地元記者も大ブーイング! 京都アニメーション放火殺人事件でも”首相への忖度”が露呈か

 35人もの犠牲者を出したアニメ制作会社「京都アニメーション」の放火殺人事件は、7月18日の事件発生から1カ月あまりがすぎても、波紋は収まるところを知らない。

 実際、現場の献花台が取り払われた8月25日までの間、痛ましい現場となった京都市伏見区の同社第1スタジオ周辺を訪れるファンの行列は途絶えることがなかった。日本のみならず世界各地の「京アニ」ファンが哀悼の意をSNSなどを通じて発信を続けた。取材に当たった地元の民放記者が語る。

「現場を訪れた京アニのファンは口々に『元気をもらいましたから』と涙を隠そうとしませんでした。例えば、耳が聞こえず、いじめに遭った少女と加害者少年の不可思議な人間関係と人間再生のドラマを描いた京アニの映画『聲(こえ)の形』がその一例です。同じ体験を乗り越えたファンが駆けつけ、『勇気をもらった』と献花台に花を手向けている場面を目撃しました。ファンにとって、命を奪われた35人のアニメーターたちは、二度と会うことのできない、かけがえのない存在になったのでは」

 これほどの悲しみをもたらした事件でありながら、実は、35人の犠牲者の素顔のほとんどをマスコミがいまだに伝えていない。全国紙記者が言う。

「事件発生当初から、京都府警は35人の焼死者の名前を一切伏せてきたんです。15日後の8月2日になって、映画『涼宮ハルヒの消失』の武本康弘監督たち10人に限ってようやく氏名を公表したものの、この10人の遺族のほとんどを取材することはかないませんでした。府警があらかじめ『遺族の皆さまのプライバシーが侵害される恐れがあります』と説得した結果、遺族側は府警を通じて『取材拒否』の意向を示したからです」

 そして京都府警は、献花台が取り払われた2日後の8月27日、まるで世間の喧噪が鳴り止むのを待っていたかのように、残り25人の犠牲者の氏名を公表するに至った。

 25人の中には、人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」でキャラクターデザインを担当した寺脇(池田)晶子さんらが含まれていたことが明らかになり、京アニファンの新たな悲しみを誘う結果となっている。

 それにしても、先に公表された10人よりも1カ月近くも公表を遅らせたことに、京都府警記者クラブは「あまりにも理不尽。取材のチャンスをずっと奪われた」と怒り心頭だ。前出の所属記者が続ける。

「京都府警は全氏名の公表理由について『最後の葬儀を終えたから。事件の重大性や公益性に鑑み、実名を提供することとした。警察から公表したのではなく、従前通り、報道機関への情報提供だ』などと取って付けたような言い訳に終始している。公表できるのなら、一斉発表すればいい。時期が異なれば、伏せていた理由を逆に勘ぐられる結果を招くだけじゃないか」

 警察による氏名公表については説明が必要だろう。

 新聞社とテレビ局の記者が所属する警察記者クラブに対し、警察当局が容疑者と被害者の実名を公表するのが原則になっている。氏名を伏せると、憲法が保障する「知る権利」を侵害するからだ。

 いったん警察が情報を伏せてしまうと、犯罪の容疑者になった政治家のような権力者の存在は世間に知られず、悪事がはびこることになりかねない。また、被害者の場合、実際にはもっとひどい目に遭っているのに、警察当局の裁量でその存在が公にならないようでは、被害はヤミに葬られ、本当の犯罪被害から救済される手だてを失いことすらあるだろう。

 例外として、性犯罪の被害者や精神疾患などの理由から氏名を伏せるケースがある。大手紙の社会部デスクが解説する。

「2016年に神奈川県相模原市の知的障害者施設『津久井やまゆり園』で入所者19人が殺害されたときには、神奈川県警が遺族の希望を挙げ実名を伏せました。被害者やその家族が従来から差別の目に晒されていたからです。しかし、今回の京アニ放火事件の被害者を匿名にする特別な理由はなかった。だから、京アニ放火事件をめぐる京都府警の対応は水面下でマスコミの批判の的になっていました」

 ところがここにきて、ある裏事情が分かってきたという。京都府警関係者が打ち明ける。

「実は、京都府警が被害者全員の氏名を公表したところ、警察庁が『もう一度精査しろ』と待ったを掛けていたことが分かってきたんです。その結果、10人限定の実名公表となり、かつ、このうち9人が取材拒否となった。こうした事態は、京都府警の本意ではありませんでした」

 この京都府警関係者によると、裏事情はこうだ。

 放火事件の4日後、京都府警は被害者の氏名を公表しようとしたところ、京都アニメーションの社長側が「報道された場合、被害者や遺族のプライバシーが侵害され、遺族が甚大な被害を受ける可能性がある」と事実上の抗議文を出して実名の公表を控えるよう府警に”プレッシャー”をかけたというのだ。

 そこで府警は、遺族を説得して回って了解を取り付け、犠牲者全員の一斉公表を踏み切ろうとした。

「ところが、事前に報告を受けた警察庁が遺族への配慮を理由に、さらなる同意を得るように指示を出したんです。『葬儀が終わるまで公表しない』という、新たな基準も示され、府警は実名公表に向けて身動きが取れなくなってしまいました」(前出・京都府警関係者)

 では、警察庁がどうして京都府警の判断に任せず、介入に及んだのだろうか。答えはズバリ、”首相への忖度”だという。前出の社会部デスクの話。

「安倍晋三首相は放火事件当日、『多数の死傷者が出ており、あまりの凄惨(せいさん)さに言葉を失う。亡くなった方のご冥福をお祈りする。負傷した皆さんにお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い回復をお祈りしている』と異例の談話ツイートを発信しました。加えて、これまた異例なのですが、国家公安委員長に捜査指揮を行いました。すでに犯人は逮捕のメドが付いた段階ですから、捜査を指示する必要はないはず。実際は、捜査そのものの指示というよりも、『遺族を守れ』とけしかけたのです」

 その国家公安委員長の発言記録が残っている。放火事件発生の当夜、山本順三委員長は記者団のぶら下がり取材に応じ、こんな発言をしていた。

「(総理より)指示もございました。事件の全容解明に向け、警察において捜査を徹底するように、こういう指示でございます。被疑者の男は確保されたと承知をいたしております。しかしながら総理の御指示に基づき、被害関係者の支援にも努めるよう、私からも(警察庁に)指示をしたところでございます」

 要するに、安倍首相の意向を忖度した国家公安委員長から警察庁→京都府警へとトップダウン式の捜査指揮が行われ、結果として、被害者の素顔を伝えたいマスコミ報道をシャットアウトすることに成功したというのだ。前出の地元民放記者が言う。

「わたしたちは、感動を与え続けたアニメーターたちそれぞれの素顔を伝え、哀悼の意を捧げるファンの思いに報いたいという思いでした。ですから、京都府警記者クラブは迅速な実名公表を要求する一方で、遺族や被害者への過熱した取材を防ぐために話し合ったんです。個別の取材がスタートすると、同じ遺族を訪れる記者は数十以上になります。遺族感情を逆なでする”メディアスクラム”という状態を生みかねません。そこで、なるべく複数社でまとまって代表取材のようなスタイルをとることや、取材拒否の意向がはっきりしている遺族がいた場合は記者クラブで情報を共有し、訪問の繰り返しを避けることでも合意していたんです。そこまで丁寧に段取りをしたのに、東京にいる警察官僚の意向でわたしたちの取材する自由が奪われるなんて、あまりにも理不尽でした」

 痛ましい放火事件の影で、警察官僚による”首相への忖度”が働いているという驚きの事実。京アニを思い続けた純真なファンたちにとって、こんな忖度こそ、蹴散らしてしまいたいに違いない。

勾留中の米富豪の怪死で「プチエンジェル事件」に再注目!

 疑惑の富豪の“怪死”に、米メディアが騒然としている。その人物とは、今月10日に拘置所で首を吊って死亡しているのが発見されたジェフリー・エプスタイン氏。エプスタイン氏は先月6日、複数の未成年女性を人身売買や性的虐待の対象とした容疑でFBIとニューヨーク警察の合同捜査班に逮捕され、起訴後、勾留中だった。

「エプスタイン氏は、2002~05年にかけて、ニューヨークやフロリダなどに所有する豪邸で“マッサージ”と称し、複数の未成年女性に性的虐待を加えた疑いがもたれていました。1980年代から同種の犯行を繰り返していた疑いがあり、07年にも捜査対象となりましたが、この時はフロリダの地元警察と秘密裏に司法取引を行って重罰を免れていた。事件の悪質性もさることながら、彼の交友関係の中にトランプ大統領やクリントン元大統領、英国のアンドルー王子ら世界各国の要人が含まれていたことも話題となった。ネット上では、その死について『口封じのために暗殺された』などといった陰謀論が飛び交う事態になっています」(民放の外部記者)

 多くの少女が権力者の欲望のはけ口になっていたことが明らかになった今回の事件で思い出されるのが、かつて日本国内で起きたあの事件だ。

「03年7月に起きた、いわゆる『プチエンジェル事件』です。小学6年の少女4人が誘拐され、手錠と目隠しをされて東京・赤坂のマンションの一室に監禁された。少女の1人が隙を見て手錠を外して脱出したことから事件が発覚。犯人の男は警察の逮捕前に部屋で練炭自殺を図って死亡したため、事件の詳しい経緯は明らかにならなかった」(全国紙の社会部記者)

 自殺した男は無店舗型の非合法の未成年者デートクラブを経営しており、自宅アパートからは2,000名に及ぶ顧客リストが押収された。複数の顧客に児童買春疑惑が浮上したが、その後、関係者の検挙といった動きに発展することはなかった。

「顧客リストの中には有力政治家や財界人、司法関係者など複数の要人が含まれていたともいわれたが、その内容は一切表沙汰にはならなかった。このことから、犯人の男の死について、さまざまな臆測が飛び交った。事件を取材していたフリーライターがその後、殺害されたこともあって、ネットを中心に事件の背景をめぐって真偽不明の疑惑が取り沙汰された」(同)

 10年以上も前の事件が再び注目を集めたのは、先月26日のこと。宮城刑務所の刑務官を買収して便宜を図らせたとして、宮城県警が58歳の受刑者の男を贈賄容疑で逮捕した。

 男は実弟らと共謀して、刑務官に賄賂として現金138万円を贈り、その見返りとして、実弟が役員を務める会社の資料や、嗜好品の大福を不正に差し入れさせていたという。そして、逮捕された受刑者の男というのが、くだんのフリーライター殺害事件の実行犯、Sだったのだ。

「Sは懲役16年の刑期満了直前だったにもかかわらず、出所が延びるリスクを冒したこと不可解だし、会社資料と大福の見返りが138万円というのも不自然。内容については明らかにされていませんが、出所を待ってから確認すればよさそうなものです。こうした点から、『Sをまだ出所させたくない人物がハメたのでは?』などと見る向きもあります」(同)

 くしくもエプスタイン事件の捜査と歩調を合わせるように再浮上し始めたプチエンジェル事件。実は、両事件はつながっているのかも!?

 

日本の“こどおじ”による狂気の事件が乱発! 就職氷河期世代は日本の病巣なのか?

「8050問題」が、いま日本社会の至るところでじわじわと問題の病巣となっていることをご存知だろうか?

「8050問題」とは、親が80歳代でその子が50歳代という関係で、子どもが引きこもり状態にあり、親の生活支援に頼っている状況のこと。「子供部屋おじさん」通称“こどおじ”などともよばれ、6月に元農林水産省次官の熊沢英昭容疑者(76)が、息子の熊沢英一郎氏(享年44)を自宅で刺殺した事件でも脚光を浴びていた。

 親が高齢化し介護などの問題が発生する一方で、その親が亡くなれば、子どもが生活困窮に陥ったり、社会参加ができないなど複雑な問題を抱えている。

 この問題に対して厚生労働省が7月16日に、「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(地域共生社会推進検討会)」で、自治体が「断らない相談支援」を実施するなどの新たな方策を盛り込んだ中間報告書をまとめた。同省では、来年の通常国会に関連法案の提出を目指すという

「この報告書では、介護と子育てに同時に直面する『ダブルケア』など、社会福祉問題が複雑化している点も挙げられています。それというのもこれまでの行政対応では、ただでさえ役所に相談するのがやっかいな介護、生活保護、職業支援など各問題に対して、担当する窓口が違っていて、縦割り行政の中で相談者が“たらい回し”にされるケースが多く、十分な支援体制が実施されていなかったことが問題となってきましたよね。今回の報告でやっとお役所の縦割り仕事が正式な問題とされ、対応を進めていくことに本腰をいれることにしています」(取材した記者)

 今回の中間報告では、こうした複雑な問題に対して、断ることなく一括して相談に応じる「断らない相談支援」などを実現するため、市町村の縦割り対応の見直しなどを盛り込んだというわけだ。

 例えば福祉政策の新たなアプローチを実現するための包括的な支援体制は大きく、

①断らない相談支援

②参加支援(社会とのつながりや参加の支援)

③地域やコミュニティにおけるケア・支え合う関係性の育成支援

 という3つの支援の機能を一体的に具えることが必要と指摘。こうした体制の整備に積極的に取り組む市町村に対して、「国としても政策的な支援を行うべきである」とした。ある意味“本気の姿勢”が見て取れる格好だ。

 さらに、相談者や家族が抱える問題は、生活状況や年齢に応じて変化することから、継続して取り組みを続ける「伴走型支援」が必要となっている。

 現在の相談機関等の支援体制は、個別制度がそれぞれ補助する形をとっていることで、“断らない相談支援”を中心とした包括的な支援体制を市町村において構築しづらくなっているため、これらの課題を解消し、包括的な支援体制を各自治体の状況に合わせて整備することを後押しする観点から、『属性や課題に基づいた既存の制度の“縦割り”を再整理する、新たな制度枠組みの創設を検討すべきである』とも指摘されている。

■“言うは易く行うは難し”である

 確かに複雑な問題をひとつの窓口で対応し、さまざまな状況や環境の変化に合わせて相談者に寄り添うように長い時間をかけて問題を解決できるようになるとするなら、それは素晴らしいことだろう。だがしかし、そんなことが本当に可能なことなのだろうか?

 6月に内閣府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太の方針2109)では、「就職氷河期世代」の支援策が盛り込まれた。

 この「就職氷河期世代」とは、厚生労働省の資料によると1993~2004年に卒業した、現在、大卒なら37~48歳、高卒なら33~44歳の世代を指す。内閣府が出した「就職氷河期世代支援プログラム関連参考資料」によると、この世代には、非正規の職員・従業員371万人、完全失業者33万人がいる。

 そして、日本総研の推計によると、実は、この「就職氷河期世代」にも、「8050問題」と同様に40歳代のひきこもり約27万人も含まれている。

「彼らは、新卒時点で不況のあおりを受け就職できず、景気が立ち直った時には企業が新卒層を中心に採用を進めたので、すでに就職ができなくなっていた。当然、自らが率先して非正規社員になったわけではなく、“不況時代の寵児”として非正規社員に甘んじている側面が大いにあるんです」(同)

 そして、「就職氷河期世代」の支援策の中心を担うのは、公共職業安定所(以下、職安)となる。結局、就業に関しては職安が担当するという縦割りの政策になってしまっているということなのだ。

「就職氷河期世代」も「8050問題」と同じような問題を抱えているのに何故、就職氷河期世代の支援策を打ち出すときに、今回の中間報告のように縦割り行政を超えたものが出せなかったのか? 

「つまるところ、政府・政治そのものが縦割りから脱却できていないから、縦割りを超えた枠組みでのトータルな対策の検討すらできなかったというのが実態でしょうね」(同)

 その上、前述の中間報告にあるように、新たな対策の推進母体は、国・政府ではなく、市町村という地方自治体であり、結局のところ対策は国からの“丸投げ”に他ならない。

 児童虐待が問題になるたびに、児童相談所の機能強化が取り上げられるが、児童相談員といった専門家が不足しており、その拡充は簡単なものではない。さらに、「断らない相談支援」を行うためには、専門家の育成が大きな課題となるだろうし、その拡充は容易なものではないことは容易に予想できる。

 厚労省では年末までに最終報告をまとめる方針とあるが、その内容はくれぐれも夢物語の“絵に描いた餅”にならないことを願うばかりだ。

「大破した車の前に不審な2台の車……」ダイアナ妃の事故死から22年、闇に葬られた目撃証言とは?

 イギリス王室のヘンリー王子とメーガン妃の間に第一子が誕生し、世界中が祝福モードとなる中、ヘンリー王子の母・ダイアナ元妃がパリで謎の死を遂げてから22年間、封印され続けてきたある目撃証言を、英紙「デイリー・メール」が伝えている。

 1997年8月31日深夜、ダイアナ元妃と、その恋人といわれるドディ・アルファイド氏を乗せたメルセデス・ベンツ・S280が、150キロという猛スピードでパリのアルマ広場下の中央分離帯に激突。ダイアナ元妃とアルファイド氏、運転手の男性が死亡した。

 事故原因については、英仏両国の司法当局ともに、運転手が追跡してきたパパラッチから逃れるために制限速度を大きく超えるスピードで運転していたところ、ハンドル操作を誤ったことと結論付けている。

 しかし、この一件をめぐっては、今なお他殺説が絶えない。前年に離婚していたとはいえ、英国皇太子の妻だった人物の突然死となれば、さまざまな陰謀論がささやかれても不思議ではない。

 しかし、「デイリー・メール」が今回報じた目撃者の証言は、他殺説にさらなる信ぴょう性を持たせるものだ。

「彼女の死は事故ではない」

 そう証言するのは、当時旅行でパリを訪れていたアメリカ人のロビン・ファイヤーストーン氏と、その妻ジャックだ。彼らは事故直後の現場をタクシーで通りかかり、トンネル内で大破したメルセデス・ベンツS280を目撃したが、その前方の路上には不審な2台の車が止まっていたという。1台は公用車のような車であり、もう1台は路上に不自然に 停車していたという。彼らは現場をそのまま通り過ぎたが、翌朝のニュースで、目撃した事故車両にダイアナ元妃が乗っていたことを知ったという。

 その後、夫妻は、目撃した不審な2台の車について証言する必要があると感じ、現地の警察署に出向いた。ところが警察は、「われわれは十分な目撃情報を持っているのだから心配するな」と、夫妻の申し出を一蹴したという。

「世界で最も有名な女性が殺されてしまったのに、警察は目撃者と話をしようとしなかった」(ロビン氏)

 同氏はその後も証言しようと試みたが、「証拠に欠ける」という理由から、英仏両国の司法当局からもまったく相手にされなかったという。しかも、いずれの当局も、夫妻が目撃した2台の車について、捜査を行った記録はないのだ。

「ダイアナの死は、事故ではないと思う。そして英仏当局のずさんな対応が、私にその考えをより強くさせています」(同)

 しかし、事件から10年がたった2007年、ファイヤーストー ン夫妻に接触してきた人物がいる。ダイアナの彼氏ドディの父親で、英ハロッズの元経営者としても知られる実業家、フェイド・アルファイド氏だ。

 フェイド氏は、彼の息子とダイアナ妃が殺害されたと確信しており、調査チームを独自に組織して、2人の死の真相について調査を続けていたのだ。夫妻はニューヨークでこの調査チームと面会し、目撃したことのすべてを話したという。しかし、それによって、何者かから報復を受けるのではないかと夫妻は身の危険を感じるようになったといい、そのため、現在もセキュリティー付きの家に住んでいるという。

 これまでもさまざまな陰謀説が語られてきたダイアナ妃の事故だが、果たして今回の証言を、2人の息子、ウィリアム王子とヘンリー王子はどのように受け取るのだろか?

 

週刊誌で大人気の熟女グラドルが熱海駅で男をナイフで切りつけ「まるでサスペンスドラマ」

 まさかあの人だったとは!?

 5月18日午後6時頃、JR熱海駅の新幹線改札口付近で43歳の女がカッターナイフで男性の顔を切り付ける傷害事件が発生。逮捕されたのは大阪市在住の岩本和子容疑者だった。

「被害者は東京に住む34歳の男性で、右頬に軽いケガをしました。以前から面識のあった2人は熱海駅で待ち合わせをし、口論になったと見られています。男性は切り付けられた後、駅に隣接する商業施設へ逃げ込み、後を追いかけてきた岩本容疑者は、警備員や駅員に取り押さえられました。新幹線のホームから、改札に向かって一筋に血がしたたり落ちていたといいます。岩本容疑者は容疑を認めているものの、犯行の動機はわかっていません」(週刊誌記者)

 大阪と東京からそれぞれ来て、熱海駅で待ち合わせをしていたことから、さながら「サスペンスドラマ」の様相。驚くことにこの岩本容疑者、現在、オヤジ週刊誌系のグラビアで人気を博す熟女モデルなのだ。

「2012年に『第3回国民的美魔女コンテスト』でファイナリストに選出されたことを機に美容に関する仕事やモデル活動を始め、39歳の時に艶系のグラビア活動を開始。いまや週刊誌でグラビアを飾ればアンケート1位になるカリスマ熟女になっている。このほどヌード写真集も発売されたばかりで、くしくも5月21日に発売された『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)では、5ページにわたり美裸身を披露しています。19日にはオンデマンド写真集のお渡し会が『体調不良』で中止されファンも心配していましたが、まさか事件を起こしていたとは驚きです。初主演映画『魔睡』の公開も控えていただけに、お蔵入りになれば賠償問題となるかもしれません」(同)

「アサヒ芸能」のグラビアは温泉宿での不倫旅行がテーマのような構成になっているが、リアルに不倫関係のもつれだったのだろうか。

巧みな偽装工作も……ジャパンライフ強制捜査の陰で相次ぐ「投資勧誘」の実態

 高齢者をカモにした悪質商法に、捜査のメスが入った。

 4月25日、警視庁が健康器具販売会社「ジャパンライフ」の全国の関係先を家宅捜索した。同社は磁気治療器のオーナー商法などで高齢者を中心に多額の資金を集め、2017年に経営破綻していた。

 関係者によると、ジャパンライフは、「磁気治療器のオーナーになれば、そのレンタル収入で年6%の高配当が得られる」などとうたって出資者を募集。しかし、配当金が支払われないばかりか、出資金の多くも返還されなかった。被害は全国で7,000人超に達し、被害総額は2,400億円を超えるという。

 被害規模もさることながら、家宅捜索先のひとつにもなっていた創業者の華麗な人脈が、事件の注目度を高めた側面がある。

「山口隆祥元会長は、加藤勝信前厚労相をはじめとする複数の政治家と親交を持ち、顧問には官僚OBやマスコミ幹部も名を連ねていた。そうした面々を、勧誘時に信用を得るための材料にしていたフシもあります」(全国紙社会部記者)

 預託商法やマルチ商法の被害は絶えないが、最近ちまたでは仮想通貨への投資をうたって出資金をだまし取るトラブルも目立つ。ほかにも、都内を中心に新手の投資勧誘が広がり、「詐欺ではないか」と疑惑の目が向けられている。

「昨年末、A社から勧誘されたのが、パラオ共和国のリゾート開発への投資。ずいぶん熱心に誘われたんですが、聞けば聞くほど怪しいんです」

 こう明かすのは、都内在住の投資家の男性だ。

 男性によると、知人に持ちかけられたのは、パラオで建設途中だというホテルへの投資。投資によってホテルの経営権の一部を実質的に買い取ることで、収益を還元する――というのが趣旨だったという。

「A社は、ホテルの経営権以外に、土砂の採掘権なども販売していました。ただ、聞かされた事業計画はずさんで、収益を得られる見込みは限りなく薄い。そもそも、詐欺の気配がぷんぷんしたので、即座に断りました」(同)

「投資すればもうかる」。ジャパンライフのみならず、過去の出資法違反事件ではおなじみのフレーズである。もしA社が過去の事件と同様、高配当をうたって出資金を募る行為をしていれば刑事事件に発展する可能性もあるが、捜査の手が及ばないように、巧みな“偽装工作”もしていたという。

「勧誘する相手に対して出資金への配当を約束すればアウトですが、A社の場合は違った。なんでも、ホテルを利用するクーポン券を出資者に還元するというんです。そして会社側がこのクーポン券を買い取ることで、実質的な配当にするというやり方です。おそらく、出資法違反に問われないために考え出したスキームでしょう。ただ、クーポン券の売買には古物商の資格が必要で、A社がその資格を取得している気配はなかった。それも詐欺と疑った要因のひとつです」(同)

 繰り返される投資詐欺の被害。うっかり出資して泣きを見ないためには、甘い誘いに乗らないことが肝要だ。

遺体を鍋で煮込んだ八王子カリスマホスト殺害事件【高橋ユキ裁判傍聴】

 天皇陛下の生前退位により、30年の歴史を終える「平成」。5月1日から新元号「令和」に改元される。バブルの崩壊とともに始まった平成を、各紙がさまざまな視点から回顧している。

 筆者は2005年(平成17年)から、主に刑事裁判を見つめ続け、傍聴ライターとして稼働してきた。本記事では、これまで傍聴してきた刑事裁判を1年に1件ずつ紹介しながら、平成の事件を振り返ってゆきたい。

【平成の事件10】八王子カリスマホスト殺害事件
<2014年傍聴@東京地裁立川支部>

 2010年11月、八王子市内のホストクラブ『バリカン』を経営していた土田正道さん(43=当時)が失踪。「西東京のカリスマ」と呼ばれていた土田さんはかねてより知人に「丸1日連絡が取れなくなったら警察に相談してほしい」と話していた。捜査員らは交友関係や金銭トラブルなどを徹底的に調べ上げた結果、2013年のホスト仲間ら7人の逮捕で全貌が明らかになる。

 その年、土田さんの遺体が同市内の民家に運び込まれたという情報が寄せられた。捜査員らが民家を家宅捜索した結果、汚水槽から顔の骨の一部とインプラントを発見する。このインプラントが生前の土田さんのものと一致した。

 犯行を主導したのは土田さんの後輩で、金銭トラブルを抱えていたホストクラブ店長・玄地栄一郎(31=逮捕時)と、インプラントが見つかった民家所有者の息子でホストの阿部卓也(同26)だった。玄地は公判を待たずに拘置所内で首に靴下を巻き自殺している。阿部には懲役20年の判決が下された。

 阿部は店内で土田さんを射殺後、遺体を衣装ケースに入れ、寸胴鍋、コンロなどとともに、父親の家に運び込んでいた。遺体を鍋に入れ、パイプ洗浄剤などの類いの強アルカリ性の薬剤を大量に投入し、コンロの火をつけ、薬剤で煮溶かしていたのだ。

 阿部には当時妻がおり、その妻は阿部から『父親を飲みに連れて行ってほしい。その間に死体を溶かす』と頼まれていた。そのため前日の夜から阿部父は元妻と飲みに出かけていた。しかし、予想に反してなかなか遺体の処理が終わらず、結局朝に。それでも遺体は溶かしきれなかった。阿部父が帰宅したとき目の当たりにしたのは、自分の息子が遺体を鍋で煮込んでいる場面だった。

「息子をそのままにしておけない、息子を犯罪者にするわけにはいかない。鍋もあって、死体もそこにまだあって、どうにもできず、しかも卓也も『頼むから続けさせれくれ』と言うので通報できなかった」

 公判でこう振り返った阿部父は、その後、息子の願いを聞き入れ、リビングに座り、遺体が溶けるのを待ち続けたという。

「キッチンには入らなかったので鍋の中も見てません。溶けるときの音は聞こえてました。けっこう大きな、ジュッて音だったんで」

 ところが翌日になっても息子の仕事は終わらない。結局、阿部父もついに死体損壊に関与してしまった。

「骨を砕くのを手伝いました。初めは息子は『何もしなくていいから』と言っていたんですが、だんだん焦ってきたようで、鍋から骨出して、砕き始めて、その音が大きくなってきて、けっこう見るに見かねて『手伝うよ』って。気持ち悪いっていうか、なんで私がやんなきゃいけないんだという思いはありました。鍋を洗ったり……」

 その後、骨だけとなった遺体を浴槽で砕き、大きな骨片は河原で“バーベキューを装い”ながら、息子とともに川に流したという。この“バーベキューを装う”提案をしたのも、阿部父だった。偶然に事件に巻き込まれながら、最終的には主体的に関与してしまったのも、全て息子への愛情ゆえか。阿部父には今年1月、執行猶予判決が下されている。

「土田さんは怖い人でした。少しでもミスがあれば、殴られたり、裸踊りをさせられたりしました。同僚と殴り合いをさせられたり、電話に出れなかったことでまた殴られたり、花火を向けられてヤケドを負ったり、『ラーメンをおごれ』と言われて財布に金がないと、ボコボコにされたり、顔にマジックで『僕はチンカスです、バカです、ホモです』って書かれて笑い者にされたり、立ち方が気に入らないと殴られて、うずくまると頭にオシッコをかけられる……」

 実行犯の阿部は、生前の土田さんによるパワハラがあったことを公判でこう語っている。

 

【平成の事件11】柏通り魔事件
<2015年傍聴@千葉地裁>

 2014年3月3日の夜に千葉・柏市内で発生した連続通り魔事件。翌々日に逮捕されたのは近所に住む竹井聖寿(24=逮捕時)だった。捜査員から任意同行を求められた際、チェスの“詰み”を意味する「チェックメイト」とつぶやいたことや、連行される際に「ヤフーチャット万歳!」と叫んだりしたことが注目されていたが、翌年に開かれた裁判員裁判においても奇行が目立った。

 初公判からしばらくは、スーツに身を包みうつむいて入廷し、しおらしい姿を見せていたが一転、第4回公判では、法廷に入るなり『ワンマンショー』を開催。思わぬ事態に裁判の進行が遅れる事態となった。開廷時刻より少し前に法廷奥のドアから警備に伴われ入廷した竹井は、いつものスーツではなく白いタンクトップに膝下丈のジーンズという出で立ち。ドアが開くなり「僕〜が僕〜であるために〜〜勝ち〜続けなきゃ〜ならない〜」と尾崎豊の『僕が僕であるために』を熱唱し始めた。

 弁護人も検察官も席についているが、なぜか誰も止める者はおらず、竹井は歌い続ける。

「ぬ〜すんだバ〜イク〜では〜しりだす〜ゆく〜さきも〜わか〜らぬ〜まま〜」

 メドレー形式で『十五の夜』に移る。先ほどと同じくなぜか誰も止めず竹井は歌い続け「自由になれた気がした〜十五の夜〜」まで歌いきってしまった。

 その後、間髪入れず「検察官!今のうちに死刑求刑しておけ!俺は反省する気は一切ない!」と叫ぶ。

 刑務官らはいつにもまして距離を詰めて竹井を取り囲み、弁護人はこの段になってようやく「だまりなさい!」と言い出したが、竹井に黙る様子はない。

「覚悟しておけ!道連れだ〜〜!ハッハッハッハッ、ハッハッハッハッ」

 笑い声が法廷に響き渡った。弁護人は苦悩の表情で目を閉じ……裁判は休廷。それ以降、またしばらく竹井は大人しくなったのだが……判決の日。再び〝タンクトップモード〟に。法廷に入るなり、また歌い出した。

「彰晃~彰晃~彰晃彰晃彰晃~」

 今回は麻原彰晃の歌からスタートである。「静かにしなさい!」という裁判長や弁護人の制止も聞かず、メドレーは次の曲へ。

「行儀よ~く真面目なんて出来やしなかった~」

 尾崎豊の『卒業』だ。「この支配からの、卒業~」まで歌いきった後、弁護人に小声で叱られ、静かになったが「薬でラリってます、フッフッフッフッ」と笑い続けた。

 メドレーはここで終わり、裁判長の判決言い渡しが始まる。主文となる無期懲役を告げられるや否や、なぜか両手を高く上げて拍手。閉廷後も「これでまた将来殺人ができるぜぇ~~。検察官、このメガネ野郎、殺人は麻薬よりセックスよりも気持ちいいぜ~~ハッハッハッ」とまた高笑い。5人の職員に引きずられて法廷をあとにした。2016年、無期懲役が確定している。

 

【平成の事件12】無罪確定男の、ホテル女店主殺害未遂事件
<2016年傍聴@大阪地裁>

 2014年11月5日午前8時40分ごろ、大阪市北区兎我野(とがの)町のホテルの一室で、女性(38=当時)が顔や首などを男に刃物で刺され重傷を負った。警察官が駆け付けたが男は血のついた果物ナイフをなかなか離そうとしなかった。手からはたき落として、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。

 無職の中勝美(66=逮捕時)は、2008年に京都府舞鶴市で高校1年の女子生徒が殺害された事件で起訴されたが、大阪高裁で逆転無罪となり、2014年7月に無罪判決が確定した男だ。別の事件で実刑判決を受けて事件直前まで大阪刑務所に服役していた。

 大阪市梅田地区。新御堂筋と扇町通の交差点から南東に進むと、ラーメン屋や商店、古いマンションやホテルなどが立ち並ぶ一角がある。『山田レジャーランド(仮称)』とゴシック体で描かれた大きな看板がかかるビルは、ここ兎我野町の目印。スポーツクラブのような名称だが、中はスナック、人妻キャバクラ、ホテヘル店がひしめく風俗ビルだ。2014年11月5日の早朝、事件はこのビル2階のホテル『X』で起きた。

 この緊迫した逮捕劇が繰り広げられた『山田レジャーランド』から10分ほど南に歩くと、淀川の手前に大きな建物が見えてくる。ここ大阪地裁で中の公判は開かれた。罪名は建造物侵入、強制わいせつ致傷、殺人未遂、銃刀法違反。強制わいせつ致傷で起訴されていたのは、殺害前にわいせつ目的があったと検察側が判断したためだ。

 起訴状によれば「当日ホテル内において刃体10センチメートルの果物ナイフをAさんの首に当て『服を脱げ、脱がないと殺すぞ』と脅し、そのナイフをAさんの首元に突き刺し、上半身をめくりあげ、両乳房を揉み、頸部、胸部など多数回ナイフで突き刺し全治1カ月の外傷性出血性ショック等を負わせたがAさんは逃げ出し、他店従業員の通報で居合わせた警察に逮捕された」とある。

 最終的に判決でもこの流れが事実だと認定されているのだが、中は「来るなとは言われていない。Aさんは……そのことで口論となり…Aがホテル内のナイフを持ち出した……私は取り上げてもみ合いになり……決してAさんを殺そうと思っていない」と、口論になりもみ合う中で刺さったのであり、殺意がなく、正当防衛だと主張。わいせつ目的も否認した。

 公判ではAさんも証人出廷し、中と出会った驚くべきいきさつを明かした。

 中は無罪確定の前年、2013年8月にコンビニでアダルト雑誌を万引きした窃盗罪で有罪判決を受け服役しており、2014年9月30日、大阪刑務所を出所した。その直後、ふたりは出会った。その日AさんはJR堺市駅のホームで中に『仕事をしないか』とスカウトしたのである。知人から『出所者は仕事を探していることが多いから、掃除の仕事でも続けてくれるのでは』と知恵を授けられたのだと明かしていた。しかしAさんは中被告を『使えない』と早々に見限った。

「ウチのホテルは部屋番号がアルファベットなのに、被告人はABCDが分からない。お客さんを案内できない。それに被告人はホテルで仕事してる間、お客さんと何度ももみ合いのケンカをした。なので『休んでください』と言いました」

 Aさんは滅多刺しにされており、包丁が頬を貫通し舌に刺さった傷で多量に出血し「あと10分搬送が遅れていれば助からなかった」と医師は調書で語っていた。

 中には懲役16年の判決が言い渡され、双方控訴せず確定。服役中の2016年7月11日の朝、堺市の大阪医療刑務所で病死した。

 次回は2017〜2019年の傍聴を振り返る。

秋葉原通り魔殺人事件、死刑確定した加藤智大は今【高橋ユキ裁判傍聴】

 天皇陛下の生前退位により、30年の歴史を終える「平成」。5月1日から新元号「令和」に改元される。バブルの崩壊とともに始まった平成を、各紙がさまざまな視点から回顧している。

 筆者は2005年(平成17年)から、主に刑事裁判を見つめ続け、傍聴ライターとして稼働してきた。本記事では、これまで傍聴してきた刑事裁判を1年に1件ずつ紹介しながら、平成の事件を振り返ってゆきたい。

【平成の事件04】京都・神奈川親族連続殺人事件
<2008年傍聴@京都地裁>

 松村恭造(25=逮捕時)は2007年1月、京都で親族を滅多刺しにし、鈍器で殴り殺害。現金とキャッシュカードを奪って逃走。金は風俗で全て使い果たす。

 その後、神奈川の別の親族に金の無心をするが断られる。翌日深夜、この家に侵入し親族を撲殺。現金1万円の入った財布、ライターを盗み、遺体を押入れに入れ、布団に掃除機を入れて逃走。その日に母親に電話をかけ1件目の犯行を告白し、逮捕となった。

 松村は常日頃から気に入らないことがあると容易に暴力行為を働き、その度父らに事後処理をさせていた。暴力事件を二度起こして高校を中退。家庭でも暴力を振るう。父に勘当されたのち養豚場で住み込み働くが家畜を殴り解雇に。仕事と住む場所を失い、親戚に金を無心するなかで事件を起こした。

 一審公判の最終陳述で松村は反省の弁を述べるどころか、自己の行為を正当化する発言に終始する。

「今回の出来事の原因は、自分の中のエリート意識です。自分は特別な存在だから何をやってもいい、という思いが根底にありました。しかし、そう思うことは、必ずしも間違っているとは言えません。というのも私は今まで対等に付き合うに足りない相手ばかりに囲まれてきたからです。同世代の人間と比べ、私はダントツに理解力がありました。つまり私は1を聞いて10を知る事ができるのです。1を聞いて1を知る事しかできない同世代の連中とは、まるで会話が成立しなかったのです」

 このように傍聴席で松村を見守る同級生をこき下ろした。そして批判は同級生のみならず、彼が住んだ関西におよぶ。

 

「関西の人も街も言葉も大嫌いです。東京を知ってから関西人は全て嫌悪の対象になりました。関西にいる自分は間違った自分なのです。東京にうまれ、東京で教育を受けた私ですが、それでもこれだけ引け目を感じているのだから、関西に生まれ、関西に住む関西人どもは、もっと劣等感を感じるべきなのです。『私は○○だからガラがいい』などとお互いに足を引っ張り合う関西人、バカの集まりです。(略)私は死刑になると思いますが、私が死んだら、東京の神田川に遺骨をまいてほしいです。死んだあとも東京にいれるなら本望です。

 私はこの裁判で1つも嘘はついていません。こいつら検察は最初から金目的だったと言っていますが、嘘つきはこいつらの方です。私は、世間に貸しはあっても借りはないんです」

 同年3月、京都地裁は松村に死刑を言い渡した。控訴をするも、のちにこれを取り下げ確定。2012年8月、誕生日に死刑執行。

【平成の事件05】愛知・クレーン殺人事件
<2009年傍聴@名古屋地裁一宮支部>

 仲島弘将(32=逮捕時)は叔父(57=当時)に対し、積年の恨みを晴らそうと、08年9月1日夜、叔父を六角ナットの装着された1300グラムの鉄棒で数回殴打、さらにワイヤーを首に巻き付けクレーンで吊り上げ、頸部圧迫により死亡させた。

 現場は叔父の経営していた工作機械製造会社。仲島の一家と叔父には祖父の遺産を巡り確執があった。事件から約15年前、叔父が仲島の母親に暴力をふるい加療約2週間の大怪我を負う。事あるごとに叔父から「貧乏人が近づくと貧乏が移る」など貧乏呼ばわりされた仲島は恨みを募らせ犯行に及ぶ。

 長きに渡る家同士の確執により起こったクレーン殺人。犯行後現場を離れた仲島は、叔父の息子に電話をかけ「おもしろいものがある。工場に見に来いよ」と現場に呼び出し、クレーンに吊り下げられ死亡している叔父の姿を見せた。

「執行猶予にしてもらえんかねぇ。わたしもだいぶ歳だから」と情状証人として出廷した祖母はまさかの執行猶予を望むが、判決は懲役16年。

 

【平成の事件06】秋葉原通り魔殺人事件
<2010年傍聴@東京地裁>

 2008年6月8日午後0時30分を過ぎた頃、当時歩行者天国だった東京・秋葉原の中央通りと神田明神通りの交差点に、信号無視のトラックが突入。運転手はトラックを停め、外へ。持っていたダガーナイフで通行人らに次々と襲いかかった。この事件で7名が死亡、10名が傷害を負った。

 逮捕されたのは静岡の工場で派遣社員として働いていた加藤智大(25=逮捕時)。「生活に疲れた。人を殺すために秋葉原に来た。誰でもよかった」など供述していた。事件から約1年半後に開かれた一審公判で加藤は起訴事実を認めていたが、被害者やご遺族など40人以上に対し証人尋問が行われた。

 加藤は法廷で感情を表に出す事はほとんどなく、被告人質問でも「~であると思います」「~だったんだろうと思います」という語尾を多用し、重要なことは「覚えていません」と答えていた。

 数少ない感情の発露は、加藤の友人が証人出廷し、彼の入院時にお見舞いに来てくれた時のことを語った時。この時加藤は笑みを見せ口元を手で押さえていた。そして、目の前で夫が刺されたという女性が尋問で最後に加藤へ「アナタのやったことは許される事ではないが、何かひとつでもいい事をしていってほしい!」と訴えたとき。この時加藤は目元を何度も袖で拭う仕草を見せた。

 一審判決は死刑。加藤側が控訴したが2012年に棄却。上告するも棄却。2015年に死刑が確定した。確定後の彼は、拘置所内で絵を描いているが「鬱」という字でアイドルマスターのキャラクターを描きあげるなどその特異な作風が時折騒がれている。

 次回は2011〜2013年の傍聴を振り返る。

【沖縄米兵女性殺人事件】米軍機関紙が被害者の顔写真を掲載し、県民の怒りが爆発!

 またもや「基地の島」で悲劇が起きた。

 今月13日、沖縄・北谷町で発生した米兵による日本人女性(44)の殺害事件。玉城デニー県知事が在沖米軍トップのエリック・スミス四軍調整官に直接抗議し、衆議院外務委員会でも取り上げられるなど、日米関係を揺るがす事態となっている。

 地元紙などの報道によると、女性を殺害後、自殺したとされる米兵は在沖縄海兵隊に所属する3等兵曹(32)。昨年から、かつて交際関係にあった女性へのDVやストーカー行為を繰り返していたという。

 米国側の捜査機関、米軍憲兵隊や沖縄県警はこの経緯を把握しており、不測の事態が予想された中での悲劇だっただけに、日米双方の捜査当局に批判が集まっている。

「米軍は兵士に対して女性への接近禁止令を出し、兵士を女性の自宅から離れた基地に隔離していた。にもかかわらず、事件前日には外泊許可を出しており、ちぐはぐな対応だったと言わざるを得ません」(地元紙記者)

 沖縄では3年前にも、軍雇用員の男がジョギング中の女性を暴行し、殺害するという事件が発生している。相次ぐ米軍関係者による事件で、県民の怒りが高まっていることは想像に難くない。

 そんな中、事件そのものとは別に、県民の感情を逆なでするような事態も起きたという。

「今回の事件は、被害女性のプライバシーを鑑みて、地元紙も写真や氏名の公表を控えている。ところが、米軍の機関紙である星条旗新聞は、女性の顔写真やプロフィールを詳細に報じているんです。その一方で、殺人事件の被疑者である米兵については、氏名と年齢、軍隊での階級ぐらいしか明かしていない。『身内びいきが過ぎる』との批判は免れません」(同)

 この星条旗新聞は、3年前の女性殺害事件の際にも逮捕された男から届いた書簡を掲載し、物議を醸した経緯がある。男は書簡の中で、沖縄の捜査・司法機関への不信感を吐露し、沖縄以外での裁判を要求するなど、身勝手な主張を繰り返していた。被疑者側の一方的な言い分を垂れ流したことで、県民の怒りを買ったのだ。

 先の記者は、「米軍は問題が起きるたびに外出禁止令を出すなどのその場しのぎの策に終始し、根本的な解決を図ろうとはしてこなかった。彼らの根底にある沖縄県民、ひいては日本人に対する人権意識の低さが、機関紙にも表れていると言っていいでしょう」と吐き捨てた。

 日本人をナメるのも、大概にしてほしいものだ。

日産への”隠しきれない愛情”がダダ漏れ!? カルロス・ゴーン氏会見を表情分析の専門家が斬る!

 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン氏の弁護団が9日、記者会見を行い、ゴーン氏自身が無罪を主張する動画を公開した。

 金融商品取引法違反や会社法違反(特別背任)で起訴されたゴーン氏は、3月6日に東京拘置所から保釈。4月3日にTwitterアカウント(@carlosghosn)を開設し、「11日に記者会見を行う」旨ツイートしていたが、翌4日、会社法違反(特別背任)容疑で東京地検特捜部に再逮捕された。

 逮捕前に収録したという約7分半にわたる動画では、無実を主張するとともに、自らにかけられた嫌疑について真っ向から反論しているが、果たして真相は語られたのか?

 日本国内に数人しかいないとされる認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーのひとりで、微表情研究家の清水建二氏に、会見中のゴーン氏の心理状態について推測してもらった。

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 こんにちは。微表情研究家の清水建二です。今回は、4月9日に公開されたカルロス・ゴーン氏のスピーチを表情分析の観点から解説します。

 分析に用いた動画は、こちら(https://www.youtube.com/watch?v=21kCyZKyYB8)です。

 今回の分析の特徴は、次の通りです。全体的にゴーン氏の言動は一致しており、自身の気持ちをストレートに語っていると考えられます。しかし、言動が一致していない箇所が1点だけあります。それは、「嫌疑に基づいて私に対してなされている非難についても、また事実無根です」の中の「非難(accusation)」というネガティブな文言に対し、幸福の微表情というポジティブな感情発現が見られる箇所です。

 では、具体的に解説していきましょう。

日本と日産に対する愛情と、「陰謀」を強く主張

 全体的にゴーン氏のメッセージは言動が一致しています。これは、伝えたいメッセージがストレートに伝えられているということです。端的に言えば、本心を伝えようとしていると考えられます。

 動画でゴーン氏が伝えているメッセージは3つです。(1)無実の訴え、(2)日本と日産に対する愛情、(3)「陰謀」の訴えです。(1)に比べ、(2)と(3)を話しているときのほうが表情筋が強く、さまざまな感情が込められています。表情筋が強いというのは、感情が強いということを意味します。感情は、伝えられているメッセージに伴いながら、豊かな表情として表れています。つまり、無実の訴えに比べ、日本と日産に対する愛情と「陰謀」の訴えのメッセージのほうが、伝えたい思いが強いということが推定されます。

 このように全体的に言動が一致し、感情の起伏がメッセージごとに異なりつつも、そこに込められた思いがストレートに伝えられています。しかし、1点だけ言動が一致していない箇所があります。

 それは、動画の38秒において「非難」というネガティブな文言に対し、幸福の微表情というポジティブな感情発現が見られる箇所です。典型的な幸福感情は「頬が引き上げられる」+「口角が引き上げられる」という動きによって生じます。微表情とは、抑制された感情が、0.2~0.5秒の間にわずかな表情筋の動きを伴って顔に生じる現象です。

 動画38秒前後のメッセージとして、ゴーン氏は「そして、それらの嫌疑に基づいて私に対してなされている非難についてもまた事実無根です」と語っています。原則的に言葉の前、あるいはほぼ同時に生じる感情が、その後の言葉の重みを決めます。つまり、「非難」という一般的にはネガティブな言葉に幸福というポジティブな感情の重み付けがなされていると考えられます。ただ、メッセージ全体に、このポジティブ感情が及んでいる可能性もあります。

 表情分析からは、人の心の中を見抜くことはできません。したがって、なぜゴーン氏がネガティブな文言・メッセージにポジティブな感情を見せたのか、さらにそれがなぜ抑制されたのかはわかりません。

 ウソのサインのひとつに、「だます喜び」というものがあります。子どもがイタズラをして、「○○ちゃんがやったの?」と聞くと、「僕、やってないよ」と言いながら、ニコッとする場面を見たことがありませんか? これが「だます喜び」という現象です。大人がこの行為を行う場合、大人は表情コントロールがうまくなるので巧みに行えます。生じるとしても、微表情として「だます喜び」がわずかに思れる程度です。

 しかし、ここでゴーン氏の幸福の微表情を「だます喜び」であると判断するのは早計です。「だます喜び」は、ウソだとわかった後に、そうラベル付けされるものなので、事前にその可能性が頭をよぎることがあっても、決めてかかってはいけません。ただ単に自分に向けられた「非難」に苦笑したものの、そのバカバカしさを面に出すことをためらっただけかもしれません。

 仮に私が捜査官側ならば、今回の表情分析からゴーン氏の感情抑制のクセを幸福の微表情であると仮定し、取り調べ中に生じるその抑制のパターンを精査し、真実を明らかにするヒントとして活用するでしょう。

●しみず・けんじ

株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役・防衛省講師。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけに、ウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ『科捜研の女 シーズン16』(テレビ朝日系)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『ビジネスに効く 表情のつくり方』(イースト・プレス)、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。現在、ハーバービジネスオンライン、月刊「健」にて連載を持つ。