同日発売の「女性セブン」(小学館)が福原の“不倫疑惑”を報じ、ネット上で驚きの声が続出しているのだ。

 2016年のリオデジャネイロオリンピック終了後、東京都内で会見を開き、結婚を発表した福原&江夫婦。特に福原は、幼少期から「天才卓球少女・愛ちゃん」としてマスコミから注目を集め、国民的な人気を誇っていただけに、結婚当時は祝福の声が多数寄せられていた。しかしその後、自身のSNSやテレビ番組などで“ノロケ”を繰り返す福原に対し、世間からは「幸せアピールがウザい」「もうおなかいっぱい」「見てて恥ずかしくなる」など、批判的な声が増えることに。

 そんな夫婦のスキャンダルを受け、ネット上では「なんだかんだ仲良くやってると思ったのに、好感度下がりまくり」「恥ずかしがり屋で泣き虫の愛ちゃん、というイメージが完全に崩壊してしまった」といった落胆の声や、「SNSの投稿と現実が違いすぎる。今まで見てたことは全部ウソなの?」などと疑う人まで見受けられる。

 福原に限らず、日本を代表する女性アスリートがバラエティ番組に出演したり、自身のSNSから情報を発信することは珍しくない。しかし、それがきっかけで「イメージが崩れた」といわれるケースも多く、かつての“スター”が“嫌われ者”に変わってしまうことも。

 このような現象について、サイゾーウーマンで「有名人深読み週報」を連載するライター・仁科友里氏は、元女子レスリング選手の吉田沙保里や元柔道選手の谷亮子らを例に出し、「女性アスリートの宿命」だとつづっていた。福原も背負っているだろう、その“宿命”とはなんなのか――同記事をあらためて掲載する。
(編集部)


(初出:2018年2月22日)

谷亮子、国民的スターから「嫌いな女」への転落に見る「女性アスリートとテレビ」の無情な関係

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「本当にしつこい」安藤美姫
『サンデー・ジャポン』(TBS系、2月18日)

 オリンピックのメダリストほど、知名度と好感度が高い人はいないのではないだろうか。というわけで、メダリストは、バラエティに出演する機会も多いが、お声がかかりやすいのは、“いじられる要素のある”人だ。

 例えば、“霊長類最強女子”と呼ばれ、国民栄誉賞も受賞した女子レスリング・吉田沙保里選手。結婚願望があり、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などのバラエティ番組で、「イケメン好き」「好きな人には、自分からガンガン行く」と明かし、自ら肉食系であることを認めている彼女は、いじりやすく重宝される。最近はCMにも出演し、そこで妊婦の役を演じたことから、「たまごクラブ増刊号」(ベネッセ)の表紙も飾った。インスタグラムには、深田恭子ら女優との交友、美容鍼灸やまつエク、ネイルの画像がアップされ、ファンから「吉田さん、かわいいです」と褒められている。女性誌や女性週刊誌も、吉田を「女子力が高い」(美しいと言わないところに、一抹の含みがある)と書き立てるなど、完全に彼女のカテゴリは“芸能人”である。

 アスリートが芸能人になることに問題はないが、吉田は「かわいい」という称賛の先に何が待っているか知っているのだろうか。「かわいい」で日本をかき回した谷亮子の姿がちらつくのである。

 柔道は日本のお家芸であるものの、オリンピックではメダルが取れないという低迷期が続いていた。そこに現れたのが、谷である。久しぶりに現れた天才少女に日本は沸いた。谷の成人式に密着した番組を見たことがあるが、列席した見知らぬ女性から「かわいい!」と声が上がると、谷は手を挙げて、声援に応えていた。この時の「かわいい!」は「いつも柔道に明け暮れている谷のオンナノコとしての一面を見られた」という意味で、いわば「いいね!」を意味する「かわいい」だったと私は解釈した。この頃、女性たちは、おおむね谷に好意的だったように記憶している。

 流れを変えたのは、イチローである。谷はイチローを含めて複数人でカラオケに行き、イチローに電話番号を聞かれたそうだが、それをワイドショーの取材に対して「イチローが私を狙ってる」といったニュアンスで語りだしたのだ。プロ野球選手といえば、元アイドルや女子アナなどと結婚するのが当時の常識だっただけに(この時イチローは、女優・葉月里緒奈と破局直後だった)、うっすらと世間に「もしかして、自分のことをそっち側だと思っている?」という空気が広まっていったのだろう。

 イチローとは不発だったものの、谷はオリックス・ブルーウェーブの谷佳知と交際を始める。白いワンピースを着た谷が、差し入れを持ってオリックスのキャンプ地を訪れた姿をワイドショーが追いかけていた頃、女性レポーターたちの視線は、かなり冷ややかだったように思う。まもなく結婚が決まるが、谷のデザインした婚約指輪の独特なセンス、金メダルにちなんで結婚式の打掛を金色にするなどの“小ネタ”が、ネット上でもイタいと嘲笑の的となり、好感度はじりじり下がっていった。そして、とうとう2010年版「週刊文春」(文藝春秋)調査のアンケート企画「女が嫌いな女」では、1位に輝いてしまったのだ。

 私は谷が“イタい”と言いたいのではない。勝手にテレビに引っ張り出し、勝手に「かわいい」と持ち上げ、本人がそれを受け入れると、「いい気になるんじゃねーぞ!」と引きずり下ろす。それが、テレビにおける女性アスリートの宿命なのである。谷はメンタルが強いのでけろっとしていたが、吉田にそこを耐える気力があるのか疑問に思うのだ。

 オリンピック出身のアスリートといえば、フィギュアスケートの安藤美姫も、マスコミ好きする「かわいい」枠だ。世界選手権で、金メダルを獲得するまでの選手に成長した安藤は、未婚のまま出産。記者会見で、「プライバシーを守りたい」と父親の名前を明かさない意思を表明したが、スペイン人のスケート選手ハビエル・フェルナンデスとの交際を始め、親密な画像を頻繁にアップするようになる。しかし、そのフェルナンデスとも、昨年から破局説がささやかれている状況だ。2月18日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、破局説について聞かれた安藤は、「本当にしつこい」とキレて見せた。そりゃ、あれだけ交際をアピールしていたのに、突然フェルナンデスが登場しなくなったら、みんなそう思うよと言いたいところだが、安藤にとってプライバシーとは「私的なこと」ではなく「知られたくないこと」を指すようなので仕方がない。

 オリンピック選手と芸能界には、大きな違いがある。オリンピック選手は、ベストを尽くして戦い、視聴者はテレビを通じて応援するという意味で、“アスリートは視聴者より立場が上”。しかし、テレビの世界において、演者は好感度や視聴率を稼がなくてはならないので、“芸能人は視聴者より立場が下”なのである。安藤のように、このルールがわからない人は、テレビの世界では「使いづらい」「面倒くさい」といわれてしまうのではないだろうか。

 オリンピックには魔物が住むといわれるが、テレビの世界も魑魅魍魎。女性アスリートの皆さんは、ほどほどにして撤退された方がいいのでは? と思わずにいられない。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

福原愛、不倫スキャンダルで「好感度下がりまくり」の声! 吉田沙保里ら女性アスリートに見るメディアとの“無情な関係”

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 元卓球日本代表選手・福原愛と元卓球台湾代表・江宏傑のアスリート夫婦が、今、世間を騒がせている。3月4日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が江の“モラハラ疑惑”を、同日発売の「女性セブン」(小学館)が福原の“不倫疑惑”を報じ、ネット上で驚きの声が続出しているのだ。

 2016年のリオデジャネイロオリンピック終了後、東京都内で会見を開き、結婚を発表した福原&江夫婦。特に福原は、幼少期から「天才卓球少女・愛ちゃん」としてマスコミから注目を集め、国民的な人気を誇っていただけに、結婚当時は祝福の声が多数寄せられていた。しかしその後、自身のSNSやテレビ番組などで“ノロケ”を繰り返す福原に対し、世間からは「幸せアピールがウザい」「もうおなかいっぱい」「見てて恥ずかしくなる」など、批判的な声が増えることに。

 そんな夫婦のスキャンダルを受け、ネット上では「なんだかんだ仲良くやってると思ったのに、好感度下がりまくり」「恥ずかしがり屋で泣き虫の愛ちゃん、というイメージが完全に崩壊してしまった」といった落胆の声や、「SNSの投稿と現実が違いすぎる。今まで見てたことは全部ウソなの?」などと疑う人まで見受けられる。

 福原に限らず、日本を代表する女性アスリートがバラエティ番組に出演したり、自身のSNSから情報を発信することは珍しくない。しかし、それがきっかけで「イメージが崩れた」といわれるケースも多く、かつての“スター”が“嫌われ者”に変わってしまうことも。

 このような現象について、サイゾーウーマンで「有名人深読み週報」を連載するライター・仁科友里氏は、元女子レスリング選手の吉田沙保里や元柔道選手の谷亮子らを例に出し、「女性アスリートの宿命」だとつづっていた。福原も背負っているだろう、その“宿命”とはなんなのか――同記事をあらためて掲載する。
(編集部)


(初出:2018年2月22日)

谷亮子、国民的スターから「嫌いな女」への転落に見る「女性アスリートとテレビ」の無情な関係

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「本当にしつこい」安藤美姫
『サンデー・ジャポン』(TBS系、2月18日)

 オリンピックのメダリストほど、知名度と好感度が高い人はいないのではないだろうか。というわけで、メダリストは、バラエティに出演する機会も多いが、お声がかかりやすいのは、“いじられる要素のある”人だ。

 例えば、“霊長類最強女子”と呼ばれ、国民栄誉賞も受賞した女子レスリング・吉田沙保里選手。結婚願望があり、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などのバラエティ番組で、「イケメン好き」「好きな人には、自分からガンガン行く」と明かし、自ら肉食系であることを認めている彼女は、いじりやすく重宝される。最近はCMにも出演し、そこで妊婦の役を演じたことから、「たまごクラブ増刊号」(ベネッセ)の表紙も飾った。インスタグラムには、深田恭子ら女優との交友、美容鍼灸やまつエク、ネイルの画像がアップされ、ファンから「吉田さん、かわいいです」と褒められている。女性誌や女性週刊誌も、吉田を「女子力が高い」(美しいと言わないところに、一抹の含みがある)と書き立てるなど、完全に彼女のカテゴリは“芸能人”である。

 アスリートが芸能人になることに問題はないが、吉田は「かわいい」という称賛の先に何が待っているか知っているのだろうか。「かわいい」で日本をかき回した谷亮子の姿がちらつくのである。

 柔道は日本のお家芸であるものの、オリンピックではメダルが取れないという低迷期が続いていた。そこに現れたのが、谷である。久しぶりに現れた天才少女に日本は沸いた。谷の成人式に密着した番組を見たことがあるが、列席した見知らぬ女性から「かわいい!」と声が上がると、谷は手を挙げて、声援に応えていた。この時の「かわいい!」は「いつも柔道に明け暮れている谷のオンナノコとしての一面を見られた」という意味で、いわば「いいね!」を意味する「かわいい」だったと私は解釈した。この頃、女性たちは、おおむね谷に好意的だったように記憶している。

 流れを変えたのは、イチローである。谷はイチローを含めて複数人でカラオケに行き、イチローに電話番号を聞かれたそうだが、それをワイドショーの取材に対して「イチローが私を狙ってる」といったニュアンスで語りだしたのだ。プロ野球選手といえば、元アイドルや女子アナなどと結婚するのが当時の常識だっただけに(この時イチローは、女優・葉月里緒奈と破局直後だった)、うっすらと世間に「もしかして、自分のことをそっち側だと思っている?」という空気が広まっていったのだろう。

 イチローとは不発だったものの、谷はオリックス・ブルーウェーブの谷佳知と交際を始める。白いワンピースを着た谷が、差し入れを持ってオリックスのキャンプ地を訪れた姿をワイドショーが追いかけていた頃、女性レポーターたちの視線は、かなり冷ややかだったように思う。まもなく結婚が決まるが、谷のデザインした婚約指輪の独特なセンス、金メダルにちなんで結婚式の打掛を金色にするなどの“小ネタ”が、ネット上でもイタいと嘲笑の的となり、好感度はじりじり下がっていった。そして、とうとう2010年版「週刊文春」(文藝春秋)調査のアンケート企画「女が嫌いな女」では、1位に輝いてしまったのだ。

 私は谷が“イタい”と言いたいのではない。勝手にテレビに引っ張り出し、勝手に「かわいい」と持ち上げ、本人がそれを受け入れると、「いい気になるんじゃねーぞ!」と引きずり下ろす。それが、テレビにおける女性アスリートの宿命なのである。谷はメンタルが強いのでけろっとしていたが、吉田にそこを耐える気力があるのか疑問に思うのだ。

 オリンピック出身のアスリートといえば、フィギュアスケートの安藤美姫も、マスコミ好きする「かわいい」枠だ。世界選手権で、金メダルを獲得するまでの選手に成長した安藤は、未婚のまま出産。記者会見で、「プライバシーを守りたい」と父親の名前を明かさない意思を表明したが、スペイン人のスケート選手ハビエル・フェルナンデスとの交際を始め、親密な画像を頻繁にアップするようになる。しかし、そのフェルナンデスとも、昨年から破局説がささやかれている状況だ。2月18日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、破局説について聞かれた安藤は、「本当にしつこい」とキレて見せた。そりゃ、あれだけ交際をアピールしていたのに、突然フェルナンデスが登場しなくなったら、みんなそう思うよと言いたいところだが、安藤にとってプライバシーとは「私的なこと」ではなく「知られたくないこと」を指すようなので仕方がない。

 オリンピック選手と芸能界には、大きな違いがある。オリンピック選手は、ベストを尽くして戦い、視聴者はテレビを通じて応援するという意味で、“アスリートは視聴者より立場が上”。しかし、テレビの世界において、演者は好感度や視聴率を稼がなくてはならないので、“芸能人は視聴者より立場が下”なのである。安藤のように、このルールがわからない人は、テレビの世界では「使いづらい」「面倒くさい」といわれてしまうのではないだろうか。

 オリンピックには魔物が住むといわれるが、テレビの世界も魑魅魍魎。女性アスリートの皆さんは、ほどほどにして撤退された方がいいのでは? と思わずにいられない。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

宮迫博之は、なぜ吉本興業・大崎会長を不快にさせたのか? 今田耕司に見習うべき「世渡り術」

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「常にどっかから見張ってる、一人とは思えない」今田耕司
『伯山カレンの反省だ!!』(テレビ朝日系、2月20日)

 「芸能人が事務所を独立すると干される」という話を聞いたことがある人は、多いのではないか。

 実際のところ、どうなのかはわからないが、ある程度の苦労は覚悟しなければならないようだ。例えば、宝塚歌劇団を首席で卒業し、業界最大手の渡辺プロダクションに所属していた小柳ルミ子。『NHK紅白歌合戦』に18年連続で出場するほどの人気者だったが、独立後、その姿をテレビで見ることがなくなった。

 久しぶりのテレビ出演は『セイシュンの食卓』(テレビ朝日系)で、ルミ子は当時の夫で13歳年下のダンサー・大澄賢也と踊りながら料理をしていた。大物歌手をちょっとバカにしたような企画だと私は感じたが、同番組のゲストいわく、ルミ子はテレビ局から実家に電話をかけ、「お母さん、テレビに出られるよ」と報告していたとのこと。「あの小柳ルミ子が、テレビに出るくらいで電話をするなんて」と驚いたそうだが、それだけ当時のルミ子は仕事を干され、追い詰められていたのだろう。

 もっとも事務所の立場になって考えてみれば、新人の頃から、場合によっては衣食住の世話までしてきたタレントに、やっと売れて利益が出る頃に独立されたら、たまったものではない。スターが移籍したら、古巣と新しい事務所間の関係も悪化する。となると「事務所から抜けたら、干す」と暗に規則化することは、芸能界全体の“平和”を保つためには、有効な策なのかもしれない。テレビ局も事務所同士のいざこざに巻き込まれたくないだろうから、ルールがあるほうがありがたい面もあっただろう。

 しかし、2019年に公正取引委員会が、芸能人の活動にも独占禁止法を適用すると発表したことで流れが変わる。また、最近は企業の広告費に関して、ネットがテレビを逆転するなど、テレビがメディアの王様とはいえなくなっている。テレビに出るためには、事務所に所属していたほうがいいだろうが、すでに知名度があったり、テレビに出ることに固執しない芸能人であれば、事務所を辞めたり、事務所に所属しない決断をしてもおかしくないだろう。

 その一方で、雨上がり決死隊・宮迫博之のように、ネットの世界からテレビの世界に戻りたがっている人も存在する。

 反社会的勢力の忘年会に出演したことがきっかけで、吉本興業から契約解除となった宮迫。当初は、宴会先が反社会的勢力とは知らなかった、報酬ももらっていないと主張していたが、確かに相手については知らなかったものの、ギャラは受け取っていたそうだ。

 2019年6月30日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、ダウンタウン・松本人志は宮迫と直接電話で話したことを告白。「『それ(ノーギャラであるという宮迫の主張)は無理やで。世間は誰も信じない。そこでウソをついたら、何もかもウソやと思われる』と言いました」「俺はあいつのことを思って、結構電話でも説得したというか、だいぶ言ったんですけど、わかってもらえなかったのでさみしい」と発言しており、これは宮迫に対する決別宣言といっていいのではないだろうか。

 こうして、吉本を解雇された宮迫はYouTubeを始め、それなりに成功しているが、テレビの世界に戻りたい気持ちは変わらないようだ。2月10日に配信された、宮迫のYouTube動画には、島田紳助さんが電話出演。宮迫が「吉本に戻りたい」と訴えると、引退した今でも吉本興業の大崎洋会長とゴルフをする仲だという紳助さんは「会社と話をするなら、俺が間に入るしな」と仲介を申し出た。

 しかし、実際はそう簡単な問題ではないらしい。「フライデー」(講談社)が大崎氏を直撃したところ、「いや、もう戻らんでええと思うで」「辞めてまで吉本のことをネタにすんなよって」と不快感をあらわにした。一般人でも会社を辞めるときに「言えないこと」はたくさんある。このあたりのことは当事者でなければわからないが、一つ言えるのは、宮迫は大崎氏という人を理解していなかったのではないか。

 大崎氏について、2月20日放送の『伯山カレンの反省だ!!』(テレビ朝日系)に出演した今田耕司が、こんな話をしていた。

 司会の神田伯山が、「昔のダウンタウンさんや今田さんは怖かった」という話をすると、今田は「特殊な時代のせい」とし、今では優しい大崎氏も、かつては怖かったエピソードを明かす。

 ダウンタウンが出演する心斎橋筋2丁目劇場での生番組の前説と後説をしていた今田と東野幸治。番組が終わった後に「じゃんけんに勝った人に、ダウンタウンさんのサインが入った台本をプレゼント」という企画をやっていたそうだが、これは番組を終えてスタジオから出るダウンタウンを観覧客が追いかけないよう、スタジオ内に足止めするための時間稼ぎだったそうだ。早くスタジオを出たい観覧客は、全然ノってこない。なので、東野が手を抜いてやっていたところ、当時、劇場支配人だった大崎氏が、舞台の袖から東野を手招きする。東野が舞台の袖にひっこんだところ、大崎氏が東野の腹に蹴りを入れる姿を、今田は目撃したという。

 そんな大崎氏を、今田は「激高する」「常にどっかから見張っている、一人とは思えないくらい」と証言していた。これらのエピソードから推測すると、大崎氏は気配りが細かく、カンが良いゆえに仕事ができるものの、キレたら手が付けられない性格ということだろう。こういう人は一度怒らせると面倒なことは想像に難くない。

 怒りの熱が冷めにくいタイプの人に、大崎氏が無下にできない、紳助さんのようなビッグネームを使って外堀を埋めるような行動を取ると、宮迫に対する印象はますます悪くなり、復帰も遠のくのではないか。

 世渡りがうまい人の条件として、「人を怒らせるけれど、許されるのがうまい人」と「人を怒らせないのがうまい人」が挙げられると、私は思っている。前者は頻繁に問題を起こすが、かわいげがあるので「悪気はないんだよね」となぜか許されてしまうタイプ、後者は「絶対に怒らせてはいけない人を知っているタイプ」なので、厄介ごとには最初から巻き込まれない。今田は後者のタイプなのではないか。

 同番組内で、今田は鬼越トマホークに「お前、永遠に二番だぞ」と言われたことがあると明かしていたが、野球チームが4番打者だけでは成り立たないのと同じで、誰もが一番手になる必要はないだろう。「〇番手」であるかにこだわるより、「〇番手のトップ」になったほうが、芸能人生命は長くなるのではないだろうか。大崎氏とダウンタウンは盟友関係といわれ、ダウンタウンは吉本興業の「一番手」格に当たるが、今田は「二番手のトップ」として、間近でダウンタウン、そして大崎氏を見ていたからこそ、芸でも身の振り方もやっていいこと、悪いことを見極められたのかもしれない。

 今田にはこんなエピソードもある。番組名は失念したが、今田は関西ローカルの番組で、「いろいろな番組に出たいから、あえてギャラを上げない」主義であると話していたことがある。ある意味、「自分で自分を安売り」していたわけだが、今田の作戦は吉と出る。リーマンショックの際の不景気で、ギャラの高い司会者は続々とリストラの対象になったが、「あえて安売り」していた今田はその対象にならず、仕事が減らなかったそうだ。

 「自分は一番手の人間だ」という自負のある人や、「人にどう思われてもかまわない」という覚悟があるのなら話は別だが、そこまでの主義はなく、組織に属していたいのなら、あえて一歩引いて物を見るというのも重要だろう。今田風の「二番手力」は、吉本に戻りたいという宮迫、そして一般人にとっても、お手本になるのかもしれない。

弘中綾香アナは「義理チョコ廃止」実現できない!? 敬意を払われたい男の存在と、女子アナという仕事

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「一体誰が得をするんだろう」テレビ朝日・弘中綾香アナウンサー
ニュースサイト「HUFFPOST」2月14日

 「謎のバレンタイン」を経験したことがある。

 今から10年以上前、私はハケン社員として某企業で働いていた。正社員の女性たちが、男性社員に渡すバレンタインの義理チョコの話をしていたので、ハケン仲間にどうしているのか聞いたところ「ハケンで渡している人は聞いたことがない」と言っていたため、私も何もしなかった。

 するとバレンタイン当日、昼休み近くに課長に呼ばれ、「オレがお金を出すから、チョコレート買って上司にあげてほしい」と言われてしまった。言っておくが、私は男性に人気があるタイプでは決してなく、さらにハケンだ。私からチョコをもらっても意味がなかろうと思いつつ、昼休みに近所のデパートまで走った覚えがある。もちろん、課長にお金をもらうのは憚られたので、自腹だった。

 そんな経験をしたことすら忘れていたが、2月14日配信のニュースサイト「HUFFPOST」の記事「弘中綾香アナがバレンタインデーに長年抱く疑問を明かす。『義理チョコは廃止でいい』」を読んで、「謎のバレンタイン」の謎が解けた気がした。

 何年か前のバレンタインに、老舗チョコレートメーカーのGODIVAが、「義理チョコをやめよう」と提案して話題を呼んだが、テレビ朝日・弘中綾香アナも、義理チョコは半ば義務として風習化していることに疑問を抱いているという。かつて弘中アナは『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演していた際、スタッフ100人以上に義理チョコを配ったという。費用は自腹だろうから、いくら高収入の女子アナといっても痛手だろうし、弘中アナいわく「経験として義理チョコを貰った方のリアクションを見てもそこまで喜んでない人もいれば、お返しがないケースも実際多いんですよ。それを見ていると、この行為は『一体誰が得をするんだろう』って思ってしまうので、義理チョコは個人的に廃止でいいと思っています」。

 それでは、弘中アナが義理チョコを配っていないかというと、そうではないらしい。周りが配っているので、つい自分も合わせてしまっているという。

 「夢は革命家」を公言し、歯に衣着せぬ発言が人気の弘中アナでさえ、「たかが義理チョコ」をやめられない。おかしいと思う人もいるだろうが、女子アナとスタッフというのは、なかなか難しい関係性なのかもしれない。

◎「スタッフに嫌われない」は女子アナのお仕事?

 番組名は失念したが、カトパンこと元フジテレビ・加藤綾子アナの全盛期に、後輩の女子アナが“加藤の仕事術のすごさ”を検証する番組を見たことがある。ポジションの高くない男性スタッフからデートに誘われたカトパンは、どう対応するかを隠し撮りするという内容だった。スタッフはしつこく迫るが、カトパンは連絡先を教えないし、デートにも応じない。常に笑顔で「携帯が手元にないから、スケジュールがわからない」と優しく断っていた。その理由を、カトパンは「男性のプライドを傷つけないため」と説明し、後輩もその対応を絶賛していた。

 テレビの世界におけるスタッフと女子アナの原則的な上下関係というものが私にはわからないが、「スタッフに嫌われない対応」はカトパンの個人的な仕事術というより「女子アナとしてのお仕事」という側面もあるのではないだろうか。

 アナウンサーとランキングといえば、毎年12月のオリコン社主催「好きなアナウンサーランキング」が有名だが、「フラッシュ」(光文社)は「業界人が選ぶ『好きな女子アナ・嫌いな女子アナ』」という企画をちょくちょく行っている。これはスタッフなどの“身内”が選ぶランキングで、女子アナはスタッフにもある程度サービスして好かれておかないと「性格が悪い」と、こうした企画にタレこまれないとも限らない。特に注意すべきは、カトパンのように人気女子アナではないだろうか。視聴者からの人気が高くても、スタッフから支持されなければ「裏表がある」といわれかねないからだ。

 弘中アナも、オリコン社主催の「第17回 好きな女性アナウンサーランキング」で前年に引き続いて、2年連続首位を獲得した人気アナである。カトパンと同じく、スタッフにも気を配らないといけない立場だろう。ほかの女子アナが義理チョコを配っているとして、弘中アナだけそれをしなかったら「スタッフを軽んじている」と言われかねない。そう考えたら、費用負担が大きくても、たいして喜ばれなくても、お返しがなくても、義理チョコをやらないわけにいかないのではないか。

◎義理チョコで「敬意を払われている証拠」が欲しい男たち

 スタッフとチョコレートといえば、こんなこともあった。2月14日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、義理チョコ文化の衰退が取り上げられた際、MCの東野幸治が、久代萌美アナウンサーに、誰にチョコレートをあげたのか尋ねていた。久代アナは「(東野と松本人志の)お二人にしかあげていない」と答えると、松本は「スタッフとかに渡さないの?」と驚いたようで、東野に至っては「だから、スタッフにあんまり評判よくないんですよ」とまぜっ返していた。

 チョコレートくらいで評判が変わるとはとても思えないものの、テレビに出ている人を中心に「義理チョコをもらうことを、敬意を払われているかのバロメーター」と解釈する男性もいるのではないだろうか。

 いきなり話をスケールダウンさせて恐縮だが、私がハケンとして働いていた時の上司がチョコレートを欲しがったのも、チョコレートそのものが欲しかったというわけではなく、敬意を払われている証拠が欲しかったのかもしれない。これは女子アナのように男性人気が大事な職種や、大物男性タレントのアシスタントをする……もっというと「仕える」ことが多い職種で、特に起きがちな現象なのではないだろうか。義理チョコを「一体誰が得をするんだろう」と発言していた弘中アナだが、こうやって考えてみると「軽く見られたくない、損をしたくない男性」には意味のある行事なのかもしれない。

 「革命家」になり、アナウンサーのイメージを変えることが夢だという弘中アナだが、真の革命家、キューバ社会主義革命の父、フィデル・カストロは革命を成し遂げるため、メリットがあれば本来なら敵のはずの資本家とも積極的に手を結んだという。新しいことをやりたくても、世の中というのは、なかなか理屈通りに動かないのも事実。どうか弘中アナも清濁併せ吞みながら、革命のために頑張っていただきたい。

古舘伊知郎に見る“女性差別”的思考……小川彩佳アナへの「自我が強すぎる」発言が意味するモノ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「悪く言うと自我が強すぎる」古舘伊知郎
YouTubeチャンネル「古舘Ch」(2月8日)

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」と発言し、波紋を広げている。一応謝罪はしたものの、逆ギレのような印象を与える対応に、ネット上では辞任を求める声が上がった。都庁には抗議が殺到、オリンピックボランティアの辞退が続出し、各国の駐日大使館が抗議のTwitterデモを始めた。

 これだけ「差別を許してはならない」という動きが高まっているのに、肝心の国際オリンピック委員会は「絶対的に不適切」としただけで、森氏の処遇検討を求めず、経団連の中西宏明会長に至っては「まぁ、こういうのをわっと取り上げるSNSってのは恐ろしいですよね。炎上しますから」と、SNSが害悪であるかのような頓珍漢な発言をしている。経済界の元締めである経団連会長がこんなことを言っているくらいだから、オリンピックのオフィシャルスポンサーである企業から、森氏の責任を問う声が上がることはないだろう。

 今回の森発言のように問題視されることはないものの、女性差別だなと思わされるのが、有名人の不倫に対しての記事やコメントである。

 例えば、『NEWS23』(TBS系)のメインキャスターを務める小川彩佳アナの夫で、資産16億ともいわれる医療ベンチャー会社社長(当時)T氏が不倫をしていたことを「週刊文春」(文藝春秋)が報じた。小川アナは出産後3カ月でのスピード復帰。赤ちゃんを抱えての仕事復帰は想像を絶する大変さだろうが、夫はその間、妻を助けるどころか、緊急事態宣言中に不倫をしていたわけだ。「文春」によれば、不倫相手の女性の住居費まで負担していたという。

 当然、T氏は批判にさらされたが、夫が不倫を働いたとき、「妻に落ち度がある」と言う人が必ずいる。例えば、ニュースサイト「日刊DIGITAL」が、2月6日に「小川彩佳に屈辱の“サレ妻”レッテル…夫の初動ミスが致命傷」と報じている。記事では、家族問題評論家の池内ひろ美氏は「夜に妻がいないというのは(不倫の)リスクになる」とコメント。これを「妻が家にいないから、夫に不倫をする隙を与えた」と解釈していいかどうかは判断が分かれるところだが、池内氏は、午後11時のニュース番組に出演する男性キャスターの妻が不倫をしても「夫が家にいないというのはリスクになる」と言えるのだろうか。

 相手を励まそうとして、かえって余計なことを言ってしまうのは、一般社会でもよくあることだが、小川アナの古巣・テレビ朝日の先輩であり、『報道ステーション』でタッグを組んだ古舘伊知郎も同じ轍を踏んでしまったようだ。

 古舘は2月8日、自身のYouTubeチャンネル「古舘Ch」で、夫の不倫騒動の渦中にいる小川アナについて言及。「絶対傷ついてるよな」「電話しようと思ったんだよ、旦那が不倫と出たときに。でもね、一番つらいと傷ついているときに励まそうと思ったって逆効果だから、失礼になるからやめたんだ」と自重したと話していた。ここで終わればいいのに「小川はね、悪く言うと自我が強すぎる。よく言うと向こうっ気が強い」「絶対、頑張ってやろうという気持ちがあるから、月〜金(のニュース番組のメインキャスター)を引き受けたんだって思うよ」と話していたが、“月〜金を引き受けたから何なのか”のオチはないままに終わった。

 今はなき『快傑えみちゃんねる』(関西テレビ)で、司会の上沼恵美子が「芸能人にオトコもオンナもない。売れたもん勝ち」という意味の発言をしていたことがあるが、それはニュースキャスターとて一緒ではないだろうか。男女関係なく、メインキャスターをやってみたいと思うし、一度引き受けたからには、そう簡単に手放したくないと思うのが人情だ。けれど、女性が仕事を続けようとすると「自我が強すぎる」「向こうっ気が強い」と言われてしまう。

 古舘は「小川アナは向こうっ気が強いから、月〜金のニュース番組のメインキャスターという重労働を引き受けたが、結婚して幼子を抱える身には無理だった(そのひずみが、夫の不倫という形で露呈した)」と言いたかったのかもしれない。常識的にいえばそうかもしれないが、T氏はかなりの資産家なわけだから、その気になれば家事や育児を外注することができるはずだ。報道の現場の過酷さを知っていて、小川アナの味方を名乗るなら、そのあたりのことを夫に対して一言言うべきではなかったのか。

 「報道と女性」といえば、古舘は『おしゃべりオジサンとヤバイ女たち』(テレビ東京系)で、こんな話をしていたことがある。後輩の女性との飲み会で「どんな仕事をしたいの?」と聞くと、だいたい「報道です」と答える。「頑張りなよ」で終わらせればいいのに、古舘は「報道ねぇ……」と漏らしてしまい、女性に「いけませんか?」と言われることもあるのだという。たまたま相手の女性に報道の適性を感じなかったり、ほかのジャンルが向いていると思ったのかもしれないが、面接でもないのに相手をジャッジする感じ、悪い意味での“オジサン”に思えてならない。

 森発言のような“ザ・男尊女卑”は少なくなってきているが、古舘のように「同情してるフリをして、実は女性を下に見ている、仕事から排除する」ような発言は、ちまたにあふれているのではないだろうか。

 そういえば、古舘の子息・古舘佑太郎は俳優として活動している。古舘の評判が下がれば、「あの男尊女卑オジサンの子ども」と変な色眼鏡で見られないとも限らない。最愛の子息のためにも、現代感覚を学んでいただきたいものだ。

IMALUの彼氏、「明石家さんまをあまり知らない」のは本当か? 仕事も恋愛もやりづらい、二世タレントのサガ

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<今回の有名人>
「彼は、テレビのことをまったく知らない」IMALU
『中井大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん』(TBS系、1月28日)

 有名人の子どもに生まれれば、人生イージーモード。若い時は特にそう思いがちな気がするが、本当なのだろうか。

 2月2日、ニュースサイト「週刊女性PRIME」が「Koki,と工藤静香、仲よし親子が“進路をめぐって激突”していた!」と報じた。シャネルのビューティーアンバサダーを務めていたKoki,だが、昨年、降板になったそうだ。しかし、ある広告代理店関係者は「降板ではなく契約満了」「次のアンバサダーも決まっている」と話しているという。

 そんな中、Koki,やCocomiの売り出しに余念がない母・工藤静香は、娘に大学進学を望んだものの、Koki,が高校卒業後はモデル活動に専念したいというため、進路をめぐって揉めることもあると同誌は報じている。

 降板か契約満了かは当事者でないとわからないことなのでアレだが、「ELLE JAPON」(ハースト婦人画報社)でいきなり表紙モデルを飾るという鮮烈なデビューを果たしたにもかかわらず、Koki,はキムタクと静香という14光を持っている割に、伸び悩んでいるといえるのではないだろうか。

 Koki,は今年18歳。母親である静香は、同じ年齢の時に「MUGO・ん…色っぽい」で、『ザ・ベストテン』(TBS系)の1位を獲得している。モデルと歌手を比べることはできないが、頂点を取ったお母さんと比べて、どこか見劣りする感は否めない。お母さんを凌ぐ方法はただ一つ、自分がその世界で天下を取るしかない。世間にも認めてもらえる方法が、たった一つしかないというのは、私には酷な運命を背負って生まれてきたとしか思えないのだ。

 そんなKoki,の悩みを一番理解できるのは、この人かもしれない。明石家さんまを父に、大竹しのぶを母に持つIMALUだ。2016年に『しくじりセンセイ 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に出演したIMALUは、デビュー直後から親のビッグネームの恩恵を受けて、ファッションモデル、連続ドラマ、製菓会社のCM、人気トークバラエティーのアシスタントなど、ビッグな仕事のオファーが舞い込んだ。しかし、結果が出せなかったために、それらを維持できなかったと話していた。はっきりと口にしてはいなかったが、IMALUは挫折感を味わったのではないだろうか。

◎「さんまとしのぶの娘」であることは恋愛にも影響?

 親の立ち位置というのは、恋愛にも影響が及ぶものかもしれない。16年に『幸せ追求バラエティ金曜日の聞きたい女たち』(フジテレビ系)に出演した際、IMALUは元カレを嫌いになったきっかけを、こんなふうに話していた。

 当時デート中、彼氏の上司と遭遇した。彼が頭を下げながら、仕事の話を始めたのを見て「超ペコペコしてんじゃん」と冷めてしまったのだという。さんまやしのぶが、仕事先の人に頭を下げる姿を見たことがなかったのかもしれないが、会社員なら上司や取引先に頭を下げるのは当たり前。それを見て「超ぺこぺこしている」と幻滅するのなら、会社員とは交際も結婚もできないだろう。となると、IMALUの相手は、頭を下げる必要のない、ごく一部の売れている芸能人やスポーツ選手など、職種が限定されてしまう。

 さらに、父親であるさんまもネックだ。さんまはその昔、「IMALUに彼氏はつくらせない、結婚式にもいかない、孫ができたらあきらめる」とバラエティー番組で繰り返し話していた。IMALUが若い時の話だし、冗談だとは思うが、IMALUにアプローチすることは相当の覚悟が必要と推測される。IMALUは「大物の娘ゆえに」恋愛しにくい環境に置かれていたといえるだろう。

 しかし、IMARUは恋をしていたようだ。

 1月28日放送の『中居大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん』(TBS系)に出演したIMALUによると、交際中の男性は外国人とのミックスで、映画やCMの音楽製作をしている。「仕事につながるかもしれないから」という理由で友人が紹介してくれたが、男性の見た目がIMARUの好みだったことと、また高級店で食事をしたのにもかかわらず、彼がTシャツに短パンという軽装で来たことが、IMALUの心をとらえたらしい。

 交際は3年目に突入し、さんま、しのぶ、彼氏とIMALUの4人で、合同誕生日会を行ったという。彼女の両親に挨拶をするというのは、男性にとって荷が重いと一般的にいわれるが、ましてやIMALUの親はさんまとしのぶである。さぞ、男性は緊張したと思われたものの、IMARUいわく、「彼は海外に住んでいたので、テレビのことをまったく知らない」「私のことはもちろん、母親のことも知らない、父親はなんとなく見たことあるかなレベル」なので、特に緊張していなかったようで、「すごくラク」と話していた。

◎IMALUの彼氏に感じる「野心」

 確かめる術もないのにこんな言い方をしてなんだが、ウソじゃないかと私は思っている。「海外に住んでいた」といっても、「日本に住んだことがない」わけではない。長い間、ずーっとテレビに出ているさんまを、見ないようにするほうが難しいのではないだろうか。また、仕事の相手としてIMALUを紹介されたのなら、会う前に相手のことをリサーチするのはある意味当たり前で、本当にIMALUを知らなかったにしても、彼女やその両親がビッグネームであることに、すぐ気づくはずと思うのだ。

 しかし、そんなことはどうでもよい。IMALUが「大物の娘と知らないで、自分を愛してくれる」と心から信じられていられるのなら、それが一番だ。

 故やしきたかじんさんの夫人や、ロンドンブーツ1号2号・田村淳の夫人など、芸能人と結婚する一般人が、「相手が有名人だと知らなかった」と言うケースは多い。本当に知らないのか、作戦なのかはわからないものの、たかじん夫人は悪妻呼ばわりされ、淳夫人は、かゆいところに手が届く「プロ彼女」としてあがめられた。さて、IMALUの彼氏はどちらのパターンなのか。

 1月30日放送の『ヤングタウン土曜日』(MBSラジオ)で、さんまはIMALUの彼氏に会ったことを認めた。さんまによると、家族で写真を撮ることになり、IMALUの彼が入ろうとしてきたので、「お前、まだ家族ちゃうし」とツッコんだそうだ(実際は、彼も交えて全員で写真を撮った)。さんまが笑わせようとして披露したエピソードだろうが、IMALUの彼氏のハートの強さ、もしくは野心を感じるのは私だけだろうか。

 それはさておき、親が偉大すぎると、恋愛にも制限がかかってしまうとは、二世とはなかなか生きづらい。ぜひIMARUにはいい恋愛をして、「二世タレントの星」になってほしいものだ。

ゆきぽよ、詐欺逮捕の知人男性になぜ合いカギ渡した? 芸能人は「近い人こそ要注意」と思うワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「地元の先輩もかなりよくしてくれて」ゆきぽよ
『サンデー・ジャポン』(TBS系、1月24日)

 芸能人のいちジャンルとして、ギャルタレントは定着したといえるのではないだろうか。ギャル枠はあっても、ギャル男枠がないのがミソだと私は思っている。若くて派手めで、知識量は少ない。けれど、理解力があって、打てば響く。言葉づかいが多少おかしいところがあっても、男を立てる気配りが行き届いている……ギャルタレントのそんな特徴が「女性には自分より下であってほしい」と願うタイプの男性を喜ばせるのではないだろうか。ギャルタレントにありがちな「元カレが少年院」というのも、「元カレがIT長者」というより座りがよいだろう。

 しかし、それは過去のことだから笑えるのであって、現在進行形で、彼氏や親しい人が警察のお世話になってしまうと、話は変わってくるだろう。

 1月28日号の「週刊文春」(文藝春秋)が、2019年にゆきぽよに交際を迫っていた4歳年上の知人男性が、ゆきぽよ宅のキッチンの前で泡を吹いて倒れていたと報じた。ゆきぽよは119番通報し、男性は病院に搬送。コカインの薬物反応があったことから、ゆきぽよ宅も家宅捜索されたが、違法なものはなく、彼女は尿検査でも陰性だった。しかし法的に問題はなくても、違法薬物を使うような男性と親しくしていることがわかれば、イメージの低下は免れないだろう。

 記者会見の代わりだろうか、1月24日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)に出演したゆきぽよは、髪を落ち着いた色にし、黒い服を着て謝罪した。コカインを使用した男性は、ネットでは18年に詐欺容疑で逮捕されたといわれていたが、ゆきぽよはそれを認めた。イメージ商売であるにもかかわらず、過去に事件を起こしていた男性との交友関係を絶たなかった理由について、ゆきぽよは「しつこく付きまとわれていていたので、それで切りづらかった」「その男性を紹介してくれた先輩、地元の先輩もかなり良くしてくれて、かわいがってくれていたので、『コイツと関われないから切るわ』って言えなかった」と恐怖と義理人情のために、つい交友関係を続けてしまったと説明した。

 交際するつもりのない男性を家に入れるというのは、あまり一般的ではない判断だと思う。『バイキングMORE』(フジテレビ系)に出演したタレント・アンミカも「情の厚いヤンキーキャラだとしても、お付き合いをお断りしている人に合いカギを渡して、家に残していくっていう行動と発言のギャップの違和感は拭えない」と、ゆきぽよの不注意さを指摘した。そう考えると、これでも運がよかったほうなのかもしれない。相手の男性が、ゆきぽよの家に偶然もしくは故意に違法薬物を落としていったりしたら、大変なことになっただろう。

◎飯島愛さんのことを思い出すワケ

 しつこく付きまとわれていたとしても、先輩の紹介でも、断りたければ断れるはずだし、今の芸能界で、反社会的なイメージを与える男性と親しくすることがどんなに危険なことか、ゆきぽよはわからないわけではないと思う。だからこそ、何かふかーいワケがあるのではないかと邪推してしまうのだ。

 08年に亡くなったタレントの飯島愛さんをご記憶だろうか。飯島さんはAV女優を経て、タレントに転向した。深夜番組のお色気要員のような時期もあったが、頭の回転の速さと飲み込みの良さを島田紳助さんらに認められ、トーク番組に欠かせない人気タレントに成長。しかし、理由がはっきりしないまま、飯島さんは芸能界を引退。自宅マンションで亡くなっているのが発見された。

 飯島さんの生前に出版された、彼女の親友を自称する女性が書いた本を読んだことがある。それによると、飯島さんは芸能界入りする前の知り合いから、しつこくゆすられたり、カネを貸せと迫られていたという。

 飯島さんが芸能界入りしてからも交際は続いていたということは、親友の女性は、飯島さんにとって心許せる存在だったのだろう。知られざる飯島さんの一面や友情秘話が語られるかと思ったが、そればかりではなかった。これは私の主観でしかないが、親友は飯島さんを妹のように慈しみながらも、多少は嫉妬しているように感じられた。自分の近しい人の成功だからこそ、まばゆすぎる。傷や恥を含めたプライバシーを分かち合っているだけに、余計に「友達はうまくやった」と感じられて、その成功がよけいに妬ましく感じる。それも友情の一側面ではないかと思う。

 また先日、脱税に関する本を読んでいたところ、税務署に「あの人は脱税をしている」とタレコミの電話をかけてくるのは身内が多いと書かれていた。遺産相続で不平等があって不満を持ったりすることがきっかけになるらしい。この傾向は外国でも同じようで、東ドイツの秘密警察シュタージへの密告は身内によるものが一番多かったそうだ。

 ゆきぽよは大丈夫だと思うが、このように「近い人にこそ要注意」というのは大いなる真実ではないだろうか。今はスマホの普及で、無駄に写真を撮る時代だから、イメージ低下につながるような画像が出回る可能性は高い。そこでウソをついたり、相手を丸め込もうとすると話はややこしくなる。そんなときはまず専門家に相談! というのが、私の老婆心だ。

ゆきぽよ、詐欺逮捕の知人男性になぜ合いカギ渡した? 芸能人は「近い人こそ要注意」と思うワケ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「地元の先輩もかなりよくしてくれて」ゆきぽよ
『サンデー・ジャポン』(TBS系、1月24日)

 芸能人のいちジャンルとして、ギャルタレントは定着したといえるのではないだろうか。ギャル枠はあっても、ギャル男枠がないのがミソだと私は思っている。若くて派手めで、知識量は少ない。けれど、理解力があって、打てば響く。言葉づかいが多少おかしいところがあっても、男を立てる気配りが行き届いている……ギャルタレントのそんな特徴が「女性には自分より下であってほしい」と願うタイプの男性を喜ばせるのではないだろうか。ギャルタレントにありがちな「元カレが少年院」というのも、「元カレがIT長者」というより座りがよいだろう。

 しかし、それは過去のことだから笑えるのであって、現在進行形で、彼氏や親しい人が警察のお世話になってしまうと、話は変わってくるだろう。

 1月28日号の「週刊文春」(文藝春秋)が、2019年にゆきぽよに交際を迫っていた4歳年上の知人男性が、ゆきぽよ宅のキッチンの前で泡を吹いて倒れていたと報じた。ゆきぽよは119番通報し、男性は病院に搬送。コカインの薬物反応があったことから、ゆきぽよ宅も家宅捜索されたが、違法なものはなく、彼女は尿検査でも陰性だった。しかし法的に問題はなくても、違法薬物を使うような男性と親しくしていることがわかれば、イメージの低下は免れないだろう。

 記者会見の代わりだろうか、1月24日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)に出演したゆきぽよは、髪を落ち着いた色にし、黒い服を着て謝罪した。コカインを使用した男性は、ネットでは18年に詐欺容疑で逮捕されたといわれていたが、ゆきぽよはそれを認めた。イメージ商売であるにもかかわらず、過去に事件を起こしていた男性との交友関係を絶たなかった理由について、ゆきぽよは「しつこく付きまとわれていていたので、それで切りづらかった」「その男性を紹介してくれた先輩、地元の先輩もかなり良くしてくれて、かわいがってくれていたので、『コイツと関われないから切るわ』って言えなかった」と恐怖と義理人情のために、つい交友関係を続けてしまったと説明した。

 交際するつもりのない男性を家に入れるというのは、あまり一般的ではない判断だと思う。『バイキングMORE』(フジテレビ系)に出演したタレント・アンミカも「情の厚いヤンキーキャラだとしても、お付き合いをお断りしている人に合いカギを渡して、家に残していくっていう行動と発言のギャップの違和感は拭えない」と、ゆきぽよの不注意さを指摘した。そう考えると、これでも運がよかったほうなのかもしれない。相手の男性が、ゆきぽよの家に偶然もしくは故意に違法薬物を落としていったりしたら、大変なことになっただろう。

◎飯島愛さんのことを思い出すワケ

 しつこく付きまとわれていたとしても、先輩の紹介でも、断りたければ断れるはずだし、今の芸能界で、反社会的なイメージを与える男性と親しくすることがどんなに危険なことか、ゆきぽよはわからないわけではないと思う。だからこそ、何かふかーいワケがあるのではないかと邪推してしまうのだ。

 08年に亡くなったタレントの飯島愛さんをご記憶だろうか。飯島さんはAV女優を経て、タレントに転向した。深夜番組のお色気要員のような時期もあったが、頭の回転の速さと飲み込みの良さを島田紳助さんらに認められ、トーク番組に欠かせない人気タレントに成長。しかし、理由がはっきりしないまま、飯島さんは芸能界を引退。自宅マンションで亡くなっているのが発見された。

 飯島さんの生前に出版された、彼女の親友を自称する女性が書いた本を読んだことがある。それによると、飯島さんは芸能界入りする前の知り合いから、しつこくゆすられたり、カネを貸せと迫られていたという。

 飯島さんが芸能界入りしてからも交際は続いていたということは、親友の女性は、飯島さんにとって心許せる存在だったのだろう。知られざる飯島さんの一面や友情秘話が語られるかと思ったが、そればかりではなかった。これは私の主観でしかないが、親友は飯島さんを妹のように慈しみながらも、多少は嫉妬しているように感じられた。自分の近しい人の成功だからこそ、まばゆすぎる。傷や恥を含めたプライバシーを分かち合っているだけに、余計に「友達はうまくやった」と感じられて、その成功がよけいに妬ましく感じる。それも友情の一側面ではないかと思う。

 また先日、脱税に関する本を読んでいたところ、税務署に「あの人は脱税をしている」とタレコミの電話をかけてくるのは身内が多いと書かれていた。遺産相続で不平等があって不満を持ったりすることがきっかけになるらしい。この傾向は外国でも同じようで、東ドイツの秘密警察シュタージへの密告は身内によるものが一番多かったそうだ。

 ゆきぽよは大丈夫だと思うが、このように「近い人にこそ要注意」というのは大いなる真実ではないだろうか。今はスマホの普及で、無駄に写真を撮る時代だから、イメージ低下につながるような画像が出回る可能性は高い。そこでウソをついたり、相手を丸め込もうとすると話はややこしくなる。そんなときはまず専門家に相談! というのが、私の老婆心だ。