全米でブレイクしたラッパーも…共産党の禁止令が出ても大人気! 中国ヒップホップの潜在能力

――中国政府はヒップホップ禁止令を出した――。2018年、そんなニュースが日本でもややセンセーショナルに報じられた。しかしながら近年、同国では『The Rap of China』なる超人気番組が存在し、さらにはアメリカで成功を収めるラッパーも登場。そんな中国ヒップホップの実情を冷静に探っていきたい。

2017年『TROC』スタートで中国ヒップホップ元年に

 中国にヒップホップを根づかせたネット番組『The Rap of China』は現在、シーズン3が配信中。

 2018年1月、中国政府は「ヒップホップ文化は低俗」だとして、ラッパーや刺青のある芸能人をテレビやラジオに出演させないという方針を示した。これは、日本では「ヒップホップ禁止令」と報じられ、中国におけるヒップホップ・カルチャーの停滞を危惧する声も聞かれた。しかし、日本で中国のヒップホップ情報を発信しているのは一部の音楽/カルチャー系メディアに限られ、多くの人にとって中国のヒップホップ・シーンは謎に包まれている。

 まず、中国では17年が“ヒップホップ元年”といわれている。その背景にあるのが、同年6月に配信がスタートしたネット番組『The Rap of China』(以下、『TROC』)である。

「中国人の、特に若者の間でヒップホップが広まったきっかけは間違いなく『TROC』。一説によれば、中国にヒップホップ文化が芽吹いたのは90年代末だといわれますが、同番組が始まるまでラッパーはアンダーグラウンドな存在でした。しかし『TROC』以降、ヒップホップはロックやR&Bと同様にひとつの音楽ジャンルとして定着しています」

 そう語るのは上海在住で、日本企業の中国向けプロモーション事業などを行う会社「イマチュウ」を経営する村林勇紀氏。事実、『TROC』のシーズン1は30億人もの視聴者数を記録した。

「『TROC』は大手動画サイトのiQiyi(爱奇艺/アイチーイー)が立ち上げた企画で、予算も規模もほかのネット番組と比べて桁違いに大きい。また、プロデューサー(審査員)として、K-POPグループEXOの元メンバーである中国系カナダ人ミュージシャン/俳優クリス・ウーや、台湾系アメリカ人の人気歌手ウィルバー・パンを起用し、若者から注目を集めることに成功しました」(村林氏)

 ヒップホップ番組といえば、日本でも『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)がヒットしたが、同番組がフリースタイル・バトルにフォーカスしているのに対して、『TROC』はショーケースに重きが置かれている。

「『TROC』はラッパーたちがトーナメント形式で勝ち上がっていきますが、メインは先述したプロデューサーたちと共同で行う楽曲制作や、観客を前にしたライブ・パフォーマンス。その意味ではリアリティ番組に近い」(同)

 ちなみに、この番組構成は、12年に韓国で放送が開始されて国民的人気を得たラップ・サバイバル番組『SHOW ME THE MONEY』に酷似。おそらく同番組をモデルにしたのだろうが、村林氏の言うように『TROC』に巨額の制作費が投じられていることは一目瞭然であり、番組としてのクオリティも高い。しかし皮肉にも、この番組によってヒップホップが市民権を得たことが、冒頭で述べた「禁止令」につながってしまった。

「17年6月から9月まで放送された『TROC』シーズン1ではPG One【1】とGAI【2】というラッパーが同時優勝したのですが、同年末にPG Oneと中国の人気女優との不倫が発覚。このスキャンダルにより、彼は中国全土のネット・ユーザーから大きな批判を浴びました」(同)

 その結果、PG Oneが15年にリリースした曲のリリックに薬物使用や女性蔑視と受け取れる表現があることが“発見”され、さらなる炎上を招いたのだ。

「中国のあらゆる放送業務は共産党の指導下にあり、PG Oneの炎上騒動でヒップホップは青少年に悪影響を与えると政府が判断し、禁止令へと至ったわけです。その矛先は主に『TROC』の出演ラッパーに向けられ、スキャンダルとは関係ないGAIなども番組出演がキャンセルされ、一時期はPG Oneと共に中国の芸能・音楽業界から締め出されました」(同)

 しかし、『TROC』自体は現在も継続している。ただ、同番組の中国語タイトルは当初は『中国有嘻哈』(「中国にヒップホップあり」という意)だったが、禁止令後の18年7月にスタートしたシーズン2では『中国新说唱』(「中国ニュー・ラップ」という意)に改名。“ヒップホップ”を“ラップ”に差し替えたのだ。

「番組の内容は変わりませんが、出演ラッパーの表現が若干マイルドになり、タトゥーを映すのはNG。とはいえ、番組が継続しているのは政府の方針と折り合いがついているということであり、規制はあるにせよ中国独自のヒップホップが育つ余地はあります。また、『TROC』によってラッパーの裾野が一気に広がったので、規制の及ばないアンダーグラウンドなシーンも活性化するでしょう」(同)

 ところで、『TROC』初代優勝者のGAIをはじめ若手ラッパーたちの楽曲は、アメリカを中心に世界的トレンドとなっているヒップホップのスタイル/ビート=トラップをベースにしていることが多い。中国ではグーグルやYouTube、インスタグラム、フェイスブックなどへのアクセスがブロックされているが、国内のラッパーやヒップホップ・リスナーはどのようにして海外の情報を得ているのか?

「10代~30代の中国人はみんな、VPN(バーチャルプライベートネットワーク)を使って自由にYouTubeやインスタなど閲覧しているのが実情です」(同)

 他方で、『TROC』がスタートする以前から中国人ラッパーの動画を世界に発信しているYouTubeチャンネルがある。それが、台湾系カナダ人のスタンリー・ヤン氏が10年に設立した〈ZHONG.TV〉(下段コラム参照)だ。

「俺は台湾で生まれた後、カナダのバンクーバーで育ち、そこで映像系の学校に通っていたんだけど、卒業後の05年から上海でCMとか映画とか映像関係の仕事に携わっていたんだ。そういう経験を生かしながら中国のアンダーグラウンドなヒップホップ・シーンを盛り上げようと思って、インディペンデントなラッパーのMVとかを作り始めたのが〈ZHONG.TV〉の始まり。中国には才能豊かなラッパーが多くて、『TROC』で知名度を上げたJony J【3】やTizzy T【4】、〈88rising〉(アジア圏/アジア系のラッパーやシンガーを次々とバズらせているYouTubeチャンネル兼レーベル)所属のHigher Brothers【5】も、ブレイク前から〈ZHONG.TV〉がサポートしていたよ」(ヤン氏)

 ヤン氏によれば、中国のヒップホップは約4年前から世界的にもプレゼンスを上げており、それに伴い〈ZHONG.TV〉はコンテンツ配信のみならず欧米の企業との共同キャンペーンや、中国人ラッパーの北米ツアーの手配なども行っている。

「例えば、マーベル・スタジオから『製作する映画で中国のヒップホップの曲を使いたいので、誰かラッパーを紹介してほしい』と言われたり。当然、それは中国向けのプロモーションが目的でもある。アメリカのオーディオ・メーカー、Beats by Dr. Dreが主催するイベントに中国からDJやラッパーを呼びたいというオファーもあったね。ちなみに、〈ZHONG.TV〉の本部はバンクーバーにあるけど、上海にも支部があるんだ。上海支部は中国本土のラッパーとのコネクションを保ちつつ、海外からのオファーの窓口になっている。そのオファーをクリエイティブな形に練り上げていくのがバンクーバーのオフィス。俺は3年前にまたバンクーバーに引っ越したから、今は本部で仕事をしているよ」(同)

 こうした中国人ラッパーの国外需要は今後も増していくとヤン氏は見ている。

「特に『TROC』以降、〈ZHONG.TV〉以外にも中国のラップを発信するプラットフォームが中国国内でも増え始めている。中国はヒップホップ新興国だけど、世界中のキッズから関心が集まっているのも事実。会社としては今後、北米だけでなくヨーロッパやオーストラリアでのマーケティングも視野に入れているね」(同)

 さて、『TROC』とは別枠で、アメリカを中心に圧倒的な知名度を誇る中国人ラップ・グループがいる。それが、ヤン氏も言及したHigher Brothersである。彼らをたびたび取り上げてきた音楽/カルチャー系ニュースサイト「FNMNL(フェノメナル)」を運営する和田哲郎氏は、その魅力についてこう語る。

「もともと四川省の成都で地道に活動していましたが、〈88rising〉に見いだされ、17年3月にYouTubeにアップしたMV『Made In China』が世界的にバズりました。同曲で彼らは、自分たちが身に着けているものが中国製であることを誇らしげにラップ。中国製=低品質というレッテルを剥がしつつ、現在の中国の影響力を見せつけました」

 この非常にシニカルかつユーモラスなリリックを、重低音の利いたトラップ・ビートに乗せるのが彼らのスタイルだ。

「なおかつメンバー4人のキャラクターが立っていて、マンガのキャラのようなコミカルさがある。それはいわゆるステレオタイプな中国人像でもあり、そのイメージを逆手に取って世界に大きなインパクトを与えたといえます」(和田氏)

 では、中国のヒップホップ・シーンが盛り上がることで、例えばアメリカのラッパーが中国市場に目を向け、中国ツアーを組むような動きはあるのだろうか?

「いや、それはないです。アメリカのラッパーには就労ビザが下りないですからね。ちなみに、韓流禁止令(16年に韓国がTHAADミサイルシステムの配備を決定したことに対する、中国の報復措置のひとつ)が出されて以降、韓国のラッパーも中国でライブはできません」(同)

 ともあれ、このHigher Brothersを筆頭に、ヤン氏も言う通り中国のヒップホップのプレゼンスが上がっているように見えるが、和田氏は楽観視はしていない。

「中国はアジア屈指のヒップホップ大国であることは間違いないですが、K-POPほどの独自性や強度がある楽曲はそう多くありません。トラップにしてもアメリカのトレンドをコピーしているものが多く、Higher Brothersはそこにキャラクター性というプラスαがあったから面白かった。ただ、スケールの大きなアーティストは登場しており、18年に〈88rising〉とサインしたR&Bシンガー/ラッパーのLexie Liu【6】(レクシー・リウ)などはグローバルに活躍できそうなポテンシャルを秘めています」(同)

 ここで主題からややそれるが、中国においてCDはもはや化石のようなもので、音楽ストリーミングサービスが日本よりはるかに普及しており、その市場は大企業Tencent(騰訊)の独占状態にある。そして、それを追い上げるNetEase(網易)が面白い動きを見せていると、日本の音楽業界関係者A氏はいう。

「Tencentが展開する2大アプリ、KuGou(酷狗)とQQ Music(QQ音楽)は合わせて2億1200万人の月間アクティブユーザー数を誇るのに対し、NetEase Cloud Music(網易雲音楽)は5280万人と大きく水をあけられています(19年3月時点)。しかし、Tencentがユーザー数の多さにあぐらをかく一方、NetEaseはオンラインゲーム『荒野行動』を国内外でヒットさせるなど勢いに乗っており、音楽ストリーミングでも特に若者を取り込もうと海外のヒップホップやダンスミュージックに目を向けています」

 その中でNetEaseは日本人アーティストにも注目し、エイベックスやユニバーサル ミュージック、日本コロムビアといった大手レコード会社とも包括契約を結んでいるのだ。

「例えば映画『君の名は。』が中国で大ヒットして以降、人気が急上昇しているRADWIMPSの場合、NetEase Cloud Music上のフォロワー数は45万人とかなりの集客力があります。そして日本人ラッパーを見ると、ANARCHYやJP THE WAVYらの曲が配信されているのですが、その中ではKOHHの約4万7000人というフォロワー数がダントツに多い。さすがにRADWIMPSと比べると見劣りしますが、あのカニエ・ウェストでも14万人なので、まったく悪い数字ではありません」

 また、日本ではほとんど報じられていないが、今年5月、KOHHと中国の大人気アイドルJustin(黄明昊/48ページ参照)がコラボした曲「MARIA」がNetEase Cloud Music限定で配信され、中国のデイリーチャートで2位を記録している。

「NetEaseが主催するKOHHの中国ツアーが計画されており、その前に中国でのKOHHの知名度を上げるべく同曲が制作されたようです」(同)

 ここまで見てきたように、中国のヒップホップ文化は禁止令後も一応は発展が望めそうだが、和田氏が指摘したように海外のラッパーの招聘という点ではある種の鎖国状態にある。しかしそれも、KOHHのような例が定着すれば、ライブ現場における海外のラッパーとの化学反応により、中国のヒップホップが独自進化する――。そんな日を心待ちにしたい。

(英語通訳/金田あい)

中国ヒップホップ動画を配信!――〈ZHONG.TV〉ってなんだ?

 台湾系カナダ人のスタンリー・ヤン氏によって2010年に設立されたYouTubeチャンネル。中国のヒップホップ・シーンをサポートすべく動画コンテンツを制作し、世界に向けて発信している。『The Rap of China』出場ラッパーのMVもキュレーションしており、チャンネル内でPG One、GAI、Jony J、Tizzy Tなど現在中国で人気を博しているほとんどラッパーのMVを閲覧できる。15年には、よりアンダーグラウンドな中国人ラッパーを発掘すべく、2ndチャンネル〈ZHONG.TV2〉を開設した。下は、バズったGAI「超社会」とPG One「中二病」のMVである。

――『The Rap of China』で大スターとなったラッパーから、アメリカで認められたグループまで。現在の中国ヒップホップ界で刮目すべきヤバいヤツらが、この6組だ!

不倫スキャンダルで炎上【1】PG One

 1994年生まれ。黒竜江省ハルビン市出身。日本のアニメのファンで、2017年に〈ZHONG.TV〉にアップされた「中二病」のMVでは『NARUTO-ナルト-』のほかさまざまなアニメの映像が(無断で?)使用され、自身も一部日本語で韻を踏んでいる。『The Rap of China』優勝後の不倫報道により、「ヒップホップ禁止令」を招いてしまった。

中国式トラップを生んだ【2】GAI

 1988年生まれ。四川省宜賓市出身。大学卒業後、重慶市でギャングスタ・ラップのクルーに加入すると共に、自主レーベルである〈GO$H!〉を設立した。トラップと中国の伝統音楽をミックスした「C-Trap」と呼ばれるジャンルを生み出したことで知られ、2015年に発表した「超社会」はアンダーグラウンド・シーンで高く評価されたのだった。

「Rolling Loud」に出演【3】Jony J

 1989年生まれ。福建省福州市出身。『The Rap of China』シーズン1では最終審査で敗れたが、中国での人気はPG OneやGAIを凌ぐほど。キャッチーなトラックと滑らかなラップ、そしてライブに定評あり。今年、米マイアミで行われ、ミーゴスやトラヴィス・スコットらが名を連ねた世界最大のヒップホップ・フェス「Rolling Loud」に出演。

北米ツアーも成功【4】Tizzy T

 1993年生まれ。広東省潮州市出身。2010年に中国南部のビートボックスコンテストで優勝し、16年に1stアルバムをリリース。そして、『The Rap of China』シーズン1のトップ6に残ったことにより、一躍スターとなった。18年には北米ツアーも成功させた。楽曲のスタイルも幅広く、次世代の万能ラッパー&プロデューサーになりつつある。

「Made In China」でブレイク【5】Higher Brothers

 四川省成都市出身の90年代生まれのラッパー4人によって結成されたグループ。2016年に〈88rising〉と契約し、翌年発表したMV「Made In China」で一気にブレイクした。ゴリゴリのトラップ・ビートと、中国人のアイデンティティを盛り込んだようなリリックを特徴とする。アメリカで初めて認められた中国本土のラッパーともいわれる。

気怠い歌とラップ【6】Lexie Liu

 1998年生まれ。湖南省長沙市出身。2015年に韓国のK-POPオーディション番組へ出場した経験がある。18年に『The Rap of China』シーズン2で4位入賞を果たしたのち、〈88rising〉と契約した。気怠げでメロディアスな歌とラップは、ワールドクラスの存在感を放つ。そのルックスにより、ファッション業界からも注目を集めている。

中国地下鉄がハロウィンメイク禁止令! 理由は「乗客に恐怖を引き起こすから」!?

 31日のハロウィンを目前に控えた先週末、東京・渋谷には仮装した若者たちが集結。渋谷駅前はパニック状態となった。

 中国でもここ数年、ハロウィンの仮装が若者たちの間で広まっており、テーマパークや遊園地などでも、ハロウィンイベントが行われている。

 ところが10月20日、広東省広州市で若者たちの楽しみに水を差す指令が地下鉄会社から出た。テーマパークがある地下鉄駅の構内に入る前に、ハロウィンのメイクを落とすよう指示が出たのである。

 中国では地下鉄の改札を通る前に保安検査がある。空港の手荷物検査と同様、持っているものをすべてX線検査機に通さないといけないのである。ここで怪しいものが見つかると、手荷物から出して保安官に見せなければならない。

 広州市の地下鉄会社によると、血糊などの仮装メイクが周りの乗客に恐怖を与えることを防ぐための処置だという。そのため、くだんの地下鉄駅では保安検査のスペースでメイクを落とす若者たちでごった返すことになった。

 この件がニュースで広まると、ネット上では「お祭りイベントのメイクなんだから、周りに恐怖を与えることなんてない」という意見と、「お年寄りや子どもはハロウィンなんて知らないから、この処置は妥当だ」という意見の2つに分かれた。

 いずれにしても中国では、地下鉄に乗るだけでも一苦労なようだ。

(文=佐久間賢三)

チュート徳井を中国ファンが擁護! ファン・ビンビン引き合いに「たった1億円で……」

 チュートリアル・徳井義実が東京国税局から所得隠しや申告漏れを指摘され、芸能活動休止に追い込まれた一件が、中華圏でも大きく報じられている。

「新浪新聞」(10月24日付)は、「徳井義実脱税事件に加藤浩次が憤慨」というタイトルで今回の事件について大きく取り上げている。記事では、脱税の経緯や記者会見の様子のほか、『スッキリ』(日本テレビ系 )で司会を務める加藤浩次が今回の事件について、番組中に厳しい口調で反省を促したことなども伝えている。

 中国では日本のバラエティ番組などが動画サイトに違法アップロードされることが多く、特に徳井が出演している『しゃべくり007』(同)は、若者を中心に人気となっている。そのため、中国版Twitter「微博」には「徳井さん、とてもカッコよくて好きな芸人さんです。もう『しゃべくり』にも出演しないの?」「税理士もいたのに、ずっと無申告だったなんて信じられない」「すでに納税しているなら、こんな責めないでほしい」など、多くのコメントが寄せられている。

 一方で「たった600万元(約1億円)程度の脱税なら全然問題ない。俺たちのファン・ビンビンなんて8億8,400万元(約147億円)だぞ!」「ファン・ビンビン、見ているか? 日本では600万元の脱税でこうなるんだぞ」「数億円程度の収入で高額所得者としてこんなに注目されるなんてかわいそうだ。中国の芸能人と比べると、ゼロの数が2つほど足りない」など、昨年中国の芸能界を震撼させたファン・ビンビン脱税事件と比較し、徳井を擁護するネットユーザーの声もある。

 今後の芸能活動については不透明な状況となってしまった徳井だが、世論が脱税に寛容な中国ならば、第2のキャリアをスタートできるかも!?

(文=青山大樹)

世界第2位の映画大国に自由はない! 突如公安が乗り込んできて検閲! 中国映画1兆円市場・真の良作

――映画の本場アメリカに迫る勢いで世界随一の映画大国になりつつある中国。しかし、そこには政府による「検閲」という他国にはない事情が横たわっている。この検閲をくぐり抜けるべく、かつて若手映画人たちは死闘を繰り広げていたが……。

 2018年、中国における映画の興行収入は609億元(約9700億円)を記録した。12年には、日本と同程度の2000億円強という市場規模だったものの、わずか6年でその規模は5倍近くに急拡大。世界最大の映画大国である北米の1兆2000億円を抜き去るのも時間の問題とみられている。

 そんな映画大国に成長した中国の映画産業において、いまだ大きな壁として横たわっているのが「検閲」という制度。グーグルやフェイスブック、ツイッターといったサイトへのアクセスを遮断しているインターネット上の検閲は有名だが、映画においても、検閲によって暴力描写や同性愛描写、そして天安門やチベットをはじめとする政治問題などを描くことは徹底的に禁止されている。

 いったい、中国における映画検閲とはどのような仕組みになっているのだろうか? そして、映画関係者は、どのようにして厳しい検閲をくぐり抜けているのだろうか?

 検閲に触れる前に、まずは、中国映画産業の現状について確認してみよう。

 かつては中国の庶民にとって贅沢な娯楽であった映画鑑賞だが、近年の急速な経済成長に伴う生活水準の向上によって、観客の数も爆発的に増加。特に、ここ数年は全国あちこちにシネコンが建設され、スクリーン数は中国全土で6万にまで膨れ上がっている。この数字は、アメリカの4万スクリーンを抜き去り世界一。このような同国の「映画バブル」はすでに、日本でも話題となっている。作品別の興行収入では、1位を獲得した中国映画『オペレーション:レッド・シー』は36・5億元(約589億円)、外国映画でも『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が23・9億元(約386億円)『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が16・9億元(約273億円)というまさにケタ違いの興行成績をあげており、このうち、中国国外の映画会社に対しては興収の25%を分配する取り決めが行われている。

 そんな爆買いならぬ「爆見」状態の中国の映画市場に対して、ハリウッドの映画関係者は熱視線を注いでいる。近年製作された映画のうち少なくない作品が中国市場に食い込むために、さまざまな方法を駆使しているのだ。『映画は中国を目指す─中国映像ビジネス最前線─』(洋泉社)などの著書がある北海学園大学教授・中根研一氏は中国映画に対するハリウッドの姿勢を次のように解説する。

「以前はハリウッド映画において、中国人俳優は端役程度の存在として起用されることが多かったのですが、近年は、ストーリーにしっかり絡んだ役柄で登場することが増えていますね。16年1月に中国企業、大連万達グループに買収されたレジェンダリー・ピクチャーズが制作を手がけた『パシフィック・リム:アップライジング』ではジン・ティエン、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ではチャン・ツィイーといった中国人女優が作品の中でも重要なキャラクターを演じ、中国の観客に対してアピールをしているほか、マーベル・シネマティック・ユニバースでは、初のアジア系スーパーヒーローを主人公とする『シャン・チー』を準備しています。ハリウッドの中にある出演者の民族的多様性を重視する流れにも後押しされ、主要登場人物としての中国人俳優の起用がかつてよりも明らかに多くなっていますね。

 また、作品の内容だけでなく、中国国内で展開されるプロモーション活動も、以前に増して活発化しています。19年だけでも、『デッドプール2』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』、『Xメン/ダーク・フェニックス』といった大作映画の監督やキャストが映画の公開前に訪中し、サービス過剰なほどさまざまな話題作りのイベントに積極的に参加。また、昨年大ヒットを記録した『アクアマン』や、今年公開の『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』などは、本国よりも早い封切り日を設定しています」

 しかし、中国市場に参入しようともくろむ外国映画の前に立ちはだかるのが、中国政府が設定する「映画輸入制限」という制度。中国では、年間に上映される外国映画の本数が当局によって決められており、18年に公開されたのはわずか40本。10年代を通じてその数は徐々に拡大傾向にあるものの、他国に比較すると、ほとんどその門戸は開かれていない。

 また、この映画輸入制限本数については政治的な状況にも大きく左右され、近年の規制緩和の流れがいつ途絶えるかは定かではない。

「日中間が領土問題に揺れた13~14年には、日本映画が公開されませんでした。また、16年、韓国がTHAADミサイル配備を決定すると、中国政府は韓国文化の輸入規制を実施し、ドラマや映画の放送・上映ができなった過去もあります。現在、輸入制限は規制緩和の方向に動いていますが、今後、政府間の関係が緊張すれば特定の国の映画を輸入規制によって排除するといった対策をとることも十分にあり得るでしょう」(前出・中根氏)

 日本やアメリカのような国家とは異なり、伸長する中国映画市場の背景には、国家の思惑が強く影響する。トランプと習近平が繰り広げる貿易戦争を、映画関係者はヒヤヒヤした目で見つめているのだ。

 そんな「政府の思惑」が、輸入規制以上にダイレクトに反映されるのが検閲制度だ。

 中国では、すべての映画に対して検閲が義務付けられており、「暴力描写」「同性愛描写」「オカルト表現」「公序良俗に反する描写」「政治的にデリケートな問題」といった項目で問題があると見なされると、削除や修正指示が出され、従わなければ制作や上映は許可されない。中国国内で製作された映画はもちろん、中国国内で上映される外国映画も検閲の対象となっており、昨年世界的な大ヒットを記録した『ボヘミアン・ラプソディ』は公開こそされたものの、同性愛についての描写がすべてカットされてしまった。同様に、数々の映画が検閲によって上映禁止や修正処理という苦汁をなめてきたのだ(※コラム参照)。

 東京フィルメックスのディレクターであり、中国の映画祭でもコンペティション審査員を務めている市山尚三氏は、中国の検閲事情を次のように語る。

「中国では、検閲の基準が明文化されておらず、上映禁止になったとしても『技術的な問題』としか発表されません。おそらく、内部では基準があるはずですが、一般には公開されていないんです。その結果、検閲の基準は、検閲委員会に集められた審査員によって、あるいは検閲を受ける都市によってもまちまちという状況になっています。

 今年のカンヌ国際映画祭に出品されたディアオ・イーナン監督『ザ・ワイルド・グース・レイク』の劇中には、バイクに乗っているキャラクターの首がヘルメットごと吹き飛ぶという残酷描写がありました。日本ならばR指定を免れないそんな描写が含まれているにもかかわらず、中国では検閲を通過している。おそらく、この映画を担当した検閲委員会の基準が緩かったのでしょうね」

 そして昨年、そんな検閲制度をめぐって、大きな変更があった。これまで、国家新聞出版広電総局に属していた検閲を担当する部署「国家映画局」が、共産党中央宣伝部の管轄下へと移行したのだ。この制度改変によって割を食ったといわれるのが、『HERO』や『LOVERS』『初恋のきた道』といった作品で知られる中国映画の巨匠チャン・イーモウ。今年のベルリン国際映画祭で、その事件は勃発した。

「これまでの検閲は、映画界の実情を知っている人間が窓口を担当していたため、『カンヌに出品することが決まったので、早く委員会を招集して検閲を行ってほしい』といった融通は利いていた。しかし、共産党宣伝部が窓口になることで、そんな融通すらも難しくなってきているようです。

 今年5月、チャン・イーモウの作品『ワン・セカンド』がベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品される予定だったものの、直前になって“技術的な問題”から、上映が取りやめになったと発表されました。チャン・イーモウはこれまで、文化大革命を扱った『活きる』が許可を得る前にカンヌ映画祭で上映されたため、その後の国内での公開が禁止されてしまうなど検閲によって辛酸をなめてきた人物。検閲制度の事情は知悉しているはず。そんな彼の作品も、新たな検閲制度を前に、上映中止という事態に陥ってしまったんです。

 ただ、検閲そのものの基準が変更されたのかについては、まだ定かではありません。今後、どのような作品が出てくるかによって、現在の基準が明らかになってくるのではないかと思います」

 インターネット上の検閲に目を移せば、中国国内での規制は年々厳しくなっており、これまで抜け道となっていたVPNの使用も危ぶまれている。今後、共産党政権が映画産業に対してもこれまで以上に強い規制をかけていくという流れは十分に考えられるだろう。

 では、中国の映画作家たちは、そんな検閲に対抗するために、どのような手段を取っているのだろうか?

 90年代以降、中国では「独立電影」と呼ばれるインディーズ映画が製作されてきた。検閲を受けない代わりに、中国国内の映画館における上映を諦め、自主的な上映会や、国外の映画祭への出品といった方法に活路を見いだしてきたこのシーンは、デジタル機器の発達も相まって、00年代以降急速に盛り上がっていった。ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得したジャ・ジャンクーや、天安門事件を描いた『天安門、恋人たち』を未検閲のままカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品したことから5年間の活動禁止処分を受けたロウ・イエ、これまでカメラが入ったことのない中国の精神病院内部を映した『収容病棟』などで知られるワン・ビンなど、国際的な映画祭で活躍する監督たちもこのシーンの出身だ。

 しかし、シーンが盛り上がりを見せるにつれて、当局は独立電影に対しても厳しい目を向けるようになる。特に、その弾圧が強まっていったのが、11~12年にかけて。北京インディペンデント映画祭は開催前日に当局によって中止を言い渡された。また、別の映画祭では突如公安が乗り込んできて検閲を要求したり、映画祭を中止にする代わりに会場となる地域一帯を停電にするといった、他国では考えられない妨害を繰り返した。

 そんな当局による執拗な圧力が成功したのか、ここ数年、独立電影シーンの存在感は徐々に薄れつつあるという。また、独立電影が下火になった一因として前出・市山氏は、「当局の圧力だけではなく、中国映画のバブル的な状況も関係があるのではないか」と指摘する。

「近年の映画バブル的な状況は、独立電影の作家たちをも変えつつあります。資金があふれている中国では、無名の作品であっても制作資金を集めやすい環境になっており、1億円の製作費を集めることも可能です。また、乱立するネット配信企業がコンテンツを探しているため、配信契約を結べば最低3000万円を保証するといった条件が提示されることも珍しくない。ただ、出資を受けるためには検閲を通して一般公開をすることによって資金を回収するのが条件となります。そんな状況が、独立電影の映画監督たちに検閲から自由になるために無理して自己資金で映画を製作するよりも、検閲を受ける代わりに資金的な自由を獲得してクオリティの高い映画づくりを優先させる流れを生んでいるのではないか。映画をめぐる環境の変化も、独立電影が勢いをなくしていった一因でしょうね」

 検閲に対抗するのではなく、あえて体制の監視下に入って映画づくりを行う道を選んでいる中国の若手映画監督たち。では、今後、中国において体制に抵抗するような作品はますます生まれにくくなってしまうのだろうか? そんな疑問に対して、前出の中根氏は、こんな兆候に一筋の光明を見いだす。

「近年、商業映画の中でも、これまで描くことがタブーとされてきた中越戦争(79年に勃発した中国とベトナムの戦争。事実上、中国軍の敗退)を描いた『芳華―Youth―』や、コメディながら実際の事件をモチーフにして中国国内における高額薬の問題を描いた『ニセ薬じゃない!』といった社会派の作品も検閲を通過し、興行的にもヒットしています。目の肥えてきた観客がこのような作品を求め、積極的に評価するようになれば、今後も骨太なテーマを持つ作品が上映されていくのではないでしょうか」

 とはいえ、検閲の枠組み内で活動する以上、天安門事件やチベット問題など、国家の根幹を揺るがす事件をテーマとした作品を制作することは絶対に不可能であり、同性愛を直接的に描くことも現状では難しいだろう。

 不明瞭な基準による検閲制度のもとで、拡大の一途をたどる中国の映画産業。これを支配する中国政府の意向が、全世界の映画産業に大きな影響を及ぼしていくのも時間の問題だ。

NBA、やっぱり中国に忖度? ”チャイナショック”に関するCNN記者の質問を司会者がガン無視!

 米バスケットボール、ヒューストン・ロケッツのダリル・モーリーGMが自身のTwitter上で香港デモ支持を表明したことに端を発する「NBA VS 中国」の言論の自由をめぐる戦いだが、NBAはすでに中国の軍門に下ったようだ。

 日本ではまったく報道されていなかったが、10月8日・10日にさいたまスーパーアリーナで行われたロケッツとトロント・ラプターズとのプレシーズンマッチ「NBA JAPAN GAMES 2019 Presented by Rakuten」において、両チームの監督や所属選手が中国に忖度するような場面があったのだ。

 モーリーGMの発言後、中国のバスケットボール協会は提携していたロケッツとの関係解消を発表。NBAシーズン前であるこの時期に予定していた一部の関連イベントは中止に追い込まれた。また、NBAの試合のネットでの配信権を持つテンセントは、10月13日までの約10日間、配信を中止。NBAのスポンサー25社のうち、10社を超える会社が提携解消または一時停止を表明していた。その損失額は40億ドル(約4,300億円)ともいわれている。

 そんな中、渦中のロケッツはプレシーズンマッチのために日本を訪れていた。NBAチームによる日本での試合が16年ぶりということで、NBAトップのアダム・シルバーコミッショナーもこれに同行していた。

 初日の記者会見には、中国とのトラブルが激化してから初めての公式会見とあって、日本メディアだけでなく米メディアの記者も殺到し、NBAを見舞った”チャイナショック”についての質問が相次いだ。これに、シルバーコミッショナーは「(モーリーGMには)表現の自由があり、NBAは言論の自由を保障する」とキッパリと答えていた。

 ところが、チームや選手は中国の威光に萎縮しているようだ。2日目の10日、試合後に行われた記者会見に出席した日本人記者が明かす。

「会見では、CNNインターナショナルの女性記者がロケッツのマイク・ダントーニ監督に、中国とのトラブルについて質問したんです。監督は『政治のことは専門ではないし、わからない。バスケについてなら答えられるが』とお茶を濁しました。続いて行われたラプターズの監督会見でも、同じ女性記者が質問しようと手を挙げているのに、司会者が無視し続けていて奇妙な雰囲気になり始めた。さらにその後、ロケッツのスター選手であるジェームズ・ハーデンとラッセル・ウェストブルックが会見した際に、同じ女性記者が再び同様の質問をしようとしたら、最初は司会者から無視されていて、最後にようやく当てられたのですが、なんと質問の途中でチームの広報担当に遮られたんです。コミッショナーの『言論の自由宣言』は一体なんだったのか」

 NBAが中国に忖度したかのようなこのやりとりは、直後にTwitterなどSNSで拡散。批判が殺到したことから、NBAが女性記者に謝罪することとなった。

 中国ではバスケットボールの人気が非常に高く、NBAのファンは、コア層が1.4億人、ライト層が4.8億人いるとされている。それだけに、NBAは中国からのプレッシャーに屈しやすい状況にはなっている。中でもロケッツは中国バスケットボール協会のトップであり、中国の超人気スポーツ選手だったヤオ・ミンが所属していたチーム。これまで積極的に中国ビジネスを行っていただけに、余計に中国に忖度せざるを得ないのだろう。

 また、各選手の立ち位置が分かれている。NBAのスター選手であるレブロン・ジェームズはTwitter上で「モーリーGMは中国を理解していない」とツイートし大炎上 。また、8日の会見に出席していたロケッツのハーデンやウェストブルックは過去に中国を訪れていて、特にウェストブルックは会見にチャイナ服を着て登場するなど、発言こそなかったものの、明らかな親中の意思表示をしていた。

 NBAのトップ選手ともなれば、引退後に中国のプロリーグでコーチや監督となってもうひと財産――というセカンドキャリアも選択肢にあるだろう。今ヘタに中国から目をつけられることは、将来を考えれば得策ではないかもしれない。

 ちなみにシルバーコミッショナーは中国側からモーリーGMの解任を求められたとも明かしたものの、中国外交部がこれを否定している。

 ただ、巨大な損失を被るくらいなら、適当な理由つけてモーリーGMを更迭したほうがいいという計算が働くのも自然だろう。NBAは、中国市場という巨大な圧力に、いつまで抵抗できるのだろうか?

生後5日の女児に“初潮”!? 「性早熟症」を引き起こす意外な食材とは?

 

 5歳7カ月という世界最年少で子どもを出産したペルー人女性、リナ・メディナ(86)の存在は世界的にも有名だ。彼女は生後8カ月で初潮を迎えたというが、この初潮記録をさらに大きく更新したのではないかとして、中国で今、ある女児が話題となっている。

「星洲網」(10月5日付)が報じたところによると、先日、浙江省の病院に生後5日の女児が連れてこられた。母親によると膣から出血があり、何か病気ではないかと心配になったのだという。

 検査の結果、女児の出血は“新生児月経”であると判明。これは、妊娠後期に母親の女性ホルモンが胎盤を通じ子どもに吸収されることで、月経と同じ現象が生後数日の女児に表れる現象なのだという。健康への支障は特になく、新生児には時折見られる症状だとしている。今回の女児の場合、症状は数日で収まるという。

 女児の出血が初潮だったことは医師によって否定されたものの、この一件が中国で、大きな話題となったのには理由がある。近年、中国では食事などが原因による性早熟症という現象が子どもたちを襲い、10代になるのを待たずして正真正銘の初潮を迎えた女児の例も報告されているのだ。

 中国健康促進協会が発表したデータによると、現在中国には低年齢で第二次性徴が見られる性早熟症の子どもが53万人いる。特に都市部で多く報告されている性早熟症は、意外な食品が原因のようだ。これまで報告されているケースでは、ホルモン促進剤を多量に使用した牛や豚などの肉類や、ホルモン剤が混入した粉ミルクなどの存在が挙げられてきた。

 中国メディアでは、性早熟症を引き起こす意外な食品についても報じており、高級中華食材として知られる「燕の巣」のほか、「ドリアン」「果汁入りジュース」「ロイヤルゼリー」などの食品を挙げているのだ。果汁入りジュースがなぜ? とも思えるが、中国では野菜や果物に成長促進剤を与えて栽培することが珍しくないため、こうした残留成分を子どもが摂取してしまうことも多いのだという。

 ちなみに中国では昨年、1歳半の女児の胸が大きく発達したことが話題となった。これも、成長剤入りの野菜を食べて女性ホルモンが過剰に分泌されたことが原因だったとされている。

 こうした事情から、ネット上では冒頭の一件についても医師の診断を信じず、「中国人女児が初潮年齢の世界記録樹立」「我が国の食品汚染は末期的だ」などといった書き込みがあふれた。

 食生活のかなりの部分を中国産食品に頼らざるを得ないわれわれ日本人にとっても、他人事ではなかろう。

(文=青山大樹)

「即位の礼」が中国でもトレンド入り! 注目はやっぱり佳子さま「美しすぎて恐怖を覚える」

 天皇陛下の即位を国内外に知らしめる儀式「即位の礼」が22日に執り行われ、世界約180カ国の国家元首や王族らが参列した。中国は王岐山国家副主席を派遣したが、この件は中国国内でも大きく報じられ、中国版Twitter「微博」では「天皇即位」などのキーワードがトレンド入りし、2億人以上にニュースが読まれるなど、注目の高さを物語っている。

「日本の伝統を感じる」「中国ではテレビドラマの中でしか見られない」「5,000年の歴史を持つ中国は、伝統文化をとっくに失ってしまった」といったうらやむ声がある一方、「やっぱり、天皇の衣装は唐時代のものによく似ている」「天皇制が唐朝から輸入されたものである以上、今も中国は日本の宗主国だ」といった、中国と皇室の関係を力説する意見もあった。

 一方、十二単姿の女性皇族についても大きな反響が寄せられている。中国大手メディア・捜狐新聞では、「美しい日本のプリンセス」というタイトルで今回の即位式を報じ、特に中国でも人気の高い佳子内親王については、「紫とオレンジを基調にした佳子さまの十二単はとても美しく、外見も気品も素晴らしいものだった」と伝えている。SNS上には 「佳子公主、本当に美しい。まるで女優のようだ」「日中関係がさらに良くなれば、佳子公主が来中する時代も来るかもしれない」「美しすぎて恐怖を覚える」などのコメントが寄せられ、佳子さまへの熱い思いが語られている。

 海外各国との交流を重視する皇室に、中国人も大きな期待を寄せていることは間違いないようだ。

(文=青山大樹)

中国で前年比2倍を記録する「次なるバブル」2.5次元ミュージカルに13億人が熱視線!

「バブル」と言われ、右肩上がりのグラフを描いている中国の映画業界。もちろん、映画に限らず、成長著しい中国には世界各国のエンターテインメントが続々と輸入されている。なかでも近年では、ミュージカルの勢いが止まらない。

 他国に比較してまだミュージカルの観劇人口は少ないものの、2017年には前年比2倍となる3.5億元(約58億円)の興行収入を記録。まだまだ伸びしろのあるオイシイ市場を開拓しようと、17年から、劇団四季ではオリジナルミュージカル『魔法をすてたマジョリン』や『人間になりたがった猫』を中国の企業にライセンス販売し、中国事業に本格進出を遂げた。

 また、オタク女子を中心に爆発的な人気を誇っている2.5次元ミュージカルも中国に進出。日本のマンガ人気を背景に、2015年以降、『テニスの王子様』『刀剣乱舞』『黒執事』『美少女戦士セーラームーン』といった作品の数々が輸出されており、17年からは、2.5次元ミュージカルの中国公演用劇場として上海にある「虹橋芸術センター」を使用。現地のファンのみならず、わざわざ日本から足を運ぶ腐女子たちも多い。

 だが、映画と同様、もちろん演劇も検閲制度と無関係ではなく、事前に脚本とビデオの提出を求められるほか、公演中に突然検閲官が劇場を訪れて違反がないかを確認する。

 日本のミュージカル作品ではまだ検閲問題は表面化していないが、同性愛をテーマとしたブロードウェイミュージカル『スリル・ミー』の上海公演では、作品のキモとなる男同士のキスシーンはカットされた。また、昨年には、ドイツを代表する劇団「シャウビューネ」による環境問題をテーマとした演劇公演が検閲によって上演中止の事態に陥ってしまった……。

 映画に限らず、中国でカルチャービジネスを円滑に進めていくためには、検閲制度に対しても十分な理解が必要になるのだ。

――外国映画にも容赦なく適応される中国当局による検閲制度。では、どのような作品たちが検閲の壁に阻まれたのだろうか? ここでは、検閲によって修正や上映禁止の憂き目にあった外国作品を紹介しよう。

同性愛シーンは全カット!

【1】『ボヘミアン・ラプソディ』
フレディ・マーキュリーを主人公にし、日本国内だけで127億円、全世界で9億ドルの興行収入を叩き出した『ボヘミアン・ラプソディ』は、中国でも2019年に公開。しかし、1997年まで同性愛が犯罪とされ、現在も根深い差別意識が残っている中国では、男同士のキスシーンや、フレディが婚約者に自らのセクシャリティをカミングアウトするシーンなど、同性愛に関わる描写はすべてカットされている。また、性的過ぎるからか、フレディの股間がクローズアップされるシーンも削除されてしまった……。

 

中国に媚びても効果なし!!

【2】『ゴーストバスターズ』
80年代に大ヒットした映画『ゴーストバスターズ』のリブート版。ニューヨークのチャイニーズレストラン2階に事務所を構えているという設定や、メンバーのひとりがワンタンスープが大好きといった中国の観客に対するサービスが随所に盛り込まれていたものの、検閲によって公開はNGに……。中国では現代を舞台にした映画において迷信やオカルトを描くことは認められず、そもそも80年代に公開された初代『ゴーストバスターズ』もなじみが薄いことなどが、検閲を通過できなかった理由といわれている。

 

国家主席が大激怒!?

【3】『プーと大人になった僕』
ユアン・マクレガー主演による「くまのプーさん」の実写版となるこの作品も、中国では公開されなかった。実は、この理由、「習近平とプーさんが似ているから」と囁かれている……。13年、当時のオバマ大統領と習近平国家主席が歩く様子が、プーさんとティガーが並んで歩く様子に似ているというネタ画像が投稿され、中国国内で大ブームに。以降、中国ではプーさんが政治的反抗の象徴となり、SNS上でも、プーさんの画像投稿は禁止されているのだ。もちろん、作品内に検閲に抵触しそうな描写は一切ない。

 

1度はOKだったのに……

【4】『進撃の巨人 紅蓮の弓矢』
中国の動画サイトで4億回以上の再生回数を誇る人気作品『進撃の巨人』。この劇場版となる『紅蓮の弓矢』は、2015年の上海国際映画祭「日本映画週間」での上映が予定されていたものの、前日に急遽上映中止が言い渡された。事前検閲こそ通過していたものの、映画祭直前に中国文化省が同作を含む日本のアニメ38作品を「未成年者の犯罪や暴力、ポルノ、テロ活動を煽る内容が含まれる」としてインターネットでの配信を禁止。映画の上映も、この煽りを受けてしまったようだ……。(サイゾー8月号『中韓(禁)エンタメ大全』より)

「中国サッカーの故郷」で政治や差別に翻弄される少数民族…“朝鮮族”をつなぐサッカー文化

――政府からのトップダウンで強化を推し進めている中国サッカー。多額の金を投入し世界中から強力選手を買いあさるその裏には、「中国サッカーの故郷」と呼ばれる土地に住む少数民族たちの奮闘があった。

 金満主義が染みついた中国プロサッカー界にも「清浄地域」は存在する。資金難に苦しみながらも成績に恋々とせず、フェアプレーを徹底し中国サッカーファンに新鮮な衝撃を与えた「延辺富徳FC」がそのひとつだ。中国北東部、朝鮮半島と接する延辺朝鮮族自治州をホームとし今年の2月まであったそのチームは、その構成メンバーのほぼ全員がコリアン系中国人である『朝鮮族』の選手で構成されていた。また延辺とは中国国内で、公式的に朝鮮族住民による「民族自治」が行われている地域。日本統治時代の旧満州では「間島」と呼ばれており、近代以降の日本とも密接なかかわりを持つ地域でもある。そこに根差した朝鮮族サッカーチームの活躍は、中国における少数民族の多様性を国内にアピールすると同時に、同国サッカーのあり方に大きな影響を与えてきた。

中国サッカー界では「サッカーの故郷」と呼ばれる地域

 1910年の日韓併合前後に満州に移住し始めた朝鮮人移民は、現在の広州市や深セン市がある中国東南部の広東地域の住民と共に、大陸で最も早く近代サッカーを経験した集団となった。サッカーの流入と普及が早かった地域だけに、この両地域はサッカー中国代表に最も多くの選手を送るほどに。中国サッカー界では、「サッカーの故郷」と呼ぶほどなのだ。

 日本帝国統治下の在満朝鮮人社会においてサッカーは、村・学校・地域の行事として発展し、民族的なイベントへと昇華していった。そして新中国の樹立後も、延辺自治州で誕生したチームが、吉林省を代表して全国大会で次々と好成績を収めていき、65年には全国サッカーリーグトップレベルの「甲級連盟戦」で初優勝を果たした。ところが、その翌年から文化大革命が本格化。中国体育界では、サッカーはもとより全てのスポーツが、ほとんど“オールストップ”する事態を迎えることになる。

 文化大革命終了後の78年、鄧小平の改革開放宣言をきっかけとして、スポーツにおける対外交流が活発化していく。
 92年には中国サッカー協会が北京・紅山口で会議を開き、プロサッカーリーグの発足を公式に計画。2年の準備過程を経て、日本でJリーグが発足してから約1年後の94年、中国プロサッカーリーグ(1部の甲Aリーグと2部の甲Bリーグ)がスタートする。

 延辺朝鮮族自治州のサッカーチームも、中国プロサッカーリーグの発足メンバーとして、甲Aリーグに参加するようになった。今やグローバル企業として成長した、韓国・サムスンやヒュンダイグループが初期スポンサーとなり、中国市場で徐々に知名度を高めていく。97年には元韓国代表監督・崔殷澤の指揮の下、リーグ4位という好成績を収め、朝鮮族社会を熱狂の渦に巻き込んだ。このように、92年の中韓国交正常化以降、韓国社会とのつながりも、プロサッカーを通じて現れるようになる。

 しかしプロリーグの進展と共に、マジョリティである漢族でさえあり得ないと思うような、「黒いホイッスル」と呼ばれる露骨な辺境少数民族チームへの差別的な判定が相次ぎ、2000年には2部リーグへの降格を余儀なくされる。さらに1軍チームが浙江省の杭州緑城FCに売却されるなど、朝鮮族ファンの心に忘れられない傷を残す事態が続く。その後、ユースやリザーブ選手らによってチームは再編されたが、01年から14年まで、3部と2部リーグを転々とする歳月が続いた。いわば“暗黒期”と今でも呼ばれる時期が続くことになるのだが、それでもファンたちはチームを見放さなかった。

 転機となったのは15年シーズン。元韓国代表のヘッドコーチを務めていた朴泰夏監督の就任が、そのきっかけとなる。同シーズンに延辺富徳FCは、圧倒的な強さを見せ2部リーグで王座を奪還。悲願だったスーパーリーグ昇格を達成した。朝鮮族社会は、再び胸が沸き立つ瞬間を迎えたわけだ。今やグローバル化の進展により、人口183万人のうち大半が韓国、日本、欧米国家に分散している朝鮮族の人々は、WeChatなどSNSのグループチャットを通じて連絡網を築き、一丸となって故郷のチームを応援する文化を広めている。

 また延辺のスーパーリーグへの昇格を陰から支えたのは、15年度からメインスポンサーとなった、中国屈指の保険会社「富徳生命人寿保険」による投資も無視できない。長年にわたって、資金の調達に苦しんでいた延辺のために、吉林省のトップポストの党書記が直接、広東省の企業である富徳グループに連絡したのだ。実はサッカーの国際レベル化を強く進める習近平政権発足以降、中国の財界に対してはサッカーの発展にある程度の貢献が求められる雰囲気があり、このパートナーシップも電撃的に実現したのだ。

 こうしてスーパーリーグ初年度は、スポンサーから約40億円の予算を獲得。総合順位9位という無難な成績でシーズンを終了した。他のチームに対して目立つ動きではないが、朝鮮族中心のチームの中で文化理解とコミュニケーションに全く差し支えのない、3人の韓国代表出身の選手をチームに迎え入れたのが功を奏した。しかし、延辺サッカーをめぐる好調の波は長続きしない。政治問題で富徳グループのオーナーである張峻が「失踪」したといううわさがたち、その後16年末には既成事実となる。その結果17年度から予算が大幅に削減され、チームも降格圏を脱出することが叶わなかった。

 ただ、2部リーグの優勝から再びのスーパーリーグ降格までの3年間は、チームにとって、また朝鮮族社会にとっても大きな影響を与えた年月となった。故郷を離れている朝鮮族は、週末に居住地の地元の飲食店に集まり、酒を酌み交わしながら、愛する地元チームをあらん限りの声で応援した。本来であれば、一生会わないかもしれない同郷の人々が、サッカーを通じて北京やソウル、東京、ニューヨークなど移民先の都市で互いに知り合うことになった。そこで新しいネットワークが次々と構築されたのだ。オンライン空間では、サッカーをはじめ、民族共同体への懸念や政治、経済など多方面にわたる議論が活発に交わされる。政治的な主張が公式的にはもはや不可能な中国社会の中で、サッカー文化が新たな自己を表現したり、多様な言説を生む有効な「媒体」となっていたのだ。

 さて、そんな朝鮮族の人々の期待の星であり、民族的団結の中心でもあった「延辺富徳FC」は19年2月、スポンサーの巨額の税金滞納を理由に、自治州政府から急遽チームを解散させられることになった。公式的には、クラブが払うべき選手たちの所得税の未納問題が取り上げられているが、地方政府の権限でチームを温存させる可能性は充分に残っていたし、「なぜ解散までしなければならなかったのか」と不可解に思うファンは少なくない。サッカーが少数民族である朝鮮族のアイデンティティーを鼓舞するという政治的理由から解散が強行されたといううわさもあるが、本当の理由は謎のままだ。

 チーム解体と共に、他のクラブに移籍した地元選手や、延辺から北京国安、広州恒大などビッククラブに移籍し、中国代表にも選ばれている朝鮮族選手(現在4人)たちは試合を楽しむ人たちに新たな希望を生んでいる。そして朝鮮族自治州のサッカー協会はこの間、3部リーグチームの再整備を宣言。地元チームの再建を望む人々は、海外団体と共に連携を図り、国内外で人脈や資本を集めている。代表的なのは5月中旬、日本人コーチの派遣や日本システムによるユース育成の強化を考案し、J1・湘南ベルマーレの関係者と延辺を訪問した在日朝鮮族サッカー協会の事例を挙げることができる。

 少数民族チームの栄光と解散。しかし、朝鮮族のサッカーストーリーは終わっていない。文化資本として定着したサッカー文化を捨てることは共同体の解体であるという考え方が、広く共有されているからではないだろうか。サッカーが紡ぐ民族の歴史が、中国のサッカー史の中にもあるのだ。(サイゾー8月号『中韓(禁)エンタメ大全』より)

洪 龍日(Yongil HONG)
1984年中国東北部延辺生まれ。2009年来日。東京大学大学院総合文化研究科・博士課程に在学。大学院ではスポーツ社会学、文化人類学、政治学を専攻している。日本国内問題と国際的なイシューを交えた移民問題、コミュニティ研究、地域社会論などを研究テーマとしている。在日朝鮮族サッカー協会の実務にも従事。

最期の瞬間をカメラが目撃! 遊覧飛行の気球が急上昇し、乗客の親子が転落死 

  中国では今月1日、建国記念にあたる国慶節を迎え、1週間の大型連休となった。これに伴い、中国国内や海外の観光地は、多くの中国人観光客でにぎわいを見せていた。その一方で、悲惨な事故も起きてしまった。

「捜狐新聞」(10月6日付)によると、山東省煙台市で気球の遊覧飛行に参加していた母親(31)と息子(3)が死亡する事故が発生したという。

 親子が乗った気球は、簡易的に取り付けられた椅子に乗客を座らせ、安全ベルトを締めた状態で離陸。ワイヤーロープが届く高度で低空遊覧を行うこととなっていた。ところが、そのワイヤーロープが切れていたため、気球は2人を乗せたまま上昇を続け、上空で爆発したのだ。

 現場に居合わせた人がスマートフォンのカメラで撮影した事故の映像には、気球が突如として糸の切れた凧のように急上昇し、やがて白い煙を上げる様子が捉えられている。2人は気球から投げ出され、地上に落下して死亡したとみられている。

 気球遊覧は人気アトラクションということもあり、この連休期間中、多くの人が訪れていた。地元当局は現在、運営会社の関係者に事情聴取を行っているという。なぜ気球と地上をつないでいたワイヤーロープが外れたのかについては不明だが、安全管理に不備があったとみられている。

 中国では今年5月の大型連休にも、四川省成都市の遊園地に設置された巨大滑り台で事故が発生し、大人2名が死亡、子ども12名が重軽傷を負うという出来事があったばかりだった。

 乗っていた気球が上昇、爆発し落下するなど、死亡した親子にとって想像を絶する恐怖であったことは言うまでもない。再発防止のためにも、責任の所在と事故原因については、しっかりと解明されるべきだ。

(文=青山大樹)