密会現場がラブホテルとビジネスホテルで「不倫の証拠」の価値は違う?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回のテーマ>
袴田吉彦の不倫騒動

■ラブホテル、ビジネスホテル、シティホテルに不倫の証拠としての法的な違いはない

 今年一発目の“ゲス不倫”案件として大きな話題となった、俳優・袴田吉彦と30歳の元グラビアアイドルとの不倫。2人で会うときに、袴田がビジネスホテルのアパホテルを利用していたことにも注目が集まったが、不倫の証拠としてビジネスホテルとシティホテルやラブホテルとに法的な違いはあるのだろうか? アディーレ法律事務所の村松優子弁護士に聞いた。

 まず、ラブホテル、ビジネスホテル、シティホテルの間に「法的な違いは特にない」と村松弁護士は言う。

「どの種類のホテルであっても、健全な男女が1室で2人きりで宿泊等していた場合には、通常、当該男女が肉体関係を持ったと推認されます。そのため、『健全な男女が1室で2人きりで宿泊等していた』証拠がばっちり取得できれば、どの種類のホテルであっても不倫の証拠となり、その証拠の価値に違いは生じません」

 しかし、それ以外の証拠、たとえば『ホテルのエントランスに2人が出入りした』証拠を押さえたとしても、その価値はホテルの種類によって変わってくるという。

「まず、ラブホテルの場合には、一般的に男女が肉体関係を持つためのホテルと認識されていますので、ラブホテルに男女が2人で入り、2人で出てきた場合には、時間帯問わず、それだけで当該2人が肉体関係を持ったことを裏付ける有力な証拠になります」

 したがって、昨年、落語家の三遊亭円楽が40代女性とラブホテルに入っていく様子を撮影した『フライデー』(講談社)の写真は、明らかに不倫の証拠となるのだ。一方、今回の袴田のように、ビジネスホテルを利用した場合、もしエントランスに2人で入り、2人で出てきた写真があったとしても、「別の部屋に泊まっていた」という言い訳が成り立つため、それだけでただちに不倫の有力な証拠にはならないという。

「その場合、2人が同じ部屋に入室をして、出てきた(同じ部屋に泊まっていた)という証拠等で補強しなければならないケースもあります。同様に、シティホテルの場合には、別の部屋であるとの言い訳に加え、ホテル内のレストランで食事をしてきたという言い訳も考えられますので、同じく同じ部屋に入室していたこととその滞在時間などを他の証拠で補強しなければならないケースがあります」

 ということは、今後、芸能人の不倫現場として、カモフラージュしやすく、比較的リーズナブルなビジネスホテルの利用が増えるのかもしれない!?

アディーレ法律事務所

密会現場がラブホテルとビジネスホテルで「不倫の証拠」の価値は違う?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回のテーマ>
袴田吉彦の不倫騒動

■ラブホテル、ビジネスホテル、シティホテルに不倫の証拠としての法的な違いはない

 今年一発目の“ゲス不倫”案件として大きな話題となった、俳優・袴田吉彦と30歳の元グラビアアイドルとの不倫。2人で会うときに、袴田がビジネスホテルのアパホテルを利用していたことにも注目が集まったが、不倫の証拠としてビジネスホテルとシティホテルやラブホテルとに法的な違いはあるのだろうか? アディーレ法律事務所の村松優子弁護士に聞いた。

 まず、ラブホテル、ビジネスホテル、シティホテルの間に「法的な違いは特にない」と村松弁護士は言う。

「どの種類のホテルであっても、健全な男女が1室で2人きりで宿泊等していた場合には、通常、当該男女が肉体関係を持ったと推認されます。そのため、『健全な男女が1室で2人きりで宿泊等していた』証拠がばっちり取得できれば、どの種類のホテルであっても不倫の証拠となり、その証拠の価値に違いは生じません」

 しかし、それ以外の証拠、たとえば『ホテルのエントランスに2人が出入りした』証拠を押さえたとしても、その価値はホテルの種類によって変わってくるという。

「まず、ラブホテルの場合には、一般的に男女が肉体関係を持つためのホテルと認識されていますので、ラブホテルに男女が2人で入り、2人で出てきた場合には、時間帯問わず、それだけで当該2人が肉体関係を持ったことを裏付ける有力な証拠になります」

 したがって、昨年、落語家の三遊亭円楽が40代女性とラブホテルに入っていく様子を撮影した『フライデー』(講談社)の写真は、明らかに不倫の証拠となるのだ。一方、今回の袴田のように、ビジネスホテルを利用した場合、もしエントランスに2人で入り、2人で出てきた写真があったとしても、「別の部屋に泊まっていた」という言い訳が成り立つため、それだけでただちに不倫の有力な証拠にはならないという。

「その場合、2人が同じ部屋に入室をして、出てきた(同じ部屋に泊まっていた)という証拠等で補強しなければならないケースもあります。同様に、シティホテルの場合には、別の部屋であるとの言い訳に加え、ホテル内のレストランで食事をしてきたという言い訳も考えられますので、同じく同じ部屋に入室していたこととその滞在時間などを他の証拠で補強しなければならないケースがあります」

 ということは、今後、芸能人の不倫現場として、カモフラージュしやすく、比較的リーズナブルなビジネスホテルの利用が増えるのかもしれない!?

アディーレ法律事務所

ドラマ『奪い愛、冬』、婚約中の浮気も不倫と同じ?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回のドラマ>
『奪い愛、冬』(テレビ朝日系/金曜日午後11時15分~)

■口頭の合意があれば婚約となる

 1月20日スタートのドラマ『奪い愛、冬』は、倉科カナと三浦翔平が繰り広げる、どろどろの恋愛模様が見どころ。倉科演じる主人公・池内光は、婚約者がいるにもかかわらず、その心は妻帯者である元彼を求めていくという設定だが、結婚前の「婚約」の段階で浮気をしたら、慰謝料請求される可能性はあるのか? アディーレ法律事務所の村松優子弁護士に聞いた。

 まず、婚約の法的な定義について、村松弁護士は次のように説明する。

「婚約とは、将来婚姻をするという約束をいいます。そのため、当事者が真に将来婚姻関係を成立させる旨の口頭の合意があれば婚約となります」

 つまり、口頭で「結婚しよう」とプロポーズして、相手も受け入れれば、その時点ですでに婚約が成立した状態になるのだ。ただし、村松弁護士は次のように続ける。

「ですが、当事者の内心の意思は、客観的に把握するのが困難であるため、公的に婚約が成立したと言えるためには、長期間の肉体関係を継続していること、両親や友人などに対して当事者が婚約意思を伝えていること、婚約指輪の授受、結納の執り行い等の客観的な事情が存在していることが必要となります」

 では、結婚前に婚約者以外の相手と浮気をしたら、された側は慰謝料等を請求することは可能なのだろうか?

「諸説ありますが、婚約をした当事者は、双方婚姻成立に向けて誠実に交際し、婚姻関係を成立させるために努力する義務を負っており、婚姻成立となれば互いに貞操を守る義務を負います。貞操義務に違反をすれば離婚原因にもなり得る以上、婚約中の当事者間においても、婚姻中ほど強くないとしても、互いに貞操を維持する義務を負っていると解されていますので、原則として慰謝料の請求は可能と考えられています」

 いったん婚約したら、それはもう結婚に近い法的な拘束力があるということ。だから、浮気をすれば不倫と同じように見られても仕方なく、慰謝料を請求される可能性もあるのだ。禁じられた恋ほど燃えるものかもしれないが、ドラマの主人公の想いはどこまで行くのか、目が離せなくなりそうだ。

アディーレ法律事務所

『糟糠の妻はなぜ捨てられるのか』の著者が一番なりたくない「捨てられる妻」とは?

 「糟糠(そうこう)」とは、「酒粕(かす)」と「糠(ぬか)みそ」のことで、粗末な食事を意味し、「糟糠の妻」とは貧しい時から連れ添った妻を指す。成功した男性が貧しい時代に苦労させた妻を捨て、若く美しい女性を妻に迎える例は枚挙に暇がないが、それはなぜなのか。『糟糠の妻はなぜ捨てられるのか』(プレジデント社)の著者で婚活アドバイザーの大西明美さんに聞いた。

■「ゲス不倫」は、成功した男が女を裏切る行為

――著書『糟糠の妻はなぜ捨てられるのか』が話題ですが、2016年はまさに糟糠の妻を裏切り、不倫に走る男性が目立ちましたね。

大西明美さん(以下、大西) そうですね。昨年は本当にいろんな不倫報道がありました。原稿を書き終わった後も落語家の三遊亭円楽さんとか、歌舞伎役者の中村橋之助(現・芝翫)さんとか、どんどん出ていましたね。

 実は、この本の発売日(16年9月29日)には、川谷絵音さん(ゲスの極み乙女。のボーカル)と交際している19歳のタレントの飲酒を所属事務所が認めたという報道もあって、ビックリしました。

――川谷さんは16年はじめにタレントのベッキーさんとの不倫が報道されたばかりでしたから、批判も多かったようです。「ゲス不倫」という言葉も生まれました。

大西 私は、「ゲス不倫」というのは「成功した男が女を裏切る行為」ととらえています。なぜそんなひどいことをするのか、というのが本書のテーマなのです。

――浮気そのものは成功していない男でもすると思いますが、たしかに本書を読むと、「成功男」の裏切りの構図がよくわかります。この本は銀座と大阪の北新地の書店でよく売れているそうですね。

大西 そうなんです。北新地も銀座のような高級飲食店街ですから、高級店のホステスさんたちがよく読んでくださっているのだそうです。

――妻を裏切る夫のタイプや、裏切られる妻のタイプなどを詳しく書いていらっしゃるからでしょうか?

大西 そうですね。でも、結局、浮気する男性は懲りないので、すぐに別の女性と不倫しますよ。

■夫と異なる価値観を持っている妻は捨てられやすい

――なぜ「成功男」は不倫するのですか?

大西 仕事ができる人は、エネルギッシュで話も面白いですよね。それに、周囲の評価が高く、お金も持っています。こういうエネルギーは、不倫、つまりセックスで発散しやすく、そもそもこんな魅力的な男性を周囲の女性は放っておかないでしょう。

 一方で、成功男も常に成功しているわけではなく、ライバルや取引先との関係、社内の立場などで不安もあります。この不安を不倫で解消する方も多いです。たとえば不本意な出向などで不安がある時に、「出向でお給料が下がったら、息子の受験はどうなるのよ?」などと言う妻は不倫されやすいですね。「あなたなら、どこでも大丈夫!」と言ってほしいのに、息子さんを優先されたらガッカリします。

 これに対して、同じ職場の女性は事情もわかっているし、共感してくれるので、つい不倫に走ってしまいがちです。なので、夫とは異なる価値観を持っている妻は捨てられやすいです。また、普段、夫に「なぜ?」と言えなくなったら要注意ですね。夫に質問する気がないというのは、夫に興味がないということですから。

■結婚は制度としては「死んでいる」

――著書では「捨てられる妻」を類型化されています。

大西 いろいろなタイプがいますが、たとえば「進化する夫を否定する妻」ですね。私は「『木綿のハンカチーフ』妻」と呼んでいます。これは1975年の暮れに発売され、翌年大ヒットした曲のタイトルですが、地元の恋人が「都会の絵の具」に染まることを受け入れられない女性の歌です。「今の自分」にダメ出しを続ける妻と、「いつもがんばっているあなたが好き」と応援してくれる愛人では、勝敗は見えていますね。

 もう一つは、進化した夫と釣り合わなくなる「無関心妻」です。別に出世を期待していたわけではなく、単に好きだったから結婚しただけで、妻に落ち度がない分、悲劇になります。急にセレブになった夫との生活についていけず、価値観も話題も合わなくなってしまうのです。

 そして、私が一番なりたくないのは、「成功男」に否定的でありながら「捧げ尽くす妻」ですね。夫を一流にしたくて努力してせっかく成功しても「あなたを支えて、育てたのは私なのよ」とずっと恩着せがましく言い続けて、夫の成長をそれ以上認めようとしない妻です。窮屈になった夫がほかに居場所を求めるのは、必然でしょう。

――たしかに不倫される妻の側にも「理由」があるのはわかる気もしますが、これだけ不倫が多い時代に、そもそも結婚する意味はあるのでしょうか?

大西 結婚はもう制度としては死んでいますよね。結婚と恋愛の大きな違いは「責任の取り方」ですが、別に結婚していなくても責任は取れますから。もちろん結婚して家庭を築き、それぞれの責任をまっとうするのはとてもいいことです。私がご相談をいただく方は、皆さんがそういう夢を持っていらっしゃいます。

■インスタグラムが恋愛を変えた?

――今年も不倫ははやるのでしょうか?

大西 そう思います。著書でも触れましたが、相模ゴム工業の調査によりますと、13年1月の時点で配偶者や交際相手以外のセックスのお相手がいる割合は、男性で26.9%、女性が16.3%でした。結構な数字ですよね。

 私としては昨年の田中萌さん(テレビ朝日アナウンサー)と先輩アナウンサー、中村橋之助さんと芸妓さんの不倫は驚きよりもショックでした。田中さんはあんなにかわいいのに、なぜ妻子ある人と……とか、三田寛子さんというしっかり者の奥様がいる橋之助さんがなぜ……とかテレビを見てハラハラしていました。今年はもっとすごい不倫カップルが出てくるかもしれません。

――昨年はりゅうちぇるさんとぺこさん、DAIGOさんと北川景子さんなど新しいご夫婦も誕生しました。

大西 りゅうちぇるさんたちは「恋人キャラ」が微笑ましくてよかったので、うまく「理想の夫婦」に方向転換できればいいですね。「美人は3日で飽きる」といいますから、心配なのはDAIGOさんですね(笑)。

――今後の不倫はどうなっていくと思われますか?

大西 不倫といいますか、恋愛全体に「格差」が広がると思います。モテる人はよりモテて、モテない人はよりモテなくなるということです。これにはSNSの普及が関連していて、その中でも特にオシャレなインスタグラムは、かなり影響があると考えます。

 インスタに載せるようなカッコイイ写真というのは、「自分への興味」つまりナルシシズムの表れなんですね。これらをうまく使いこなせて、女性の話もきちんと聞いてあげられるリッチな年上男性はどんどんモテます。

 そして、平野ノラさんのようなバブルを知らない世代がバブルに憧れていることからもわかるように、ロリータ風よりもアダルトな雰囲気を目指す女性が増え、妻子がいてもオトナの男性と交際したいと思う女性も増えると思います。そんなカップルのために出てきそうなビジネスが「不倫民泊」ですね。これは今年こそ当たると思います。私も「しのびの宿 おおにし」とか経営してみたいです。防音もちゃんとして、逢瀬のために提供しますよ。不倫の時代はまだまだ続きますね。
(蒼山しのぶ)

大西明美(おおにし・あけみ)
婚活アドバイザー。2010年からクリスチャン専門の結婚相談所を経営。20年で4万3000件以上の「婚活&恋愛アドバイス」を実施。これまで1000人以上の不倫カウンセリングも行う。現在は1日20件以上の婚活メール相談や年間100人以上の直接面接による婚活アドバイスをこなしつつ、「WEBプレジデントウーマン」で働く女性向けの婚活記事を連載するなど、恋愛や婚活、不倫に関するさまざまな情報を積極的に発信し続けている。著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。

ゲス不倫男が横領で逮捕! そのとき、愛人が囲われていたマンションはどうなる?

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Photo by Tadashi Okoshi from Flickr

 マンションを買ってくれるお金持ちの彼。不況が続く日本で、そんな男をつかまえられたら、女の勝ち組と言えるかもしれない。たとえ、その彼が既婚者だったとしても……。しかし、あまりにも金払いがいい男の場合はご用心。それは横領で得た金の可能性もあるのだから。

■高級マンションに愛人を囲いたがるゲス不倫男

 今年6月、新潟県長岡市の北越紀州製紙の子会社・北越トレイディングの元総務部長、羽染政次容疑者が、2000年から15年間で約24億7,600万円を横領して逮捕された。羽染容疑者はその金で、複数の愛人にマンションを購入していたという。

 10月には、三井住友銀行大森支店の元副支店長、南橋浩容疑者が逮捕されている。昨年11月から今年6月にかけて外貨取引のオンラインシステムを不正操作し1億9,000万円を詐取。そのほかにも2007年から総額11億円をだまし取っていた。不正に得た金は、外国為替取引、子どもの教育費、さらに交際していた女性に都内の高級マンションを買い与えることに1億円を使ったという。

 愛人を囲って酒池肉林。しかし、そんな生活が長く続くわけがない。

■逮捕されたら愛人はマンションを返還?

 不動産サイトで都内1億円のマンションを検索すると、六本木で75平米の新築マンション、表参道で3LDKの築浅マンションなどがヒットする。愛人は、さぞかし優雅な暮らしを送っていたことだろう。しかし、それが横領で得た金だと判明すれば、全額返還する義務が生じるのだろうか。アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に話を聞いた。

「横領されたお金を何とか取り戻したいという被害者の気持ちはよくわかります。しかし、実際には、マンションをもらった愛人に対して被害弁償を求めるのは、愛人も横領に深く関与していたという事情がない限り難しいでしょう。横領した犯人に請求するのと違い、第三者からお金を取り戻すことは、単純ではないのです。

 民法では、被害者は被害品を持っている人に対して、被害・遺失の日から2年間は物の回復を請求することができると定められています。しかし、この条文は窃盗や強盗によって奪われたものを想定しており、横領されたものについては適用されません。しかも、横領されたのはあくまでお金であり、マンション自体は被害品ではないという点も返還を難しくさせています」

 マンションを返還する義務は生じにくい。しかし、それ相当の金額を賠償請求されないのだろうか。

「通常の不法行為に基づく損害賠償請求が考えられます。しかし、愛人が横領に関与していない場合は、愛人に故意・過失が認められないため、不法行為に基づく損害賠償請求は難しいです。なお、愛人が横領によって得たお金で支払われたマンションであることを知っていたり、薄々わかっていたりという場合は不当利得返還請求が認められやすくなるでしょう」

 怪しいと勘付いていても、知らないふりを押し通すのか。それとも、返還請求に備えて清算するのか。いずれにせよ「マンションを買ってあげる」と言い寄ってくるゲス不倫男にはご注意を……。

(松田松口)

アディーレ法律事務所

紀香は養子縁組でイメージアップ!? 酒井順子がつづるニュースなエッセイ『朝からスキャンダル』

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『朝からスキャンダル』(講談社)

 今年は、正月早々、ベッキーとゲスの極み乙女。の川谷絵音の不倫スキャンダル発覚で、大騒動が巻き起こった日本。その後、乙武洋匡、米米CLUB・石井竜也、ファンキー加藤、桂文枝、最近では中村橋之助(現・芝翫)など、次々と不倫が発覚し、いやー、芸能人って、やっぱり人気商売なだけにモテモテで、不倫している人が多いんですねぇー、なんてあらためて思ってしまった。

 『朝からスキャンダル』(講談社)は、“負け犬の遠吠え”の生みの親・酒井順子氏が、「週刊現代」(同)の連載で、2015年7月から16年7月にかけて、旬のスキャンダルネタやニュースについて、たっぷりのユーモアと毒をもってつづった、全45編のエッセイ。

 もちろん、気になる不倫についての見解も書かれており、不倫がどうして、こうも人の関心を引き寄せてしまうのか、ということの理由は次のように分析されている。

紀香は養子縁組でイメージアップ!? 酒井順子がつづるニュースなエッセイ『朝からスキャンダル』

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『朝からスキャンダル』(講談社)

 今年は、正月早々、ベッキーとゲスの極み乙女。の川谷絵音の不倫スキャンダル発覚で、大騒動が巻き起こった日本。その後、乙武洋匡、米米CLUB・石井竜也、ファンキー加藤、桂文枝、最近では中村橋之助(現・芝翫)など、次々と不倫が発覚し、いやー、芸能人って、やっぱり人気商売なだけにモテモテで、不倫している人が多いんですねぇー、なんてあらためて思ってしまった。

 『朝からスキャンダル』(講談社)は、“負け犬の遠吠え”の生みの親・酒井順子氏が、「週刊現代」(同)の連載で、2015年7月から16年7月にかけて、旬のスキャンダルネタやニュースについて、たっぷりのユーモアと毒をもってつづった、全45編のエッセイ。

 もちろん、気になる不倫についての見解も書かれており、不倫がどうして、こうも人の関心を引き寄せてしまうのか、ということの理由は次のように分析されている。

男の半数は浮気している! 不倫が許される人と許されない人――「今どきの不倫」匿名座談会

<p> ベッキーに始まり、宮崎謙介前衆議院議員、乙武洋匡、桂文枝、石井竜也、とにかく明るい安村、三遊亭円楽、ファンキー加藤、などなど、芸能界から国会議員まで、なぜか今年は不倫騒動が続いている。そこで、身近で不倫をよく目にしたり、実際に不倫の当事者である女性3人に「今どきの不倫」について語ってもらった。</p>

不倫している女、された女、目撃した女――「今どきの不倫」匿名座談会

<p> ベッキーに始まり、宮崎謙介前衆議院議員、乙武洋匡、桂文枝、石井竜也、とにかく明るい安村、三遊亭円楽、ファンキー加藤、などなど、芸能界から国会議員まで、なぜか今年は不倫騒動が続いている。そこで、身近で不倫をよく目にしたり、実際に不倫の当事者である女性3人に「今どきの不倫」について語ってもらった。</p>

不倫は純愛か? 慰謝料請求裁判をしたことで見えたもの

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Photo by Steve Johnson from Flickr

 こんにちは、まほです。結婚4年目にして、夫の不倫が発覚。その日を境に、今まで送ってきた生活は、がらりと大きくありようを変えました。その顛末記です。

■男性の半数以上、女性の3分の1以上が配偶者および恋人を裏切っている

 さてこの連載も、最終回となります。わたしが経験した不倫の慰謝料裁判についての結末は前回、お伝えしましたが、発覚から和解までに、おおよそ2年を費やしているうち、芸能人や有名人の不倫が世間を何度も賑わし、そして、不倫する男女を非難する世間の声は、激しくなっていくばかりです。もちろん、不倫は(不貞行為があった場合)、日本の民法上では不法とされている行為です。道義的にも、正しい行いとはされていません。けれど、これほどまでにヒステリックに世間が騒ぐのはなぜか。

 「実は不倫願望がある人は多く、しかし、家庭のことを考えて我慢している。だから、感情のままに恋をしている人のことを羨ましいと思う気持ちが嫌悪につながる」といった解釈などもされていましたが、わたしが思ったのは、むしろ「実は心の中に密かに、『自分もされているかもしれない』という疑心を持っていて、そこを刺激されるので、ことさらに否定してしまう」のではないかということです。

 というのも、日本家族計画協会家族計画研究センターがコンドーム・メーカーであるジェクス株式会社からの依頼を受けて実施した「ジェクス ジャパン・セックス・サーベイ」という調査結果があります。最新のものでも2013年と、若干古いのですが、全国満20 歳から69歳の男女を対象としてインターネットリサーチを実施したもので、調査配信数は10万6,871 人。都道府県間の比較を行うために、47 都道府県から回収順にしたがって均一に107 サンプルを収集し、合計5,029 人を集計対象としたデータです。

 これによると、「これまでに配偶者(夫・妻)や恋人以外の人とのセックス(性交渉)があったか」との質問に対し、男性の55.1%、女性の34.9%が「あった」と答えているんです。この数字、どう思いますか。実に男性の半数以上、女性の3分1以上が配偶者および恋人を裏切っているということです。このうち何%がパートナーの浮気の事実を知っているか、という調査結果はありませんでしたが、一緒に住んでいる夫婦ならば、「なんか怪しい」「あの人、もしかして」と考える瞬間は必ずあると思います。その時に、わたしがしたように「でも、まさかね。うちの人に限ってそんな(笑)」と楽天的に考えて、真実から目を背けている人って、たくさんいると思うんです。もちろんすべて知っていて、「家庭に迷惑をかけないのならば」と目をつぶっている人もいるでしょう。けれども、目を背けても目をつぶっても、心の奥では疑念や怒りが、ふつふつとたまっていくものです。だから、芸能人の不倫のニュースを聞くと、八つ当たりのように怒りをぶつけてしまうのでは、と思った次第です。

■慰謝料請求裁判をしたことで、自分の見たくない部分ばかり見えた

 わたしは芸能人の不倫には腹は立ちませんが、しかし、不倫を当事者同士が“純愛”と言ってのけることには腹が立ちます。結婚によって結びついている男女のほうがむしろ“不純”だって暗に言われているような気になってしまうからです。もちろん、結婚は生活を共にすることなので、“純愛”に照らし合わせると、“不純”と言われる発言や行動だって避けて通れません。夫が突然仕事を辞めて、夢を追い始めようとしたら、自分たちの生活のために考え直すように説得するでしょうし、セックスだってしたくない時は、相手にどれだけ求められても断る。

 そう。自分でもわかっているんです。ひたむきに愛情を注ぐことができない自分に、後ろめたさを感じているからこそ、胸を張って“純愛”だと言い切られると腹が立つっていうことも。夫の不倫の発覚、そして、不倫の慰謝料請求裁判をしたことで見えてきたのは、そういう自尊心の高さ、嫉妬深さ、そして、優越感を得るために不倫相手を見下すような驕りや、不倫相手に対抗意識を燃やす自己顕示欲の強さといった、自分で見たくない部分ばかりでした。

 そして後悔ばかりです。夫とその不倫相手との関係の深さを認めたくなくて、無理やりに引き剥がしたために、今度は彼らがより狡猾に密会するようになったこと。相手は捨て身になり、自殺未遂までして全身全霊で夫を引き留めようとしたことを「メンヘルこえー」とせせら笑い、かっこつけて余裕なポーズで、毎晩女友達と飲み歩いて、夫の気持ちが“かわいそうな愛人”に寄り添ってしまったこと――今さら後悔しても仕方ありませんが、やり直せるとすれば、最初の三者面談の時点で弁護士を入れて、「これ以上調子に乗ると、裁判するぞコラ」と、夫と不倫相手の両方に脅しを入れておけばよかったと思っています。

 なんせ、不倫といえども当人たち、もしくは片方が“純愛”気分に浸っている場合は「付き合っていて、何が悪いの? わたしたちは愛し合っているのに」と考えているのだから、その配偶者は、完全に愛を切り裂く邪魔者扱いなわけです。そんな相手にいくら話をしても無駄、こちらに与えられた権利を行使しつつ、ただ粛々としかるべき措置を講じていくことが、物事を解決するただひとつの方法だったと思います。

 そして、最後に言いたいのは、慰謝料請求裁判をして、よかったということです。自分の中でメラメラと燃えていた夫と不倫相手への怒りは、ほとんど消えましたし、身をもって「うちの妻は本気になったら怖い」と知った夫は、前よりもわたしや家庭を尊重するようになりました。相手の女性はきっと、今でもわたしのことを恨んでいるとは思いますが、それでも、自由になれて楽になったのではないか――とも、わたしは思っています。クリスマスやお正月といったイベントの日はもちろん、週末も、夜も朝も、自分が会えていない時はいつも別の女性(わたし)と過ごしていて、SNSでちょっと探れば、愛しい自分の恋人の隣で、周囲に“カップル”として認められて当然の顔をしている、その女性の姿が目に入る――そんな地獄から、ようやく逃れることができたのですから。

 全20回と長期にわたって、極私的な体験談を読んでいただいたことを感謝いたします。不倫の沼に浸かって溺れそうな方、旦那様の浮気で苦しんでいる方、ともに幸せな未来が訪れますように。
(まほ)