レアル・ マドリード移籍の久保建英は、中田英寿を超えられるのか? 森本貴幸&宮市亮との違いとは――

 18歳を前に、欧州3大リーグに移籍した日本人選手は2人いる。

 イタリア・セリエAに移籍した森本貴幸とイングランド・プレミアリーグに移籍した宮市亮だ。日本サッカー界最高のセンターフォワードとウイングといわれた2人だが、まったくと言っていいほど活躍ができず現在に至る。

 そんな困難なリーグ、スペイン・リーガエスパニョーラの中でもビッグクラブであるレアル・マドリードに移籍した久保建英が存在感を発揮している。リーグ開幕前のドイツ遠征に臨む24人に選出されたのだ。つまり、久保はBチームではなく、リーグ戦でベンチ入りする可能性がある。

 なぜ久保は、森本や宮市と違って、存在感を発揮できているのか? サッカーライターに訊いた。

「森本も宮市も、Jリーグで優勝争いに絡んだり、日本代表に選出されてトーナメント大会で活躍したわけではない。一方の久保は、FC東京1年目こそ森本同様に若手スターとしてドリブルなどが注目されましたが、2年目からは守備も覚え、優勝争いへの原動力となった。チームや自身が相手に警戒された中でも活躍できるかどうか? これはサッカー選手としての真価が問われますが、Jリーグでそれを経験できたのは大きい。また、日本代表としてコパ・アメリカでも活躍しましたし、若手ではありますが、海外移籍のプロセスとしては中田英寿氏同様、満を持してという感じですね」

 実際に久保は移籍直後にバイエルン・ミュンヘン戦とアトレティコ・マドリード戦の2試合に後半から出場し、「お客様」ではなく戦力であることをプレーで示した。結果、ドイツ遠征のメンバーに選出された。

 しかし、そんな久保も、数年にわたって活躍できるかどうかは未知数のようだ。

「今の日本人の海外組は、ドイツやオランダ、ベルギーが主戦場です。日本のメディアはスターを作りたがるために持ち上げて報道しますが、バイエルン・ミュンヘンを除けば、ステップアップのリーグです。レベルがワンランク上がるセリエA、プレミアリーグ、リーガエスパニョーラで成功したといえる選手はほとんどいない。それが数年となると、なおさらです。たとえば、レスター時代に活躍を見せた岡崎慎司も、2年足らずで尻すぼみとなってしまった。インテル・ミラノ時代の長友佑都は岡崎以上に安定したキャリアを送りましたが、他クラブからの争奪戦が起きたわけではない。それが現実です」(同)

 過去に欧州3大リーグで圧倒的なパフォーマンスを見せたのは、ペルージャとローマ時代の中田英寿くらいだろう。中田はセリエA移籍後の3年間、世界のトッププレーヤーという認識をされていた。その中田を久保は超えられるか? 日本サッカーの歴史が塗り替えられようとしている。

(文=TV Journal編集部)

”日本のメッシ”選んだのは銀河系軍団だった! 久保建英・18歳のリアルな未来予想図

 久保が選んだのは、やはり“故郷”のスペインだった──。9日に行われたエル・サルバドル戦でA代表デビューを飾った久保建英が、レアル・マドリードに移籍することが判明。未来の日本を担う久保だが、世界No.1のチームで爪痕を残すことはできるのか?

 もともと久保は、日本にいるはずの選手ではなかった。小学校低学年でその才能を見出された久保は、2011年にスペインに渡り、世界的強豪・バルセロナの下部組織に所属。そこでも突出した成績を残して「日本のメッシ」「メッシ2世」とも呼ばれたが、チームが18歳以下の選手の登録違反で制裁を受け、出場機会を失ったため、2015年に帰国した。その後、FC東京や横浜F・マリノスなどに所属し、着実に力を付けた久保だったが、やはり選んだ道は、10代前半に切磋琢磨したスペインだった。週刊誌のスポーツ担当記者はいう。

「日本では『レアル・マドリードに移籍』と大々的に報じられていますが、まずはBチームのカスティージャの所属になります。久保の年俸は2億円以上とも報じられており、Bチームの選手としては破格ですが、レギュラーが約束されているわけではなく、あくまでも実力で出場機会を獲得しなくてはいけません。予想できるストーリーとしては、レンタル移籍で他チームに出され、そこで武者修行をしながら腕を磨くことになるでしょう」(スポーツ担当記者)

 世界屈指の人気、知名度、そして資金力を誇るレアル・マドリードは、世界中からスター選手を取りまくる“銀河系軍団”。極端に言えば、育成の必要などないのだから、Bチームからトップチームへとのし上がるのは至難の業だ。ただ、その才能が日本レベルではないのも確かだ。長らく久保を見続けてきたフリーのスポーツライターはいう。

「15歳でJリーグデビューした頃は先の細さが際立ちましたが、最近の試合ではたびたび得点に絡み、ゲームメイクができる選手になっています。これまで何人もの“日本の宝”が海外に渡りましたが、久保はスペイン語がペラペラですし、海外生活もまったく問題ないでしょう。レアルで居場所を獲得するのは、並大抵の才能や努力では叶いませんが、レアルが久保に示した好条件には、“日本市場への広告塔”としての期待料も含まれています。他の選手よりも、チャンスが与えられる機会は多いかもしれません」(スポーツライター)

 漫画『キャプテン翼』の主人公・大空翼を地で行く“リアル大空翼”がどこまで羽ばたけるのか、サッカーファンの楽しみは尽きなさそうだ。