小説から始まり、映画、ゲームまで…世界的人気を誇る新金脈! 急速に広がる“中国SF”の世界

――翻訳物として初めて世界的なSFの賞であるヒューゴー賞を受賞した「三体」をはじめ、もはや世界的に評価されるようになった中国SF。さらには映画やゲームのジャンルに至るまで活発化している作品群には、中国の体制批判とも解釈できそうな内容も……。

中国ではここ数年、SFが大ブームに

 もはや現金が不要なほど、電子決済が当たり前になり、屋台や物乞いですらスマホでお金をやり取りする。さらに、高度な顔認証技術で信号無視まで街頭のカメラで監視。個人をスコア化して、優良市民とそうでない市民は受けられるサービスに差が生じる社会システムが構築されようとしている……。

 などなど、日本でもさまざまに報じられる中国の急速なIT化は、まさに『ブレードランナー』や『マイノリティ・リポート』といったSF映画の世界が現実となりつつあるような感すら受けるが、その中国では、人々の想像力がさらに先を見据えようとしているかのように、ここ数年、SFが大ブームになっている。

 その中国のSFブームを代表する作品が、先頃邦訳が出版された、劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン)の『三体』(大森望、光吉さくら、ワン・チャイ訳・早川書房)。今回邦訳されたのは、『三体』『黒暗森林』『死神永生』の三部作からなるうちの第一部だが、中国では三部作が合わせて2100万部という驚異的な大ベストセラー。翻訳された英米でも100万部以上を売り上げ、2015年には英訳版が翻訳物としてもアジア圏の作品としても初めて、代表的なSFの賞であるヒューゴー賞を受賞。オバマ前大統領やフェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグも賞賛したという話題作である。

 この『三体』が巻き起こした、中国でのSFブームについて、早川書房の担当編集・梅田麻莉絵氏が次のように話す。

「中国でもずっと以前からSF小説は描かれていましたが、子どもや一部のマニアが読むものという受け止められ方をされていました。それが、翻訳物初のヒューゴー賞受賞、つまり世界的に認められたということで、中国政府としても国を挙げて中国SFを発展させようという気運が高まっています。現在、SF大会(ファンや関係者が集まるSFのイベント)は中国中が注目する一大イベントとして、現代的な立派な会場で行われ、来場者には、親と一緒に来た小さい子どもや、若年層が多いのも特徴です」

 ちなみに、『三体』の第二部『黒暗森林』では、日本人の登場人物が、中国でも「宇宙の三国志」として人気の『銀河英雄伝説』の主人公のひとり、ヤン・ウェンリーのセリフを引用するシーンがあるのだが、18年には北京において『銀河英雄伝説』の作者の田中芳樹と『三体』の劉慈欣の対談も、盛況のうちに行われたとのことである。

 さて、このたび刊行された『三体』。物語は、主人公の女性天体物理学者・葉文潔が、少女時代に60年代からの文化大革命の混乱の中で父親を殺されるエピソードから始まる。人間の愚かしさに絶望した彼女は、辺境の軍事基地に赴任するのだが、そこで宇宙から送られてきた謎の信号を受信することになる。

 一方、現代。ナノマテリアル開発者の汪淼は、「三体」という超現実的なVRゲームの世界に招かれる。そこでは、3つの太陽を持ち、恒紀という比較的平穏な気候の時代と、乱紀という厳しい気候の時代が、規則性を持たずに入り乱れて、文明の発生と滅亡が繰り返されていた。「三体問題」とは、3つの星が引力で引き寄せ合うと、どういう動きを示すかという物理学上の命題で、その解法は地球人の物理学でもいまだに解明されていない……。

 これ以上のネタバレは未読の読者の興を削がないように差し控えるが、全宇宙的なスケールの物語の中に、最新の科学技術から中国の古典までが織り込まれた物語は、一度読んだだけでは理解しきれないくらいの奥深さである。

 書評家で翻訳家の大森望氏は、中国語は専門ではないが、英訳と中国語の原文を参照しながら、最新のSFに相応しい日本語にするという、本作の翻訳の中心的な役割を果たした。大森氏が言う。

「中国SFの邦訳では、80年にサンリオSF文庫から出た老舎の風刺小説『猫城記』のような例もありますが、本格SFの長編に限れば『三体』が初めてでしょう。でも、これが中国SFの典型かというと、必ずしもそうではない。今の中国SFで、劉慈欣はやはり突出した存在だと思います。『三体』が世界的に大成功したことで、他の作家も「『三体』みたいなのを書いてくれ」と言われるみたいですが、なかなか書けるものではない。劉慈欣は、最新の科学技術や宇宙論、量子論を取り入れながら、ものすごくぶっ飛んだことも平気で書く。『三体』の最後のほうに出てくる、ある秘密兵器的なものとか。ほとんどギャグじゃないかと思うような、そういうトンデモSF的な要素と、すごくシリアスで文学的な描写が平然と同居しているのが特徴です。英語圏でも日本でも、今こんなSFを書く人はいない。『三体』は、本格SFの伝統があまりない中国だからこそ生まれた怪作とも言えます」

 一方で、『三体』には、中国で60年代から70年代にかけて、資本家や文化人が糾弾された文化大革命という、中国現代史上の大事件が、物語の重要な要素として登場する。邦訳では、文化大革命時のエピソードは冒頭に登場するが、実は中国で最初に単行本化されたバージョンでは、その箇所は、物語の途中に回想のような形で挟み込まれていた。

 ところが英訳版では、雑誌連載時と同じく、その箇所が冒頭になっている。本来、作者が意図していたのはそちらの構成だったということで、邦訳もその構成を採用している。
 中国語版で文化大革命を冒頭に持ってくることを避けたのは、政府当局を刺激するのを避けたかったからではないかとも推測されるが、真意は不明だ。なお、発電所でエンジニアをしながらSF小説を書き始めたという経歴の劉慈欣は63年生まれで、文化大革命の時代を記憶している世代である。

 従来、英米にはほとんど紹介されていなかった中国SFが、多く英訳されるようになったのは、中国系アメリカ人のSF作家、ケン・リュウの功績が大きい。『紙の動物園』(早川書房)など、自身のSF小説を数多く執筆する傍ら、ケン・リュウは中国SFの翻訳も多く手がけた。そのケン・リュウが編者となって、複数の作家による中国SFの優れた短編を集めたアンソロジーが『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)である。

 中国では、経済成長の一方で格差社会化も進むと共に、IT技術の進歩を背景とした、高度な監視社会が現実のものとなりつつある。『折りたたみ北京』には、そんな現代中国をSFの形を借りて風刺したとも取れそうな作品が多く収録されている。

 例えば表題作である、景芳(ハオ・ジンファン)の『折りたたみ北京』では、北京は富裕層が住む第一スペース、中間層が住む第二スペース、貧困層が住む第三スペースに完全に分断されており、定刻が来ると地面が回転して収納された人たちが眠りにつくのだが、第一スペースの住人には午前6時から翌朝6時までの時間が割り当てられているのに対し、第三スペースの貧困層は午後10時から午前6時の夜間に活動しなければならない。

 第一スペースと第三スペースは物価も生活様式も完全に別世界であり、お互いの住人たちはほとんど交流することはない。これを読む欧米や日本の読者は、農村と都市、富裕層と貧困層の格差が広がる中国の現実のことが、必然的に頭をよぎるだろう。

 また、これも同書に収録されている馬伯庸(マー・ボーヨン)の『沈黙都市』という短編では、社会は極めて厳格な言論統制社会となっており、言ってはならない言葉が決められる状態からさらに進んで“言ってもよい”と許可された言葉しか話してはいけないことになっている。

 ネットは国から与えられたIDでしか書き込むことはできず、口元にはフィルター付きマスクを装着させられ、発する言葉もすべて国家に監視されている。

 周知のように、実際の中国も、言論統制の強い社会であり、ネットではグーグルやフェイスブックといった外国のサービスは使うことができず、百度や微博といった国産のプラットフォームでは、政府批判ができないよう、厳しい監視が行われている。89年の天安門事件について書き込むことは最大級のタブーであり、事件が起こった八九六四(89年6月4日)という数字も検索することができないというのは、よく知られている。

 これらの作品については、SFの形を借りた社会批判であると読み解くこともできそうで、日本人としては、ついそのような読み方をしてしまいたくなるだろう。

 だが、『折りたたみ北京』の編者のケン・リュウは、同書の冒頭にある解説で、そのように中国SFを中国社会への批判のメタファーだと解釈したい、という誘惑に対し、読者は抵抗してほしい、と書いている。いわく「中国の作家の政治的関心が西側の読者の期待するものと同じだと想像するのは、よく言って傲慢であり、悪く言えば危険なのです。中国の作家たちは、地球について、単に中国だけではなく人類全体について、言葉を発しており、その観点から彼らの作品を理解しようとするほうがはるかに実りの多いアプローチである、と私は思います」とのことである。

 この点について、前出の大森望氏は、このような見方を述べる。

「中国のSF作家たちが、政治的な意図はないと言うのには、2つの意味があるような気がします。ひとつは、せっかく今のところ自由に書けているのに、体制批判だと取られたら不自由になってしまうから、余計なことは言わないでくれ、と。もうひとつは、劉慈欣が典型ですが、自分はSFが好きでSFを書いているのであって、SFを何かの道具に使っているわけではない、ということですね」

 とは言いながら大森氏は、特にアメリカの読者は『三体』の第二部以降の展開に、中国とアメリカの技術競争のメタファーを読み取った人が多かったようだ、とも付け加える。アメリカでは、現代中国を理解するためのツールとしても、『三体』はよく読まれたという経緯があったようだ。

 折しも、トランプ政権と習近平体制の間では、中国の携帯電話メーカー、ファーウェイをめぐる貿易摩擦が緊張を増している。また、先頃は香港で、中国へ刑事事件の容疑者を引き渡す「逃亡犯条例」の改正案の撤回を求めた大規模なデモが発生。また、新疆ではウイグル人に対する厳しい弾圧が行われているなど、中国SFにそういった政治問題を読み取ろうとするか、それとも純粋にSFとしてだけ楽しむかは、読者個々人によって分かれるところだろう。

 中国人たちに天安門事件の思い出をインタビューした『八九六四「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)など、中国を取材した多くの著作がある安田峰俊氏は、中国人の心象風景についてこのように話す。

「日本人には、文明が進歩するとかえって悪いことが起こる、と警鐘を鳴らす考えがかなり強いと思うのですが、中国人にはあまりそういう考えはないんです。ほとんどの人は、この20~30年で中国が急速に豊かになったことを素直に喜んでいる。格差社会といっても、貧しい人たちだって10年前と比べれば、確実にボトムアップしているので、昔と比べたら今のほうがいい、と思っている人がほとんどでしょうね。また、日本人はまだ弱者や高齢者に合わせようという考えが多少はありますが、トップを走る人を基準にして、皆でそこに追いつこうとしているのが、今の中国の基本的な生き方であり、社会の仕組みになっているんです」

 そうすると、文明が進歩すると悲惨な未来が待っているという類いの、一部のディストピア的な中国SFは、別に国家批判ではなく、単なる想像力の楽しみ、センス・オブ・ワンダーとして読むのが正しいのだろうか。

 さて、ここまで中国におけるSF小説を見てきたが、ここでSF映画に目を転じてみよう。近年、『オデッセイ』や『メッセージ』など、ハリウッド産のSF映画のストーリーにおいて、中国が重要な役回りを果たすことが非常に多くなっている。最近のハリウッド映画は、アリババなど、中国資本から資金提供を受けることも多く、また、中国人が関わっているとなると、中国での観客動員に拍車がかかるため、このような例が増えていると考えていいだろう。とはいえ、これらはあくまでアメリカ人が作ったハリウッド映画であったのだが、今年、スタッフもキャストもほとんどが中国人の純中国産SF映画が、春節中の興行収入約330億円という、驚異的なヒットを記録した。

『流転の地球』という邦題で、現在Netflixでも配信されているその映画は、『三体』の著者である劉慈欣の短編が原作だが、キャラクター、ストーリーは原作とは大幅に異なる。映画では、太陽膨張の危機から逃れるため、地球全体を遠い宇宙に移動させる、という壮大かつトンデモなプロジェクトが行われている未来を舞台に、中国人たちが地球の危機を救うために奮闘するさまが、ハリウッドにも引けを取らないCG技術で展開される。

 全体的に中国人の誇りをくすぐる中華バンザイなストーリーではあるが、地上が荒廃していても、人工知能による交通違反減点システムが生真面目に機能していたり、放り込まれた留置所の看守に、主人公の祖父が賄賂として、長年収集したアダルトVRソフトを渡そうとしたり、何やら中国社会への風刺とも取れそうなシーンも多い。未来の地下都市なのに、中国文化の伝統はしっかり守られているあたりも含め、「中国でもSF大作は作れるぞ!」といった、中国SF界の躍進を感じさせる。

 SFといえば、ゲームもSF要素の強いジャンルであり、最近は中国産のスマホゲームが日本語版でリリースされて、日本でも人気を博すようになっている。

『ドールズフロントライン』は、『少女前線』という中国版のタイトルが日本では商標登録の関係で使用できず、この名前になったのだが、日本アニメの作風そのままのイラストに、声優まで日本人を使っており、日本産のゲームと比べてもまったく遜色のないクオリティである。兵器を美少女化したキャラクターには、機械生命体の戦術人形という設定がなされており、SF的にも目端の利いた作品となっている。

 中国産スマホゲームは、ほかにも『アズールレーン』『荒野行動』などが人気を博しており、これからも新たなタイトルが続々日本に上陸しそうである。SF小説では、際立って注目されているのは劉慈欣ひとりであるものの、多くの作家がそれに続いており、また映画やゲームといったさまざまなジャンルに裾野を広げつつある中国SFは、中国の体制を批判する人にもそうでない人にも、見過ごすことのできない存在感をさらに増す勢いがある。日本人は、中国人は日本の文化の後追いをしているようなイメージをいまだに持っているかもしれないが、実はすでに中国文化は日本を飛び越えて、アメリカを始め世界で注目されるまでに成長していたのだ。(サイゾー8月号『中韓(禁)エンタメ大全』より)

67歳の中国人女性が女児を出産! 祝福モードも「産児制限違反」で罰金!?

 今年9月、インドで74歳の女性が体外受精の末、双子の赤ちゃんを出産した。世界最高齢での出産となったわけだが、中国では先日、67歳の女性が自然妊娠の末、出産していたことがわかった。

「鳳凰新聞」(10月27日付)などによると、山東省ソウ荘市の病院で25日、67歳の女性が女児を出産したという。この女性は68歳の夫との間に30代の息子と娘がおり、孫にも恵まれ、平穏な生活を送っていた。しかし、今年に入り、体調不良が続いていたため3つの病院で検査を受けたが原因不明で、4つ目の病院でようやく妊娠が判明したのだった。

 妊娠発覚当初、高齢出産は母子ともにリスクが高いことや、子どもたちからも反対され、「中絶しなければ親子の縁を切る」とまで言われていたことから、女性は中絶するつもりでいたが、夫の強い説得によって出産を決意したという。

 そして、陣痛からわずか20分という短時間で無事に2560gの女児を出産。女性は糖尿病や高血圧症を患っていたが、母子ともに健康状態は良好で、手術翌日には一般病棟に移され、順調に回復しているという。

 今後、夫婦は出生届を提出するため、紛失してしまった結婚証明書などの再交付の手続きを行う予定だという。中国最高齢の出産となったが、その影響は意外なところにも及んでいる。一人っ子政策を撤廃した中国では現在、条件付きで2人までの子どもの出産を認めている。夫婦にとって3人目の子どもとなった今回の出産で、地元行政が夫婦に対して罰金を言い渡すのか特例を認めるかに、注目が集まっているのだ。

 これまで同国では、2016年12月に、当時64歳の女性が男児を出産したのが最高齢記録だった。医学の進歩によって、こうした事例は増えていくのかもしれない。

(文=青山大樹)

67歳の中国人女性が女児を出産! 祝福モードも「産児制限違反」で罰金!?

 今年9月、インドで74歳の女性が体外受精の末、双子の赤ちゃんを出産した。世界最高齢での出産となったわけだが、中国では先日、67歳の女性が自然妊娠の末、出産していたことがわかった。

「鳳凰新聞」(10月27日付)などによると、山東省ソウ荘市の病院で25日、67歳の女性が女児を出産したという。この女性は68歳の夫との間に30代の息子と娘がおり、孫にも恵まれ、平穏な生活を送っていた。しかし、今年に入り、体調不良が続いていたため3つの病院で検査を受けたが原因不明で、4つ目の病院でようやく妊娠が判明したのだった。

 妊娠発覚当初、高齢出産は母子ともにリスクが高いことや、子どもたちからも反対され、「中絶しなければ親子の縁を切る」とまで言われていたことから、女性は中絶するつもりでいたが、夫の強い説得によって出産を決意したという。

 そして、陣痛からわずか20分という短時間で無事に2560gの女児を出産。女性は糖尿病や高血圧症を患っていたが、母子ともに健康状態は良好で、手術翌日には一般病棟に移され、順調に回復しているという。

 今後、夫婦は出生届を提出するため、紛失してしまった結婚証明書などの再交付の手続きを行う予定だという。中国最高齢の出産となったが、その影響は意外なところにも及んでいる。一人っ子政策を撤廃した中国では現在、条件付きで2人までの子どもの出産を認めている。夫婦にとって3人目の子どもとなった今回の出産で、地元行政が夫婦に対して罰金を言い渡すのか特例を認めるかに、注目が集まっているのだ。

 これまで同国では、2016年12月に、当時64歳の女性が男児を出産したのが最高齢記録だった。医学の進歩によって、こうした事例は増えていくのかもしれない。

(文=青山大樹)

日本発のロリータブランド上海店に転売ヤー集結で、店員とトラブル! 流血騒ぎも……

 中国では日本のアニメや映画、ファッションが若者を中心に根強い人気を誇っているが、ここ数年、特に人気となっているのがロリータファッションだ。すでに中国国内には1,000を超えるロリータブランドが存在し、日本からも多くのブランドが中国進出を果たしている。そんな中、人気ブランドの店頭で、客と店員とのトラブルが発生したことが伝えられている。

 香港メディア「アップルデイリー」(10月27日付)によると、事件が起きたのは日本の人気ロリータブランド「Angelic Pretty」の上海店。26日、同店は開店3周年を記念した限定商品の発売を予定しており、午前10時の開店を前に多くのファンたちが列をなし、入店を待ちわびていた。店側は限定商品の購入希望者に対し、ロリータファッションを着用し来店するようオフィシャルサイトなどで告知していたため、店先は、多くのロリータファッションを身にまとった若いロリータ女子たちでいっぱいとなった。

 そんな中、現場でロリータファッションに着替えて並ぶ中年女性や男性の姿もあり、ほかの客からは「転売目的で並んでいる人がいるのではないか」との声が上がり始めた。店員は証拠映像として、転売目的と思われる来店客をスマホカメラで撮影。これに激怒した転売ヤーと店員の間で罵詈雑言の応酬が繰り広げられたのである。多くの客でごった返してい現場では、一部の客が店頭入り口のドアに押し付けられてガラスが破損。破片で負傷者が出るなど、一時騒然となった。

 結果、通報を受けた地元警察や警備員が事態の収拾に当たったのだが、店側は限定商品の発売中止を発表した。その理由についてはSNS上で「来店客の半数が転売目的だったことや、店頭のドアが破壊されたため」と説明していたが、客からは「自らの管理・運営上の不手際であるにもかかわらず、責任転嫁だ」「こっちは朝から並んだのに」と批判が殺到している。

 現在同店はSNSのコメント欄を閉鎖するなどしているというが、ファンの怒りはまだまだ収まりそうにない。

(文=青山大樹)

日本発のロリータブランド上海店に転売ヤー集結で、店員とトラブル! 流血騒ぎも……

 中国では日本のアニメや映画、ファッションが若者を中心に根強い人気を誇っているが、ここ数年、特に人気となっているのがロリータファッションだ。すでに中国国内には1,000を超えるロリータブランドが存在し、日本からも多くのブランドが中国進出を果たしている。そんな中、人気ブランドの店頭で、客と店員とのトラブルが発生したことが伝えられている。

 香港メディア「アップルデイリー」(10月27日付)によると、事件が起きたのは日本の人気ロリータブランド「Angelic Pretty」の上海店。26日、同店は開店3周年を記念した限定商品の発売を予定しており、午前10時の開店を前に多くのファンたちが列をなし、入店を待ちわびていた。店側は限定商品の購入希望者に対し、ロリータファッションを着用し来店するようオフィシャルサイトなどで告知していたため、店先は、多くのロリータファッションを身にまとった若いロリータ女子たちでいっぱいとなった。

 そんな中、現場でロリータファッションに着替えて並ぶ中年女性や男性の姿もあり、ほかの客からは「転売目的で並んでいる人がいるのではないか」との声が上がり始めた。店員は証拠映像として、転売目的と思われる来店客をスマホカメラで撮影。これに激怒した転売ヤーと店員の間で罵詈雑言の応酬が繰り広げられたのである。多くの客でごった返してい現場では、一部の客が店頭入り口のドアに押し付けられてガラスが破損。破片で負傷者が出るなど、一時騒然となった。

 結果、通報を受けた地元警察や警備員が事態の収拾に当たったのだが、店側は限定商品の発売中止を発表した。その理由についてはSNS上で「来店客の半数が転売目的だったことや、店頭のドアが破壊されたため」と説明していたが、客からは「自らの管理・運営上の不手際であるにもかかわらず、責任転嫁だ」「こっちは朝から並んだのに」と批判が殺到している。

 現在同店はSNSのコメント欄を閉鎖するなどしているというが、ファンの怒りはまだまだ収まりそうにない。

(文=青山大樹)

アップル不買運動が広がる中……ファーウェイCEO、iPadユーザーであることが判明!

 米中貿易戦争によりファーウェイが米国から締め出されていることを受け、中国では米アップル社の製品をボイコットし、ファーウェイ製品を購入しようという運動が広がっている。しかし、そんな人民たちの愛国心を裏切るような出来事が起きた。

 中国ITメディア「IT之家」(10月25日付)がファーウェイCEOの任正非氏が中国国内の空港で手荷物検査を受けている写真を掲載したのだが、なんとそこには、任氏のカバンから取り出されたとみられるiPadが映っていたのだ。同メディアによると、この機種は2017年発売のiPad Pro 10.5インチモデルとみられる。

 アップル不買運動のきっかけとなった企業のCEOがアップルユーザーだったことを知ったネット民たちは、「ファーウェイの創業者が、なぜ自社製品を使わないんだ?」「ファーウェイ製品を売る気あるの?」「実はビジネス愛国で、生活の中心は国外なんだろ」などと、任氏への批判の声を上げている。

 一方で「好きなら使えばいいんじゃないの」「iPhone 11を買ってレシートを見たら、税金が934元(約1万4,400円)だった。これって愛国じゃないの? 国家に貢献してるんだから」などと擁護する意見も少なくなかった。他メディアの記事を見ても、任氏を擁護する論調が多い。ファーウェイが批判の的となることを避けたいという、中国政府の思惑があるのだろうか。情報元となる「IT之家」でも、当該記事はすでにすでに削除されている。

 代わりに同29日付で、任氏が欧州のニュース専門放送局、ユーロニュースの取材に応じたインタビュー記事が転載されている。その中で任氏は、ファーウェイが今日までやってこられたことについて、「スティーブ・ジョブズが発明したiPhoneに感謝しなければならない」と述べている。これには米国への配慮もあるのだろうが、自分がiPadユーザーであることの弁明と受け取れなくもない。

 いずれにせよ、任氏に失望した中国人が一定数いることは間違いなく、今後の同社製品の販売台数に影響を与えるかもしれない。

(文=中山介石)

北大教授「中国で拘束」で思い出される、中国国営放送美人キャスターの不審死

 北海道大学の40代の日本人男性教授が9月に北京を訪問した際、中国当局に拘束されたことがわかった。具体的な容疑については公表されていないが、男性は過去に外務省や防衛省防衛研究所に勤務歴があり、そうした経歴からスパイ疑惑を持たれた可能性が高い。

 中国当局は2015年以降、スパイ行為に関与したとして、少なくとも邦人14人を拘束し、うち8人に実刑を言い渡している。

 一方で、中国人でありながら国外に機密情報を流出させていたとの疑惑の目が向けられている女性がいる。彼女はすでに不審な死を遂げているが、11月18日の4周忌を前に、再び話題となっているのだ。

 方静氏(享年44)は北京広播学院を卒業後、23歳で中国中央テレビ(CCTV)に入局。アナウンサーとしてのキャリアをスタートさせた。堪能な英語力などが評価され、人気ドキュメンタリー番組『焦点訪談』の司会に抜擢され、その後も『中国新聞』『東方時空』『国際観察』などの看板番組のキャスターや司会者を歴任し、確実にキャリアを積み重ねていった。

 豊富な知識や清廉潔白で実直な報道姿勢は中国国内でも高く評価され、テレビ司会者だけでなく慈善活動などにも積極的に参加するようになり、自身で奨学金機構を立ち上げ、多くの子ともたちの学習支援を行うなど、公私ともに彼女の人気は高まっていった。

 そんな中、突如”スパイ疑惑”が持ち上がる。元同僚で、当時北京大学でメディア学部の準教授だった周阿憶氏が2009年6月9日、自身のブログに「方静はスパイだったことがわかった。彼女は軍事関連の情報を入手するため、CCTVで『防務新観察』(中国の軍事や科学をテーマに取り上げる番組)などの番組で司会者をしていたようだ。方静は5月12日にスパイ容疑で当局から取り調べを受けていた」と暴露したのだ。

 これに対して方静氏も急遽ブログを開設し、「ある人がブログ上で悪意ある誹謗中傷の記事を掲載しましたが、まったくの事実無根であり、法的手段をとる準備をしています」と反論した。しかし、この頃から方静はテレビ出演がなくなっていたこともあり、疑惑が深まる中、同12日には中国共産党系メディア・人民日報が「CCTVアナウンサーの方静は、台湾へ中国の機密情報を渡していたスパイ行為の容疑のため、中国国家安全部で調査を受けている」という記事を掲載したことで、大騒ぎとなる。

 しかし、2日後の14日、方静は同局の人気番組『世界週刊』の司会者として突如カムバックを果たす。中国メディアのインタビューに応じた方静氏は、「体調が悪く、一時的に仕事ができなくなっただけで、スパイ行為で取り調べを受けたというのはデマである」と、スパイ疑惑を完全否定している。その後は、スパイ疑惑などなかったかのように同局の看板番組などを歴任し、11年からは同局の管理職として裏方での活躍が増えていったという。

 方静氏は15年11月18日、胃がんで死去したのだが、翌月その死をめぐり、衝撃のニュースが報じられた。実は、台湾で亡くなっていたことが明らかになったのだ。死亡時に台湾にいた理由は現在も明らかにされていないが、同時期に中国国営メディア・環球網は、「15年10月に、中国と台湾の間で捕虜の交換を行った」と報じていたことから、ネット上では、「交換され、台湾に渡った捕虜こそが、まさに方静氏だったのではないか」と、ささやかれているのである。

 方静氏の死には多くの謎が残されている。彼女のプライベートについて、同僚たちは誰も詳しいことを知らず、彼女の母親でさえも台湾に渡っていたことを知らなかったという。

 ネット上では、彼女の4周忌を前に「中国国籍を持つ者が台湾に移住するのは容易ではない。台湾政府と敵対する中国政府の宣伝機関である中国中央テレビの職員となればより一層だ。何か特別な事情があったとしか思えない」「末期のがん患者が親にも知らせず台湾へ旅行に行くとは思えない」といった疑惑が再燃しているが、真相はやぶの中である。

(文=広瀬大介)

世界が注目する上海ファッションウィークとは? ドルガバ炎上後もブランド進出!中国ファッション界の急成長とリスク

――近年、上海ファッションウィークに出展するブランドは中国国内/国外問わず増え続け、世界的に通用し得るハイセンスな国産ブランドが頭角を現している。しかし一方で、ドルチェ&ガッバーナのPR動画が大炎上し、中国市場を一瞬にして失うという出来事もあった。そんなこの国のファッション界の実態を見ていこう。

一瞬にして巨大な中国市場を失ったD&G

 2018年11月、ドルチェ&ガッバーナ(以下、D&G)が上海で開催を予定していた大型ファッションショーが中止となった。原因は公式インスタグラムで公開されたショーのPR動画。アジア系女性が箸を使い、ぎこちない様子でピザやスパゲッティなどを食するという内容で、箸を「棒」と表現するなど「アジア文化を冒涜している」としてすぐさま炎上。さらに、D&Gのデザイナーであるステファノ・ガッバーナ氏が、抗議に対して公式インスタグラムで「君は僕が炎上を恐れていると思っているのかい」などと挑発し、ショーに出演予定だった女優チャン・ツィイーなど多くの有名人が続々と不参加を表明した(ガッバーナ氏は後に「アカウントが乗っ取られた。現在、弁護士が対応中だ。私は中国と中国文化を愛している。このようなことが起き、非常に残念だ」と釈明)。結果、ショーが中止となっただけでなく、同ブランドの商品が中国のECサイトや百貨店などから撤去される――つまり、D&Gは中国市場を失ったのである。

 なお、報道によると、D&Gの本国イタリアにおける17年度の売上高はたった24%。一方で、「日本を除いたアジア地域」は30%にのぼる。その大部分は、現在44店舗を展開している中国が占めているという。『ラグジュアリーブランディングの実際』(海文堂出版)などの著書がある早稲田大学ビジネススクールの長沢伸也教授は、D&Gの騒動について次のように解説する。

「イタリアのブランドであるD&Gは、これまでもたびたびシチリアピザを食べる女性モデルなどの広告を展開してきました。その流れもあって、軽いジョークのつもりでPR動画を制作したのでしょう。それが思いがけず炎上してしまった。慌ててしまったのか対応が遅く、不適切だったため、さらに炎上。ジョークのつもりでも、ブランド全体の3割の売り上げが一瞬で吹っ飛んだのだから代償は大きい。現在も中国国内の店舗は閑散としているそうです。政治的・文化的な文脈が絡む炎上なので、立ち直るには早くても人々が騒動を忘れてしまう3年、長ければ世代が入れ替わる10年はかかると思われます」

 ほかのラグジュアリーブランドも、そんなD&Gの騒動を見て気を引き締めたのではないだろうか。というのも、「ラグジュアリーブランド全体においても、売り上げのおよそ3割を中国人による購買(購買地は中国国内外を問いません)が占めている」(長沢氏)からだ。

「なかでも1992年にいち早く中国に進出したルイ・ヴィトンは、北京、上海、深セン、広州といったいわゆる一級都市はもとより、それに次ぐ二級都市や、さらに小さな都市にも店舗を展開しています。あるいは、プラダは11年に香港証券取引所に上場し、生産も中国で進めて、中国シフトをアピールしました。ただ、“メイド・イン・チャイナ”の商品がブランディング的に裏目に出たため、ここ4~5年は顧客が離れてしまい、ようやく下げ止まった印象です。また、07年にはフェンディが万里の長城でショーを行い、19年にはカルティエと北京の故宮博物院が共同で特別展を開催するなど、各ブランドとも中国マーケットを重視し、中国文化に敬意を表するイベントを開催しています」(同)

 ちなみに、二級都市と呼ばれる杭州は日本人にはマイナーな都市かもしれないが、同地の高級百貨店「杭州大厦购物城」は、17年時点における中国のデパートの中で「北京SKP」に次ぐ2位の売り上げを誇る。もちろんこの建物には、ルイ・ヴィトン、エルメス、カルティエ、ディオール、フェンディなどが出店している。

 ただし、中国国内でのラグジュアリーブランド品の価格は関税や消費税、さらに贅沢税がかかっているため、日本に比べて20%程度も割高である。それゆえに、日本の銀座をはじめ国外のあちこちで、中国人観光客がブランド品を爆買いする様子が見られるわけだ。

 ともあれ、ブランド品消費の中心となっているのが、“80后”と呼ばれる80年代生まれの層である。しかし、36年間にわたる一人っ子政策を取ってきた結果、中国は日本以上に深刻な少子高齢化が予想されている。中国社会科学院によると、17年に約10億人いた15歳から64歳までの生産年齢人口が、50年には約8億人に減少し、60歳以上の高齢者に関しては50年までに総人口の3分の1=約5億人にのぼると見られているのである。

「そのため今後、消費が落ち込むことは予測できます。そこでブランド側は、少子高齢化と消費の成熟化が進む日本でいかに対応するか、今のうちにノウハウを身につけておくことが求められます」(同)

 当然ながら、日本のアパレル企業も中国市場を無視しているわけではない。だが、ここ数年、中国に進出した企業の多くは競争の激化で苦戦しているようだ。ピーク時に300店を展開し、上海の繁華街である南京東路にファッションビルを開業していたイトキンは、16年に完全撤退。13年のピーク時に589店あったハニーズホールディングスも、18年に撤退した。好調なのは、進出は02年と後発ながら、20年度には中国全土に1000店体制を構築するというユニクロくらいである。

 こうした状況も確かにあるが、ファッション感度の高い一部の中国のバイヤーから、日本の先端をいくインディーズブランドに注目が集まっている。このきっかけとなったのが、ファッションショーや見本市、ショールームが開催され、中国全土から毎回約5万人のファッション業界関係者が訪れる「上海ファッションウィーク」(03年に初開催)だ。
「3~4年前は数えるほどしか出展していなかった日本のブランドですが、今年3月末~4月頭に開催された『上海ファッションウィーク2019AW』には120以上が出展したと報じられています。それだけ日本のブランドが中国で評価されているということもありますし、日本の市場がファストファッション中心で、プロダクトアウト(消費者のニーズよりもデザイナーの理念や創造性を優先する方法)のブランドにとってツラい状況になっているため、上海ファッションウィークへの期待が高まっているということでもある。すぐに大きなビジネスにつながらなくても、毎回新しい中国各地のバイヤーと出会えるので、2回、3回と続けて出展するブランドが多いですね」

 こう語るのは、上海を拠点に日本のブランドの中国進出を支援するKMT inc.代表の兒玉キミト氏。特に地方都市の需要が伸びているという。

「一級都市はブランドやセレクトショップが増えすぎて飽和状態ですし、東京やニューヨークへの直行便も多く、バイヤーは東京コレクションやニューヨークファッションウィークに直接行ってしまう。そうした環境ではない重慶、成都、西安、烏魯木斉などのバイヤーのエネルギーを強く感じます。情報や物量が多い一級都市とはファッションに対するリテラシーも違うので、それほど知名度が高くないインディペンデントブランドでも、バイヤーが気に入りさえすれば受け入れられる可能性が高い。しかも、中国は人口が多いので、一部の人に受け入れられるだけでも十分商売になる点が魅力となっています」(兒玉氏)

 また、日本からの出展ブランドが急激に増加した背景には、通信速度の向上とインターネット利用者の増加が関係しているのではないかと兒玉氏は分析する。中国で4G回線のサービスが始まったのが、13年末から14年にかけて。15年に総人口に対するネット利用者の割合が50%を超え、海外のファッションメディアにアクセスするようになるなど、地方都市に至るまで若者のファッションセンスが大きく向上した。ECサイトも日本以上に浸透しており、ネットショッピング大手「天猫(Tモール)」「京東商城(ジンドン)」のほか、「YOHO!(ヨーホー)」というサイトがストリート系では圧倒的人気を誇る。もともとファッション誌からスタートした「YOHO!」は、メディア、小売、イベントの3つを事業の柱として業績を伸ばしている。

「ただ、中国ファッション市場で気をつけるべき点は、やはり偽物。今年6月、上海に旗艦店を出していたフェイクブランドのシュプリーム イタリアが、本家シュプリームの働きかけにより中国での登録商標を抹消されたばかり。こうした点は日本よりトラブルが多いですね。また、バイヤー側が日本と比べると成熟しておらず、経営スキルが高くないケースが多々ある。そのあたりは取引先となったときに注意しておかないと、経営が突然傾いて損失を被る可能性もあります」(兒玉氏)

 そんなリスクがありつつも、日本を含めたさまざまな国外ブランドが中国市場を狙っているわけだが、中国発のブランドも負けじと成長し、今後は世界に打って出るケースが増えてくるかもしれない。中国の若手デザイナーを取材するファッション・ジャーナリストの倉田佳子氏は、このように語る。

「上海ファッションウィークの開催期間中に行われる、国内の若手デザイナーや新興ブランド(下段コラム参照)をフィーチャーしたショー『LABELHOOD(レーベルフッド)』は毎回、上海当代芸術博物館やTANKといった十分な広さのある大型美術館を会場として使い、大がかりに開催しています。ショーのフロントロウには、欧米のショーでも見かけるような有名メディアの編集長や人気ブロガーらが招待ではなく、自発的に取材に来ていますね。中国国内のみならず、海外からも注目されていることがよくわかりますよ」

 前出の兒玉氏も中国ブランドや人材に着目している。

「やはり資本力があるので、海外進出は大いにあり得ます。実際、スポーツアパレルブランドの李寧(リーニン)はニューヨークでショーを開催し、その話題を受けて中国国内でも『海外でウケている』と購買者が増加、業績を回復させています。これからも、ブランディングという意味で欧米に打って出ようと考えるブランドは増えるでしょう。とはいえ、海外進出には財力だけでなく、ファッションに関する知識やスキル、センスなども磨く必要があるわけですが、その点では、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズやニューヨークのパーソンズ美術大学、日本の文化服装学院など世界のファッション名門校で中国の留学生が増加している。このように海外留学を経験してから中国で働く若者たちは“海亀”と呼ばれ、期待されていますね」(兒玉氏)

 しかし、「LABELHOOD」のファウンダー/ディレクターであるターシャ・リュウに取材したことがある前出の倉田氏は、こうした留学一辺倒の教育システムに疑問を呈する。

「海外のファッションスクールに行く前段階としての塾が中国国内に何校もあるのですが、そこを経て留学するとなると、トータルの学費はかなりかかる。つまり、国内の学校で優秀な人材を十分輩出できる日本と違い、中国には留学させられる経済力のある家庭の子女でないとファッションデザイナーになれない、という暗黙の了解が染み付いているのです。留学から帰国した後、家族経営をして家族に還元するという価値観もいまだに根強く残っていますが、ターシャは金銭面を第一条件とせずに、純粋にクリエイションを重んじる学生を育てられる安定した環境を整備すべく動き始めているようです」(倉田氏)

 上海ファッションシーンにカネが飛び交い、熱気を帯びているといっても、文化としての成熟はもう少し先のことかもしれない。しかし、変化は速い。中国のファッション界が猛スピードで成長し続けているのは間違いない。

「『LABELHOOD』は単に若手のブランドを業界内に紹介するのみならず、演出面で一般客を楽しませるために工夫をするなど、クリエイション全体を成長させようという気概を感じます。その上で、国外へのプロモーション活動に積極的に取り組み、スポンサーを集め、長期的なビジネスとしても成り立たせようとしているんです。そこに、服として魅力あるブランドがもっと増えていけば、海外でもより面白い展開を見せるのではないでしょうか。また、デザイナーだけでなく、メディアという面でもWeChatを中心に発信する個人がブランドのプレスリリースをそのまま記事にするなど未熟な部分があるので、批評の環境が整備されれば相乗効果でファッション界が底上げされていくと思います。いずれにしろ、成長の速度がスゴいので、今後が楽しみですね」(倉田氏)

“メイド・イン・チャイナ”がオシャレの象徴になる日は、目の前に来ている。(サイゾー8月号『中韓(禁)エンタメ大全』より)

中国版『夫のちんぽが入らない』!? 結婚3年も不妊の嫁、実は処女だった!

 新婚のころは毎晩のように励んでいた夜の営みも、月日がたつにつれ、だんだんを回数が少なくなってくるもの。しかも、妻が妊娠したり子どもが生まれたりすると、一気にセックスレスになるケースも少なくない。

 しかし中には、究極のセックスレス夫婦もいるようだ。

 中国「毎日商報」によると、浙江省杭州市に住む27歳の女性・小彩さん(仮名)が、姑に連れられて病院の婦人科へ検査を受けに来たという。

 小彩さんは夫と結婚して3年で、これまで規則正しい生活をし、滋養食品を摂るなど努力をしていきたものの、一向に妊娠する気配を見せなかった。

 孫の誕生を待ち望んでいた姑はこの状況にやきもきし、嫁の体に何か問題があるのではないかと、検査を受けさせたのである。

 そこで、病院の医師が小彩さんの膣部分の超音波検査を行ったところ、なんと彼女はまだ処女だったことが判明。驚いた医師が小彩さんにこっそりと尋ねたところ、彼女は恥ずかしそうにその理由を明かした。

 小彩さんと夫はこれまで何度も夜の営みを行おうとしたが、いざ挿入の段になると彼女は痛みを感じて、それ以上進むことを拒んできたのだという。さまざまな手段を試みてはみたものの、心理的および生理的に“貫通”の一線を越えることができなかった。

 そのうち、夫のほうも妻を傷つけることを恐れて、求めてくることがなくなったという。ただ、その心理的ストレスが身体に影響したのか、医師が夫を検査したところ、精子の活動量も低かった。

 医師は2人に対し、心理的な面も含めた不妊治療を受けることを勧め、もしそれでもダメだった場合は、小彩さんに処女膜を取り除く手術を受けることを助言した。

 ちなみに中国では、結婚して4年になるも子宝に恵まれなかった夫婦が不妊治療に訪れたところ、膣ではなく肛門にペニスを挿入していたというウソのような本当の話も報告されている(参照記事)。

 ベストセラーとなった私小説『夫のちんぽがはいらない』(扶桑社)では夫婦間の性の不一致と、そこから派生していくさまざまな問題や心情をつづられていたが、性の不一致は万国共通の問題のようだ。

(文=佐久間賢三)

 

追加治療費に激高し愛犬を殺そうとした父親を、娘が必死に制止!

 

 中国では経済成長とともに都市部を中心にペットを飼う人が急増し、ペット市場規模は来年にも日本円で3兆円に達するといわれている。その一方で、虐待や無資格業者による違法売買などの犯罪行為も横行している。

「聯合日報」(10月8日付)によると、先月末、安徽省の動物病院で、飼い主の男が愛犬に信じられない虐待を行う様子を監視カメラが捉えた。

 男は、愛犬の様子がおかしいことを心配して病院にやってきたのだが、検査の結果、心臓の病気にかかっていることがわかった。病院側は男に、「手術がうまくいったら、治療費として500~600元(約8,000~9,600円)をお支払いください。万が一失敗した場合、費用はいただきません」と伝え、男もこれに同意した。手術から4日たった今月2日、愛犬はすっかり元気になり、男は約束通り治療費を支払ったのだが、その後にトラブルが起こった。

 病院側は、今後も治療を続ける必要があり、追加で300元(約4,800円)が必要となることを伝えたところ、男は「高すぎる」と激高。一命を取り留めたばかりの愛犬をつかみ上げると床に叩きつけ、頭部などを蹴りつけたのである。

 この様子を捉えていた病院の監視カメラには、男の横にいた幼い娘が、愛犬が父親に殺されると思い、必死に父親にしがみつき、制止しようとしている様子が確認できる。

 今回の事件について治療を担当した獣医師は、「暴行を受けた犬は治療の結果、なんとか命は助かりました。飼い主の行為は病気と戦った犬の努力を無にするものであり、この様子を見ていた子どもの心にも大きな傷痕を残すこととなってしまい、心配です」とメディアの取材に答えている。

 折しも中国では、卑劣な動物虐待が話題となったばかりだった。10月9日、四川省成都市の大学生が、鳴き声がうるさいという理由から、野良犬を捕らえて大学寮の自室で殺害し、頭部、四肢と解体。その様子をネットに投稿するという猟奇的な事件が起きていたのだ。

 ペットブームに沸く中国だが、動物を飼う者も、ペット関連産業も、まずは動物愛護について学ぶべきだろう。

(文=青山大樹)