スタッフは見た! ラブホテルに現れる黒猫「モンタ」の怪奇現象

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Photo by Takuma Kimura from Flickr

 ラブホテルの清掃員をしている大塚が体験した&同僚から聞いたコワーいラブホ怪談をご紹介します。

【第2話】猫のモンタ

「たまに見かける猫ちゃんて、オーナーさんのですか?」

 昨年の今ごろ、新人のホシノさんに聞かれました。北川景子系の美人で、初出勤日に「小説家を目指している」と自己紹介していました。

 「ラブホはネタの宝庫だから、勉強になる」そうです。大塚はネットで書いていることはナイショにしてるので、ちょっと冷や汗が出ましたが、とりあえず「わあ、すごい。有名になってもお友だちでいてね」と社交辞令で返しました。

 ホシノさんは小首をかしげ、「……考えときますね」。いや、単なる社交辞令なんですけどね。

 話が思いっきりそれましたが、ホシノさんは「(幽霊が)視える人」だったようです。猫ちゃんなんか、ラブホにいるわけありません。

「猫だぁ? どこから入ってきたのかなあ? オーナーに知れたらまずいよ」

 スズキ主任は知ってるくせにトボけます。

「ウチは衛生第一なんだから、猫なんかいたら大騒ぎよ。見間違いなんじゃないの~?」

 フロントの美魔女・タナカさんも塩対応で、ホシノさんは納得できない顔をしていました。

 実は、大塚は見たことないのですが、いつの頃からか当ホテルには「猫ちゃんの霊」も出るようなのです。「掃除のために客室のドアを開けておいたら、すっと入ってきて消えた」とか、「廊下を歩いているのがモニターに映っていたので、慌てて見にいったらいなかった」「屋上に通じる非常階段の一番上にいつも座っていて、見下ろしている」とかの目撃談があります。毛の模様はわからないようですが、黒っぽいらしいです。

 見た人は気味悪がってたいてい辞めてるので、主任はじめ管理職の人たちにとってはうれしくないお話です。とはいえ、名前がないのもかわいそうなので、オーナーのあだ名をとって「モンタ」と呼んでいます。もちろん、あの有名司会者さんのお名前ですね。

「モンタ、また出たのか……」
「カリカリ(猫のドライフード)でもお供えしたいけど、ゴキブリが出たら幽霊より怖いからね」

 主任とタナカさんがしんみり。困ったものですが、イタズラもしていないようですし、猫好きの大塚としては見てみたいものです。

 そして、案の定というか、やっぱりというか、ホシノさんは1カ月ほどで辞められましたが、その後も作家デビューはされていないようです。

大塚(おおつか)
都内某所のラブホで働く現役清掃員。R-ZONEと月刊誌「週刊実話ザ・タブー」(日本ジャーナル出版)で清掃員の日常を連載中。

ラブホテル清掃員が明かすコワーい話「“4”の部屋はアレが出る! 」

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Photo by haru__q from Flickr

 ラブホテルの清掃員をしている大塚が体験した&同僚から聞いたコワーい「ラブホ怪談」をご紹介します。

【第1話】「4」のつく部屋

 はじめまして、大塚と申します。

 ラブホテル、テレビ局、コンサートホール、遊園地、テーマパーク……これらの共通点は「(幽霊が)出る」といううわさが絶えないことですね。一説には「生前に興味があった場所に霊が集まるから」だそうですが、清掃スタッフにとってはありがたくないお話です。当ホテルにもいくつかありますが、4階の霊は古株(?)らしく、体験談も多いです。

 まず、誰も使っていないのに勝手にエレベーターが動いて4 階で止まり、ドアが開きます。で、勝手にドアが閉まって1階まで降りてきます。これがけっこうな頻度であります。

 とはいえ、ふだん大塚たちはお部屋でお掃除をしているか、従業員控室にいるかなので、ほとんど気づきません。でも、フロントの美魔女・タナカさんはモニターで目の当たりにしてしまいます。

「また見ちゃったあ。コワイ!」

 昨日もタナカさんは手首に巻いた魔除けのパワーストーンを撫でながら、ぼやいていました。特にナニがあるというわけではないのですが、「すんごくコワイ」そうです。

 また、夜中の1時に「部屋がうるさいから替えてほしい」と4階のお部屋のお客様からお電話があることもしばしばです。女性の泣いているような声がするのだそうです。確認しましたが、隣室のエッチの声ではないようです。他にお部屋が空いていれば問題ないのですが、週末は混むので対応できないこともあり、そうなると大変です。怒ってお帰りになるお客様もいらっしゃるからです。

 「まあ先週のお客様は幽霊とは思っていらっしゃらなかったようで、よかった。単純に隣がうるさいだけと思ってたみたい」とタナカさん。真相は知らないほうがいいかもですね。

「そうそう、だいぶ前だけど、『窓の外にオンナの顔が!』って電話で言われて、慌てて見に行ったんだけど……。見えたよ、4階の窓の外に。サダ○みたいのが。もちろん超怖かったけど、お客さんと一緒に怖がるのもアレかな? と思って、『さあ……私には見えませんけど、お気にさわるようでしたら3階が一室あいております』ってご案内しといたわ」

 まさにフロントの鑑です……ていうか真剣にお祓いを考えたいのですが、言い出せずにおります。

大塚(おおつか)
都内某所のラブホで働く現役清掃員。R-ZONEと月刊誌「週刊実話ザ・タブー」(日本ジャーナル出版)で清掃員の日常を連載中。

ラブホテル清掃員が明かすコワーい話「“4”の部屋はアレが出る! 」

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Photo by haru__q from Flickr

 ラブホテルの清掃員をしている大塚が体験した&同僚から聞いたコワーい「ラブホ怪談」をご紹介します。

【第1話】「4」のつく部屋

 はじめまして、大塚と申します。

 ラブホテル、テレビ局、コンサートホール、遊園地、テーマパーク……これらの共通点は「(幽霊が)出る」といううわさが絶えないことですね。一説には「生前に興味があった場所に霊が集まるから」だそうですが、清掃スタッフにとってはありがたくないお話です。当ホテルにもいくつかありますが、4階の霊は古株(?)らしく、体験談も多いです。

 まず、誰も使っていないのに勝手にエレベーターが動いて4 階で止まり、ドアが開きます。で、勝手にドアが閉まって1階まで降りてきます。これがけっこうな頻度であります。

 とはいえ、ふだん大塚たちはお部屋でお掃除をしているか、従業員控室にいるかなので、ほとんど気づきません。でも、フロントの美魔女・タナカさんはモニターで目の当たりにしてしまいます。

「また見ちゃったあ。コワイ!」

 昨日もタナカさんは手首に巻いた魔除けのパワーストーンを撫でながら、ぼやいていました。特にナニがあるというわけではないのですが、「すんごくコワイ」そうです。

 また、夜中の1時に「部屋がうるさいから替えてほしい」と4階のお部屋のお客様からお電話があることもしばしばです。女性の泣いているような声がするのだそうです。確認しましたが、隣室のエッチの声ではないようです。他にお部屋が空いていれば問題ないのですが、週末は混むので対応できないこともあり、そうなると大変です。怒ってお帰りになるお客様もいらっしゃるからです。

 「まあ先週のお客様は幽霊とは思っていらっしゃらなかったようで、よかった。単純に隣がうるさいだけと思ってたみたい」とタナカさん。真相は知らないほうがいいかもですね。

「そうそう、だいぶ前だけど、『窓の外にオンナの顔が!』って電話で言われて、慌てて見に行ったんだけど……。見えたよ、4階の窓の外に。サダ○みたいのが。もちろん超怖かったけど、お客さんと一緒に怖がるのもアレかな? と思って、『さあ……私には見えませんけど、お気にさわるようでしたら3階が一室あいております』ってご案内しといたわ」

 まさにフロントの鑑です……ていうか真剣にお祓いを考えたいのですが、言い出せずにおります。

大塚(おおつか)
都内某所のラブホで働く現役清掃員。R-ZONEと月刊誌「週刊実話ザ・タブー」(日本ジャーナル出版)で清掃員の日常を連載中。

ラブホテルという非日常で育った女の“節目”を描いた『ホテルローヤル』

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『ホテルローヤル』/集英社

■今回の官能小説
『ホテルローヤル』(桜木紫乃、集英社)

 「ラブホテル」という場所がある。それがどういう場所なのか知らなかった子どもの頃は、おもちゃのような原色のお城を指差して、「あのお城、なあに?」と、無邪気に両親に訊ねたりしたこともあった。今思い返すと、何ともばつの悪い空気が流れていたことだろう。

 「ラブホテル」とは、ふと冷静に考えると非常に不可思議な場所である。なぜなら、男と女が、ただセックスをするためだけに集結する場所だからだ。不倫カップルがたまの逢瀬をむさぼる部屋もあれば、性欲を満たすだけにホテトル嬢を呼んでいる部屋もある。目的とする行為は1つだけれど、それに至るまでの物語は、壁1枚を隔てて十人十色――それぞれの部屋で、わずか数時間ばかりの、男と女のさまざまなドラマが繰り広げられている。
 
 今回ご紹介する『ホテルローヤル』(集英社)は、北海道の片田舎にあるラブホテルが舞台となる連作短編集である。1年のほとんどが厚い雲で覆われ、寒さから身を守るように人々が身体を寄せ合って生きている――そんな人のぬくもりが人一倍恋しくなるような北海道の片隅に、ひっそりと「ホテルローヤル」は建っている。

ラブホテルという非日常で育った女の“節目”を描いた『ホテルローヤル』

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『ホテルローヤル』/集英社

■今回の官能小説
『ホテルローヤル』(桜木紫乃、集英社)

 「ラブホテル」という場所がある。それがどういう場所なのか知らなかった子どもの頃は、おもちゃのような原色のお城を指差して、「あのお城、なあに?」と、無邪気に両親に訊ねたりしたこともあった。今思い返すと、何ともばつの悪い空気が流れていたことだろう。

 「ラブホテル」とは、ふと冷静に考えると非常に不可思議な場所である。なぜなら、男と女が、ただセックスをするためだけに集結する場所だからだ。不倫カップルがたまの逢瀬をむさぼる部屋もあれば、性欲を満たすだけにホテトル嬢を呼んでいる部屋もある。目的とする行為は1つだけれど、それに至るまでの物語は、壁1枚を隔てて十人十色――それぞれの部屋で、わずか数時間ばかりの、男と女のさまざまなドラマが繰り広げられている。
 
 今回ご紹介する『ホテルローヤル』(集英社)は、北海道の片田舎にあるラブホテルが舞台となる連作短編集である。1年のほとんどが厚い雲で覆われ、寒さから身を守るように人々が身体を寄せ合って生きている――そんな人のぬくもりが人一倍恋しくなるような北海道の片隅に、ひっそりと「ホテルローヤル」は建っている。